JPH06193301A - 搬送設備およびそれを用いた機械式駐車場 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 中型車と大型車を収容でき、しかも複雑な装
置が不要で設備コストの低い機械式駐車場を提供する。 【構成】 自動車を収容するパレットとして中型サイズ
パレットを用い、乗降室のリフト昇降用開口10は、大型
車用パレットに適合させた開口寸法であり、リフト 1の
上面には、中型サイズパレットを積載する収容部４と、
その周囲で該中型サイズパレットとリフト昇降用開口と
の間の隙間を埋める間隔調整部３を形成した取付床２を
設置する。また、リフトの上面に、中型車用パレットを
積載する収容部と、その周囲で該中型車用パレットとリ
フト昇降用開口との間を埋める間隔調整部５を形成して
おり、大型車用パレットを積載するときは、前記間隔調
整部５および収容部の上面に該大型車用パレットを積載
しうる取付床２を設置する。これにより、開口10との隙
間を埋め、人を安全に乗降させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は搬送設備およびそれを用
いた機械式駐車場に関する、さらに詳しくは、搬送設備
としてパレットとリフトを用い、中型車（中型および小
型の乗用自動車をいう。以下同じ）と大型車（大型の乗
用自動車をいう。以下同じ）を一つの駐車場に収容しう
る機械式駐車場に関する。

【０００２】

【従来の技術】乗用自動車において、大型車の寸法と中
型車の寸法を比べると、幅は大型車がわずかに大きい
が、長さは大型車が著るしく大きくなっている。そのた
め、機械式駐車場で自動車を収容搬送するパレットも、
大型車用と中型車用とでは寸法、とくに長さが異なって
くる。そして、リフトで乗降室と格納層間を連絡する場
合、乗降室床面にリフト昇降用の開口を設けなければな
らないが、その開口寸法は当然、大型車用パレットに合
わせることになる。この場合、中型車を入出庫させるべ
く中型車用パレットを使うときは、リフト昇降用開口と
パレットとの間の隙間が大きくなって、そのままでは人
の乗降が危険である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記の問題を解消する
ため、乗降室側に可動床を設けて、中型車用パレットに
対しては隙間を縮めるよう接近させる設備も提案された
が、かかる設備では構造が複雑であり、設備コストが高
くなる。したがって、現状では、中型車と大型車を駐車
させる駐車場は実用化されていない。そこで、従来は中
型車用駐車場とは別に、大型車用駐車場を設けるか、あ
るいは、数台の大型車を収容するために、駐車場全体を
大型車用の大きい装置にせざるを得なかったが、設備コ
ストが高くなったり、利用者にとって不便であるという
問題がいぜんとして残っている。

【０００４】本発明はかかる事情に鑑み、中型車と大型
車を収容でき、しかも複雑な装置が不要で設備コストの
低い機械式駐車場を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】第１発明の搬送設備は、
自動車を収容するパレットと、該パレットを乗降室と格
納層間において搬送するリフトとからなる機械式駐車場
における搬送設備であって、自動車を収容するパレット
として中型サイズパレットを用い、乗降室のリフト昇降
用開口は、大型車用パレットに適合させた開口寸法であ
り、リフトの上面には、中型サイズパレットを積載する
収容部と、その周囲で該中型サイズパレットとリフト昇
降用開口との間の隙間を埋める間隔調整部を形成した取
付床を設置していることを特徴とする。なお、上記中型
サイズパレットとは、大型車用中サイズパレットと中型
車用パレットを含む概念である。

【０００６】第２発明の搬送設備は、自動車を収容する
パレットと、該パレットを乗降室と格納層間において搬
送するリフトとからなる機械式駐車場における搬送設備
であって、自動車を収容するパレットとして中型車用パ
レットと大型車用パレットの両方を用い、乗降室のリフ
ト昇降用開口は、大型車用パレットに適合させた開口寸
法であり、リフトの上面には、中型車用パレットを積載
する収容部と、その周囲で該中型車用パレットとリフト
昇降用開口との間を埋める間隔調整部を形成しており、
前記間隔調整部および収容部の上面に大型車用パレット
を積載しうる取付床を設置していることを特徴とする。

【０００７】第３発明の機械式駐車場は、大型車を収容
する格納棚をリフトに対し縦方向からパレットを移載し
うる位置に設置し、中型車を収容する格納棚をリフトに
対し横方向からパレットを移載しうる位置に設置したこ
とを特徴とする。第４発明の機械式駐車場は、大型車を
収容する格納棚を多段格納層の最上層に設け、中型車を
収容する格納棚を最上層より下方の各格納層に設けたこ
とを特徴とする。

【０００８】

【作用】第１発明の搬送設備では、大型車を搬送する場
合も、中型車を搬送する場合も、常に中型サイズパレッ
トをリフトに積載して入出庫させるが、中型サイズパレ
ットと乗降室の開口とはリフトに取付けた取付床の間隔
調整部により隙間を埋めるので、安全に人が乗降でき
る。

【０００９】第２発明の搬送設備では、中型車には中型
車用パレットを、大型車には大型車用パレットと使い分
けられるが、中型車用パレットを使用の場合、乗降室の
開口との間の隙間は取付床の間隔調整部により隙間を埋
められ、大型車用パレットを使用の場合、隙間ができな
いので、やはり人が安全に乗降できる。

【００１０】第３発明の機械式駐車場の場合、大型車と
中型車を異なる方向から１台のリフトに移載できるの
で、同一格納層内の大部分のスペースに中型車用格納棚
を設置し、残ったスペースに大型車用格納棚を設置し
て、大型車と中型車の駐車を可能とすることができる。
第４発明の機械式駐車場の場合、大型車と中型車を同方
向から１台のリフトに移載できるので、支柱のない最上
層に大型車用格納棚を設置し、下層に中型車用格納棚を
設置して、大型車と中型車の駐車を可能とすることがで
きる。

【００１１】

【実施例】つぎに、本発明の実施例を図面に基づき説明
する。 （搬送設備の実施例１）本実施例は第１発明に係わる搬
送設備の一実施例であり、図１は該搬送設備の斜視図、
図２は同正面図、図３は同平面図である。

【００１２】まず図１〜２に基づきリフト１とパレット
PA，PMを説明すると、リフト１の上面には取付床２が設
置されており、この取付床２の長手方向の一側と幅方向
の一側には、リフト昇降用開口（図２〜３の10参照）と
の間の隙間を埋める間隔調整部３がＬ字型に形成されて
いる。自動車を収容するパレットPA，PMは前記間隔調整
部３が形成されていない収容部４に積載される。

【００１３】パレットは、中型サイズパレット、すなわ
ち中型車用パレットPMと大型車用中サイズパレットPAが
用いられる。中型車用パレットPMは中型車をはみ出さず
に収容きるが大型車ははみ出す大きさの中型車専用のパ
レットである。大型車用中サイズパレットPAとは外形寸
法を中型車用パレットと同じにした大型車パレットであ
り、大型車の積載は可能であるが、大型車の車体ははみ
出す大きさのパレットである。これらのパレットPA、PM
は矢印ａ、ｂで示すように、取付床２の縦方向（長手方
向）からも横方向からも積載することができる。

【００１４】図２は中型車用パレットPMに中型車Cmを収
容し、大型車用中サイズパレットPAに大型車Cbを収容し
て、リフト１に搭載した状態を示している。本図から明
らかなように、中型車CmはパレットPAの中に収まってお
り、大型車CbはパレットPAからはみ出しているが、取付
床２の中には入っており、このような収容姿勢でリフト
１が昇降する。

【００１５】図３において、10は乗降室の床に形成され
たリフト昇降用開口であり、その開口寸法は大型車用パ
レットに合わせた大きさとなっている。ここで大型車用
パレットとは、大型車を搭載してその車体がはみ出さな
い大きさのパレットであり、当然中型サイズパレットよ
りは大きいものである。したがって、リフト１に中型サ
イズパレットPA，PMを積載したままでは、開口10との間
に隙間が生じてしまう。しかしながら、本実施例では図
２〜３に示すように、取付床２の間隔調整部３が隙間を
埋めるので、人の乗降が安全に行えることになる。な
お、図３において、20は大型車中型車兼用はみ出しセン
サであり、21は中型車用はみ出しセンサであり、22は大
型車用はみ出しセンサである。

【００１６】（搬送設備の実施例２）本実施例は第１発
明に係わる搬送設備の他の実施例であり、図４は取付床
とパレットを示す平面図、図５は同正面図である。

【００１７】この実施例では、間隔調整部５が取付床２
の上面において、長手方向の両側と幅方向の一側にコ字
形となるように形成したものである。中型車用パレット
PMおよび大型車用中サイズパレットPAは前記第１実施例
と同様である。本実施例では、パレットPA、PMは図４に
矢印ｂで示すように、横方向からのみ積載することにな
る。そして本実施例においても、図５に示すように開口
10との隙間は間隔調整部５で埋められるので、人が安全
に乗降することができる。

【００１８】（搬送設備の実施例３）本実施例は第２発
明に係わる搬送設備の一実施例であり、図６は大型車用
パレットPBを取付床２上に積載したリフト１の正面図、
図７は中型車用パレットPMを搭載した状態の正面図であ
る。

【００１９】本実施例は、大型車には大型車用パレット
PBを使用し、中型車には中型車用パレットPMを使用する
よう使い分けるタイプである。ここで大型車用パレット
PBとは、大型車を搭載してその車体がはみ出さない大き
さのパレットであり、もちろん中型車用パレットPMより
大きいものである。前記大型車用パレットPBは図６に示
すように、取付床２の間隔調整部３の上面に乗る延長部
６をベース部７の周囲に形成して、外形寸法を取付床２
の外形寸法とほぼ同じに形成してものである。中型車用
パレットPMは図７に示すように、第１実施例の中型車用
パレットPMが用いられる。

【００２０】本実施例においては、大型車用パレットPB
をリフト１上に積載した場合はもちろん開口10との間に
隙間ができないのであるが、中型車用パレットPMを積載
した場合も取付床２の間隔調整部３によって開口10との
間の隙間が埋められるので、人が安全に乗降することが
できる。ただし、大型車用パレットPBを積載した場合、
リフト１上面からパレット上面までの高さＨが中型車用
パレットPMを積載した場合の高さｈより高くなるので、
乗降室でのリフト１の停止位置を前者の場合は低い位置
に、後者の場合は高い位置に変えなければならない。な
お、本実施例において、各パレットPB、PMの移載方向は
長手方向（図１の矢印ａ参照）からと、横方向（図１の
矢印ｂ参照）からの両方が可能である。

【００２１】次に、前記各実施例の搬送設備が適用され
る機械式駐車場の構成を説明する。 （機械式駐車場の第１実施例）ここに説明する駐車場
は、実施例１と実施例３の搬送設備が適用可能な駐車場
であり、図８は水平循環式駐車場の格納層の平面図、図
９は図８のI-Ｉ線矢視図、図10は図８のII線矢視図、図
11は図８のIII −III 線矢視図である。

【００２２】図８〜９において、11はエレベータ室、12
は乗降室である。図８ではエレベータ室11の図中右側は
中型車用の水平循環式駐車場部分で、図10〜11に示すよ
うに多層の格納棚13、14をそれぞれ碁盤目状に設け、各
格納棚13、14上にそれぞれ中型車用パレットPMを積載し
ている。各格納棚13、14の上面にはローラ式のパレット
搬送装置がそれぞれ設置されており、図８に矢印ｃで示
すように、各中型車用パレットPMを循環移動させるよう
になっている。なお、図８中の点線は空スペースを意味
している。

【００２３】そして、水平循環式駐車場部分が設けられ
ていない空間、すなわち図８でエレベータ室11の図中下
側は大型車用の駐車スペースとされている。すなわち、
図９においてエレベータ室11の左側の格納棚15、16には
大型車用中サイズパレットPAが積載されており、このよ
うにして数台分の大型車用駐車スペースが確保されてい
る。

【００２４】この駐車場では、図８に示すように、中型
車用パレットPMは矢印ｂで示すようにリフト１の前方向
（取付台２の横方向）から移載され、大型車用中サイズ
パレットPAは矢印ａで示すようにリフト１の横方向（取
付台２の縦方向）から移載される。したがって、この駐
車場には、両方向からのパレットの移載が可能な実施例
１および実施例３の搬送設備が適用できる。なお、実施
例３適用の場合は、大型車用パレットPBが、図中のパレ
ットPAの代りに置かれることになる。

【００２５】（機械式駐車場の第２実施例）ここに説明
する駐車場は実施例２の搬送設備が適用可能な駐車場で
あり、図12は格納層の上層の平面図、図13は図12のIV線
矢視図である。

【００２６】図12〜13に示すように、最上層の格納棚13
には大型車用パレットPBが積載され、下層の格納棚14に
は中型車用パレットPMが積載されている。多段の格納棚
では、下層には上層の格納棚を支える支柱17があるが、
最上層には支柱が必要ないので、その分駐車スペースが
広がり、大型車を格納するのに好都合である。

【００２７】本実施例の場合、リフト１は最上層の格納
棚13と同レベル位置で停止して大型車を積載し、下層の
格納棚14と同レベル位置で停止して中型車を移載するこ
とになる。

【００２８】この駐車場では、パレットの移載は常に矢
印ｂで示すリフト１の前方向（取付床２の横方向）から
となるので、搬送設備としては実施例２が適用されてい
る。しかし、実施例１，３の搬送設備を用いてリフト１
の前方向（取付床２の横方向）からパレットを移載する
こともことも可能である。

【００２９】（他の実施例）上記各実施例では、乗降室
12の床に固定された開口10を形成した場合について説明
したが、乗降室にターンテーブルを設置した場合も本発
明は同様に適用できる。この場合、図14に示すように、
ターンテーブル17の中央に開口10を形成し、取付床２を
設置したリフト１を昇降するようにすればよい。なお、
図14には第１実施例のパレットPA、PMを示しているが、
使用する搬送設備は実施例２、あるいは実施例３であっ
てもよいこと勿論である。

【００３０】

【発明の効果】本発明によれば、一つの駐車場で中型車
と大型車を収容でき、可動床のような複雑な装置が全く
不要なので設備コストの低い駐車場を提供することがで
きる。また、中型サイズパレット使用時には取付床がリ
フト昇降用開口との隙間を埋めるので、人が安全に乗降
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例１に係る搬送設備の斜視図であ
る。

【図２】図１に示された搬送設備の正面図である。

【図３】図１に示された搬送設備の平面図である。

【図４】本発明の実施例２に係る搬送設備の平面図であ
る。

【図５】図４に示された搬送設備の正面図である。

【図６】本発明の実施例３に係る搬送設備において大型
車用パレットPBを積載した状態の正面図である。

【図７】本発明の実施例３に係る搬送設備において中型
車用パレットPMを積載した状態の正面図である。

【図８】本発明の第１実施例に係わる機械式駐車場の格
納層の平面図である。

【図９】図８のＩ−Ｉ線矢視図である。

【図10】図８のII線矢視図である。

【図11】図８のIII −III 線矢視図である。

【図12】本発明の第２実施例に係わる機械式駐車場の格
納層上層の平面図である。

【図13】図12のIV−IV線矢視図である。

【図14】ターンテーブル17に開口を形成した実施例の説
明図である。

【符号の説明】

１ リフト ２ 取付床 ３ 間隔調整部 ４ 収容部 ５ 間隔調整部 PM 中型用パレッ
ト PA 大型車用中サイズパレット PB 大型車用パレ
ット 11 エレベータ室 12 乗降室 13 格納棚 14 格納棚

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】自動車を収容するパレットと、該パレット
   を乗降室と格納層間において搬送するリフトとからなる
   機械式駐車場における搬送設備であって、自動車を収容
   するパレットとして中型サイズパレットを用い、乗降室
   のリフト昇降用開口は、大型車用パレットに適合させた
   開口寸法であり、リフトの上面には、中型サイズパレッ
   トを積載する収容部と、その周囲に該中型サイズパレッ
   トとリフト昇降用開口との間の隙間を埋める間隔調整部
   を形成した取付床を設置していることを特徴とする搬送
   設備。
2. 【請求項２】自動車を収容するパレットと、該パレット
   を乗降室と格納層間において搬送するリフトとからなる
   機械式駐車場における搬送設備であって、自動車を収容
   するパレットとして中型車用パレットと大型車用パレッ
   トの両方を用い、乗降室のリフト昇降用開口は、大型車
   用パレットに適合させた開口寸法であり、リフトの上面
   には、中型車用パレットを積載する収容部と、その周囲
   に該中型車用パレットとリフト昇降用開口との間を埋め
   る間隔調整部を形成しており、前記間隔調整部および収
   容部の上面に大型車用パレットを積載しうる取付床を設
   置していることを特徴とする搬送設備。
3. 【請求項３】大型車を収容する格納棚をリフトに対し縦
   方向からパレットを移載しうる位置に設置し、中型車を
   収容する格納棚をリフトに対し横方向からパレットを移
   載しうる位置に設置したことを特徴とする請求項１また
   は２記載の搬送設備を用いた機械式駐車場。
4. 【請求項４】大型車を収容する格納棚を多段格納層の最
   上層に設け、中型車を収容する格納棚を最上層より下方
   の各格納層に設けたことを特徴とする請求項１または２
   記載の搬送設備を用いた機械式駐車場。