JP4705824B2 - 定量脈動発生装置 - Google Patents

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Description

この発明は、定量脈動発生装置に関し、特に、血管コンプライアンスを測定する際に用いる定量脈動発生装置に関するものである。
従来より、動脈硬化の指標として血管コンプライアンスKが用いられている。血管コンプライアンスKは、血管内圧がΔPだけ増加したときに、血管の単位長さ当り増加する血管内容積がΔVの場合に、血管の伸展性を表すパラメータとして定義されており、K=ΔV/ΔP[cm/(dyne/cm)]=2πR(1−σ)/E・h(R:血管径、σ:ポアソン比、h:血管径の厚み、E:弾性率)で表される。
このような血管コンプライアンスKは、動脈圧の測定と、超音波法を用いた血管径及びその脈動に基づく血管壁変位の測定により求めることが可能であるが(例えば、特許文献1,特許文献2を参照)、これらの場合、上腕や下肢に血圧測定用のカフを取付ける他に、手指等に別途センサ等の装置を取付けなければ測定することができず、専門の医療機関でしか測定することができないものであった。
このような問題点を解決し、別途の装置を必要とせず簡単に動脈硬化の指標を測定可能としたのが、特許文献3に記載の血管弾性測定装置である。しかしながら、このような血管弾性測定装置には、以下に説明する技術的な課題があった。
特許第3184349号公報 特開平8−66377号公報 特開2004−313605号公報
すなわち、特許文献3に提案されている血管弾性測定装置では、カフ内圧を減圧または昇圧させる過程でセンサから検出される圧力脈波信号から、血管内容積の変化ΔVを算出するようにしているが、その算出の際にカフの弾性特性(以下、カフの感度ともいう)を考慮した補正が必要となる。
ところが、特許文献3においては、カフの感度は、一般的に知られている値を使用し、どの被験者に対しても、またいつでも、同じ数値を採用している。しかし、カフの感度は、加圧状態(加圧値)のみならず、被験者の筋肉強度などの状態、測定時間帯、カフの個体差等によっても変化するものであり、正確な血管コンプライアンスを測定する上での誤差要因となっていた。
そこで、本発明者らは、カフの感度を装着状態において、しかも、それぞれのカフ毎に測定することで、このような問題を解決して、高精度の血管コンプライアンス測定を可能にする新たな手法を開発した。
この手法は、既知容量の圧力脈動を、被験者に捲回されたカフに加えたときに、当該カフで検出される脈波の振幅値と既知容量値とに基づいて、各カフの感度を求めるのであるが、この際に、既知容量の圧力脈動を加えるのに好適な手段が見当たらなかったので、これを併せて開発した。
本発明の目的は、カフの感度を装着状態において、個別に測定する際に、既知容量の脈動を加えることができる定量脈動発生装置を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、血圧測定などの際に、カフの圧力状態を変化させながら既知容量の脈動を加えることができる定量脈動発生装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、既知容量の圧力脈動を、被験者に捲回されたカフに加えたときに、当該カフで検出される脈波と前記既知容量値とに基づいて、前記カフの感度を求める際に用いる定量脈動発生装置であって、前記圧力脈動発生装置は、屈曲変形可能なダイヤフラムと、一端側が前記ダイヤフラムにより隔成された第1の閉塞空間と連通し、他端側が前記カフと連通接続される給気口とを備えた本体部と、前記本体部に内臓され、前記ダイヤフラムを屈曲振動させる駆動部とを備え、前記駆動部に給電することにより、前記ダイヤフラムを屈曲変形させて、前記給気口を介して、前記カフ内に前記圧力脈動を供給するようにした。
このように構成した定量脈動発生装置によれば、屈曲変形可能なダイヤフラムと、一端側がダイヤフラムにより隔成された第1の閉塞空間と連通し、他端側がカフと連通接続される給気口とを備えた本体部と、本体部に内蔵され、ダイヤフラムを屈曲振動させる駆動部とを備え、駆動部に給電することにより、ダイヤフラムを屈曲変形させて、給気口を介して、カフ内に既知容量の圧力脈動を供給するので、圧力脈動を被験者に捲回されたカフに加えたときに、当該カフで検出される脈波と既知容量値とに基づいて、カフの感度を求めることができる。
前記カフは、前記被験者の動脈の阻血を行う大容量のメインカフと、前記動脈の流れ方向の上流側ないしは下流側に設けられる小容量のサブカフとを備え、前記サブカフのいずれか一方に前記定量脈動発生装置の前記圧力変動を加えることができる。
前記定量脈動発生装置の前記本体部は、一端側が前記ダイヤフラムにより隔成された第2の閉塞空間と連通し、他端側が前記メインカフと常時連通接続される背面吸気口を有し、前記メインカフと前記給気口とをエア抵抗が設けられた連通路で連通接続することができる。
前記駆動部の制御は、血圧や動脈硬化などの血管特性の測定制御部と兼用することができる。
本発明にかかる定量脈動発生装置によれば、カフの感度を装着状態において、個別に測定する際に、既知容量の脈動を加えることができるので、動脈硬化の指標である血管コンプライアンスKの高精度な測定が補償される。
以下、本発明の好適な実施の形態について、添付図面に基づいて詳細に説明する。図1から図7は、本発明にかかる定量脈動発生装置の一実施例および使用例を示しており、図1は、定量脈動発生装置50の全体断面図である。
同図に示した定量脈動発生装置50は、本体部52と、ダイヤフラム54と、駆動部56とを有している。本体部52は、カップ状のボデー52aと、ハット状のカバー52bとを有しており、これらのボデー52aとカバー52bは、開口端に環状のシール材52cを介装して固設されていて、内部に密閉空間が形成されている。
ダイヤフラム54は、屈曲変形が可能なものであって、一端が開口した概略放物面状に形成されており、このダイヤフラム54は、開口端がカバー52bの背面側に当接するようにして係止されている。
このようなダイヤフラム54を本体部52内に設けることにより、ボデー52aとカバー52b内の密閉空間は、第1閉塞空間52dと第2閉塞空間52eに隔成されている。
第1閉塞空間52dには、カバー52bのほぼ中央部に一体に突設形成された給気口52fが連通し、第2閉塞空間52eには、カバー52bの側縁に一体に突設形成された背圧吸気口52gが連通している。
駆動部56は、本体部52内に内蔵され、ダイヤフラム54を屈曲振動させるるものであって、ダイヤフラム54の中心を下方から支持する可動フランジ部56aと、可動フランジ56aの下方に積層配置されたホールピース56b,磁石56c,ヨーク56dとを備え、これらの部材は、ボデー52a内に設置されている。
ホールピース56bの側面には、コイル56eが付設されていて、コイル56eに給電すると、可動フランジ56aが上下方向に振動して、この振動に伴ってダイヤフラム54が、図1に矢印で示すように、屈曲振動をするようになっている。
ダイヤフラム54を屈曲振動させると、給気口52fから後述する第2サブカフ46に、第1閉塞空間52d内の所定容量の空気が脈動状態で供給される。次に、上記構成の定量脈動発生装置50の使用方法について説明する。図2は、定量脈動発生装置50を血管特性測定装置1に接続して、これを使用する場合の適用例が示されている。
血管特性測定装置1は、後述するように、血圧測定と動脈硬化の判定指標となる血管コンプライアンスKの測定が可能なものであって、一般的なオシロメトリック方式の血圧計が有する構成であるところの制御部10と、表示/スイッチ部11と、メモリ12とを備えている。制御部10は、血圧検出手段10aと、K算出手段10bとを備えている。
被験者に装着されるカフ40は、本実施例の場合、図3,4に示すものが用いられる。これらの図に示したカフ40は、メインカフ42と一対の第1および第2サブカフ44,46とを有している。メインカフ42は、被験者の動脈の阻血を行うために、大容量に形成されていて、気密性の可撓性袋体42aを備え、袋体42aの背面側には、変形防止用のアウターカバー42bが、外周面を覆うようにして設けられている。
一対の第1および第2サブカフ44,46は、被験者の動脈の流れ方向の上流側と下流側とに、所定の間隔を隔てて配置される小容量のものであり、本実施例の場合、第1および第2サブカフ44,46は、同一の容量に設定されていて、メインカフ42の幅方向の両端側にあって、カフ40の装着状態においては、被験者の上腕の外周面に当接して、これを周回するように環状に形成される。
なお、第1および第2サブカフ44,46間の距離は、例えば、90mm(カフの中心から中心まで)程度が好適である。また、各サブカフ44,46の容量は、必ずしも同一に設定する必要はない。
第1および第2サブカフ44,46は、可撓性の小袋体44a,46aを有していて、各小袋体44a,46aは、メイカンカフ42の袋体42aと間に、合成樹脂製等の圧力ダンパー42cを介して、固着されている。
この圧力ダンパー42cは、各第1および第2サブカフ44,46で検出される脈波が相互に干渉することなく、正しい脈波を抽出できるように隔離するためのものであり、例えば、厚さが0.3mm程度のPPフィルムを好適に用いることができる。
メインカフ42の背面側には、図4に示すように、アウターカバー42bの外面に突出する給排気口42dが設けられ、この給排気口42dは、袋体42a内に連通している。また、アウターカバー42bの外面には、第1,第2サブカフ44,46の各小袋体44a,46a内に連通する給排気口44b,46bが設けられている。
備えている。
被験者の上腕に巻回され血流を一時的に阻止するメインカフ42には、袋体42a内に空気を供給するポンプ13が、給排気経路14を介して給排気口42dに接続され、ポンプ13を駆動させるポンプ駆動回路15は、制御部10からの制御信号により駆動,停止される。
給排気経路14には、メインカフ42内の空気を排気する排気弁16と、メインカフ40内の圧力(カフ圧)を検出するメイン側センサ17とが接続される。排気弁16は、排気弁駆動回路18により開弁ないしは閉弁され、駆動回路18には、制御部10から制御信号が送出される。メイン側センサ17の検出信号は、そのまま制御部10に取り込まれるとともに、メイン側脈波抽出回路19を介して制御部10に取り込まれる。
一方、動脈の上流側に配置される第1サブカフ44は、本実施例の場合には、給排気経路14に接続される。また、動脈の下流側に配置される第2サブカフ46には、下流側センサ25と、定量脈動発生装置50とが接続されている。なお、定量脈動発生装置50の接続形態は、これに限る必要はなく、ユニット50を上流側の第1サブカフ44に接続してもよい。
下流側センサ25は、第2サブカフ46内の圧力を検出するものであって、その検出信号は、直接制御部10に入力されるとともに、下流側脈波抽出回路27に入力され、回路27で抽出された脈波が制御部10に取り込まれる。
定量脈動発生装置50は、本体部52の背圧吸気口52gが給排気経路14と接続される。また、本体部52の給気口52fは、第1サブカフ46と連通接続されると共に、第1電磁弁58を介して給排気経路14と接続され、この電磁弁58を駆動して閉弁すると、給気口52eと背圧吸気口52fとが分離するようになっている。
また、給気口52fは、第2電磁弁60と回路保護用のエアー抵抗62とを介して、給排気経路14と接続されている。この構成によれば、第2電磁弁60を開弁させた状態では、メインカフ42と第2サブカフ46とが連通するが、この連通経路には、エアー抵抗62が介装されているので、微小変動の圧力伝達はないが、静的には、メインカフ42と第2サブカフ46とが同一圧力に保たれる。
以上の構成により本実施例では、ポンプ13によって給排気経路14を介して加圧される部分は、メインカフ42,第1サブカフ44,第2サブカフ46の全てであり、下流側に配置される第2サブカフ46のみが、定量脈動発生装置50からも加圧されることになる。
より具体的に説明すると、電磁弁58,60がともに開弁しており、かつ、定量脈動発生装置50が駆動停止している時は、給気口52fと背圧吸気口52gとが連通状態となり、全てのカフ42,44,46が、給排気経路14を介して連通状態となるので、ポンプ13で加圧すると、これらの各部が同一圧力に維持される。
一方、第1電磁弁58を閉弁すると、定量脈動発生装置50の給気口52fとメインカフ42との間、メインカフ42と第2サブカフ46との間が、それぞれ独立状態となるので、この時に、定量脈動発生装置50を駆動すると、第1閉塞空間52d内の所定容量の空気を確実に第2サブカフ46内に給気することができる。
なお、本実施例の定量脈動発生装置50においては、第1および第2閉塞空間52d,52eは、共に静的に同一圧力状態に保てれば所定の機能を発揮することができるので、必ずしも図2に示したような第1および第2電磁弁58,60を用いる必要はなく、これらをなくして、単にエアー抵抗62をそれぞれ介在させて、給気口52fと背面吸気口52gとを給排気経路14に接続する形態であってもよい。
また、定量脈動発生装置50のコイル56eには、制御部10から制御信号が送出される脈波発生駆動回路28が接続されていいて、脈波発生駆動回路28から給電されることで、ダイヤフラム54が屈曲振動する。
以上の構成において、本実施例の場合には、第1および第2電磁弁58,60およびエアー抵抗62とは、定量脈動発生装置50に付設されていて、これらがユニットとして一体に取り扱うことができるようになっている。
次に、上記構成の血管特性測定装置1で、(1)血圧測定,(2)血管コンプライアンスKをそれぞれ測定する場合の測定方法について説明する。
(1)血圧測定
被験者の血圧を測定する際には、表示/スイッチ部11を操作して血圧測定を開始すると、制御部10は、血圧測定開始とともに、メインカフ42内の内圧が被験者の体内の血管内圧より高くなるように、ポンプ駆動回路15に制御信号を送出して、ポンプ13を駆動して、メインカフ42内に空気を送り込む。
これによりメインカフ42が測定部位を圧迫し、体内の血流を阻止したところで、制御部10は、空気の送出を停止させ、排気弁駆動回路18及び排気弁16を介して、メインカフ42内の空気を排気して、カフ圧を徐々に低下させる。
測定部位がメインカフ42によって圧迫され、直下にある動脈が押しつぶされている状態から、カフ圧を徐々に低下させていく過程で、血液は、最高血圧値付近で流れ始め、最低血圧値付近ではカフ圧による影響を受けることなくスムーズに流れ始めることが知られている。
制御部10の血圧算出手段10aは、このカフ圧を変化させていく過程で、心臓の拍動に同期した血管壁の振動がメインカフ42の内部に及ぼす微小な空気変動であるところの脈波を、メイン側脈波抽出回路19においてメイン側センサ17から抽出し、この脈波に基づいて最高血圧値、最低血圧値、平均血圧値を判定する。
なお、センサ17からは、ポンプ13から加圧しているカフ圧に、脈波分の圧力が重畳した圧力波形が得られるため、脈波成分を抽出するためには、センサ17から得られた圧力波形から、カフ圧を差し引けばよい。
この際の判定方法は、脈波の振幅(脈波毎の圧力の最大値−最小値。脈圧ともいう)が急激に増大するポイントにおけるカフ圧を最大血圧値SBPとし、脈波の振幅が急激に減少するポイントにおけるカフ圧を最低血圧値DBPとし、脈波の振幅が最も大きくなるポイントにおけるカフ圧を平均血圧値MBPとする方法を採用するとこができる。
判定結果としてのこれら血圧値はメモリ12に記憶され、また、表示/スイッチ部11の表示画面に表示される。このような血圧測定方法は、一般的なオシロメトリック方式の動作原理に基いている。このような血圧測定においては、脈波信号は、第1および第2サブカフ44,46からも抽出することができる。
(2)血管コンプライアンスKの測定
血管コンプライアンスKは、血管内圧がΔPだけ増加したときに血管の単位長さ当り増加する血管内容積をΔV(以下、これを容積脈波という)とした時、K=ΔV/ΔPで求められる係数であり、この値は、従来から動脈硬化の指標として用いられている。
なお、血管内では、体内に血液を循環させるために、心臓の鼓動と同期して、最低血圧値と最高血圧値を定期的に繰り返すようにして圧力が発生しており、この繰り返し周期が、拍と呼ばれるものであり、脈波の抽出単位でもある。
つまり、血管内圧の増加量ΔPは、最低血圧値と最高血圧値の差分であり、K=ΔV/(SBP−DBP)で求められる。尚、ここでのΔPは、以降に登場する脈波振幅を表すΔPやΔPとは異なる。
ここで、血管コンプライアンスKを求めるために必要な血管内容積の増加量ΔVは、血圧測定用のカフを用いた場合には、直接測定することができず、従来は、血圧測定装置以外の別途の装置を用いるか、例えば、特開2004−313605号公報に記載されているように、血圧計のセンサから検出された脈波の振幅値にカフの感度(カフの体積変化に対する圧力変化の割合)を適用して、圧力値から体積値へ単位変換することで求めていた。
しかし、カフの感度は、加圧状態(加圧値)のみならず、被験者の状態、測定時間帯、カフの個体差等によっても特性が異なってくるため、上記特許公報に開示されている発明においては、正確な増加量ΔV、ひいては、血管コンプライアンスKを求めることができなかった。
そこで、本実施例では、メインカフ42のカフ圧を変化させる過程で、定量脈動発生装置50が、動脈の下流側に配置される第2サブカフ46に、所定の既知容量の脈動状の給気を行い、所定のカフ圧毎又は所定の時間毎又は所定の脈波検出毎にカフの感度(カフ内容積が既知容量分変化した時のカフ圧の変化量)を実際に測定して、このカフの感度に基づいて容積増加量ΔVを算出するようにし、これによりより正確な血管コンプライアンスKの圧力特性を求められるようにした。
なお、ここでいう「圧力特性」における圧力とは、測定時の被験者の血圧値や、血管外圧値(カフ圧)や、TP値(血管内圧値と血管外圧値の差分)を指す。
第2サブカフ46に加えられる所定の既知容量は、カフ46が、被験者である人間の血管壁の変動を検出するのに必要な容量であればよく、カフ46の大きさによっても、所定の既知容量の割合は変化するが、0.1〜0.5cc程度の微小容量が好適である。
以下に、より具体的な血管コンプライアンスKの測定方法について説明する。 図5〜図7は、血管コンプライアンスKを測定する際の手順を示したフローチャート図である。手順がスタートすると、制御部10は、表示/スイッチ部11のスイッチ部等からの指令に基づいて、血圧測定を開始する(S100)。
制御部10は、メインカフ42への加圧を制御するため、まず、排気弁駆動回路18に排気弁16の閉塞を指示する(S105)。そして、ポンプ駆動回路15にポンプ駆動を指示し、メインカフ42への加圧を開始する(S110)。ここでの加圧値は、表示/スイッチ部11の表示画面に表示される(S115)。
制御部10は、加圧値が設定値に達するまで、ポンプ駆動回路15にポンプ駆動を指示し(S120)、設定値に達した時点で、ポンプ駆動回路15にポンプ停止を指示する(S125)。
ポンプ13による加圧が停止したところで、制御部10は、第1電磁弁58を閉弁する。これにより、定量脈動発生装置50の給気口52fと背圧吸気口52gとが非連通状態となり、ポンプ13からの給気が、下流側の第2サブカフ46に流入することが防止される。
制御部10は、排気弁駆動回路18に排気弁16の開閉制御を指示する(S135)。具体的には、1秒間に数mmHg程度(例えば、4mmHg)の割合で、メインカフ42が減圧されるよう排気弁16の制御を行なう。
制御部10が、S135でメインカフ42内のカフ圧を徐々に減圧させていく過程で、制御部10は、S140で容積脈波ΔVの測定を行う。この測定の詳細ステップを図6に示ししている。
容積脈波ΔVの測定では、下流側脈波抽出回路27は、下流側センサ25から検出されるカフ圧を常時監視し、脈波に相当する部分を抽出して、これをメモリ12に記憶するとともに、カフ圧が所定値P(i=1〜n)になるか、否かが判断される(S145)。
尚、S140の容積脈波測定の詳細である、S145〜S195までのフローは、カフ圧の減圧過程で、後述するS210でカフ圧がK測定下限値以下になったかどうかの判断が行なわれた結果、K測定下限値以下でない場合には、再び、同じフローが繰り返されるようになっている。そのため、所定値Pのiは、1から順次、加算更新されることになる。
本実施例で、所定値Pは、被験者の1脈波毎に1の値が決定されるものである。つまり、脈波に対応した数だけ所定値Pが存在する。制御部10は、例えば、カフ圧波形を常時、時間微分し、微分値(波形の傾き)が負から正に変化したポイントにおけるカフ圧P=P1と定め、メモリ12に記憶する。微分値が負から正に変化するということは、新たな脈波が発生したということであり、これによって脈波が認識される(S150)。
脈波が認識されると、下流側脈波抽出回路27は、先に決定された所定値P1からの圧力差で求められる振幅が、最大となる脈波ピーク点Pを認識し、その脈波ピーク点Pにおける脈波振幅値ΔP(P1)を脈波毎の振幅値としてメモリ12に記憶しておく(S155)。
次に、制御部10は、脈波ピーク点Pを認識してから所定時間Δtが経過するのを待ち(S160)、Δt経過後、電磁弁26oを閉弁する(S165)。これは、メインカフ42と下流側の第2サブカフ46とを完全に絶縁するためである。なお、Δtの値は、次の脈動が開始するまでの期間ならいつでもよい、本実施例では、Δt=200msとしている。また、脈波の振幅値が、脈波ピーク点Pにおける脈波振幅値ΔP(P)の50%になった時にΔtが設定されてもよい。
更にその直後、制御部10は、脈波発生駆動回路28に指令を出し、定量脈動発生装置50のコイル56eに所定時間通電して、既知容量であるΔV(0.15cc)だけ下流側の第2サブカフ46内の容積が増えるようする(S170)。なお、本実施例では、ΔV=0.15ccとしているが、脈波毎に異なっていてもよく、その場合には、コイル56eに与える電流値を制御すればよい。
これにより、第2サブカフ46のカフ圧は、ΔV分の容量増加に伴い上昇することになる。下流側脈波抽出回路27は、この時の脈波の圧力変動量ΔP(P1)を下流側センサ25から検出し、メモリ12に記憶させる(S175)。
なお、定量脈動発生装置50の駆動を、脈波のピークが過ぎてからΔt後としているのは、仮に脈波のピーク時等に駆動した場合に、ΔV分の容量増加に伴う脈波の圧力変動量ΔP(P1)が、ピーク波形に重畳して表れるため、変動分を正確に測定することが困難となるため、これを確実に防止するためである。
次いで、電磁弁60を開弁(S180)し、これによって、再び、メインカフ42と第2サブカフ46との静的圧力が同一にされる。図8は、S145〜S180の過程が繰り返し行なわれ、下流側センサ25で検出されたカフ圧波形を、カフ圧PがP1,P2,P3となった時の3脈波分記録したものを示しており、そのうちの1脈波(カフ圧PがP1の時の脈波)の拡大波形を図9に示している。
図9において、カフ圧PがP1となるポイントから脈波ピーク点Pを迎え、脈波ピーク点PからΔt経過したところに表れている略矩形状の波形が、所定の既知容量ΔVを第2サブカフ46に給気した時の、脈波の圧力変動量ΔP(P1)である。
本実施例では、略矩形状のカフ圧波形が表れるような電流をコイル56eに供給しているが、必ずしも、略矩形状の波形を発生させる必要はない。脈波の圧力変動量ΔP(P1)が下流側センサ25から検出された後、K算出手段10cは、ΔP(P1)とΔVの値に基づいて、カフの感度S(P1)を計算する(S185)。カフの感度S(P)とは、カフ圧がPの時のカフ内容積が既知容量分変化した時のカフ圧の変化量を表すものであり、S(P)=ΔP(P)/ΔVで求められる。
さらに、K算出手段10cは、脈波振幅値ΔP(P1)と、カフの感度S(P1)に基づいて、容積脈波ΔV(P1)を計算する(S190)。容積脈波ΔV(P)は、圧力単位である脈波振幅値ΔP(P)をカフの感度S(P)に基づいて、容積単位に換算したものであるから、ΔV(P)=ΔP(P)/S(P)で求められる。K算出手段10cで求められた容積脈波ΔV(P1)をメモリ30に記憶しておく(S195)。
一方、メイン側脈波抽出回路19は、S135で排気制御が開始された時から常時、メインカフ42側の脈波を抽出し、脈波毎の振幅値とともに、これをメモリ12に記憶蓄積しておく。そして、血圧算出手段10aは、カフ圧が予め定められた血圧判定可能圧値(例えば、低血圧の人の最低血圧値40mmHg)に達した時点(S200)で、メモリ12に蓄積された脈波の振幅値に基づき、最高血圧値SBP,最低血圧値DBP,平均血圧値MBPの判定を行い(S205)、得られたこれらの各値をメモリ12に記憶しておく。
本実施例では、S135〜S195の過程は、メインカフ42のカフ圧が予め定められたK測定下限値以下になるまで、脈波毎に繰り返し行なわれる(S210)。つまり、メインカフ42のカフ圧の減圧過程において、K測定下限値に達するまでに発生した脈波の数だけ、容積脈波ΔV(P)が算出されることになる。S210において、カフ圧がK測定下限値以下になっていない場合は、Pのiの値が1更新され、例えば、前回のS135〜S195のフローでP=P1の時の脈波について容積脈波ΔVが求められた場合には、次回はP=P2の時の脈波について容積脈波ΔVが求められる。
なお、本実施例では、脈波の数nだけ、容積脈波ΔV(P)が算出されるようにしているが、血管コンプライアンスKの測定精度をそれ程要求されない場合や、制御部10の処理能力、メモリ12の記憶容量に限界があるような場合には、例えば、2脈波毎というように飛ばして容積脈波ΔV(P)が算出されてもよい。また、Pを予め決定しておいて(例えば、P=5mmHg毎)、カフ圧が決定したPに到達した時に発生した脈波に対する容積脈波を算出するようにしてもよい。
カフ圧がこのフローにおけるK測定下限値以下になったら(S210)、容積脈波ΔV(P)の測定は終了し、制御部10は、排気弁16、電磁弁26nをそれぞれ開放する制御を行なう(S220)。K算出手段10cは、S140で脈波毎に求められた容積脈波ΔV(P)と、S205で求められた血圧値に基づいて、脈波毎の血管コンプライアンスK(P)を算出する(S220)。血管内圧の変化分は、SBP−DBPで求められるから、K(P)=ΔV(P)/(SBP−DBP)で求められる。求められたK(P)は、メモリ12に記憶される(S225)。
本実施例の場合には、通常の血圧計に定量脈動発生装置50と脈波発生駆動回路28を追加し、ユニット50で第2サブカフ46に微小容量の脈動を加えて、第2サブカフ46の圧力を常時計測するとともに、計測した圧力値から脈波を検出することで、血管コンプライアンスKの圧力特性を測定することが可能となる。
このような血管コンプライアンスKの測定方法では、カフの弾性感度Sを、その装着状態で、且つ、圧力が加えられた状態で、各カフ毎に測定することができるので、血管コンプライアンスKをより一層高精度で求めることができる。
なお、上記実施例では、カフ40として、メインカフ42と一対のサブカフ44,46を備えたものを用いる場合を例示したが、本発明の定量脈動発生装置50の適用は、これに限る必要はなく、サブカフが設けられていない、メインカフだけの通常のものであってもよい。
このようなカフを採用した場合には、図2に示したサブカフ46を除去して、同図に仮想線で示すように、定量脈動発生装置50の本体部52の給気口52fをメインカフ42に、連通接続すればよく、容量の大きなメインカフ42を用いる場合には、カフの感度Sの測定精度が若干低下するものの、実用上に支障を来たすことはない。また、サブカフ46を用いる場合でも、必ずしも一対サブカフを備えたものである必要はなく、1つのサブカフを有するものであっても何ら支障はない。
本発明の定量脈動発生装置によれば、高精度の血管コンプライアンスの測定が可能になるので、利便性が向上し、医学などの分野で有効に活用される。
本発明にかかる定量脈動発生装置の一実施例を示す断面説明図である。 本発明にかかる定量脈動発生装置を使用する際に、これを血管特性測定装置に接続したときのブロック図である。 図2に示した血管特性測定装置で用いるカフの断面図である。 図2に示したカフの平面図と側面図である。 血圧、血管コンプライアンスを測定する際のフロー図である。 容積脈波を測定するフロー図である。 血圧、血管コンプライアンスを測定するフロー図である。 第2サブカフのセンサで検出されたカフ圧波形を3脈波分記録したグラフである。 図8の要部拡大図である。
符号の説明
50 定量脈動発生装置
52 本体部
52f 給気口
52g 背面吸気口
54 ダイヤフラム
56 駆動部
56e コイル

Claims (4)

  1. 既知容量の圧力脈動を、被験者に捲回されたカフに加えたときに、当該カフで検出される脈波と前記既知容量値とに基づいて、前記カフの感度を求める際に用いる定量脈動発生装置であって、
    前記圧力脈動発生装置は、屈曲変形可能なダイヤフラムと、一端側が前記ダイヤフラムにより隔成された第1の閉塞空間と連通し、他端側が前記カフと連通接続される給気口とを備えた本体部と、
    前記本体部に内蔵され、前記ダイヤフラムを屈曲振動させる駆動部とを備え、
    前記駆動部に給電することにより、前記ダイヤフラムを屈曲変形させて、前記給気口を介して、前記カフ内に前記圧力脈動を供給することを特徴とする定量脈動発生装置。
  2. 前記カフは、前記被験者の動脈の阻血を行う大容量のメインカフと、前記動脈の流れ方向の上流側ないしは下流側に設けられる小容量のサブカフとを備え、
    前記サブカフのいずれか一方に前記定量脈動発生装置の前記圧力変動を加えることを特徴とする請求項1記載の定量脈動発生装置。
  3. 前記定量脈動発生装置の前記本体部は、一端側が前記ダイヤフラムにより隔成された第2の閉塞空間と連通し、他端側が前記メインカフと常時連通接続される背面吸気口を有し、前記メインカフと前記給気口とをエア抵抗が設けられた連通路で連通接続することを特徴とする請求項2記載の定量脈動発生装置。
  4. 前記駆動部の制御は、血圧や動脈硬化などの血管特性の測定制御部と兼用することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の定量脈動発生装置。
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