JPH06195593A - 緊急車両走行情報伝達装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 緊急車両の位置や走行経路を特別な受信装置
を備えていない車両に伝達することのできる装置を提供
する。 【構成】 経路誘導装置に備えられたＧＰＳレシーバ１
２、方位センサ１４などにより、地図情報記憶部２０に
記憶された地図上の自車両位置および走行方向を測定す
る。この自車両の位置・走行方向を走行情報として、音
声合成部２６により音声合成を行う。この音声合成され
た走行情報をＡＭ波などで送信することにより、カーラ
ジオの受信機で受信することが可能となり、特殊な受信
装置を必要としない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自車両の位置などの走
行情報を他車両に伝達する通信装置に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】自車両の現在位置や走行方向を地図上に
表示して経路選択などの判断材料となる走行情報を運転
者に提供する地図表示装置を備えた車両が近年普及して
きている。これらの装置の多くは、地図上に自車両の位
置は表示するが、他車の情報に関しては表示されない。
すなわち、複数台の車両がグループ走行する場合などは
他車の位置は表示されない。このような場合において、
自車両のみならず他車の情報を自車両の表示装置に表示
させることのできる装置が特開昭６０−１９１３９８号
公報に記載されている。この装置においては、他車の位
置情報を受信して、この情報をもとに、自車両の表示装
置の地図上に他車の位置を表示している。このとき、自
車両の位置を他車に伝達する際には単なる位置を示す信
号として送信され、受信側でこの信号を処理し、運転者
に情報を伝えることのできる形、例えば表示画面上に表
示するなどが行われる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の装置は以上のよ
うに構成されており、複数車両間の情報伝達は特定の信
号により送受信されているので、各車両に特定の装置が
備えられていることが必要となる。言い換えれば、自車
両から現在位置や走行方向などの走行情報が送信されて
も、受信装置が供えらていない車両には情報を伝達する
ことができない。特に、緊急車両がその走行情報を他車
に伝え、走行路の確保などをする場合において、一般の
車両に特定の受信装置が備えられていなければ利用する
ことができないという問題があった。

【０００４】本発明は前述の問題点を解決するためにな
されたものであり、緊急車両の走行時にその走行路を確
保するために、特別の受信装置が供えらていない一般の
車両に対しても緊急車両の走行情報を送信し、一般車両
の運転者にも緊急車両の走行情報を伝達できる装置を提
供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前述の目的を達成するた
めに、本発明にかかる緊急車両走行情報伝達手段は、自
車両の地図上の現在位置を検出する現在位置検出手段
と、自車両の走行方向を検出する走行方向検出手段と、
前記現在位置と走行方向を含む走行情報に基づき音声情
報を合成する音声情報合成手段と、所定周波数の電波を
用いて音声情報を送信する送信手段とを備えている。

【０００６】

【作用】本発明は以上のような構成を有しており、緊急
車両に備えられた現在位置検出手段と走行方向検出手段
により、自車両の走行経路・走行方向を検出し、この情
報に基づき音声情報を合成し、この音声情報を所定周波
数の電波により送信する。

【０００７】

【実施例】以下、本発明にかかる好適な実施例を図面に
従って説明する。

【０００８】図１は、実施例の装置の構成を示すブロッ
ク図である。本装置においては、自車両の位置および走
行方向の検出を経路誘導装置１０によって行っている。
経路誘導装置は近年一般の乗用車用のものが開発、発表
されているが、本実施例の装置は一般的な構成を有して
いる。すなわち、複数の人工衛星からの電波を受信し、
電波の方向に基づき自車両の位置を検出するグローバル
ポジショニングシステム（ＧＰＳ）のＧＰＳレシーバ１
２と、地磁気を検出し自車両の進行している方向を検出
する方位センサ１４と、車輪の回転を検出して走行距離
を算出する距離センサ１６などの情報から、現在位置を
測定する現在位置測定部１８を有し、さらに検出された
自車両の周辺の地図情報を地図情報記憶部２０から読み
だし、前述の自車両位置と重畳して表示する制御を行う
制御部２２と、この制御部２２の指示に基づき表示を行
う表示部２４が備えられている。

【０００９】そして、前記経路誘導装置１０に加えて、
現在位置測定部により測定された現在位置と走行方向の
内容の基づき他車両に伝達すべき情報を音声情報として
合成する音声合成部２６と、合成された音声を所定の周
波数の電波として送信する送信部２８およびアンテナ３
０が備えらている。また、送信部２８には音声合成部２
６の他に、マイク３２よりの入力が可能となっており、
運転者または同乗者の声を直接送信することも可能とな
っている。

【００１０】前記送信部２８は例えば周波数１６２０ｋ
ＨｚのＡＭ波として音声信号を送信する。この送信範囲
は、送信出力を調節することによりおよそ３００ｍに調
節されており、必要以上に遠くまで届くことを防止して
いる。

【００１１】図２には、受信装置の例が示されている。
本受信装置は自動車用ラジオに専用チューナを新たに設
けた構成となっている。すなわち、一般のラジオ放送を
聴取する場合にはアンテナ５２により受信された一般の
ラジオ放送を選局する一般放送受信用チューナ５４を用
い、スピーカ５６より音声として出力する。また、緊急
車両からの所定の周波数を受信する専用チューナ５０が
設けられ、この専用チューナ５０が所定周波数の電波を
受信するとスイッチ５８を制御し、専用チューナにスピ
ーカ５６が接続される。このようにして、近くに緊急車
両が接近すると専用チューナにより緊急車両からの情報
が受信され、音声により運転者に伝達される。

【００１２】情報の内容は、例えば「地名」「道路名」
「進行方向」の順に音声案内されるように統一されてい
ることが望ましい。地名の決定は、ＧＰＳレシーバ１２
により検出された位置と地図情報記憶部２０に記憶され
た地図と照合することにより行われる。地図情報には地
名代表点が設けられており、この地名代表点に対応し、
地名データが「○○市△△区□□」などの形式で記憶さ
れている。現在位置が検出されると、この位置に最も近
い地名代表点が選定され、この代表点に対応する地名デ
ータが音声合成部２６に送られる。道路名も同様に、検
出された現在位置と記憶された地図情報を照合すること
により決定され、この道路名の情報も音声合成部２６に
送られる。進行方向は方位センサ１４により検出するこ
とができるが、ＧＰＳレシーバ１２などにより検出され
た現在位置に経時的に記憶し、現在位置と以前に検出さ
れた位置との変化により進行方向が決定されてもよい。
進行方向は、例えば東西南北の他に東南、南西などを含
め、８方向に分類され、検出された進行方向に最も近い
方向が音声合成装置２６に送られる。以上の情報を受け
音声合成部は、案内用の音声を合成する。例えば、「現
在、豊田市トヨタ町・国道２４８号線を南に走行してい
ます。」などと音声合成が行われる。また、車室内に設
けられたマイク３２から運転者または同乗者が案内音声
を送ることもできる。このマイク３２により、交差点を
曲がる場合など、現在の進行方向を伝達しただけでは足
りないときに「○○交差点から◇◇方面へ向かいま
す。」などと案内することができる。

【００１３】以上のように音声合成された、または直接
入力された音声が送信部２８によりアンテナを介して送
信される。

【００１４】図３には本発明にかかる第２の実施例が示
されている。本実施例においては前述の実施例の装置に
加えて、経路記憶部４０が備えられている。この経路記
憶部４０は、このあと自車両が走行する経路が記憶され
ている。この経路の選定については現在位置と目的地か
ら自動経路探索を行うよう構成してもよく、また運転者
などが入力するようにしてもよい。そして、探索または
入力された経路を記憶し、これを随時、表示部に表示す
ることにより運転者の道路選択の補佐を行う。本実施例
について特徴的なことは、予め走行する経路が定められ
ているので、これに応じた案内を他車に対して行えるこ
とにある。たとえば、現在南に向かって走行しているが
次の交差点を左折し、東へ向かう経路の場合、「現在○
○市△△町・○△号線を南に向かって走行しています。
▽▽交差点にて左折し、□□号線を東へ向かいます。」
などと案内する。このように案内されれば、▽▽交差点
より南の○△号線を南に走行中の車両は緊急車両に対応
する必要がなくなり、また□□号線の▽▽交差点より東
を走行中の車両は緊急車両に対応する準備が予めでき
る。

【００１５】以上の実施例においては送信部２８は特定
の周波数の電波を発信して緊急車両の位置情報を伝達し
たが、ラジオ局の使用している周波数にて順次または同
時に発信し、専用チューナ５０が備えられていない車両
に対しても緊急車両の走行情報を送信することができる
ようにしてもよい。

【００１６】また、受信側では運転者が走行情報を理解
した後は受信を中断することができるように、スイッチ
を設け、繰り返し走行情報を受信しないでも済むように
構成してもよい。

【００１７】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、緊急車両
の走行情報を音声情報として送信でき、受信側に特別な
装置を設ける必要がない。これによって、緊急車両の接
近や経路を他車両が事前に知ることができるので、緊急
車両の走行を妨げることが防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかる装置の実施例の構成図である。

【図２】本実施例の装置から送信された信号を受信する
装置の一例を示す図である。

【図３】本発明にかかる装置の他の実施例の構成図であ
る。

【符号の説明】

１０ 経路誘導装置 １２ ＧＰＳレシーバ １４ 方位センサ １８ 現在位置測定部 ２０ 地図情報記憶部 ２６ 音声合成部 ２８ 送信部 ４０ 経路記憶部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 自車両の地図上の現在位置を検出する現
   在位置検出手段と、 自車両の走行方向を検出する走行方向検出手段と、 前記現在位置と走行方向を含む走行情報に基づき音声情
   報を合成する音声情報合成手段と、 所定周波数の電波を用いて音声情報を送信する送信手段
   と、 を備えることを特徴とする緊急車両走行情報伝達装置。