JPH06198148A - 無機多孔質膜の製造方法 - Google Patents

無機多孔質膜の製造方法

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JPH06198148A
JPH06198148A JP5272111A JP27211193A JPH06198148A JP H06198148 A JPH06198148 A JP H06198148A JP 5272111 A JP5272111 A JP 5272111A JP 27211193 A JP27211193 A JP 27211193A JP H06198148 A JPH06198148 A JP H06198148A
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thin film
porous
support
pore diameter
average pore
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JP5272111A
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Fumio Abe
文夫 安部
Hiroshi Mori
博 森
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NGK Insulators Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ピンホール、クラック等が存在しない薄膜を有
し、濾過精度、分離精度の高い無機多孔質膜を製造す
る。 【構成】(1)多孔質支持体の薄膜が付着する層の平均細
孔径が同薄膜の平均細孔径の1〜200倍、(2)多孔質支持
体の薄膜が付着する層の最大気孔径が同薄膜の平均細孔
径の5〜250倍、(3)薄膜の膜厚が多孔質支持体の薄膜が
付着する層の最大気孔径より大、という特性を有する無
機多孔質膜の製造方法であり、前記多孔質支持体とし
て、前記薄膜の予め設定された特性に対応する前記特性
を備えた多孔質支持体を採用すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は濾過、ガス分離等に使用
する無機多孔質膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】無機多孔質膜の一種類として、1または
複数の多孔質層からなる多孔質支持体の少なくとも一側
に、平均細孔径より小さい平均細孔径を有する薄膜を一
体的に備えてなる複層構造の無機多孔質膜がある。この
種の多孔質膜は用途によって耐熱性、耐食性に優れてい
ることが要求されるが、特に高い濾過精度、分離精度を
要求される場合がある。この場合、濾過膜、分離膜とし
て機能する多孔質薄膜を所定の平均細孔径に形成して
も、同薄膜にピンホール、クラック等が存在すると濾過
精度、分離精度を著しく低下させることになるため、同
薄膜にピンホール、クラック等が存在しないように注意
することが必要である。
【0003】ところで、上記した複層構造の無機多孔質
膜に関する発明等は多数開示されており、かかる発明が
開示された刊行物の一例として特開昭60-156510号公
報、特開昭52-94572号公報を挙げることができる。
【0004】特開昭60-156510号公報には、クラックの
生じない無機半透過膜の製法、具体的には焼結した無機
酸化物からなる多孔質支持体に無機膜形成コーティング
材料の懸濁液をコーティングして加熱することからなる
製法が開示されている。また、かかる製法において、多
孔質支持体の的確性は同支持体が有する孔寸法(平均細
孔径)により定まり、孔寸法が大きいと懸濁液中のゾル
粒子が同支持体内に侵入して膜を形成し得ないこと、好
ましい孔寸法として代表径0.1〜0.5μmを挙げている。
さらにまた、かかる製法においてはクラックの発生を抑
制するため、コーティング膜の乾燥に長時間乾燥、複雑
な超臨界乾燥等を採用し、かつ焼成時微速な昇温手段を
採用している。かかる製法により、多孔質支持体上にγ
−アルミナからなる多孔質薄膜が被覆された限外濾過膜
を得ている。
【0005】一方、特開昭52-94572号公報には複層構造
の無機多孔質膜において、多孔質支持体の平均細孔径は
多孔質薄膜の平均細孔径の10〜200,000倍、好ましくは2
00〜20,000倍である旨開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、複層構造の
無機多孔質膜における多孔質薄膜のピンホール、クラッ
クは、同薄膜の形成時に発生する。一般に、多孔質薄膜
は微小粒子のゾル液を多孔質支持体の一側に担持させ、
乾燥、焼成することにより形成される。この場合、担持
されたゾル液は多孔質支持体の細孔内に侵入するととも
に、その表面にて濃縮現象が生じて薄膜となるが、ゾル
液中の粒子が局部的に支持体内に吸い込まれるとピンホ
ールが発生し、また薄膜が局部的に厚くなるとその後の
乾燥、焼成時の熱収縮によりクラックが発生する。本発
明者は、特に多孔質支持体における最大気孔径の細孔部
分ではゾル液中の粒子が侵入し易いため、ピンホール、
クラックが発生し易いとの知見を得ている。
【0007】従って、多孔質薄膜の形成時にピンホー
ル、クラックの発生を防止するには、多孔質支持体の最
大気孔径を薄膜との関係で規定することが必要である。
しかしながら、従来技術においては、上記したごとく支
持体単独、または支持体および薄膜の平均細孔径に着目
された例はあるが、支持体の最大気孔径について着目さ
れた例はなく、薄膜にはピンホール、クラックが存在し
ている場合には濾過精度、分離精度が低いことは勿論で
あるが、多孔質膜の酸、アルカリ洗浄、スチーム殺菌時
等に薄膜が支持体から剥離するおそれがある。
【0008】本発明者は、多孔質支持体および多孔質薄
膜の特性を関連付けて規定することにより、多孔質薄膜
内ではピンホール、クラックが存在せず、濾過精度、分
離精度の著しく高い多孔質膜を調製し、特願昭63-13082
7号(特開平1-299607号)として出願している。当該出
願に係る多孔質膜は、1または複数の多孔質層からなる
多孔質支持体の少なくとも一側に多孔質支持体の平均細
孔径より小さい平均細孔径を有する薄膜を備えた無機多
孔質膜であり、当該無機多孔質膜は下記(1)〜(3)の特性
を備えていることを特徴とするものである。
【0009】(1)多孔質支持体の薄膜が付着する層の平
均細孔径が同薄膜の平均細孔径の1〜200倍 (2)多孔質支持体の薄膜が付着する層の最大気孔径が同
薄膜の平均細孔径の5〜250倍 (3)薄膜の膜厚が多孔質支持体の薄膜が付着する層の最
大気孔径より大 従って、本発明の目的は、上記した多孔質膜の好適な製
造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、1または複数
の多孔質層からなる多孔質支持体の少なくとも一側に、
無機質微粒子からなる担持液を付与して薄層を形成し、
同薄層を前記多孔質支持体と一体に乾燥して焼成し、前
記多孔質支持体の少なくとも一側面に同支持体の平均細
孔径より小さい平均細孔径を有する薄膜を一体的に備
え、下記の特性 (1)多孔質支持体の薄膜が付着する層の平均細孔径が同
薄膜の平均細孔径の1〜200倍 (2)多孔質支持体の薄膜が付着する層の最大気孔径が同
薄膜の平均細孔径の5〜250倍 (3)薄膜の膜厚が多孔質支持体の薄膜が付着する層の最
大気孔径より大 を有する無機多孔質膜の製造方法であり、前記多孔質支
持体として、前記薄膜の予め設定された特性に対応する
前記特性を備えた多孔質支持体を採用することを特徴と
するものである。
【0011】本発明が製造の対象とする多孔質膜におい
て、多孔質支持体は無機質粒子例えばアルミナ、ジルコ
ニア、チタニア等のセラミック、ホウケイ酸ガラス等ガ
ラス、ニッケル等の金属、炭素の焼結体からなるパイプ
状、平板状、ハニカム状等のもので、単層、2層以上の
複層構造のいずれであってもよい。また、多孔質支持体
の一側面とは、支持体がパイプ状の場合には内側か外側
のどちらか一方、平板状の場合には表側か裏側のとちら
か一方、ハニカム状の場合には特定の貫通孔の内周の全
てか、全ての貫通孔の内周か、または同支持体の外周を
意味する。支持体が複層構造の場合には、多孔質薄膜の
付着側に平均細孔径が漸次小さくなるように配列する。
薄膜は支持体と同様の材料からなるもので、例えば親水
性であるアルミナ、チタニア等からなる。
【0012】
【発明の作用・効果】本発明は下記の特性、 (1)多孔質支持体の薄膜が付着する層の平均細孔径が同
薄膜の平均細孔径の1〜200倍 (2)多孔質支持体の薄膜が付着する層の最大気孔径が同
薄膜の平均細孔径の5〜250倍 (3)薄膜の膜厚が多孔質支持体の薄膜が付着する層の最
大気孔径より大 を有する多孔質膜を製造するに当たって、予め設定され
た薄膜の特性に対応する上記(1)〜(3)の特性を備えた多
孔質支持体を採用しているので、上記各特性を有する多
孔質膜を容易に製造することができる。しかして、上記
した特性を有する多孔質膜においては、以下に詳述する
ように極めて高い濾過精度、分離精度を備え、高い濾過
効率を有するものである。
【0013】すなわち、当該多孔質膜においては、多孔
質支持体の最大気孔径が5〜250倍の場合、薄膜にピンホ
ール、クラックが発生しないことを確認している。かか
る多孔質膜において、薄膜の平均細孔径は用途により設
定されるととも使用する原料の粒径、膜成形法により調
節することができる。このため、予め設定された薄膜の
平均細孔径の5〜250倍の最大気孔径を有する多孔質支持
体を選定し、同支持体の少なくとも一側面に上記薄膜を
形成すれば、同薄膜は実質的にピンホール、クラックが
存在しないものとなる。従って、かかる多孔質膜は設定
された極めて高い濾過精度、分離精度を備え、ピンホー
ル、クラック等の影響を受けることがない。
【0014】しかして、多孔質支持多孔質体に関して
は、平均細孔径Davの多孔質層の単層構造のもの、同多
孔質層の一側面にこれより小さい平均細孔径D'avの多孔
質層を付着した複層構造のものであり、複層構造の場合
には互いに同じ組成で熱膨張が同一または近似すること
が好ましい。多孔質支持体の平均細孔径Dav,D'avは多
孔質薄膜の平均細孔径davより大きいものであるが、薄
膜の平均細孔径davにより好ましい範囲が異なる。例え
ば、限外濾過やガス分離等に使用する多孔質膜における
薄膜のdavは0.1μm以下であることが必要であり、この
場合の単層構造の支持体のDavは0.05μm〜3μmである
ことが好ましく、複層構造の支持体のDavは0.1μm〜30
μm、D'avは1μm以下であることが好ましい。また、
精密濾過に使用する多孔質膜における薄膜のdavは0.1μ
m〜10μmであるが、この場合の単層構造の支持体のDa
vは0.5μm〜30μmであることが好ましく、複層構造の
支持体のDavは3μm〜30μm、D'avは0.5μm〜10μm
であることが好ましい。支持体のDav,D'avにおける下
限値は流体の拡散抵抗を無視できる限界から、またそれ
らの上限値は支持体の強度、薄膜の製膜性等から決定さ
れる。なお、複層構造の支持体は単層構造の支持体に比
較して薄膜の厚みを薄くでき、流体の拡散抵抗を小さく
できる利点がある。
【0015】多孔質支持体の細孔径(気孔率)は25vol
%〜45%であることが好ましく、25vol%未満の場合に
は多孔質薄膜の密着性が問題となり、かつ45%を越える
と支持体としての強度が問題となる。また、支持体の膜
厚は強度上0.5mm〜2mm程度が好ましく、かつ複層構造に
おける中間層の膜厚は拡散抵抗上10μm〜150μm程度
が好ましい。かかる支持体は圧縮成形、鋳込成形、押出
成形等公知の方法で成形されたパイプ状、平板状、ハニ
カム状成形体を焼成して形成される。
【0016】多孔質支持体の最大気孔径に関しては、同
支持体の最大気孔径Dmax,D'max(Dmax…単層構造、D'm
ax…複層構造の中間層)が多孔質薄膜の平均細孔径dav
の5〜250倍であり、この範囲は薄膜にピンホール、クラ
ックを発生させない条件である。但し、複層構造の支持
体においては、Dmax≧D'maxの関係にある。なお、本発
明においては、最大気孔径を後述する公知のバブルポイ
ント法により測定している。
【0017】支持体のDmax,D'maxと薄膜のdavとの関係
の好ましい範囲は、薄膜のdavの値によって異なる。こ
れらの比Dmax/dav,D'maxv/davは薄膜のdavが0.1μm
未満の場合5〜100、davが0.1μm〜10μmの場合5〜25
である。これらの範囲においては、薄膜にピンホール、
クラックを生じさせることなく極めて薄くできて濾過、
分離の精度および効率を著しく向上させることができ
る。薄膜のdavの値によりDmax/dav,D'maxv/davの範
囲が異なるのは、主として同薄膜の調整法の相違による
ものである。
【0018】薄膜のdavの値が0.1μm未満の多孔質薄膜
を調製する一般的な方法としては、粒径0.4μm以下の
微小粒子を含むコロイド水溶液を湿式法にてコーティン
グするか、気相法や圧縮成形法等による乾式法にてコー
ティングする方法が採られる。例えば、湿式法にてコー
ティングする場合、多孔質支持体をコロイド水溶液に浸
漬すると、同水溶液は支持体の細孔の毛管吸引力にて支
持体表面に引付けられて濃縮現象が起こる。コロイド水
溶液中のゾル粒子は水分濃度のわずかな変化でゲル化し
て支持体上に均一に付着される。微小粒径のゾル粒子で
は侵入可能な細孔が存在していても、均一に製膜が可能
である。乾式法で製膜する場合においても、微小粒子は
表面エネルギーが大きいため支持体上に容易に付着して
凝縮し、同様の効果を示すものである。これに対して、
davの値が0.1μm〜10μmの場合には、粒径0.4μm以
上の比較的粒径が大きくて表面エネルギーの小さい粒子
を使用することから、粒子の支持体の侵入をできるかぎ
り阻止するには、粒子径と支持体の最大気孔径とを比較
的近似した値にする必要がある。
【0019】なお、多孔質膜においては、多孔質支持体
の最大気孔径Dmax,D'maxと多孔質薄膜の膜厚t、支持体
の平均細孔径Dav,D'avと薄膜の平均細孔径davとの関係
を規定することが好ましい。支持体の最大気孔径と薄膜
の膜厚との比t/Dmax,t/D'maxの下限はピンホールの
発生を防止するため、かつその上限はクラックの発生を
防止するために有効であって、上記した比t/Dmax,t/
D'maxは1〜5の範囲にあることが好ましい。薄膜を数回
に分けて担持させる場合には、すでに担持されている薄
膜を中間層としてその最大気孔径を考慮することが好ま
しい。また、支持体の平均細孔径と薄膜の平均細孔径と
の比Dav/dav,D'av/davは支持体に対する薄膜の密着
性に関係し、同比は1〜200倍であることが好ましい。か
かる比のさらに好ましい範囲は薄膜のdavにより異な
り、davが0.1μm未満の場合1〜50、davが0.1μm〜10
μmの場合1〜10であることが好ましい。
【0020】なお、多孔質薄膜の原料は耐熱性、耐食性
に優れた無機質粒子であって、その比表面積が数m2/g
〜数1002/gであることが好ましい。また、耐食性の不
要なガス分離用の膜においてはγ−アルミナも好ましい
が、耐食性が要求されるその他の用途の膜においてはα
−アルミナ、チタニア、ジルコニア等が特に好ましい。
薄膜は支持体上に形成された後、焼成等の熱処理に付さ
れて安定化される。
【0021】
【実施例】
(1)多孔質支持体の調製 各種粒径の電融アルミナに無機バインダー、有機バイン
ダーを添加して混練坏土を調製し、押出成形法にて外径
10mm、内径7mm 、長さ150mmのパイプを形成し、これを
乾燥後1500℃で3時間焼成した。これにより、粒径の相
違に起因する各種の平均細孔径を有する単層構造の多孔
質支持体を得た。これら支持体のいくつかの内側面にα
−アルミナの微粉からなる解膠したスラリーを塗布し、
乾燥後1000〜1300℃で3時間焼成して複層構造の多孔質
体を得た。新たに形成された層を中間層といいその膜厚
は30μmであり、かつ同中間層の平均細孔径D'avは微粉
の粒度、焼成温度にて調整した。得られた支持体の特性
を表1に示す。同表の特性中最大気孔径Dmax、D'maxの
値はバブルポイント法により測定したもの、平均細孔径
Dav 、D'avの値は水銀圧入法により測定したものであ
る。
【0022】
【表1】
【0023】(2)最大気孔径の測定(バブルポイント
法) パイプ状の各多孔質支持体を予め測定用液体内に1時間
以上浸漬し、その後50torr以下の減圧下で支持体内の気
泡を脱気する。脱気処理された支持体はその筒部両端を
密閉状態にして測定装置の液体槽内の設置し、その後支
持体の内孔内へ空気を徐々に加圧して付与し、気泡が最
初に発生した時点の空気圧P(発泡圧)を読み取る。こ
の発泡圧Pから最大気孔径を下記の数式1にて算出す
る。
【0024】
【数1】
【0025】但し、D:最大気孔径(m)、P:発泡圧(kg/
m2)、γ: 液体の表面張力(kg/m)、h:液深(m)、s: 液体
の密度(kg/m3)、θ: 液体の接触角(deg)。
【0026】なお、一般にθ=0, P>>hSであるため
上記式は簡略化される。測定に使用する液体は最大気孔
径が0.42μm 以上の支持体については水、0.42μm 未満
の支持体についてはトリクロロフルオロエタンである。
【0027】(3)多孔質薄膜の調製 薄膜No.1:市販のアルミナゾル(日産化学株式会社製、
商品名アルミナゾル-200)をAl2O3分が5wt%含むように
水で希釈して担持液とし、これを多孔質支持体の内側面
に塗布する。その後室温で1時間次いで60℃で1時間乾燥
した後、100 ℃/ hrの速度で380℃まで昇温してこれを3
時間保持した。得られた薄膜の平均細孔径dav は40Åで
ある。
【0028】薄膜No.2:チタニウムイソプロポキシドを
TiO2分で5wt%含むエタノール水溶液中に水をTiO2モル
比の5倍添加し、これを2時間攪拌して担持液として多孔
質支持体の内側面に塗布する。その後の乾燥、熱処理は
薄膜No.1と同様であり、dav=50Åの薄膜を得た。
【0029】薄膜No.3:平均粒径0.1 μmのチタニア微
粉を3wt%含む水溶液に界面活性剤、有機解膠剤を添加
し16時間攪拌して担持液とし、これを支持体の内側面に
塗布する。その後の乾燥、熱処理については、熱処理で
ある焼成温度を1000℃とした以外は薄膜No.1と同様であ
り、dav=500Åの薄膜を得た。
【0030】薄膜No.4:平均粒径0.5μmのα−アルミナ
を用いた以外は薄膜No.3と同様の調製法を採用して、da
v=2000Åの薄膜を得た。
【0031】薄膜No.5:平均粒径3μm のα−アルミナ
を用いるとともに焼成温度を1300℃とした以外は薄膜N
o.3と同様の調製法を採用して、dav=1μmの薄膜を得
た。
【0032】なお、得られた薄膜の平均細孔径davは水
銀圧入法またはガス吸着法により測定した。
【0033】(4)多孔質膜の膜性能試験 各種の多孔質支持体の内側面に各種の多孔質薄膜を形成
してなる被層構造の多孔質膜につき、下記の純水透水
量、クロスフロー濾過、耐食性の各試験を行い表2に示
す結果を得た。
【0034】純水透水量試験:蒸留水を0.5〜5kg/m2
圧力にて多孔質膜の一方側面から他方側面へ透過させ、
単位膜面積、単位時間、単位圧力当たりの透水量を算出
する。
【0035】クロスフロー濾過試験:100ppmのマーカー
を含む水溶液(マーカーが蛋白質である場合は緩衝液)
を2.5m/secの速度、入口圧3kg/m2にて多孔質膜の内孔を
循環させるクロスフロー濾過を行い透過液の分析を行っ
てマーカーの阻止率を算出する。なお、マーカーとして
は薄膜のdavの値に対応して牛血清アルブミン(平均分
子量65,000)、γ−グロブリン(平均分子量156,00
0)、ブルーデキストラン(平均分子量200 万)、ユニ
ホームラテックス(粒径1.1μm )を用いた。
【0036】なお、表2において、*1,*2,*3:支
持体が中間層を有する複層構造である場合(支持体No.3
〜No.6)はD'max,D'avの値、*4:耐食性試験前後のピ
ンホール、クラックの有無、*5:マーカーとしてアル
ブミンを使用、*6:マーカーとしてγ−グロブリンを
使用、*7:マーカーとしてブルーデキストランを使
用、*8:マーカーとしてユニホームラテックスを使
用。
【0037】
【表2】
【0038】平均細孔径davが40Åの薄膜を備えた多孔
質膜No.1〜No.4において、No.1およびNo.2とNo,3および
no.4とを比較した場合最大気孔径Dmaxの相違により前者
のアルブミン阻止率が高く、99%以上にも達している。
また、多孔質膜No.1とNo.2とを比較した場合、膜厚の薄
い薄膜を備えたNo.1は透水量、透過液量ともに大きくて
効果的な濾過、分離が可能である。なお、多孔質膜No.
1,No.2 の薄膜成分はγ−アルミナであるため耐アルカ
リ性に劣るが、同膜No.1,No.2 は耐アルカリ性が要求さ
れない例えばガス分離等の用途に有効である。
【0039】平均細孔径davが50Åの薄膜を備えた多孔
質膜No.5〜No.9から明らかなようにDmax/dav,D'max/ da
vを適正な範囲に規定することにより、ピンホールおよ
びクラックが無くてアルブミンをほぼ完全に阻止できる
多孔質膜No.5〜No.8を得ることができる。これらの多孔
質膜においては、支持体が中間層を有する複層構造であ
って薄膜の厚みを薄くでき、特に中間層の平均細孔径D'
avが0.1μm 以下でかつ薄膜の厚みが1μm 以下のものN
o.7,No.8は、透過液量が多くて極めて効果率がよく透
過、分離を行うことができる。耐食性試験においては多
孔質膜No.5〜No.8にピンホール、クラックの発生が認め
られないのに対し、No.9ではクラックが増大して薄膜に
局部的は剥離現象が認められかつアルブミンの阻止率が
2%まで低下した。
【0040】平均細孔径500Å以上の薄膜No.10 〜No.14
においてはいずれもDmax/dav,D'max/davが適正な範囲に
規定されているため、ピンホール、クラックが認められ
ず、各マーカーに対する阻止率がほぼ完全である。ま
た、これらの多孔質膜は耐食性試験によっても膜性能に
何等の変化も認められなかった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1または複数の多孔質層からなる多孔質支
    持体の少なくとも一側に、無機質微粒子からなる担持液
    を付与して薄層を形成し、同薄層を前記多孔質支持体と
    一体に乾燥して焼成し、前記多孔質支持体の一側面に同
    支持体の平均細孔径より小さい平均細孔径を有する薄膜
    を一体的に備え、下記の特性 (1)多孔質支持体の薄膜が付着する層の平均細孔径が同
    薄膜の平均細孔径の1〜200倍 (2)多孔質支持体の薄膜が付着する層の最大気孔径が同
    薄膜の平均細孔径の5〜250倍 (3)薄膜の膜厚が多孔質支持体の薄膜が付着する層の最
    大気孔径より大 を有する無機多孔質膜の製造方法であり、前記多孔質支
    持体として、前記薄膜の予め設定された特性に対応する
    前記特性を備えた多孔質支持体を採用することを特徴と
    する無機多孔質膜の製造方法。
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