JPH0618575B2 - 脈波動脈音複合記録装置 - Google Patents

脈波動脈音複合記録装置

Info

Publication number
JPH0618575B2
JPH0618575B2 JP1185620A JP18562089A JPH0618575B2 JP H0618575 B2 JPH0618575 B2 JP H0618575B2 JP 1185620 A JP1185620 A JP 1185620A JP 18562089 A JP18562089 A JP 18562089A JP H0618575 B2 JPH0618575 B2 JP H0618575B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
pulse wave
sound
time
korotkoff sound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1185620A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0349731A (ja
Inventor
光衛 富田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP1185620A priority Critical patent/JPH0618575B2/ja
Publication of JPH0349731A publication Critical patent/JPH0349731A/ja
Publication of JPH0618575B2 publication Critical patent/JPH0618575B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Pulse, Heart Rate, Blood Pressure Or Blood Flow (AREA)
  • Measuring And Recording Apparatus For Diagnosis (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は脈波動脈複合記録装置、特に縛帯を用いた測定
によって脈波、血圧、動脈音の三者を同時に表示できる
脈波動脈音複合記録装置に関する。
〔従来の技術〕 循環器疾患の診断には、血圧測定とともに脈波の解析が
必要である。特に、心臓疾患の診断には、心臓近傍の大
動脈波の解析が極めて有効である。この大動脈波を測定
する方法は、観血的方法と非観血的方法とに分けられ
る。観血的方法としては、従来から血管カテーテル測定
法が行われている。この方法は、動脈にカテーテルを入
れ、カテーテルを被測定部位まで挿入することによっ
て、その場所における脈波を直接測定する方法である。
一方、非観血的方法としては、超音波や核磁気共鳴法を
用いた方法が開発され、実用化に至っている。また、一
般にコロトコフ音として知られている縛帯圧迫下で得ら
れる動脈音も、循環器疾患の診断のための貴重な情報を
含んでいると考えられている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上述した従来の装置による測定結果で
は、脈波、血圧、動脈音の三者を用いた総合的な診断を
行うことができないという問題がある。循環器疾患の診
断には、この三者の総合的把握が非常に重要である。
そこで本発明は、脈波、血圧、動脈音を視覚的に総合判
断することができるように、三者を複合記録できる脈波
動脈音複合記録装置を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
(1)本願第1の発明は、生体の発生する脈波を検出する
脈波検出部と、 生体を縛帯によって圧迫することにより発生するコロト
コフ音を、縛帯圧を変化させながら検出し、圧力軸に沿
ってコロトコフ音の波形を記録する音波検出部と、 脈波検出部によって検出された脈波の立ち上がり時点T
0から大動脈弁閉鎖痕が出現する時点T1までの時間軸
に、音波検出部によって記録されたコロトコフ音波形の
心収縮期圧SPから大動脈閉鎖痕圧DNPまでの圧力軸
を線形対応させ、脈波とコロトコフ音波形とを同一時間
軸上で表示する高圧期表示部と、 脈波検出部によって検出された脈波の大動脈弁閉鎖痕が
出現する時点T1から心拡張期圧に到達する時点T2ま
での時間軸に、音波検出部によって記録されたコロトコ
フ音波形の大動脈弁閉鎖痕圧DNPから心拡張期圧DP
までの圧力軸を線形対応させ、脈波とコロトコフ音波形
とを同一時間軸上で表示する低圧期表示部と、 を設け、脈波動脈音複合記録装置を構成したものであ
る。
(2)本願第2の発明は、上述の第1の発明において、 高圧期表示部が時点T0〜T1までの時間軸を3等分す
る位置を示す目安線を表示し、低圧期表示部が時点T1
〜T2までの時間軸を2等分する位置を示す目安線を表
示するようにしたものである。
(3)本願第3の発明は、上述の第1の発明において、 高圧期表示部および低圧期表示部が、コロトコフ音の標
準的な包絡線を表示する機能を有するようにしたもので
ある。
(4)本願第4の発明は、上述の第1の発明において、 時点T2以後の時間軸上に、心拡張期圧DP以下のコロ
トコフ音を表示する第3の表示部を更に設けたものであ
る。
(5)本願第5の発明は、上述の第1の発明において、 高圧期表示部および低圧期表示部が、右腕に縛帯を装着
したときに得られる第1の検出結果と左腕に縛帯を装着
したときに得られる第2の検出結果とを、時間軸に沿っ
た線に関して対称になるように表示する機能を有するよ
うにしたものである。
(6)本願第6の発明は、上述の第1の発明において、 上腕部を阻血するための阻血嚢と、この阻血嚢を通過し
た脈波を検出するための検出嚢と、を有する縛帯と、 この縛帯の着用によって生じるコロトコフ音を検出する
音波センサと、 検出嚢に生じる圧力変動を検出する圧力センサと、 阻血嚢および検出嚢の基準内圧を、十分に高い値から一
定の速度で徐々に減少させてゆき、音波センサが検出し
たコロトコフ音の音量が所定の設定値に達したら、基準
内圧を一定値に維持させる機能を有する圧力制御手段
と、 この圧力制御手段によって基準内圧が徐々に減少してい
る間に、音波センサが検出したコロトコフ音の波形を、
そのときの基準内圧値とともに記憶するメモリと、 基準内圧が一定値に維持されている間に、圧力センサか
ら連続的に得られる圧力変動の波形を平均し、平均脈波
を得る手段と、 この平均脈波の最大値である心収縮期圧SP、最小値で
ある心拡張期圧DP、大動脈弁閉鎖痕における圧力であ
る大動脈弁閉鎖痕圧DNP、をそれぞれ認識する手段
と、 平均脈波の立ち上がり時点T0から大動脈弁閉鎖痕が出
現する時点T1までの時間軸に、メモリに記憶されてい
るコロトコフ音波形の心収縮期圧SPから大動脈弁閉鎖
痕圧DNPまでの圧力軸を線形対応させ、脈波とコロト
コフ音とを同一時間軸上で表示する高圧期表示部と、 脈波検出部によって検出された脈波の大動脈弁閉鎖痕が
出現する時点T1から心拡張期圧に到達する時点T2ま
での時間軸に、メモリに記憶されているコロトコフ音波
形の大動脈弁閉鎖痕圧DNPから心拡張期圧DPまでの
圧力軸を線形対応させ、脈波とコロトコフ音とを同一時
間軸上で表示する低圧期表示部と、 を設け、脈波動脈音複合記録装置を構成するようにした
ものである。
〔作用〕
本願第1の発明によれば、縦軸を血圧値、横軸を時間に
とって、脈波と動脈音とが同一時間軸上に複合表示され
る。しかも、大動脈弁閉鎖痕より前の高圧期と、これよ
り後の低圧期と、に分けて表示がなされるため、循環器
疾患の診断のための情報が視覚的に容易に把握しうる。
本願第2の発明によれば、更に高圧期の時間軸を3等
分、低圧期の時間軸を2等分する目安線が出力される。
高圧期の3等分された各区間の情報は、それぞれ、心
臓、肺、胃腸(脾)、に関する循環器情報を示し、低圧
期の2等分された情報は、それぞれ、肝臓、腎臓、に関
する循環器情報を示すことになる。このため、より詳細
な診断を行うことが可能になる。
本願第3の発明によれば、コロトコフ音の標準的な包絡
線がともに表示される。したがって、ある特定の患者に
ついて得られた測定結果について、標準的な測定結果か
らのずれを視覚的に容易に認識することができる。
本願第4の発明によれば、低圧期の後に、いわゆるK4
点〜K5点に至るまでのコロトコフ音が表示されるの
で、診断に供することのできるより多くの情報を視覚的
に認識することができる。
本願第5の発明によれば、左右の測定結果を線対称に表
示するようにしたため、患者の左半身および右半身の診
断を別個に行うことができる。
本願第6の発明によれば、脈波の測定を非観血的に行う
ことができる。これは、上腕部に縛帯を巻き、この縛帯
に所定の条件下で圧力をかけると、上腕部において大動
脈波と等価な脈波が得られるという基本原理を発見した
ことに基づく。縛帯に十分な圧力をかけると、上腕部を
阻血することができる。ここで縛帯の圧力を徐々に減少
させてゆくと、縛帯を通過する脈波が検出される。この
脈波は初めは小さな波であるが、縛帯の圧力を減少させ
てゆくに従って、だんだんと大きくなる。本願発明者
は、縛帯の圧力が心拡張期圧DPに一致したときに、縛
帯を通過して検出される脈波が、心臓近傍における大動
脈波と等価になるという事実を見出だしたのである。本
発明に係る脈波動脈音複合記録装置では、コロトコフ音
をモニターしており、コロトコフ音が所定の設定値に達
したときに、縛帯の圧力が心拡張期圧DPに達したと判
断している。この装置の圧力制御手段は、コロトコフ音
が設定値に達したら、縛帯の基準内圧を一定値に維持す
る機能を有する。したがって、この間に脈波出力手段が
出力する脈波は、心臓近傍における大動脈波と等価なも
のになる。こうして、心臓近傍の脈波を直接測定するこ
となしに、これと等価な脈波を上腕部で測定することが
できるのである。
〔実施例〕
以下、本発明を図示する実施例に基づいて説明する。第
1図は、本発明の一実施例に係る脈波動脈音複合記録装
置の基本構成を示すブロック図である。この装置は、大
きく分けて、装置本体100(一点鎖線で囲んで示す)
と縛帯200との2つの構成部分よりなる。縛帯200
は、上腕部を阻血するための阻血嚢210と、この阻血
嚢を通過した脈波を検出するための検出嚢220とを有
する。阻血嚢210は阻血に必要なだけの十分な大きさ
をもち、本実施例の場合、図の長さ1=12cm程度で
ある。また。検出嚢220は阻血嚢210に比べて十分
小さくし、本実施例の場合、図の長さ2=2cm程度で
ある。検出嚢220が、大きすぎると、空気容量が大き
くなるため、これに衝突した脈波を十分に検出すること
ができなくなる。阻血嚢210と検出嚢220とは、途
中の接続路230において互いに接続されており、阻血
嚢210から外部には空気を通すための導管240が伸
びており、検出嚢220から外部には同様に導管250
が伸びている。この縛帯200は、第2図に示すような
向きに、上腕部に着用して用いることになる。
一方、装置本体100は次のような構成になっている。
まず、導管250が接続されている管路101には、音
波センサ110と圧力センサ120とが設けられてい
る。ここで、いずれのセンサも原理的には、導管250
を介して導かれる検出嚢220内の圧力を測定するセン
サであるが、圧力センサ120が脈波の周波数帯域の圧
力変動を検出するのに対し、音波センサ110は音波の
周波数帯域、特にコロトコフ音の周波数帯域(30〜8
0Hz)を検出するように設計されている。音波センサ1
10が検出したアナログ信号は、増幅器111で増幅さ
れ、A/D変換器112によってデジタル信号に変換さ
れ、CPU130に与えられる。同様に、圧力センサ1
20が検出したアナログ信号は、増幅器121で増幅さ
れ、A/D変換器122によってデジタル信号に変換さ
れ、CPU130に与えられる。導管240が接続され
ている管路102には、エアポンプ140およびリーク
バルブ150が接続されている。このエアポンプ140
およびリークバルブ150は、CPU130によって制
御される。管路101と管路102とは連結されてお
り、また、阻血嚢210と検出嚢220とは接続路23
0で連結されている。したがって、阻血嚢210と検出
嚢220とは、本来、同じ圧力に保たれることになる。
ただし、阻血嚢210は容量が大きいため、周波数の高
い圧力変動は減衰し、検出嚢220においては周波数の
低い圧力変動のみ現れる。このため、音波センサ110
および圧力センサ120は、導管250の近傍に接続す
るのが好ましい。なお、CPU130には、データを記
憶するためのメモリ160、データを表示するための表
示装置170、およびデータを出力するためのプリンタ
180が接続されている。
さて、ここでこの装置の測定対象となる大動脈波がどう
ようなものかを簡単に説明しておく。第3図はこの大動
脈波の基本的な波形を示す。この図のように、脈波はい
ずれも横軸を時間軸、縦軸を圧力軸にとって示される。
この大動脈波は、心臓近傍における血圧変動を示す波形
であり、心臓の左心室筋の動きをそのまま表現してい
る。第3図において、時刻t1までは心臓は拡張期であ
り、圧力は心拡張期圧DPとなる。時刻t1〜t2にか
けて心臓が収縮運動を行い、心収縮期圧SPまで圧力は
上昇する。続いて、心臓は拡張運動に転じるが、時刻t
3において大動脈弁が閉じるため、時刻t4に小さな峰
が現れる。時刻t3における切痕は大動脈弁閉鎖痕と呼
ばれる。その後、時刻t4〜t5にかけて圧力は徐々に
減少し、再び心拡張期圧DPに戻る。このような圧力変
動が、心臓の1鼓動ごとに現れ、これが心臓から動脈を
伝わって脈波として全身へと伝播されてゆく。しかしな
がら、このようにして心臓で発生した脈波は、末梢への
伝播にともなって波形を変えてゆく。第4図はこの様子
を示す。波形WA〜WFは、心臓の大動脈弁の直上位置
から末梢へそれぞれ0cm〜50cm離れた部位における脈
波を、血管カテーテル測定法で測定した結果である。こ
こで、波形WAが第3図に示す心臓近傍の大動脈波に相
当する。このように末梢にゆくにしたがって、高周波成
分が伸びてきており、最大血圧値TOPが増大してくる
ことがわかる。これは末梢にゆくほど血管が細くなり抵
抗が増すためと考えられる。なお、ここでDNPは大動
脈弁閉鎖痕圧である。このように、脈波は末梢にゆくに
したがって波形を変えてしまうため、上腕部において普
通に測定した脈波(たとえば脈波WF)は、心臓近傍の
大動脈波とはかなり異なるものとなる。本装置によれ
ば、上腕部において大動脈波と等価な脈波を得ることが
できる。
第5図(a)は、この装置による測定動作を説明するグラ
フであり、同図(b)はその部分拡大図である。前述のよ
うに、この装置はエアポンプ140とリーグバルブ15
0とを有し、阻血嚢210および検出嚢220の圧力を
制御することができる。すなわち、圧力を増加させる場
合には、エアポンプ140を動作させて嚢内に空気を送
りこみ、圧力を減少させる場合には、リークバルブ15
0を開けて嚢内の空気をリークさせることができる。
測定にあたっては、被測定者の上腕部に第2図に示すよ
うに縛帯200を着用させ、測定開始スイッチ(図示せ
ず)を押す。第5図(a)のグラフは、測定開始後の嚢内
圧力の変化を示すものである。すなわち、測定開始後、
CPU130がエアポンプ140を起動し、嚢内に空気
を送り込んで圧力を徐々に増加させる(グラフの点A
〜)。阻血嚢210は次第に動脈を圧迫し、やがて完全
に阻血する圧力にまで達する(点B)。このときの縛帯
200(阻血嚢210と検出嚢220)と動脈300と
の関係を現す断面図を第6図(a)に示す。図の左側が心
臓、右側が末梢であり、脈波は左から右に伝わるはずで
あるが、阻血嚢210の圧力が高いため、脈波は阻血嚢
210を通過することはできない。続いてCPU130
は、リークバルブ150を少しずつ開けて圧力をゆっく
りと減少させてゆく(点C〜)。すると、点Dにおいて
コロトコフ音が発生する。グラフ内の波形Kは、点Dか
ら徐々に圧力を減少させていったとき、各圧力値に対応
して得られるコロトコフ音の振幅を示すものである。こ
のように点Dを過ぎるとコロトコフ音が発生するのは、
第6図(b)に示すように、脈波の一部が阻血嚢210の
圧力に抗して阻血嚢210を通過し始めるためである。
この点Dに対応する圧力が心収縮期圧SPに相当するこ
とが知られている。点Dから更に圧力を減少させてゆく
と、第6図(c)に示すように脈波は更に通過しやすくな
り、点Eにおいてコロトコフ音が最大になる。以後、コ
ロトコフ音は次第に減少し、点Fに達すると音は非常に
小さくなり、ほぼ一定の振幅が続く。この点Fに対応す
る圧力が心拡張期圧DPに相当することが知られてお
り、第6図(d)の状態に対応する。本装置の特徴は、圧
力を点Fまで減少させたら、この圧力DPをしばらく維
持させ(点F〜点G)、この間に脈波の検出を行う点に
ある。脈波の検出が完了すると、更に圧力を減少させる
(点G〜点H)。縛帯200は、第9図(e)に示すよう
に、動脈300からは浮いた状態になる。なお、再度の
測定を続けて行う場合には、点Hから点Iまで圧力を上
昇させた後、点Iから点J(心拡張期圧DP)まで圧力
を減少させ、そのまま圧力を一定に維持して、再度の脈
波検出を行えばよい。点Fに到達したときに、心拡張期
圧DPを記憶しておけば、点Bまで圧力を上昇させなく
ても、点I(心拡張期圧DPよりやや高い圧力)まで圧
力を上昇させた後、心拡張期圧DPまで圧力を減少させ
れば再測定が可能なのである。なお、点D〜点Fの区間
から出現するコロトコフ音の波形は、そのときの基準内
圧値とともに、すべてメモリ160に記憶される。
さて、ここで脈波の検出方法について説明しよう。脈波
は動脈300内の圧力変動であるから、圧力の値として
測定される。第6図に示すように、阻血嚢210を通過
した脈波310は、検出嚢220に衝突する。この検出
嚢220は阻血嚢210に比べて容量が小さいため、周
波数を変化させることなく、振幅の小さい波でも微妙に
検出することができる。この微妙な圧力変動は、圧力セ
ンサ120によって検出される。阻血嚢210は容量が
大きいため、脈波による圧力変動はあまり受けない。こ
こで、圧力センサ120の検出する圧力値そのものに着
目すると、2つの要素が重畳されていることがわかるで
あろう。すなわち、1つは阻血嚢210の圧力であり、
もう1つは検出嚢220の脈波による圧力変動である。
ここでは、前者を基準内圧、後者を脈波圧と呼ぶことに
する。検出嚢220は、接続路230を介して阻血嚢2
10に連結されているので、脈波が衝突しない場合は、
検出嚢220の圧力も基準内圧になっている。第5図
(a)に示したグラフは、この基準内圧を示したものであ
り、圧力センサ120によって検出される圧力は、実際
にはこの基準内圧に脈波圧を重畳したものになる。第5
図(a)の部分Lを拡大した図を第5図(b)に示す。この拡
大図では、基準内圧(図の破線で示す)に脈波を重畳し
た圧力値のグラフを実線で示している。図の点F〜点G
の区間は、前述のように基準内圧が心拡張期圧DPに維
持されており、この心拡張期圧DPの上に脈波がのって
いる状態になる。
第4図に示したように、上腕部における脈波(たとえば
脈波WF)は大動脈波(脈波WA)とは異なった脈波で
ある。ところが、阻血嚢210を心拡張期圧DPに維持
したときに、検出嚢220が検出する脈波は、上腕部で
検出しているにもかかわらず大動脈波と等価であること
を、本願発明者は見出だしたのである。この理由につい
ての厳密な理論解析を行うことは困難であるが、阻血嚢
210がローパスフィルタの機能を果たすために、脈波
の高周波成分がカットされたためと本願発明者は考えて
いる。第4図に示すように、脈波は末梢にいくほど血管
抵抗の増加により高周波成分が伸びてくる。ところが、
上腕部の脈波(脈波WF)が阻血嚢210を通過する
と、この高周波成分がカットされ、もとの大動脈波(脈
波WA)と等価な波が濾波されて出てくると考えること
ができる。したがって、阻血嚢210の幅(第1図の
1)は、このローパスフィルタの機能を果たすだけの十
分な幅が必要であるが、一般に9cm以上あればこの機能
を果たせることが実験的に確認できた。阻血嚢210の
圧力が心拡張期圧DPに等しいときに大動脈波と等価な
波が得られるのであるから、第5図(a)に示すように、
基準内圧が心拡張期圧DPに達した点Fで圧力を一定に
維持し、点F〜点Gの区間で脈波を検出すれば、その脈
波を大動脈波と同等に扱うことができるのである。再度
の測定では、点J以後の脈波も同じく大動脈波として扱
うことができる。
ここで、阻血嚢210が心拡張期圧DPでないときに
(すなわち、点F〜点G以外の区間)、どのような脈波
が得られるかを参考のために述べておく。第7図は、第
5図(a)の点D〜点Hの区間において検出される種々の
脈波を示す図である。図の実線で示す波形が本装置の圧
力センサ120で検出される脈波を示し、破線で示す波
形が上腕部における脈波(第5図の点F〜点Qの区間の
脈波)を示す。また、各脈波の上の符号は、各脈波が第
5図のグラフの各点において検出された脈波であること
を示す。符号についていない脈波は、これらの中間点に
おいて検出された脈波である。このように、点Dから徐
々に圧力を減少させてゆくと、検出される脈波の振幅は
次第に大きくなってくる。そして、点F(〜点G)に到
達したときに脈波の振幅は最大となり、以下脈波の振幅
は減少してゆく。点Fにおける実線の脈波を破線の脈波
と比べてみると、ちょうど高周波成分がカットされてい
ることがわかる。なお、この検出される脈波の振幅と、
コロトコフ音の振幅とは必ずしも比例しないことに注意
すべきである。第5図(a)に示すように、コロトコフ音
は点Eにおいてピークになるが、第7図に示すように、
脈波の方は点Eではピークにはならない。点F〜点Gに
おいては、縛帯200と動脈300との関係が第6図
(d)のような状態になっていると考えられる。すなわ
ち、縛帯200の基準内圧と動脈の心拡張期圧DPとが
拮抗しており、脈波が阻血嚢210を十分に通過するこ
とができ、検出嚢220に十分な衝撃を与えることがで
きるのである。縛帯200の圧力はこれより高いと、同
図(a)〜(c)のように、脈波が阻血嚢210を十分に通過
することができず、検出嚢220には十分な衝撃が加わ
らないのである。また。縛帯200の圧力がこれより低
いと、同図(e)のように、検出嚢220が動脈300か
ら離れてしまうため、脈波が阻血嚢210を十分に通過
したとしても、検出嚢220に十分な衝撃が加わらない
のである。
以上のようにして、点F〜点Gの間に、圧力センサ12
0が検出した脈波がデジタル信号としてCPU130に
取り込まれる。この装置では、取り込んだ脈波データ
は、ひとまずメモリ160に記憶される。
ところで、CPU130は、点Fに到達したら圧力を一
定値に維持するよう制御するが、実際には点Fに到達し
たという判断を正確に行うことは困難である。前述のよ
うに、点Fへ到達したという判断は、コロトコフ音が小
さくなり、振幅の変化がなくなったことを検出して行う
が、圧力は一定の速度で減少させているため、CPU1
30が点Fへの到達を認識したときには、実際の圧力は
すでに点Fを通過して更に低くなってしまっているとい
う事態が起きやすい。そこで本装置では、第5図(a)の
グラフのような圧力制御によって脈波検出を行うという
原理には相違ないものの、実際には第8図(a)のような
圧力制御を行って脈波検出を行っている。すなわち、点
Dから点Fに至るまでは上述の原理どおりに減圧を行っ
てゆく。そして、点Fを通過しても更に減圧を続ける。
ここで、コロトコフ音の振幅を絶えずモニターしてお
き、所定時間減圧を続けてもコロトコフ音の振幅が変化
しなくなったら、そこで減圧をやめ、逆に圧力を増加さ
せてゆく(点F1)。そして、この点F1におけるコロ
トコフ音の振幅Wを記憶しておき、コロトコフ音の振幅
がkW(kは所定の係数、たとえばk=1.5)にまで
増加したら、そこで(点F2)、圧力を一定に維持する
ようにする。第8図(b)は同図(a)の部分Mの拡大図であ
り、この様子をより詳しく示している。この拡大図から
明らかなように、厳密に言えば、心拡張期圧DPを与え
る点Fは、コロトコフ音の振幅が一定値Wとなるはじめ
ての点F0ではなく、それより1鼓動分前の点である。
この点Fにおけるコロトコフ音の振幅をkWとすれば、
k=1.5程度になることが確認できた。したがって、
上述のように点F1まで減圧させたら、逆に圧力を増加
させてゆき、コロトコフ音の振幅が1.5倍になったと
ころ、すなわち点F2を心拡張期圧DPに等しい点とし
て扱うことができる。もっともこの係数kの値は患者に
よってばらつきがあるが、大動脈波の検出精度としては
問題は生じない。
さて、結局上述の測定によって、複数の大動脈波の波形
およびコロトコフ音の波形が測定され、メモリ160に
記憶されたことになる。本装置の特徴は、これらの波形
をプリンタ180に出力する方法にある。以下、この方
法について詳述する。
まず、CPU130はメモリ160に記憶されている複
数の大動脈波を平均して平均脈波を得る。第9図の波形
Wは、このようにして得られた平均脈波を示す。この平
均脈波Wの縦軸には、圧力の絶対値が与えられており、
最大値が心収縮期圧SPであり、最低値が心拡張期圧D
Pである。また横軸には時間(秒)が与えられている。
一方、第9図に示すように、圧力値に対応してコロトコ
フ音Kの波形がメモリ160に記憶されている。これ
は、第8図に示す測定動作において、点D以後に検出さ
れたコロトコフ音波形をそのときの圧力値とともに記憶
しておいたものである。この実施例では、コロトコフ音
の波形をその半振幅分だけ出力するようにしているた
め、第9図では半振幅分だけを示している。CPU13
0は、このコロトコフ音Kの波形と、平均脈波Wの波形
とを、次のようにしてプリンタに出力させる。
はじめに、平均脈波Wに基づいて、大動脈弁閉鎖痕を示
すQ点の位置を認識する。このQ点は、たとえば平均脈
波Wの微分係数の符号が変化する点として演算により認
識することができる。なお、大動脈弁閉鎖不全症の患者
などでは、Q点が複数存在するような結果が得られる場
合がある。このような場合は、時間軸上で最も遅く現れ
るQ点を採用するようにするとよい。こうしてQ点の位
置が決定すると、このQ点の縦軸上の座標値として、大
動脈弁閉鎖痕圧DNPを求めることができる。また、平
均脈波Wの立ち上がり点Pおよび終端点Rの位置も演算
によって決定することができる。
このように、3点P,Q,Rが決定できたら、第10図
に示すように、この3点に基づいて時間軸(横軸)を分
割する。すなわち、3点P,Q,Rの時間軸上の座標
を、それぞれT0,T1,T2とし、時点T0〜T1の
区間を高圧期A、時点T1〜T2の区間を低圧期B、時
点T2以後を第3期C、とする。一方、コロトコフ音K
については、第10図に示すように圧力軸(縦軸)を分
割する。すなわち、心収縮期圧SP〜大動脈弁閉鎖痕圧
DNPの区間を高圧期a、大動脈弁閉鎖痕圧DNP〜心
拡張期圧DPの区間を低圧期b、心拡張期圧DP以下を
第3期c、とする。そして、コロトコフ音波形の高圧期
aの圧力軸を、平均脈波の高圧期Aの時間軸に線形対応
させ、コロトコフ音波形の低圧期bの圧力軸を、平均脈
波の低圧期Bの時間軸に線形対応させ、各コロトコフ音
波形を脈波のグラフに重ねて表示する。この結果を第1
1図に示す。高圧期aの区間が高圧期Aの区間に一致す
るように、コロトコフ音波形a1〜a5が平均脈波Wに
重ねて表示され、低圧期bの区間が低圧期Bの区間に一
致するように、コロトコフ音波形b1,b2が平均脈波
Wに重ねて表示されている。平均脈波Wに重ねて表示コ
ロトコフ音K′は、見易いようにもとのコロトコフ音K
の振幅に所定の係数を乗じて振幅を拡大して表示してい
る。高圧期と低圧期とをそれぞれ別個に扱っているの
で、隣接するコロトコフ音波形の間隔は、高圧期では密
に、低圧期では疎になる。また、第3期Cおよびcは閉
じた区間ではないため、コロトコフ音Kの第3期cにあ
る波形c1〜c4は、平均脈波Wの時間軸上の第3期C
に任意間隔で表示すればよい。
この実施例では、更に第11図に一点鎖線で示すような
コロトコフ音K′の標準的な包絡線Eを表示するように
している。この標準的包絡線Eは、この実施例では、高
圧期Aと低圧期Bとの境界時点T1におけるコロトコフ
音波形a5のピークを点Sとし、点P,S,Rを結ぶ線
として求めている。一般的な健康人についての測定で
は、コロトコフ音K′の各波形のピークはこの包絡線E
上にくることが知られている。したがって、ピークがこ
の包絡線Eからどれだけずれているかということによっ
て、異常の診断を行うことができる。包絡背Eの定め方
は、ここで述べた方法に限らず、いろいろな方法が考え
られる。たとえば、何人かの健康人の測定結果について
求めた包絡線の平均をそのまま標準的包絡線Eとして用
いることもできよう。
さて、以上のような演算処理により、CPU130は最
終的に第12図に示すようなグラフを作成し、これをプ
リンタ180に出力して測定結果の表示を行う。診断者
は、この第12図のようなプリンタの出力結果を見て、
患者の循環器疾患についての種々の情報を得ることがで
きる。この出力結果の1つの特徴は、大動脈波の波形が
平均脈波Wとして記録されており、しかもこの大動脈波
Wは縦軸に圧力の絶対値が、横軸に時間の絶対値が表示
されている点である。すなわち、大動脈波の形状ととも
に、血圧の絶対値も確認することができるのである。そ
して、もう1つの特徴は、この大動脈波とともに、動脈
音(コロトコフ音K′)の波形が記録されている点であ
る。この動脈音波形は前述の処理により、時間軸上の特
定の位置に記録されている。この動脈音波形の時間軸上
での記録位置は、診断のための情報として非常に重要な
意味がある。以下、この重要な意味について説明しよ
う。
第12図において、高圧期Aは心臓が収縮して血液を大
動脈へと送り出し、大動脈弁が閉鎖するまでの過程を示
している。すなわち、高圧期Aは心臓の動的な挙動を示
す部分である。これに対して、低圧期Bは既に大動脈弁
が閉鎖した後の過程を示しており、心臓そのものの挙動
を示しているものではない。ここで、心臓から大動脈へ
と押し出された血液の流れを追ってみると、心臓を出た
後、中枢、肺、胃腸(脾)、肝臓、腎臓、膀胱、という
ように、大動脈から徐々に末梢へと流れてゆき、静脈を
伝わって再び心臓へと戻ることになる。本願発明者の新
規な発見は、第12図に示すように脈波とともに配置し
た動脈音波形が、この血液の流れに対応した循環器疾患
の情報を示すという事実に他ならない。この事実をもう
少し詳しく述べてみよう。いま。第12図に示すよう
に、高圧期Aの区間を3等分して区間I,II,IIIに分
割し、低圧期Bの区間を2等分して区間IV,Vに分割す
る。すると、各区間における動脈音波形は、患者の特定
部位における循環器疾患の情報をもつことになる。具体
的には、区間Iに所属するコロトコフ音K′の波形は心
臓近傍の疾患情報をもち、区間IIに所属するコロトコフ
音K′の波形は肺の疾患情報をもち、区間IIIに所属す
るコロトコフ音K′の波形は胃および腸(漢方医学にお
ける脾)の疾患情報をもち、区間IVに所属するコロトコ
フ音K′の波形は肝臓の疾患情報をもち、区間Vに所属
するコロトコフ音K′の波形は腎臓の疾患情報をもつと
いう事実を、本願発明者は認識したのである。また、第
3期Cに所属するコロトコフ音K′の波形は、一般にK
4点〜K5点と呼ばれている領域のコロトコフ音であ
り、腎臓より更に末端に位置する膀胱・下股などの疾患
情報をもつものと考えられる。このような事実について
の理論的考察は、現在のところ明確にはなされていない
が、漢方医学では、同様の原理を用い、患者の脈をとる
ことによって各部の循環器疾患を診断することが古くか
ら行われている。
第13図の本発明による脈波動脈音複合記録装置を用
い、健康人について実際に記録を行った結果を示すグラ
フである。実際には動脈音波形は、このように高圧期
(区間I,II,III)では密になり、低圧期(区間IV,
V)では疎になる。この実施例では、各区間がはっきり
するように、高圧期を3等分、低圧期を2等分する位置
を示す目安線(図の破線で示す垂直線)を表示するよう
にしている。また、動脈音波形の振幅の検討をつけるた
めの目安線(図の破線で示す水平線)も同時に表示して
いる。この目安線により、前述した各部の循環器疾患の
情報を明瞭に区別して認識することが可能になる。
第14図は本発明による脈波動脈音複合記録装置を用
い、健康人の左上腕部に縛帯を装着して測定した結果
と、右上腕部に縛帯を装着して測定した結果とを、時間
軸に沿った線に関して対称になるように表示したグラフ
である。グラフの上半分が左に関する測定結果、下半分
が右に関する測定結果である。左に関する測定結果は左
半身の情報を、右に関する測定結果は右半身の結果を、
それぞれ示していると考えられるので、このように両者
を同じ時間軸に沿って表示するようにすれば、身体全体
に関する状態を一目で把握することができ便利である。
以上本発明を実施例について説明したが、本発明はこの
実施例だけに限定されるのではない。要するに本発明の
要点は、脈波を大動脈弁閉鎖痕を堺にして高圧期と低圧
期に分け、それぞれの時間軸に動脈音の圧力軸を線形対
応させて、脈波の波形と動脈音とを同一の時間軸上に表
示するという点にあり、種々の態様での実施が可能であ
る。
〔発明の効果〕 本願第1の発明によれば、縦軸を血圧値、横軸を時間に
とって、脈波と動脈音とを同一時間軸上に複合表示し、
しかも、大動脈弁閉鎖痕より前の高圧期と、これより後
の低圧期と、に分けて表示するよにしたため、循環器疾
患の診断のための情報が視覚的に容易に把握しうる。
本願第2の発明によれば、更に高圧期の時間軸を3等
分、低圧期の時間軸を2等分する目安線を出力するよう
にしたため、高圧期の3等分された各区間の情報を、そ
れぞれ、心臓、肺、胃腸(脾)、に関する循環器情報と
して、低圧期の2等分された情報を、それぞれ、肝臓、
腎臓、に関する循環器情報として認識することができ、
より詳細な診断を行うことが可能になる。
本願第3の発明によれば、コロトコフ音の標準的な包絡
線をともに表示するようにしたため、ある特定の患者に
ついて得られた測定結果について、標準的な測定結果か
らのずれを視覚的に容易に認識することができる。
本願第4の発明のよれば、低圧期の後に、いわゆるK4
点〜K5点に至るまでのコロトコフ音を表示するように
したため、診断に供することのできるより多くの情報を
視覚的に認識することができる。
本願第5の発明によれば、左右の測定結果を線対称に表
示するようにしたため、患者の左半身および右半身の診
断を別個に行うことができる。
本願第6の発明のよれば、縛帯を用いて脈波と動脈音の
測定を行うようにしたため、上述の診断を非観血的に行
うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係る脈波動脈音複合記録装
置の構成を示すブロック図、第2図は第1図の装置にお
ける縛帯を上腕部に装着した状態を示す図、第3図は一
般的な大動脈波の波形図、第4図は心臓から抹消へ至る
までの脈波の変形を示す図、第5図は第1図に示す装置
による測定原理を説明するグラフ、第6図は縛帯圧と脈
波の通過状態との関係を示す断面図、第7図は縛帯圧と
検出される脈波との関係を示す波形図、第8図は第1図
に示す装置による実際の測定動作を説明するグラフ、第
9図は第1図に示す装置によって検出した大動脈波およ
び動脈音を示す波形図、第10図および第11図は第9
図に示す波形図に基づいて、動脈音を大動脈波に重ねて
表示する処理方法を示す図、第12図は第9図に示す波
形図に基づいて複合記録を行った結果を示す図、第13
図は第1図に示す装置によるプリンタの出力結果を示す
グラフ、第14図は第1図に示す装置を用い、左右両方
の測定結果をプリンタに出力させた結果を示すグラフで
ある。 100…装置本体、101,102…管路、200…縛
帯、210…阻血嚢、220…検出嚢、230…接続
路、240,250…導管、300…動脈、310…脈
波、SP…心収縮期圧、DP…心拡張期圧、DNP…大
動脈弁閉鎖痕圧、K,K′…コロトコフ音波形、W…平
均脈波、A,a…高圧期、B,b…低圧期、C,c…第
3期、E…標準的包絡線。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 8932−4C A61B 5/02 338 C

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生体の発生する脈波を検出する脈波検出部
    と、 生体を縛帯によって圧迫することにより発生するコロト
    コフ音を、縛帯圧を変化させながら検出し、圧力軸に沿
    ってコロトコフ音の波形を記録する音波検出部と、 前記脈波検出部によって検出された脈波の立ち上がり時
    点T0から大動脈弁閉鎖痕が出現する時点T1までの時
    間軸に、前記音波検出部によって記録されたコロトコフ
    音波形の心収縮期圧SPから大動脈弁閉鎖痕圧DNPま
    での圧力軸を線形対応させ、脈波とコロトコフ音波形と
    を同一時間軸上で表示する高圧期表示部と、 前記脈波検出部によって検出された脈波の大動脈弁閉鎖
    痕が出現する時点T1から心拡張期圧に到達する時点T
    2までの時間軸に、前記音波検出部によって記録された
    コロトコフ音波形の大動脈弁閉鎖痕圧DNPから心拡張
    期圧DPまでの圧力軸を線形対応させ、脈波とコロトコ
    フ音波形とを同一時間軸上で表示する低圧期表示部と、 を備えることを特徴とする脈波動脈音複合記録装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の装置において、 高圧期表示部が時点T0〜T1までの時間軸を3等分す
    る位置を示す目安線を表示し、低圧期表示部が時点T1
    〜T2までの時間軸を2等分する位置を示す目安線を表
    示する機能を有することを特徴とする脈波動脈音複合記
    録装置。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の装置において、 高圧期表示部および低圧期表示部が、コロトコフ音波形
    の標準的な包絡線を表示する機能を有することを特徴と
    する脈波動脈音複合記録装置。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の装置において、 時点T2以後の時間軸上に、心拡張期圧DP以下のコロ
    トコフ音波形を表示する第3の表示部を更に設けたこと
    を特徴とする脈波動脈音複合記録装置。
  5. 【請求項5】請求項1に記載の装置において、 高圧期表示部および低圧期表示部が、右腕に縛帯を装着
    したときに得られる第1の検出結果と左腕に縛帯を装着
    したときに得られる第2の検出結果とを、時間軸に沿っ
    た線に関して対称になるように表示する機能を有するこ
    とを特徴とする脈波動脈音複合記録装置。
  6. 【請求項6】上腕部を阻血するための阻血嚢と、この阻
    血嚢を通過した脈波を検出するための検出嚢と、 を有する縛帯と、 前記縛帯の着用によって生じるコロトコフ音を検出する
    音波センサと、 前記検出嚢に生じる圧力変動を検出する圧力センサと、 前記阻血嚢および前記検出嚢の基準内圧を、十分に高い
    値から一定の速度で徐々に減少させてゆき、前記音波セ
    ンサが検出したコロトコフ音の音量が所定の設定値に達
    したら、前記基準内圧を一定値に維持させる機能を有す
    る圧力制御手段と、 前記圧力制御手段によって基準内圧が徐々に減少してい
    る間に、前記音波センサが検出したコロトコフ音の波形
    を、そのときの基準内圧値とともに記憶するメモリと、 前記基準内圧が一定値に維持されている間に、前記圧力
    センサから連続的に得られる圧力変動の波形を平均し、
    平均脈波を得る手段と、 前記平均脈波の最大値である心収縮期圧SP、最小値で
    ある心拡張期圧DP、大動脈弁閉鎖痕における圧力であ
    る大動脈弁閉鎖痕圧DNP、をそれぞれ認識する手段
    と、 前記平均脈波の立ち上がり時点T0から前記大動脈弁閉
    鎖痕が出現する時点T1までの時間軸に、前記メモリに
    記憶されているコロトコフ音波形の前記心収縮期圧SP
    から前記大動脈弁閉鎖痕圧DNPまでの圧力軸を線形対
    応させ、脈波とコロトコフ音とを同一時間軸上で表示す
    る高圧期表示部と、 前記脈波検出部によって検出された脈波の前記大動脈弁
    閉鎖痕が出現する時点T1から前記心拡張期圧に到達す
    る時点T2までの時間軸に、前記メモリに記憶されてい
    るコロトコフ音波形の前記大動脈弁閉鎖痕圧DNPから
    前記心拡張期圧DPまでの圧力軸を線形対応させ、脈波
    とコロトコフ音とを同一時間軸上で表示する低圧期表示
    部と、 を備えることを特徴とする脈波動脈音複合記録装置。
JP1185620A 1989-07-18 1989-07-18 脈波動脈音複合記録装置 Expired - Lifetime JPH0618575B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1185620A JPH0618575B2 (ja) 1989-07-18 1989-07-18 脈波動脈音複合記録装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1185620A JPH0618575B2 (ja) 1989-07-18 1989-07-18 脈波動脈音複合記録装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0349731A JPH0349731A (ja) 1991-03-04
JPH0618575B2 true JPH0618575B2 (ja) 1994-03-16

Family

ID=16173980

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1185620A Expired - Lifetime JPH0618575B2 (ja) 1989-07-18 1989-07-18 脈波動脈音複合記録装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0618575B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101460922B1 (ko) * 2010-08-06 2014-11-13 셴젠 레이콤 헬스 테크놀로지 씨오., 엘티디. 비침습 혈압 측정 장치 및 측정 방법
CN104684467A (zh) * 2012-09-28 2015-06-03 欧姆龙健康医疗事业株式会社 血压测量装置、血压测量方法及血压测量程序

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011200607A (ja) * 2010-03-26 2011-10-13 Terumo Corp 電子血圧計
JP5600021B2 (ja) * 2010-03-26 2014-10-01 テルモ株式会社 電子血圧計
JP5600022B2 (ja) * 2010-03-26 2014-10-01 テルモ株式会社 電子血圧計

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101460922B1 (ko) * 2010-08-06 2014-11-13 셴젠 레이콤 헬스 테크놀로지 씨오., 엘티디. 비침습 혈압 측정 장치 및 측정 방법
CN104684467A (zh) * 2012-09-28 2015-06-03 欧姆龙健康医疗事业株式会社 血压测量装置、血压测量方法及血压测量程序

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0349731A (ja) 1991-03-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2877950B2 (ja) 血液循環情報表示装置
JP2877951B2 (ja) 大動脈における血流速度および血流量を測定する装置
JP2831471B2 (ja) 誘発された摂動を測定して生理学的パラメータを測定するための装置および方法
WO2006011504A1 (ja) 超音波診断装置および超音波診断装置の制御方法
JP3987099B2 (ja) 血管内皮反応測定装置および血管内皮反応測定装置の制御方法
US20060224070A1 (en) System and method for non-invasive cardiovascular assessment from supra-systolic signals obtained with a wideband external pulse transducer in a blood pressure cuff
JP5820724B2 (ja) 血圧測定装置および方法
JP3842285B2 (ja) 超音波診断装置および超音波診断装置の制御方法
JPH0638790B2 (ja) 動脈伸展性測定装置
KR20160053395A (ko) 심음도 모니터링 시스템 및 이를 이용한 모니터링 방법
US20060135871A1 (en) Method for measurement of systolic and diastolic time intervals
JPH0618575B2 (ja) 脈波動脈音複合記録装置
JPH0618556B2 (ja) 脈波検出装置およびこれに用いる縛帯
EP3282934B1 (en) An improved blood pressure measurement system
JP3581142B2 (ja) 動脈硬化診断装置
JPH084579B2 (ja) 血行動態解析装置
GB2456947A (en) Non invasive determination of stroke volume based on incident wave suprasystolic blood pressure amplitude
JPH0755218B2 (ja) 脈波変動検出装置
WO2001035822A1 (fr) Dispositif pour la detection de la sensibilite a la douleur
JP5006509B2 (ja) 脈波伝搬速度測定装置において脈波伝搬速度を測定する脈波伝搬速度測定方法
RU2698447C1 (ru) Способ определения артериального давления в плече на каждом сердечном сокращении
JPH0755217B2 (ja) 脈波検出装置
JP2024132836A (ja) 血圧測定装置及び方法
Fukuoka et al. Evaluation of a new non-invasive semiautomatic blood pressure monitoring device
Schneditz et al. Noninvasive assessment of vascular function