JPH0618747Y2 - 自動装着機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、ワツシヤやＥリングなどの被装着片をワーク
に装着するための自動装着機に関する。

背景技術 たとえばＥリング自動装着機では、Ｅリングを供給部材
によつて供給し、この供給されたＥリングを自動装着機
本体に取付けられたチヤツク部材によつて把持し、この
チヤツク部材が駆動変位してワークの装着部分にＥリン
グを自動装着するように構成されている。

このような自動装着機では、供給部材とチヤツク部材と
の相対位置、ならびにチヤツク部材とワークとの相対位
置を予め調整する必要がある。

従来からこのような調整は、目視によって行われてい
た。

考案が解決しようとする問題点 上述のように先行技術では、自動装着機の調整を目視に
よつて行つているため、調整の度毎にばらつきが生じ、
高精度な位置調整を行うことができない。したがつて、
このような調整のもとで自動装着機が稼動した際、装着
不良の増大を招いていた。

本考案の目的は、上述の技術的課題を解決し、簡単な構
造で、しかも高精度な調整を行うことができる自動装着
機を提供することである。

問題点を解決するための手段 本考案は、ワークに装着されるべき被装着片を、位置決
め突起または位置決め孔が形成された供給部材によつて
供給し、この供給された被装着片をチヤツク部材によつ
て把持し、このチヤツク部材が駆動変位してワーク上に
形成された凸状の装着部分に被装着片を装着するように
した自動装着機において、 前記位置決め突起または位置決め孔に対応した第１の位
置決め孔または位置決め突起が形成され、かつワークの
装着部分に嵌合する第２の位置決め孔が形成された位置
決め治具を、チヤツク部材の取付位置に該チヤツク部材
に代えて取付け可能な構造にしてなることを特徴とする
自動装着機である。

作用 本考案に従えば、Ｅリングなどの被装着片をワークに装
着する自動装着機は、前記被装着片を、該被装着片の形
状に対応した供給部材の位置決め突起または位置決め孔
に嵌め込んでチヤツク部材に供給する。前記チヤツク部
材は、供給されてきた被装着片を把持した状態で変位駆
動して、ワーク上に形成された凸状のピンなどの装着部
分に被装着片を装着し、こうして自動装着機が実現され
る。このような自動装着機の調整を行うにあたつて、ま
ずチャツク部材を自動装着機から取外し、位置決め治具
をチヤツク部材に代えて取付ける。次に、供給部材を前
記位置決め治具に向けて移動させ、供給部材の位置決め
突起または位置決め孔が、位置決め治具の第１の位置決
め孔または位置決め突起に嵌入するように、位置決め治
具と供給部材との相対位置を位置調整する。次に、位置
決め治具を駆動変位して、ワークの装着部分に前記位置
決め治具の第２の位置決め孔が嵌合するように、ワーク
と位置決め治具との相対位置を位置調整することによつ
て、チヤツク部材と供給部材ならびにチヤツク部材とワ
ークとの位置決めが達成される。したがつてワークの装
着部分に被装着片を確実に装着することができる。

実施例 第１図は本考案に従う位置決め治具１の斜視図であり、
第２図はこの位置決め治具１が用いられる本考案の一実
施例の自動装着機２の全体の正面図であり、第３図は自
動装着機２の平面図であり、第４図は自動装着機２の要
部を拡大した正面図であり、第５図は第４図の矢符Ａ側
から見た拡大側面図である。まず第２図〜第５図を参照
して、この自動装着機２は、たとえばＥリング自動装着
機でありる。この自動装着機２は、自動装着機本体３
と、自動装着機本体３を支持する基台４とを含む。基台
４の下方には、ワーク５を支持する支持板６が備えら
れ、この支持板６には位置決め孔７が形成される。支持
板６の下方には、支持板６を昇降変位するための昇降部
材８が備えられ、この昇降部材８は油圧シリンダなどの
駆動手段７０によつて昇降駆動される。昇降部材８に
は、前記支持板６の位置決め孔７に嵌合する位置決め突
起９が立設される。この位置決め突起９および位置決め
孔７によつて、ワーク５は所定の位置に位置決めされ
る。ワーク５には、Ｅリング装着部分としての挿入軸１
０が立設されており、後述するように自動装着機２の稼
動によつて被装着片としてのＥリング１１が前記挿入軸
１０に挿着される。

自動装着機本体３は、Ｅリング１１を収納するスタツカ
１２と、第２図の上下方向に駆動変位可能な駆動体１３
と、スタツカ１２に収納されているＥリング１１を供給
する供給部材１４とを含む。駆動体１３は、支持部材１
５によつて移動体１６に取付けられる。移動体１６は、
支柱１７に上下方向に変位可能に取付けられており、こ
の移動体１６の上下方向の位置決めは、位置調整用ねじ
１８によつて行なわれる。

駆動体１３には、供給部材１４から供給されるＥリング
１１を把持するチヤツク部材１９が着脱自在に取付けら
れる。このチヤツク部材１９は、第６図に示すように大
略的にＬ字状に形成され、駆動体１３に取付けられる取
付部２０と、この取付部２０の下端部から垂直方向に延
在するチヤツク部２１とを有する。チヤツク部２１の遊
端部には、Ｅリング１１の外周に対応した円弧状の切欠
き２２が形成され、この切欠き２２に連なり、チヤツク
部２１および取付部２０に亘つて直線状の切欠き２２が
形成される。これによつてチヤツク部２１の弾性力を得
ることができ、Ｅリング１１を確実に把持することがで
きるように構成されている。

供給部材１４は、その先端が第７図に示すように段差状
に形成されており、Ｅリング１１を支持する支持面１４
ａと、支持面１４ａから立上がる立上がり面１４ｂとを
有する。立上がり面１４ｂの中央部には、先端部に向け
て延びる保持部２５が形成される。この保持部２５は、
Ｅリング１１の切欠き１１ａに嵌り込み、Ｅリング１１
を支持面１４ａと協同して支持固定する働きをなす。こ
の保持部２５は、後述するように位置決め治具１との位
置決めのための位置決め突起を兼ねている。

自動装着機本体３と基台４とは、止めねじ３２によつて
固定されている。また供給部材１４は、止めねじ３３に
よつて自動装着機本体３に固定される。自動装着機本体
３に関連して、位置調整用ねじ３０，３１が設けられ、
供給部材１４に関連して位置調整用ねじ３４が設けられ
る。位置調整用ねじ３０の操作によつて、自動装着機本
体３は矢符Ｂ１方向に変位して位置調整され、また位置
調整用ねじ３１の操作によつて、自動装着機本体３は矢
符Ｂ２方向に変位して位置調整される。また位置調整用
ねじ３４の操作によつて供給部材１４は、矢符Ｂ１方向
に変位して位置調整が行なわれる。

第８図は、Ｅリング１１をワーク５の挿入軸１０に装着
するための動作を説明するための図である。供給部材１
４は、第８図（１）で示すようにスタツカ１２に収納さ
れているＥリング１１の最下端のＥリング１１ｐを支持
固定して、チヤツク部材１９に向けて移動し、チヤツク
部材１９の切欠き２２にＥリング１１ｐが嵌り込み、チ
ヤツク部材１９によつてＥリング１１ｐが挟持される。
次に、駆動体１３が下降動作を行ない、チヤツク部材１
９がＥリング１１ｐを挟持した状態で予め定めた位置ま
で下降する。その後駆動体１３が僅かに前進し、これに
応じてチヤツク部材１９が第８図（２）で示すように挿
入軸１０に向けて前進し、これによつて挿入軸１０にＥ
リング１１ｐが装着される。

このようなＥリング１１の挿入軸１０への装着にあたつ
て、供給部材１４とチヤツク部材１９との位置調整、な
らびに供給部材１４とワーク５との位置調整を予め行な
わなければならず、このような場合に位置決め治具１が
用いられる。

第１図を参照して、位置決め治具１は大略的にＬ字状に
形成され、自動装着機本体３に着脱自在に取付けられ
る。この位置決め治具１は、駆動体１３に取付けられる
取付部１ａと、取付部１ａの下端で垂直方向に延在する
位置決め部１ｂとを有する。位置決め部１ｂの遊端部に
は、前記供給部材１４の保持部２５が嵌り込む第１の位
置決め孔４０が形成される。また挿入軸１０の径とほぼ
同一な径を有する第２の位置決め孔４１が形成される。

第９図は、位置決め治具１を用いて位置決めを行なう動
作を説明するための図である。位置決め調整にあたつて
は、まずチヤツク部材１９を自動装着機本体３から取外
し、このチヤツク部材１９の取付位置に位置決め治具１
を取付ける。次に供給部材１４を位置決め治具１に向け
て移動し、供給部材１４の保持部２５が、位置決め治具
１の第１の位置決め孔４０に嵌合するように位置調整を
行なう。具体的には止めねじ３３を緩めて、位置調整用
ねじ３４を螺進または螺退させて、供給部材１４を前記
矢符Ｂ１方向に変位調整する。このようにして、供給部
材１４とチヤツク部材１９との位置調整が行なわれる。

次に位置決め治具１を下降させ、挿入軸１０に位置決め
治具１の第２の位置決め孔４１が嵌入するように位置調
整を行なう。具体的には止めねじ３２を緩め、位置調整
用ねじ３０を螺進または螺退させ、自動装着機本体３を
矢符Ｂ１方向に変位調整する。また位置調整用ねじ３１
を螺進または螺退させ、自動装着機本体３を矢符Ｂ２方
向に変位調整する。こうして自動装着機本体３とワーク
５との位置調整が達成される。なお位置決め治具１の昇
降方向の位置決めは、位置調整用ねじ１８（第５図参
照）を螺進または螺退させることによつて行なわれる。
このようにして、位置決め治具１によつて位置調整が行
なわれた後には、位置決め治具１を取外し、チヤツク部
材１９を自動装着機本体３に取付ける。その後、チヤツ
ク部材１９によつて自動装着動作が行なわれる。このと
き、予め位置調整が位置決め治具１によつて高精度で行
なわれているため、Ｅリング１１が確実に挿入軸１０に
装着される。

こうしてワーク５を支持板６の位置決め孔７と、昇降部
材８の位置決め突起９とによつて、予め定めた位置に供
給することができ、さらに位置決め治具１によつて、自
動装着機２による挿入軸１０へのＥリング１１の装着の
位置決めが達成され、したがつて順次供給されるワーク
５へのＥリング１１の装着が高精度で行なわれ、先行技
術のように不良品が発生することが可及的に防止され
る。

前述の実施例では、Ｅリングの自動装着機について説明
したけれども、本考案はワツシヤやカツトワツシヤなど
の自動装着機にも好適に実施することができる。

また前述の実施例は、供給部材１４に予め形成されてい
る保持部２５を位置決め用突起として兼用したけれど
も、供給部材１４に別途位置決め用の突起または位置決
め孔を形成するようにし、この位置決め突起または位置
決め孔に対応した第１の位置決め孔または位置決め突起
を位置決め治具１に形成するようにしてもよい。

またワーク５に装着される部分に、位置決め突起または
位置決め孔を形成し、この位置決め突起または位置決め
孔に対応して位置決め治具１に第２の位置決め孔または
位置決め突起を形成するようにしてもよい。

効果 以上のように本考案によれば、被装着片を供給する供給
部材と、供給部材によつて供給された被装着片を挟持す
るチヤツク部材との位置決め、ならびにチヤツク部材と
ワークとの位置決めを高精度で行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に従う位置決め治具１の斜視図、第２図
は本考案の一実施例の自動装着機２の正面図、第３図は
自動装着機２の平面図、第４図は自動装着機本体３の拡
大正面図、第５図は第４図の矢符Ａ側から見た側面図、
第６図はチヤツク部材１９の斜視図、第７図は供給部材
１４の一部拡大斜視図、第８図はＥリング１１の挿入動
作を説明するための図、第９図は位置決め治具１を用い
た位置決め動作を説明するための図である。 １……位置決め治具、２……自動装着機、３……自動装
着機本体、４……基台、５……ワーク、１０……挿入
軸、１１……Ｅリング、１４……供給部材、１８，３
０，３１，３４……位置調整用ねじ、１９……チヤツク
部材、２５……保持部、４０……第１の位置決め孔、４
１……第２の位置決め孔

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ワークに装着されるべき被装着片を、位置
   決め突起または位置決め孔が形成された供給部材によつ
   て供給し、この供給された被装着片をチヤツク部材によ
   つて把持し、このチヤツク部材が駆動変位してワーク上
   に形成された凸状の装着部分に被装着片を装着するよう
   にした自動装着機において、 前記位置決め突起または位置決め孔に対応した第１の位
   置決め孔または位置決め突起が形成され、かつワークの
   装着部分に嵌合する第２の位置決め孔が形成された位置
   決め治具を、チヤツク部材の取付位置に該チヤツク部材
   に代えて取付け可能な構造にしてなることを特徴とする
   自動装着機。