JPH06189717A - 魚臭のマスキング方法 - Google Patents
魚臭のマスキング方法Info
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- JPH06189717A JPH06189717A JP4359113A JP35911392A JPH06189717A JP H06189717 A JPH06189717 A JP H06189717A JP 4359113 A JP4359113 A JP 4359113A JP 35911392 A JP35911392 A JP 35911392A JP H06189717 A JPH06189717 A JP H06189717A
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- JP
- Japan
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- pufa
- ginger
- lipids
- odor
- flavor
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- General Preparation And Processing Of Foods (AREA)
- Meat, Egg Or Seafood Products (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】EPA、DHA等のω−3系高度不飽和脂肪酸
(PUFA)を含む脂質特有の臭気を効果的にマスキン
グする方法を開発することにより、本系油脂の食品、医
薬品への用途の拡大を図り、延いては健康の維持及び増
進に寄与すること。 【構成】構成脂肪酸としてPUFAを含有する脂質の持
つ魚臭を脂溶性ジンジャーフレーバーによりマスクす
る。脂質としては、高度不飽和脂肪酸の低級アルコール
エステル、グリセロ脂質が包含される。ジンジャーフレ
ーバーの添加量は、PUFAを含む脂質に対し、重量比
で0.01〜0.50 %,好ましくは0.03〜0.20%である。 【効果】構成脂肪酸中に5%以上ものPUFAを含む脂
質の魚臭が顕著に改善され、特にゼラチンカプセル化し
たものは3月以上経過しても異臭を生じない。
(PUFA)を含む脂質特有の臭気を効果的にマスキン
グする方法を開発することにより、本系油脂の食品、医
薬品への用途の拡大を図り、延いては健康の維持及び増
進に寄与すること。 【構成】構成脂肪酸としてPUFAを含有する脂質の持
つ魚臭を脂溶性ジンジャーフレーバーによりマスクす
る。脂質としては、高度不飽和脂肪酸の低級アルコール
エステル、グリセロ脂質が包含される。ジンジャーフレ
ーバーの添加量は、PUFAを含む脂質に対し、重量比
で0.01〜0.50 %,好ましくは0.03〜0.20%である。 【効果】構成脂肪酸中に5%以上ものPUFAを含む脂
質の魚臭が顕著に改善され、特にゼラチンカプセル化し
たものは3月以上経過しても異臭を生じない。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エイコサペンタエン
酸、ドコサヘキサエン酸等の高度不飽和脂肪酸を含む経
口製品固有の魚臭をマスキングすることにより、該高度
不飽和脂肪酸の食品及び医薬的用途を拡大するための方
法に関する。
酸、ドコサヘキサエン酸等の高度不飽和脂肪酸を含む経
口製品固有の魚臭をマスキングすることにより、該高度
不飽和脂肪酸の食品及び医薬的用途を拡大するための方
法に関する。
【0002】
(1) 背景 エイコサペンタエン酸(以後“EPA”と略記)、ドコ
サヘキサエン酸(以後“DHA”と略記)等のω−3系
高度不飽和脂肪酸(以後“ω−3系PUFA”と略記)
は、血栓溶解作用を中心とする生理活性が注目され、機
能性食品、健康食品の素材や医薬品原料としての利用に
関心が持たれている。
サヘキサエン酸(以後“DHA”と略記)等のω−3系
高度不飽和脂肪酸(以後“ω−3系PUFA”と略記)
は、血栓溶解作用を中心とする生理活性が注目され、機
能性食品、健康食品の素材や医薬品原料としての利用に
関心が持たれている。
【0003】これらのω−3系PUFAは、イワシ油、
サバ油などの水産油脂中に多く含まれているが、微生物
による生産(鈴木修,油化学,41, 779-786(1992) ;清
水昌・山田秀明, 醸協, 87, 36-43(1992) ; 矢沢一良,
微生物,5, 66-75(1989) )も検討されており、その製
造原料として用いられている。しかしこれらω−3系P
UFAは、精製後でも原料由来の魚臭、醗酵臭を残して
おり、高度に脱臭した場合でも保存中の酸化の進行に伴
う異臭や戻り臭(オフフレーバー)の発現等による品質
低下を避け難く、しかもこの異臭の発現は、ω−3系P
UFAを実質的多量(その構成脂肪酸中5%以上)含む
魚類や藻類等の水産物、微生物等においても同様に起こ
るので、本油脂又はその含有物をそのまま食品及び医薬
品として利用するに際し、困難な問題となることが多
い。
サバ油などの水産油脂中に多く含まれているが、微生物
による生産(鈴木修,油化学,41, 779-786(1992) ;清
水昌・山田秀明, 醸協, 87, 36-43(1992) ; 矢沢一良,
微生物,5, 66-75(1989) )も検討されており、その製
造原料として用いられている。しかしこれらω−3系P
UFAは、精製後でも原料由来の魚臭、醗酵臭を残して
おり、高度に脱臭した場合でも保存中の酸化の進行に伴
う異臭や戻り臭(オフフレーバー)の発現等による品質
低下を避け難く、しかもこの異臭の発現は、ω−3系P
UFAを実質的多量(その構成脂肪酸中5%以上)含む
魚類や藻類等の水産物、微生物等においても同様に起こ
るので、本油脂又はその含有物をそのまま食品及び医薬
品として利用するに際し、困難な問題となることが多
い。
【0004】かかる問題点解決のため、物理的脱臭(特
開平2-72844)、微生物利用による脱臭(特開昭53-13720
6,特開昭54-114507 ; 野村幸弘他, 日本農芸化学会誌 ,
61,1079-1085(1987) ; 杉山圭吉他, 日本農芸化学会誌
,64,1597-1602(1990) )、市販の消臭剤の利用(月刊
フードケミカル,1990-11, 96-104 )、マスキング法
(特開昭59-95860 ,特開平1-312982 ;太田静行, 油化
学,29, 29-48(1980) ;鴨田紀雄・安藤正之, 食品と科
学, 4-1989 ,97-101; P. A. Fair, NOAA TECHNICALMEM
ORANDUM NMFS SEFC-222(1989))等、幾多の方法が知ら
れている。特にマスキング法に関しては、伝統的な水産
物の調理法の中で多数の方法が知られており、魚の臭い
消しにジンジャー(ショウガ)を利用することも公知で
ある(太田静行, 油化学, 29, 29-48(1980) )。
開平2-72844)、微生物利用による脱臭(特開昭53-13720
6,特開昭54-114507 ; 野村幸弘他, 日本農芸化学会誌 ,
61,1079-1085(1987) ; 杉山圭吉他, 日本農芸化学会誌
,64,1597-1602(1990) )、市販の消臭剤の利用(月刊
フードケミカル,1990-11, 96-104 )、マスキング法
(特開昭59-95860 ,特開平1-312982 ;太田静行, 油化
学,29, 29-48(1980) ;鴨田紀雄・安藤正之, 食品と科
学, 4-1989 ,97-101; P. A. Fair, NOAA TECHNICALMEM
ORANDUM NMFS SEFC-222(1989))等、幾多の方法が知ら
れている。特にマスキング法に関しては、伝統的な水産
物の調理法の中で多数の方法が知られており、魚の臭い
消しにジンジャー(ショウガ)を利用することも公知で
ある(太田静行, 油化学, 29, 29-48(1980) )。
【0005】しかし従来の方法においては、ジンジャー
をそのままで、又はそのスライス品やミンチ状に加工し
たものが使用されているため、ω−3系PUFAを含む
油脂に対し添加する場合、乳化・分散性、保存性等に問
題点があった。また、ω−3系PUFAをその構成脂肪
酸中5%以上含む魚類や藻類等の水産物、微生物等にマ
スキングの目的で使用する場合においても、その使用
量、使用方法等に制約があり、これらの事情が本油脂を
機能性食品、健康食品、医薬品等の素材として利用する
のを制限した。
をそのままで、又はそのスライス品やミンチ状に加工し
たものが使用されているため、ω−3系PUFAを含む
油脂に対し添加する場合、乳化・分散性、保存性等に問
題点があった。また、ω−3系PUFAをその構成脂肪
酸中5%以上含む魚類や藻類等の水産物、微生物等にマ
スキングの目的で使用する場合においても、その使用
量、使用方法等に制約があり、これらの事情が本油脂を
機能性食品、健康食品、医薬品等の素材として利用する
のを制限した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上の実情に鑑み、本
発明は、EPA、DHA等のω−3系PUFAを含む脂
質特有の魚臭様臭気を効果的にマスキングする方法を開
発することにより、本系油脂の食品及び医薬品への用途
の拡大を図ることを目的とする。
発明は、EPA、DHA等のω−3系PUFAを含む脂
質特有の魚臭様臭気を効果的にマスキングする方法を開
発することにより、本系油脂の食品及び医薬品への用途
の拡大を図ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】 概念 上記ω−3系PUFAは、分子内に多数の不飽和結合を
含むため、化学構造的に、即ち、その化学構造を変化さ
せることなしに酸化を防止することは不可能である。水
素添加により二重結合を消滅又は減少させれば魚臭を消
失又は低減させうることは明らかであるが、それと共に
生理活性も失われてしまう。
含むため、化学構造的に、即ち、その化学構造を変化さ
せることなしに酸化を防止することは不可能である。水
素添加により二重結合を消滅又は減少させれば魚臭を消
失又は低減させうることは明らかであるが、それと共に
生理活性も失われてしまう。
【0008】そこで本発明者らはEPA、DHA等のω
−3系PUFAを含む脂質特有の魚臭を感覚的にマスキ
ングする方法を鋭意研究した結果、脂溶性ジンジャーフ
レーバーを用いることにより目的が達せられることを見
い出した。即ち、本系列脂質又はそれを含む食品及び医
薬品に脂溶性ジンジャーフレーバーを用いることにより
目的が達せられ、用途拡大に利用出来ることを見出し
た。
−3系PUFAを含む脂質特有の魚臭を感覚的にマスキ
ングする方法を鋭意研究した結果、脂溶性ジンジャーフ
レーバーを用いることにより目的が達せられることを見
い出した。即ち、本系列脂質又はそれを含む食品及び医
薬品に脂溶性ジンジャーフレーバーを用いることにより
目的が達せられ、用途拡大に利用出来ることを見出し
た。
【0009】 概要 以上の知見に基づき、本発明は、構成脂肪酸として高度
不飽和脂肪酸を含有する脂質を含む経口製品中に脂溶性
ジンジャーフレーバーを存在させることを特徴とする魚
臭のマスキング方法を要旨とする。以下にその詳細を述
べる。
不飽和脂肪酸を含有する脂質を含む経口製品中に脂溶性
ジンジャーフレーバーを存在させることを特徴とする魚
臭のマスキング方法を要旨とする。以下にその詳細を述
べる。
【0010】 定義 本発明において、“構成脂肪酸として高度不飽和脂肪酸
(PUFA) を含む経口製品”というのは、EPA、D
HA等のω−3系PUFAを構成脂肪酸中、好ましくは
5重量%以上の割合で含む脂質、又は該脂質を0.01重量
%以上の割合で含有する食品、医薬品等の経口的に摂取
される製品を意味する。脂質は普通グリセロ脂質、即
ち、トリグリセリド、ジグクセリド及びモノグリセリ
ド、殊にトリグリセリドであるが、レシチンのようなリ
ン脂質、セレブロシドのような糖脂質、スルホリピド及
び低級アルコールエステルを包含する。これらの脂質
は、所望によりビタミンE類、BHA、NDGA、レシ
チン、カテキン類、還元型キノン類、アスコルビン酸パ
ルミテート又は香辛料抽出物等の抗酸化物質を伴ってい
てもよい。
(PUFA) を含む経口製品”というのは、EPA、D
HA等のω−3系PUFAを構成脂肪酸中、好ましくは
5重量%以上の割合で含む脂質、又は該脂質を0.01重量
%以上の割合で含有する食品、医薬品等の経口的に摂取
される製品を意味する。脂質は普通グリセロ脂質、即
ち、トリグリセリド、ジグクセリド及びモノグリセリ
ド、殊にトリグリセリドであるが、レシチンのようなリ
ン脂質、セレブロシドのような糖脂質、スルホリピド及
び低級アルコールエステルを包含する。これらの脂質
は、所望によりビタミンE類、BHA、NDGA、レシ
チン、カテキン類、還元型キノン類、アスコルビン酸パ
ルミテート又は香辛料抽出物等の抗酸化物質を伴ってい
てもよい。
【0011】 ジンジャーフレーバー マスキングフレーバーとして用いる脂溶性ジンジャーフ
レーバーは、原料ジンジャーを植物精油の抽出に利用さ
れる種々の方法、例えば溶剤抽出法、水蒸気蒸留法、超
臨界炭酸ガス抽出法によって得ることが出来る。かくし
て得られたジンジャーフレーバー(ショウガ油)中に
は、過半量を占めるジンギベレン及びジンギベロール
(共に単環セスキテルペンの一種)の他、カンフェン、
β−フェランドレン、シネオール、ボルネオール、リナ
ロール、ゲラニオール、シトラール、ビサポレンなどの
テルペン類及びカプリンアルデヒド、ペラルゴンアルデ
ヒド等の中鎖脂肪族アルデヒドを含む。
レーバーは、原料ジンジャーを植物精油の抽出に利用さ
れる種々の方法、例えば溶剤抽出法、水蒸気蒸留法、超
臨界炭酸ガス抽出法によって得ることが出来る。かくし
て得られたジンジャーフレーバー(ショウガ油)中に
は、過半量を占めるジンギベレン及びジンギベロール
(共に単環セスキテルペンの一種)の他、カンフェン、
β−フェランドレン、シネオール、ボルネオール、リナ
ロール、ゲラニオール、シトラール、ビサポレンなどの
テルペン類及びカプリンアルデヒド、ペラルゴンアルデ
ヒド等の中鎖脂肪族アルデヒドを含む。
【0012】以上のフレーバー中には、必要に応じて他
種油脂類、アルコール類、界面活性剤、他種フレーバ
ー、保香剤など配合することができ、更に場合によって
は水性成分を加えて乳化させることも可能であるが、い
ずれにしても配合物が最終的に脂溶性であることが必要
である。
種油脂類、アルコール類、界面活性剤、他種フレーバ
ー、保香剤など配合することができ、更に場合によって
は水性成分を加えて乳化させることも可能であるが、い
ずれにしても配合物が最終的に脂溶性であることが必要
である。
【0013】 添加量 上記ジンジャーフレーバーは、使用目的によって他成分
と混合されていること及び原料ショウガ中の精油の量や
構成成分の量比が厳密には一定していないことの二つの
理由から、高度不飽和脂肪酸を含む経口製品に対するジ
ンジャーフレーバーの適当な添加量を一義的に予定する
のは困難である。しかしながら、ジンジャーフレーバー
(又はジンジャーオイル)の単一の場合は、該経口製品
に対して、0.01〜0.50%(重量比)、望ましくは0.03〜
0.20%(重量比)の添加が一般的に良い結果を与える。
と混合されていること及び原料ショウガ中の精油の量や
構成成分の量比が厳密には一定していないことの二つの
理由から、高度不飽和脂肪酸を含む経口製品に対するジ
ンジャーフレーバーの適当な添加量を一義的に予定する
のは困難である。しかしながら、ジンジャーフレーバー
(又はジンジャーオイル)の単一の場合は、該経口製品
に対して、0.01〜0.50%(重量比)、望ましくは0.03〜
0.20%(重量比)の添加が一般的に良い結果を与える。
【0014】
【作用】本願発明で用いるジンジャーフレーバーは、自
体脂溶性であるため、経口製品中のPUFAと確実に混
じり合い、その異臭をマスクする。このマスク作用の機
作は不明であるが、恐らく該フレーバー中の精油の香気
がもたらす直接的な臭覚遮蔽以外に、精油成分中の不飽
和結合によるPUFAの酸化防止作用及び保香作用が相
乗的に作用して悪臭の閾値を上げ又はその感知を妨げる
ことが本質であろうと推定される。
体脂溶性であるため、経口製品中のPUFAと確実に混
じり合い、その異臭をマスクする。このマスク作用の機
作は不明であるが、恐らく該フレーバー中の精油の香気
がもたらす直接的な臭覚遮蔽以外に、精油成分中の不飽
和結合によるPUFAの酸化防止作用及び保香作用が相
乗的に作用して悪臭の閾値を上げ又はその感知を妨げる
ことが本質であろうと推定される。
【0015】
【実施例】次に、比較例と対比して本発明を更に具体的
に説明するが、例示は説明用のものであって、発明思想
の限定を意図したものではない。
に説明するが、例示は説明用のものであって、発明思想
の限定を意図したものではない。
【0016】実施例1(EPA含有食用魚油へのジンジ
ャーフレーバー添加) EPAをω−3系PUFAとして含む「EPA 20」(商
品名;池田糖化工業株式会社製)に対するジンジャーオ
イル「BO-6200」(商品名;池田糖化工業株式会社製)の
添加効果を検討した。なお、ジンジャーオイル「BO-620
0」は純粋なショウガの精油である。「EPA 20」への
「BO-6200」の添加量を 0.01 〜0.50%(重量比)の範囲
で検討したところ、0.05%が官能的に最適であったの
で、このものに関して油脂性状、官能評価を比較し、表
1及び2に示す結果を得た。なお、官能評価は池田食研
株式会社の研究所員(10名)をパネルとして実施した。
ャーフレーバー添加) EPAをω−3系PUFAとして含む「EPA 20」(商
品名;池田糖化工業株式会社製)に対するジンジャーオ
イル「BO-6200」(商品名;池田糖化工業株式会社製)の
添加効果を検討した。なお、ジンジャーオイル「BO-620
0」は純粋なショウガの精油である。「EPA 20」への
「BO-6200」の添加量を 0.01 〜0.50%(重量比)の範囲
で検討したところ、0.05%が官能的に最適であったの
で、このものに関して油脂性状、官能評価を比較し、表
1及び2に示す結果を得た。なお、官能評価は池田食研
株式会社の研究所員(10名)をパネルとして実施した。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】即ち、ジンジャーフレーバー添加による油
脂性状の変化は認められず、官能評価は全員が「BO-620
0」 0.05 %添加区の方が「摂取し易い」とした。さら
に、上記試料を40℃(ヘッドスペースは窒素置換) で3
ケ月間保管後、再度官能評価したところ、「BO-6200」無
添加区では異臭が強くなっていたが、「BO-6200」0.05%
添加区では殆ど異臭を感知出来ず、パネル全員が後者の
方が「摂取し易い」と評価した。この結果から、EPA
を多量に含む油脂に対するジンジャーフレーバー添加効
果は明白である。
脂性状の変化は認められず、官能評価は全員が「BO-620
0」 0.05 %添加区の方が「摂取し易い」とした。さら
に、上記試料を40℃(ヘッドスペースは窒素置換) で3
ケ月間保管後、再度官能評価したところ、「BO-6200」無
添加区では異臭が強くなっていたが、「BO-6200」0.05%
添加区では殆ど異臭を感知出来ず、パネル全員が後者の
方が「摂取し易い」と評価した。この結果から、EPA
を多量に含む油脂に対するジンジャーフレーバー添加効
果は明白である。
【0020】実施例2(DHA含有食用魚油(乳化タイ
プ)へのジンジャーフレーバー添加) DHAをω−3系PUFAとして含む「DHA 30E」
(商品名;池田糖化工業株式会社製)に対するジンジャ
ーオイル「BO-6200」(前出) の添加効果を検討した。な
お、「DHA 30E」は魚油の部分酵素分解物であるモ
ノグリセリドを含む乳化用の製品である。「DHA 30
E 」への「BO-6200」の添加量を 0.01 〜0.50%(重量
比)の範囲で検討したところ、実施例1と同様に0.05%
が官能的に最適であったので、このものに関して油脂性
状、官能評価を比較し、表3及び4に示す結果を得た。
評価方法は実施例1と同様である。
プ)へのジンジャーフレーバー添加) DHAをω−3系PUFAとして含む「DHA 30E」
(商品名;池田糖化工業株式会社製)に対するジンジャ
ーオイル「BO-6200」(前出) の添加効果を検討した。な
お、「DHA 30E」は魚油の部分酵素分解物であるモ
ノグリセリドを含む乳化用の製品である。「DHA 30
E 」への「BO-6200」の添加量を 0.01 〜0.50%(重量
比)の範囲で検討したところ、実施例1と同様に0.05%
が官能的に最適であったので、このものに関して油脂性
状、官能評価を比較し、表3及び4に示す結果を得た。
評価方法は実施例1と同様である。
【0021】
【表3】
【0022】
【表4】
【0023】即ち、ジンジャーフレーバー添加による油
脂性状の変化は認められず、官能評価は全員が「BO-620
0 」0.05%添加区の方が「摂取し易い」とした。更に、
上記試料をそれぞれ「うどん用汁」100mL に1gづつ混
合、乳化し、官能評価したところ、パネル全員が「BO-6
200」 0.05 %添加区の方が「摂取し易い」と評価した。
また、上記試料を 40 ℃(ヘッドスペースは窒素置換)
で3ケ月間保管後、再び官能評価したところ、「BO-620
0」 無添加区では異臭が強くなっていたが、「BO-6200」
0.05 %添加区では殆ど異臭を感知出来ず、パネル全員
が後者の方が「摂取し易い」と評価した。
脂性状の変化は認められず、官能評価は全員が「BO-620
0 」0.05%添加区の方が「摂取し易い」とした。更に、
上記試料をそれぞれ「うどん用汁」100mL に1gづつ混
合、乳化し、官能評価したところ、パネル全員が「BO-6
200」 0.05 %添加区の方が「摂取し易い」と評価した。
また、上記試料を 40 ℃(ヘッドスペースは窒素置換)
で3ケ月間保管後、再び官能評価したところ、「BO-620
0」 無添加区では異臭が強くなっていたが、「BO-6200」
0.05 %添加区では殆ど異臭を感知出来ず、パネル全員
が後者の方が「摂取し易い」と評価した。
【0024】上記結果より、DHAを5%以上含有する
油脂中へのジンジャーフレーバー添加効果は明らかであ
り、「ジンジャーフレーバー添加の有効性」が確認され
た。
油脂中へのジンジャーフレーバー添加効果は明らかであ
り、「ジンジャーフレーバー添加の有効性」が確認され
た。
【0025】実施例3(EPA及びDHAエチルエステ
ルへのジンジャーフレーバー添加及びカプセル化) イワシ油よりアルカリ触媒法によりイワシ油脂肪酸のエ
チルエステルを調製し、粗製物を尿素付加法、液体クロ
マトグラフィー等の常法に従い精製、分離、濃縮し、E
PAエチルエステル及びDHAエチルエステルの各高純
度品を得た。これらにジンジャーオイル「BO-6200」(前
出)を0.05%添加したもの(発明品;添加濃度は官能的
に適当と認められた価)と、添加しないもの(対照品)
の性状を下表5に示す。
ルへのジンジャーフレーバー添加及びカプセル化) イワシ油よりアルカリ触媒法によりイワシ油脂肪酸のエ
チルエステルを調製し、粗製物を尿素付加法、液体クロ
マトグラフィー等の常法に従い精製、分離、濃縮し、E
PAエチルエステル及びDHAエチルエステルの各高純
度品を得た。これらにジンジャーオイル「BO-6200」(前
出)を0.05%添加したもの(発明品;添加濃度は官能的
に適当と認められた価)と、添加しないもの(対照品)
の性状を下表5に示す。
【0026】
【表5】
【0027】更に、上記発明品と対照品のそれぞれに天
然γ−トコフェロールを0.5 %(重量比)添加したもの
をゼラチンソフトカプセル中へ封入し、それらの「摂取
し易さ」につき評価した。結果を下表6に示す。
然γ−トコフェロールを0.5 %(重量比)添加したもの
をゼラチンソフトカプセル中へ封入し、それらの「摂取
し易さ」につき評価した。結果を下表6に示す。
【0028】
【表6】
【0029】また、上記試料を40℃で3ケ月間保管後、
再度官能評価したところ、EPAエチルエステル及びD
HAエチルエステル共に「BO-6200」 を添加しなかった対
照区では異臭が強くなっていたが、「BO-6200」を0.05%
添加した発明区では殆ど異臭を感知出来ず、パネル全員
が「後者の方が摂取し易い」と評価した。
再度官能評価したところ、EPAエチルエステル及びD
HAエチルエステル共に「BO-6200」 を添加しなかった対
照区では異臭が強くなっていたが、「BO-6200」を0.05%
添加した発明区では殆ど異臭を感知出来ず、パネル全員
が「後者の方が摂取し易い」と評価した。
【0030】上記結果より、EPAエチルエステル及び
DHAエチルエステル共にジンジャーフレーバーの添加
により顕著な風味の改善が行われることが実証された。
DHAエチルエステル共にジンジャーフレーバーの添加
により顕著な風味の改善が行われることが実証された。
【0031】比較例1(EPA含有食用魚油へのジンジ
ャーフレーバー及びジンジャーミンチ添加効果の比較) 「EPA 20」(前記商品名)に対する「BO-6200 」(前
記商品名)及びジンジャーミンチ(池田糖化工業株式会
社製、水分92±4%,5m/m サイズ)の添加効果を比較
した。なお、5 m/m サイズのジンジャーミンチは、下ろ
したショウガとほぼ同等のサイズである。
ャーフレーバー及びジンジャーミンチ添加効果の比較) 「EPA 20」(前記商品名)に対する「BO-6200 」(前
記商品名)及びジンジャーミンチ(池田糖化工業株式会
社製、水分92±4%,5m/m サイズ)の添加効果を比較
した。なお、5 m/m サイズのジンジャーミンチは、下ろ
したショウガとほぼ同等のサイズである。
【0032】「EPA 20 」への「BO-6200 」の添加量
は、実施例1と同様に0.05%添加とした。また「EPA
20」へのジンジャーミンチ添加量は、「BO-6200 」0.05
%添加の場合と官能的に同等になる様に検討したとこ
ろ、5.0 %(重量比)添加のとき最適であったので、こ
のものに関して油脂性状、官能評価等を比較した。試料
調製のため「EPA 20」に対し「BO-6200 」、ジンジャ
ーミンチ等を混合し、撹拌機にて5分間撹拌混合した
後、1時間静置し、分析に供した。なお、評価方法は実
施例1と同様である。添加油脂物の性状を下表7に示
す。
は、実施例1と同様に0.05%添加とした。また「EPA
20」へのジンジャーミンチ添加量は、「BO-6200 」0.05
%添加の場合と官能的に同等になる様に検討したとこ
ろ、5.0 %(重量比)添加のとき最適であったので、こ
のものに関して油脂性状、官能評価等を比較した。試料
調製のため「EPA 20」に対し「BO-6200 」、ジンジャ
ーミンチ等を混合し、撹拌機にて5分間撹拌混合した
後、1時間静置し、分析に供した。なお、評価方法は実
施例1と同様である。添加油脂物の性状を下表7に示
す。
【0033】
【0035】即ち、ジンジャーミンチ添加区においては
固形分が油脂中に浮遊、分散、沈殿しているため全体が
不均質となり、食品としての価値を損なっているのに対
し、「BO-6200 」添加区ではフレーバーが均一に溶解し
て食品としての価値を保っており、このことから「脂溶
性ジンジャーフレーバーを存在させる」ことの有利性が
示された。更に、これらの試料の官能評価を行ったとこ
ろ下表8に示す結果が得られた。
固形分が油脂中に浮遊、分散、沈殿しているため全体が
不均質となり、食品としての価値を損なっているのに対
し、「BO-6200 」添加区ではフレーバーが均一に溶解し
て食品としての価値を保っており、このことから「脂溶
性ジンジャーフレーバーを存在させる」ことの有利性が
示された。更に、これらの試料の官能評価を行ったとこ
ろ下表8に示す結果が得られた。
【0036】
【0037】即ち、殆どのパネルは「BO-6200 」添加区
の方が「摂取し易い」とした。更に、上記試料を 40 ℃
(ヘッドスペースは窒素置換) で1ケ月間保管後、再度
官能評価したところ、ジンジャーミンチ 5.0%添加区で
は異臭が強くなっていたが、「BO-6200 」0.05%添加区
では殆ど異臭を感知出来ず、全パネルが後者の方が「摂
取し易い」と評価した。
の方が「摂取し易い」とした。更に、上記試料を 40 ℃
(ヘッドスペースは窒素置換) で1ケ月間保管後、再度
官能評価したところ、ジンジャーミンチ 5.0%添加区で
は異臭が強くなっていたが、「BO-6200 」0.05%添加区
では殆ど異臭を感知出来ず、全パネルが後者の方が「摂
取し易い」と評価した。
【0038】上記結果より、EPA含有食用魚油への脂
溶性ジンジャーフレーバー添加効果は明らかであり、本
発明の基本的要件である「高度不飽和脂肪酸を含有する
脂質を含む経口製品中に脂溶性ジンジャーフレーバーを
存在させること」の合理性が証明された。
溶性ジンジャーフレーバー添加効果は明らかであり、本
発明の基本的要件である「高度不飽和脂肪酸を含有する
脂質を含む経口製品中に脂溶性ジンジャーフレーバーを
存在させること」の合理性が証明された。
【0039】
【発明の効果】以上説明し、かつ実証した通り、EP
A、DHAなどのω−3系PUFAを例えば構成脂肪酸
中5%以上もの多量を含有する油脂、脂肪酸エステルそ
の他の脂質特有の臭気を効果的にマスキングする方法を
開発できたことにより、本系脂質の食品及び医薬品への
応用を容易化し、延いては健康の維持、改善に寄与す
る。
A、DHAなどのω−3系PUFAを例えば構成脂肪酸
中5%以上もの多量を含有する油脂、脂肪酸エステルそ
の他の脂質特有の臭気を効果的にマスキングする方法を
開発できたことにより、本系脂質の食品及び医薬品への
応用を容易化し、延いては健康の維持、改善に寄与す
る。
Claims (4)
- 【請求項1】構成脂肪酸として高度不飽和脂肪酸を含有
する脂質を含む経口製品中に脂溶性ジンジャーフレーバ
ーを存在させることを特徴とする魚臭のマスキング方
法。 - 【請求項2】高度不飽和脂肪酸が、炭素数18以上、二重
結合数3以上のカルボン酸である請求項1の方法。 - 【請求項3】高度不飽和脂肪酸が、低級アルコールエス
テル、グリセロ脂質の形で含まれている請求項1の方
法。 - 【請求項4】構成脂肪酸中のエイコサペンタエン酸及び
/又はドコサヘキサエン酸の量比が5%(重量比)以上
である請求項1の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4359113A JPH06189717A (ja) | 1992-12-24 | 1992-12-24 | 魚臭のマスキング方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4359113A JPH06189717A (ja) | 1992-12-24 | 1992-12-24 | 魚臭のマスキング方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06189717A true JPH06189717A (ja) | 1994-07-12 |
Family
ID=18462811
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4359113A Pending JPH06189717A (ja) | 1992-12-24 | 1992-12-24 | 魚臭のマスキング方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06189717A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7722905B2 (en) | 2003-11-26 | 2010-05-25 | Hill's Pet Nutrition, Inc. | Method to reduce odor of excreta from companion animals |
JP2014060963A (ja) * | 2012-09-21 | 2014-04-10 | Kobayashi Pharmaceutical Co Ltd | 香辛料抽出物含有経口組成物、及び、香辛料抽出物の風味・辛味改善方法 |
WO2015072406A1 (ja) | 2013-11-13 | 2015-05-21 | 不二製油株式会社 | 多価不飽和脂肪酸含有油脂 |
JP2018102141A (ja) * | 2016-12-22 | 2018-07-05 | 花王株式会社 | 油脂組成物 |
-
1992
- 1992-12-24 JP JP4359113A patent/JPH06189717A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7722905B2 (en) | 2003-11-26 | 2010-05-25 | Hill's Pet Nutrition, Inc. | Method to reduce odor of excreta from companion animals |
JP2014060963A (ja) * | 2012-09-21 | 2014-04-10 | Kobayashi Pharmaceutical Co Ltd | 香辛料抽出物含有経口組成物、及び、香辛料抽出物の風味・辛味改善方法 |
WO2015072406A1 (ja) | 2013-11-13 | 2015-05-21 | 不二製油株式会社 | 多価不飽和脂肪酸含有油脂 |
KR20160085745A (ko) | 2013-11-13 | 2016-07-18 | 후지세유 그룹 혼샤 가부시키가이샤 | 다가 불포화 지방산 함유 유지 |
EP3378323A1 (en) | 2013-11-13 | 2018-09-26 | Fuji Oil Holdings Inc. | Fat containing polyunsaturated fatty acid |
JP2018102141A (ja) * | 2016-12-22 | 2018-07-05 | 花王株式会社 | 油脂組成物 |
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