JP2677060B2 - 飲用水の浄化方法 - Google Patents

飲用水の浄化方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は飲用に供する水を浄化す
る方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年特に都市部及びその周辺の水道水が
臭く、まずいということが言われている。その原因は原
水の質の低下である。原水の汚染により、アンモニア性
窒素・鉄・マンガン・有機物の除去、消毒・殺菌給配水
中の細菌汚染の予防のために使われる塩素の量が増えた
ことにより、カルキ臭がきつくなり、また発癌性物質で
あるトリハロメタンも増えている。さらに、水源の富栄
養化によって増えた藻類が出すジオスミンや2−メチル
イソボルネオール(2−MIB)などによるカビ臭も強
くなってきている。このほか給水管の老朽化や、老朽化
していなくても材質そのものに問題がある場合、受水槽
の管理が悪い場合などには、さまざまな物質が溶け出し
たり、鉄さびや水垢が混入したりして見た目も悪く、ま
ずい水、ときには安全性に問題のある水が出ることもあ
る。
【0003】そこで、このような水道水の不快・有害な
異臭異物を取り除く機能を持った浄水器が、一般家庭で
も使われるようになった。これらの浄水器には、活性炭
を使ったものが多い。活性炭としては椰子殻活性炭・石
炭系活性炭・活性炭繊維などが使われており、カルキ臭
・かび臭・トリハロメタン、その他の有機物、それに赤
水の一部を減らす効果がある。また、簡便な方法として
浄水器で使われたものと同じ様な活性炭を、目の詰まっ
た不織布に包んで、やかん等に汲んだ飲用水に浸漬しカ
ルキ臭・かび臭・トリハロメタン、その他の有機物を取
り除くという方法が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように活性炭を
使えば、カルキ臭・かび臭・トリハロメタン等が除去で
きる効果はあるが、一方では次のような課題も持ってい
る。
【0005】まず、破砕状の椰子殻活性炭・石炭系活性
炭などは欠けたり、摩擦などによって微粉を生じ、フェ
ノール樹脂・アクリル樹脂・石油ピッチあるいはセルロ
ースなどを原料とした活性炭繊維は何れも極短繊維が生
じる。このため、浄水器をつけた場合の流量は、つけな
い場合の約1/4以下になるという欠点がある。またや
かんなどに浸漬して使う場合でも、目の細かい不織布に
包んで使う必要があるので、水と活性炭との接触が悪く
なり、効果を出すのに時間が掛かるという欠点がある。
さらに、椰子殻活性炭・石炭系活性炭といった天然の原
料のものは、水中に灰分を溶出する。この中でNaやK
は、多すぎると脳卒中の確率を高めるおそれがあるとい
われている。
【0006】本発明は上記課題を解決するもので、浄化
性能が高く、効果を短時間に出せ、かつ供給流量の変化
が少ない飲用水の浄化方法を提供することを第一の目的
としている。また、飲用に供する湯の浄化が効率的に行
える飲用水の浄化方法を提供することを第二の目的とし
ている。
【0007】
【課題を解決するための手段】第一の目的を達成するた
めの本発明の第一の手段は、飲用に供する水を、自硬化
性のフェノール樹脂を原料とし、一次粒子が略球状であ
り、かつ細孔容積の90%以上を半径20Å以下の細孔
から構成し、比表面積が1300m 2 /g以上の粒状の
活性炭を通過、あるいは循環させるようにした、または
水中に前記活性炭を浸漬するようにした飲用水の浄化方
法とするものである。
【0008】
【0009】更に第の目的を達成する本発明の第
手段は、湯沸かし容器内の一部に局部加熱室を設け、前
記局部加熱室で沸騰した水が上昇し、前記局部加熱室以
外の所に戻り混合されるまでの循環経路中に、活性炭を
設けた飲用水の浄化方法とするものである。
【0010】
【作用】本発明の第一の手段は、飲用に供する水を、
硬化性のフェノール樹脂を原料とし、一次粒子が略球状
であり、かつ細孔容積の90%以上を半径20Å以下の
細孔から構成し、比表面積が1300m 2 /g以上とし
た粒状の活性炭を通過、あるいは循環させるようにし
た、または水中に前記活性炭を浸漬するようにして、
別に細かいフィルターや不織布を必要とせずに浄化する
ものである。従って、活性炭と飲用水との接触が良く浄
化効率が高くなると共に、使っているうちに目詰まりし
て流量が減るという心配がないものである。さらに、灰
分などの不安定な成分の溶出が極めて少ない飲用水浄化
方法として作用するものである。
【0011】つまり、通常の樹脂で活性炭を作るために
は、ヘキサメチレンテトラミン等の硬化剤を混ぜて硬化
させるが、硬化剤が硬化や焼成の際にクラックやふくれ
を発生するため、極めて脆い活性炭になる。さらに、硬
化剤は不純物としても残るので、性能も悪いものとな
る。そこで本発明の第一の手段では、分子量3000以
上の自硬化性のフェノール樹脂の粉末を原料とした活性
炭を用いている。この活性炭は、硬化剤を混ぜなくても
加熱するとまず軟化し、隣の粒子同志が接着した後硬化
していき、焼結した形になるものである。また管理され
た合成樹脂であり、不純物や灰分がないので、組織が均
一で硬く微粉の発生が極めて少ない、高性能の活性炭で
ある。
【0012】
【0013】また本発明の第の手段は、湯沸かし容器
内の一部に循環経路を設け、この循環経路中に活性炭を
設けた飲用水の浄化方法とするものである。つまり通常
の沸騰よりも早く局部的に沸騰を開始させ、この沸騰水
が上昇してまた元の水面に戻る多数回の循環運動中に活
性炭層を通過し、高い効率で水を浄化するものである。
特に遊離塩素の分解は触媒反応であり、高い温度ほど早
く反応が進むので、非常に効果的である。またこの方法
によれば、少ない量の活性炭で短時間に効率的に浄化が
行えるものである。
【0014】
【実施例】
(実施例1)本発明の第一の実施例について図1〜図5
を参照しながら説明する。図1は活性炭層に湯を循環さ
せて浄化する湯沸かし器としての実施例である。1は湯
沸かし容器本体、2は湯沸かし容器の蓋で把手3がつい
ている。湯沸かし容器本体1の底部に接して加熱ヒータ
4がある。このヒータ4はスイッチ6を介して電源5に
接続されている。湯沸かし容器本体1の内部には、沸騰
管7を設けている。沸騰管7の下部は逆ロート状に広が
り局部加熱室8になり、その一部は湯の流通路9・10
が開いている。一方上部は細管になり、最上部11は開
口されている。この最上部11付近には、水面16から
距離をおいて活性炭15を充填したカートリッジ12を
設けている。カートリッジ12の上面14、下面13は
PPS(ポリ・フェニレンサルファイド)の目開き40
0μmのメッシュになっている。なお本実施例では、湯
沸かし容器本体1・沸騰管7はステンレス製としてい
る。
【0015】ここで、本実施例に用いる活性炭15につ
いて詳細に説明する。原料としては自硬化性のあるフェ
ノール樹脂、ここでは一次・二次粒子が球状(粒径0.
1〜150μm)の樹脂ベルパール(鐘紡(株)製)の
粉末を用いている。この樹脂は分子量が3000以上
で、分子鎖が長く側鎖が短いため、粘り強く、また自硬
化性を有している。この樹脂粉末を転動造粒し球形に成
形した後炭化し、つづいて約900℃で水蒸気賦活す
る。このようにして作った活性炭15の粒径は、直径
0.5mm〜2.0mmで、中には偏平状などの異形の物も
見られた。図2にこの活性炭の部分拡大図を示す。21
は一次粒子である。前記球形に成形したものを加熱する
と、まず軟化して隣の粒子同志が接着した後、硬化して
いき、球状の粒子同志が焼結した形になる。その結果、
図2のように球状の一次粒子21の間に、数μm〜10
μmの連続な空隙22ができる。賦活の際の水蒸気は、
この連続空隙22を通って、一次粒子の隅々まで行き渡
り、半径10Å程度のミクロ孔がたくさん形成され、比
表面積が大きく高性能の活性炭になる。また、自硬化性
があり硬化剤などの添加物を使っていないため、組織が
均一で壊れにくく、かつ球形で表面が滑らかなため、粉
落ちや砕けが少ない。
【0016】通常の分子量の小さいフェノール樹脂では
自硬化性がないので、ヘキサメチレンテトラミン等の硬
化剤を混ぜて硬化させ破砕して原料の粒を作り、これを
炭化して賦活し活性炭にすると、樹脂の分子鎖が短く弱
い構造となる。さらに硬化剤が硬化や焼成の際に、クラ
ックやふくれを発生させるので、極めて脆い活性炭にな
る。また硬化剤は不純物として残るので、性能も悪い活
性炭になる。
【0017】一方、椰子殻活性炭は原料の椰子殻を粉砕
し炭化したもので、一つの塊状のものである。これを水
蒸気で孔を開け賦活すると、孔の入口は数μmの大きな
孔で、奥に行くほど細い孔になっていく、枝分かれ状の
細孔を形成する。したがって、本実施例で用いるフェノ
ール樹脂原料の活性炭と比較すると、細い孔の割合が少
なく、比表面積も少し小さいものとなる。また、原料が
天然物で組織が不均一であり、粉砕を行うため、比較的
砕けやすく微粉も多くなる。
【0018】図3・図4に、前記自硬化性フェノール樹
脂を原料とした活性炭の細孔分布23・25と、累積細
孔容積24・26の測定データを2例示している。また
図5には、椰子殻活性炭の細孔分布27と累積細孔容積
28の測定データの例を示している。これらの測定はH
2O吸着法で行った。一方BETの比表面積を測定した
ところ、図3のものは1300m2/g、図4のものは
1600m2/g、図5のものは1300m2/gであっ
た。これらからわかるように、同じ比表面積でフェノー
ル樹脂系と椰子殻活性炭とを比較すると、フェノール樹
脂系の方が最大細孔半径が小さい。また最大細孔半径を
同じ程度にすると、比表面積はフェノール樹脂系の方が
明らかに大きい。すなわち、フェノール樹脂系の方が大
きな細孔が少なく、小さい細孔が多く、同じ性能を出す
活性炭を選定した場合、椰子殻活性炭の方が脆いものと
なる。
【0019】次に、比表面積1600m2/gのフェノ
ール樹脂系活性炭と、粒度14〜24メッシュの130
0m2/gの椰子殻活性炭の微粉発生量を比較測定し
た。測定方法を下に示す。
【0020】室温24℃で、活性炭2.0gを100ml
の共栓付きフラスコに、エチルアルコール50mlと共に
入れ、これを振とう機で140回/分の条件で30分間
振とうする。この液の吸光度を測定し、検量線から微粉
量(mg/ml)を求める。この結果を活性炭の特性と合わ
せて表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】上記方法によると本実施例に使うフェノー
ル樹脂系活性炭は0.0036mg/mlで試験液の濁りは
目視ではわからないが、椰子殻活性炭は0.23mg/ml
で極めて多く、試験溶液は明らかに黒く濁っていた。こ
のことより、本実施例の活性炭として椰子殻活性炭を使
うためには、極めて通水抵抗の大きいフィルタをカート
リッジ12の下面13に設けなければならない。その結
果、カートリッジ12の上面14より湯があふれ、湯の
循環が悪くなるので椰子殻活性炭は使うことができな
い。
【0023】以上のような理由から、本実施例では活性
炭15としては、自硬化性のあるフェノール樹脂を原料
とした比表面積1600m2/gの活性炭を10g使っ
た。なお、菌の繁殖防止のために活性炭に銀を添着した
ものを使ってもかまわない。
【0024】次に本実施例の湯沸かし器の動作について
説明する。湯沸かし容器本体1に水道水を入れ、スイッ
チ6を閉成しヒータ4に電圧を印加する。湯沸かし容器
本体1の水は加熱され、温度が上昇する。特に局部加熱
室8中の水は、他の部分とは隔離されているため温度上
昇が早く、沸騰の開始も早い。沸騰が開始されると局部
加熱室8の中の圧力が高まり、この部分の水は沸騰管7
の最上部11から吹き上がり、活性炭15の上に降りそ
そいで、カートリッジ12の下面13から抜け、水面1
6に落ちる。一方局部加熱室8は、沸騰管11から沸騰
水が吹き上がると減圧状態となり、流通路9・10より
温度の低い水が流入する。このようにして、水は局部加
熱室8・沸騰管7から湯沸かし容器本体1に循環する。
この循環運動中に、活性炭15による浄化が繰り返さ
れ、水道水は浄化される。
【0025】水道水中の遊離塩素は、加熱沸騰・吹き上
げ拡散による蒸散に加え、活性炭の触媒作用によって、
臭いのない塩素イオンに分解される。またトリハロメタ
ンについても加熱沸騰・吹き上げ拡散による蒸散に加
え,遊離塩素が極めて早く減少するので、遊離塩素とフ
ミン質などの有機物が反応して新たにトリハロメタンが
生成されることがなく、その除去効果も大きい。さら
に、かび臭についても、加熱沸騰・吹き上げ拡散による
蒸散によって除去される。表2に本実施例の湯沸かし器
の、遊離塩素・トリハロメタン・かび臭の原因物質であ
る2−MIBの除去性能を、沸騰管や活性炭を使わない
単なる湯沸かしと比較して示した。なお、測定は下記の
方法で行った。測定は3回行い、その結果の範囲を表2
に示した。 (条件)ヒータを800W、水の量は2lとし、測定は湯
の温度が100℃に達して40秒後,3分後に行った。
なお、湯を急冷して50℃以下にしたものをサンプルと
した。また次亜塩素酸ナトリウムで遊離塩素の初期濃度
を1ppmに、標準液を使って2−MIBの初期濃度を1
00pptに調整したものを原液とした。 (測定1)上水試験法の残留塩素項目、DPD法に従い
測定した。 (測定2)上水試験法のトリハロメタン項目、ECDガ
スクロマトグラフ法に従い、総トリハロメタン量を測定
した。 (測定3)ガスクロマトグラフ−質量分析法で2−MI
Bの濃度を測定した。
【0026】
【表2】
【0027】表2から明らかなように本実施例によれ
ば、単なる沸騰加熱に比べて水道水の遊離塩素・トリハ
ロメタン及びかび臭を効率的に除去できる。特に、遊離
塩素・トリハロメタンの除去効果が大きい。
【0028】(実施例2)以下本発明の第二の実施例に
ついて、説明する。本実施例においては、実施例1の活
性炭15として、石油ピッチを原料とした球状活性炭に
樹脂コートしたものを用いている。ここではクレハ球状
活性炭BAC、品番LP(呉羽化学工業(株)製)を使
用した。樹脂コートはポリプロピレンの微粉末を活性炭
にまぶし、溶融することによって行った。これによって
活性炭の表面・クラック部・マクロ孔の壁面といった粉
末の発生しやすい所に、樹脂が薄くコートされるもので
ある。活性炭粒の直径は0.50mm〜0.70mmであ
り、これを10g使用している。この活性炭の微粉発生
量を、樹脂コートしないものと比較して表3に示してい
る。
【0029】
【表3】
【0030】石油ピッチ原料の球状活性炭は、バインダ
ーなしで石油ピッチを溶媒に入れて攪拌することによっ
て、表面張力を利用して球状にしている。このため表面
の平滑性は良く、微粉発生量は椰子殻活性炭に比べると
少ないが、試験液はわずかに黒く濁り、使用前に毎回水
洗すれば使える程度である。これに樹脂コートした本実
施例のものは、試験液の濁りは目視ではわからない程度
であり、予備水洗なしに使えるものである。
【0031】この実施例で、40秒沸騰後、3分沸騰後
の浄化性能を測定したところ、実施例1とほぼ同じでそ
の差は実験誤差内であった。
【0032】(実施例3)次に、本発明の第三の実施例
について説明する。本実施例では実施例1の活性炭15
として、破砕状の椰子殻活性炭に実施例2と同じ方法で
樹脂コートしたものを用いている。コーティング材とし
て本実施例では、ポリプロピレンを使用している。活性
炭の粒度は12〜24メッシュのものであり、これを1
0g使用している。この活性炭の微粉発生量を、実施例
1・同2および樹脂コートしない椰子殻活性炭と比較し
て表4に示している。
【0033】
【表4】
【0034】表4から明らかなように、樹脂コートしな
い椰子殻活性炭に比べると、樹脂コートした本実施例の
ものは、実施例1・同2よりは少し多いが、従来の物に
比べると極めて微粉量は減少し、試験液の濁りは目視で
はわからない程度である。
【0035】この実施例で、40秒沸騰後、3分沸騰後
の浄化性能を測定したところ、実施例1・同2とほぼ同
じでその差は実験誤差内であった。
【0036】(実施例4)本発明の第四の実施例につい
て、図6をもとに説明する。本実施例は浄水器について
の物である。31は本体ケース上、32は本体ケース下
で、この両者はねじ部33でねじ結合している。本体ケ
ース上31の上部には注水口34があり、本体ケース下
32の下部には出水口35がある。また本体の中には活
性炭39を充填した、着脱自在のカートリッジ36があ
る。カートリッジ36の上面37・下面38はメッシュ
からなっている。このメッシュは耐水性があるもので、
食品衛生的に問題がない材料であれば何でも良いが、こ
こでは目開き435μのポリエステル製のものを用いて
いる。また、40はゴムパッキンである。なお、カート
リッジ36はねじ結合33をはずせば取り外すことがで
きる。
【0037】本実施例の活性炭39としては、実施例1
と同じ自硬化性のあるフェノール樹脂を原料として作っ
た、直径0.5〜2.0mmの球形の活性炭を50g使用
している。なお、この活性炭の比表面積は1600m2
/gである。また、本実施例では菌の繁殖を防止するた
め銀を0.08重量%添着している。
【0038】次にこの浄水器具の注水口34を水道の蛇
口につけ、使用したときの浄水性能を実施例1と同じ測
定方法で確認した。なお本実験においては、原水の調整
はせずにそのまま使用している。その時の遊離塩素濃度
は0.8ppm、総トリハロメタンは37ppb、2−MIB
は36pptであった。結果は、遊離塩素の除去率は88
〜93%、トリハロメタンの除去率は68〜75%、2
−MIBの除去率は70〜75%であり、カルキ臭・か
び臭のない水を得ることができた。また、2000lの
水道水を通水した後も遊離塩素の除去能力は80%以上
あった。尚本実験の比較例として、12〜24メッシュ
の破砕状椰子殻活性炭(比表面積1300m2/g)5
0gを使用している。この場合微粉が発生するので、カ
ートリッジ36の上面37、同下面38にはメッシュは
使えないので、目付約200g/m2のポリエステル製
の不織布を使用した。この場合浄水性能としては本実施
例とほぼ同じになる。実施例と比較例の違いは出水量で
ある。浄水器具をつけない場合の出水量を8〜10l/
分にし、浄水器具を付けた場合、比較例では不織布の影
響で2.2〜2.6l/分しかでないが、実施例では
3.5〜4.0l/分と多く出すことができる。
【0039】(実施例5)本発明の第五の実施例につい
て、図7・図8をもとに説明する。本実施例は、は水中
に浸漬して使う、活性炭パックとしてのものである。5
1はポリエステルのメッシュで作った袋で、実施例2で
使ったものと同じものを使った。袋51の中に活性炭5
2を入れ上部を折り曲げて、ひも53をホチキス54で
とめてある。
【0040】本実施例の活性炭52としては、実施例1
と同じ自硬化性のあるフェノール樹脂を原料として作っ
た、直径0.5〜2.0mmの球形の活性炭を15g使用
している。なお、この活性炭の比表面積は1600m2
/gである。また、菌の繁殖を防止するため銀を添着し
ても良い。
【0041】次にこの活性炭パックを、実施例1の沸騰
管・活性炭のない単なる湯沸かし器に使用したときの、
遊離塩素・トリハロメタンの浄化性能を、実施例1と同
様の測定方法で確認した。湯沸かし器に水道水を2l入
れ、スイッチ6を閉成し、ヒータ4に電圧を印加した直
後に、活性炭パックを水の中に投入する。
【0042】比較例として、12〜24メッシュの破砕
状椰子殻活性炭(比表面積1300m2/g)15gを
使用している。この場合微粉が発生するので、袋51に
はメッシュは使えないので、目付約30g/m2の糸の
細いポリエステル製の湿式法不織布を使用している。
【0043】本実施例と比較例について、沸騰開始40
秒後に、水をサンプリングし、浄化性能を測定した結果
を表5に示している。
【0044】
【表5】
【0045】この結果から明らかなように、本実施例の
ほうが遊離塩素・トリハロメタンの除去効果は大きい。
これは、袋51がメッシュと不織布の違いにより、活性
炭と水の接触効率がことなることにより起こるものと考
えられる。また、比較例においては水が不織布中を通り
にくいため、活性炭パックが浮き上がりやすく、除去効
果が低くなっていることも考えられる。
【0046】さらに、イオン交換水2lに活性炭パック
をいれ、沸騰60分後に溶出しているイオンの濃度を、
原子吸光分析で測定した。その結果を表6に示してい
る。
【0047】
【表6】
【0048】この結果から明らかなように、ほとんど不
純物のない本実施例の活性炭では、椰子殻活性炭にくら
べて極めてイオンの溶出が少ない。特に脳卒中の確率を
高めるNa・Kの溶出が少ない。また水質を変えないの
で、水の味に微妙に影響を与えることがない。
【0049】なお実施例4・同5においても、実施例2
・同3で使用した樹脂コートした球状炭・椰子殻活性炭
を使用することができる。
【0050】
【発明の効果】以上の実施例からも明らかなように、本
発明によれば微粉の発生がなく、高性能の粒状の活性炭
を用いるので、常温の水に限らず高温の水にも使用で
き、かつ水と活性炭との接触効率を高めることができ
る。また、不純物の混入がほとんどないので、不安定成
分の溶出が極めて少ない。したがって、飲用水の水質を
悪くする事なく、カルキ臭・かび臭やトリハロメタンを
効率的に、高性能に除去する方法を提供できる。
【0051】一方、局部加熱で循環径路を作り、その径
路に活性炭を置くことにより、少ない活性炭で高効率で
湯を浄化できる方法を提供できる。これらの方法は、浄
水器・湯沸かし器・コーヒ沸かし器・給茶器・給水機な
どに応用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例の湯沸かし器の断面図
【図2】同実施例に用いる自硬化性フェノール樹脂から
作った球形活性炭の部分拡大図
【図3】同球形活性炭の細孔分布と累積細孔容積を表す
グラフ
【図4】図3のものとは比表面積が異なる球形活性炭の
細孔分布と累積細孔容積を表すグラフ
【図5】椰子殻活性炭の細孔分布と累積細孔容積を表す
グラフ
【図6】本発明の第二の実施例の浄水器具の断面図
【図7】本発明の第三の実施例の活性炭パックの斜視図
【図8】同活性炭パックの断面図
【符号の説明】
7 沸騰管 8 局部加熱室 15・39・52 活性炭
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浦田 隆行 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭51−17190(JP,A) 特開 昭61−42393(JP,A) 特開 昭63−201008(JP,A) 特開 平3−187910(JP,A) 特開 平2−80315(JP,A) 特開 平2−275711(JP,A) 実開 昭62−13595(JP,U) 特公 昭51−35197(JP,B2)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】飲用に供する水を、自硬化性のフェノール
    樹脂を原料とし、一次粒子が略球状であり、かつ細孔容
    積の90%以上を半径20Å以下の細孔から構成し、比
    表面積が1300m 2 /g以上の粒状の活性炭を通過、
    あるいは循環させるようにした、または水中に前記活性
    炭を浸漬するようにした飲用水の浄化方法。
  2. 【請求項2】湯沸かし容器内の一部に局部加熱室を設
    け、前記局部加熱室で沸騰した水が上昇し、前記局部加
    熱室以外の所に戻り混合されるまでの循環経路中に、活
    性炭を設けた飲用水の浄化方法。
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