JPH06189653A - 釣り竿 - Google Patents

釣り竿

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JPH06189653A
JPH06189653A JP4359046A JP35904692A JPH06189653A JP H06189653 A JPH06189653 A JP H06189653A JP 4359046 A JP4359046 A JP 4359046A JP 35904692 A JP35904692 A JP 35904692A JP H06189653 A JPH06189653 A JP H06189653A
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JP
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layer
resin
composite
prepreg
fishing rod
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JP4359046A
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English (en)
Inventor
Kanji Miyao
巻治 宮尾
Makoto Takezawa
誠 竹澤
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Tonen General Sekiyu KK
Original Assignee
Tonen Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 軽量で且つ曲げ強度等の機械的強度が向上
し、更には耐衝撃性をも改善した繊維強化化複合樹脂材
料製の釣り竿を目的とする。 【構成】 金属箔層の両側に樹脂フィルム層を積層し、
その一方の樹脂フィルム層上に繊維強化複合樹脂材料層
を積層した複合層1′を、釣り竿を構成する複数層の繊
維強化複合樹脂材料のストレート層101′とクロス層
(又は90°層)102′との間に設けた。 【効果】 複合層1′が金属箔層を有しているので、釣
り竿は軽量で且つ曲げ強度等の機械的強度が向上し、更
には耐衝撃性も改善される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数層の繊維強化複合
樹脂材料層からなる釣り竿に関し、特に複数層の繊維強
化複合樹脂材料層の層と層の間、最外層又は最内層の少
なくともいずれかに、金属箔層を備えた複合層を積層し
た釣り竿に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、釣り竿として、軽量で且つ機械的
強度が高いという理由から、例えば強化繊維として炭素
繊維を有するプリプレグを使用して作成した炭素繊維強
化複合樹脂材料製の釣り竿が多く利用されており、良好
な成果を収めている。
【0003】斯る従来の釣り竿は、複数層の炭素繊維強
化複合樹脂材料層などから構成されるが、図3に図示さ
れるように、所定の形状寸法に裁断した炭素繊維強化プ
リプレグ101を所定枚数だけマンドレル100に巻き
付け、プリプレグ101のマトリクス樹脂を硬化するこ
とによって形成される。このとき、一般に、釣り竿には
曲げ作用が働くために、炭素繊維強化プリプレグとして
は、図3及び図5に図示されるように、炭素繊維が釣り
竿の軸線に対して平行(θ=0°)に配列された一方向
プリプレグ101(ストレ−ト層101′)が使用され
るが、潰れに対する強度を向上するために、図4
(イ)、(ロ)及び図5に図示されるように、炭素繊維
クロス(織物)を強化繊維としたクロスプリプレグ10
2a(クロス層102a′)、或いは炭素繊維が釣り竿
の軸線に対して90°方向に配列された90°プリプレ
グ102b(90°層102b′)が更に使用されるこ
とがある。
【0004】この場合に、基本的には、図5に図示され
るように、釣り竿の内側層に一方向プリプレグ101
(ストレ−ト層101′)が使用されることが多い。
【0005】しかしながら、更に、折損防止、振動減衰
特性の向上を図るために、引張強度、圧縮強度及び弾性
率、更には、粘り、耐衝撃性などのような機械的特性の
向上が望まれており、又使用時の感触の点で、更には成
形加工性及びファッション性(デザイン性)の点から一
層の改良が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこでプリプレグ等か
らなる繊維強化複合樹脂層をアルミニウムやスチール、
チタン等の金属箔上に接着等により設けて複合化し、こ
の金属箔を複合化した複合プリプレグを通常のプリプレ
グと組合せて使用することが試みられている。
【0007】即ち、通常のプリプレグからなるストレー
ト層の内層、クロス層又は90°層の外層のいずれか、
或いはこれら内層と外層との間に1〜2層巻き付けるよ
うに使用される。このような複合プリプレグを組合せて
得られた釣り竿によれば、単層〜複数層に積層された複
合プリプレグによる繊維強化複合樹脂材料の層と層との
間に金属箔層を備えるので、釣り竿の曲げ強度及び耐衝
撃性が向上し、更に使用時の感触(使用感)も改善する
ことが期待される。
【0008】しかしながら、従来の複合プリプレグの場
合、金属箔を複合化したことによる機械的強度向上効果
が十分に発揮されず、このため通常のプリプレグと組合
せ使用して製造した釣り竿は、曲げ強度及び耐衝撃性の
向上が十分でなく、使用時の感触の改善も十分でない結
果に止まっていた。
【0009】本発明の目的は、軽量で且つ曲げ強度等の
機械的強度が向上し、更には耐衝撃性をも改善した繊維
強化複合樹脂材料製の釣り竿を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的は本発明に係る
釣り竿にて達成される。要約すれば本発明は、複数層の
繊維強化複合樹脂材料層からなる釣り竿において、前記
複数層の繊維強化複合樹脂材料層の層と層の間、最外層
又は最内層の少なくともいずれかに1層以上の複合層を
積層し、前記複合層は、金属箔層の両側に樹脂フィルム
層を積層し、その少なくも一方の樹脂フィルム層上に強
化繊維を有し又は有さない樹脂層を積層してなることを
特徴とする釣り竿である。
【0011】
【実施例】以下、本発明に係る釣り竿を図面に則して詳
しく説明する。
【0012】図1は、本発明の釣り竿の一実施例を示す
断面図、図3は、その製造方法を示す説明図である。本
発明に係る釣り竿は、図1及び図3に図示されるよう
に、好ましくは、炭素繊維が釣り竿の軸線に対して平行
(θ=0°)に配列された一方向繊維強化複合樹脂層1
01と、これと別の繊維強化複合樹脂層102、つまり
炭素繊維クロスを強化繊維としたクロス強化複合樹脂層
102a或いは炭素繊維が釣り竿の軸線に対して90°
方向に配列された90°繊維強化複合樹脂層102b
と、両複合樹脂層101と102との間に配設された複
合プリプレグ1とがマンドレル100に巻き付けられ、
次いで、硬化することによって製造される。
【0013】つまり、本発明によると、ストレ−ト層1
01′、金属箔層を備えた複合層1′、及びクロス層或
いは90°層102′を備えた釣り竿が形成される。又
複合層1′は、図2に図示されるように、最外層に設け
ることもでき、又図示してはいないが、最内層に設ける
こともでき、更にはストレ−ト層101′と、クロス層
或いは90°層102′との間及び最外層或いは最内層
など、任意の箇所に設けることができる。
【0014】図1及び図2では、ストレ−ト層101′
が内層とされているが、ストレ−ト層101′を外層と
することも可能である。又ストレ−ト層101′、クロ
ス層或いは90°層102′、及び複合層1′は1層で
ある必要はなく、必要に応じて複数層とすることも可能
である。又、場合によっては、クロス層或いは90°層
102′を設けずに、複数のストレ−ト層101′及び
複合層1′のみから構成することも可能である。
【0015】ストレ−ト層101′、クロス層或いは9
0°層102′を形成するための繊維強化複合樹脂層1
01、クロス強化複合樹脂層或いは繊維強化複合樹脂層
102は、通常の一方向炭素繊維強化プリプレグ、クロ
ス或いは90°炭素繊維強化プリプレグを使用して形成
することができる。
【0016】つまり、炭素繊維強化プリプレグ101、
102は、強化繊維としては炭素繊維(黒鉛繊維をも含
む)を使用し、マトリクス樹脂としては、エポキシ樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ジア
リルフタレート樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性マ
トリクス樹脂が使用可能である。又更に、硬化温度が5
0〜200℃となるように硬化剤その他の付与剤、例え
ば可撓性付与剤などが適当に添加される。
【0017】勿論、ストレ−ト層101′、及びクロス
層或いは90°層102′は、強化繊維として、炭素繊
維以外のガラス繊維などの他の繊維を使用した、当業者
には周知の種々のプリプレグを使用して形成することも
可能である。
【0018】次に、本発明の特徴とする複合層1′につ
いて詳しく説明する。図6は、本発明に係る複合層1′
を形成するために使用される複合プリプレグ1である。
【0019】本発明に係る複合プリプレグ1は、基本的
に、金属箔層2の両側に樹脂フィルム層3、3を積層
し、その少なくも一方、図では下の樹脂フィルム層3上
に繊維強化複合樹脂層4を積層してなっている。複合プ
リプレグ1全体は、繊維強化複合樹脂層4を積層した離
型紙5上に支持され、必要に応じて上の樹脂フィルム層
3上に透明のカバーフィルム6が被される。
【0020】繊維強化複合樹脂層4は、一方向に配列さ
れた強化繊維、即ち炭素繊維7の同士の間にマトリクス
樹脂を含浸してなっている。本発明では、この炭素繊維
7は黒鉛繊維をも意味しており、炭素繊維7として黒鉛
繊維を用いることもできる。
【0021】マトリクス樹脂としては、エポキシ樹脂、
不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリル
フタレ−ト樹脂、フェノ−ル樹脂などの熱硬化性マトリ
クス樹脂が使用可能である。又、更に、硬化温度が50
〜200℃となるように硬化剤その他の付与剤、例えば
可撓性付与剤などが適当に添加される。
【0022】好ましい一例を挙げれば、マトリクス樹脂
としてはエポキシ樹脂が好ましく、使用可能のエポキシ
樹脂としては、例えば、(1)グリシジルエ−テル系エ
ポキシ樹脂(ビスフェノ−ルA、F、S系エポキシ樹
脂、ノボラック系エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノ−ル
A系エポキシ樹脂);(2)環式脂肪族エポキシ樹脂;
(3)グリシジルエステル系エポキシ樹脂;(4)グリ
シジルアミン系エポキシ樹脂;(5)複素環式エポキシ
樹脂;その他種々のエポキシ樹脂から選択される1種又
は複数種が使用され、特に、ビスフェノ−ルA、F、S
グリシジルアミン系エポキシ樹脂が好適に使用される。
又、硬化剤としてはアミン系硬化剤、例えばジシアンジ
アミド(DICY)、ジアミノフェニルスルフォン(D
DS)、ジアミノジフェニルメタン(DDM);酸無水
物系、例えばヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)、
メチルへキサヒドロ無水フタル酸(MHHPA)などが
使用されるが、特にアミン系硬化剤が好適に使用され
る。
【0023】繊維強化複合樹脂層4の炭素繊維7とマト
リクス樹脂との配合割合は任意に調製し得るが、一般
に、重量%で炭素繊維:マトリクス樹脂=30〜80:
20〜70の範囲が良く、好ましくは40〜75:25
〜60である。炭素繊維の割合が30重量%未満では、
マトリクス樹脂を硬化して繊維強化複合樹脂層4を繊維
強化複合樹脂材料としたときに、炭素繊維での強化によ
る複合樹脂材料の強度が不十分となり、逆に80重量%
を超えるとマトリクス樹脂が少なすぎて、複合樹脂材料
のマトリクス樹脂による強度が十分とならない虞があ
る。
【0024】本発明において、複合プリプレグ1に金属
箔層2を設けたのは、通常のプリプレグと共に複合プリ
プレグ1を使用して、得られる釣り竿に曲げ強度等の機
械的強度を付与するためである。
【0025】このような金属箔層2には、箔状又は薄板
状の金属製シート、或いはパンチングメタル、エキスパ
ンドメタルのような多孔の箔状又は薄板状の金属製メッ
シュ、或いは金属繊維を織った金属繊維シートを用いる
ことができる。
【0026】金属箔層2の厚みは5〜50μmとされ
る。金属箔層2の厚みは5μm未満では薄すぎて、得ら
れる釣り竿の曲げ強度等の機械的強度を向上する効果が
十分に得られない。逆に50μmを超えると厚すぎて、
成形時の作業性が悪くなると共に、釣り竿の重量増が大
きくなりすぎる。
【0027】金属箔層2に使用し得る金属材料として
は、アルミニウム、チタン、鉄、銅、ニッケル、ニクロ
ム、錫、鉛、マグネシウム、金、銀、白金、その他種々
の金属及びこれらの合金がある。例えば昭和アルミニウ
ム株式会社製の厚さ20〜50μmのアルミニウム箔、
或いは竹内金属箔粉工業株式会社製の厚さ5〜30μm
のチタン箔、厚さ15〜50μmのステンレス箔、高強
度スチール箔等が好適に使用できる。
【0028】この金属箔層2の表面には、その上に積層
される樹脂フィルム層3との接着性を強化するために、
機械的、物理的方法による穴開け、筋付け、凹凸の付与
等、表面を粗にする表面加工を予め施すことができる。
或いは重クロム酸カリ(クロメート処理)、重クロム酸
ソーダ、リン酸塩処理(パーカライジング処理)、AC
P法等の化学的方法により、金属箔層2の表面に樹脂フ
ィルム層3の樹脂と作用する官能基を付ける表面処理を
施すことができる。金属箔層2がアルミニウム或いはス
チールからなるときは、陽極酸化を行なうことも有効で
ある。
【0029】本発明において、複合プリプレグ1に上下
の樹脂フィルム層3を設けたのは、樹脂フィルム層3に
よる接着で金属箔層2を複合プリプレグ1に強固に保持
すると共に、釣り竿を製造する際に、積層された通常の
プリプレグと複合プリプレグ1との接着性を確保するた
めであり、更に樹脂フィルム層3により衝撃を吸収させ
るためである。
【0030】これにより、複合プリプレグ1による複合
層に金属箔層2本来の強度が発揮される共に、その複合
層が通常のプリプレグによる繊維強化樹脂材料層と一体
になって補強効果を発揮するので、得られる釣り竿に目
的とする曲げ強度向上等が達成される。更に又樹脂フィ
ルム層3による衝撃の吸収で、釣り竿の耐衝撃性も向上
される。
【0031】このような樹脂フィルム層3としては、ポ
リウレタン樹脂、ナイロン樹脂、変性ナイロン樹脂、ポ
リエチレンテレフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、
ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、エチ
ルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等の熱可塑性樹
脂フィルムを使用することができる。
【0032】このうち樹脂フィルム層3の重要な目的で
ある接着性の向上を大とするために、樹脂フィルム層3
としてはマトリクス樹脂との相溶性の高い樹脂フィルム
を用いることが特に好ましく、例えばマトリクス樹脂に
エポキシ系樹脂等を使用した場合には、ポリウレタン樹
脂フィルム、低融点変性ナイロン樹脂フィルム等がその
例として挙げられる。樹脂フィルムの融点は150℃以
下、好ましくは80〜130℃であることが適当であ
る。樹脂フィルムの融点が150℃を超えると接着性が
十分に得られない。
【0033】樹脂フィルム層3の厚みは5〜100μm
程度必要であり、厚みが5μm未満では薄すぎて、得ら
れる釣り竿に耐衝撃性を十分に付与できないばかりか、
金属箔層2の接着性向上による本来の強度向上を発揮さ
せることができず、釣り竿の強度向上が十分に得られな
い。逆に100μmを超えると厚すぎて、釣り竿の強度
低下が無視し得なくなる。
【0034】複合プリプレグ1の全体の厚みは20〜3
00μmにすることが適当である。複合プリプレグの厚
みが20μm未満では薄すぎて、複合プリプレグの製造
が困難であるばかりか、釣り竿を作成するのに使用する
には実用的でない。又厚みが300μmを超えると厚す
ぎて、成形性良く釣り竿を作成することが難しくなる。
【0035】本複合プリプレグ1は、任意の方法にて製
造し得るが、繊維強化複合樹脂層4として一方向に配列
した炭素繊維7同士の間にマトリクス樹脂を含浸したプ
リプレグを使用し、そのプリプレグ上に樹脂フィルムを
貼り付けて樹脂フィルム層3を形成した後、その樹脂フ
ィルム層3上に金属製シート、メッシュ又は金属繊維シ
ートを例えばローラ等で押付けて貼り付けることにより
金属箔層2を形成し、更にその上に上記と同じ様に樹脂
フィルム層3を形成することにより、好適に製造するこ
とができる。しかし、これに限定されるものではなく、
例えば独立に樹脂フィルム層3及びこれを貼りつけたプ
リプレグを作成して、金属製シート又はメッシュに接着
剤等で後から接着して、複合プリプレグ1を得ても良
い。
【0036】このような複合プリプレグ1を最外層に1
〜2層巻き付けて製造された釣り竿によれば、軽量であ
るばかりでなく、単層〜複数層に積層された複合プリプ
レグ1による複合層1′の繊維強化複合樹脂材料の層と
層との間に金属箔層2を備えているので、曲げ強度が大
幅に向上し又耐衝撃性も改善される。
【0037】以上では、繊維強化複合材料製の釣り竿に
複合層1′を形成するために複合プリプレグ1を使用し
たが、必ずしも初めから金属箔層2、上下の樹脂フィル
ム層3、3及び繊維強化複合樹脂層4の全てを備えた複
合プリプレグ1という形で使用する必要はない。例えば
複合プリプレグ1から上の樹脂フィルム層3をなくし
て、繊維強化複合樹脂層4、下の樹脂フィルム層3及び
金属箔層2を重ね合わせた形で用いて、通常のプリプレ
グ上に積層してもよく、上の樹脂フィルム層3は、その
積層時に樹脂フイルムを別途用いて金属箔層2上に積層
すればよい。
【0038】図7は、本発明で使用する複合プリプレグ
の他の態様を示す断面図である。本実施態様の複合プリ
プレグ1は、図6の複合プリプレグ1において、繊維強
化複合樹脂層4の代わりに、強化繊維を有さない単なる
樹脂からなる樹脂層4′を設けたことが特徴である。
【0039】本態様の複合プリプレグ1によっても、こ
れを通常の炭素繊維プリプレグ等と組合せ使用して製造
された釣り竿は、同様に、単層〜複数層に積層された繊
維強化複合樹脂材料の層と層の間に金属箔層2が存在す
るので、軽量且つ曲げ強度が高く、耐衝撃性も良好であ
るという優れた効果が奏される。
【0040】図8は、本発明で使用する複合プリプレグ
の更に他の態様を示す断面図である。本実施態様の複合
プリプレグ1は、金属箔層2の表面に予めリン酸塩処理
又はクロメート処理を施したことが特徴である。
【0041】前述した様に、金属箔層2の樹脂フィルム
層3との接着性を高める方法は種々あるが、その中でリ
ン酸塩処理又はクロメート処理は、処理方法が比較的簡
便で且つ金属箔層2に樹脂フィルム層3との高い接着性
が得られることから特に好ましい。
【0042】本態様の複合プリプレグ1によれば、リン
酸塩処理又はクロメート処理により金属箔層2の表面上
に金属塩被膜2aが形成され、その金属塩被膜2aによ
って金属箔層2の樹脂フィルム層3との接着性が高めら
れる。
【0043】リン酸塩処理としては、金属箔層2を構成
する金属箔にアルミニウム、亜鉛、チタン等を使用する
場合は、リン酸亜鉛系、リン酸マンガン系のいずれのリ
ン酸塩処理を使用することができる。金属箔層2が鉄の
場合は、上記のリン酸亜鉛系、リン酸マンガン系の処理
に加えて、更にリン酸鉄系のリン酸塩処理を使用するこ
とができる。これらリン酸塩処理の液組成、PH、処理
温度、処理時間等の処理条件は、通常の条件で行なうこ
とができるが、金属薄層2の樹脂フィルム層3との接着
性の向上という観点から、使用する金属箔の種類等に応
じて適宜決定すれば良い。
【0044】具体的には、リン酸塩処理により金属薄層
2の表面上に被膜量0.2〜10g/m2 の金属塩被膜
が形成されるように、リン酸塩処理を行なうことが好ま
しい。金属塩被膜の量が0.2g/m2 未満では、金属
薄層2の表面に金属塩被膜が形成されたことによる接着
性向上に寄与する改質効果が十分でなく、金属薄層2の
樹脂フィルム層3との接着強度が高くならない。逆に金
属塩被膜の量が10g/m2 を超えると金属塩被膜が厚
くなり過ぎて、これが原因で金属薄層2の樹脂フィルム
層3との接着強度が低下する。従ってリン酸塩処理によ
り形成される金属塩被膜の量は、0.2〜10g/m
2 、好ましくは0.5〜3.0g/m2 の範囲がよい。
【0045】クロメート処理としては、鋼板等の表面処
理に用いるクロメート処理を、金属箔の種類によらずに
ほぼ全てに対して使用することができる。同様に、クロ
メート処理の液組成、PH、処理温度、処理時間等の処
理条件は、通常の条件で行なうことができるが、金属箔
層2の樹脂フィルム層3との接着性の向上の目的から、
使用する金属箔の種類等を勘案して適宜決定すれば良
い。具体的には、クロメート処理により金属箔層2の表
面上に、リン酸塩処理のときと同様、被膜量0.01〜
0.15g/m2 の金属塩被膜(クロメート被膜)が形
成されるように、行なうことが好ましい。
【0046】このような複合プリプレグ1を、図1に示
す実施例のときと同様、最外層に1〜2層巻き付けて製
造された釣り竿によれば、単層〜複数層に積層された複
合プリプレグ1による複合層1′の繊維強化樹脂材料の
層と層の間に金属箔層2を備え、然もその金属箔層2の
表面にリン酸塩処理又はクロメート処理により金属塩被
膜2aを形成していて樹脂フィルム層3との接着性が高
くなっているので、金属箔層2を複合化したことによる
機械的強度向上効果が更に発揮され、曲げ強度及び耐衝
撃性がより一層向上する。
【0047】以上の実施例では、いずれも、強化繊維7
を炭素繊維とした複合プリプレグ1を用いたが、強化繊
維7としては、ボロン繊維、ガラス繊維、アルミナ繊
維、炭化珪素繊維、窒化珪素繊維等の無機繊維;アラミ
ド繊維、ポリアリレート繊維、ポリエチレン繊維等の有
機繊維;或いはチタン繊維、アモルファス繊維、ステン
レススチール繊維等の金属繊維などを任意に使用するこ
とができる。又強化繊維7を一方向配列としたが、強化
繊維7は2方向以上の配列にしてもよく、クロスになっ
ていても構わない。
【0048】更に繊維強化複合樹脂層3に強化繊維7と
して炭素繊維の他にこれと異種の繊維を用い、強化繊維
をハイブリッド化した態様の複合プリプレグを用いるこ
ともできる。
【0049】異種繊維としては、物性の異なる炭素繊維
以外に、ボロン繊維、ガラス繊維、アルミナ繊維、炭化
珪素繊維、窒化珪素繊維等の無機繊維;アラミド繊維、
ポリアリレート繊維、ポリエチレン繊維等の有機繊維;
或いはチタン繊維、アモルファス繊維、ステンレススチ
ール繊維等の金属繊維などを任意に使用することができ
る。
【0050】本発明を具体的な実施例に基づき更に説明
する。
【0051】本発明に従い複合プリプレグ1を作成し、
それを通常のプリプレグと組み合わせて使用し、釣り竿
を製造した。製造法は次の通りである。
【0052】図3に示すように、釣り竿の型のマンドレ
ル100上に、ストレート層101′用の炭素繊維プリ
プレグ101として、厚さ120μm、樹脂量32%の
PAN系炭素繊維プリプレグ(PAN系炭素繊維:東レ
株式会社製、商品名T−300)を4層巻き付け、その
上に、図1に示すように、本発明の複合プリプレグ1を
2層巻き付け、更にその上にクロス層或いは90°層1
02′用の炭素繊維プリプレグ102として、上記と同
じPAN系炭素繊維プリプレグを4層巻き付けた。次い
でポリプロピレンの延伸テープでテーピングをして加熱
硬化し、その後研摩等の所定の仕上げを行なって、釣り
竿を作成した。
【0053】本発明の複合プリプレグ1としては、図6
に示した金属箔層2に何らの化成処理を施さない場合
(実施例1〜6)、及び図8に示したリン酸塩処理又は
クロメート処理を施した場合(実施例7〜11)の3つ
を試した。
【0054】上記のPAN系炭素繊維プリプレグ、Eガ
ラス及び複合プリプレグ1のマトリクス樹脂には、エポ
キシ樹脂を用いた。複合プリプレグ1の金属箔層2に
は、竹内金属箔粉工業株式会社製の厚さ20μmのステ
ンレス箔、厚さ20μmのチタン箔及び厚さ20μmの
アルミニウム箔を用いた。樹脂フィルム層3には、厚さ
30μmのポリウレタン樹脂フィルム及び厚さ30μm
の変性ナイロン樹脂フィルムを用いた。
【0055】比較のために、本発明の条件を外れる複合
プリプレグを作成し、上記と同様にして釣り竿を製造し
た(比較例1)。又本発明の複合プリプレグ1を巻き付
けずに、その代わりにストレート層101′用の炭素繊
維プリプレグ101を2層増して6層巻き付けて、釣り
竿を製造した(比較例2)。
【0056】得られた結果を表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】表1において、記号の◎は非常に良好、○
は良好、△はやや劣る、×は劣るを示す。
【0059】表1に示されるように、通常のプリプレグ
に複合プリプレグを組合せた実施例1〜6では、単層〜
複数層に積層された複合プリプレグ1による複合層1′
が金属箔層2を備えており、且つその金属箔層2との接
着性を両側の樹脂フィルム層3で高くしているので、釣
り竿の曲げ強度が大幅に向上し又耐衝撃性も改善され
た。
【0060】これに対し比較例1〜2では、金属箔層を
使用していないか、使用しても樹脂フィルム層による金
属箔層の接着性の向上を図っていないので、得られた釣
り竿は、曲げ強度若しくは耐衝撃性の少なくともいずれ
かが劣る結果となった。
【0061】更に実施例7〜11によれば、複合プリプ
レグ1の金属箔層2に予めリン酸塩処理等を行なって、
金属箔層2の樹脂フィルム層3との接着性を高くしてい
るので、金属箔層を複合化したことによる複合プリプレ
グの性能がより一段と発揮され、その結果、得られた釣
り竿は曲げ強度及び耐衝撃性がより一層向上した。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、複数
層の繊維強化複合樹脂材料層からなる釣り竿において、
複数層の繊維強化複合樹脂材料層の層と層の間、最外層
又は最内層の少なくともいずれかに1層以上の複合層を
積層し、その複合層を、金属箔層の両側に樹脂フィルム
層を積層し、その少なくも一方の樹脂フィルム層上に強
化繊維を有し又は有さない樹脂層を積層した構成にした
ので、軽量で且つ曲げ強度及び耐衝撃性が改善された釣
り竿が得られる。又金属箔層の表面に予めリン酸塩処理
又はクロメート処理を施した複合プリプレグを用いた場
合には、釣り竿の曲げ強度及び耐衝撃性が更に向上す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の釣り竿の一実施例を示す断面図であ
る。
【図2】本発明の釣り竿の他の実施例を示す断面図であ
る。
【図3】釣り竿の製造方法を示す説明図である。
【図4】釣り竿の製造に使用するプリプレグを示す平面
図である。
【図5】従来の釣り竿を示す断面図である。
【図6】本発明で使用する複合プリプレグを示す断面図
である。
【図7】本発明で使用する複合プリプレグの他の態様を
示す断面図である。
【図8】本発明で使用する複合プリプレグの更に他の態
様を示す断面図である。
【符号の説明】
1 複合プリプレグ 1′ 複合層 2 金属箔層 2a 金属塩被膜 3 樹脂フィルム層 4 繊維強化複合樹脂層 7 強化繊維 101′ ストレート層 102′ クロス層又は90°層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数層の繊維強化複合樹脂材料層からな
    る釣り竿において、前記複数層の繊維強化複合樹脂材料
    層の層と層の間、最外層又は最内層の少なくともいずれ
    かに1層以上の複合層を積層し、前記複合層は、金属箔
    層の両側に樹脂フィルム層を積層し、その少なくも一方
    の樹脂フィルム層上に強化繊維を有し又は有さない樹脂
    層を積層してなることを特徴とする釣り竿。
JP4359046A 1992-12-25 1992-12-25 釣り竿 Pending JPH06189653A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH105686A (ja) * 1996-06-27 1998-01-13 Daiwa Seiko Inc 釣り・スポーツ用具用部材
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JP2005124584A (ja) * 2005-01-04 2005-05-19 Daiwa Seiko Inc 釣り・スポーツ用具用部材

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