JPH06198806A - プリプレグ - Google Patents

プリプレグ

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JPH06198806A
JPH06198806A JP34830392A JP34830392A JPH06198806A JP H06198806 A JPH06198806 A JP H06198806A JP 34830392 A JP34830392 A JP 34830392A JP 34830392 A JP34830392 A JP 34830392A JP H06198806 A JPH06198806 A JP H06198806A
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JP
Japan
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metal foil
fiber
resin
prepreg
resin layer
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Application number
JP34830392A
Other languages
English (en)
Inventor
Kanji Miyao
巻治 宮尾
Makoto Takezawa
誠 竹澤
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Tonen General Sekiyu KK
Original Assignee
Tonen Corp
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Publication date
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Publication of JPH06198806A publication Critical patent/JPH06198806A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 繊維強化樹脂複合製品に金属箔を複合し、樹
脂と金属箔との接着強度の低さを改善する。 【構成】 略平行に引裂破断して形成された不規則な寸
法の多数の長孔を有する多孔金属箔の少なくとも一側
に、強化繊維中にマトリックス樹脂を含浸した繊維強化
複合樹脂層又は強化繊維を含まない樹脂層を配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプリプレグに係り、とり
わけ、炭素繊維、セラミック繊維等による繊維強化樹脂
製品に複合化し、靱性、振動減衰性、感触などを改良す
るのに好適な金属箔プリプレグに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、炭素繊維その他各種の強化繊維を
用いたプリプレグが種々の技術分野にて広く使用されて
おり、例えばゴルフクラブシャフト、スキーストック、
釣り竿などのスポーツ用品の製造に際しても、軽量で且
つ機械的強度も高いという理由から多く利用されてお
り、極めて良好な成果を納めている。
【0003】しかしながら、炭素繊維等の脆性、剛性な
どから、更に、靱性(破壊モード)、振動減衰特性(使
用時の感触)、美感などを改善することが求められ、上
記ゴルフクラブシャフトなどの繊維強化樹脂製品に金属
箔を複合化することが提案されている(特開昭61−1
48045号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】金属箔を配合した繊維
強化樹脂製品は、靱性、弾性率、破壊強度、振動減衰特
性などが改良され、使用時の感触、美感においても向上
が認められる。しかしながら、金属箔は樹脂との親和性
に欠け、接着強度が低いため、強打などの衝撃やすべり
力が加わると樹脂と金属箔の間で剥離が生じる欠点があ
るため、実用化が困難であった。
【0005】そこで、本発明は、この問題を解決し、金
属箔と樹脂との剥離を防止し、そのような複合製品を製
造するためのプリプレグを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、略平行に引裂破断して形成された不規則
な寸法の多数の長孔を有する多孔金属箔の少なくとも一
側に、強化繊維中にマトリックス樹脂を含浸した繊維強
化複合樹脂層又は強化繊維を含まない樹脂層を配置して
成ることを特徴とするプリプレグを提供する。
【0007】本発明は、金属箔に多数の破断孔を形成す
ることにより、金属箔の表面積を大きくすると共に、樹
脂が金属箔の孔を介して一体化して金属箔と絡まった構
造を形成して、金属箔と樹脂の間の剥離を防止するもの
である。また、金属箔に孔があることにより、プリプレ
グの成形硬化時に気泡が抜け易いことは、無孔の金属箔
のプリプレグと比べて大きな利点である。
【0008】本発明の多孔金属箔は、金属箔を圧延又は
上下面に剪断力を適用することにより、金属箔が略平行
に不規則な寸法で引裂破断されて長孔が多数形成された
ものである。その1例の平面拡大模式図を図1に示す。
黒ベタ部で示される長孔の形状は圧延又は引裂破断され
たことがよく示される形状であることが認められる。ま
た、これらの長孔により金属箔に網状構造が形成されて
いることも認められる。
【0009】より具体的に述べると、図2に示す如く、
伸び率の大なる金属シート11を折ってその間に伸び率
の小なる金属シート12を挟み、これらをロール13,
14の間に通して冷間圧延し、必要に応じてこの処理を
繰り返すと、金属シート12はロール回転方向に多数圧
延又は引裂破断されて、ロール長軸方向に長い略平行な
多数の長孔が形成され、結果として金属箔の網状構造が
形成される。
【0010】こうして形成される長孔の形状、寸法、空
隙率などは、金属箔の材質、膜厚、剪断速度などによっ
て異なる。特に、材質として、あまり柔らかい金属(延
展性のある金属)では多孔化が難しく、チタン、ステン
レス鋼、タンタル、カッパーベリリウムのように或る程
度の硬度のある金属が好適である。金属箔の厚みは、プ
リプレグとして複合した後の成形のし易さ等から100
μm以下、好ましくは20〜80μm、特に30〜60
μmが好ましい。しかし、表面材として使用する目的で
は、100〜200μmの如くさらに厚いものも使用さ
れる。
【0011】長孔によって形成される空隙の形状及び量
は、空隙によって逆規定される金属箔の網状構造のエレ
メントが細線化されるほど、あるいは空隙部と金属箔部
とがより密に分布するよう微細化されているほど、接着
強度が向上する。但し、その場合、逆に、一体の金属箔
としての性質は失なわれる傾向にあるので、あまり細い
ストランドにすることは問題であるが、上記手法で多孔
化される程度のものでは一般に問題ない。また、空隙の
量もそれが増加すると一般に接着強度を大きくするが、
空隙率(面積率)が大きすぎると金属複合化の効果が低
減するので、一般に5〜80%、好ましくは20〜60
%、特に好ましくは30〜40%とする。
【0012】なお、このような多孔金属箔は竹内金属箔
工業(株)より「ポーラスメタル」の商標で市販されて
おり、入手可能である。このような多孔金属箔は、繊維
強化複合樹脂層或は樹脂層との接着性を向上させるため
に、その表面を機械的に、或は化学的に処理することが
可能である。特に、脱脂処理を行なった後、クロム酸塩
系処理或はリン酸塩系処理を行ない、クロメート層、又
はリン酸亜鉛或はリン酸鉄などの化成処理膜を箔状エキ
スパンドメタル表面に形成させることが好ましい。又更
に、高温の窒素雰囲気下による表面硬化処理も有効であ
る。
【0013】本発明では、上記の如き多孔金属箔の少な
くとも一側に、強化繊維中にマトリックス樹脂を含浸し
た繊維強化複合樹脂層、又は強化繊維を有さない樹脂層
を配置する。図3を参照すると、強化繊維21にマトリ
ックス樹脂22を含浸した繊維強化複合樹脂層23が、
多孔金属箔24の一側に積層されている。
【0014】強化繊維21は、炭素繊維、ボロン繊維、
ガラス繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、窒化珪素繊
維などの無機繊維;アラミド繊維、ポリアリレート繊
維、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維などの有機繊
維;或は、チタン繊維、アモルファス繊維、ステンレス
スチール繊維などの金属繊維から選択される1種を用い
て、或は、複数種の強化繊維21からなるハイブリッド
の形態にて使用することができる。又、強化繊維21
は、一方向に整列して配置することもでき、又、クロス
(織布)の状態で使用することもできる。
【0015】マトリッスク樹脂22としては、エポキシ
樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ジ
アリルフタレート樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性
マトリックス樹脂が使用可能である。又、更に、硬化温
度が50〜200℃となるように硬化剤その他の付与
剤、例えば可撓性付与剤などが適当に添加される。好ま
しい一例を挙げれば、マトリックス樹脂としてはエポキ
シ樹脂が好ましく、使用可能なエポキシ樹脂としては、
例えば、(1)グリシジルエーテル系エポキシ樹脂(ビ
スフェノールA,F,S系エポキシ樹脂、ノボラック系
エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA系エポキシ樹
脂)、(2)環式脂肪族エポキシ樹脂、(3)グリシジ
ルエステル系エポキシ樹脂、(4)グリシジルアミン系
エポキシ樹脂、テトラグリシジルジアミノジフェニルメ
タン、トリグリシジル−p−アミノフェノールなど、
(5)複素環式エポキシ樹脂、その他種々のエポキシ樹
脂から選択される1種又は複数種が使用され、特に、ビ
スフェノールA,F,Sグリシジルアミン系エポキシ樹
脂が好適に使用される。又、硬化剤としてはアミン系硬
化剤、例えばジシアンジアミド(DICY)、ジアミノ
ジフェニルスルフォン(DDS)、ジアミノジフェニル
メタン(DDM);酸無水物系、例えばヘキサヒドロ無
水フタル酸(HHPA)、メチルヘキサヒドロ無水フタ
ル酸(MHHPA)などが使用されるが、特にアミン系
硬化剤が好適に使用される。
【0016】本発明の繊維強化複合樹脂層23における
強化繊維及びマトリックス樹脂の配合割合は、通常のプ
リプレグと同様に、任意に調整し得る。従って、本発明
に従えば、繊維強化複合樹脂層23の厚さは、通常30
〜200μm程度が好ましい。本発明のプリプレグ20
は、任意の方法にて製造し得るが、一般に、前記繊維強
化複合樹脂層23として、先ず強化繊維21にマトリッ
クス樹脂22を含浸させてプリプレグを製造し、その
後、該プリプレグ23の一側面に、多孔金属箔24を、
例えばホットプレスなどにて押付けることにより貼着
(積層)して製造するのが好適である。あるいは、上記
同様に繊維強化複合樹脂層23のプリプレグを製造し、
また多孔金属箔24の片面又は両面に樹脂層を形成し、
これらを積層(プレス間で押圧)して一体化してもよ
い。これらの積層は加熱下で行なうが、成形硬化時より
も低い温度で短時間で行なわれる。こうして積層される
とき、樹脂は多孔金属箔の他面側に浸出してもよい。
【0017】図3に示す例では、多孔金属箔24の一側
にのみ繊維強化複合樹脂層23を配置したが、図4に示
すように、多孔金属箔24の両側に、繊維強化複合樹脂
層23,23を配置することもできる。また、本発明の
プリプレグを表面材として使用する場合に表面削り代と
して使用する目的その他のために、図3,4の強化繊維
21として透明なガラス繊維やアルミナ繊維を用いてプ
リプレグを形成してもよい。
【0018】また、図3、図4では樹脂を強化繊維に含
浸した複合樹脂層を用いたプリプレグの例であるが、こ
れらの層に代えて強化繊維を有しない単なる樹脂層25
を用いてもよい(図5)。この場合の樹脂層の厚みは2
0〜100μm程度が好ましい。
【0019】
【作用】金属箔を多孔化したことにより、樹脂と金属箔
の間の接着強度が向上し、炭素繊維等の繊維強化樹脂複
合体と複合することにより、複合体に金属的性質を持た
せかつ剥離がなく信頼性の高い製品を得ることができ
る。
【0020】
【実施例】強化繊維21として繊維径が7.0μmとさ
れるPAN系の炭素繊維(東レ株式会社製:商品名「T
−300」)を使用し、マトリックス樹脂22はエポキ
シ樹脂を使用して、図3に示す構成の繊維強化複合樹脂
層23を作製した。又、該繊維強化複合樹脂層23にお
けるマトリックス樹脂22の含有量は35重量%であっ
た。
【0021】次いで、繊維強化複合樹脂層23に厚さ
(T2 )が50μmの多孔金属箔(竹内金属箔(株)製
「ポーラスメタル」)24をプレスにて100℃で瞬間
的に押圧して貼着し、図3に示す構成の本発明の繊維強
化プリプレグ20を作製した。この多孔金属箔24は図
1に示す構造を有し、材質はステンレス、膜厚50μ
m、平均ストランド幅50〜200μm、平均ストラン
ド又は空隙長1〜5mm、空隙率35%の程度であった。
【0022】このような多孔金属箔を貼着したプリプレ
グ20を最外層に配置し、内側層としては多孔金属箔を
貼着しない以外上記と同じ炭素繊維強化プリプレグを用
い、外径8.5mm〜16mmのスレートテーパー形状のゴ
ルフクラブシャフトを成形した。成形にはマンドレルを
用い、外側からポリプロピレン製テープを巻いて、13
0℃に90分間保持して樹脂を硬化させた。
【0023】比較のために、上記多孔金属箔に代えて、
厚さ50μmのステンレス箔を用いた以外、上記と同様
にしてプリプレグを作製し、また上記と同様にしてゴル
フクラブシャフトを作製した。得られたゴルフクラブシ
ャフトを落錘式衝撃試験機でシャフト破壊まで至らない
重さであっても断面観察した結果、ステンレス箔の場合
は、CF層との剥離が数ヶ所発生したのに比べ、ポーラ
スメタルはシャフトの破壊迄剥離したケースは無かった
(5本のテスト)。
【0024】
【発明の効果】本発明のプリプレグは、樹脂と金属箔と
の接着強度が改良される結果、炭素繊維等の繊維強化樹
脂複合製品に複合して、金属箔にもとづく靱性(破壊モ
ード)、振動減衰特性(使用感触)、美感などを向上さ
せる上で、信頼性が高く、スポーツ用品、自転車のフレ
ーム、種々の機械部品等への応用に極めて有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる多孔金属箔の構造を示す模式図
である。
【図2】多孔金属箔の製造方法を示す模式図である。
【図3】本発明のプリプレグの模式断面図である。
【図4】本発明のプリプレグの別の態様を示す模式断面
図である。
【図5】本発明のさらに別の態様を示す模式断面図であ
る。
【符号の説明】
11,12…ローラ 13…金属箔 20…プリプレグ 21…強化繊維 22…マトリックス樹脂 23…繊維強化樹脂複合層 24…多孔金属箔 25…樹脂層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略平行に引裂破断して形成された不規則
    な寸法の多数の長孔を有する多孔金属箔の少なくとも一
    側に、強化繊維中にマトリックス樹脂を含浸した繊維強
    化複合樹脂層又は強化繊維を含まない樹脂層を配置して
    成ることを特徴とするプリプレグ。
JP34830392A 1992-12-28 1992-12-28 プリプレグ Pending JPH06198806A (ja)

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JP34830392A JPH06198806A (ja) 1992-12-28 1992-12-28 プリプレグ

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JP34830392A JPH06198806A (ja) 1992-12-28 1992-12-28 プリプレグ

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100350721B1 (ko) * 2000-04-07 2002-09-12 이상원 강화플라스틱 구조물
EP2363282A3 (de) * 2010-03-01 2012-08-22 Deutsches Zentrum für Luft- und Raumfahrt e.V. Verbundwerkstoff aus mehreren Faserverbundschichten und einem Verstärkungsbereich
US9727196B2 (en) 2013-07-12 2017-08-08 Fujifilm Corporation Wiring substrate

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100350721B1 (ko) * 2000-04-07 2002-09-12 이상원 강화플라스틱 구조물
EP2363282A3 (de) * 2010-03-01 2012-08-22 Deutsches Zentrum für Luft- und Raumfahrt e.V. Verbundwerkstoff aus mehreren Faserverbundschichten und einem Verstärkungsbereich
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