JPH0950148A - トナー用樹脂の製造方法 - Google Patents

トナー用樹脂の製造方法

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JPH0950148A
JPH0950148A JP7202244A JP20224495A JPH0950148A JP H0950148 A JPH0950148 A JP H0950148A JP 7202244 A JP7202244 A JP 7202244A JP 20224495 A JP20224495 A JP 20224495A JP H0950148 A JPH0950148 A JP H0950148A
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JP
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molecular weight
resin
toner
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weight polymer
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JP7202244A
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Yoshiyuki Kosaka
義行 小坂
Takashi Kamiyama
隆司 上山
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂溶液の調製方法を変更したとしても、同
一物性のトナー用樹脂を安定かつ確実に得ることを可能
とする工程を備えたトナー用樹脂の製造方法を得る。 【課題解決手段】 高分子量重合体成分と低分子量重合
体成分とが有機溶剤に溶解混合された樹脂溶液を加熱・
減圧することにより有機溶剤を流出させてトナー用樹脂
を製造するにあたり、樹脂溶液において重合開始剤をト
ナー用樹脂に対し0.01〜1.0重量%の範囲で添加
しておくことにより、トナー用樹脂の分子量分布を調整
することを特徴とするトナー用樹脂の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トナー用樹脂の製
造方法に関し、より詳細には、高分子量重合体成分及び
低分子量重合体成分を含むトナー用樹脂を、分子量分布
を容易に調整しつつ製造することを可能とする方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】電子写真用のトナーでは、従来、高分子
量重合体成分及び低分子量重合体成分を含むトナー用樹
脂がバインダー樹脂として用いられている。この種のバ
インダー樹脂を用いて構成されたトナーは、耐オフセッ
ト性(定着用の熱ローラーにトナーが付着し、付着した
トナーにより用紙を汚し難い性質)、定着性(トナーの
用紙に対する付着性)、耐ブロッキング性(トナー粒子
が凝集し難いこと)等の諸性能において良好であり、特
に、広い定着温度範囲にわたり耐オフセット性に優れて
いるという利点を有する。
【0003】上記のような諸性能を十分に発揮させるに
は、トナー用樹脂中の高分子量重合体成分と、低分子量
重合体成分とが、互いに相溶し、混然一体化されている
ことが必要である。従って、例えば、特開昭56−15
8340号公報、特開昭58−202455号公報など
に記載されているように、上記トナー用樹脂は、下記の
〜の方法などにより製造されている。
【0004】すなわち、高分子量重合体成分及び低分
子量重合体成分を有機溶剤に混合し溶解した後、有機溶
剤を除去する方法、高分子量重合体成分を有機溶剤に
溶解し、しかる後、高分子量重合体成分の有機溶剤溶液
に低分子量重合体成分を構成するための単量体を溶解
し、該単量体を重合させる方法、単量体の一部を重合
して高分子量重合体成分を生成させ、生成された高分子
量重合体成分を有機溶剤に溶解し、該高分子量重合体成
分の有機溶剤溶液に低分子量重合体成分を構成するため
の単量体を溶解し、該単量体を重合させる方法などが用
いられていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高分子
量重合体成分及び低分子量重合体成分を含むあるトナー
用樹脂を、上記、及びの各製造方法により製造し
た場合、同一物性のトナー用樹脂を製造することができ
なかった。そのため、各製造方法により得られたトナー
用樹脂を用いてトナーを作製して溶解したとしても、ト
ナー用樹脂と同様に、同一性能を有するトナーを得るこ
とができなかった。言い換えれば、製造方法を変更した
場合、同一の性能を発揮し得るトナーを作製することが
できなかった。
【0006】従って、製造方法を変更した場合であって
も同一の性能のトナーを得るために、高分子量重合体成
分と低分子量重合体成分の割合を変更する方法、高分子
量重合体成分として、分子量の違うグレードのものを使
用する方法などが一般的に採用されている。しかしなが
ら、これらの方法を採用した場合には、重合体や単量体
の仕込み率の変更に伴うミスが発生したり、グレードの
高い原料を用いることによりコストが増大したりすると
いう欠点があった。
【0007】本発明の目的は、上述した欠点を解消し、
低分子量重合体成分及び高分子量重合体成分を含むトナ
ー用樹脂の製造にあたり、製造方法を変更した場合であ
っても、等しい物性を有するトナー用樹脂を安定に得る
ことを可能とするトナー用樹脂の製造方法を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成するためになされたものであり、高分子量重合体成分
と、低分子量重合体成分とが有機溶剤に溶解・混合され
てなる樹脂溶液を、加熱、減圧することにより、有機溶
剤を溜出させてトナー用樹脂を製造する方法であって、
樹脂溶液中に、少なくとも重合開始剤をトナー用樹脂に
対して0.01〜1.0重量%の範囲で添加しておくこ
とを特徴とするトナー用樹脂の製造方法である。
【0009】本発明に用いられる高分子量重合体成分及
び低分子量重合体成分としては、これらの重合体成分の
有するトナー性能を十分に発揮させるために、互いに相
溶する各種の重合体が用いられる。
【0010】例えば、スチレン系単量体の重合体、(メ
タ)アクリル酸エステル系単量体の重合体、スチレン系
単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体との共重
合体等が好適に用いられる。
【0011】この場合、(共)重合体の構成単位となる
スチレン系単量体としては、スチレン、o−メチルスチ
レン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−
メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチ
ルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−t−ブチル
スチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチ
ルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシル
スチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシス
チレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、
3,4−ジクロロスチレン等が挙げられる。
【0012】また、(共)重合体の構成単位となる(メ
タ)アクリル酸エステル系単量体としては、(メタ)ア
クリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)
アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、
(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n
−オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)ア
クリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウ
リル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリ
ル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチ
ルアミノエチル、α−クロロアクリル酸メチル等が挙げ
られる。
【0013】上記のスチレン系単量体の重合体、(メ
タ)アクリル酸エステル系単量体の重合体、スチレン系
単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体との共重
合体は、溶液重合や懸濁重合などの従来公知の重合方法
により得ることができるが、特に、容易であるので溶液
重合法が好ましい。
【0014】上記のようにして得られる(共)重合体と
しては、スチレン系単量体成分の含有率が50〜95重
量%、(メタ)アクリル酸エステル系単量体成分の含有
率が5〜50重量%の共重合体を使用することが好まし
い。
【0015】スチレン系単量体成分の含有率が50重量
%よりも少なくなると、トナーの粉砕性が悪化し、95
重量%よりも多くなると、トナーの定着性が悪化する。
(メタ)アクリル酸エステル系単量体成分の含有率が5
重量%よりも少なくなると、トナーの定着性が悪化し、
50重量%よりも多くなると、トナーの粉砕性が悪化す
る。
【0016】また、(共)重合体において、高分子量重
合体成分の重量平均分子量Mwは、20万〜200万、
低分子量重合体成分の重量平均分子量は、0.5万〜1
0万が好ましい。
【0017】上記の高分子量重合体成分と低分子量重合
体成分とを溶解する有機溶剤としては、ヘキサン、ヘプ
タン、オクタン等の脂肪族系溶剤;トルエン、キシレ
ン、エチルベンゼン等の芳香族系溶剤;トリクロルエチ
レン、ジクロルブタン、塩化プロピレン等のハロゲン化
炭化水素系溶剤;ニトロプロパン、ニトロブタン等のニ
トロ化炭化水素系溶剤;イソプロピルアルコール、n−
ブチルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコー
ル系溶剤;エチルブチルエーテル、ブチルエーテル、メ
チルセロソルブ等のエーテル系溶剤;メチルエチルケト
ン、メチルプロピルケトン、ジエチルケトン等のケトン
系溶剤;蟻酸ブチル、酢酸ブチル、酢酸プロピルのエス
テル系溶剤が挙げられる。
【0018】本発明の具体的工程 本発明においては、まず、高分子量重合体成分と低分子
量重合体成分とを有機溶剤に溶解してなる樹脂溶液を調
製する。この調製に際しては、通常、攪拌機付反応容器
内において、高分子量重合体成分と低分子量重合体成分
とを有機溶剤に溶解する。この場合、樹脂溶液の調製方
法としては、前述した〜の製造方法を採用すること
ができる。以下、〜の樹脂溶液の調製方法に採用し
た場合を例にとり、より具体的に説明する。
【0019】高分子量重合体成分と低分子量重合体成
分とを反応容器内において有機溶剤に混合し、溶解する
方法に用いる場合には、まず、反応容器内に有機溶剤を
計量し、該有機溶剤中に過酸化物系重合開始剤を添加す
る。この過酸化物系重合開始剤の添加割合は、高分子量
重合体成分の重量平均分子量及びピークの分子量が下記
の製造方法,で製造されたトナー用樹脂と同程度と
なるように選択される。次に、上記重合開始剤を添加し
た後に、高分子量重合体成分を投入し、加熱溶解するこ
とにより、高分子量重合体成分の分子量を40%以下の
範囲で低下させる。しかる後、低分子量重合体成分を投
入し、均一に混合し、樹脂溶液を得る。
【0020】この方法では、上記重合開始剤の添加量は
上記の観点から選ばれるが、重合開始剤の添加量が少な
すぎると高分子量重合体成分の分子量を低下させること
が困難となり、多すぎる場合には高分子量重合体成分の
分子量が低下し過ぎるため、重合開始剤の添加量は、ト
ナー用樹脂全体の0.01〜1.0重量%の範囲内とさ
れ、さらに、高分子量重合体成分の0.1〜2重量%と
されることが好ましい。
【0021】また、高分子量重合体成分を反応容器内
で有機溶剤で溶解し、これに低分子量重合体成分を構成
するための単量体を溶解し、該単量体を反応容器内にお
いて集合させる方法に本発明を採用する場合には、ま
ず、反応容器内に有機溶剤を計量し、次に高分子量重合
体成分を投入する。しかる後、有機溶剤の沸点まで加熱
し、高分子量重合体成分を溶解しておく。さらに、別の
容器に低分子量重合体成分を構成するための単量体と、
過酸化物系重合開始剤を計量し、溶解しておき、該低分
子量重合体成分を構成するための単量体及び重合開始剤
が溶解された溶液を、上記高分子量重合体成分含有有機
溶剤溶液に投入し、低分子量重合体成分を重合させる。
【0022】この方法においても、上記過酸化物系重合
開始剤の添加量が少なすぎると、高分子量重合体成分の
分子量があまり低下せず、多すぎると高分子量重合体成
分の分子量が低くなりすぎるため、重合開始剤の添加量
は、トナー用樹脂全体の0.01〜1.0重量%とさ
れ、さらに、高分子量重合体成分の0.1〜2重量%と
されることが望ましい。
【0023】また、単量体の一部を重合して高分子量
重合体成分を生成させ、生成した高分子量重合体成分を
有機溶剤に溶解し、これに低分子量重合体成分を構成す
るための単量体を追加し、該単量体を反応容器内で重合
させる方法に本発明を採用する場合には、まず、反応容
器内に高分子量重合体成分を与える単量体と重合開始剤
とを計量する。しかる後、系を加熱し、高分子量重合体
成分を重合する。さらに、有機溶剤を投入し、有機溶剤
の沸点まで加熱し、高分子量重合体成分を溶解する。他
方、別の容器に、低分子量重合体成分を構成するための
単量体と、過酸化物系重合開始剤とを計量し、溶解して
おいたものを、上記高分子量重合体成分の有機溶剤溶液
に投入し、低分子量重合体成分を重合させる。
【0024】の方法に採用した場合においても、過酸
化物系重合開始剤の添加量が少なすぎると高分子量重合
体成分の分子量を低める効果が十分でなく、多すぎると
高分子量重合体成分の分子量の低くなりすぎるため、重
合開始剤の全添加量は、トナー用樹脂全体の0.01〜
1.0重量%とされ、さらに、高分子重合体成分の0.
1〜2重量%の範囲内とされることが好ましい。
【0025】いずれにしても、〜の製造方法のいず
れにおいても、過酸化物系重合開始剤の添加量は、得ら
れるトナー用樹脂の分子量分布が、他の方法で製造され
たトナー用樹脂における分子量分布と同等となるよう
に、上記過酸化物系重合開始剤の添加量が決定される。
言い換えれば、過酸化物系重合開始剤の添加量を調整す
ることにより、いずれの製造方法を採用したとしても、
同一組成の重合体成分を含むトナー用樹脂を得ることが
できる。
【0026】本発明では、上記のように、の方法を採
用した場合には、予め有機溶剤中に過酸化物系重合開始
剤が添加されることになり、の方法を採用した場合に
は、低分子量重合体成分を構成するための単量体中に過
酸化物系重合開始剤が溶解され、の方法を採用した場
合においても、の方法の場合と同様に単量体中に過酸
化物系重合開始剤が予め計量溶解される。従って、これ
らのいずれの方法を用いた場合においても、過酸化物系
重合開始剤が、最終的には加熱されて分解し、ラジカル
を発生する。発生したラジカルは、低分子量重合体成分
を構成するための単量体の重合に作用したりするだけで
なく、高分子量重合体成分の水素引き抜きにより高分子
量重合体成分を分解する。従って、高分子量重合体成分
の重量平均分子量及びピーク分子量が低下する。
【0027】よって、上記〜のいずれの樹脂溶液の
調製方法を採用した場合であっても、上記過酸化物系重
合開始剤の添加量を調整することにより、同一組成の重
合体成分を有し、従って同一物性を有するトナー用樹脂
を容易に得ることができる。よって、製造方法を変更し
た場合であっても、トナー用樹脂を構成する重合体成分
の比率を変えることなく、同一成分のトナー用樹脂、ひ
いては同一の性能を発揮し得るトナーを容易に得ること
が可能となる。
【0028】本発明のトナー用樹脂の製造方法は、上記
のように樹脂溶液の調製工程に特徴を有するものである
が、上記樹脂溶液を調製した後には、反応容器内の樹脂
溶液を加熱し、減圧することにより有機溶剤を留出させ
る。有機溶剤を留出させることにより、トナー用樹脂を
得ることができる。
【0029】このようにして得られたトナー用樹脂を用
いてトナーを製造する方法については、従来より公知の
トナーの製造方法を適宜採用することができる。例え
ば、トナー用樹脂にカーボンブラックなどの着色剤や、
必要に応じて種々の添加剤をリボンブレンダー、ヘンセ
ルミキサー等を用いて混合し、さらにロールミル、ニー
ダー、押出機等を用いて混練した後、冷却し、微粉砕す
る方法などを主として採用することができる。このよう
にして、電子写真複写機用のトナーを容易に得ることが
できる。
【0030】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例及び比較例
を説明する。 (樹脂の製造)なお、以下の実施例1〜3は前述した
の方法に適用した例であり、実施例4はの方法、実施
例5はの方法に適用した例である。
【0031】実施例1 5リットルのセパラブルフラスコに1000gのトルエ
ンを投入し、さらに重合開始剤としてt−ブチルパーオ
キシ2−エチルヘキサノエート1gを添加した。次に、
重量平均分子量60万、ピーク分子量45万の高分子量
重合体成分(スチレン75重量%、アクリル酸n−ブチ
ル20重量%及びメタクリル酸メチル5重量%からなる
共重合体)500gを投入した後、系を加熱し、トルエ
ンの沸点下で高分子量重合体成分を溶解した。
【0032】次に、高分子量重合体成分が溶解した溶液
に、重量平均分子量15000、ピーク分子量8000
の低分子量重合体成分(スチレン80重量%、アクリル
酸n−ブチル15重量%、及びメタクリル酸メチル5重
量%からなる共重合体)1200gを投入し、混合し
た。しかる後、系を180℃まで徐々に昇温しつつ、減
圧下でトルエンを溜出し、トナー用樹脂を得た。
【0033】得られたトナー用樹脂の物性を測定した。
結果を下記の表1に示す。なお、重量平均分子量及びピ
ーク分子量は、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC
法)により測定した。また、フロー軟化温度は、フロー
テスター(島津製作所製、CFT−500型)を用いて
測定した値である。
【0034】実施例2 重合開始剤として、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘ
キサノエート3gを添加したことを除いては、実施例1
と同様にしてトナー用樹脂を得た。また、実施例1と同
様にして得られたトナー用樹脂の物性を測定した。結果
を下記の表1に示す。
【0035】実施例3 重合開始剤として、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘ
キサノエート5gを添加したことを除いては、実施例1
と同様にしてトナー用樹脂を得た。また、実施例1と同
様にして得られたトナー用樹脂の物性を測定した。結果
を下記の表1に示す。
【0036】上記実施例1〜3の物性の測定結果に基づ
き、重合開始剤添加量と、ピーク分子量との関係をグラ
フに表した。結果を図1に示す。図1から明らかなよう
に、重合開始剤の添加量が増加するに従って、ピーク分
子量が減少することがわかる。
【0037】実施例4 前述したの製造方法に従って、実施例2と同一の物性
を示すトナー用樹脂の作製を試みた。すなわち、5リッ
トルのセパラブルフラスコに1000gのトルエンを投
入し、そこに重量平均分子量60万、ピーク分子量45
万の高分子量重合体成分(スチレン75重量%、アクリ
ル酸n−ブチル20重量%、及びメタクリル酸メチル5
重量%からなる共重合体)500gを投入した後、系を
加熱し、トルエンの沸点下で高分子量重合体成分を溶解
した。そこへ、2リットルの三角フラスコでスチレン9
60g、アクリル酸n−ブチル180g、メタクリル酸
メチル60g及び重合開始剤としてt−ブチルパーオキ
シ2−エチルヘキサノエート88gを溶解した混合溶液
を、2.5時間かけて滴下しながら溶液重合を行った。
しかる後、系を180℃まで徐々に昇温しつつ減圧下で
トルエンを溜出し、トナー用樹脂を得た。このようにし
て得られたトナー用樹脂の物性を実施例1と同様にして
測定した。結果を下記の表1に示す。
【0038】比較例1 5リットルのセパラブルフラスコに、トルエン1000
gを投入し、さらに実施例1で用いたのと同一の高分子
量重合体成分500gと、重量平均分子量15000、
ピーク分子量8000の低分子量重合体成分(スチレン
80重量%、アクリル酸n−ブチル15重量%及びメタ
クリル酸メチル5重量%からなる共重合体)1200g
を投入した後加熱し、トルエン沸点下において2時間混
合した。しかる後、系を180℃まで徐々に昇温しつ
つ、減圧下においてトルエンを留去し、トナー用樹脂を
得た。
【0039】得られたトナー用樹脂の物性を測定したこ
とろ、下記の表1に示す結果が得られた。
【0040】
【表1】
【0041】表1から明らかなように、実施例2で得た
トナー用樹脂と、実施例4で得たトナー用樹脂は、ほぼ
同様の物性を示すことがわかる。すなわち、本発明のト
ナー用樹脂の製造方法に従えば、前述した〜の樹脂
溶液の調製方法のいずれを用いた場合でも、同一の物性
を発揮し得るトナー用樹脂を容易に得られることがわか
る。
【0042】また、比較例1の結果から明らかなよう
に、従来のトナー用樹脂の製造方法では、得られるトナ
ー用樹脂の物性がトナー用樹脂溶液の調製方法によって
変動することがわかる。
【0043】(トナーの製造)上述したように、実施例
2で得られたトナー用樹脂は、実施例4で得られたトナ
ー用樹脂と同程度の物性を示すことが確かめられた。従
って、実施例2で得られたトナー用樹脂100重量部
に、カーボンブラック(三菱化学社製、商品名:ダイア
ブラッコSH)50重量部を混合し、160℃で5分間
ロール混練し、冷却した。しかる後、粗粉砕し、さらに
ジェットミルで平均粒径11μm微粉砕し、疎水性シリ
カ微粉末0.5重量部を混合し、トナーを得た。
【0044】上記のようにして得たトナー4重量部を、
平均粒径50〜80μmの鉄粉キャリア96重量部と混
合し、微粉末現像剤を作製した。上記微粉末現像剤を、
電子写真複写機(コニカ社製、商品名:U−Bix25
00)の改造機に装着し、定着温度範囲を測定した。定
着温度範囲は、オフセット現象を発生させることなく用
紙に良好に定着される設定温度範囲とした。その結果、
定着温度範囲は150〜220℃であり、広い温度範囲
にわたり、良好な定着性を示すことが確かめられた。同
様に、実施例4で得られたトナー用樹脂を用いて同様に
トナーを作製したところ、やはり定着温度範囲は150
〜220℃であった。
【0045】これに対して、比較例1で得られたトナー
用樹脂を用いて、上記と同様にしてトナーを作製した。
その結果、比較例1で得られたトナー用樹脂では、定着
温度範囲が170〜230℃であり、定着上限温度は高
いものの、定着下限温度が高く、定着性が悪くなってい
ることがわかった。従って、比較例1では、得られたト
ナー用樹脂を用いてトナーを作製しても、同様の性能を
発揮し得るトナーを得られないことがわかる。
【0046】
【発明の効果】以上のように、本発明では、重合開始剤
がトナー用樹脂全体に対し0.01〜1.0重量%の範
囲で添加されるため、高分子量重合体成分の重量平均分
子量及びピーク分子量が該重合開始剤が分解することに
より発生したラジカルの作用により低下される。従っ
て、前述した〜のいずれの樹脂溶液の調製方法を用
いた場合でも、同一の物性を発揮し得るトナー用樹脂を
安定に得ることができる。
【0047】よって、樹脂溶液の調製方法を変更した場
合であっても、分子量分布を任意に調整し得るので、原
料としての重合体成分や単量体の仕込み比率を調製方法
の変更に伴って変更する必要がない。また、トナー用樹
脂を構成するための各原料として、それぞれ、一種類の
原料で対応することも可能となり、従って多くの原料を
用意する必要もなくなる。よって、トナー用樹脂、ひい
てはトナーの製造コストを効果的に低減することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜3から得られた重合開始剤添加量と
ピーク分子量との関係を示す図。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子量重合体成分と、低分子量重合体
    成分とが有機溶剤に溶解・混合されてなる樹脂溶液を、
    加熱、減圧することにより、有機溶剤を溜出させてトナ
    ー用樹脂を製造する方法であって、 前記樹脂溶液中に、重合開始剤をトナー用樹脂に対して
    0.01〜1.0重量%の範囲で添加しておくことを特
    徴とするトナー用樹脂の製造方法。
JP7202244A 1995-08-08 1995-08-08 トナー用樹脂の製造方法 Pending JPH0950148A (ja)

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