JPH0638790B2 - 動脈伸展性測定装置 - Google Patents

動脈伸展性測定装置

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JPH0638790B2
JPH0638790B2 JP1126070A JP12607089A JPH0638790B2 JP H0638790 B2 JPH0638790 B2 JP H0638790B2 JP 1126070 A JP1126070 A JP 1126070A JP 12607089 A JP12607089 A JP 12607089A JP H0638790 B2 JPH0638790 B2 JP H0638790B2
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光衛 富田
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は動脈伸展性測定装置、特に簡易な方法で動脈伸
展性を直接測定することのできる動脈伸展性測定装置に
関する。
〔従来の技術〕
循環器疾患の診断には、血圧測定や脈波解析とともに、
動脈の伸展性を知ることが極めて有効である。健康人の
動脈は、管壁が柔らかく伸展性が大きいが、動脈硬化症
の患者の管壁は硬くなり伸展性が小さくなる。従来、こ
のような動脈伸展性の測定は、脈波の伝播速度を測定す
るという間接的な方法によって行っていた。すなわち、
動脈硬化が起こると、脈波の伝播速度が速くなるという
性質を利用して、頸動脈および大腿部の股動脈に脈波セ
ンサを置き、両者間における脈波の伝播速度の測定を行
い、この伝播速度から動脈伸展性の判断をしていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上述した従来の動脈伸展性の測定は、脈
波センサを心臓近くおよび大腿部に取り付ける必要があ
るため、測定作業が煩わしいという問題がある。また、
脈波の伝播速度から間接的に動脈伸展性を推定するとい
う方法であるため、正確な測定ができないという問題が
ある。
そこで本発明は、簡易な方法で動脈伸展性を直接測定す
ることのできる動脈伸展性測定装置を提供することを目
的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本願第1の発明は、動脈伸展性測定装置において、 動脈の被測定部位を阻血するための阻血嚢と、 この被測定部位における阻血状態が解かれる阻血臨界圧
を測定する手段と、 被測定部位の心拡張期圧を測定する手段と、 被測定部位における脈波に基づく阻血嚢の圧力変動を検
出する手段と、 検出された圧力変動の波高値を、阻血臨界圧と心拡張期
圧との差で除すことにより、動脈伸展度を求める手段
と、 を設けるようにしたものである。
本願第2の発明は、動脈伸展性測定装置において、 動脈の被測定部位を阻血することができる前方嚢と、こ
の前方嚢より容量が大きく、この前方嚢の下流側に設け
られた中央嚢と、この中央嚢より容量が小さく、この中
央嚢の下流側に設けられた後方嚢と、の3つの嚢を有
し、中央嚢と後方嚢とが内部において接続されている縛
帯と、 前方嚢に生じる圧力変動を、前方脈波として検出する前
方センサと、 前方脈波の検出時から所定の遅延時間だけ遅れて、後方
嚢に生じる圧力変動を、後方脈波として検出する後方セ
ンサと、 前方脈波を、上述の遅延時間だけ遅らせて後方脈波の上
に重ね、両脈波の下部波形が所定の精度で一致している
か否かを判定する一致判定手段と、 各嚢の基準内圧を、十分に高い値から徐々に減少させて
ゆき、後方センサがはじめて出力を発生した時点の基準
内圧値を阻血臨界圧として記録する阻血臨界圧検出手段
と、 各嚢の基準内圧を、阻血臨界圧から徐々に減少させてゆ
き、一致判定手段が一致を示した時点の基準内圧値を心
拡張期圧として記録する心拡張期圧検出手段と、 所定時点において検出された前方脈波の波高値を、記録
された阻血臨界圧と心拡張期圧との差で除すことによ
り、動脈伸展度を求める手段と、 を設けるようにしたものである。
本願第3の発明は、上述の動脈伸展性測定装置におい
て、 一致判定手段が、前方脈波の立ち上がり部位と後方脈波
の立ち上がり部位とが合うように両脈波を重ね、両脈波
の大動脈弁閉鎖痕圧より下部の波形が所定の精度で一致
しているか否かを判定するようにしたものである。
本願第4の発明は、上述の動脈伸展性測定装置におい
て、 阻血臨界圧検出手段および心拡張期圧検出手段が、それ
ぞれ目的とする基準内圧が得られた時点で、阻血嚢およ
び各検出嚢の基準内圧の減少を暫時停止させ、それぞれ
目的とする基準内圧が得られたことを確認する動作を行
うようにしたものである。
〔作用〕 本願発明によれば、被測定部位における阻血臨界圧と心
拡張期圧とが求められる。この両者の差は、脈波の有無
に対応して動脈内に生じる圧力差ΔPに相当する。一
方、被測定部位における脈波に基づく阻血嚢の圧力変動
が検出されるが、この圧力変動は動脈管の膨脹度eに相
当する。すなわち、圧力差ΔPを動脈壁に与えたとき
に、この動脈管は膨脹度eだけ膨らんだことになる。こ
こで、E=e/ΔPなる値を求めれば、このEは動脈伸
展度を示す指標になる。
本願発明では、上述の阻血臨界圧と心拡張期圧とを求め
るために、3つの嚢を有する縛帯を用いている。各嚢の
圧力を十分高い状態から徐々に減少させてゆき、一番上
流側にある前方嚢による阻血が解かれた時点の圧力が阻
血臨界圧として求められる。また、前方嚢と後方嚢とで
検出される脈波の下部が一致した時点の圧力が心拡張期
圧として求められる。このような心拡張期圧の求め方
は、本願発明者によって提案された新規な方法である。
〔実施例〕
以下、本発明を図示する実施例に基づいて説明する。第
1図は、本発明の一実施例に係る脈波検出装置の基本構
成を示すブロック図である。この装置は、大きく分け
て、装置本体100(一点鎖線で囲んで示す)と縛帯2
00との2つの構成部分よりなる。縛帯200は、前方
嚢210(破線で示す)、中央嚢220(一点鎖線で示
す)、後方嚢230(二点鎖線で示す)、の3つの独立
した嚢を有する。中央嚢220と後方嚢230とは、接
続路225において互いに接続されている。本実施例の
場合、縛帯の総幅l=14cmに対して、各嚢の幅は、l
1=1.5cm、l2=10cm、l3=2.5cm程度であ
る。後述するように、中央嚢220は脈波に対するロー
パスフィルターとしての機能を果たす必要があるため、
前方嚢210および後方嚢230に比べて幅を大きくす
る。前方嚢210から外部には空気を通すための導管2
40が伸びており、後方嚢230から外部には同様に導
管250が伸びている。この縛帯200は、第2図に示
すような向きに、上腕部に着用して用いることになる。
このように着用した状態で、各嚢に空気を入れて圧力を
かけると、第3図に示す断面図のように、動脈300は
各嚢によって押圧される。圧力を十分高くしてやると、
動脈300は完全に阻血される。この場合、図の左方か
ら伝播してくる脈波は、まず前方嚢210に衝突して阻
まれる。嚢内圧力を少し下げると、この脈波の高周波成
分がこの前方嚢210を通過して中央嚢220に衝突す
るが、中央嚢220は容量が大きいために、脈波の伝播
はこの中央嚢220に阻まれて後方嚢230にまでは伝
わらない。ただし、後方嚢230は接続路225を介し
て中央嚢220に接続されているので、脈波の高周波成
分が中央嚢220に衝突すると、接続路225を通じて
若干の圧力変動が後方嚢230にも現れる。更に圧力を
減少させて脈波が中央嚢220を通過できるようになる
と、この通過した脈波は後方嚢230に衝突するように
なる。こうなると、衝突によるはっきりとした圧力変動
が後方嚢230に現れる。
一方、装置本体100は次のような構成になっている。
まず、導管240が接続されている管路102には前方
センサ110が、導管250が接続されている管路10
1には後方センサ120が設けられている。前方センサ
110は前方嚢210の圧力を測定し、後方センサ12
0は後方嚢230の圧力を測定する。いずれも脈波の周
波数帯域を十分に検出できるように設計されている。前
方センサ110が検出したアナログ信号は、増幅器11
1で増幅され、A/D変換器112によってデジタル信
号に変換され、CPU130に与えられる。同様に、後
方センサ120が検出したアナログ信号は、増幅器12
1で増幅され、A/D変換器122によってデジタル信
号に変換され、CPU130に与えられる。導管240
が接続されている管路102には、エアポンプ140お
よびリークバルブ150が接続されている。このエアポ
ンプ140およびリークバルブ150は、CPU130
によって制御される。管路101と管路102とは連結
されており、また、中央嚢220と後方嚢230とは接
続路225で連結されている。したがって、3つの嚢
は、本来、すべて同じ圧力に保たれることになる。ただ
し、中央嚢220は容量が大きいため、周波数の高い圧
力変動は前方嚢210にのみ現れ、後方嚢230には中
央嚢220が瀘波した脈波が直接衝突したときにのみ圧
力変動が現れる。このため、前方センサ110および後
方センサ120は、それぞれ導管240および導管25
0の近傍に接続するのが好ましい。なお、CPU130
には、データを記憶するためのメモリ160、データを
表示するための表示装置170、およびデータを出力す
るためのプリンタ180が接続されている。
さて、この縛帯200に到達する脈波の源は、心臓近く
における大動脈波である。そこでこの大動脈波がどのよ
うなものかを簡単に説明しておく。第4図にこの大動脈
波の基本的な波形を示す。この図のように、脈波はいず
れも横軸を時間軸、縦軸を圧力軸にとって示される。こ
の大動脈波は、心臓近傍における血圧変動を示す波形で
あり、心臓の動きをそのまま表現している。第4図にお
いて、時刻t1までは心臓は拡張期であり、圧力は心拡
張期圧DPとなる。時刻t1〜t2にかけて心臓が収縮
運動を行い、心収縮期圧SPまで圧力は上昇する。続い
て、心臓は拡張運動に転じるが、時刻t3において大動
脈弁が閉じるため、時刻t4に小さな峰が現れる。この
峰は大動脈弁閉鎖痕と呼ばれる。その後、時刻t4〜t
5にかけて圧力は徐々に減少し、再び心拡張期圧DPに
戻る。このような圧力変動が、心臓の1鼓動ごとに現
れ、それが心臓から動脈を伝わって脈波として全身へと
伝播されてゆく。しかしながら、このようにして心臓で
発生した脈波は、末梢への伝播にともなって波形を変え
てゆく。第5図にこの様子を示す。波形WA〜WFは、
心臓の大動脈弁の直上位置から末梢へそれぞれ0cm〜5
0cm離れた部位における脈波を、血管カテーテル測定法
で測定した結果である。ここで、波形WAが第4図に示
す心臓近傍の大動脈波に相当する。このように末梢にゆ
くにしたがって、高周波成分が伸びてきており、最大血
圧値TOPが増大してくることがわかる。これは末梢に
ゆくほど血管が細くなり抵抗が増すためと考えられる。
なお、ここでMVPは大動脈弁閉鎖痕圧である。このよ
うに、脈波は末梢にゆくにしたがって波形を変えてしま
うため、上腕部において縛帯200が受ける脈波(たと
えば脈波WF)は、心臓近傍の大動脈波とはかなり異な
るものとなる。
続いて、本装置による動脈伸展性の測定原理を第6図を
用いて説明しよう。いま、第6図(a)に示すように、風
船の口にエアポンプを取り付け、風船内の空気圧が一定
値aになるようにエアポンプを制御していたとする。こ
こで、このエアポンプによる注入空気圧を第7図に示す
ように制御してみる。すなわち、時刻t1までは、空気
圧をaに維持しておく。第6図(a)に示す状態は、この
時刻t1までの状態である。ここで、時刻t1〜t2に
かけて圧力をa〜bにまで上昇させると、風船は第6図
(b)に示すように膨脹する。続いて、時刻t2〜t3に
かけて圧力をもとどおりaに戻すと、時刻t3では、風
船は第6図(a)に示す状態に収縮することになる。ここ
で、第6図(b)に示すような最大膨脹時(時刻t2)に
おける膨脹度を考えると、これは風船を構成しているゴ
ムの伸展性によって変わることがわかるであろう。たと
えば、伸展性の大きな柔らかいゴム風船であれば、第6
図(b)のように膨脹度e1はかなり大きなものになる
が、伸展性の小さな硬いゴムであれば、同図(c)のよう
に膨脹度e2はこれより小さくなる。したがって、ゴム
風船の伸展性は、この膨脹度eによって表すことができ
る。ただし、この膨脹度eは注入空気圧によっても変わ
る要素であるから、伸展性を議論するためには、注入空
気圧の圧力差も考慮しなければならない。すなわち、ど
れだけの圧力差によって、どれだけ膨脹したかという度
合いを求める必要がある。そこで、伸展度Eを次のよう
に定義する。
E=e/ΔP ここで、eは膨脹度、ΔPは膨脹を誘発した圧力差であ
る。第6図および第7図に示す例では、圧力差ΔP=
(b−a)である。したがって伸展度Eは、第6図(b)
に示す風船では、 E=e1/(b−a) であり、同図(c)に示す風船では、 E=e2/(b−a) である。
さて、上述のモデルにおいて、風船を動脈、エアポンプ
を心臓、第7図に示す波形を脈波と考えれば、このモデ
ルを循環器系のモデルとみなすことができることが理解
できよう。動脈は第7図に示すような脈波の到来のたび
に、膨脹と収縮を繰り返しているものと考えられる。し
たがって動脈の伸展度Eも、膨脹度eを圧力差ΔPで除
すことによって表せる。本発明の装置は、この原理に従
って動脈伸展性の測定を行うのである。
それでは、第1図に示す装置による基本動作を説明しよ
う。第8図は、この基本動作を説明するグラフである。
なお、実際の動作はこの第8図に示す基本動作とは若干
異なるが、ここでは説明の便宜上、まずこの第8図に示
す基本動作の説明を行い、実際の動作については後述す
る。前述のように、この装置はエアポンプ140とリー
クバルブ150とを有し、各嚢210〜230の圧力を
制御することができる。すなわち、圧力を増加させる場
合には、エアポンプ140を動作させて嚢内に空気を送
りこみ、圧力を減少させる場合には、リークバルブ15
0を開けて嚢内の空気をリークさせることができる。測
定にあたっては、被測定者の上腕部に第2図に示すよう
に縛帯200を着用させ、測定開始スイッチ(図示せ
ず)を押す。第8図のグラフは、測定開始後の嚢内圧力
の変化を示すものである。すなわち、測定開始後、CP
U130がエアポンプ140を起動し、嚢内に空気を送
り込んで圧力を徐々に増加させる(グラフの点A〜)。
各嚢210〜230は次第に動脈を圧迫し、やがて完全
に阻血する圧力にまで達する(点B)。このときの縛帯
200と動脈300との関係を表す断面図を第9図に示
す。図の左側が心臓、右側が末梢であり、脈波は左から
右に伝わるはずである。しかしながら、グラフの点Bに
おける圧力では、脈波は前方嚢210によって阻止さ
れ、第9図の矢印A1の位置まで伝播してから押し戻さ
れる。続いてCPU130は、リークバルブ150を少
しずつ開けて圧力をゆっくりと減少(たとえば3mmHg/
sec)させてゆく(点B〜)。すると、ある圧力値Pc
において、第9図の矢印A2に示すように、脈波の高周
波成分が前方嚢210を通過し中央嚢220に衝突する
ようになる。これがグラフの点Cである。中央嚢220
は前方嚢210よりも幅が広く、容量が大きいため、こ
の脈波は中央嚢220を通過することはまだできない。
この状態は第10図(a)にも示されている。ここから更
に圧力を下げてゆくと、グラフの点Dにおいてコロトコ
フ音が発生する。グラフ内の波形Kは、点Dから徐々に
圧力を減少させていったとき、各圧力値に対応して得ら
れるコロトコフ音の振幅を示すものである。このように
点Dを過ぎるとコロトコフ音が発生するのは、第10図
(b)に示すように、脈波の一部310が中央嚢220の
圧力に抗してここを通過し始めるためである。この点D
に対応する圧力が心収縮期圧SPに相当することが知ら
れている。点Dから更に圧力を減少させてゆくと、第1
0図(c)に示すように脈波は更に通過しやすくなり、点
Eにおいてコロトコフ音が最大になる。以後、コロトコ
フ音は次第に減少し、点Fに達すると音は非常に小さく
なり、ほぼ一定の振幅が続く。この点Fに対応する圧力
が心拡張期圧DPに相当することが知られており、第1
0図(d)の状態に対応する。更に圧力を点Gまで減少さ
せてゆくと、第10図(e)の状態になり、嚢が動脈30
0から浮いた状態となる。
以上のように、第8図のグラフにおいて、ひとまず点A
〜点Bまで圧力を上げ、点Bから点Gまで圧力を徐々に
下降させてゆくのが、この装置の基本動作であるが、こ
こでこのグラフの各点において、前方センサ110およ
び後方センサ120にどのような出力が得られるかを説
明する。前方嚢210の圧力変動は前方センサ110に
より、後方嚢230の圧力変動は後方センサ120によ
り、それぞれ検出されることは前述のとおりである。ま
た、中央嚢220の圧力変動は、接続路225を介して
後方嚢230に伝達されるので、これもまた後方センサ
120によって検出されることになる。ただし、中央嚢
220は容量が大きいため、圧力変動の高周波成分の検
出はされず、後方センサ120で検出される波形はなま
ったものとなる(この波形は大動脈波と等価である)。
まず、前方センサ110の出力について考えよう。第9
図に示すように、前方嚢210は最も上流にあるため、
この嚢には常に心臓側からの脈波が衝突することにな
る。したがって、各嚢による阻血状態にかかわりなく、
前方センサ110は常に上腕部における脈波、たとえば
第11図(a)に示すような脈波を検出することになる。
したがって、点B〜点Fまでの区間では、前方センサ1
10は常にこの上腕部の脈波を検出することになる。な
お、点F〜点Gまでの区間は、第10図(e)に示すよう
に、前方嚢210が動脈300から浮いた状態になって
しまうため、脈波は完全な形では前方嚢210に伝達さ
れず、前方センサ110の出力は徐々に小さくなる。
次に、後方センサ120の出力について考えよう。点B
〜点Cまでの区間では、脈波はすべて前方嚢210によ
って阻止されてしまうため、後方センサ120は全く脈
波の検出を行うことはできない。ところが、点Cでは第
10図(a)の矢印に示すように、脈波の一部が前方嚢2
10を通過し、中央嚢220に衝突するため、後方セン
サ120に何らかの出力が得られる。ただし、前述のよ
うに中央嚢220は容量が大きく、しかも後方嚢230
に脈波が直接衝突したわけではないので、この出力はた
とえば第11図(b)のように、かなりなまったゲインの
小さな波形として得られる。いずれにせよ、グラフの点
Cは、後方センサ120が何らかの出力を初めて検出し
た点として認識できる。そして、点Dに至ると、第10
図(b)に示すように、脈波の一部が中央嚢220を通過
して後方嚢230に直接衝突するので、後方センサ12
0はよりシャープで大きな出力を検出することになる。
そして、点D〜点Fへゆくに従って、中央嚢220を通
過する脈波の割合が多くなり、後方センサ120の出力
はだんだんと大きくなってくる。そして、点Fにおいて
後方センサ120の出力は最大となる(コロトコフ音の
振幅は点Eにおいて最大となるが、後方センサ120の
出力は点Fにおいて最大となる点に注意すべきであ
る)。以下、点F〜点Gまでの区間は、第10図(e)に
示すように、後方嚢230が動脈300から浮いた状態
になるため、出力は徐々に減少してゆく。
第12図は、第8図のグラフの点D〜点Gの区間におい
て検出される種々の脈波を示す図である。図の実線で示
す波形が後方センサ120で検出される後方脈波を示
し、破線で示す波形が前方センサ110で検出される前
方脈波(第5図の脈波WFに相当)を示す。また、各脈
波の上の符号は、各脈波が第8図のグラフの各点におい
て検出された脈波であることを示す。符号のついていな
い脈波は、これらの中間点において検出された脈波であ
る。実線で示す後方脈波に着目すると、点Dから徐々に
圧力を減少させてゆくと、検出される後方脈波の振幅は
次第に大きくなってくる。そして、前述のように第8図
の点Fに到達したときに脈波の振幅は最大となり、以下
脈波の振幅は減少してゆく。一方、破線で示す前方脈波
に着目すると、点Dから徐々に圧力を減少させていって
も、検出される前方脈波の振幅は変化しない。これは前
述のように、阻血状態にかかわりなく前方嚢210には
脈波が検出されるからである。しかし、点Fを過ぎると
脈波の振幅は減少してゆく。これも前述のように前方嚢
210が動脈300から浮いた状態になってゆくからで
ある。ここで、点Fにおける実線の脈波を破線の脈波と
比べてみると、ちょうど高周波成分がカットされている
ことがわかる。この点Fにおいては、縛帯200と動脈
300との関係が第10図(d)のような状態になってい
ると考えられる。すなわち、縛帯200の内圧と動脈の
心拡張期圧DPとが拮抗しており、脈波が中央嚢220
を十分に通過することができ、後方嚢230にも十分な
衝撃を与えることができるのである。縛帯200の圧力
がこれより高いと、同図(a)〜(c)のように、脈波が中央
嚢220を十分に通過することができず、後方嚢230
には十分な衝撃が加わらないのである。また、縛帯20
0の圧力がこれより低いと、同図(e)のように、後方嚢
230が動脈300から離れてしまうため、脈波が中央
嚢220を十分に通過したとしても、後方嚢230に十
分な衝撃が加わらないのである。
ここで、混乱のないように、前方センサ110および後
方センサ120が検出する圧力値について少し触れてお
く。この圧力値は、それぞれ前方嚢210および後方嚢
230の嚢内圧力であることには違いはないが、この嚢
内圧力は基準内圧と変動圧との2つの性質の圧力に分け
て考えることができる。基準内圧とは、第8図のグラフ
で示される圧力であり、この装置では点Bから点Gに至
るまで徐々に減少されてゆく。これに対して変動圧と
は、脈波の到来ごとに誘起される圧力変動であり、第1
2図に示されるような波形をとる。結局、各センサの検
出する圧力値は、この基準内圧と変動圧とが重畳された
圧力値ということになる。すなわち、第12図に示され
る波形は、実際には第8図のグラフの上に重畳された形
で検出されるのである。
さて、ここでもう一度、風船のモデルで説明した基本原
理に戻ってみよう。風船のモデルによれば、動脈の伸展
度Eは、膨脹度eと圧力差ΔPとを測定できれば、E=
e/ΔPによって求めることができた。実は、第8図の
グラフに示したこの装置の基本動作において、これらが
求まっているのである。まず、膨脹度eであるが、これ
は前方センサ110の出力波形の波高値hとして与えら
れる。前述のように、前方センサ110の出力は、第1
1図(a)のようなものになるが、この圧力変動の波高値
hを膨脹度eを示す値として使うのである。前方センサ
110の出力は、第12図に示したように、本来は点F
に至るまでは一定のはずであり、点B〜点Fのどの時点
の出力を用いてもかまわない。しかしながら、実際には
この出力には若干の差が生じるため、本実施例の装置で
は、点Fの時点における出力を用いている。点Fにおけ
る各嚢と動脈300との関係は、第10図(d)に示す状
態となっている。この状態で、脈波が前方嚢210の直
下を通過するときに、前方センサに第11図(a)のよう
な圧力変動が得られるわけであるが、この圧力変動は動
脈300の管壁の半径方向の膨脹の度合いに関係した量
になることが理解できよう。動脈300の管壁が柔らか
ければ、管は大きく膨脹し、前方嚢210を大きく圧迫
し、大きな圧力変動を生じさせることが想像できよう。
一方、圧力差ΔPは、どのようにして求めればよいので
あろうか。結論を先に言えば、第8図のグラフにおい
て、点Cにおける圧力値Pcと点Fにおける圧力値Pf
との差を、ΔPとして用いることができるのである。す
なわち、第7図のモデルにおける空気圧a,bが、圧力
値Pf,Pcに相当することになる。前述のように、点
Fにおける圧力値Pfは、心拡張期圧DPに等しいこと
が知られており、この心拡張期圧DPは脈波のないとき
の動脈管が膨脹していない状態の圧力である。したがっ
て、点Fにおける圧力値Pfが、風船のモデルにおける
空気圧aに相当することは容易に理解できよう。これに
対し、空気圧bに相当する圧力が何であるかを考察する
と、これは脈波のピークによって動脈管が最大に膨脹し
た瞬間の圧力である。ここで、第9図を参照しながら、
点Cにおける圧力値Pcのもつ意味を考えてみる。前方
嚢210の圧力P2が動脈300内を伝播する脈波のピ
ーク圧力P1より高いときは、脈波はすべて矢印A1に
示す位置まで進んだあと前方嚢210によって押し戻さ
れてしまう。ところが、嚢内圧P2を徐々に減少させて
ゆき、脈波のピーク圧P1が嚢内圧P2を越えることに
なると、越えた分の脈波が矢印A2に示すように前方嚢
210を通過することになる。点Cにおける圧力値Pc
は、この臨界状態における嚢内圧であり、阻血臨界圧と
呼ぶことができる。すなわち、前方嚢210の圧力が阻
血臨界圧Pcになったとき、矢印A3で示す脈波のピー
ク圧と矢印A4で示す嚢内圧とは拮抗した状態にあると
言える。結局、阻血臨界圧Pcは動脈300内を伝播し
てきた脈波の圧力のピーク値と等しいことになる。
以上をまとめると、動脈圧ははじめの心拡張期圧DP
(圧力Pf)から、脈波の到来によって阻血臨界圧Pc
にまで上昇し、脈波が去ってから再び心拡張期圧DPの
状態に戻るという過程を繰り返すことになる。そして、
この圧力差ΔP=Pc−Pfに起因して、動脈は半径方
向に波高値hに応じた膨脹度で膨脹したことになる。結
局、阻血臨界圧Pc、心拡張期圧Pf、および前方セン
サ210の出力の波高値hが求まれば、動脈の伸展度E
は、 E=h/(Pc−Pf) によって求まることになる。そこで、この3つの値h,
Pc,Pfを求めるための具体的な動作を以下に説明す
る。
まず、前方センサ210の出力の波高値hの求め方を説
明する。前方センサ210の出力は、前述のように増幅
器111およびA/D変換器112を介してCPU13
0に与えられており、必要があればその波形をメモリ1
60に記憶できる。したがって、CPU130はこの波
形から、その波高値hを演算によって容易に求めること
ができる。なお、前述のように、この実施例では第8図
のグラフの点Fの時点における波高値hを演算で求めて
いる。
続いて、阻血臨界圧Pcの求め方を説明する。第8図に
示す基本動作において、点Cに到達したことは後方セン
サ120が初めて第11図(b)に示すような何らかの出
力を発生することによって認識できることは既に述べ
た。しかしながら、実際の測定では、点Cに到達する以
前に後方センサ120が出力を生じることが起こりう
る。たとえば、心臓がたまたま不整脈を発し、たまたま
その1脈波だけ振幅が大きかった場合、点Cに到達する
以前であっても、この振幅の大きな脈波が前方嚢210
を通り抜け、後方センサ120に出力を生じさせる可能
性がある。そこで、本実施例の装置では、実際には第8
図のグラフに示す動作ではなく、第13図(a)のグラフ
に示す動作を行っている。この動作では、後方センサ1
20が初めて出力を発生すると、その時点で基準内圧の
減少を暫く停止し(点C〜点C′)、前方センサ110
と後方センサ120の出力の比較を行うのである。第1
3図(a)の部分Lの拡大図を同図(b)に示す。ここで一点
鎖線(一部実線と重なっている)で示すのが基準内圧、
破線で示すのが前方センサ110の出力、実線で示すの
が後方センサ120の出力である。このように、本当に
点Cに到達しているのであれば、破線で示す前方センサ
110の出力波形に同期して(位相は少し遅れるが)、
同じ数のなまった出力波形が実線で示す後方センサ12
0の出力にも現れるはずである。この例では、5回分の
波形について同期を認識し、点Cに到達していることを
確認している。もし、同期した波形が同じ数だけ現れな
かったら、不整脈の発生により点Cに到達する前に後方
センサ120にたまたま出力が現れたと判断することが
でき、基準内圧の減少を続行することになる。こうして
点Cにおける阻血臨界圧Pcを正確に求めることができ
る。
続いて、心拡張期圧DP(圧力Pf)の求め方を説明す
る。この実施例では、第13図(a)のグラフに示すよう
に、点C′から更に基準内圧を減少させてゆき、点Fに
到達したことを特別な方法によって認識している。この
認識方法は、新規な発見に基づくものであり、以下にこ
の方法を第8図に示す基本動作に基づいて詳述する。は
じめに、基準内圧が心拡張期圧DPでないときに(すな
わち、第8図に示すグラフの点F以外の区間)、どのよ
うな前方脈波および後方脈波が得られるかを述べる。前
述したように、第12図は、第8図の点D〜点Gの区間
において検出される種々の脈波を示す図である。図の実
線で示す波形が後方センサ120で検出される後方脈波
を示し、破線で示す波形が前方センサ110で検出され
る前方脈波を示す。また、各脈波の上の符号は、各脈波
が第8図のグラフの各点において検出された脈波である
ことを示し、符号のついていない脈波は、これらの中間
点において検出された脈波である。実線で示す後方脈波
に着目すると、点Dから徐々に圧力を減少させてゆく
と、検出される後方脈波の振幅は次第に大きくなってく
る。そして、点Fに到達したときに脈波の振幅は最大と
なり、以下脈波の振幅は減少してゆく。一方、破線で示
す前方脈波に着目すると、点Dから徐々に圧力を減少さ
せていっても、検出される前方脈波の振幅は変化しない
ことは既に述べた。ここで、点Fにおける実線の脈波を
破線の脈波と比べてみると、ちょうど高周波成分がカッ
トされていることがわかる。この点Fにおいては、縛帯
200と動脈300との関係が第10図(d)のような状
態になっていると考えられる。すなわち、縛帯200の
基準内圧と動脈の心拡張期圧DPとが拮抗しており、脈
波が中央嚢220を十分に通過することができ、後方嚢
230にも十分な衝撃を与えることができるのである。
縛帯200の圧力がこれより高いと、同図(a)〜(c)のよ
うに、脈波が中央嚢220を十分に通過することができ
ず、後方嚢230には十分な衝撃が加わらないのであ
る。また、縛帯200の圧力がこれより低いと、同図
(e)のように、後方嚢230が動脈300から離れてし
まうため、脈波が中央嚢220を十分に通過したとして
も、後方嚢230に十分な衝撃が加わらないのである。
さて、もう一度第12図に注目してみよう。この第12
図は、縛帯の基準内圧が点Fに到達したか否かの判定、
すなわち圧力値が心拡張期圧DPまで減少したか否かの
判定を行うための有効な方法を示唆している。すなわ
ち、点Fにおいて検出した前方脈波(破線)と後方脈波
(実線)は、下部がぴったりと一致しているのである。
逆に言えば、両脈波の下部が一致したとすれば、その時
点の縛帯の基準内圧は心拡張期圧DPであるということ
が言える。これは本願発明者が見出した新規な事実であ
る。この理由についての厳密な理論解析を行うことは困
難であるが、中央嚢220がローパスフィルタの機能を
果たすため、心拡張期圧DPで本来そのままの形で伝播
する波形の高周波成分だけがカットされることになった
ものと本願発明者は考えている。したがって、中央嚢2
20の幅(第1図のl2)は、このローパスフィルタの
機能を果たすだけの十分な幅が必要であるが、一般に9
cm以上あればこの機能を果たせることが実験的に確認で
きた。こうして、CPU130は、第8図の点Cから徐
々に基準内圧を減少させてゆき、その都度、前方センサ
110から与えられる前方脈波と後方センサ120から
与えられる後方脈波とを比較し、両脈波の下部が一致し
たら点Fに到達したと判断できる。
実際には、上述のような判断を行うためには、後方脈波
の遅延時間を考慮した両脈波の比較を行う必要がある。
すなわち、実際にはCPU130には、前方脈波と後方
脈波とは同時には入ってこない。なぜなら、脈波が前方
嚢210で検出されてから、中央嚢220を通過して後
方嚢230で検出されるまでには、通過時間dtだけの
遅延時間がかかるためである。したがって、実際には同
一の時間軸上で前方脈波Wf1〜Wf5と後方脈波Wb
1〜Wb5とをそれぞれ比較すると、第14図に示すよ
うに、両者間に遅延時間だけのずれが生じる。そこで、
CPU130は、前方脈波および後方脈波の波形データ
を一時的にメモリ160に記憶した後、両脈波の立ち上
がり部位が一致するように前方脈波を遅延させて重畳
し、両脈波の下部を比較している。第15図は、第14
図における前方脈波Wf3と後方脈波Wb3との比較作
業を詳細に説明した図である。後方脈波Wb3は前方脈
波Wf3に対して遅延時間dtだけ遅れているが、両脈
波の立ち上がり部位を一致させるように前方脈波Wf3
をWf3′にまで移動させ、脈波Wf3′とWb3との
下部を比較している。この実施例では、下部として、大
動脈弁閉鎖痕圧MVPより下の波形のみの比較を行って
いる。第15図の例では、MVP以下の波形は完全に一
致しているが、現実にはこのような完全一致は期待でき
ないため、所定誤差以下の精度で一致した場合に「一
致」と判定するようにするのが好ましい。
本実施例の装置では、こうして「一致」と判定される
と、CPU130はリークバルブ150のリーク動作を
しばらく停止させ、このときの基準内圧をしばらく維持
させる。すなわち、第8図のグラフに示すように、点F
を一瞬のうちに通過してしまうのではなく、実際には第
13図(a)のグラフに示すように、点F〜点F′まで基
準内圧を心拡張期圧DP(圧力Pf)に維持するのであ
る。このグラフの部分L′の拡大図を同図(c)に示す。
ここで一点鎖線(一部実線と重なっている)で示すのが
基準内圧、破線で示すのが前方センサ110の出力、実
線で示すのが後方センサ120の出力である。この実施
例では、点F〜点F′の間に5周期分の脈波測定を行っ
ている。したがって、5周期分の脈波について「一致」
を確認することができ、偶然の一致による誤りを防ぐこ
とができる。また、破線で示す前方センサ110の出力
波形は、前述のように波高値hを求めるのに用いられる
が、このように5回分の出力波形を得れば、波高値hと
してその平均値をとることができ、精度向上が図れる。
結局、本実施例の装置は、第13図(a)のグラフに示す
ように縛帯200の基準内圧を変化させることにより、
動脈伸展性の測定を行うことになる。これより、阻血臨
界圧Pc、心拡張期圧DP(Pf)、および圧力変動の
波高値hが測定され、動脈伸展度Eは、 E=h/(Pc−Pf) なる演算によって求められ、表示装置170に表示され
るとともに、プリンタ180によって印刷される。
以上、本発明を一実施例について説明したが、本発明は
この実施例に限定されるものではない。要するに本発明
は、上腕部に縛帯を巻き、この縛帯による阻血臨界圧お
よび心拡張期圧を測定し、脈波により縛帯に生じる圧力
変動の波高値を上述の圧力差で除すことにより動脈伸展
度を求めるものである。したがって、この基本的な考え
に基づいた動脈伸展性の測定ができれば、どのような装
置構成を採ってもよい。また、上述の実施例では、比較
する下部波形として、大動脈弁閉鎖痕圧MVP以下の波
形をとっているが、下部波形として別な波形をとっても
かまわない。たとえば、波高値で半分以下の部分をとる
ようなこともできよう。結局、下部波形の比較とは、中
央嚢の通過によってカットされた高周波成分以外の部分
を比較するという意図であり、どの部分を比較するかは
設計上、自由に変更しうるものである。また、心拡張期
圧に達したことの認識を、コロトコフ音によって行うこ
とも可能である。
〔発明の効果〕
以上のとおり本発明によれば、動脈の被測定部位を阻血
することのできる縛帯を用い、阻血臨界圧、心拡張期
圧、および脈波により縛帯に生じる圧力変動の波高値、
を測定して動脈伸展度を求めることにしたため、動脈伸
展性の直接的な測定が容易にできるようになる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係る脈波検出装置の構成を
示すブロック図、第2図は第1図の装置における縛帯を
上腕部に装着した状態を示す図、第3図は第2図に示す
縛帯によって動脈が押圧される状態を示す断面図、第4
図は一般的な大動脈波の波形図、第5図は心臓から抹消
へ至るまでの脈波の変形を示す図、第6図は本発明によ
る動脈伸展性測定の原理を示すモデルの図、第7図は第
6図に示すモデルにおけるポンプの注入空気圧の変化を
示すグラフ、第8図は第1図に示す装置による測定原理
を説明するグラフ、第9図および第10図は縛帯圧と脈
波の通過状態との関係を示す断面図、第11図は第1図
に示す装置におけるセンサの出力波形を示す図、第12
図は第1図に示す装置による前方脈波と後方脈波の比較
を示すグラフ、第13図は第1図に示す装置による実際
の測定動作を説明するグラフ、第14図は第13図のグ
ラフにおける点Fに到達したことを認識する方法を示す
グラフ、第15図は第14図の部分拡大図である。 100…装置本体、101,102…管路、200…縛
帯、210…前方嚢、220…中央嚢、230…後方
嚢、225…接続路、240,250…導管、300…
動脈、310…脈波、SP…心収縮期圧、DP…心拡張
期圧、K…コロトコフ音波形。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】動脈の被測定部位を阻血することができる
    阻血嚢と、 前記被測定部位における阻血状態が解かれる阻血臨界圧
    を測定する手段と、 前記被測定部位の心拡張期圧を測定する手段と、 前記被測定部位における脈波に基づく前記阻血嚢の圧力
    変動を検出する手段と、 検出された前記圧力変動の波高値を、前記阻血臨界圧と
    前記心拡張期圧との差で除すことにより、動脈伸展度を
    求める手段と、 を備えることを特徴とする動脈伸展性測定装置。
  2. 【請求項2】動脈の被測定部位を阻血することができる
    前方嚢と、この前方嚢より容量が大きく、この前方嚢の
    下流側に設けられた中央嚢と、この中央嚢より容量が小
    さく、この中央嚢の下流側に設けられた後方嚢と、の3
    つの嚢を有し、前記中央嚢と前記後方嚢とが内部におい
    て接続されている縛帯と、 前記前方嚢に生じる圧力変動を、前方脈波として検出す
    る前方センサと、 前記前方脈波の検出時から所定の遅延時間だけ遅れて、
    前記後方嚢に生じる圧力変動を、後方脈波として検出す
    る後方センサと、 前記前方脈波を、前記遅延時間だけ遅らせて前記後方脈
    波の上に重ね、両脈波の下部波形が所定の精度で一致し
    ているか否かを判定する一致判定手段と、 前記各嚢の基準内圧を、十分に高い値から徐々に減少さ
    せてゆき、前記後方センサがはじめて出力を発生した時
    点の基準内圧値を阻血臨界圧として記録する阻血臨界圧
    検出手段と、 前記各嚢の基準内圧を、前記阻血臨界圧から徐々に減少
    させてゆき、前記一致判定手段が一致を示した時点の基
    準内圧値を心拡張期圧として記録する心拡張期圧検出手
    段と、 所定時点において検出された前記前方脈波の波高値を、
    記録された前記阻血臨界圧と前記心拡張期圧との差で除
    すことにより、動脈伸展度を求める手段と、 を備えることを特徴とする動脈伸展性測定装置。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の動脈伸展性測定装置にお
    いて、 一致判定手段が、前方脈波の立ち上がり部位と後方脈波
    の立ち上がり部位とが合うように両脈波を重ね、両脈波
    の大動脈弁閉鎖痕圧より下部の波形が所定の精度で一致
    しているか否かを判定するようにしたことを特徴とする
    動脈伸展性測定装置。
  4. 【請求項4】請求項2に記載の動脈伸展性測定装置にお
    いて、 阻血臨界圧検出手段および心拡張期圧検出手段が、それ
    ぞれ目的とする基準内圧が得られた時点で、各嚢の基準
    内圧の減少を暫時停止させ、それぞれ目的とする基準内
    圧が得られたことを確認する動作を行うことを特徴とす
    る動脈伸展性測定装置。
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