JPH0618779B2 - 造血機能回復促進剤 - Google Patents
造血機能回復促進剤Info
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- JPH0618779B2 JPH0618779B2 JP62010037A JP1003787A JPH0618779B2 JP H0618779 B2 JPH0618779 B2 JP H0618779B2 JP 62010037 A JP62010037 A JP 62010037A JP 1003787 A JP1003787 A JP 1003787A JP H0618779 B2 JPH0618779 B2 JP H0618779B2
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- ala
- ser
- gln
- gly
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はヒト顆粒球コロニー刺激因子(以下G−CSF
と略す)を有効成分とする骨髄移植後の造血機能回復促
進剤に関する。
と略す)を有効成分とする骨髄移植後の造血機能回復促
進剤に関する。
骨髄移植(以下BMTと略す)とは先天的または後天的
な造血障害を示す患者に対し、健康な他人または自己の
骨髄を移植することをいう。
な造血障害を示す患者に対し、健康な他人または自己の
骨髄を移植することをいう。
近年このBMTは白血病、悪性リンパ腫などの血液疾患
や、ある種のガンに対する治療法として精力的に行われ
るようになってきている。そして、その効果もあがりつ
つある。〔臨床と研究、61巻、1480-1487,(1984); エク
スペリメンタル ヘマトロジー(Exp.Hematol.),12 205
-215(1984)参照〕 しかし、この治療法も臨床上いくつかの問題点がある。
や、ある種のガンに対する治療法として精力的に行われ
るようになってきている。そして、その効果もあがりつ
つある。〔臨床と研究、61巻、1480-1487,(1984); エク
スペリメンタル ヘマトロジー(Exp.Hematol.),12 205
-215(1984)参照〕 しかし、この治療法も臨床上いくつかの問題点がある。
BMT直後の感染、間質性肺炎(IP)、移植片対宿主
病(GVHD)等がその主なものである。
病(GVHD)等がその主なものである。
このうち感染はBMT直後の無造血期におこるもので、
これに対する対策としては現在、無菌室療法がとられて
いる。ところが、患者の造血機能が回復してくるまでに
3週間程度の期間が必要であり、遅い場合には1ヶ月以
上かかることがある。
これに対する対策としては現在、無菌室療法がとられて
いる。ところが、患者の造血機能が回復してくるまでに
3週間程度の期間が必要であり、遅い場合には1ヶ月以
上かかることがある。
この間患者を無菌室内において治療するわけであるが、
この治療は高価であり、患者にとって経済的な負担が過
大になるのみならず、医師にとっても多大の労力を余儀
無くされるという問題点を有している。
この治療は高価であり、患者にとって経済的な負担が過
大になるのみならず、医師にとっても多大の労力を余儀
無くされるという問題点を有している。
IPは移植成立後発症する場合が多い。IPに対する対
策としてはスルファメトキサゾール−トリメトプリム
(Sulfamethoxazole-Trimethoprim)の、いわゆるST
合剤の予防的投与が実施されているが、ST合剤には骨
髄抑制作用があるため、造血機能が充分回復した患者で
ないと使用できない〔臨床免疫第15巻、第9 号、700-70
7(1983);臨床免疫第15巻、第9 、687-699(1983);Exp.He
matol.第12巻、205 〜215(1984)参照〕。又、GVHD
は移植片生着後おこる急性GVHDが警戒すべきもので
あるが、この予防に投与されるメトトレキセート(MT
X)にも骨髄抑制があり、又、最近使用されるようにな
ったシクロスポリンA(CSA)にも強い腎毒性がある
という問題をかかえている〔臨床と研究、第61巻、第5
号、1480-1487(1984)参照〕。いずれにしてもこの様な
状況下にあってBMT後の造血機能の早期回復が強く望
まれるところである。
策としてはスルファメトキサゾール−トリメトプリム
(Sulfamethoxazole-Trimethoprim)の、いわゆるST
合剤の予防的投与が実施されているが、ST合剤には骨
髄抑制作用があるため、造血機能が充分回復した患者で
ないと使用できない〔臨床免疫第15巻、第9 号、700-70
7(1983);臨床免疫第15巻、第9 、687-699(1983);Exp.He
matol.第12巻、205 〜215(1984)参照〕。又、GVHD
は移植片生着後おこる急性GVHDが警戒すべきもので
あるが、この予防に投与されるメトトレキセート(MT
X)にも骨髄抑制があり、又、最近使用されるようにな
ったシクロスポリンA(CSA)にも強い腎毒性がある
という問題をかかえている〔臨床と研究、第61巻、第5
号、1480-1487(1984)参照〕。いずれにしてもこの様な
状況下にあってBMT後の造血機能の早期回復が強く望
まれるところである。
しかしながら、現在のところ、これに答うべき適切な薬
剤がないため、患者の造血機能が自然に回復してくるの
を待っているという状態である。
剤がないため、患者の造血機能が自然に回復してくるの
を待っているという状態である。
このような状況を打開するべく検討を重ねた結果、本出
願人が先に出願し製造に成功した純粋なヒトG−CSF
を利用することに着想し、これを実現すべく研究を更に
進めた。
願人が先に出願し製造に成功した純粋なヒトG−CSF
を利用することに着想し、これを実現すべく研究を更に
進めた。
なお、CSFとはヒト又は動物の骨髄細胞の顆粒球系幹
細胞に作用して単球・マクロファージ及び好中球への分
裂増殖と分化とを誘導する因子であって、〔Metcalf
等; エクスペリメンタル ヘマトロジー(Exp.Hematol.)
1,185,(1973)参照〕、ヒト−CSFに関しても、これま
でに多数の報告が既になされている。〔Stanley 等,フ
ェデラルプロシーデング(Fed.Proc.)35.2272(1975); Bu
rgess等,ブラッド(Blood) 49.573(1977),その他多数
あり〕 しかし、前述のCSFは完全に純化されたものではな
く、又純粋で均質の大量生産可能な取得法も確立してい
なかった。
細胞に作用して単球・マクロファージ及び好中球への分
裂増殖と分化とを誘導する因子であって、〔Metcalf
等; エクスペリメンタル ヘマトロジー(Exp.Hematol.)
1,185,(1973)参照〕、ヒト−CSFに関しても、これま
でに多数の報告が既になされている。〔Stanley 等,フ
ェデラルプロシーデング(Fed.Proc.)35.2272(1975); Bu
rgess等,ブラッド(Blood) 49.573(1977),その他多数
あり〕 しかし、前述のCSFは完全に純化されたものではな
く、又純粋で均質の大量生産可能な取得法も確立してい
なかった。
BMT後の造血機能回復を促進する薬剤の開発のために
は、大量均一なG−CSFの取得が前提であり、本出願
人の先の成功(特願昭59−153273号,特願昭60−220450
号,特願昭60−269455号,特願昭60−269456号,特願昭
60−270838号,特願昭60−270839号参照)はこれを一挙
に可能にしたのである。
は、大量均一なG−CSFの取得が前提であり、本出願
人の先の成功(特願昭59−153273号,特願昭60−220450
号,特願昭60−269455号,特願昭60−269456号,特願昭
60−270838号,特願昭60−270839号参照)はこれを一挙
に可能にしたのである。
そこで、本発明者は該ヒトG−CSFをマウスに連日投
与したところ造血機能の昂進があることを認めた。(実
験例1参照) ついで、G−CSFをBMT後の造血機能回復促進剤と
して用いうるか否かについて検討を行ったところG−C
SF投与群にCFU−Sの増加が認められた。これによ
ってG−CSFにBMT後の造血機能促進効果のあるこ
とが確認されたのである。(実験例2参照) 又、造血機能の回復が遅い実験系においては、コントロ
ール群で生存率が33%であるのに対し、G−CSF投与
群は75%の高率を示す事が確認された。これはG−CS
Fの造血機能促進効果の表れである。(実験例3参照) 本発明者は以上の知見に基づき本発明を完成した。
与したところ造血機能の昂進があることを認めた。(実
験例1参照) ついで、G−CSFをBMT後の造血機能回復促進剤と
して用いうるか否かについて検討を行ったところG−C
SF投与群にCFU−Sの増加が認められた。これによ
ってG−CSFにBMT後の造血機能促進効果のあるこ
とが確認されたのである。(実験例2参照) 又、造血機能の回復が遅い実験系においては、コントロ
ール群で生存率が33%であるのに対し、G−CSF投与
群は75%の高率を示す事が確認された。これはG−CS
Fの造血機能促進効果の表れである。(実験例3参照) 本発明者は以上の知見に基づき本発明を完成した。
本発明はヒトG−CSFを有効成分とするBMT後の造
血機能回復促進剤を提供するものである。
血機能回復促進剤を提供するものである。
本発明の有効成分であるヒトG−CSFは純度が高く単
離されたヒトG−CSFであればその由来は問わない
が、本出願人が先に出願した方法によって取得された下
記のヒトG−CSFが特に好ましく用いられる。
離されたヒトG−CSFであればその由来は問わない
が、本出願人が先に出願した方法によって取得された下
記のヒトG−CSFが特に好ましく用いられる。
(1) 次の理化学的性質を有するヒトG−CSF。
分子量:ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動法による測定で19000 ±1000。
ドゲル電気泳動法による測定で19000 ±1000。
等電点:pI=5.5 ±0.1 ,pI=5.8 ±0.1 ,pI
=6.1 ±0.1 の三つの等電点のうち少なくとも1つを有
する。
=6.1 ±0.1 の三つの等電点のうち少なくとも1つを有
する。
紫外部吸収:280nmに極大吸収を有し、250nmに極
少値を持つ。
少値を持つ。
N末端から21番目迄のアミノ酸配列が次の如くであ
る。
る。
H2N-Thr-Pro-Leu-Gly-Pro-Ala-Ser-Ser-Leu-Pro-Gln-Se
r-Phe-Leu-Leu-Lys-Cys-Leu-Glu-Gln-Val- (2) 次のアミノ酸配列またはその一部で表わされるポリ
ペプチドを有するヒトG−CSF。
r-Phe-Leu-Leu-Lys-Cys-Leu-Glu-Gln-Val- (2) 次のアミノ酸配列またはその一部で表わされるポリ
ペプチドを有するヒトG−CSF。
(Met)n Thr Pro Leu Gly Pro Ala Ser Ser Leu Pro Gln
Ser Phe Leu Leu Lys Cys Leu Glu Gln Val Arg Lys I
le Gln Gly Asp Gly Ala Ala Leu Gln Glu Lys X Cys
Ala Thr Tyr Lys Leu Cys His Pro Glu Glu Leu Val Le
u Leu Gly His Ser Leu Gly Ile Pro Trp Ala Pro Leu
Ser Ser Cys Pro Ser Gln Ala Leu Gln Leu Ala Gly Cy
s Leu Ser Gln Leu His Ser Gly Leu Phe Leu Tyr Gln
Gly Leu Leu Gln Ala Leu Glu Gly Ile Ser Pro Glu Le
u Gly Pro Thr Leu Asp Thr Leu Gln Leu Asp Val Ala
Asp Phe Ala Thr Thr Ile Trp Gln Gln Met Glu Glu Le
u Gly Met Ala Pro Ala Leu Gln Pro Thr Gln Gly Ala
Met Pro Ala Phe Ala Ser Ala Phe Gln Arg Arg Ala Gl
y Gly Val Leu Val Ala Ser His Leu Gln Ser Phe Leu
Glu Val Ser Tyr Arg Val Leu Arg His Leu Ala Gln Pr
o(式中XはLeu 又はLeu-Val-Ser-Glu を示し、nは0
又は1を示す) なお、上記のヒトG−CSFで糖鎖部分を持つ糖蛋白質
の形をとるものが最も好ましいものである。
Ser Phe Leu Leu Lys Cys Leu Glu Gln Val Arg Lys I
le Gln Gly Asp Gly Ala Ala Leu Gln Glu Lys X Cys
Ala Thr Tyr Lys Leu Cys His Pro Glu Glu Leu Val Le
u Leu Gly His Ser Leu Gly Ile Pro Trp Ala Pro Leu
Ser Ser Cys Pro Ser Gln Ala Leu Gln Leu Ala Gly Cy
s Leu Ser Gln Leu His Ser Gly Leu Phe Leu Tyr Gln
Gly Leu Leu Gln Ala Leu Glu Gly Ile Ser Pro Glu Le
u Gly Pro Thr Leu Asp Thr Leu Gln Leu Asp Val Ala
Asp Phe Ala Thr Thr Ile Trp Gln Gln Met Glu Glu Le
u Gly Met Ala Pro Ala Leu Gln Pro Thr Gln Gly Ala
Met Pro Ala Phe Ala Ser Ala Phe Gln Arg Arg Ala Gl
y Gly Val Leu Val Ala Ser His Leu Gln Ser Phe Leu
Glu Val Ser Tyr Arg Val Leu Arg His Leu Ala Gln Pr
o(式中XはLeu 又はLeu-Val-Ser-Glu を示し、nは0
又は1を示す) なお、上記のヒトG−CSFで糖鎖部分を持つ糖蛋白質
の形をとるものが最も好ましいものである。
上記(1) のG−CSFは特願昭59−153273号明細書又は
特願昭60−220450号明細書に記載された製造法によって
得ることができる。
特願昭60−220450号明細書に記載された製造法によって
得ることができる。
前者には、ヒト口腔底癌由来の細胞株CHU−1の培養
上清から単離取得する方法が詳述されており、また後者
には同じくヒト口腔底癌由来の細胞株CHU−2〔仏国
パスツール研(C.N.C.M.)寄託番号I−483 〕の培養上
清から製造する方法が記載されている。
上清から単離取得する方法が詳述されており、また後者
には同じくヒト口腔底癌由来の細胞株CHU−2〔仏国
パスツール研(C.N.C.M.)寄託番号I−483 〕の培養上
清から製造する方法が記載されている。
詳しくは夫々の明細書を参照されたい。
又(2) のG−CSFは特願昭60−269455号,特願昭60−
269456号,特願昭60−270838号及び特願昭60−270839号
の各明細書に記載された製造方法によって得ることがで
きる。これ等の各明細書に記載されている方法はいわゆ
る遺伝子組換え技術による方法である。
269456号,特願昭60−270838号及び特願昭60−270839号
の各明細書に記載された製造方法によって得ることがで
きる。これ等の各明細書に記載されている方法はいわゆ
る遺伝子組換え技術による方法である。
最初の2件には、E.coli等の原核生物を宿主細胞
とする方法が、又後の2件には、動物細胞を宿主とする
方法が開示されているので詳しくは夫々の明細書を参照
していただきたい。
とする方法が、又後の2件には、動物細胞を宿主とする
方法が開示されているので詳しくは夫々の明細書を参照
していただきたい。
なお、前述した糖鎖部分を有する糖蛋白質の形をとるG
−CSFは動物細胞を宿主とする方法によって製造する
ことができる。
−CSFは動物細胞を宿主とする方法によって製造する
ことができる。
得られたヒトG−CSFは凍結保存とするか又は凍結乾
燥、真空乾燥等の手段により水分を除去して保存するこ
とができる。
燥、真空乾燥等の手段により水分を除去して保存するこ
とができる。
又、所望によりヒトG−CSFを適当な緩衝液に溶解し
た後にミリポアフィルター等で無菌濾過して注射剤とす
ることもできる。
た後にミリポアフィルター等で無菌濾過して注射剤とす
ることもできる。
更に本発明の造血機能回復促進剤は医薬製剤としての形
態をとるために必要な製剤担体や賦形剤を、更には安定
化剤、吸着防止剤を含むことができる。
態をとるために必要な製剤担体や賦形剤を、更には安定
化剤、吸着防止剤を含むことができる。
本発明の造血機能回復促進剤に含まれるヒトG−CSF
の投与量及び投与回数は対象の疾患患者の病状を配慮し
て決めることができるが、通常成人一人当り 0.1〜 500
μg、好ましくは5〜100 μgのヒトG−CSFを含有
する製剤を1週間に1〜7回投与することができる。し
かし本発明はヒトG−CSFの含有量によって限定され
るものではない。
の投与量及び投与回数は対象の疾患患者の病状を配慮し
て決めることができるが、通常成人一人当り 0.1〜 500
μg、好ましくは5〜100 μgのヒトG−CSFを含有
する製剤を1週間に1〜7回投与することができる。し
かし本発明はヒトG−CSFの含有量によって限定され
るものではない。
以下本発明を参考例(G−CSFの製造例)、実験例
(薬理効果)、実施例(製剤例)をあげて説明するが、
本発明はこれ等に限定されるものではない。
(薬理効果)、実施例(製剤例)をあげて説明するが、
本発明はこれ等に限定されるものではない。
参考例〔動物細胞(マウスC127細胞)を用いたヒト
G−CSFの製造例〕 特願昭60−269456号明細書の実施例1〜12に記載された
方法でPTN−V2プラスミドを得、これをBamHI
で処理しておく。即ち、pTN−V2プラスミド20μg
を10 mM Tris−Hcl(pH 8.0),7 mM Mg
Cl2 , 100 mM NaCl,2 mM 2−メルカプトエ
タノール,0.01%BSA100 μlに溶解せしめBamH
I(宝酒造社製)20単位で処理し、フェノール処理、エ
ーテル処理、エタノール沈澱を行っておく。
G−CSFの製造例〕 特願昭60−269456号明細書の実施例1〜12に記載された
方法でPTN−V2プラスミドを得、これをBamHI
で処理しておく。即ち、pTN−V2プラスミド20μg
を10 mM Tris−Hcl(pH 8.0),7 mM Mg
Cl2 , 100 mM NaCl,2 mM 2−メルカプトエ
タノール,0.01%BSA100 μlに溶解せしめBamH
I(宝酒造社製)20単位で処理し、フェノール処理、エ
ーテル処理、エタノール沈澱を行っておく。
一方、マウスC127細胞は10%牛胎児血清(GIBC
O)を含むDulbecco′s minimal essential培地中で増
殖させる。径5cmのプレートに増殖したC127細胞
に、プレート当たり上記調製DNAを10μgの割り合い
でリン酸−カルシウム法(Haynes,J&Weissmann,C(198
3)Nucleic Acid Res,11,687−706 参照)にて形質転換
を行い、グリセロール処理の後、12時間37℃でインキュ
ベートした。
O)を含むDulbecco′s minimal essential培地中で増
殖させる。径5cmのプレートに増殖したC127細胞
に、プレート当たり上記調製DNAを10μgの割り合い
でリン酸−カルシウム法(Haynes,J&Weissmann,C(198
3)Nucleic Acid Res,11,687−706 参照)にて形質転換
を行い、グリセロール処理の後、12時間37℃でインキュ
ベートした。
次に、この細胞を3枚の新しい径5cmのプレートに移
し、1週間2回の割り合いで培地交換をした。16日目に
Foci(集塊)を形成した部分をそれぞれ新しいプレ
ートに移し、上述の培地で継代培養し、G−CSF生産
能の高いクローンを選別した。その結果〜1mg/のレ
ベルのG−CSF生産があった。
し、1週間2回の割り合いで培地交換をした。16日目に
Foci(集塊)を形成した部分をそれぞれ新しいプレ
ートに移し、上述の培地で継代培養し、G−CSF生産
能の高いクローンを選別した。その結果〜1mg/のレ
ベルのG−CSF生産があった。
なお、回収、精製、検定方法については上記の特願昭60
−269456号明細書の該当実施例に開示してある通りのも
のを用いた。
−269456号明細書の該当実施例に開示してある通りのも
のを用いた。
実験例1 G−CSF連日投与と造血機能の関係(マウス) G−CSFサンプル0.1 ml(CHU−2由来のG−CS
F2.5 μg、n−プロパノール1%、同系マウス血清10
%を含む生理食塩液)をマウス(C57BL 8W、オ
ス)に1日1回連日投与し下記の夫々の日に殺して脾臓
中のCFU−C数、CFU−S数及び末梢好中球数を測
定しコントロールサンプル0.1 ml(n−プロパノール1
%、同系マウス血清10%を含む生理食塩液)を投与した
マウスのそれらと比較した。結果を表−1、表−2及び
表−3に示す。CFU−Sとは赤血球、好中球、巨核
球、好酸球、単球に分化し得る能力を持つ幹細胞のこと
であり、CFU−Cとは好中球、単球(マクロファー
ジ)そして場合によっては好酸球に分化し得る能力を持
つ幹細胞をいう。
F2.5 μg、n−プロパノール1%、同系マウス血清10
%を含む生理食塩液)をマウス(C57BL 8W、オ
ス)に1日1回連日投与し下記の夫々の日に殺して脾臓
中のCFU−C数、CFU−S数及び末梢好中球数を測
定しコントロールサンプル0.1 ml(n−プロパノール1
%、同系マウス血清10%を含む生理食塩液)を投与した
マウスのそれらと比較した。結果を表−1、表−2及び
表−3に示す。CFU−Sとは赤血球、好中球、巨核
球、好酸球、単球に分化し得る能力を持つ幹細胞のこと
であり、CFU−Cとは好中球、単球(マクロファー
ジ)そして場合によっては好酸球に分化し得る能力を持
つ幹細胞をいう。
表−1、表−2、表−3から明らかな通りG−CSFを
マウスに連日投与すると造血機能の昂進が認められる。
マウスに連日投与すると造血機能の昂進が認められる。
実験例2 G−CSFのBMT後の造血機能回復促進効果 マウス(C57BL 8W、オス)に950RのX線を
全身照射し、直ちに同系マウスの骨髄細胞2×105個
を尾静脈より移植した。このマウスについて、移植後5
日目より実験例1で用いたコントロール又はG−CSF
サンプル0.1 mlを連日投与し、投与開始後6日目及び12
日目の脾及び骨髄のCFU−S数を数えた。
全身照射し、直ちに同系マウスの骨髄細胞2×105個
を尾静脈より移植した。このマウスについて、移植後5
日目より実験例1で用いたコントロール又はG−CSF
サンプル0.1 mlを連日投与し、投与開始後6日目及び12
日目の脾及び骨髄のCFU−S数を数えた。
結果は表−4、表−5に示す。
実験例3 造血能回復の遅い実験系での生存率 マウス(C57BL 8W、オス)に950RのX線を
全身照射し、直ちに同系マウスの骨髄細胞7.5×10
4個を尾静脈より移植した。このマウスについて、移植
後5日目より実験例1で用いたコントロール又はG−C
SFサンプル0.1 mlを連日11日投与し、その後の生存率
(照射後40日目)をみた。結果は以下に示す通りであっ
た。
全身照射し、直ちに同系マウスの骨髄細胞7.5×10
4個を尾静脈より移植した。このマウスについて、移植
後5日目より実験例1で用いたコントロール又はG−C
SFサンプル0.1 mlを連日11日投与し、その後の生存率
(照射後40日目)をみた。結果は以下に示す通りであっ
た。
生存率 control群 33.3%(n=12) G−CSF処置群 75.0%(n=12) 生存率の顕著な向上はG−CSFの造血能回復促進効果
によるものと推定される。
によるものと推定される。
実施例1(製剤例) 参考例によって得られたヒトG−CSFを無菌処理した
後−20℃で凍結された凍結物を用いて注射剤とした。
後−20℃で凍結された凍結物を用いて注射剤とした。
実施例2(製剤例) 参考例によって得られたヒトG−CSFを無菌操作で10
mlバイアル瓶に5ml充填し、−20℃で凍結乾燥後ゴム栓
にて施栓した凍結乾燥物を用いて注射剤とした。
mlバイアル瓶に5ml充填し、−20℃で凍結乾燥後ゴム栓
にて施栓した凍結乾燥物を用いて注射剤とした。
本発明の造血機能回復促進剤は、造血障害をおこしてい
る患者への治療法である骨髄移植を行なった後の造血機
能回復を促進させる効果があり、これによって白血病等
の多くの難病患者の治癒に対する期待が高まった。
る患者への治療法である骨髄移植を行なった後の造血機
能回復を促進させる効果があり、これによって白血病等
の多くの難病患者の治癒に対する期待が高まった。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−121916(JP,A) 特開 昭54−140707(JP,A) 特開 昭59−137417(JP,A) 特開 昭57−114525(JP,A) 特開 昭62−36326(JP,A) 特開 昭62−132899(JP,A) 特開 昭62−174026(JP,A) 特表 昭63−500636(JP,A)
Claims (3)
- 【請求項1】骨髄移植後において、幹細胞(CFU−
S)を増殖促進させることを特徴とするヒト顆粒球コロ
ニー刺激因子を有効成分とする造血機能回復促進剤。 - 【請求項2】ヒト顆粒球コロニー刺激因子が以下の理化
学的性質を有するものであることを特徴とする特許請求
の範囲第1項記載の造血機能回復促進剤。 〔理化学的性質〕 分子量:ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動法による測定で19000±1000。 等電点:pI=5.5 ±0.1 ,pI=5.8 ±0.1 ,pI
=6.1 ±0.1 の三つの等電点のうち少なくとも1つを有
する。 紫外部吸収:280nmに極大吸収を有し、250nmに極
少値を持つ。 - 【請求項3】ヒト顆粒球コロニー刺激因子が、以下のア
ミノ酸配列又はその一部で表わされるポリペプチドを有
するものであることを特徴とする特許請求の範囲第1項
記載の造血機能回復促進剤。 (Met)n Thr Pro Leu Gly Pro Ala Ser Ser Leu Pro Gln
Ser Phe Leu Leu Lys Cys Leu Glu Gln Val Arg Lys I
le Gln Gly Asp Gly Ala Ala Leu Gln Glu Lys Leu (Va
l Ser Glu)m Cys Ala Thr Tyr Lys Leu Cys His Pro Gl
u Glu Leu Val Leu Leu Gly His Ser Leu Gly Ile Pro
Trp Ala Pro Leu Ser Ser Cys Pro Ser Gln Ala Leu Gl
n Leu Ala Gly Cys Leu Ser Gln Leu His Ser Gly Leu
Phe Leu Tyr Gln Gly Leu Leu Gln Ala Leu Glu Gly Il
e Ser Pro Glu Leu Gly Pro Thr Leu Asp Thr Leu Gln
Leu Asp Val Ala Asp Phe Ala Thr Thr Ile Trp Gln Gl
n Met Glu Glu Leu Gly Met Ala Pro Ala Leu Gln Pro
Thr Gln Gly Ala Met Pro Ala Phe Ala Ser Ala Phe Gl
n Arg Arg Ala Gly Gly Val Leu Val Ala Ser His Leu
Gln Ser Phe Leu Glu Val Ser Tyr Arg Val Leu Arg Hi
s Leu Ala Gln Pro (式中n,mは0又は1を示す。)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62010037A JPH0618779B2 (ja) | 1986-01-22 | 1987-01-21 | 造血機能回復促進剤 |
Applications Claiming Priority (3)
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JP62010037A JPH0618779B2 (ja) | 1986-01-22 | 1987-01-21 | 造血機能回復促進剤 |
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-
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