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本発明は、金属/繊維強化樹脂複合材料からなるエネルギー吸収部材に関し、とくに金属層と繊維強化樹脂層との接着性を向上し、全体として目標とするエネルギー吸収性能を確実に発揮可能なエネルギー吸収部材に関する。
金属と繊維強化樹脂を積層・接着一体化した複合材料は、金属が有する優れた耐衝撃性、導電性等と、繊維強化樹脂が有する優れた軽量性、高力学特性の両方を発現し得る材料として知られている。
とくに、エネルギー吸収部材においては、軽量化の観点から、アルミニウム合金製のエネルギー吸収部材が知られているが、アルミニウム合金が鋼材に比べて、強度、弾性率ともに低いため、エネルギー吸収量が小さいという問題がある。そのため、アルミニウム合金に繊維強化樹脂を接着一体化して、軽量性を維持しつつ、エネルギー吸収性能の向上をはかるようにしたエネルギー吸収部材が知られている。このように繊維強化樹脂を接着一体化してエネルギー吸収量を向上するためには、繊維強化樹脂がエネルギー吸収して破断に至るまで、良好に金属層と接着されていることが要求される。
しかしながら、単に金属層と繊維強化樹脂層とを積層・接着して構成した金属/繊維強化樹脂複合材料からなるエネルギー吸収部材においては、金属層と繊維強化樹脂層との間で層間剥離が生じるおそれがあり、目標とする所定のエネルギー吸収性能を発現できないという問題がある。とくに金属層がアルミニウム合金やチタン合金等の難接着金属からなる場合には、層間剥離が生じやすく、接着性を向上させるためには、ケミカルエッチングなどの表面処理を施す必要があり、生産性の悪化、高コストの問題が残されており、実用化に至っていない。
金属層の接着性を向上するために、陽極酸化皮膜を形成したりする表面処理も提案されているが(例えば、特許文献1、特許文献2)、金属と接着剤との接着性は向上するものの、接着剤と繊維強化樹脂との接着性は必ずしも向上されない。また、接着剤自体を高靱性化する手法も提案されているが(例えば、特許文献3、特許文献4)、接着剤層内での破壊は抑制されるものの、接着剤層と繊維強化樹脂層との界面の耐剥離強度等は必ずしも向上されない。
特開2002−129387号公報 特開平7−252687号公報 特開昭58−189277号公報 特開2004−263104号公報
そこで本発明の課題は、とくにエネルギー吸収部材を金属/繊維強化樹脂複合材料から構成する場合に、金属層と繊維強化樹脂層との接着性を向上することにより、各層それぞれの優れた特性を発揮させつつ両層間の剥離等の問題を解消でき、全体として優れたエネルギー吸収性能の維持が可能なエネルギー吸収部材を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係るエネルギー吸収部材は、金属層と繊維強化樹脂層が中間樹脂層を介して接着一体化された金属/繊維強化樹脂複合材料から構成されたエネルギー吸収部材であって、前記中間樹脂層が、平均粒径3〜10μmの熱可塑性樹脂の粒子およびイミダゾールシラン化合物を含有しており、かつ、前記熱可塑性樹脂の粒子は、その一部が、複数個、融着等により連なった連続相の形態で前記中間樹脂層内に存在しており、前記中間樹脂層前記繊維強化樹脂層との境界部が、前記粒子を構成する熱可塑性樹脂と前記繊維強化樹脂層の強化繊維とが混在した混合層を形成していることを特徴とするものからなる。
また、繊維強化樹脂層のマトリックス樹脂と中間樹脂層の母材樹脂とが同種の樹脂(望ましくは、同一の樹脂)からなることが好ましい。例えば、繊維強化樹脂層のマトリックス樹脂と中間樹脂層の母材樹脂が同種あるいは同一の熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ樹脂)からなることが好ましい。
前記金属層としては種々の金属を採用し得るが、軽量化の観点から、高張力鋼やアルミニウム合金、チタン合金などが好ましく用いられる。とくにアルミニウム合金やチタン合金などの難接着金属を含む層からなる場合に、本発明による効果はとくに大きい。金属層の形状は、とくに限定されず、単なる層形状(板形状)の場合もあるし、箱型断面等の形状の場合もあり、いずれの場合にも本発明の適用が可能である。
また、前記繊維強化樹脂層の強化繊維としても種々の強化繊維を使用し得るが、とくに炭素繊維は比強度、比弾性率が高く力学特性に優れているため、炭素繊維を強化繊維として含む層に構成すると、エネルギー吸収部材全体としてより優れた特性が得られやすく、かつ、その特性も制御しやすくなる。
本発明に係るエネルギー吸収部材としては、エネルギー吸収用に使用されるものであれば特に限定されず、あらゆる分野におけるあらゆる形態のエネルギー吸収部材を含む。
このような本発明に係るエネルギー吸収部材においては、中間樹脂層が所定範囲の粒径の熱可塑性樹脂粒子を含有することにより、熱可塑性樹脂粒子が中間樹脂層の所定の厚みを確保するためのスペーサ的な役割を果たし、金属層と繊維強化樹脂層との間に所定厚みの中間樹脂層が確実に介在されることになる。そして、中間樹脂層に熱可塑性樹脂粒子が配合されていることにより、中間樹脂層自体の高靱性化も可能になる。
この中間樹脂層を介して金属層と繊維強化樹脂層が接着一体化されるが、中間樹脂層がイミダゾールシラン化合物を含有していることにより、金属との接着性が向上され、難接着金属に対しても、良好な接着性を発現できるようになって、中間樹脂層と金属層間の接着性が大幅に向上される。
また、中間樹脂層は所定範囲の微小粒径の熱可塑性樹脂粒子を含有しているので、繊維強化樹脂層との界面近傍においては、熱可塑性粒子が多かれ少なかれ繊維強化樹脂層の強化繊維間に侵入していく形態を容易に形成することができる。すなわち、中間樹脂層と繊維強化樹脂層との境界部を、熱可塑性樹脂粒子と繊維強化樹脂層の強化繊維とが混在した混合層に形成された形態とすることができる。このような形態において、例えば、熱可塑性樹脂粒子の融点以上の温度で中間樹脂層と繊維強化樹脂層を同時成形すれば、粒子同士は融着等により容易に少なくとも部分的に連続相の形態に連なる。このような形態を現出すれば、融着等により少なくとも部分的に連続相の形態になった熱可塑性樹脂が、中間樹脂層と繊維強化樹脂層との界面において、中間樹脂層と繊維強化樹脂層の両方にまたがって存在することになり、いずれの層からみても、互いにアンカー効果を発揮することになる。このアンカー効果により、中間樹脂層と繊維強化樹脂層との接着性も、確実にかつ大幅に向上されることになる。さらに、最表層が繊維強化樹脂層である場合には、該繊維強化樹脂層の最表層に撥水処理が施され、撥水層が形成されていることが好ましい。本発明のエネルギー吸収部材が、高湿度もしくは温水に曝された場合、繊維強化樹脂層が吸湿もしくは吸水することにより、金属と繊維強化樹脂との接着性が劣化する懸念があるが、撥水層を形成することにより、吸湿もしくは吸水を抑制し、接着性の劣化を防ぐことができるためである。
そして、金属層と繊維強化樹脂層が、中間樹脂層を介して、剥離を生じることのない強固な接着力で接着一体化されることにより、金属層が有する優れた耐衝撃性等と、繊維強化樹脂層が有する優れた軽量性、力学特性を共に安定して発現させることが可能になり、繊維強化樹脂層は破断に至るまで確実に中間樹脂層を介して金属層と接着された状態に保たれ、目標とする所定のエネルギー吸収性能が確実に発揮されることになる。
このように、本発明に係るエネルギー吸収部材によれば、所定粒径の熱可塑性樹脂粒子とイミダゾールシラン化合物を含有した中間樹脂層を介して金属層と繊維強化樹脂層を接着一体化することにより、接着性を大幅に向上でき、層間剥離を生じずに優れたエネルギー吸収性能を発現できる金属/繊維強化樹脂複合材料からなるエネルギー吸収部材を実用化できる。
また、特別な表面処理等を施さずに所定のエネルギー吸収性能を発現させることができるので、エネルギー吸収部材を、高い生産性をもって、安価にかつ容易に製造できるようになる。
以下に、本発明の望ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施態様に係るエネルギー吸収部材を示している。図1において、1はエネルギー吸収部材全体を示しており、このエネルギー吸収部材1は、任意の要求形状に形成された(図示例では箱型断面に形成された)金属層2としての金属製エネルギー吸収部材と、繊維強化樹脂層3と、金属層2と繊維強化樹脂層3との間に介在され、金属層2と繊維強化樹脂層3を接着一体化する中間樹脂層4を有している。ただし、金属層2は、図示例の如く最外層を形成するように配置されていてもよく、部材全体からみた内層、あるいは繊維強化樹脂層内等に配置されていてもよい。また、金属層2の形状や厚みは、部材全体の要求厚みやエネルギー吸収性能に応じて設定されればよく、繊維強化樹脂層3との接着強度が後述の如く大幅に向上されることを勘案した上で、部材に要求される力学特性やエネルギー吸収性能に応じて設定されればよい。ただし、エネルギー吸収部材1全体の軽量化をはかる点からは、力学特性に支障の出ない限り薄肉で、かつ小型のものが好ましい。エネルギー吸収性能は、例えば、エネルギー吸収部材1の両端部を丸棒等の支持部材で受け(P点)、上方から衝撃荷重Fを加える、いわゆる3点曲げテストを実施し、繊維強化樹脂層3が破断に至るまでの衝撃荷重Fをすることにより、主として繊維強化樹脂層3の引張強度によって発現される部材全体としてのエネルギー吸収性能の測定が可能である。
上記中間樹脂層4に、所定粒径(平均粒径3〜10μm)の熱可塑性樹脂粒子とイミダゾールシラン化合物が含有されている。繊維強化樹脂層3は、強化繊維とマトリックス樹脂(例えば、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂)からなる複合材料に構成されている。
このような中間樹脂層4と金属層2および繊維強化樹脂層3との接着構造の例を、図2、図3に示す。図3の方が、より正確に本発明を示す例である。
図2は図1のA部について示したものであり、この例においては、金属層2と、強化繊維(群)5および熱硬化性マトリックス樹脂6を含む繊維強化樹脂層3との間に、熱硬化性樹脂7を母材樹脂とし熱可塑性樹脂8(熱可塑性樹脂連続相8a、熱可塑性樹脂粒子相8b)を含む接着樹脂層としての中間樹脂層4が介在されている。中間樹脂層4に所定粒径の熱可塑性樹脂粒子が配合されることにより、該粒子がスペーサの役割を果たし、中間樹脂層4の所望の厚みを確保し、金属層2と繊維強化樹脂層3との間に望ましい層間厚みを確保できる。また、熱可塑性樹脂粒子を配合することで、中間樹脂層4を高靱性化でき、含有粒子は、例えば、クラックに対するピン止め効果も発揮できる。この中間樹脂層4に含有されていた上記所定粒径の熱可塑性樹脂粒子は、例えば図示の如く、融着等により少なくとも部分的に連続相の形態(線状あるいは膜状の連続相形態)を有する熱可塑性樹脂連続相部分8aと、実質的に粒子の形態のまま残された熱可塑性樹脂粒子相部分8bとの混在形態とされる。このように熱可塑性樹脂が連続相の形態で中間樹脂層4に含有されていることにより、金属層2と繊維強化樹脂層3との接着性が向上する。特に、金属層2に、繊維強化樹脂層3から引き剥がすような剥離モードの応力が加わった時には、中間樹脂層4内の熱可塑性樹脂が連続相8aの形態を有するため、中間樹脂層4を構成する熱硬化性母材樹脂7に対するアンカーとして作用し、接着性が向上すると考えられる。ここで、繊維強化樹脂層3を構成する熱硬化性マトリックス樹脂6と中間樹脂層4を構成する熱硬化性母材樹脂7は同一の樹脂組成であってもよいし、それぞれ異なる熱硬化性樹脂であってもよい。
また、上記中間樹脂層4を構成する熱硬化性樹脂7は、イミダゾールシラン化合物を含有している。このイミダゾールシラン化合物を含むことにより、中間樹脂層4と金属層2、とくにアルミニウム合金等の難接着金属を含む金属層2との接着性が向上する。また、高温高湿度暴露後の接着性の低下が抑えられ、耐環境暴露特性も向上できる。イミダゾールシラン化合物の熱硬化性樹脂への配合量は、樹脂組成物重量対比0.1重量%以上2.0重量%以下であることが好ましい。すなわち、イミダゾールシラン化合物の混合量が、0.1重量%未満では、接着性向上の効果が小さいため好ましくない。2.0重量%を越えると、特に熱硬化性樹脂にエポキシ樹脂を用いた場合などに、イミダゾールシラン化合物が硬化剤もしくは硬化促進剤としても作用してしまうため、過剰に硬化が促進してしまうため好ましくない。この場合、イミダゾールシラン化合物をエタノールなどの有機溶媒に溶融した溶液を、金属の接着表面に塗布、乾燥して表面処理を施して使用することも好ましい使用形態のひとつである。このように、本発明におけるイミダゾールシラン化合物の使用目的は、特に金属層2への接着性の向上が目的であり、熱硬化性樹脂の硬化剤もしくは硬化促進剤もしくは金属の防錆として使用するものではない。
図3は、より正確な本発明の形態例を示している。すなわち、図3に示すエネルギー吸収部材11においては、中間樹脂層12が、繊維強化樹脂層3との境界部において、繊維強化樹脂層3の強化繊維5と、熱可塑性樹脂、とくに連続相の熱可塑性樹脂8aとが混在している混合層12bを偏在して形成している。混合層12bよりも金属層2寄りの部分は、実質的に図2に示した中間樹脂層4と同等の形態を有している。このように強化繊維5と熱可塑性樹脂連続相8aが混在することにより、熱可塑性樹脂連続相8aが強化繊維群5に対してアンカーとして作用し、中間樹脂層12と繊維強化樹脂層3との接着性が大幅に向上する。各熱可塑性樹脂連続相8aは、複数の強化繊維5と接触していることがより好ましい。
この中間樹脂層12の厚みは、例えば15μm以上150μm以下であることが好ましく、かつ、混合層12bの最大厚みが10μm以上100μm以下であることが好ましい。図4に中間樹脂層12の厚みをTa,強化繊維群5との熱可塑性樹脂連続相8aとの混合層12bの厚みをTpfを示す。Ta、Tpfは複合材料の断面を光学顕微鏡、CCDを用いた顕微鏡、SEM、TEMにより観察することにより測定することができる。
中間樹脂層12の厚みTaが15μm未満では、中間樹脂層12が薄すぎて、層が破壊しやすいため好ましくない。一方、150μmより厚い場合には、中間樹脂層12が厚すぎるために、中間樹脂層12の重量が増加し、複合材料としての軽量化が損なわれるため好ましくない。
さらに強化繊維5と熱可塑性樹脂連続相8aとが混在している混合層12bの厚みTpfは、本発明においては、10μm以上、100μm以下の範囲とされている。混合層12bの厚みTpfが、10μm以上であることにより、より接着性が向上する。一方、100μmより厚いと厚すぎるために、中間樹脂層12の重量が増加する。また、熱可塑性樹脂連続相8aを強化繊維間に100μmより厚く混在させることは、成形の観点から非常に困難になるおそれがあるため好ましくない。
中間樹脂層12内に配合される熱可塑性樹脂粒子に関しては、上記のような連続形状の連続相と平均粒径が3μm以上10μm以下の粒子形状が混在していることが好ましい。中間樹脂層12は、熱硬化性樹脂からなる母材樹脂7と熱可塑性樹脂から構成されるが、この熱可塑性樹脂は、平均粒径3μm以上10μm以下の粒子形状で、熱硬化性樹脂に混合されている。3μm以上10μm以下の粒子形状にすることにより、成形前に中間樹脂層12をフィルム形状などにする加工が容易であること、さらに硬化、成形工程において、該熱可塑性樹脂が強化繊維間に介在しやすくなり、成形後に強化繊維と熱可塑性樹脂とが混在している層12bを形成しやすくなる。このため、粒子形状で混合した熱可塑性樹脂が連続形状の連続相を形成する他に、該熱可塑性樹脂の一部が、粒子形状のままの状態で存在することが好ましい。
なお、本発明における中間樹脂層12を構成する樹脂組成物そのものは、ASTM D 5045−96「Standard Test Methods for Plane−Strain Fracture Toughness and Strain Energy Release Rate of Plastic Materials」に基づいて測定した歪みエネルギー開放率(Strain Energy Release Rate)GICが、400J/m2 以上1000J/m2 以下であることが好ましい。GICが400J/m2 未満では、歪みエネルギー開放率が低すぎるため、中間樹脂層12の破壊が比較的容易に進むため好ましくない。中間樹脂層12内の熱可塑性樹脂が連続形状の連続相で混在することにより、GICを向上させることができる。また、該熱可塑性樹脂の熱硬化性樹脂への混合量を増加させることにより、GICを向上させることが可能である。一方、GICを1000J/m2 よりも大きくするためには、より多くの熱可塑性樹脂を混合する必要があるが、熱可塑性樹脂混合量が多すぎると、樹脂組成物のフィルム形状などへの加工が困難になること、また樹脂層の耐熱性もしくは弾性率の低下の懸念があるため好ましくない。
上記熱可塑性樹脂を融着等により少なくとも部分的に連続相とするために、熱可塑性樹脂粒子の融点(あるいは、軟化点)以上の温度で成形する粒子を強化繊維間に入り込ませるために、中間樹脂層12と繊維強化樹脂層3の成形を同時に行うか、もしくは、硬化後の繊維強化樹脂を用いる場合には、粒子の粒径以上の表面粗さまで接着表面をブラスト処理する方法も採用できる。
前記熱可塑性樹脂の融点もしくは軟化点としては、200℃以下であることが好ましい。本発明においては、該熱可塑性樹脂の融点もしくは軟化点以上の温度および適切な加圧条件において、複合材料を成形することによって、中間樹脂内の熱可塑性樹脂を一度溶融もしくは軟化させることにより、該熱可塑性樹脂を容易に連続相の形態で混在させることができる。熱可塑性樹脂の融点もしくは軟化点が200℃よりも高い場合には、複合材料の成形温度も200℃より高くする必要があり、成形温度が高くなりすぎるため好ましくない。
本発明において、前記強化繊維群を構成する強化繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、アルミナ繊維などの無機繊維や、アラミド繊維、ポリアミド系合成繊維などの有機繊維、およびそれら2種類以上を組み合わせて使用することができるが、かかる強化繊維としては、とくに炭素繊維が好ましい。炭素繊維は比重が小さく、高強度、高弾性率であるため、比強度、比弾性率が大きく、本発明に係るエネルギー吸収部材の複合材料を軽量化、高強度化、高弾性率化できるため、好ましく使用でき、また、エネルギー吸収特性の制御も行いやすい。
本発明において、前記熱可塑性樹脂としては、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネイト系樹脂、スチレン系樹脂、EVA樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂およびPPS系樹脂の群より選択される少なくとも1種の樹脂であることが好ましい。とくにポリアミド系樹脂は、熱硬化性樹脂との接着性が優れるためより好ましい。
また、本発明に係るエネルギー吸収部材において、金属層を構成する金属としては、前述のアルミニウム合金以外にも、軽量性を保ちつつ所定のエネルギー吸収性能を発揮させるものとして、例えば高張力鋼やチタン合金を使用することが可能である。ただし、使用する金属種は、各種要求特性に応じて選択すればよい。
本発明の一実施態様に係るエネルギー吸収部材の断面図である。 図1のエネルギー吸収部材のA部の構成例を示す拡大部分断面図である。 エネルギー吸収部材の各層接着部の別の構成例を示す拡大部分断面図である。
符号の説明
1、11 エネルギー吸収部材
2 金属層(金属製エネルギー吸収部材)
3 繊維強化樹脂層
4、12 中間樹脂層
5 強化繊維(群)
6 繊維強化樹脂層のマトリックス樹脂
7 中間樹脂層の母材樹脂
8 熱可塑性樹脂
8a 熱可塑性樹脂連続相
8b 熱可塑性樹脂粒子相
12a 金属層寄りの中間樹脂層部分
12b 混合層

Claims (4)

  1. 金属層と繊維強化樹脂層が中間樹脂層を介して接着一体化された金属/繊維強化樹脂複合材料から構成されたエネルギー吸収部材であって、前記中間樹脂層が、平均粒径3〜10μmの熱可塑性樹脂の粒子およびイミダゾールシラン化合物を含有しており、かつ、前記熱可塑性樹脂の粒子は、その一部が、複数個、融着等により連なった連続相の形態で前記中間樹脂層内に存在しており、前記中間樹脂層前記繊維強化樹脂層との境界部が、前記粒子を構成する熱可塑性樹脂と前記繊維強化樹脂層の強化繊維とが混在した混合層を形成していることを特徴とするエネルギー吸収部材。
  2. 前記繊維強化樹脂層が炭素繊維を含む層からなる、請求項に記載のエネルギー吸収部材。
  3. 前記金属層がアルミニウム合金製の金属製エネルギー吸収部材からなる、請求項1または2に記載のエネルギー吸収部材。
  4. 最表層の繊維強化樹脂層の表面に撥水層が形成されていることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載のエネルギー吸収部材。
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