JPH0619202A - トナー用樹脂の製造方法 - Google Patents

トナー用樹脂の製造方法

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JPH0619202A
JPH0619202A JP4175287A JP17528792A JPH0619202A JP H0619202 A JPH0619202 A JP H0619202A JP 4175287 A JP4175287 A JP 4175287A JP 17528792 A JP17528792 A JP 17528792A JP H0619202 A JPH0619202 A JP H0619202A
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義行 小坂
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高分子量重合体成分と低分子量重合体成分と
からなり、分子量の低下が少なく、広い定着温度範囲で
の耐オフセット性に優れ、しかも良好な定着性や耐ブロ
ッキングを有するトナー用樹脂を得る。 【構成】 500 リットルの反応容器10にトルエン150kg
を入れ、これに重量平均分子量60万のスチレン−アクリ
ル酸エステル共重合体75 kgと、重量平均分子量1.5 万
のスチレン−アクリル酸エステル共重合体125kgを入
れ、トルエンの沸点まで加熱攪拌して樹脂溶液を調製す
る。次に、反応容器内の溶液を攪拌しながら200 ℃に加
熱し、バルブA、B、Cを閉じた状態で真空ポンプ30を
作動させ、液面が覗き窓12の下まで上昇すればバルブC
を開け、配管13より窒素ガスを反応容器10内ヘ導入して
一気にパージする。液面が低下すればバルブCを閉め
る。このパージ操作を40回繰り返して溶液中のトルエン
を留出させ目的の樹脂を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高分子量重合体成分
と低分子量重合体成分とからなるトナー用樹脂の製造方
法に関する。
【従来の技術】
【0002】電子複写のトナーには、高分子量重合体成
分と低分子量重合体成分とからなる樹脂が、バインダー
樹脂として使用されている。
【0003】この種のバインダー樹脂を用いたトナー
は、耐オフセット性(定着用の加熱ローラーにトナーが
付着し、これが用紙を汚さないこと)、定着性(トナー
が用紙に強固に付着すること)、耐ブロッキング性(ト
ナー粒子が凝集しないこと)等の諸性能が良好で、特
に、広い定着温度範囲にわたって耐オフセット性がよい
という利点がある。
【0004】上記の性能を充分に発揮させるには、樹脂
中の高分子量重合体成分と低分子量重合体成分とが、互
いに相溶して渾然一体化されていなければならない。
【0005】それゆえ、このような樹脂は、一般に、
(1)高分子量重合体成分と低分子量重合体成分とを有
機溶剤に混合して溶解する方法、(2)高分子量重合体
成分を有機溶媒に溶解し、これに低分子量重合体成分を
与える単量体を溶解し、この単量体を重合させる方法、
(3)単量体の一部又は全部を重合して高分子量重合体
成分を生成させ、これを有機溶媒に溶解し、これに低分
子量重合体成分を与える単量体を追加して単量体を重合
させる方法等により製造される。
【0006】上記の方法で樹脂を製造する場合、最終段
階で、高分子量重合体成分と低分子量重合体成分とが、
反応容器内で有機溶剤に溶解された樹脂溶液が得られ
る。そして、最後に、反応容器内の樹脂溶液を加熱し、
減圧することにより有機溶剤を留出させて樹脂を得る
(例えば、特開昭56−158340号公報、特開昭5
8−202455号公報公報参照)。
【0007】上記公報には、樹脂溶液を加熱し、減圧し
て有機溶剤を留出させて樹脂を得る具体的な方法につい
ては開示されていないが、通常は、次のような方法が採
用されている。
【0008】この方法を、図1を参照しながら説明す
る。先ず、前記(1)〜(3)等の方法で高分子量重合
体成分と低分子量重合体成分とが有機溶剤に溶解された
樹脂溶液が調製される。この樹脂溶液は、反応容器10
内で一定量が調製される。
【0009】次いで、反応容器10内の樹脂溶液を、ジ
ャケット11内に熱媒を循環させることにより有機溶剤
の沸点以上になるまで攪拌しながら加熱し、バルブA、
B、Cを閉めた状態で真空ポンプ20を作動させて、反
応容器10内の上方空間(気相部)を吸引減圧する。
【0010】この加熱及び吸引減圧により、樹脂溶液中
の有機溶剤は蒸発し、溶剤排出用の配管31を経てコン
デンサー30で凝縮され、溶剤回収タンク40に回収さ
れる。この場合、反応容器10内の上方空間が吸引減圧
されるため、樹脂溶液の液面が上昇し、発泡した樹脂溶
液の一部が有機溶剤とともに配管31へ排出されてい
き、この樹脂分が配管31内に詰ってきて有機溶剤の留
出ができなくなる。
【0011】そこで、バルブAを閉める際は、発泡した
樹脂溶液が配管31へ排出されないように、反応容器1
0の覗き窓12より反応容器10内の液面を見ながらバ
ルブAを徐々に閉めていき、バルブAから入る空気量を
調節し、最終的にバルブAを全閉にして真空度が約60
mmHg以下になった時点で操作を終わるようにしてい
る。
【0012】この場合、次のように、パージ操作を断続
的に行う方法が主に採用されている。すなわち、バルブ
Aを閉めていき、樹脂溶液の液面が覗き窓12の下まで
上昇すれば、バルブAを開けバルブAから吸引される空
気で一気にパージし、樹脂溶液の液面が低下すれば、再
度バルブAを閉めていき、液面が上昇すれば、バルブA
を開けて空気で一気にパージし、液面を下げる。
【0013】この操作を必要回数だけ繰り返し、最終的
に真空度が約60mmHg以下で且つバルブAを全閉にし
た状態で樹脂溶液の液面が上昇しなくなった時点で操作
を終わる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
方法でトナー用樹脂を製造すると、上記の操作中にバル
ブAから吸引される空気が、どうしても操作コンデンサ
ー30から配管31を経て反応容器10内の上部空間に
流れ込み、この空気中の酸素により、加熱攪拌されてい
る樹脂が分解されやすく、特に、高分子重合体成分の分
子切断が大きくなって分子量の低下が起こる。このよう
な樹脂を使用して、電子複写のトナーを製造すると、特
に、トナーの耐オフセット性の効果が充分に発揮できな
いことがある。
【0015】この発明は、上記の問題を解決するもので
あり、その目的とするところは、高分子量重合体成分と
低分子量重合体成分とからなり、分子量の低下が少な
く、広い定着温度範囲での耐オフセット性に優れ、しか
も良好な定着性や耐ブロッキング性を有するトナー用樹
脂を提供するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明は、高分子量重合体成分と低分子量重合
体成分とが有機溶剤に溶解された反応容器内の樹脂溶液
を加熱し、反応容器内の空間を吸引減圧することにより
有機溶剤を留出させてトナー用樹脂を製造する方法にお
いて、反応容器内の空間に不活性ガスを導入しながら或
いは導入した後、反応容器内の空間を吸引減圧するもの
である。
【0017】この発明に用いられる高分子量重合体成分
及び低分子量重合体成分としては、これらの重合体成分
の有するトナー性能を充分に発揮させるために、互いに
相溶する各種の重合体が用いられる。
【0018】例えば、スチレン系単量体の重合体、(メ
タ)アクリル酸エステル系単量体の重合体、スチレン系
単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体との共重
合等が好適に用いられる。
【0019】この場合、(共)重合体の構成単位となる
スチレン系単量体としては、スチレン、o−メチルスチ
レン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−
メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチ
ルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−t−ブチル
スチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチ
ルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシル
スチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシス
チレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、
3,4−ジクロロスチレン等が挙げられる。これ等の中
でも、スチレンが好ましい。
【0020】また、(共)重合体の構成単位となる(メ
タ) アクリル酸エステル系単量体としては、(メタ)ア
クリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)
アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、
(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ) アクリル酸n
−オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)ア
クリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウ
リル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリ
ル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチ
ルアミノエチル、α−クロロアクリル酸メチル等が挙げ
られる。これ等の中でも、メタクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキ
シルが好ましい。
【0021】上記のスチレン系単量体の重合体、(メ
タ)アクリル酸エステル系単量体の重合体、スチレン系
単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体との共重
合は、溶液重合、懸濁重合など従来公知の重合方法によ
り得ることができる。特に、溶液重合法が好ましい。
【0022】得られる(共)重合体は、スチレン系単量
体成分の含有率が50〜95重量%、(メタ) アクリル
酸エステル系単量体成分の含有率が5〜50重量%の共
重合体を使用するのが好ましい。
【0023】スチレン系単量体成分の含有率が50重量
%よりも少なくなると、トナーの粉砕性が悪化し、95
重量%よりも多くなると、トナーの定着性が悪化する。
(メタ) アクリル酸エステル系単量体成分の含有率が5
重量%よりも少なくなると、トナーの定着性が悪化し、
50重量%よりも多くなると、トナーの粉砕性が悪化す
る。
【0024】また、(共)重合体において、高分子量重
合体成分の重量平均分子量は、20万〜200万、低分
子量重合体成分の重量平均分子量は、0.5万〜10万
が好ましい。
【0025】上記の高分子量重合体成分と低分子量重合
体成分とを溶解する有機溶剤としては、ヘキサン、ヘプ
タン、オクタン等の脂肪族系溶剤、トルエン、キシレ
ン、エチルベンゼン等の芳香族系溶剤、トリクロルエチ
レン、ジクロルブタン、塩化プロピレン等のハロゲン化
炭化水素系溶剤、ニトロプロパン、ニトロブタン等のニ
トロ化炭化水素系溶剤、イソプロピルアルコール、n−
ブチルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコー
ル系溶剤、エチルブチルエーテル、ブチルエーテル、メ
チルセロソルブ等のエーテル系溶剤、メチルエチルケト
ン、メチルプロピルケトン、ジエチルケトン等のケトン
系溶剤、蟻酸ブチル、酢酸ブチル、酢酸プロピルのエス
テル系溶剤が挙げられる。これ等の中でも、トルエン、
キシレンが好ましい。
【0026】この発明においては、図1に示すように、
先ず、攪拌機付きの反応容器10内で、高分子量重合体
と低分子量重合体とを有機溶剤に溶解した樹脂溶液が調
製される。この樹脂溶液は、一般に、反応容器10の容
量の50〜80%程度の量で調製される。
【0027】この樹脂溶液の調製は、例えば、(1)高
分子重合体成分と低分子重合体成分とを反応容器内で有
機溶剤に混合して溶解する、(2)高分子重合体成分を
反応容器内で有機溶媒に溶解し、これに低分子重合体成
分を与える単量体を溶解し、この単量体を反応容器内で
重合させる、(3)単量体の一部又は全部を反応容器内
で重合して高分子重合体成分を生成させ、これを有機溶
媒に溶解し、これに低分子重合体成分を与える単量体を
追加して単量体を反応容器内で重合させる等の方法によ
り調製される。
【0028】次に、ジャケット11内に、スチーム、加
熱オイル、熱水等の熱媒を循環させて、反応容器10内
の樹脂溶液を攪拌しながら、有機溶剤の沸点以上に加熱
する。
【0029】その後、バルブA、B、Cを全て閉じた状
態で真空ポンプ20を作動させて、反応容器10内の上
部空間(気相部)を吸引減圧する。そして、覗き窓12
より反応容器10内の液面を見て、液面が覗き窓12の
すぐ下まで上昇すれば、バルブCを開けて不活性ガス導
入用の配管13より窒素ガス等の不活性ガスを反応容器
10内の上方空間ヘ導入して、一気にパージする。
【0030】そして、溶液面が低下すれば、バルブCを
閉める。再び、溶液面が上昇すれば、バルブCを開けて
配管13より窒素ガス等の不活性ガスを反応容器10内
の上方空間ヘ導入して、一気にパージする。
【0031】上記のパージ操作を必要回数繰り返し、最
終的にバルブCを閉めた状態で樹脂溶液面が上昇しなく
なる時点(真空度が約60mmHg以下)で終了とする。
このような操作により、樹脂溶液中の有機溶剤は蒸発
し、溶剤排出用の配管31を経てコンデンサー30で凝
縮され、溶剤回収タンク40に回収される。こうして、
樹脂溶液中の有機溶剤を留出させる。その後、常法によ
り樹脂を抜き出し精製する。
【0032】なお、この発明においては、上述のよう
に、パージ操作を断続的に繰り返し行う方法が好適に採
用されるが、この方法に限定されない。例えば、発泡し
た樹脂溶液が配管31へ排出されないように、反応容器
10の覗き窓12より反応容器10内の液面を見ながら
バルブCを調節して不活性ガス量を調節し、反応容器1
0内の空間に不活性ガスを連続的に導入しながら、反応
容器10内の空間を吸引減圧して連続的にパージしても
よい。
【0033】また、バルブCを調節して不活性ガス量を
調節する代わりに、発泡した樹脂溶液が配管31へ排出
されないように、真空ポンプ20の吸引を調節して、連
続的にパージしてもよい。
【0034】こうして得られるトナー用樹脂を用いて、
トナーを製造するには、従来公知の方法で行われる。例
えば、トナー用樹脂組成物にカーボンブラックなどの着
色剤その他必要に応じてトナー用添加剤を、リボンブレ
ンダー、ヘンセルミキサー等で混合し、これをロールミ
ル、ニーダー、押出機等を用いて混練した後冷却して微
粉砕する方法が主に採用される。こうして、電子複写の
トナーが得られる。
【0035】
【作用】このように、反応容器内の空間(気相部)に不
活性ガスを導入しながら或いは導入した後、反応容器内
の空間を吸引減圧して、樹脂溶液中の有機溶剤を留出さ
せると、得られる重合体、特に高分子量重合体成分の分
子切断が少なく抑えられる。これは、不活性ガスにより
重合体の酸化劣化が抑制されるためと考えられる。
【0036】このようにして得られるトナー用樹脂は、
樹脂の分子量の低下が少ないので、特に、トナーの耐オ
フセット性の効果が充分に発揮できる。
【0037】
【実施例】以下、本発明の実施例及び比較例を示す。実施例1 (1) 樹脂の製造 図1に示す方法で樹脂を製造する。容量が500リット
ルで攪拌機付きの反応容器10に、原料投入口14よ
り、有機溶剤としてトルエン150 kgを入れ、これに
重量平均分子量600000の高分子量重合体成分(ス
チレン75重量%、アクリル酸n−ブチル20重量%、
メタクリル酸メチル5重量%からなる共重合体)75 k
gを入れ、重合体溶液を調整する。
【0038】別に、スチレン87.5 kg、アクリル酸
n−ブチル18.75 kg、メタクリル酸メチル18.
75 kg、及び重合開始剤としてアゾビスイソブチロニ
トリル7.5 kgを溶解して単量体溶液を調整する。
【0039】次いで、ジャケット11に加熱オイルを循
環させ、反応容器10内の重合体溶液を攪拌しながらト
ルエンの沸点まで加熱し、これに上記単量体溶液を2.
5時間かけて滴下して単量体の溶液重合を行った。
【0040】この溶液重合により単量体が共重合して低
分子量重合体成分となり、この低分子量重合体成分と高
分子量重合体成分とがトルエンに溶解された樹脂溶液が
得られる。この樹脂溶液は、反応容器10の容量の約7
0%を占める。
【0041】その後、反応容器10内の重合体溶液を攪
拌しながら200℃に加熱し、バルブA、B、Cを全て
閉じた状態で真空ポンプ20を作動させて反応容器10
内の上方空間(気相部)を吸引減圧する。
【0042】覗き窓12より反応容器10内の液面を見
て、液面が覗き窓12のすぐ下まで上昇(この時の真空
度は約660mmHg)すれば、バルブCを開け、配管1
3より窒素ガスを反応容器10内の上方空間ヘ導入して
一気にパージする。
【0043】そして、液面が低下(この時の真空度は約
680mmHg)すれば、バルブCを閉める。再び、液面
が上昇(この時の真空度は約640mmHg)すればバル
ブCを開け、配管13より窒素ガスを反応容器10内の
上方空間ヘ導入して一気にパージする。
【0044】このようなパージ操作を繰り返し、最終的
にバルブCを閉めた状態で液面が上昇しなくなる時点
(この時の真空度は約60mmHg以下)で終了とする。
この場合、上記のパージ操作を40回繰り返して終了さ
せた。なお、真空度は真空計15で読み取る。
【0045】こうして、樹脂溶液中のトルエンを留出さ
せる。その後、常法により樹脂を抜き出し精製した。得
られた樹脂の重量平均分子量(Mw)は363200、数
平均分子量(Mn)は6900で、フロー軟化温度は13
7.4℃であった。なお、重量平均分子量及び数平均分
子量はゲル透過クロマトグラフィー(GPC法)で測定
した。また、フロー軟化温度は、フローテスター(島津
製作所製のCFT−500型)で測定した値である。
【0046】(2) トナーの製造 上記の方法で得られた樹脂100重量部に、カーボンブ
ラック(ダイヤブラックSH:三菱化成社製) 5重量部を
混合し160℃で5分間ロール混練し冷却後粗粉砕し、
さらにジェットミルで平均粒度11μm に微粉砕し、こ
れに疎水性シリカ微粉末0.5重量部を混合してトナー
を得た。
【0047】このトナー10gを100ccのビーカーに
取り、50℃の恒温槽中に16時間放置した後、粒子の
合着の有無によって耐ブロッキング性を評価した。その
結果、耐ブロッキング性は良好であった。
【0048】このトナー4重量部を平均粒度50〜80
μm の鉄粉キャリアー96重量部と混合して微粉末現像
剤を作り、この微粉末現像剤を、電子写真複写機(コニ
カ社製 U-Bix 2500)の改造機に装着して定着温度範囲を
測定した。
【0049】この定着温度範囲は、定着用の加熱ローラ
ーの設定温度を変えて、オフセットを起こさずに良好に
定着する設定温度で示した。その結果、定着温度範囲は
150℃〜240℃で広い温度範囲で良好な定着が可能
であった。
【0050】さらに、二万枚連続して複写を行った後、
複写機の加熱ローラーの汚れを目視で1(汚れなし)〜
5(汚れ多い)の5段階で評価したところ、その評価結
果は2で良好であった。
【0051】実施例2 実施例1の樹脂の製造において、トルエン150 kgに
替えてキシレン150kgを用い、キシレンの沸点で溶
液重合を行った。それ以外は実施例1と同様に行った。
【0052】得られた樹脂の重量平均分子量(Mw)は3
60600、数平均分子量(Mn)は7000で、フロー
軟化温度は136.2℃であった。また、トナーの耐ブ
ロッキング性は良好であった。定着温度範囲は150℃
〜240℃で良好であった。また、複写機の加熱ローラ
ーの汚れの評価結果は2で良好であった。
【0053】実施例3 反応容器10に、トルエン150 kgを入れ、これに重
量平均分子量600000の高分子量重合体成分(スチ
レン75重量%、アクリル酸n−ブチル20重量%、メ
タクリル酸メチル5重量%からなる共重合体)75 kg
と、重量平均分子量15000の低分子量重合体成分
(スチレン70重量%、アクリル酸n−ブチル15重量
%、メタクリル酸メチル15重量%からなる共重合体)
125 kgとを入れ、これをトルエンの沸点まで加熱し
2時間攪拌して溶解させて樹脂溶液を得た。それ以外は
実施例1と同様に行った。
【0054】得られた樹脂の重量平均分子量(Mw)は3
62000、数平均分子量(Mn)は7000で、フロー
軟化温度は136.6℃であった。また、トナーの耐ブ
ロッキング性は良好であった。定着温度範囲は150℃
〜240℃で良好であった。また、複写機の加熱ローラ
ーの汚れの評価結果は2で良好であった。
【0055】比較例1 この比較例1は、パージを断続的に行う従来方法に相当
する。実施例1において、配管13より窒素ガスを反応
容器10内の上部空間ヘ導入して一気にパージする替わ
りに、バルブAを開けて空気を反応容器10内の上部空
間ヘ導入して一気にパージした。パージ操作も実施例1
と同様に40回繰り返して終了させた。それ以外は実施
例1と同様に行った。
【0056】得られた樹脂の重量平均分子量(Mw)は3
33700、数平均分子量(Mn)は6600で、フロー
軟化温度は133.9℃であり、実施例1に較べて分子
量の低下が大きい。また、トナーの耐ブロッキング性は
良好であっが、定着温度範囲は145℃〜200℃であ
り、実施例1に較べて範囲が狭い。また、複写機の加熱
ローラーの汚れの評価結果は4で不良であった。
【0057】
【発明の効果】上述の通り、この発明は、高分子量重合
体成分と低分子量重合体成分とが有機溶剤に溶解された
反応容器内の樹脂溶液を加熱し、反応容器内の空間を吸
引減圧することにより有機溶剤を留出させてトナー用樹
脂を製造する方法において、反応容器内の空間に不活性
ガスを導入しながら或いは導入した後、反応容器内の空
間を吸引減圧するもので、この方法によれば、分子量の
低下が少ない高分子量重合体成分と低分子量重合体成分
とからなるトナー用樹脂を製造することができる。
【0058】したがって、この方法で得られるトナー用
樹脂を用いた電子複写のトナーは、広い定着温度範囲で
の耐オフセット性に優れ、しかも良好な定着性や耐ブロ
ッキング性を有し、低速から高速に亘る加熱ローラー定
着方式の電子写真複写機に好適に使用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明方法の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
10 反応容器 13 窒素ガス導入用の配管 20 真空ポンプ 30 コンデンサー 31 溶剤排出用の配管 40 溶剤回収タンク A バルブ B バルブ C バルブ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子量重合体成分と低分子量重合体成
    分とが有機溶剤に溶解された反応容器内の樹脂溶液を加
    熱し、反応容器内の空間を吸引減圧することにより有機
    溶剤を留出させてトナー用樹脂を製造する方法におい
    て、反応容器内の空間に不活性ガスを導入しながら或い
    は導入した後、反応容器内の空間を吸引減圧することを
    特徴とするトナー用樹脂の製造方法。
JP17528792A 1992-07-02 1992-07-02 トナー用樹脂の製造方法 Expired - Lifetime JP3176438B2 (ja)

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