JPH06187697A - 磁気記録再生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気ヘッドの回転過渡状態、あるいはシャト
ルモード等でテープスピードが変化した場合の、磁気ヘ
ッドの摩耗、磁気テープのダメージを低減することを目
的としている。 【構成】 磁気テープ３が回転シリンダ１より浮上する
量を検出する浮上量センサ４を設け、もしくは磁気テー
プ３の回転シリンダ１との接触圧検出する半導体圧力セ
ンサ４を設け、浮上量もしくは接触圧の出力に応じて予
め設定した浮上量もしくは接触圧になるようにテンショ
ンコントロールをする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、磁気テープにシリンダ
に搭載した磁気ヘッドにて信号を記録または再生する構
成の磁気記録再生装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】ＶＴＲ等の磁気テープを用いた磁気記録
再生装置では、信号の記録再生時の電気的特性を得るば
かりでなく、磁気ヘッドの摩耗や磁気テープのダメージ
の観点からも磁気テープと磁気ヘッドのヘッドタッチを
良好に保つために、磁気テープのテンション制御を行っ
ている。最近、記録情報の増大に伴って高密度記録が要
求され、磁気テープと磁気ヘッドの高相対速度化、磁気
テープの薄手化が進み、良好なヘッドタッチを得るため
のテンション制御技術が重要となっている。

【０００３】従来の磁気テープのテンションを制御する
手段を図面を用いて説明する。図５は従来の磁気記録再
生装置の構成を示した平面図である。磁気記録再生装置
は磁気テープ３を回巻した供給リール１１と、この供給
リール１１の回転トルクを制御し磁気テープ３にテンシ
ョンを付与するリールモータ１０と、磁気テープ３のテ
ンションを検出するテンションレギュレータ９と、磁気
ヘッド２を搭載し磁気テープ３が所定角度巻付けられた
回転シリンダ１と、磁気テープ３を案内する複数のテー
プガイド５、６、７、８により構成されている。

【０００４】以下、動作について説明する。回転シリン
ダ１の磁気ヘッド２における所望のヘッドタッチを得る
ために、回転シリンダ１と供給リール１１間のテンショ
ンをテンションレギュレータ９によって検出しており、
テンションが変化したときには供給リール１１の駆動ト
ルクをテンションレギュレータ９の出力に応じて変化さ
せ、磁気テープ３のテンションを一定に保持している。
したがって、磁気ヘッド２と磁気テープ３とのヘッドタ
ッチを一定に保持することができる。

【０００５】さらに、回転シリンダ１の起動から定常回
転になるまでの期間および定常回転から停止までの期間
においてもテンションをコントロールすることにより、
磁気ヘッド２の摩耗や磁気テープ３のダメージを防止し
ている。この場合、回転過渡状態のテンション値を予め
設定しておき、この値になるようにリールモータ１０を
駆動しテンション制御を行っている。（たとえば、特開
平３−２８８３５０号公報）。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】このように、前述した
従来例においては、磁気ヘッド２の磁気テープ３とのヘ
ッドタッチにおいて所望の状態を得るために、直接に磁
気ヘッド２部のヘッドタッチを制御するのではなく、磁
気ヘッド２と供給リール１１間の磁気テープ３のテンシ
ョンを制御することによって、間接的にヘッドタッチを
制御していることになる。したがって、必ずしも磁気テ
ープ走行経路内のテンションを制御することで良好なヘ
ッドタッチを得ていることにはならない。特に、回転シ
リンダ１の回転過渡状態、あるいはシャトルモード等で
テープスピードが変化する場合では、間接的なテンショ
ン制御では高精度に良好なヘッドタッチを得ることがで
きず、磁気ヘッド２の摩耗が起こりやすく、また磁気テ
ープ３のダメージが発生しやすいという問題があった。

【０００７】本発明は上記課題を解決するもので、磁気
ヘッドの回転過渡状態、あるいはシャトルモード等でテ
ープスピードが変化する場合における磁気ヘッド摩耗、
磁気テープのダメージを低減する磁気記録再生装置を提
供することを目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、磁気ヘッドの走査軌跡近傍に磁気テープの
シリンダからの浮上量を検出する浮上量センサを設け、
この浮上量センサの出力に応じて磁気テンションを制御
する手段を有する磁気記録再生装置の構成とする。

【０００９】もしくは磁気テープのシリンダとの接触圧
を検出する接触圧検出手段を設け、この出力に応じて磁
気テープのテンションを制御する磁気記録再生装置の構
成とする。

【００１０】

【作用】上記した構成において、磁気ヘッド近傍の磁気
テープの浮上量を検出し、もしくは磁気テープのシリン
ダとの接触圧を検出し、テープテンションをコントロー
ルしているので、シリンダの回転過渡状態あるいはテー
プスピードが変化する場合において、常時最適なヘッド
タッチが得られることとなる。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の第１の実施例について図面を
参照しながら説明する。図１は本発明の第１の実施例の
磁気記録再生装置の構成を示す平面図である。なお、従
来例で示したものと同一構成部材には同一符号を用い
る。図示のように磁気記録再生装置は、磁気テープ３を
回巻した供給リール１１と、この供給リール１１の回転
トルクを制御し磁気テープ３のテンションを制御するリ
ールモータ１０と、磁気ヘッド２が搭載され磁気テープ
３を所定角度巻付けた回転シリンダ１と、磁気ヘッド２
と供給リール１１の間のテープ走行経路内に配設され磁
気テープ３のテンションを検出するテンションレギュレ
ータ９と、磁気テープ３を案内する複数のテープガイド
５、６、７、８とを備えている。そして、特徴的な構成
として、磁気ヘッド２の走査軌跡近傍に配設され、磁気
テープ３の回転シリンダ１外周面からの浮上量を静電容
量方式で検出する浮上量検出センサ４を設けている。

【００１２】上記構成において、その動作を説明する。
回転シリンダ１の停止時には、テープダメージを発生さ
せない程度の初期テンションを磁気テープ３に与えてい
る。この状態から回転シリンダ１が回転起動を開始する
と、回転シリンダ１に添接された磁気テープ３はエアフ
ィルムの発生により回転シリンダ１の外周面から浮上す
る。さらに回転数が増し浮上量が増していく過程で、浮
上量検出センサ４の出力が予め設定しておいた浮上量に
達したとき、それを保持するようにテンションレギュレ
ータ９の出力と併せてリールモータ１０を駆動し供給リ
ール１１の回転トルクを制御する。そして、この動作を
回転シリンダ１が定常回転になるまで続けることで、回
転シリンダ１が停止から定常回転になるまでの期間にお
いて、良好なヘッドタッチを得ることが可能となる。

【００１３】また、回転シリンダ１が定常回転時に所定
テンションを付与されている状態から停止するときに、
回転数が徐々に落ちてくるとエアフィルムの発生が少な
くなり、磁気テープ３の浮上量が少なくなってくる。こ
のとき、浮上量検出センサ４の出力が予め設定しておい
た浮上量に達したとき、それを保持するようにテンショ
ンレギュレータ９の出力と併せてリールモータ１０を駆
動し供給リール１１の回転トルクを制御する。そして、
この動作を回転シリンダ１が停止するまで続けること
で、回転シリンダ１が定常回転から停止するまでの期間
において、良好なヘッドタッチを得ることができる。

【００１４】また、シャトルモード等でテープスピード
が変化する場合について説明する。再生または記録走行
中には、磁気テープ３には所定テンションが付与されて
いる。このとき、シャトルモードでテープスピードが変
化すると磁気テープ３と磁気ヘッド２の相対速度が変化
し、エアフィルムの発生状態が異なるのでテープ浮上量
が変化する。そこで浮上量検出センサ４の出力およびテ
ンションレギュレータ９の出力に応じて、リールモータ
１０を駆動しテンションを制御する。したがって、磁気
テープ３と磁気ヘッド２は過度な接触を起こさず、磁気
ヘッド２の摩耗、磁気テープ３のダメージが防止でき
る。

【００１５】図２は図１に示した磁気記録再生装置の回
転シリンダ１の詳細を示す平面図であり、浮上量検出セ
ンサ４の配設位置を示したものである。本実施例では上
回転シリンダ方式のシリンダ構成において、浮上量検出
センサ４は上回転シリンダ１ｂの磁気ヘッド２の走査軌
跡近傍である下端部に配置され、かつ上回転シリンダ１
ｂの外周面と略同一面内になるようにしている。図中１
ｂは下固定シリンダである。

【００１６】また、図３はディスク回転方式のシリンダ
構成において、浮上量検出センサ４を上固定シリンダ１
ｂ′の磁気ヘッド２走査軌跡近傍である下端部に配置
し、かつ上固定シリンダ１ｂ′の外周面と略同一面内に
なるようにしたものである。なお、この場合浮上量セン
サ４は磁気ヘッド２走査軌跡近傍の下固定シリンダ１ａ
の上端部に設けてもよい。

【００１７】また、図４は中回転シリンダ方式のシリン
ダ構成において、浮上量検出センサ４を中回転シリンダ
１ｃの磁気ヘッド２走査軌跡近傍に、かつ中回転シリン
ダ１ｃの外周面と略同一面内に設けたものである。な
お、この場合、浮上量センサ４は磁気ヘッド２の走査軌
跡近傍の下固定シリンダ１ａの上端部または磁気ヘッド
２走査軌跡近傍の上固定シリンダ１ｂ′の下端部に設け
てもよい。

【００１８】なお、本実施例においては浮上量センサ４
をシリンダ搭載型としているが、シリンダ外部に配設し
テープ浮上量を検出する構成であってもよい。次に、本
発明の第２の実施例について説明する。

【００１９】この第２の実施例は、上記の第１の実施例
における磁気記録再生装置の構成を示す図１において、
浮上量検出センサ４を磁気テープ３の回転シリンダ１と
の接触圧を検出する接触圧検出手段として半導体圧力セ
ンサ４に置きかえた構成とした。したがって、回転シリ
ンダ１の回転過渡状態において、半導体圧力センサ４の
出力に応じて、予め設定しておいた接触圧を保持するよ
うにテンションレギュレータ９の出力と併せてリールモ
ータ１０を駆動し、供給リール１１の回転トルクを制御
している。すなわち、第１の実施例と同様に回転シリン
ダ１の回転過渡状態あるいはシャトルモード等でテープ
スピードが変化する場合において良好なヘッドタッチを
得ることができる。

【００２０】なお、磁気テープ３のシリンダとの接触圧
を検出する手段は、磁気テープ３が回転シリンダ１の外
周面と接触する接触圧ばかりでなく、磁気テープ３のエ
ッジが回転シリンダ１のリード部と接触する接触圧を検
出してもよい。したがって、磁気テープ３の端部と回転
シリンダ１のリード部の接触圧を検出することによっ
て、シリンダ１のリード部でのテープダメージを感知す
ることが可能となり、磁気テープ３下端のダメージを防
止することができる。

【００２１】なお、半導体圧力センサ４は、上シリンダ
回転方式、ディスク回転方式、中シリンダ回転方式の各
シリンダ構成において、磁気テープ３と接触する領域で
あればいずれのシリンダ上に設けてもよい。

【００２２】なお、接触圧検出手段は半導体圧力センサ
４のかわりに接触圧を検出できるものであればどんなセ
ンサを用いてもよい。

【００２３】

【発明の効果】以上の実施例から明らかなように、本発
明によれば磁気ヘッドの回転過渡状態あるいはシャトル
モード等でテープスピードが変化した場合における磁気
テープのテンションコントロールを適切に行うことによ
って、磁気ヘッドの摩耗、磁気テープのダメージを低減
することができる。

【００２４】また、シリンダのリード部での磁気テープ
の下端のダメージを防止することができ、信頼性が向上
するとともに、リード部での磁気テープ規制状態が良好
に保てるので記録トラックのリニアリティを向上させる
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例の磁気記録再生装置の構
成を示す平面図

【図２】本発明の一実施例のシリンダの詳細を示す平面
図

【図３】本発明の他の実施例のシリンダの詳細を示す平
面図

【図４】本発明の他の実施例のシリンダの詳細を示す平
面図

【図５】従来例の磁気記録再生装置の構成を示す平面図

【符号の説明】

１ 回転シリンダ ２ 磁気ヘッド ３ 磁気テープ ４ 浮上量検出センサ／半導体圧力センサ ９ テンションレギュレータ １０ リールモータ １１ 供給リール

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 磁気ヘッドを搭載したシリンダと、前記
   磁気ヘッドの走査軌跡近傍に配設され磁気テープの前記
   シリンダの外周面からの浮上量を検出する浮上量検出手
   段と、前記磁気テープのテンションを検出するテンショ
   ン検出手段と、前記磁気テープのテンションを制御する
   テンション制御手段とからなり、前記浮上量検出手段の
   出力に応じて前記磁気テープのテンションを前記テンシ
   ョン制御手段により制御するようにした磁気記録再生装
   置。
2. 【請求項２】 磁気ヘッドを搭載したシリンダと、磁気
   テープと前記シリンダとの接触圧を検出する接触圧検出
   手段と、前記磁気テープのテンションを検出するテンシ
   ョン検出手段と、前記磁気テープのテンションを制御す
   るテンション制御手段とからなり、前記接触圧検出手段
   の出力に応じて前記テープのテンションを前記テンショ
   ン制御手段により制御するようにした磁気記録再生装
   置。