JPH06198165A - 浄水器用活性炭繊維カートリッジ - Google Patents

浄水器用活性炭繊維カートリッジ

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JPH06198165A
JPH06198165A JP5016758A JP1675893A JPH06198165A JP H06198165 A JPH06198165 A JP H06198165A JP 5016758 A JP5016758 A JP 5016758A JP 1675893 A JP1675893 A JP 1675893A JP H06198165 A JPH06198165 A JP H06198165A
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哲也 津島
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Abstract

(57)【要約】 【構成】繊維状活性炭及び、平均分子量3,000以上
で、遊離フェノールを殆ど含まず、熱溶融性有するフ
ェノール樹脂水を加えて成型した後、炭化し、要すれ
ば更に賦活した実質的に炭素成分のみからなり、水器
成形吸着体である。 【効果】本発明の浄水器用成形吸着体の浄水剤の主成分
は繊維状活性炭で、水道水中に含まれるトリハロメタン
及びカビ臭その他臭気成分の吸着・除去性が高く、ま
た、繊維状活性炭成型体は実質的に炭素成分のみからな
っているため、熱水或いは高温水蒸気で再生しても変質
・変形することなく、繰り返し使用可能であり、容易に
再生処理して継続使用出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、繊維状活性炭を使用し
た家庭用浄水器用のカートリッジに関するもので、更に
詳しく述べると、浄水効果が優れた繊維状活性炭を、バ
インダーとしての機能を有するフェノール樹脂の粉末に
よって、成形した後焼成し、要すれば更に賦活して得ら
れた吸着性が高く不純物の含有量が極めて少ない、活性
炭からなる浄水用カートリッジである。
【0002】
【従来の技術】従来浄水器には主として粒状活性炭が使
用されていた。近年、粒状活性炭より吸着除去効果の優
れた繊維状活性炭が注目されている。しかし、繊維状活
性炭を使用する場合の最も大きな問題点は、浄水器用カ
ートリッジへ高密度で且つ通水抵抗が低い状態で充填す
ることが困難な点であった。これを克服するための試み
として、熱融着性バインダー等により繊維状活性炭を一
定の形状に成形した、カートリッジとして浄水器に充填
する方法等が試みられている。
【0003】一方、熱水或いは蒸気によって活性炭に吸
着したトリハロメタンやカビ臭を脱着させ、吸着剤の機
能を再生出来ることが知られている。しかし、熱融着性
バインダーにより成形された繊維状活性炭成形体では、
再生のため加熱すると変形或いは変質のおそれがあるた
め、熱水或いは蒸気による再生が困難であった。再生し
て繰り返し使用するためには、加熱に耐え得る成形品の
調整が課題になっていた。
【0004】加熱しても変形しない成形用樹脂として
は、従来からフェノール系樹脂が挙げられる。フェノー
ル樹脂の成形原料(プレポリマー)としてはレゾール樹
脂及びノボラック樹脂が以前からよく知られている。こ
れらの樹脂は遊離のフェノールを多量に含む他、レゾー
ル樹脂は硬化触媒として通常アンモニアまたは酸を使用
することが多く、ノボラック樹脂はヘキサメチレンテト
ラミンが使用される。従って、触媒が一部残存すること
があるため浄水剤としては衛生上問題があり、また工程
が複雑となるデメリットもあった。
【0005】その後成形用原料として優れた性質を有す
るフェノール樹脂プレポリマーが開発されている。レゾ
ール樹脂或いはノボラック樹脂に較べて分子量が高く、
遊離フェノールを殆ど含まない樹脂が開発されている。
例えば特開昭58-111822 号公報には、分子量が3,000 以
上で遊離フェノールを含まず、熱溶融性と有機溶剤への
溶解性を有する粉末状の成形原料が開示されている。
【0006】従来のフェノール樹脂の成形原料に使用さ
れていたレゾール樹脂及びノボラック樹脂の平均分子量
はそれぞれ 100〜300 及び 300〜500 程度であり、また
遊離フェノール含有量は共に 0.3〜3%程度でかなり多
量含まれている。従って、特許公開公報に開示されてい
る樹脂は、従来の成型原料に較べて著しく分子量が高
く、また遊離フェノール含有量が低く、更にその他不純
物含有量が低い等多くの点で成形原料として優れた性質
を持っている。更にこれらの樹脂は乾留すると、乾留収
率が高く不純物を含まない炭素材料が得られるため、浄
水剤としてもまた活性炭原料としても優れた性質を持っ
ている。
【0007】このフェノール樹脂は有機溶媒に溶解する
性質を有するため、粉末状樹脂に有機溶剤を加えて溶解
し、他の成形材料のバインダーとして使用することも可
能である。しかし、バインダーの溶剤として有機溶媒を
使用した場合には、溶剤の回収及び環境問題に対する配
慮も必要となり、また、工程が複雑化して経済的な負担
も大きくなる等の問題点もあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】水道水には遊離塩素、
カビ臭等の原因になっている生化学物質或いは、トリハ
ロメタン等の有機塩素化合物等多数の有害物質が含まれ
ている。これらの有害物質の中にはトリハロメタンの様
な発癌性の疑いのある物質も含まれ、また夏季の悪臭も
甚だしいため、それらの有害物質の除去が問題となって
いる。
【0009】前記の目的に使用するためには、トリハロ
メタンやカビ臭等を吸着した浄水剤を熱水または高温水
蒸気により繰り返し再生する必要がある。このため加熱
しても変質・変形することがない繊維状活性炭成型体カ
ートリッジを提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は繊維状活性
炭が水道水中の遊離塩素の他、トリハロメタン、カビ臭
その他臭気物質の吸着除去性に優れていることに着目
し、繊維状活性炭を浄水器に使用した場合、水道水との
接触面積が大きく、且つ遊離塩素除去性能が高い特性を
充分に発揮出来る様な、吸着剤の形態について研究し
た。その結果、繊維状活性炭を通水抵抗が過大にならな
い範囲内で、好ましい充填比重になる迄圧縮して充填す
るためには、繊維状活性炭をバインダーによって成形し
た形態が最も好ましいことを見出した。
【0011】更に、吸着剤が衛生上有害な成分を全く含
まないこと、熱水及び高温水蒸気により繰り返し再生し
ても、変質・変形しない成形体であること、更に有機溶
剤を含まないバインダーにより繊維状活性炭を成形する
方法について研究した結果、平均分子量3,000 以上で、
遊離フェノールを殆ど含まず、熱溶融性と溶剤への溶解
性を有するフェノール樹脂は、かなり多量のメチロール
基を含む点に注目して試験した結果、水により膨潤させ
ると可塑性を示し、バインダーとして使用出来ることを
見出した。更にこのようにして得られた繊維状活性炭成
形体を乾燥後焼成することにより、熱水や高温の水蒸気
で再生しても変形・変質しない成形体が得られることを
確かめ、これに基づいて本発明に到達した。
【0012】すなわち、繊維状活性炭及び、平均分子量
3,000 以上で、遊離フェノールを殆ど含まず、熱溶融性
と溶剤への溶解性を有するフェノール樹脂の粉末に水を
加えて成形した後、炭化し、要すれば更に賦活した実質
的に炭素成分のみからなり、再生可能な浄水器用活性炭
繊維成形体カートリッジである。
【0013】尚ここで示した平均分子量は、フェノール
樹脂のテトラハイドロフラン溶液をGPC 法(Gel Permea
tion Chromatography)により測定したものである。以下
本発明について詳しく説明する。
【0014】本発明の浄水器用カートリッジには浄水剤
として繊維状活性炭を使用する必要がある。繊維状活性
炭はフェノール系、石炭ピッチ系、石油ピッチ系、アク
リル系、レーヨン系、天然セルロース系等の繊維を炭
化、賦活して作られたもので、原料により或る程度平均
細孔径が異なり従って吸着性その他の物性も異なるが、
通常の活性炭と比較して平均細孔径が小さく、且つ細孔
径の均一性が高く、不純物の含有量が低く、吸着速度が
速く、その比表面積が大きく2500m2/gに達するものがあ
る。また、水道水中の遊離塩素、トリハロメタン、カビ
臭その他臭気物質の吸着除去性に優れた性質を持ってい
る。本発明で使用する繊維状活性炭は特に限定せず、い
ずれの原料から得られた活性炭繊維でもよいが、吸着性
の点からフェノール系の繊維状活性炭がより好ましい。
【0015】繊維状活性炭の表面積または繊維径は特に
限定しないが、表面積1000m2/g以上BET (Brunauer, Emm
ett & Teller法表面積、以下同じ) 、好ましくは1500m2
/g以上、また繊維径は5〜30μのものが好ましい。
【0016】しかしながら、繊維状活性炭のみで作った
フェルトまたは綿状の浄水剤は、充填比重が0.1 以下で
極めて低く、そのまま浄水器のカートリッジに充填して
も、充填量が少な過ぎて繊維状活性炭の特性を充分に発
揮させることが出来ない。浄水器の効果を高めるため、
吸着剤の充填比重は0.1 〜0.3 程度まで高めることが好
ましい。しかし、それ以上に高くなると通水抵抗が増加
して、却ってその効果が阻害される。
【0017】そのため、繊維状活性炭を圧縮してバイン
ダーにより成形する方法が考えられる。バインダーとし
てはラテックス、熱可塑性樹脂の粉末或いは繊維を使用
することも考えられるが、成形体を熱水或いは高温水蒸
気によって再生した時、成形体が変形・変質して通水抵
抗が高くなり易いため不適当である。熱水或いは高温水
蒸気によっても変形・変質しないバインダーとしては、
熱硬化性樹脂が好ましい。
【0018】或いは、繊維状活性炭のみまたは合成繊維
を混合して、ニードルパンチによりフェルト状にするこ
とも考えられるが、繊維状活性炭はしなやかさに欠け繊
維が折れ易いため、ニードルパンチのみでシートの充填
比重を0.1 以上にすることは困難である。
【0019】前記の様に繊維状活性炭のバインダーとし
ては熱硬化性樹脂が好ましいが、その中最もよく使用さ
れているのはフェノール樹脂である。本発明ではバイン
ダーとして平均分子量3,000 以上で、遊離フェノールを
殆ど含まず、熱溶融性と溶剤への溶解性を有するフェノ
ール樹脂を使用する必要がある。この樹脂は通常粉末状
で、この様な性質を有するフェノール樹脂としては例え
ば、鐘紡(株)製「ベルパール S-890 」を挙げること
が出来る。
【0020】フェノール樹脂の成型原料(プレポリマ
ー)としては以前からレゾール樹脂及びノボラック樹脂
がよく知られている。レゾール樹脂及びノボラック樹脂
の平均分子量は、それぞれ 100〜300 及び 300〜500 程
度であり、また遊離フェノール含有量は共に0.3 〜3%
程度である。しかし、本発明でバインダーとして使用す
るフェノール樹脂は、レゾール樹脂及びノボラック樹脂
に較べて平均分子量3,000 以上で著しく重合度が高いこ
と、遊離フェノールの含有量が非常に少なく殆ど含まな
い等の特徴を持っている。また前述の様にレゾール樹脂
或いはノボラック樹脂は通常熱硬化させる場合触媒とし
て、アンモニア、酸またはヘキサメチレンテトラミン等
を使用するが、この樹脂は硬化触媒を使用する必要がな
く、自硬化性である点等でその性質が著しく異なってい
る。
【0021】ここで、遊離フェノールを殆ど含まないと
は、粉末状の試料を水中に分散せしめ、液体クロマトグ
ラフィーで遊離フェノールを測定し、その含有率が300p
pm以下であることを言う。
【0022】本発明ではバインダーであるフェノール樹
脂の膨潤剤として水を使用する必要がある。この樹脂は
有機溶媒にはかなり高い溶解性を有するから、バインダ
ーを調整するために有機溶媒を使用することも可能であ
る。しかし、有機溶媒を使用すると、溶剤の回収及び環
境問題に対する配慮も必要となり、また、工程が複雑化
して経済的な負担も大きくなる等の大きなデメリットが
ある。
【0023】本発明者等はバインダーとして使用するこ
のフェノール樹脂が、高分子化合物としては分子量が比
較的低く、分子中に多量のメチロール基を含む点に着目
し、水に対する挙動を調べた結果、膨潤性が非常に高く
充分膨潤させた樹脂を他の成形材料と混和すると高い成
形性を示すことを見出し、これに基づいて有機溶媒を使
用しない繊維状活性炭の耐熱成形体の製法を開発した。
フェノール樹脂バインダーの膨潤剤として水を使用する
点が本発明の最も大きな特徴である。
【0024】このフェノール樹脂の粉末は、水を加えて
混和すると容易に膨潤して粘着性を示し、丁度米の粉に
常温で水を加えて練ると団子ができるのと同様に、繊維
状活性炭と樹脂の粉末に水を加えて練った塊状物は、任
意の形に成形することが出来る。更に、その塊状物を乾
燥後窒素気流中で 600°〜 800℃で焼成すると、フェノ
ール樹脂は炭化されて、実質的に炭素成分のみからなる
繊維状活性炭成形体が得られる。
【0025】繊維状活性炭とこれらのフェノール樹脂の
混合物を成形する場合の、混合比率は特に限定しない
が、成形体の吸着性及び通水抵抗の観点から繊維状活性
炭とフェノール樹脂の混合比率は98:2〜50:50 の範囲
が好ましい。
【0026】実質的に炭素成分のみからなる繊維状活性
炭成形体は、要すれば更に 700°〜900 ℃で炭酸ガスま
たは水蒸気を含む燃焼ガス気流中で賦活することによ
り、成形体のバインダー部分も活性炭になり、一層吸着
性能を高めることが出来る。フェノール樹脂を炭化・賦
活して得られた活性炭の平均細孔径は、通常の活性炭よ
り小さくまた、細孔径の均一性が高いため繊維状活性炭
と同様に、トリハロメタン及びカビ臭等の臭気成分の吸
着性が優れた性質を持っている。更に不純物の含有量も
極めて少ないから浄水剤に適している。
【0027】
【作用】繊維状活性炭は粒状活性炭に較べてトリハロメ
タン或いは水道水中に含まれるカビ臭その他臭気成分の
吸着性が高い。これは繊維状活性炭の平均細孔径が一般
の粒状活性炭より小さく且つ、細孔径の均一性が高いた
めと考えられる。これらの性質は繊維状活性炭の原料で
あるフェノール系等のポリマーからなる繊維の組織に由
来するものと考えられる。繊維状活性炭成形体の好まし
いバインダーであるフェノール系樹脂を、焼成・賦活し
て生成した活性炭成分も同様な特性を持っている。
【0028】しかし、繊維状活性炭はトリハロメタン或
いは水道水中に含まれるカビ臭その他臭気成分の吸着性
に優れているが、これらの成分の飽和吸着量は比較的少
なく、比較的短期間で飽和して破過する。しかし、これ
らの成分は熱湯で脱着出来る性質を有するため、一定期
間使用した後は熱湯で処理して再生すれば繰り返し使用
可能である。
【0029】本発明の繊維状活性炭成形体として、実質
的に炭素のみからなる組成物を選択したのは、熱水或い
は高温水蒸気で再生処理した場合に、変質・変形のおそ
れがないためである。更に、成形体の不純物含有量が極
めて少ないため衛生的にも優れている。
【0030】本発明の浄水器用カートリッジは、更に水
道水中の細菌や濁りの成分を除去する機能を有する中空
糸膜と併用した構造とすることも出来る。
【0031】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を更に具体的に説
明する。
【0032】(実施例1)比表面積2000m2/gのフェノー
ル系繊維状活性炭(クラレケミカル(株)製「クラクテ
ィブ FR-20」)70重量%及び、50℃におけるDMF 溶解度
90%以上のフェノール樹脂プレポリマー粉末(鐘紡
(株)製「ベルパール S-890」)30 重量%に水を加えて
混和後、湿式成形法で外径65mm、内径30mm、長さ250mm
の円筒状に成形した。これを 950℃の窒素気流中で乾留
して、円筒状の繊維状活性炭成形体を得た。
【0033】図1に示す様に得られた成形体を浄水器の
ケースに収容し、トリハロメタン(THM) の成分として C
HCl325 ppb、CHBrCl2 10 ppb、CHBr2Cl 10 ppb、CHBr3
5ppb、カビ臭の成分である 2-MIB(2-メチルイソボルネ
オール) 100 ppt を含む水を、流量 4 (l/min) SV 184
(h-1) で通して通水量240 (l) 毎に、90℃の温水を流量
2 (l/min) SV 184 (h-1) で15分間 (再生温水量 30
(l))通水して再生した。
【0034】通水初期のトリハロメタン(THM) 及びカビ
臭物質(2-MIB) の除去率はいずれも100 %であり、圧損
失は 0.8(Kgf/cm2) であった。また、30回再生後のTHM
及び2-MIB の除去率はそれぞれ85%及び100 %であり、
圧損失は通水初期と同じであった。
【0035】(実施例2)繊維状活性炭及びフェノール
樹脂プレポリマー粉末を実施例1と同様にして湿式成形
法で成形し、乾留して得られた繊維状活性炭成形体を更
に LPG燃焼ガス(H2O-CO2-CO-H2-C3H8-N2の混合ガス) 中
で賦活して円筒形の活性炭成形体を得た。
【0036】得られた活性炭成形体に実施例1と同様な
条件で、同様な組成を有する水を通し、同様な条件で再
生した。通水初期及び30回再生後のトリハロメタン(TH
M) 及びカビ臭の成分である(2-MIB) 及び圧損失を測定
した。
【0037】通水初期のTHM 及び2-MIB の除去率はいず
れも100 %であり、圧損失は 0.8(Kgf/cm2) であった。
また、30回再生後のTHM 及び2-MIB の除去率はそれぞれ
90%及び100 %であり、圧損失は通水初期と同じであっ
た。
【0038】また、この成形体を繰り返し (30回) 熱水
を通過させて再生した後も元の成形体の形態を保持して
おり、変形は認められなかった。
【0039】図1に活性炭成形体を透明な浄水器用プラ
スチックのケースに収容して通水した場合の斜視図を、
図2に通水量と遊離塩素除去率の関係を、また図3に通
水量と圧損失の関係を示す。
【0040】(比較例1)比表面積2000m2/gのフェノー
ル系繊維状活性炭(クラレケミカル(株)製「クラクテ
ィブ FR-20」)70重量%及び、鞘が低融点ポリエステル
からなるポリエステル系芯・鞘繊維( (株) ユニチカ製
「メルティ」)30重量%を混和後、湿式成形法で実施例
1と同様な円筒状に成形した。これを 130℃で3時間乾
燥し、円筒形繊維状活性炭成形体を得た。
【0041】得られた繊維状活性炭成形体に実施例1と
同様な条件で、同様な組成を有する水を通し、同様な条
件で再生した。通水初期及び30回再生後のトリハロメタ
ン(THM) 、カビ臭の成分である(2-MIB) 及び圧損失を測
定した。
【0042】通水初期のTHM 及び2-MIB の除去率はいず
れも100 %であり、圧損失は 0.8(Kgf/cm2) であった。
また、30回再生後のTHM 及び2-MIB の除去率はそれぞれ
50%及び80%に低下し、圧損失は1.2 (Kgf/cm2) に上昇
した。
【0043】また、この成形体に繰り返し (30回) 熱水
を通過させて再生した後は、成形体の形態が崩れてきて
原形が保持されていなかった。
【0044】
【発明の効果】本発明の浄水器用カートリッジの浄水剤
の主成分は繊維状活性炭で、水道水中に含まれるトリハ
ロメタン及びカビ臭その他臭気成分、遊離塩素の吸着・
除去性が高く、また繊維状活性炭成形体は実質的に炭素
成分のみからなっているため、熱水或いは高温水蒸気で
再生しても変質・変形することなく、繰り返し使用可能
であり、容易に再生処理して継続使用出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2で得られた活性炭成形体を透明なケー
スに収容して通水した場合の斜視図を示す。
【符号の簡単な説明】
1 活性炭繊維成形体本体 2 繊維状活性炭 3 成形用バインダーから転化した活性炭 4 活性炭繊維成形体の水の入口 5 活性炭繊維成形体の水の出口 6 ケース内部の隔壁
【図2】実施例2の通水量と遊離塩素除去率の関係を示
す。
【図3】実施例2の通水量と圧損失の関係を示す。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年2月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、繊維状活性炭を使用し
た家庭水器用の成形吸着体に関するもので、更に詳し
く述べると、浄水効果が優れた繊維状活性炭をバインダ
ーとしての機能を有する、粉末または繊維状のフェノー
ル樹脂よって成形した後焼成し、要すれば更に賦活し
て得られた吸着性が高く不純物の含有量が極めて少な
い、活性炭からなる浄水用成形吸着体である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】前記の目的に使用するためには、トリハロ
メタンやカビ臭等を吸着した浄水剤を熱水または高温水
蒸気により繰り返し再生する必要がある。このため加熱
しても変質・変形することがない繊維状活性炭成型体
提供しようとするものである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】すなわち、繊維状活性炭及び、平均分子量
3,000以上で、遊離フェノールを殆ど含まず、熱溶
融性有するフェノール樹脂水を加えて成形した後、
炭化し、要すれば更に賦活した実質的に炭素成分のみか
らなり、水器用成形吸着体ある。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】しかしながら、繊維状活性炭のみで作った
フェルトまたは綿状の浄水剤は、充填比重が0.1以下
で極めて低く、そのまま浄水器充填しても、充填量が
少な過ぎて繊維状活性炭の特性を充分に発揮させること
が出来ない。浄水器の効果を高めるため、吸着剤の充填
比重は0.1〜0.3程度まで高めることが好ましい。
しかし、それ以上に高くなると通水抵抗が増加して、却
ってその効果が阻害される。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】前記の様に繊維状活性炭のバインダーとし
ては熱硬化性樹脂が好ましいが、その中最もよく使用さ
れているのはフェノール樹脂である。本発明ではバイン
ダーとして平均分子量3,000以上で、遊離フェノー
ルを殆ど含まず、熱溶融性有するフェノール樹脂を使
用する必要がある。この樹脂は通常粉末状で、この様な
性質を有するフェノール樹脂としては例えば、鐘紡
(株)製「ベルパール S−890」を挙げることが出
来る。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】この粉末または繊維状のフェノール樹脂
、水を加えて混和すると容易に膨潤して粘着性を示
し、丁度米の粉に常温で水を加えて練ると団子ができる
のと同様に、繊維状活性炭と粉末または繊維状の樹脂
水を加えて練った塊状物は、任意の形に成形することが
出来る。更に、その塊状物を乾燥後窒素気流中で600
°〜800℃で焼成すると、フェノール樹脂は炭化され
て、実質的に炭素成分のみからなる繊維状活性炭成形体
が得られる。樹脂粉末の大きさや形状は特に限定しない
が、粒子の一番長い径で0.5mm、細かい粒子の径は
4μmが好ましい。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】本発明の浄水器用成形吸着体は、更に水道
水中の細菌や濁りの成分を除去する機能を有する中空糸
膜と併用した構造とすることも出来る。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】図1に示す様に得られた成形体を浄水器の
ケースに収容し、トリハロメタン(THM)の成分とし
てCHCl25ppb、CHBrCl 10 pp
b、CHBrCl 10 ppb、CHBr 5p
pb、カビ臭の成分である2−MIB(2−メチルイソ
ボルネオール)100pptを含む水を、流量4(l/
min) SV 368(h−1)で通して通水量24
0(l)毎に、90℃の温水を流量2(l/min)S
V 184(h−1)で15分間(再生温水量30
(l))通水して再生した。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】図1に活性炭成形体を透明な浄水器用プラ
スチックのケースに収容して通水した場合の斜視図を、
図2に通水量と圧損失の関係を示す。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正内容】
【0044】
【発明の効果】本発明の浄水器用成形吸着体の浄水剤の
主成分は繊維状活性炭で、水道水中に含まれるトリハロ
メタン及びカビ臭その他臭気成分、遊離塩素の吸着・除
去性が高く、また繊維状活性炭成形体は実質的に炭素成
分のみからなっているため、熱水或いは高温水蒸気で再
生しても変質・変形することなく、繰り返し使用可能で
あり、容易に再生処理して継続使用出来る。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2で得られた活性炭成形体を透明なケー
スに収容して通水した場合の斜視図を示す。
【符号の簡単な説明】 1 活性炭繊維成形体本体 2 繊維状活性炭 3 成形用バインダーから転化した活性炭 4 活性炭繊維成形体の水の入口 5 活性炭繊維成形体の水の出口 6 ケース内部の隔壁
【図2】成形体の通水量と圧損失の関係を示す。
【符号の簡単な説明】 7 実施例1、2 8 比較例
【手続補正13】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維状活性炭及び、平均分子量3,000 以
    上で、遊離フェノールを殆ど含まず、熱溶融性と溶剤へ
    の溶解性を有するフェノール樹脂の粉末に水を加えて成
    形した後、炭化せしめてなる再生可能な浄水器用活性炭
    繊維成形体カートリッジ。
  2. 【請求項2】 繊維状活性炭及び、平均分子量3,000 以
    上で、遊離フェノールを殆ど含まず、熱溶融性と溶剤へ
    の溶解性を有するフェノール樹脂の粉末に水を加えて成
    形した後、炭化し更に賦活せしめてなる再生可能な浄水
    器用活性炭繊維成形体カートリッジ。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08215044A (ja) * 1995-02-17 1996-08-27 Tiger Vacuum Bottle Co Ltd 浄水型の電気貯湯容器
JPH10326178A (ja) * 1997-03-21 1998-12-08 Fujitsu Ltd 情報処理装置及びプログラム記憶媒体
JP3273796B2 (ja) * 1998-01-23 2002-04-15 三浦工業株式会社 塩素化有機化合物の採取器
US6787494B2 (en) * 2001-01-31 2004-09-07 Japan Envirochemicals, Ltd. Molded product of activated carbon and a method for production thereof
US10105680B2 (en) 2014-07-25 2018-10-23 Kansai Coke And Chemicals Co., Ltd. Activated carbon with excellent adsorption performance and process for producing same

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