JPH06190087A - ラケットフレーム - Google Patents

ラケットフレーム

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JPH06190087A
JPH06190087A JP4359045A JP35904592A JPH06190087A JP H06190087 A JPH06190087 A JP H06190087A JP 4359045 A JP4359045 A JP 4359045A JP 35904592 A JP35904592 A JP 35904592A JP H06190087 A JPH06190087 A JP H06190087A
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resin
composite
metal foil
racket frame
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JP4359045A
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English (en)
Inventor
Kanji Miyao
巻治 宮尾
Makoto Takezawa
誠 竹澤
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Tonen General Sekiyu KK
Original Assignee
Tonen Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 軽量で且つ曲げ強度等の機械的強度が向上
し、更には耐衝撃性をも改善したラケットフレームを目
的とする。 【構成】 金属箔層の両側に樹脂フィルム層を積層し、
その一方の樹脂フィルム層上に繊維強化複合樹脂材料層
を積層した複合層1′を、ラケットフレームの外殻成形
材102上に設けた。 【効果】 複合層1′が金属箔層を有しているので、ラ
ケットフレームは軽量で且つ曲げ強度等の機械的強度が
向上し、更には耐衝撃性も改善される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、中心材の周囲に外殻成
形材を設けたテニスラケット或はバドミントンラケット
のような種々のラケットのフレームに関するものであ
り、特に、外殻成形材の最外層などとして、金属箔層を
備えた複合層を積層したラケットフレームに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えばテニスラケット用のフレ−
ムなどは、図2に図示されるように、中心材101と外
殻成形材102とから構成されているが、近年、軽量で
且つ機械的強度が高く、且つ振動減衰特性が良好である
という理由から、外殻成形材102としては、強化繊維
として炭素繊維或いはガラス繊維を用いた繊維強化複合
樹脂材料が使用されている。
【0003】斯る従来のラケットフレ−ムは、例えば硬
質発泡ウレタンなどにて形成された中心材101の回り
に、外殻成形材102を形成するための繊維強化プリプ
レグを所定枚数だけ巻き付け、硬化することによって作
製される。
【0004】このとき、弾性率、曲げ及び耐衝撃性能を
向上させるために、更には、振動減衰特性を改善するた
めに、複数枚の炭素繊維強化プリプレグにて、或いは炭
素繊維強化プリプレグとガラス繊維強化プリプレグとを
重ね合せることによりハイブリッド構造として、外殻成
形材102を構成することが頻繁に行われている。
【0005】このような構成により、ラケットフレーム
の軽量化と共に反発力の向上、折損防止及び振動減衰特
性の増大などが達成されるが、又、一方、最近では、単
に軽量化、機械的特性の増大が要求されるだけではな
く、使用時の感触の向上、更にはファッション性(デザ
イン性)をも要求されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこでプリプレグ等か
らなる繊維強化複合樹脂層をアルミニウムやスチール、
チタン等の金属箔上に接着等により設けて複合化し、こ
の金属箔を複合化した複合プリプレグを外殻成形材の最
外層又は外殻成形材と中心材との間に、単層又は複数層
に巻き付けて使用することが試みられている。
【0007】このように複合プリプレグを使用して得ら
れたラケットフレームによれば、単層〜複数層に積層さ
れた複合プリプレグによる繊維強化複合樹脂材料の層と
層との間に金属箔層を備えるので、ラケットフレームの
曲げ強度及び耐衝撃性が向上し、更に使用時の感触(打
球感)も改善することが期待される。
【0008】しかしながら、従来の複合プリプレグの場
合、金属箔を複合化したことによる機械的強度向上効果
が十分に発揮されず、このため複合プリプレグを外殻成
形材の最外層又はこれと中心材との間に使用して製造し
たラケットフレームは、曲げ強度及び耐衝撃性の向上が
十分でなく、打球感等の使用時の感触の改善も十分でな
い結果に止まっていた。
【0009】強化繊維を有さない単なる樹脂層を金属箔
上に積層した複合プリプレグを使用することも考えられ
ているが、上記と同様、金属箔を複合化したことによる
機械的強度の向上効果が不十分で、同様な問題を生じ
る。
【0010】本発明の目的は、軽量で且つ曲げ強度等の
機械的強度が向上し、更には耐衝撃性をも改善した繊維
強化複合樹脂材料製のラケットフレームを提供すること
である。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的は本発明に係る
ラケットフレームにて達成される。要約すれば本発明
は、中心材の周囲に外殻成形材を設けたラケットフレー
ムにおいて、金属箔層の両側に樹脂フィルム層を積層
し、その少なくも一方の樹脂フィルム層上に強化繊維を
有し又は有さない樹脂層を積層してなる複合層を、前記
外殻成形材の最外層又は前記外殻成形材と中心材との間
の少なくともいずれかに設けたことを特徴とするラケッ
トフレームである。前記金属箔層の表面には、予めリン
酸処理又はクロメート処理を施すことができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明に係るラケットフレームを図面
に則して詳しく説明する。
【0013】図1は、本発明のラケットフレームの一実
施例を示す断面図である。本発明に係るラケットフレー
ムは、図1に図示されるように、好ましくは、硬質発泡
ウレタンなどにて形成された中心材101の回りに、外
殻成形材102を形成するための繊維強化プリプレグを
所定の複数層に巻き付け、その最外層の回りに複合プリ
プレグ1を単層又は複数層に巻き付け、硬化することに
よって作製される。
【0014】つまり、本発明によると、中心材101
と、この中心材101の周囲に設けた外殻成形材102
と、この外殻成形材102の最外層上に設けた金属箔層
を複合化した複合層1′とを備えたラケットフレームが
形成される。図1では、複合層1′は外殻成形材102
の最外層に設けたが、中心材101と外殻成形材102
との間に設けることもでき、更には外殻成形材102の
最外層及び中心材101と外殻成形材102との間に設
けるなど、任意の位置に設けることができる。
【0015】中心材101は、好ましくは、硬質発泡ウ
レタンなどにて形成され、外殻成形材102は、例え
ば、複数枚の炭素繊維強化プリプレグにて形成するか、
或いは炭素繊維強化プリプレグとガラス繊維強化プリプ
レグとを重ね合せることにより、ハイブリッド構造とす
ることができる。
【0016】外殻成形材102として使用される炭素繊
維強化プリプレグ及びガラス繊維強化プリプレグは、通
常のもので良く、それぞれ強化繊維としては炭素繊維
(黒鉛繊維をも含む)及びガラス繊維を使用し、マトリ
クス樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル
樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレ−ト樹脂、フ
ェノ−ル樹脂などの熱硬化性マトリクス樹脂が使用可能
である。又、更に、硬化温度が50〜200℃となるよ
うに硬化剤その他の付与剤、例えば可撓性付与剤などが
適当に添加される。
【0017】次に、本発明の特徴とする複合層1′につ
いて詳しく説明する。図3は、本発明に係る複合層1′
を形成するために使用される複合プリプレグ1である。
【0018】本発明に係る複合プリプレグ1は、基本的
に、金属箔層2の両側に樹脂フィルム層3、3を積層
し、その少なくも一方、図では下の樹脂フィルム層3上
に繊維強化複合樹脂層4を積層してなっている。複合プ
リプレグ1全体は、繊維強化複合樹脂層4を積層した離
型紙5上に支持され、必要に応じて上の樹脂フィルム層
3上に透明のカバーフィルム6が被される。
【0019】繊維強化複合樹脂層4は、一方向に配列さ
れた強化繊維、即ち炭素繊維7の同士の間にマトリクス
樹脂を含浸してなっている。本発明では、この炭素繊維
7は黒鉛繊維をも意味しており、炭素繊維7として黒鉛
繊維を用いることもできる。マトリクス樹脂としては、
エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン
樹脂、ジアリルフタレ−ト樹脂、フェノ−ル樹脂などの
熱硬化性マトリクス樹脂が使用可能である。又、更に、
硬化温度が50〜200℃となるように硬化剤その他の
付与剤、例えば可撓性付与剤などが適当に添加される。
【0020】好ましい一例を挙げれば、マトリクス樹脂
としてはエポキシ樹脂が好ましく、使用可能のエポキシ
樹脂としては、例えば、(1)グリシジルエ−テル系エ
ポキシ樹脂(ビスフェノ−ルA、F、S系エポキシ樹
脂、ノボラック系エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノ−ル
A系エポキシ樹脂);(2)環式脂肪族エポキシ樹脂;
(3)グリシジルエステル系エポキシ樹脂;(4)グリ
シジルアミン系エポキシ樹脂;(5)複素環式エポキシ
樹脂;その他種々のエポキシ樹脂から選択される1種又
は複数種が使用され、特に、ビスフェノ−ルA、F、S
グリシジルアミン系エポキシ樹脂が好適に使用される。
又、硬化剤としてはアミン系硬化剤、例えばジシアンジ
アミド(DICY)、ジアミノフェニルスルフォン(D
DS)、ジアミノジフェニルメタン(DDM);酸無水
物系、例えばヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)、
メチルへキサヒドロ無水フタル酸(MHHPA)などが
使用されるが、特にアミン系硬化剤が好適に使用され
る。
【0021】繊維強化複合樹脂層4の炭素繊維7とマト
リクス樹脂との配合割合は任意に調製し得るが、一般
に、重量%で炭素繊維:マトリクス樹脂=30〜80:
20〜70の範囲が良く、好ましくは40〜75:25
〜60である。炭素繊維の割合が30重量%未満では、
マトリクス樹脂を硬化して繊維強化複合樹脂層4を繊維
強化複合樹脂材料としたときに、炭素繊維での強化によ
る複合樹脂材料の強度が不十分となり、逆に80重量%
を超えるとマトリクス樹脂が少なすぎて、複合樹脂材料
のマトリクス樹脂による強度が十分とならない虞があ
る。
【0022】本発明において、複合プリプレグ1に金属
箔層2を設けたのは、通常のプリプレグと共に複合プリ
プレグ1を使用して、得られるラケットフレームに曲げ
強度等の機械的強度を付与するためである。
【0023】このような金属箔層2には、箔状又は薄板
状の金属製シート、或いはパンチングメタル、エキスパ
ンドメタルのような多孔の箔状又は薄板状の金属製メッ
シュ、或いは金属繊維を織った金属繊維シートを用いる
ことができる。
【0024】金属箔層2の厚みは5〜50μmとされ
る。金属箔層2の厚みは5μm未満では薄すぎて、得ら
れるラケットフレームの曲げ強度等の機械的強度を向上
する効果が十分に得られない。逆に50μmを超えると
厚すぎて、成形時の作業性が悪くなると共に、ラケット
フレームの重量増が大きくなりすぎる。
【0025】金属箔層2に使用し得る金属材料として
は、アルミニウム、チタン、鉄、銅、ニッケル、ニクロ
ム、錫、鉛、マグネシウム、金、銀、白金、その他種々
の金属及びこれらの合金がある。例えば昭和アルミニウ
ム株式会社製の厚さ20〜50μmのアルミニウム箔、
或いは竹内金属箔粉工業株式会社製の厚さ5〜30μm
のチタン箔、厚さ15〜50μmのステンレス箔、高強
度スチール箔等が好適に使用できる。
【0026】この金属箔層2の表面には、その上に積層
される樹脂フィルム層3との接着性を強化するために、
機械的、物理的方法による穴開け、筋付け、凹凸の付与
等、表面を粗にする表面加工を予め施すことができる。
或いは重クロム酸カリ(クロメート処理)、重クロム酸
ソーダ、リン酸塩処理(パーカライジング処理)、AC
P法等の化学的方法により、金属箔層2の表面に樹脂フ
ィルム層3の樹脂と作用する官能基を付ける表面処理を
施すことができる。金属箔層2がアルミニウム或いはス
チールからなるときは、陽極酸化を行なうことも有効で
ある。
【0027】本発明において、複合プリプレグ1に上下
の樹脂フィルム層3を設けたのは、樹脂フィルム層3に
よる接着で金属箔層2を複合プリプレグ1に強固に保持
すると共に、ラケットフレームを製造する際に、積層さ
れた通常のプリプレグと複合プリプレグ1との接着性を
確保するためであり、更に樹脂フィルム層3により衝撃
を吸収させるためである。
【0028】これにより、複合プリプレグ1による複合
層に金属箔層2本来の強度が発揮される共に、その複合
層が通常のプリプレグによる繊維強化樹脂材料層と一体
になって補強効果を発揮するので、得られるラケットフ
レームに目的とする曲げ強度向上等が達成される。更に
又樹脂フィルム層3による衝撃の吸収で、ラケットフレ
ームの耐衝撃性も向上される。
【0029】このような樹脂フィルム層3としては、ポ
リウレタン樹脂、ナイロン樹脂、変性ナイロン樹脂、ポ
リエチレンテレフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、
ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、エチ
ルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等の熱可塑性樹
脂フィルムを使用することができる。
【0030】このうち樹脂フィルム層3の重要な目的で
ある接着性の向上を大とするために、樹脂フィルム層3
としてはマトリクス樹脂との相溶性の高い樹脂フィルム
を用いることが特に好ましく、例えばマトリクス樹脂に
エポキシ系樹脂等を使用した場合には、ポリウレタン樹
脂フィルム、低融点変性ナイロン樹脂フィルム等がその
例として挙げられる。樹脂フィルムの融点は150℃以
下、好ましくは80〜130℃であることが適当であ
る。樹脂フィルムの融点が150℃を超えると接着性が
十分に得られない。
【0031】樹脂フィルム層3の厚みは5〜100μm
程度必要であり、厚みが5μm未満では薄すぎて、得ら
れるラケットフレームに耐衝撃性を十分に付与できない
ばかりか、金属箔層2の接着性向上による本来の強度向
上を発揮させることができず、ラケットフレームの強度
向上が十分に得られない。逆に100μmを超えると厚
すぎて、ラケットフレームの強度低下が無視し得なくな
る。
【0032】複合プリプレグ1の全体の厚みは20〜3
00μmにすることが適当である。複合プリプレグの厚
みが20μm未満では薄すぎて、複合プリプレグの製造
が困難であるばかりか、ラケットフレームを作成するの
に使用するには実用的でない。又厚みが300μmを超
えると厚すぎて、成形性良くラケットフレームを作成す
ることが難しくなる。
【0033】本複合プリプレグ1は、任意の方法にて製
造し得るが、繊維強化複合樹脂層4として一方向に配列
した炭素繊維7同士の間にマトリクス樹脂を含浸したプ
リプレグを使用し、そのプリプレグ上に樹脂フィルムを
貼り付けて樹脂フィルム層3を形成した後、その樹脂フ
ィルム層3上に金属製シート、メッシュ又は金属繊維シ
ートを例えばローラ等で押付けて貼り付けることにより
金属箔層2を形成し、更にその上に上記と同じ様に樹脂
フィルム層3を形成することにより、好適に製造するこ
とができる。しかし、これに限定されるものではなく、
例えば独立に樹脂フィルム層3及びこれを貼りつけたプ
リプレグを作成して、金属製シート又はメッシュに接着
剤等で後から接着して、複合プリプレグ1を得ても良
い。
【0034】このような複合プリプレグ1を外殻成形材
の最外層等に1〜2層巻き付けて製造されたラケットフ
レームによれば、軽量であるばかりでなく、単層〜複数
層に積層された複合プリプレグ1による複合層1′の繊
維強化複合樹脂材料の層と層との間に金属箔層2を備え
ているので、曲げ強度が大幅に向上し又耐衝撃性も改善
される。
【0035】以上では、ラケットフレームに複合層1′
を形成するために複合プリプレグ1を使用したが、必ず
しも初めから金属箔層2、上下の樹脂フィルム層3、3
及び繊維強化複合樹脂層4の全てを備えた複合プリプレ
グ1という形で使用する必要はない。例えば複合プリプ
レグ1から上の樹脂フィルム層3をなくして、繊維強化
複合樹脂層4、下の樹脂フィルム層3及び金属箔層2を
重ね合わせた形で用いて、通常のプリプレグ上に積層し
てもよく、上の樹脂フィルム層3は、その積層時に樹脂
フイルムを別途用いて金属箔層2上に積層すればよい。
【0036】図4は、本発明で使用する複合プリプレグ
の他の態様を示す断面図である。本実施態様の複合プリ
プレグ1は、図3の複合プリプレグ1において、繊維強
化複合樹脂層4の代わりに、強化繊維を有さない単なる
樹脂からなる樹脂層4′を設けたことが特徴である。
【0037】本態様の複合プリプレグ1によっても、こ
れを外殻成形材の最外層等に1〜2層巻き付けて製造さ
れたラケットフレームは、同様に、単層〜複数層に積層
された繊維強化複合樹脂材料の層と層の間に金属箔層2
が存在するので、軽量且つ曲げ強度が高く、耐衝撃性も
良好であるという優れた効果が奏される。
【0038】図5は、本発明で使用する複合プリプレグ
の更に他の態様を示す断面図である。本実施態様の複合
プリプレグ1は、金属箔層2の表面に予めリン酸塩処理
又はクロメート処理を施したことが特徴である。
【0039】前述した様に、金属箔層2の樹脂フィルム
層3との接着性を高める方法は種々あるが、その中でリ
ン酸塩処理又はクロメート処理は、処理方法が比較的簡
便で且つ金属箔層2に樹脂フィルム層3との高い接着性
が得られることから特に好ましい。
【0040】本態様の複合プリプレグ1によれば、リン
酸塩処理又はクロメート処理により金属箔層2の表面上
に金属塩被膜2aが形成され、その金属塩被膜2aによ
って金属箔層2の樹脂フィルム層3との接着性が高めら
れる。
【0041】リン酸塩処理としては、金属箔層2を構成
する金属箔にアルミニウム、亜鉛、チタン等を使用する
場合は、リン酸亜鉛系、リン酸マンガン系のいずれのリ
ン酸塩処理を使用することができる。金属箔層2が鉄の
場合は、上記のリン酸亜鉛系、リン酸マンガン系の処理
に加えて、更にリン酸鉄系のリン酸塩処理を使用するこ
とができる。これらリン酸塩処理の液組成、PH、処理
温度、処理時間等の処理条件は、通常の条件で行なうこ
とができるが、金属薄層2の樹脂フィルム層3との接着
性の向上という観点から、使用する金属箔の種類等に応
じて適宜決定すれば良い。
【0042】具体的には、リン酸塩処理により金属薄層
2の表面上に被膜量0.2〜10g/m2 の金属塩被膜
が形成されるように、リン酸塩処理を行なうことが好ま
しい。金属塩被膜の量が0.2g/m2 未満では、金属
薄層2の表面に金属塩被膜が形成されたことによる接着
性向上に寄与する改質効果が十分でなく、金属薄層2の
樹脂フィルム層3との接着強度が高くならない。逆に金
属塩被膜の量が10g/m2 を超えると金属塩被膜が厚
くなり過ぎて、これが原因で金属薄層2の樹脂フィルム
層3との接着強度が低下する。従ってリン酸塩処理によ
り形成される金属塩被膜の量は、0.2〜10g/m
2 、好ましくは0.5〜3.0g/m2 の範囲がよい。
【0043】クロメート処理としては、鋼板等の表面処
理に用いるクロメート処理を、金属箔の種類によらずに
ほぼ全てに対して使用することができる。同様に、クロ
メート処理の液組成、PH、処理温度、処理時間等の処
理条件は、通常の条件で行なうことができるが、金属箔
層2の樹脂フィルム層3との接着性の向上の目的から、
使用する金属箔の種類等を勘案して適宜決定すれば良
い。具体的には、クロメート処理により金属箔層2の表
面上に、リン酸塩処理のときと同様、被膜量0.01〜
0.15g/m2 の金属塩被膜(クロメート被膜)が形
成されるように、行なうことが好ましい。
【0044】このような複合プリプレグ1を、図1に示
す実施例のときと同様、外殻成形材の最外層に1〜2層
巻き付けて製造されたラケットフレームによれば、単層
〜複数層に積層された複合プリプレグ1による複合層
1′の繊維強化樹脂材料の層と層の間に金属箔層2を備
え、然もその金属箔層2の表面にリン酸塩処理又はクロ
メート処理により金属塩被膜2aを形成していて樹脂フ
ィルム層3との接着性が高くなっているので、金属箔層
2を複合化したことによる機械的強度向上効果が更に発
揮され、曲げ強度及び耐衝撃性がより一層向上する。
【0045】以上の実施例では、いずれも、強化繊維7
を炭素繊維とした複合プリプレグ1を用いたが、強化繊
維7としては、ボロン繊維、ガラス繊維、アルミナ繊
維、炭化珪素繊維、窒化珪素繊維等の無機繊維;アラミ
ド繊維、ポリアリレート繊維、ポリエチレン繊維等の有
機繊維;或いはチタン繊維、アモルファス繊維、ステン
レススチール繊維等の金属繊維などを任意に使用するこ
とができる。又強化繊維7を一方向配列としたが、強化
繊維7は2方向以上の配列にしてもよく、クロスになっ
ていても構わない。
【0046】更に繊維強化複合樹脂層3に強化繊維7と
して炭素繊維の他にこれと異種の繊維を用い、強化繊維
をハイブリッド化した態様の複合プリプレグを用いるこ
ともできる。
【0047】異種繊維としては、物性の異なる炭素繊維
以外に、ボロン繊維、ガラス繊維、アルミナ繊維、炭化
珪素繊維、窒化珪素繊維等の無機繊維;アラミド繊維、
ポリアリレート繊維、ポリエチレン繊維等の有機繊維;
或いはチタン繊維、アモルファス繊維、ステンレススチ
ール繊維等の金属繊維などを任意に使用することができ
る。
【0048】本発明を具体的な実施例に基づき更に説明
する。
【0049】本発明に従い複合プリプレグ1を作成し、
それを通常のプリプレグと組み合わせて使用しラケット
フレームを製造した。
【0050】複合プリプレグ1としては、図3に示した
金属箔層2に何らの化成処理を施さない場合、及び図5
に示したリン酸塩処理又はクロメート処理を施した場合
の3つを試した。製造法は次の通りである。
【0051】図1に示すように、硬質発泡ウレタン製の
中心材101の回りに、外殻成形材102用の繊維強化
プリプレグとして厚さ120μm、樹脂量32%のPA
N系炭素繊維プリプレグ(PAN系炭素繊維:東レ株式
会社製、商品名T−300)を8層巻き付け、その上に
厚さ130μm、樹脂量35%のEガラスを2層巻き付
け、その上に本発明の複合プリプレグ1を2層巻き付け
た。次いでポリプロピレンの延伸テープでテーピングを
して加熱硬化し、その後研摩等の所定の仕上げを行なっ
て、ラケットフレームを作成した。
【0052】本発明の複合プリプレグ1としては、図3
に示した金属箔層2に何らの化成処理を施さない場合
(実施例1〜6)、及び図5に示したリン酸塩処理又は
クロメート処理を施した場合(実施例7〜11)の3つ
を試した。
【0053】複合プリプレグ1の繊維強化複合樹脂層4
には、上記と同じPAN系炭素繊維プリプレグを用い、
又金属箔層2には、竹内金属箔粉工業株式会社製の厚さ
20μmのステンレス箔、厚さ20μmのチタン箔及び
厚さ20μmのアルミニウム箔を用いた。樹脂フィルム
層3には、厚さ30μmのポリウレタン樹脂フィルム及
び厚さ30μmの変性ナイロン樹脂フィルムを用いた。
【0054】比較のために、本発明の条件を外れる複合
プリプレグを作成し、上記と同様にしてラケットフレー
ムを製造した(比較例1)。又本発明の複合プリプレグ
1を巻き付けずに、その代わりに外殻成形材102用に
PAN系炭素繊維プリプレグを2層増して10層巻き付
けて、ラケットフレームを製造した(比較例2)。
【0055】得られたラケットフレームは、機械的特性
の曲げ強度、耐衝撃強度を測定後、実際にネットを張っ
て使用し打球感の検査を実施した。得られた結果を表1
に示す。
【0056】
【表1】
【0057】表1において、記号の◎は非常に良好、○
は良好、△はやや劣る、×は劣るを示す。
【0058】表1に示されるように、通常のプリプレグ
に複合プリプレグを組合せた実施例1〜6では、単層〜
複数層に積層された複合プリプレグ1による複合層1′
が金属箔層2を備えており、且つその金属箔層2との接
着性を両側の樹脂フィルム層3で高くしているので、ラ
ケットフレームの曲げ強度が大幅に向上し又耐衝撃性も
改善された。又使用感も良好であった。
【0059】これに対し比較例1〜2では、金属箔層を
使用していないか、使用しても樹脂フィルム層による金
属箔層の接着性の向上を図っていないので、得られたラ
ケットフレームは、曲げ強度若しくは耐衝撃性の少なく
ともいずれかが劣る結果となった。
【0060】更に実施例7〜11によれば、複合プリプ
レグ1の金属箔層2に予めリン酸塩処理等を行なって、
金属箔層2の樹脂フィルム層3との接着性を高くしてい
るので、金属箔層を複合化したことによる複合プリプレ
グの性能がより一段と発揮され、その結果、得られたラ
ケットフレームは曲げ強度及び耐衝撃性がより一層向上
した。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、中心
材の周囲に外殻成形材を設けたラケットフレームにおい
て、金属箔層の両側に樹脂フィルム層を積層し、その少
なくも一方の樹脂フィルム層上に強化繊維を有し又は有
さない樹脂層を積層してなる複合層を、前記外殻成形材
の最外層又は前記外殻成形材と中心材との間の少なくと
もいずれかに設けたので、軽量で且つ曲げ強度及び耐衝
撃性が改善されたラケットフレームが得られ、その使用
感も良好である。又金属箔層の表面に予めリン酸塩処理
又はクロメート処理を施した複合プリプレグを用いた場
合には、ラケットフレームの破壊強度及び耐衝撃性が更
に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のラケットフレームの一実施例を示す断
面図である。
【図2】従来のラケットフレームの断面図である。
【図3】本発明で使用する複合プリプレグを示す断面図
である。
【図4】本発明で使用する複合プリプレグの他の態様を
示す断面図である。
【図5】本発明で使用する複合プリプレグの更に他の態
様を示す断面図である。
【符号の説明】
1 複合プリプレグ 1′ 複合層 2 金属箔層 2a 金属塩被膜 3 樹脂フィルム層 4 繊維強化複合樹脂層 7 強化繊維 101 中心材 102 外殻成形材

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心材の周囲に外殻成形材を設けたラケ
    ットフレームにおいて、金属箔層の両側に樹脂フィルム
    層を積層し、その少なくも一方の樹脂フィルム層上に強
    化繊維を有し又は有さない樹脂層を積層してなる複合層
    を、前記外殻成形材の最外層又は前記外殻成形材と中心
    材との間の少なくともいずれかに設けたことを特徴とす
    るラケットフレーム。
JP4359045A 1992-12-25 1992-12-25 ラケットフレーム Pending JPH06190087A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009012359A (ja) * 2007-07-06 2009-01-22 Toho Tenax Co Ltd 発泡体コアを有するfrp成形品の成形方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009012359A (ja) * 2007-07-06 2009-01-22 Toho Tenax Co Ltd 発泡体コアを有するfrp成形品の成形方法

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