JP2960143B2 - 活性炭の製造方法 - Google Patents

活性炭の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は化学的な賦活工程を用いる粒状活性炭の製造
方法に関するものである。
<従来の技術> 活性炭即ち多孔性吸着剤は液体及び気体の精製に於い
て産業に広く使用されている。例えば、精製されるべき
気体は粒状活性炭の層を通過させられる。気体が活性炭
の層を通過すると、気体中の不純物の微粒子は活性炭の
表面上に吸着される。その結果、活性炭の表面積が大き
ければ大きいほど不純物を除去するフィルターの効果が
大きくなる。
<発明が解決しようとする課題> 工業的重要性を持った活性炭は約1ml/gの細孔容積に
相当する1,500m2/g迄の比表面積を示すことが出来、か
つこの大きな表面積を得るためには非常に小さい寸法の
細孔が伴われる。細孔のサイズが増加すると、単位容積
当たりの表面積が減少する。
細孔のサイズはマイクロ細孔,メソ細孔及びマクロ細
孔として明示される。マイクロ細孔及びメソ細孔は粒状
活性炭の吸着能に寄与するのに対してマクロ細孔は単に
密度を減少させると共に粒状活性炭の吸着効率にとって
好ましくない。
従って、固有の表面積を有する活性炭の細孔構造は吸
着剤として活性炭の有効性を決定するのに最も重要であ
る。
しかしながら、粒状活性炭の場合には、密度もまた吸
着剤の有効性の重要な特徴であり、同様に粒状活性炭の
使用は常に一定の容積測定サイズの静的層という形をと
っている。
原料及び製造方法によって化学的処理の活性炭は高度
に発達されたメソ細孔構造を伴った低密度のものである
傾向がある。前者の特徴は望ましい特徴であるが後者の
特徴は化学的処理の粒状活性炭には不利益である。化学
処理の粒状活性炭を製造する任意の方法の成功は、その
能力によって指図され、メソ細孔性能の保持と、吸着効
力に寄与しないマクロ多孔性を最小限にすることによっ
て高密度の発達とを結合させる。
粒状活性炭の能力を決定するのに使用される普通の方
法は、活性炭の単位容積当たりの吸着可能な物質の重量
である。
この検査は一定量の活性炭を標準のU形管に配置して
この活性炭に蒸発気体を通過させることによって通常実
施される。この方法の前後の活性炭の重量が計量され、
この前後の計量の差によって活性炭で吸着された物質の
重量が与えられる。
化学的処理の活性炭の製造に通常使用される原料は炭
素質の植物性物質で、例えば2〜5mmの粒子サイズに粉
砕された材木である。製造された場合の活性炭は通常液
体精製に使用するために粉末形に粉砕されるか又は気体
精製に使用するため結合剤を使用して種々のサイズのペ
レットに形づくられるかのどちらかである。
化学反応の生成物に不純物として存在する色のついた
化学物の除去から、大気に放出する前に気体を精製する
ことのような沢山の活性炭の用途がある。しかしなが
ら、化学的処理のペレット化粒状形活性炭を直接製造す
るためには原料として木材を使用する場合に沢山の固有
の問題がある。
木材の中空の繊維状構造のように木材の細粉原料から
高密度の活性炭を製造することは不可能である。また木
材はリグニンのような自然の結合剤を充分な量はないの
で、追加の結合剤が製造工程間粒状活性炭の粒子構造を
破損しないように活性炭の製造中に導入されなければな
らないだろう。
木材の細胞状構造物から製造された粒状活性炭は低密
度のために活性炭100ml当たり最大6〜7gの不純物を吸
着することが可能である。これは活性炭の多数の適用の
ために要求される数量以下である。
使用可能な活性炭の量に通常厳しい制限がないように
粉末の液相使用にはこれは余り重要ではない。
しかしながら、粒状活性炭の使用の場合に前に説明し
たように使用可能な活性炭の量には上方の制限がある。
その結果もしも粒状活性炭が有効に働くならば、その際
容量吸着係数(g/100ml)は活性炭の製品密度の増加に
よって実質上増加されなければならない。
従って一層有効な活性炭の製造方法の採用は非常に有
利である。
本発明に従って、出発物質が若い炭素質の植物生産物
である活性炭の製造方法が提供される。
<課題を解決するための手段> 好適には、若い炭素質の植物生産物は自然結合剤の例
えば30重量%以上の高濃度を有する。
堅果の殻,果実の核及び仁(じん:果実の核の中にあ
る種子)及び特にオリーブの核,扁桃の殻及びココやし
の実の殻は特に有用であり、自然結合剤例えばリグニン
の高い含有量を有する。
これ等の物質は通常化学賦活方法で使用されるように
2〜5mmの粒子サイズに粉砕された場合には、賦活化学
薬品の充分な量を吸収出来ないので低品質の活性炭を製
造する。しかしながら、注意深い粉砕と分類によって、
粒子サイズの分布は賦活化学薬品の充分な吸収を可能に
するばかりでなく、得られる炭化生産品の密度を最大限
に増加させる結果となる。
好適には、出発物質は細かく粉砕されて30μmより大
きくかつ60μmより小さい平均粒子サイズの粒子を形成
する。最も望ましい平均粒子サイズは40μmである。
好適には、これ等の粒子は粒子にしみ込ませる賦活化
学薬品で処理される。
好適には、処理された粒子は機械的なミキサーの中で
混合される。
好適には、賦活化学薬品はリン酸である。
好適には、前記リン酸は60〜80%の正リン酸で、粒子
に1.0:1乃至1.8:1の重量比で添加され、好適には1.4:1
の重量比で添加される。
代わりとして賦活化学薬品は塩化亜鉛溶液であっても
良い。
好適には、出発物質の処理された粒子は回転ペレタイ
ザー(ペレットを製造する機械)でペレット化される。
好適には、ペレットは熱処理を受け、ペレット中に存
在する水及び他の揮発性成分を除去して粒状性質を合体
させる。
好適には、熱処理は時間10分乃至40分の間温度約120
℃で加熱することからなっている。
好適には、熱処理されたペレットは炭化されて活性炭
を製造する。
最も好適には、前記のペレットは時間15分乃至20分の
間温度400℃乃至500℃で炭化される。
好適には、残存する賦活化学薬品はペレットから洗い
落とされて繰り返し使用のため再循環される。
好適には、活性炭のペレットは乾燥される。
更に、本発明によれば、本発明の方法によって製造さ
れる活性炭が与えられる。
本発明の実施態様が第1図について例として記述さ
れ、この第1図は本発明に従って活性炭を製造する方法
と包含される工程の流れ線図である。
<実施例> 出発物質として上等の自然結合剤を有する若い炭素質
の植物生産物が選択される。結合剤はリグニンで、30重
量%より大きい濃度を有する出発物質が適当である。こ
のような出発物質の1つはオリーブの核であり、リグニ
ン36重量%以上の濃度を有する。30重量%より大きいリ
グニン濃度を有する他の出発物質には30.7重量%の扁桃
の殻及び34.3重量%のココやしの実の殻がある。この後
に記述される実施態様はオリーブの殻の使用に関連す
る。
オリーブの核は30μm乃至60μmの平均粒子サイズの
粒子に粉砕される。最も好適な平均粒子サイズは40μm
である。リン酸(67%)が夫々1.4:1の重量比のオリー
ブ核粒子に添加される。リン酸を添加する前にオリーブ
核をこのサイズの粒子に変えることは重要であり、さも
なればオリーブ核の比較的高密度のためにリン酸はオリ
ーブ核にしみ込ませることが出来ないだろう。
処理された出発物質は15分乃至45分間機械的なミキサ
ーの中で混合される。
次にリン酸をしみ込ませた粒子は約長さ2〜5mm,直径
1.0〜3.0mmのペレットに回転ペレタイザーでペレット化
される。
その後前記ペレットは10分乃至40分間好適には20分間
約120℃で加熱される。このようにペレットの加熱は漏
出する揮発性物質の泡の捕獲を最小限にして粒状形態を
合体させる。
次にペレットは15分乃至20分間400℃乃至500℃の温度
に加熱される炭化を受け、従って活性炭素を製造する。
そこで活性炭はいくらかの残留リン酸を回収するため
に洗浄され、次いで前記リン酸はこの方法で再使用のた
め再循環される。
それから化学的処理の粒状活性炭は水を除去するため
に乾燥され、ペレットのサイズに従って分類される。
次に化学的処理のペレット化活性炭の最終生産品は配
分のために荷造りされる。
変更態様及び改良は本発明の範囲からはずれることな
く一体化されることが出来る。
<発明の効果> 出発物質として若い炭素質の植物生産物、例えば堅果
の殻,果実の核,果実の仁等を使用し、賦活化学薬品が
リン酸である活性炭は水,他の不純物等の吸着効率が良
い。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の活性炭を製造する方法に包含される工
程の流れ線図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C01B 31/08 B01J 20/20 C01B 31/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素質の植物性生産物の出発物質から活性
    炭を生産する方法であって、 前記出発物質を粒子に粉砕する工程と、 前記粉砕された出発物質の粒子にリン酸を混合させて飽
    和させる工程と、 前記粉砕された出発物質とリン酸の混合物をペレット化
    する工程と、 前記ペレットを炭化させる工程とを有し 前記粉砕された出発物質は30μm以上60μmであり、前
    記炭素質の植物性生産物の出発物質が30重量%以上の自
    然結合剤の濃度を有することを特徴とする活性炭の製造
    方法。
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