JPH06192187A - ジフェニルアミンまたはその核置換体の製造方法 - Google Patents
ジフェニルアミンまたはその核置換体の製造方法Info
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- JPH06192187A JPH06192187A JP5266798A JP26679893A JPH06192187A JP H06192187 A JPH06192187 A JP H06192187A JP 5266798 A JP5266798 A JP 5266798A JP 26679893 A JP26679893 A JP 26679893A JP H06192187 A JPH06192187 A JP H06192187A
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Abstract
ノールまたはその核置換体に対応するシクロヘキサノン
類の存在下、又は、水素移動触媒の存在下に、フェノー
ルまたはその核置換体を水素加圧下にして、その一部を
対応するシクロヘキサノン類に変換させ、水素受容体と
してフェノールまたはその核置換体を使用し、系内にて
対応するシクロヘキサノン類を生成させながら、アニリ
ンまたはその核置換体と反応させるに際し、アニリンま
たはその核置換体を滴下しながら反応させるジフェニル
アミンまたはその核置換体の製造方法。 【効果】 容積効率が高く、高選択率で副生物が少な
く、且つ収率良くジフェニルアミン核置換体が得られ
る。
Description
はその核置換体(以下ジフェニルアミン類と略記)を得
るための改良された製造方法に関する。さらに詳しく
は、水素移動触媒の存在下に水素受容体としてフェノー
ルまたはその核置換体(以下フェノール類と略記)を使
用し、アニリンまたはその核置換体(以下アニリン類と
略記)とフェノールまたはその核置換体に対応するシク
ロヘキサノンまたはその核置換体(以下シクロヘキサノ
ン類と略記)を反応させ、縮合反応及び分子間の水素移
動により、ジフェニルアミン類を製造する方法に関し、
特にアニリン核置換体を原料とするジフェニルアミン類
の工業的に有利な製造方法に関する。
ゴム用配合剤等の製造中間体として有用な化合物であ
る。例えば、アニリン核置換体から得られる2−メチル
−4−アルコキシジフェニルアミンは、感圧、感熱記録
紙用のフルオラン系の染料の原料として高価値で有用な
化合物である。
よりの脱アンモニア反応、もしくはアニリン類とフェノ
ール類またはブロムベンゼンよりの脱水または脱臭化水
素反応によって製造されていた。
アニリンを、シリカ等酸化触媒の存在下に気相にて含酸
素ガスと反応させて製造する方法(特開昭49−499
24号公報)、γ−アルミナを触媒として使用してフェ
ノールとアニリンより製造する方法(特公昭49−14
738号公報)、水素化還元触媒の存在下アミン類とシ
クロヘキサノン類とを反応させN−シクロヘキシリデン
アニリン等シッフ塩基を経由しながらジフェニルアミン
類を製造するに際し、水素受容体としてスチレン類を使
用して合成する方法(特開昭57−58648号公報)
等が提案されている。しかしながら、これらの従来法は
反応工程が煩雑であったり、反応速度が小さい等の欠点
があった。
フェノール類を使用し、系内にてシクロヘキサノン類を
生成させながらシクロヘキサノン類とアニリン類とを反
応させてジフェニルアミン類を製造する方法(特開昭6
0−193949号公報)が提案されている。この公報
には、パラジウム触媒存在下2−メチルアニリンと過剰
のフェノールを用いて2−メチルジフェニルアミンを得
る方法(収率97.0%、選択率99.3%、転化率9
7.7%)が記載されている。この方法では反応速度及
び選択率の点ではほぼ満足できるが、N−シクロヘキシ
ルアニリン類の副生を抑制するためにフェノール類をア
ニリン類に対し、かなり過剰に用いる必要があり、工業
的製法としての問題点があった。この発明の目的は、上
記(特開昭60−193949号公報)の方法を改良
し、工業的に有利な方法を提供することにある。
量の反応に用いるフェノール類に対応するシクロヘキサ
ノン類の存在下、水素受容体としてフェノール類を使用
し、系内にて対応するシクロヘキサノン類を生成させな
がらアニリン類と反応させるに際し;または最初から反
応系中にシクロヘキサノン類を存在させておくことな
く、水素加圧下にフェノール類を触媒量の対応するシク
ロヘキサノン類に変換した後、引き続き残りのフェノー
ル類を水素受容体として使用し、系内にて対応するシク
ロヘキサノン類を生成させながらアニリン類と反応させ
るに際し;アニリン類を滴下しながら反応させることを
特徴とするジフェニルアミン類の製造方法である。
物への選択率の面で満足の行く結果が得られるだけでな
く、フェノール類をアニリン類に対して大過剰量使用す
ることなくN−シクロヘキシルアニリン類の副生が抑制
されるため、フェノール類の使用量を大幅に低減するこ
とが可能となり容積効率が上がるという利点がある。
とフェノール類からジフェニルアミン類を製造する方法
は、アミン類とシクロヘキサノン類との反応により生成
した中間体シッフ塩基が脱水素されて生成する水素がフ
ェノール類の還元、つまり対応するシクロヘキサノン類
の生成に同一反応系中で全て利用されるため、極めて効
率的である。
ジフェニルアミン類も本発明方法では一段で合成でき、
また相当するシクロヘキサノン類の入手が困難である場
合も、フェノール類さえあればシクロヘキサノン類の替
わりにフェノール類を使用して、あらかじめ水素によ
り、フェノール類の一部を対応するシクロヘキサノン類
に変換させた後反応させればよく、適用範囲が広いとい
う利点がある。
用されるフェノール類としては、フェノール、メチルフ
ェノール、エチルフェノール、イソプロピルフェノー
ル、ブチルフェノール、2,4−ジメチルフェノール、
2,4,6−トリメチルフェノール、2,6−ジ−t−
ブチル−4−メチルフェノール等のアルキルフェノー
ル、3−メトキシフェノール、4−メトキシフェノール
等のアルコキシフェノール等が挙げられるが、特にフェ
ノールが好ましい。
ヘキサノン類との反応により生成する中間体シッフ塩基
が脱水素されて生成する水素により、シクロヘキサノン
類へ変換される。従って、系内で発生する水素を完全に
有効利用するためにはフェノール類はアミン類に対して
等量あればよいことになるが、N−シクロヘキシルアニ
リン類の副生量を抑制するためモル比で4〜10と過剰
に使用するのがよいとされていた。本願発明によれば、
アミン類の添加方法の改良によりアミン類1モル当りフ
ェノール類の使用量が1〜2モル程度でも高選択率の反
応が可能になった。
しては、アニリン、アニリン核置換体として2−メチル
アニリンのようなアルキルアニリン、3,4−ジメチル
アニリンのようなジアルキルアニリン、3−メトキシア
ニリンのようなアルコキシアニリン、2−メチル−4−
メトキシアニリンのようなアルキルアルコキシ−アニリ
ン、2−フロロ−5−メチルアニリンのようなフロロア
ルキルアニリン、o−アミノ安息香酸もしくはそのエス
テル、o−アミノベンゾニトリル、4−ベンジルアニリ
ン、アミノフェノール等が挙げられる。特に、アルキル
アニリン、アルコキシアニリン、アルキルアルコキシア
ニリンの場合は選択率も高く好ましい核置換体である。
これらのアニリン類を滴下しながら反応させるならば、
フェノール類の使用量を少なくすることができ、且つ、
副生物生成量を抑制できることは前述の通りである。
るシッフ塩基の濃度は20%以下であることが好まし
く、10%以下であることが特に好ましい。20%を越
えるとN−シクロヘキシリデンアニリン類の副生量が増
加する傾向がある。
ール類に対応するシクロヘキサノン類が用いられ、その
使用量はアミン類1モルに対し触媒量の約0.03モル
以上あればよいが、好ましくは0.05〜0.40モル
が良い。この使用量より少ないと反応速度が小さくな
り、また、これより多くなると目的とするジフェニルア
ミン類の収率が低下する傾向がある。
類を存在させない場合は、フェノール類から前記の適量
のシクロヘキサノン類が生成するに足る量、即ち、反応
率を考慮してアミン類1モルに対し約0.06モル以
上、好ましくは0.10〜0.80モルの水素を反応器
に封入後加熱反応すれば良い。
触媒としては脱水素反応及び還元反応の両方の機能を有
する触媒である必要があるが、通常好適な水素化還元反
応触媒は脱水素反応にも適する。具体的には、ラネーニ
ッケル、還元ニッケルもしくはニッケル担体触媒、ラネ
ーコバルト、還元コバルトもしくはコバルト担体触媒、
ラネー銅、還元銅もしくは銅担体触媒、周期律表第8族
の貴金属触媒があげられる。
体的には、パラジウム黒、酸化パラジウム、コロイドパ
ラジウム、パラジウム・炭素、パラジウム・硫酸バリウ
ム、パラジウム・炭酸バリウムなどのパラジウム触媒;
白金黒、コロイド白金、白金海綿、酸化白金、硫化白
金、白金・炭素などの白金・担体触媒等の白金触媒;コ
ロイドロジウム、ロジウム・炭素、酸化ロジウムなどの
ロジウム触媒;ルテニウム触媒などを例示することがで
きる。
ジウム触媒であり、特にパラジウム−炭素、パラジウム
−アルミナ及びパラジウム−酸化マグネシウム等の担体
に担持されたパラジウム触媒が好ましい。その使用量は
前記アミン類1グラム分子に対し、金属原子として0.
001〜0.2グラム原子、好ましくは0.004〜
0.1グラム原子である。
しくは170〜280℃の範囲で選ばれる。
後の混合物を蒸留、晶析、抽出等の常法に従って処理す
ることにより得られる。例えば、反応終了液をろ過し、
触媒を分離する。この回収触媒は再使用できる。ろ液を
濃縮し、過剰量のフェノール類をシクロヘキサノン類を
含んだまま回収し、その留分は混合物のまま反応系へ戻
す。釜内のジフェニルアミン類は蒸留、晶析等により精
製分離する。
に説明する。 実施例1 内容積500mlのステンレス製オートクレーブにフェ
ノール28.3g(0.3モル)、シクロヘキサノン
2.0g(0.02モル)及びエヌ・イー・ケムキャッ
ト社製5%Pd/C1.07gを仕込み、滴下装置に2
−メチルアニリン21.4g(0.2モル)を装入し
て、オートクレーブ内を窒素置換した後、200℃に昇
温した。撹拌下にその温度を保ったまま滴下装置内の2
−メチルアニリンを5時間かけて滴下した。滴下終了
後、さらにこの温度に保ったまま1時間撹拌を続けた。
次いで反応器内を室温まで冷却し、反応混合液より5%
Pd/Cを濾別した。濾液をガスクロマトグラフィーに
より分析したところ、2−メチルアニリンの転化率は9
9.6%、2−メチルジフェニルアミンの選択率は9
9.3%であった。N−シクロヘキシル−2−メチルア
ニリンの副生は0.6%であった。
−メチルアニリンの量を第1表に示すように使用した以
外は、実施例1と同様に反応、処理した。結果を第1表
に示す。
/2−メチルアニリン)
施例1と同様に反応処理した。その結果、2−メチルア
ニリンの転化率は99.4%、2−メチルジフェニルア
ミンの選択率は99.8%であり、N−シクロヘキシル
−2−メチルアニリンの副生は0.1%であった。
ェノール、シクロヘキサノン、2−メチルアニリンを内
容積300mlのステンレス製オートクレーブに仕込
み、オートクレーブ内を窒素置換した後、200℃に昇
温した。撹拌下にその温度を保ったまま5時間反応させ
たのち、反応器内を室温まで冷却し、反応混合液より5
%Pd/Cを濾別した。濾液をガスクロマトグラフィー
により分析したところ、2−メチルアニリンの転化率は
98.5%、2−メチルジフェンルアミンの選択率は9
1.8%であり、N−シクロヘキシル−2−メチルアニ
リンが7.5%副生していた。
替え、第2表に示すようなフェノール類、シクロヘキサ
ノン類、アニリン類を使用した以外は、実施例1と同様
に反応、処理した。結果を第2表に示す。
するものを使用。
てフェノール類を使用し、系内にてシクロヘキサノン類
を生成させながらアニリン類と反応させるに際し、従来
法ではN−シクロヘキシルアニリンの副生を抑制するた
めにフェノール類をアニリン類に対し大過剰用いる必要
があり、容積効率が悪くなるという欠点があったが、本
発明ではアニリン類を滴下しながら反応させることによ
ってこれを解決し、フェノール類を大過剰使用すること
なく高選択率でかつ、副生物生成が少なく、目的物のジ
フェニルアミンを得ることができる。
Claims (8)
- 【請求項1】 水素移動触媒及び触媒量の反応に用いる
フェノールまたはその核置換体に対応するシクロヘキサ
ノン類の存在下、水素受容体としてフェノールまたはそ
の核置換体を使用し、系内にて対応するシクロヘキサノ
ン類を生成させながら、アニリンまたはその核置換体と
反応させるに際し、アニリンまたはその核置換体を滴下
しながら反応させることを特徴とするジフェニルアミン
またはその核置換体の製造方法。 - 【請求項2】 水素移動触媒の存在下に、フェノールま
たはその核置換体を水素加圧下にして、その一部を対応
するシクロヘキサノン類に変換させ、引き続き残りのフ
ェノールまたはその核置換体を水素受容体として使用
し、系内にて対応するシクロヘキサノン類を生成させな
がらアニリンまたはその核置換体と反応させるに際し、
アニリンまたはその核置換体を滴下しながら反応させる
ことを特徴とするジフェニルアミンまたはその核置換体
の製造方法。 - 【請求項3】 加熱反応温度が170〜280℃である
請求項1または2記載の方法。 - 【請求項4】 水素移動触媒がパラジウムである請求項
1または2記載の方法。 - 【請求項5】 反応系中に存在するシクロヘキサノン類
がアニリンまたはその核置換体に対し、0.005〜
0.4モル倍である請求項1または2記載の方法。 - 【請求項6】 フェノールまたはその核置換体がフェノ
ール、アルキルフェノールまたはアルコキシフェノール
である請求項1または2記載の方法。 - 【請求項7】 アニリンまたはその核置換体が、アニリ
ン核置換体である請求項1または2記載の方法。 - 【請求項8】 アニリン核置換体が、アルキルアニリ
ン、アルコキシアニリンまたはアルキルアルコキシアニ
リンである請求項1または2記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05266798A JP3135436B2 (ja) | 1992-10-28 | 1993-10-26 | ジフェニルアミンまたはその核置換体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4-290132 | 1992-10-28 | ||
JP29013292 | 1992-10-28 | ||
JP05266798A JP3135436B2 (ja) | 1992-10-28 | 1993-10-26 | ジフェニルアミンまたはその核置換体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH06192187A true JPH06192187A (ja) | 1994-07-12 |
JP3135436B2 JP3135436B2 (ja) | 2001-02-13 |
Family
ID=26547594
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05266798A Expired - Lifetime JP3135436B2 (ja) | 1992-10-28 | 1993-10-26 | ジフェニルアミンまたはその核置換体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3135436B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018532775A (ja) * | 2015-10-21 | 2018-11-08 | セニックス・カンパニー・リミテッド | アリール置換パラ−フェニレンジアミン系物質の製造方法 |
-
1993
- 1993-10-26 JP JP05266798A patent/JP3135436B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018532775A (ja) * | 2015-10-21 | 2018-11-08 | セニックス・カンパニー・リミテッド | アリール置換パラ−フェニレンジアミン系物質の製造方法 |
US10793510B2 (en) | 2015-10-21 | 2020-10-06 | Sennics Co., Ltd. | Method for preparing aryl substituted p-phenylenediamine substance |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3135436B2 (ja) | 2001-02-13 |
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