JPH06190488A - 鍛造プレス装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型、軽量で、品質の良好な製品が得られ、
かつ比較的浅い基礎ピットにより、金型の交換や、鍛造
作業がしやすい鍛造プレス装置を提供する。 【構成】 基礎１に固定され、上面に下金型２０を、下
面に偏心軸１１の回転により上下動するピットマン１２
を有するベッド２と、ベッドを上下方向に貫通し摺動可
能に案内された互いに平行な複数のコラム４と、コラム
の下端に固定され、上端が球面軸受１４を介してピット
マンに連結されたボトムフレーム６と、コラムの上端に
固定されたトップフレーム８と、ベッドとトップフレー
ムとの間に設けられ、複数のコラムに沿って摺動自在に
案内され、かつ下面に下金型に対向させた上金型２２を
有するセンターフレーム１０とを備え、トップフレーム
は、センターフレームを上下動させる液圧シリンダ装置
２４を更に備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、鍛造プレス装置に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の鍛造プレス装置の一例は、図２に
示す如く、Ｃ型フレームａの上部にシリンダｂを下向き
に取り付け、該シリンダｂのピストンｃにほぼ水平に配
したレバーｄの中間部をピンｅにより枢着し、該レバー
ｄの一端に、ピンｆを介してリンクｇの上端を枢着し、
該リンクｇの下端に、Ｃ型フレームａに対して上下方向
に摺動できるようにしたスライド部材ｈをピンｉを介し
て連結し、該スライド部材ｈの下端には、Ｃ型フレーム
ａに取り付けた下金型ｋと協働して材料を鍛造する上金
型ｊが取り付けてある。更に、上記レバーｄの他端に
は、コネクティングロッドｌの先端をピンｍにより連結
すると共に、該コネクティングロッドｌの基端を、Ｃ型
フレームａに支持させたクランク軸ｎのクランク部に上
下動可能に嵌合し、又、上記クランク軸ｎにはギヤｏを
固着し、該ギヤｏには、駆動装置により駆動されるよう
にしたピニオンｐを噛合させた構成としてある。従っ
て、ピニオンｐの回転によりギヤｏを回転させると、ク
ランク軸ｎが回転してコネクティングロッドｌが上下動
させられるため、レバーｄがピンｅを中心として上下に
揺動させられ、このレバーｄの揺動によりリンクｇ及び
スライド部材ｈを介して上金型ｊが昇降させられるの
で、上下金型ｊ、ｋにより材料の鍛造が行われる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
鍛造プレス装置の場合には、Ｃ型フレーム構造であるた
め、プレス時の反力によりＣ型フレームａが開き、した
がって、上下金型ｊ、ｋが斜めになって鍛造された製品
も斜めになり、寸法精度や形状のよい良好な品質の製品
を得ることができず、又、荷重が大きくなるとＣ型フレ
ームａも大型化して高価になり、更にＣ型フレームａの
大型化に伴い、大きなスペースが必要で作業もやりにく
く、補助装置も取り付けにくい、等の問題点があった。
そこで、上記問題点を解決し、小型、軽量で、しかも品
質の良好な製品が得られるような鍛造プレス装置が従来
から要望されていた。

【０００４】かかる要望を満たすために、本願発明の発
明者等は、特願昭６３−１３１５３９号（特開平１−３
０６０３５号）において、基礎に固定したベッドに、コ
ラム、ボトムフレーム、トップフレームからなる可動フ
レームを上下方向に移動自在にガイドさせ、且つ上記ベ
ッドと可動フレームの間に、ベッドに対して可動フレー
ムを昇降させるためのリフティングシリンダを介装する
と共に、ベッドの中央部とボトムフレームとの間に偏心
軸機構と、圧下シリンダを配置し、該圧下シリンダ内摺
動体を、上記ボトムフレームに設けた球面座に当接さ
せ、更に、上記トップフレームの下面とベッドの上面
に、それぞれ鍛造工具を対向させて設けたことを特徴と
する鍛造プレス装置を提案した。かかる鍛造プレス装置
は小型、軽量で、かつ品質の良好な製品は得られるが、
反面、下金型（鍛造工具）を取り付けるベッドの位置が
装置の上部にあり、従って、金型の交換や、鍛造作業が
しにくい問題点があった。また、かかる問題点を回避す
るため、装置を基礎ピット内に設置する場合に、基礎ピ
ットの深さが深くなりすぎ、基礎ピットの設置に費用が
かかり、かつメンテナンスが困難である問題点があっ
た。

【０００５】本発明はかかる問題点を解決するために創
案されたものである。従って、本発明の目的は、小型、
軽量で、しかも品質の良好な製品が得られ、かつ比較的
浅い基礎ピットにより、金型の交換や、鍛造作業がしや
すい鍛造プレス装置を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、基礎に
固定され、上面に下金型を、下面に偏心軸の回転により
上下動するピットマンを有するベッドと、前記ベッドを
上下方向に貫通し上下方向に摺動可能に案内された互い
に平行な複数のコラムと、前記複数のコラムの下端に固
定され、上端が球面軸受を介して前記ピットマンに連結
されたボトムフレームと、前記複数のコラムの上端に固
定されたトップフレームと、前記ベッドとトップフレー
ムとの間に設けられ、前記複数のコラムに沿って摺動自
在に案内され、かつ下面に前記下金型に対向させた上金
型を有するセンターフレームとを備え、前記トップフレ
ームは、前記センターフレームを上下動させる液圧シリ
ンダ装置を更に備えることを特徴とする鍛造プレス装置
が提供される。本発明の好ましい実施例によれば、前記
液圧シリンダ装置は、トップフレームの中央部に下向き
に設けられた単動シリンダと、トップフレームの側部に
下向きに設けられた複動シリンダとからなり、前記複動
シリンダのロッド部は前記センターフレームに固定され
ている。また、別の実施例によれば、前記液圧シリンダ
装置は、トップフレームの中央部に下向きに設けられた
複動シリンダからなる、ことが好ましい。

【０００７】

【作用】上記、本発明の構成によれば、ベッドが基礎に
固定され、ベッドとボトムフレームとが偏心軸を有する
ピットマンを介して連結されているので、偏心軸の回転
によりボトムフレームが偏心量の２倍のストロークでサ
インカーブ状に上下動する。このボトムフレームに複数
のコラムの下端が固定され、その上端にはトップフレー
ムが固定されているので、トップフレームもボトムフレ
ームと同様に上下動し、更にトップフレームは液圧シリ
ンダ装置を介してセンターフレームに連結されているの
で、センターフレームも偏心軸の回転により偏心量の２
倍のストロークで上下動し、かつ液圧シリンダ装置によ
りトップフレームに対して相対的に上下動させることが
できる。従って、ベッドに対してセンターフレームは、
偏心軸の回転による偏心量の２倍のストロークの上下動
と、液圧シリンダ装置による上下動との両方を行うこと
ができる。ベッドの上面には下金型が設けられ、センタ
ーフレームの下面には上金型が下金型に対向させて設け
られているので、上下の金型により、鍛造を行うことが
できる。

【０００８】上記構成によれば、鍛造時の反力はセンタ
ーフレームとベッドを介してトップフレームとボトムフ
レームに伝達され、このトップフレームとボトムフレー
ムはコラムにより連結されて閉じたフレームを構成して
いるため、鍛造時の反力によりフレームの変形が少な
く、かつ構造がシンプルなため、鍛造プレス装置全体を
小型、軽量にすることができ、かつフレームの変形（特
に傾き）が少ないことから品質の良好な製品が得られ
る。更に、上記構成によれば、ベッドの下部にはボトム
フレームしかなく、従って下金型を取り付けるベッドの
位置が装置の下部にあり、金型の交換や、鍛造作業が容
易である。また、装置を基礎ピット内に設置する場合に
も、基礎ピットの深さが浅く、基礎ピットの設置費用が
低く、メンテナンスが容易である。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の好ましい実施例を図面を参照
して説明する。図１は、本発明による鍛造プレス装置の
全体構成図である。この図において、本発明による鍛造
プレス装置は、基礎１に固定されたベッド２と、ベッド
２を上下方向に貫通した互いに平行な複数のコラム４
と、この複数のコラム４の下端に固定されたボトムフレ
ーム６と、複数のコラム４の上端に固定されたトップフ
レーム８と、ベッド２とトップフレーム８との間に設け
られたセンターフレーム１０とを備える。ベッド２の下
面には偏心軸１１の回転により上下動するピットマン１
２を有し、このピットマン１２は、球面軸受１４を介し
てボトムフレーム６の上面の中央部分に連結されてい
る。この構成により偏心軸１１の回転により偏心量の２
倍の上下動をボトムフレーム６に伝えることができる。
複数のコラム４は、ベッド２に設けられたガイドブッシ
ュ１６により上下方向に自由に摺動できるようにに案内
され、かつセンターフレーム１０は、センターフレーム
に設けられたガイドブッシュ１８により複数のコラム４
に沿って摺動自在に案内されている。また、ベッド２の
上面には鍛造用の下金型２０が固定され、センターフレ
ーム１８の下面には下金型２０に対向させた位置に上金
型２２が固定されている。かかる構成により、偏心軸１
１の回転によりボトムフレーム６が偏心量の２倍のスト
ロークでサインカーブ状に上下動し、このボトムフレー
ム６に複数のコラム４の下端が固定され、その上端には
トップフレーム８が固定されているので、トップフレー
ム８もボトムフレーム６と同様に上下動する。

【００１０】トップフレーム８には更に、センターフレ
ーム１０を上下動させる液圧シリンダ装置２４が設けら
れている。図示の例では、この液圧シリンダ装置２４
は、トップフレーム８の中央部に下向きに設けられた単
動シリンダ２５と、トップフレーム８の側部に下向きに
設けられた複動シリンダ２６とからなる。複動シリンダ
２６のロッド部２６ａはセンターフレーム１０の側部に
固定されている。なお、液圧シリンダ装置は、トップフ
レームの中央部に下向きに設けられた複動シリンダであ
ってもよい。また、ベッド２とトップフレーム８との間
には、図示しない液圧配管が設けられ、ベッド２又は装
置外部に設けられた液圧装置から適当な圧力の液圧（油
圧）が供給されるようになっているのがよい。この液圧
配管は、密封されたテレスコピック（入れ子）式である
のがよい。かかる構成により、トップフレーム８は液圧
シリンダ装置２５を介してセンターフレーム１０に連結
されるので、センターフレーム１０も偏心軸１１の回転
により偏心量の２倍のストロークで上下動し、かつこの
センターフレーム１０は液圧シリンダ装置２４によりト
ップフレーム８に対して相対的にも上下動することがで
きる。

【００１１】従って、ベッド２に対してセンターフレー
ム１０は、偏心軸１１の回転による偏心量の２倍のスト
ロークの上下動と、液圧シリンダ装置２４による上下動
との両方を行うことができる。ベッド２の上面には下金
型２０が、センターフレーム１０の下面には上金型２２
が下金型２０に対向させて設けられているので、この上
下の金型により、自由に鍛造を行うことができる。２７
はカウンタバランスシリンダで下部を基礎に固定されて
おり、２８はカウンタバランスシリンダに組込まれたラ
ムで、ボトムフレームにその先端を固定されている。カ
ウンタバランスシリンダは、アキュムレータに配管で接
続されており、ラム２８は常にボトムフレームを上方へ
押上げている。この押上げる力はボトムフレームを含む
可動部の重量よりも少し大きな力に設定されている。こ
のようなカウンタバランスシリンダを設けることによ
り、偏心軸１１、ピットマン１２、球面軸受１４、及び
ボトムフレーム６は上方への力を受け、常にそれらの当
り面はプレスとしての初圧を受ける側となり、当り面が
変わるための衝撃力や騒音を抑えることができる。ま
た、ピットマン抑え２９に作用する力がなくなり、ピッ
トマン抑え２９は単にプレスが停止しているときに、ピ
ットマンと球面軸受け１４が離れるのを防ぐだけでよく
なり、簡単なものとなる。また、部品１４はここでは球
面軸受けと説明しているが、円形断面を持つシリンドリ
カルな摺動面をもつものでもよい。また、本実施例では
ボトムフレーム、コラム、トップフレームは別々の部品
で、それらを組合せて１本の可動フレームを構成してい
るが、鋳鋼一体フレームのようにこれらが一体で構成さ
れたものでもよい。

【００１２】

【発明の効果】上記構成によれば、鍛造時の反力はセン
ターフレーム１０とベッド２を介してトップフレーム８
とボトムフレーム６に伝達され、このトップフレーム８
とボトムフレーム６はコラム４により連結されて閉じた
フレームを構成しているため、鍛造時の反力によるフレ
ームの変形は少なく、かつ構造がシンプルなため、鍛造
プレス装置全体を小型、軽量にすることができ、かつフ
レームの変形（特に傾き）が少ないことから品質の良好
な製品が得られる。更に、上記構成によれば、ベッド２
の下部にはボトムフレーム６しかなく、従って下金型２
０を取り付けるベッド２の位置が装置の下部にあり、金
型の交換や、鍛造作業が容易である。また、装置を基礎
ピット内に設置する場合にも、基礎ピットの深さが浅
く、基礎ピットの設置費用が低く、かつメンテナンスが
容易である。

【００１３】従って、本発明によれば、小型、軽量で、
しかも品質の良好な製品が得られ、かつ比較的浅い基礎
ピットにより、金型の交換や、鍛造作業がしやすい鍛造
プレス装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による鍛造プレス装置の全体構成図であ
る。

【図２】従来の鍛造プレス装置の全体構成図である。

【符号の説明】

１ 基礎 ２ ベッド ４ コラム ６ ボトムフレーム ８ トップフレーム １０ センターフレーム １１ 偏心軸 １２ ピットマン １４ 球面軸受 １６ ガイドブッシュ １８ ガイドブッシュ ２０ 下金型 ２２ 上金型 ２４ 液圧シリンダ装置 ２５ 単動シリンダ ２６ 複動シリンダ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 基礎に固定され、上面に下金型を、下面
   に偏心軸の回転により上下動するピットマンを有するベ
   ッドと、 前記ベッドを上下方向に貫通し上下方向に摺動可能に案
   内された互いに平行な複数のコラムと、 前記複数のコラムの下端に固定され、上端が球面軸受を
   介して前記ピットマンに連結されたボトムフレームと、 前記複数のコラムの上端に固定されたトップフレーム
   と、 前記ベッドとトップフレームとの間に設けられ、前記複
   数のコラムに沿って摺動自在に案内され、かつ下面に前
   記下金型に対向させた上金型を有するセンターフレーム
   とを備え、 前記トップフレームは、前記センターフレームを上下動
   させる液圧シリンダ装置を更に備えることを特徴とする
   鍛造プレス装置。
2. 【請求項２】 前記液圧シリンダ装置は、トップフレー
   ムの中央部に下向きに設けられた単動シリンダと、トッ
   プフレームの側部に下向きに設けられた複動シリンダと
   からなり、前記複動シリンダのロッド部は前記センター
   フレームに固定されている、ことを特徴とする請求項１
   に記載の鍛造プレス装置。
3. 【請求項３】 前記液圧シリンダ装置は、トップフレー
   ムの中央部に下向きに設けられた複動シリンダからな
   る、ことを特徴とする請求項１に記載の鍛造プレス装
   置。