JP4451345B2 - α−リポ酸含有乳化組成物および飲食品 - Google Patents

α−リポ酸含有乳化組成物および飲食品 Download PDF

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Description

本発明は、α−リポ酸を高濃度に含有し、かつ水への分散安定性を高め、かつ長期にわたり安定性の優れた乳化組成物およびその製造方法に関する。
またα−リポ酸を含有し製造直後も経時的にもネックリングや沈殿の生じない安定な飲食品に関する。
α−リポ酸はチオクト酸とも呼ばれ、化学的には1,2−ジチアシクロペンタン−3−バレリアン酸であり、下記式(1)で示される。
Figure 0004451345
α−リポ酸は、多くの動植物細胞のミトコンドリア中に存在し、ピルビン酸塩及び他のα−ケト酸の酸化的脱炭酸の際に補酵素の1つとして作用し、細胞がエネルギーを作り出す際に、糖質の代謝を促進する作用がある。α−リポ酸はヨーロッパでは長年にわたり種々の疾患、特に肝臓疾患、菌中毒による肝臓損傷並びに物質代謝疾患を伴って現われる抹消神経の変性である糖尿病性及びアルコール性多発性神経炎の場合に使用されている。また強力な抗酸化能を有し、酸化ストレスによる種々の病態の治療、たとえば動脈硬化症および白内障などの治療剤として、また、シワ、シミ、ソバカス、色素沈着の予防・治療等に使用されている。
α−リポ酸は日本では従来医薬品としてのみ使用可能であったが、厚生省の食薬区分の一部改正を受けて2004年6月に食品への使用が認められ、最近では健康素材として注目されている。
α−リポ酸は体内でも合成されるが、食品中には少量しか含まれていないので、サプリメント等により摂ることが望ましいとされており、1日の摂取目安量としては20〜50mgとされている。
α−リポ酸は常温で油溶性の結晶状物質であるためそのまま摂取しても吸収が悪く、医薬品または食品等に使用するためには製剤化が必要となる。製剤化の例としては、100〜710μmの微粒子として助剤とともに成型することによる錠剤(特許文献1参照)、アスコルビン酸脂溶性脂肪酸エステルに練り込んだ皮膚外用剤(特許文献2参照)、亜硫酸塩とし可溶化する方法(特許文献3参照)、α−リポ酸とビタミンEを含有する抗糖尿病医薬の製造方法(特許文献4参照)、α−リポ酸をHLBが9から16の過剰の可溶化剤と加熱攪拌することによる水可溶な製剤の製法(特許文献5参照)等が知られている。
特開平07−206674 特表平11−512452 特開2005−2096 特開2004−217669 特表2004−531530
しかしながら上記提案の多くはα−リポ酸をそのままあるいは粉末、練り込む等の形態で医薬品あるいは食品に添加して摂取するものである。乳化物としている例も見られるが、食品に使用した場合に、特に飲料に使用した場合に製造直後もまた経時的にも安定な分散状態を保つ方法に関しては全く記述が見当たらない。
α−リポ酸は親油性結晶であるが動植物油脂には完全に溶解せず油中で不溶物が生成し、また、油中で再結晶化が起こるという不都合を生じる。そのためα−リポ酸を油脂に溶解し、それを乳化に用いることは困難である。また、α−リポ酸はエタノールには清澄に溶解するが、例えばこの溶液を水溶液に希釈した場合、希釈後に経時的にα−リポ酸の再結晶化が起こり溶液が濁って来るという問題を生じる。また、α−リポ酸のエタノール溶液を親水性乳化剤(HLB8以上のショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル)、アラビアガム、キラヤニン、化工デンプン、酵素処理レシチン、大豆多糖類を用いて乳化した場合、乳化組成物中でα−リポ酸の再結晶化が発生してしまう。そのため乳化組成物としても、また食品に添加した場合にも、再結晶化が起こらない安定なα−リポ酸乳化組成物の開発が強く求められていた。
本発明者らは、上記のごとき課題を解決すべく、動植物油に対し不溶物を生成することなく溶解させるためのオイル部組成及びα−リポ酸の再結晶化を防止した乳化物の調整方法について鋭意研究を行った。
その結果、α−リポ酸を溶解させる溶媒として動植物油脂とエタノールを特定比率で用いることで完全に不溶物がなく、α−リポ酸の融点(60〜62℃)以下でも再結晶を生じることなく溶解させることができることを見出し、さらにこの混合物を乳化することにより、食品、特に飲料に使用した場合において製造直後に均一に分散し、また、経時的にも安定なα−リポ酸含有O/W型乳化組成物を得ることができた。また、オイル部の比重調整を目的としてSAIB(シュークロース・ジアセテート・ヘキサイソブチレート)を配合することも可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして、本発明は、(A)α−リポ酸、(B)動植物油脂および/またはSAIB(シュークロース・ジアセテート・ヘキサイソブチレート)、(C)エタノールおよび(D)乳化剤を含有することを特徴とする、飲料用O/W型乳化組成物を提供するものである。

本発明はまた、前記(B)に対する(C)の重量比が0.5〜4.0の範囲内である前記の乳化組成物が提供される。
本発明はまた、前記(B)と(C)の合計量に対する(A)の重量比が0.01〜0.5の範囲内である前記の乳化組成物を提供するものである。
本発明によればまた、前記動植物油脂が中鎖脂肪酸トリグリセライドである前記の乳化組成物を提供することができる。
さらに、本発明は、α−リポ酸をエタノールと動植物油脂および/またはSAIB(シュークロース・ジアセテート・ヘキサイソブチレート)を含む溶媒に溶解した後、親水性乳化剤を用いて乳化することを特徴とする前記O/W型乳化組成物の製造方法である。
本発明はまた、前記の乳化組成物あるいは前記製造方法により得られた乳化組成物を含
有する飲料を提供するものである

本発明によればα−リポ酸を含有し、乳化組成物中でα−リポ酸の再結晶化の起こらない安定な乳化組成物が調整できる。また、食品に使用した場合に、特に飲料に添加した場合において、製造直後に均一に分散し、また、経時的にも沈殿やネックリングを生じない安定な飲料の製造に使用できるO/W型乳化組成物を得ることができる。また、本発明品はα−リポ酸をO/W乳化組成物(平均粒径2μm以下)としているためα−リポ酸を結晶で摂取した場合と比べ吸収されやすいという付随した効果も得られる。
以下、本発明についてさらに詳細に述べる。
本発明は上記した通り、(A)α−リポ酸、(B)動植物油脂および/またはSAIB、(C)エタノールおよび(D)乳化剤を含有するO/W型乳化組成物である。
(A)成分であるα−リポ酸は一般の市販品で良く、天然物から抽出した物でも合成品でも使用することができる。
(B)成分である動植物油脂としては特に限定されないが、大豆油、ナタネ油、コーン油、オリーブ油、ヤシ油、サフラワー油、ヒマワリ油、米油、ゴマ油、パーム油、ピ−ナッツ油等の植物油脂類およびそれらの硬化油;牛脂、豚脂、鶏油、魚油などの動物油脂類およびその硬化油;中鎖脂肪酸トリグリセライド(MCT)などを挙げることができ、これらを単独または2種以上併用して使用することができるが、油脂とエタノールとの混和性の点からMCTが特に好ましい。
また、もう一方の(B)成分であるSAIB(シュークロース・ジアセテート・ヘキサイソブチレート)としては、例えば、その比重が約1.13〜約1.19の範囲、好ましくは約1.14〜約1.15の範囲のSAIBを例示することができる。本発明では、上記した動植物油脂とSAIBを併用して使用することもできる。
また、(B)成分には動植物油脂および/またはSAIB(シュークロース・ジアセテート・ヘキサイソブチレート)の他に香料を含有させることもできる。香料の具体例としては、例えば、オレンジ油、レモン油、グレープフルーツ油、ライム油、タンジェリン油、マンダリン油およびベルガモット油などのごとき公知の柑橘精油類;ペパ−ミント油、スペアミント油、シンナモン油などのごとき精油類;オールスパイス、アニスシード、バジル、ローレル、カルダモン、セロリ、クローブ、クミン、デイル、ガーリック、ジンジャー、メース、マスタード、オニオン、パプリカ、パセリ、ブラックペパー、ナッツメグ、サフラン、ローズマリー等のスパイス類の精油またはオレオレジン類;さらにリモネン、リナロール、ネロール、シトロネロール、ゲラニオール、シトラール、l−メントール、オイゲノール、シンナミックアルデヒド、アネトール、ペリラアルデヒド、バニリン、γ−ウンデカラクトン、l−カルボン、マルトール、フルフリルメルカプタン、プロピオン酸エチル、カプロン酸アリル、メチル−n−アミルケトン、ジアセチル、酢酸、酪酸等の公知のフレーバー物質;着香油(反応フレ−バ−);及びこれらの天然精油、オレオレジン及び香料化合物等を任意に組み合わせて混合した調合香料を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
香料の配合量としては(B)成分を基準として0.001〜10%の範囲内を例示することができる。
上記した(B)成分と(C)成分であるエタノールの混合割合はα−リポ酸を完全に溶解する比率である必要があり、本発明の重要な要素である。(B)成分と(C)成分の比率は(B)成分を基準として重量比で(C)成分が0.5〜4.0の範囲内であればα−リポ酸を完全に溶解することができるが、好ましくは0.6〜3.0、さらに好ましくは0.65〜2.0である。(B)成分に対する(C)成分の比率が0.5未満となるとα−リポ酸が完全に溶解せず不溶物を生じやすくなる。また、(B)成分に対する(C)成分の比率が4.0を超えるとα−リポ酸の溶解性は良いが、溶液を乳化しにくくなると同時に乳化物中でα−リポ酸の再結晶化が生じやすくなり好ましくない。
また、本発明では、(B)成分と(C)成分の合計量に対する(A)成分の比率も重要な要素である。この比率は(B)成分と(C)成分の合計量に対して(A)成分が重量比で0.01〜0.5の範囲内、好ましくは0.05〜0.4、より好ましくは0.1〜0.3である。この比率が0.5を超えるとα−リポ酸が完全に溶解せず、安定な乳化を行うことができなくなる。また、下限の設定は乳化安定性上は特に必要はないが、この比率が0.01未満となると、最終製品に必要量のα−リポ酸を添加するために多量の乳化組成物を使用することになり、植物油脂、SAIBまたはエタノールが最終製品中に多量に配合されることになり好ましくない。
前記(B)成分と(C)成分の混合液への(A)成分の溶解は単に攪拌混合するだけで可能であるが、(A)成分の溶解を速めるためには加熱しても良い。加熱条件としてはα−リポ酸の重合を抑えるために60℃以下で行うことが好ましい。
また上記加熱溶解の際に、所望によりトコフエロール、アスコルビルステアレート、ローズマリー抽出物、セージ抽出物、BHA、BHT等の任意の酸化防止剤を添加することもできる。
かくして得られるα−リポ酸油脂類溶液を乳化する方法としては親水性乳化剤を使用して乳化する。(D)成分である乳化剤としては、例えば、HLB8以上のポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、レシチン、アラビアガム、化工デンプン、キラヤサポニン、大豆多糖類などの食品の製造に使用される乳化剤を単独または併用して使用して、ホモミキサー、コロイドミル、回転円盤型ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー等を用いて乳化処理することにより、粒子径約0.2〜約2μmの極めて微細で安定性の優れた乳化液を得ることができる。
また、乳化を安定させるため、かかる水溶性溶液は水の他に例えばグリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、マルチトール、ショ糖、グルコース、糖液、還元水あめ等の多価アルコール類の1種又は2種以上の混合物を配合することができる。
上記した乳化剤の水溶性溶液と前記したα−リポ酸油脂類溶液との配合割合は任意に選択することができるが、一般的には乳化液調製後の安定性などを考慮してα−リポ酸の油脂類溶液1重量部に対して乳化剤の水溶性溶液を約1〜約10重量部が使用される。
このようにして得られる乳化組成物中のα−リポ酸含量は約0.01〜約10重量%程度である。
更に所望により、前記乳化剤の水性溶液にはアスコルビン酸またはその塩類、クロロゲン酸、カテキン、水溶性ルチン、カフェ酸等を添加配合することができる。
かくして得られた乳化組成物を飲食品に0.001〜10%、好ましくは0.005〜5%、さらに好ましくは0.01〜1%程度添加することにより、α−リポ酸を含有する飲食品を得ることができる。かかる飲食品の例としては、炭酸飲料、果汁飲料、果実飲料、茶・コーヒー系飲料、乳飲料・乳酸菌飲料、機能性飲料等の飲料、冷菓、キャンディー、デザート、チューイングガム、焼き菓子等の菓子類、ヨーグルト、バター、マーガリン、チーズ等の酪農・油脂製品、スープ、味噌、醤油、ソース、たれ、ドレッシング等の調味料、食肉加工品、水産加工品、調理食品、冷凍食品等が挙げられる。
以下実施例、比較例により本発明の態様を更に具体的に説明する。
実施例1
α−リポ酸(結晶)50gにMCT(中鎖脂肪酸トリグリセライド)45g、SAIB100g、エタノール100g、ビタミンE油5gを加え、40℃にて加熱攪拌してα−リポ酸を溶解し乳化用オイル部とした。水相部として糖液(Bx75°)620gにキラヤニンC−100(丸善製薬社製のキラヤサポニンの商品名)を80g加え、85〜95℃で15分間殺菌後、40℃に冷却する。TK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて乳化し、平均粒径2μm以下の乳化物(発明品1:α−リポ酸含量5%)1000gを得た。
比較例1〜5
実施例1においてそれぞれの原料使用量を変更し、それ以外は全て実施例1と同様の操作を行い、平均粒径2μm以下の乳化物(比較品1〜5:α−リポ酸含量5%)1000gを得た。それぞれの原料の配合割合を表1に示す。
Figure 0004451345
発明品1および比較品1〜5のC/BおよびA/(B+C)の値を表2に示す。なお、α−リポ酸含有油層部に酸化防止の目的で加えたビタミンE油はB成分の一部として計算した。
Figure 0004451345
実施例2
発明品1および比較品1〜5をそれぞれ褐色ビンに充填し、冷蔵および40℃の恒温槽にて保管し、1ヶ月後および3ヶ月後に顕微鏡にて観察しα−リポ酸の結晶析出状態を観察した。その結果を表3に示す。
Figure 0004451345
記号の説明 ○:変化無し、×:結晶析出、××:結晶多量に析出
実施例3
発明品1および比較品1〜5それぞれを下記処方にて飲料とし、UHT殺菌機にて136℃で30秒間殺菌を行い、89℃に冷却後500mlペットボトルに充填した。充填後2分間保持した後、水冷により30℃まで冷却した。それぞれの飲料は製造直後、室温24時間放置後に観察し、さらに5℃および40℃の恒温槽にて保管し、1ヶ月後および3ヶ月後に状態を観察した。その結果を表4に示す。
飲料処方(α−リポ酸50mg/L)
a 果糖ぶどう糖液糖(Bx 75%) 600g
b 無水クエン酸 10g
c クエン酸三ナトリウム 1.6g
d 発明品1、比較品1〜5のいずれか一品 10g
e イオン交換水 9378.4g
合計 10000g
Figure 0004451345
記号の説明、◎:均一な状態、○:ほぼ均一、△:ネックリングまたは沈殿あり、×:ネックリングまたは沈殿が目立つ、××:ネックリングまたは沈殿が多量にある
実施例4
α−リポ酸(結晶)50gにSAIB100g、エタノール95g、ビタミンE油5gを加え、40℃にて加熱攪拌してα−リポ酸を溶解し乳化用オイル部(比重調整品)とする。水相部としてアラビアガム水溶液(濃度35%)550gを85〜95℃で15分間殺菌後、40℃以下に冷却する。また、乳化安定剤としてグリセリン200gを用いた。TK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて乳化し、平均粒径2μm以下の乳化物(発明品2:α−リポ酸含量5%)1000gを得た。
実施例5
実施例4においてそれぞれの原料使用量を変更し、それ以外は全て実施例4と同様の操作を行い、平均粒径2μm以下の乳化物(発明品3および比較品6〜8:α−リポ酸含量5%)1000gを得た。それぞれの原料の配合割合を表5に示す。
Figure 0004451345
発明品2、3および比較品6〜8のC/BおよびA/(B+C)の値を表6に示す。なお、α−リポ酸含有油層部に酸化防止の目的で加えたビタミンE油はB成分の一部として計算した。
Figure 0004451345
実施例6
発明品2、3および比較品6〜8をそれぞれ褐色ビンに充填し、冷蔵および40℃の恒温槽にて保管し、1ヶ月後および3ヶ月後に顕微鏡にて観察しα−リポ酸の結晶析出状態を観察した。その結果を表7に示す。
Figure 0004451345
記号の説明 ○:変化無し、×:結晶析出、××:結晶多量に析出
実施例7
発明品2、3および比較品6〜8それぞれを実施例3と同様に飲料とし、それぞれの飲料を製造直後、室温24時間放置後に観察し、さらに冷蔵および40℃の恒温槽にて保管し、1ヶ月後および3ヶ月後に状態を観察した。その結果を表8に示す。
Figure 0004451345
記号の説明、◎:均一な状態、○:ほぼ均一、△:ネックリングまたは沈殿あり、×:ネックリングまたは沈殿が目立つ、××:ネックリングまたは沈殿多量にある
実施例8
αーリポ酸(結晶)50gにSAIB99g、エタノール95g、ビタミンE油5g、グレープフルーツ調合オイル(長谷川香料社製)1gを加え、40℃にて加熱攪拌してα−リポ酸を溶解し乳化用オイル部(比重調整品)とする。水相部としてグリセリン600gにHLB10のポリグリセリン脂肪酸エステル50g、精製水100gを加え90〜95℃にて15分間加熱溶解後40℃以下まで冷却する。TK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて乳化し、平均粒径2μm以下の乳化物(発明品4:α−リポ酸含量5%)1000gを得た。
実施例9
αーリポ酸(結晶)50gに中鎖脂肪酸トリグリセライド50g、SAIB49g、エタノール95g、ビタミンE油5g、グレープフルーツ調合オイル(長谷川香料社製)1gを加え、40℃にて加熱攪拌してα−リポ酸を溶解し乳化用オイル部(比重調整品)とする。水相部としてD−ソルビトール600gにHLB12のソルビタン脂肪酸エステル50g、精製水100gを加え90〜95℃にて15分間加熱溶解後40℃以下まで冷却する。TK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて乳化し、平均粒径2μm以下の乳化物(発明品5:α−リポ酸含量5%)1000gを得た。
実施例10
αーリポ酸(結晶)50gにSAIB99g、エタノール95g、ビタミンE油5g、グレープフルーツ調合オイル(長谷川香料社製)1gを加え、40℃にて加熱攪拌してα−リポ酸を溶解し乳化用オイル部(比重調整品)とする。水相部としてPG600gに化工デンプン(日本エヌエスシー社製ピュリティーガムBE)100g、精製水50gを加え90〜95℃にて15分間加熱溶解後40℃以下まで冷却する。TK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて乳化し、平均粒径2μm以下の乳化物(発明品6:α−リポ酸含量5%)1000gを得た。
実施例11
αーリポ酸(結晶)50gにSAIB99g、エタノール95g、ビタミンE油5g、グレープフルーツ調合オイル(長谷川香料社製)1gを加え、40℃にて加熱攪拌してα−リポ酸を溶解し乳化用オイル部(比重調整品)とする。水相部としてグリセリン600gに大豆多糖類(不二製油社製のソヤファイブ)100g、精製水50gを加え90〜95℃にて15分間加熱溶解後40℃以下まで冷却する。TK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて乳化し、平均粒径2μm以下の乳化物(発明品7:α−リポ酸含量5%)1000gを得た。
発明品4〜7のC/BおよびA/(B+C)の値を表9に示す。なお、α−リポ酸含有油層部に酸化防止の目的で加えたビタミンE油および香料オイルはB成分の一部として計算した。
Figure 0004451345
実施例12
発明品4〜7をそれぞれ褐色ビンに充填し、冷蔵および40℃の恒温槽にて保管し、1ヶ月後および3ヶ月後に顕微鏡にて観察しα−リポ酸の結晶析出状態を観察した。その結果を表10に示す。
Figure 0004451345
記号の説明 ○:変化無し、×:結晶析出、××:結晶多量に析出
実施例13
発明品4〜7それぞれを実施例3と同様に飲料とし、それぞれの飲料を製造直後、室温24時間放置後に観察し、さらに冷蔵および40℃の恒温槽にて保管し、1ヶ月後および3ヶ月後に状態を観察した。その結果を表11に示す。
Figure 0004451345
記号の説明、◎:均一な状態、○:ほぼ均一、△:ネックリングまたは沈殿あり、×:ネックリングまたは沈殿が目立つ、××:ネックリングまたは沈殿多量にある

Claims (6)

  1. (A)α−リポ酸、(B)動植物油脂および/またはSAIB(シュークロース・ジアセテート・ヘキサイソブチレート)、(C)エタノールおよび(D)乳化剤を含有することを特徴とする、飲料用O/W型乳化組成物。
  2. 前記(B)に対する(C)の重量比が0.5〜4.0の範囲内である請求項1に記載の乳化組成物。
  3. 前記(B)と(C)の合計量に対する(A)の重量比が0.01〜0.5の範囲内である請求項2に記載の乳化組成物。
  4. 前記動植物油脂が中鎖脂肪酸トリグリセライドである請求項1〜3のいずれか1項に記載の乳化組成物。
  5. α−リポ酸をエタノールと動植物油脂および/またはSAIB(シュークロース・ジアセテート・ヘキサイソブチレート)を含む溶媒に溶解した後、親水性乳化剤を用いて乳化することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のO/W型乳化組成物の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の乳化組成物を含有する飲料。
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