JPH105686A - 釣り・スポーツ用具用部材 - Google Patents

釣り・スポーツ用具用部材

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JPH105686A
JPH105686A JP8167559A JP16755996A JPH105686A JP H105686 A JPH105686 A JP H105686A JP 8167559 A JP8167559 A JP 8167559A JP 16755996 A JP16755996 A JP 16755996A JP H105686 A JPH105686 A JP H105686A
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JP
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film
main body
color
thickness
fishing
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Application number
JP8167559A
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English (en)
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Hiroyasu Suzue
浩康 鈴江
Mamoru Koike
守 小池
Eiji Sugaya
英二 菅谷
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Globeride Inc
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Daiwa Seiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、軽量で、しかも優れた外観を有する
釣り・スポーツ用具用部材を提供することを目的とす
る。 【解決手段】部材本体と、前記部材本体上に直接または
中間層を介して形成された金属膜と、前記金属膜の外側
に形成されており、入射光のうち特定範囲の波長領域の
成分のみを透過または反射する単一色発色被膜とを具備
することを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、釣り用具や、ゴル
フ用具、スキー用具、テニス用具等のスポーツ用具用の
部材に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】釣り用具や、ゴルフ用
具、スキー用具、テニス用具等のスポーツ用具について
は、その機能や特性を向上させると共に、軽量化を実現
させる傾向にある。一方、上記釣り用具やスポーツ用具
には、使用者の趣味に訴えるために、様々な装飾が施さ
れる。このため、これらの部材には、優れた外観を示す
ように、種々の塗装等が施される。近年、釣り用具やス
ポーツ用具の軽量化に伴い、部材重量における塗装層の
割合が大きくなってきている。具体的には、釣り竿にお
いては、竿管重量における塗装層の重量が5〜10%以
上を占める程度に上がってきている。このため、塗装層
や装飾層は、上述した釣り用具やスポーツ用具の軽量化
を妨げる大きな原因となっている。
【0003】このように、優れた外観を有し、しかも軽
量である釣り用具やスポーツ用具が望まれているが、そ
の要求を充分に満足することはできていない。本発明は
かかる点に鑑みてなされたものであり、軽量で、しかも
優れた外観を有する釣り・スポーツ用具用部材を提供す
ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、部材本体と、
前記部材本体上に直接または中間層を介して形成された
金属膜と、前記金属膜の外側に形成されており、入射光
のうち特定範囲の波長領域の成分のみを透過または反射
する単一色発色被膜とを具備することを特徴とする釣り
・スポーツ用具用部材を提供する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の釣り・スポーツ用具用部
材は、部材本体と、前記部材本体上に直接または中間層
を介して形成された膜(金属膜やセラミックス膜)と、
前記膜の外側に形成されており、入射光のうち特定範囲
の波長領域の成分のみを透過または反射する単一色発色
被膜とを具備することを特徴としている。
【0006】上記構成の釣り・スポーツ用具用部材にお
いて、部材本体は、ポリアミド樹脂、ガラス繊維強化ポ
リアミド樹脂、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン
−スチレン)樹脂、ガラス繊維強化ABS樹脂、ポリカ
ーボネート樹脂等の合成樹脂;炭素繊維、ガラス繊維、
アルミナ繊維、アラミド繊維等の強化繊維にエポキシ樹
脂、フェノール樹脂、ポリエステル等の合成樹脂を含浸
させた繊維強化プリプレグ;アルミニウム合金、マグネ
シウム合金、チタン合金等の金属;酸化ジルコニウム、
酸化アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等のセラミ
ックス等を用いることができる。
【0007】部材本体上に直接または中間層を介して形
成された膜は、具体的には金属膜やセラミックス膜を意
味し、金属やセラミックスの光反射率を利用して外観と
して現れる色の明度や彩度を調整し、また部材本体や下
地層を隠蔽するものである。金属膜を構成する金属とし
ては、Al,Cu,Ag,Mg,In,Cr,Si,N
i,Au,Rh,Pt等を挙げることができる。セラミ
ックス膜を構成するセラミックスとしては、TiN,T
iC,CrCN,TiAlN,DLC(ダイヤモンドラ
イクカーボン),Al23 ,SiC,Si34 ,Z
rC等を挙げることができる。例えば、金属膜を構成す
る材料としてCr、ステンレス鋼、Ni等を用いること
により、外観として現れる色を塗装層だけで得られる色
よりも明るくすることができ、しかも耐食性を向上させ
ることができる。
【0008】金属膜は、これらの材料からなる複数の膜
で構成しても良い。複数の膜を組み合わせることによ
り、種々の色あいを表わし易くすることができる。例え
ば、外観において青系の色を表わす場合には、部材本体
上に直接または中間層を介してNi膜、Ti膜の順で金
属膜を形成することが好ましく、外観において黄系の色
を表わす場合には、部材本体上に直接または中間層を介
してCr膜、Ti膜の順で金属膜を形成することが好ま
しい。これにより、鮮やかな青色もしくは黄色を現すこ
とができる。
【0009】また、金属膜の厚さは、輝きのある発色を
得るため、または下地を隠蔽することを考慮して、2n
m〜20μmであることが好ましく、特に、2〜50n
mであることが好ましい。
【0010】単一色発色被膜は、入射光のうち特定範囲
の波長領域の成分のみを透過または反射する特性を有す
る。すなわち、この被膜は、複色光を入射して単一色
(同一系統の色調)を発する特性を有する。具体的に
は、白色光のような複色光を入射して、青色、青紫色、
緑色、黄緑色、黄色、赤色、ピンク色等の単一色を発す
る。これらの色相は、被膜の厚さを調整することにより
変えることができる。特に、波長450〜490nmの
青色や波長560〜590nmの黄色は、膜厚のバラツ
キに敏感に反応せず、安定して単一色となる。
【0011】単一色発色被膜を構成する材料としては、
SiO、SiO2 、In23 、TiO2 、SnO2
MgF2 、Al23 、Cr23 、ZnS等を挙げる
ことができる。単一色発色被膜は、これらの材料からな
る複数の膜で構成しても良い。なお、単一色発色被膜
は、特定波長の成分のみを反射させて色を現すので、そ
の材料は、透明または半透明であることが好ましい。
【0012】単一色発色被膜の厚さは、外観として得た
い色の波長の1/4光学膜厚の奇数倍を屈折率で除した
値、すなわち(2m+1)・λ/4=nd(λ:波長、
n:屈折率、d:膜厚、m:整数)を満足するように設
定することが好ましい。これにより、干渉効果が強ま
り、発色が鮮やかになる。例えば、波長450〜490
nmの青色を発色させる場合には、ndがλ/4である
112.5〜122.5nmの奇数倍であることが好ま
しく、波長560〜590nmの黄色を発色させる場合
には、ndがλ/4である140〜147.5nmの奇
数倍であることが好ましく、波長700nm程度の赤色
を発色させる場合には、ndがλ/4である約175n
mの奇数倍であることが好ましい。
【0013】また、単一色発色被膜の厚さが外観として
得たい色の波長の1/2光学膜厚の偶数倍を屈折率で除
した値、すなわち2m・λ/2=ndを満足するように
設定しても良い。これにより、干渉効果が打ち消され、
下地の色が得られ易くなり、くすんだ色を表すことがで
き、味わい深い外観を示すことができる。
【0014】また、単一色発色被膜は、ほぼ均一な厚さ
で、すなわち厚さのバラツキが5〜50nmで形成する
ことが好ましい。このように単一色発色被膜の厚さのバ
ラツキを調整することにより、複色光を入射して単一色
を発することができ、外観において干渉による虹色は現
れない。
【0015】上記金属膜やセラミックス膜および単一色
発色被膜を形成する方法としては、真空蒸着法、スパッ
タリング法、イオンプレーティング法等のPVD(物理
的気相成長)法や、P−CVD(プラズマCVD)、M
OCVD(有機金属CVD)法等のCVD(化学的気相
成長)法、湿式メッキ法等を挙げることができる。
【0016】部材本体と金属膜やセラミックス膜との間
には、塗装層、印刷層等の中間層を設けても良く、金属
膜と単一色発色被膜との間には、合成樹脂、無機物等か
らなる保護層、プライマー層、凹凸模様層等の中間層を
設けても良い。
【0017】さらに、単一色発色被膜上には、SiO、
SiO2 、MgF2 、AlF3 、BaF2 、CaF2
ZrO2 、ポリシロキサンやポリジメチルシロキサンの
ような有機ケイ素化合物、ポリテトラフルオロエチレン
やパーフルオロアルキルアクリレートのようなフッ素樹
脂等からなる透明または半透明の保護層、すなわち耐摩
耗性、撥水性、耐擦傷性等の機能を付与する層等を設け
ても良い。この場合、保護層の厚さは、前記機能の発現
や単一色発色被膜の色に影響を与えないことを考慮する
と、2〜500nmであることが好ましい。
【0018】また、部材本体上にTiC、TiN、Si
C、Al23 、CrCN、TiAlN、Si34
ZrC、DLC等のセラミックスからなる硬質保護層を
部材本体上に直接または塗装層、印刷層等の中間層を介
して設けても良い。これにより、薄い保護層で耐摩耗性
を向上させることができる。
【0019】なお、上記保護層は、上記PVD法やCV
D法等により形成することができる。以下、本発明の実
施の形態を図面を参照して具体的に説明する。 (第1の実施形態)図1は本発明の釣り・スポーツ用具
用部材の一実施形態を示す断面図である。図中1は釣り
・スポーツ用具用部材の部材本体を示す。なお、部材本
体1の形状・寸法には特に制限はない。
【0020】例えば、部材本体1として、繊維強化プリ
プレグを巻回した竿管を用いる場合、繊維強化プリプレ
グの巻回した後にその表面を研磨すると、図1に示すよ
うに、目残りとして、繊維強化プリプレグの端部で構成
された角部1aが形成される。この角部1aは、外観に
おいて素地の感じの印象を与えるという役割を果たす。
【0021】この部材本体1上には、ほぼ均一な膜厚で
ある金属膜2が形成されている。これにより、部材本体
1を隠蔽することができる。また、金属膜2により、部
材本体1の耐候性を向上させたり、蓄熱防止効果を付与
することができる。
【0022】このような構成にすることにより、軽量
で、しかも外観に優れた釣り・スポーツ用具用部材を得
ることができる。 (第2の実施形態)図2は本発明の釣り・スポーツ用具
用部材の他の実施形態を示す断面図である。この実施形
態では、部材本体1上に、得たい色の波長の1/4光学
膜厚の奇数倍を屈折率で除した値の厚さを有する単一色
発色被膜3が形成されている。この単一色発色被膜3の
竿管全長における厚さのバラツキは、単一色を発色させ
るために、5〜50nmに設定することが好ましい。こ
の場合にも、目残りとして、繊維強化プリプレグの端部
で構成された角部1aが形成される。
【0023】上記構成を有する竿管においては、角部1
aが存在することにより、素地の感じを表現することが
でき、均一な膜厚の単一色発色被膜3により所望の色
(略均一な色調の干渉色)を現すことができる。すなわ
ち、素地の感じを残した単一の有色外観を実現すること
ができる。
【0024】図1および図2においては、部材本体1上
に直接金属膜2または単一色発色被膜3を形成した場合
について説明しているが、第1および第2の実施形態は
これに限定されず、部材本体1上に、隠蔽性を有する
膜、塗装層、陽極酸化膜、湿式メッキ膜、ドライコーテ
ィング膜、化成処理膜等の中間層を介して金属膜2また
は単一色発色被膜3を形成した場合にも適用することが
できる。
【0025】また、図1および図2においては、素地の
影響を現すために、部材本体1として角部1aを有する
ものを用いているが、角部1aを有しない平坦な部材本
体上に金属膜2または単一色発色被膜3を形成しても第
1および第2の実施形態と同様の効果を発揮することが
できる。 (第3の実施形態)図3は本発明の釣り・スポーツ用具
用部材の他の実施形態を示す断面図である。図3中部材
本体1としては、第1および第2の実施形態において使
用するものと同じものを用いることができる。
【0026】部材本体1上には、被膜4が形成されてい
る。この被膜4は、高屈折率膜H1、H2 、H3 と、低
屈折率膜L1 、L2 、L3 とが交互に積層されて構成さ
れている。この積層膜において、それぞれの膜の材質と
厚さは現す色の色調に影響を与え、高屈折率膜の屈折率
b と低屈折率膜の屈折率na との比nb /na は色の
鮮やかさ(彩度)に影響を与え、膜数およびnb /na
は色の明度に影響を与える。したがって、外観として現
したい色に対応して、積層膜のそれぞれの膜の厚さ、膜
の数、膜の材質を適宜選択する。
【0027】高屈折率膜H1 、H2 、H3 および/また
は低屈折率膜L1 、L2 、L3 のそれぞれの膜厚は、膜
厚と膜の屈折率との積が外観として現したい色の波長の
1/4光学膜厚の奇数倍となるように設定する。また、
それぞれの膜は、部材本体全長にわたって厚さのバラツ
キが5〜50nmになるように設定することが好まし
い。これにより、被膜4が単一色を発色させることがで
きる。特に、高屈折率膜(H1 、H2 、H3 …Hn )と
低屈折率膜(L1 、L2 、L3 …Ln )の屈折率の比n
b /na が大きく、さらに高屈折率膜と低屈折率膜の積
層回数が多いほど(高屈折率膜と低屈折率膜との間の界
面が多いほど)、以下の式1により、外観において現し
たい色の成分が強調され、鮮やかに現れる。
【0028】
【数1】
【0029】高屈折率膜H1 、H2 、H3 の材質として
は、TiO2 、ZrO2 、CeO2、Bi23 、In2
3 、Fe23 、ZnS等の誘電体等を用いること
ができ、低屈折率膜L1 、L2 、L3 の材質としては、
SiO2 、SiO、MgF2、AlF3 、BaF2 、C
aF2 等の誘電体等を用いることができる。高屈折率膜
1 、H2 、H3 においては、すべて同じ材質で構成し
ても良く、異なる材質で構成しても良い。低屈折率膜L
1 、L2 、L3 についても同様である。
【0030】高屈折率膜H1 、H2 、H3 および低屈折
率膜L1 、L2 、L3 の膜数は、経済性や干渉効果を考
慮すると、3〜15であることが好ましい。高屈折率膜
1 、H2 、H3 および低屈折率膜L1 、L2 、L3
ような極薄い膜、数オングストロームの膜厚の膜は、上
述したPVD法やCVD法等の方法により精度良く形成
することができる。
【0031】また、被膜4全体としての膜厚としては、
密着性や耐摩耗性を考慮して、40〜500nmである
ことが好ましい。このような構成においては、被膜4に
おいて、外観として現したい色を効率良く現すことがで
きる。例えば、高屈折率膜H1 、H2 、H3 として、厚
さ40nmのTiO2 膜を用い、低屈折率膜L1 、L
2 、L3 として、厚さ50nmのSiO2 膜を用いるこ
とにより、特定波長約430nmの青色を外観において
鮮やかに現すことができる。また、被膜4の厚さのバラ
ツキが20nm程度であれば、安定して単一色を発色す
ることができる。
【0032】図3における被膜4は、部材本体1に直接
形成しても良く、光学的特性の異なる膜を交互に積層し
た膜をあらかじめ作製しておき、これを部材本体1上に
貼着しても良く、部材本体1上に塗装層、陽極酸化膜、
湿式メッキ膜、ドライコーティング膜、化成処理膜等の
中間層を介して形成しても良い。
【0033】図3においては、屈折率が異なる膜を積層
した場合について説明しているが、本実施形態は、N
i,Cr,Al等からなる金属膜等の光学的特性の異な
る膜を積層した場合にも適用することができる。
【0034】また、図3においては、複数の膜を積層し
て被膜4を構成した場合について説明しているが、本実
施形態は、単一の被膜内において光学的特性が異なる領
域が交互に重なり合った場合(膜の界面がない場合)に
ついても適用することができる。
【0035】また、第3の実施形態においては、外観と
して現したい色の成分以外の成分を効率良く吸収して、
特定の色が外観に明確に現れるように、部材本体1は光
吸収性を示す、例えば黒色であることが好ましい。ただ
し、逆に、色をぼかしたい時には、部材本体1は光反射
性を示すような白色系(シルバー系を含む)であること
が好ましい。 (第4の実施形態)図4は本発明の釣り・スポーツ用具
用部材の他の実施形態を示す断面図である。図4中部材
本体1としては、第1および第2の実施形態において使
用するものと同じものを用いることができ、被膜4は第
3の実施形態と同様である。
【0036】本実施形態においては、部材本体1と被膜
4との間に金属膜5が設けられている。この金属膜5
は、可視領域での反射により外観として現れる色の明度
に影響を与える。したがって、外観として現したい色に
対応して金属膜5の材質を適宜選択する。例えば、金属
膜5の材質として可視領域での反射率が高いもの(A
l,Ag等)を選択することにより外観は明るくなり、
金属膜5の材質として可視領域での反射率が低いものを
選択することにより外観は暗くなる。
【0037】この場合においても、被膜4の厚さのバラ
ツキが20nm程度であれば、安定して単一色を発色す
ることができる。また、図4における被膜4は、第3の
実施形態と同様に、部材本体1に直接形成しても良く、
光学的特性の異なる膜を交互に積層した膜をあらかじめ
作製しておき、これを部材本体1上に貼着しても良く、
部材本体1上に塗装層、陽極酸化膜、湿式メッキ膜、ド
ライコーティング膜、化成処理膜等の中間層を介して形
成しても良い。 (第5の実施形態)図5は本発明の釣り・スポーツ用具
用部材の他の実施形態を示す断面図である。図5中部材
本体1としては、第1および第2の実施形態において使
用するものと同じものを用いることができ、被膜4は第
3の実施形態と同様である。
【0038】本実施形態においては、被膜4上に保護層
6が設けられている。この保護層6は、被膜4で発色し
た所望の色を損なうことなく、被膜4を保護する透明ま
たは半透明の膜である。すなわち、この保護層6は、以
下の式2に基づいて膜厚を設定することにより、光の反
射率を極小にすることができ、被膜4で得られた所望の
色を損なうことなく、被膜4を保護することができる。
【0039】
【数2】
【0040】さらに、保護層6を多層構造にすることに
より、広い範囲の波長領域で反射率を極小とすることが
でき、被膜4で得られた所望の色をさらに損なうことな
く、しかも保護することができる。
【0041】この場合においても、被膜4の厚さのバラ
ツキが20nm程度であれば、安定して単一色を発色す
ることができる。また、図5における被膜4は、第3の
実施形態と同様に、部材本体1に直接形成しても良く、
光学的特性の異なる膜を交互に積層した膜をあらかじめ
作製しておき、これを部材本体1上に貼着しても良く、
部材本体1上に塗装層、陽極酸化膜、湿式メッキ膜、ド
ライコーティング膜、化成処理膜等の中間層を介して形
成しても良い。
【0042】上記実施形態においては、上述したよう
に、所望の色を現すために、部材本体1の表面は平滑で
あることが好ましい。ここでいう平滑とは、部材本体1
の表面自体が滑らかであることを意味し、部材本体1が
角部1aを有することとは無関係である。また、単一色
発色被膜や高屈折率膜および低屈折率膜は非常に薄い膜
であるので、下地の形状に追従する。このため、どの方
向からも単一色が発色するような外観を得るためには、
これらの薄膜の下地を平滑にしておくことが好ましい。
なお、例えば、#600の研磨体を用いた研磨やツヤ消
し塗装を施して、1〜10μm程度の細かい凹凸を部材
全体にわたって設けた場合も、ここでいう平滑に含まれ
る。この場合、発色される単一色は淡く、やわらかい色
あいとなる。
【0043】また、上記実施形態においては、特定の色
が明確に現れるように、部材本体1は遮光性を示す、例
えば黒色であることが好ましい。上記実施形態において
は、釣り・スポーツ用具用部材の部材本体が、繊維強化
プリプレグを巻回してなる竿管である場合について説明
しているが、本発明はこれに限定されず、部材本体が他
の釣り・スポーツ用具用部材である場合にも同様に適用
することができる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように本発明の釣り・スポ
ーツ用具用部材は、部材本体と、前記部材本体上に直接
または中間層を介して形成された金属膜と、前記金属膜
の外側に形成されており、入射光のうち特定範囲の波長
領域の成分のみを透過または反射する単一色発色被膜と
を具備するので、軽量で、しかも優れた外観を有するも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の釣り・スポーツ用具用部材の一実施形
態を示す断面図。
【図2】本発明の釣り・スポーツ用具用部材の他の実施
形態を示す断面図。
【図3】本発明の釣り・スポーツ用具用部材の他の実施
形態を示す断面図。
【図4】本発明の釣り・スポーツ用具用部材の他の実施
形態を示す断面図。
【図5】本発明の釣り・スポーツ用具用部材の他の実施
形態を示す断面図。
【符号の説明】
1…部材本体、1a…角部、2,5…金属膜、3…単一
色発色被膜、4…被膜、6…保護層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02B 5/30 A01K 87/00 630N

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 部材本体と、前記部材本体上に直接また
    は中間層を介して形成された膜と、前記膜の外側に形成
    されており、入射光のうち特定範囲の波長領域の成分の
    みを透過または反射する単一色発色被膜とを具備するこ
    とを特徴とする釣り・スポーツ用具用部材。
JP8167559A 1996-06-27 1996-06-27 釣り・スポーツ用具用部材 Pending JPH105686A (ja)

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Cited By (5)

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