JP2877951B2 - 大動脈における血流速度および血流量を測定する装置 - Google Patents

大動脈における血流速度および血流量を測定する装置

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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、大動脈における血流速度および血流量を測
定する装置に関し、特に、縛帯を用いて上腕部における
脈波の通過を検出し、この検出結果に基づいて大動脈に
おける血流速度および血流量を求める装置に関する。
背景技術 循環器疾患の診断には、心電図計測、血圧測定、脈波
解析などを行うとともに、大動脈における血流速度の測
定および血流量の測定を行うことが有効てある。大動脈
における血流速度および血流量を測定する方法として従
来から行われている方法は、動脈にカテーテルを挿入す
る血管カテーテル測定法である。この方法では、カテー
テルの先端部に所定間隔をおいて、一対の圧力センサが
取り付けられる。そして、X線監視のもとに先端部が大
動脈に到達するまでカテーテルを挿入し、両圧力センサ
によって脈波を圧力変動として検出すれば、検出した脈
波の位相差に基づいて大動脈における血流速度を求める
ことができる。また、大動脈における血流量は、大動脈
の血流有効断面積に血流速度を乗じることによって求ま
る。別法として、カテーテル先端から試薬を注入し、こ
の試薬の肺循環時間を測定することにより、平均化した
1分間当たりの心拍出量を求める方法も行われている。
しかしながら、この観血的な血管カテーテル測定法
は、動脈にカテーテルを挿入するという大掛かりな方法
であり、患者の肉体的、精神的負担も大きなものにな
り、好ましくない。また、測定装置も高額のものとな
り、操作にも特殊技術が要求され、簡便な測定を行うこ
とができないという問題がある。更に、試薬を注入する
方法では、試薬注入により患者に負荷が加わるという問
題も生じる。
発明の開示 本発明の目的は、非観血的な簡便な方法により、大動
脈における血流速度および血流量を測定することのでき
る装置を提供することにある。
本願第1の発明は、大動脈における血流速度の測定装
置において、 上腕部を阻血するための阻血嚢と、この阻血嚢に向か
う脈波を検出するための前方検出嚢と、この阻血嚢を通
過した脈波を検出するための後方検出嚢と、の3つの嚢
を有する縛帯と、 阻血嚢および各検出嚢の基準内圧を、心収縮期圧SPに
維持する圧力制御手段と、 前方検出嚢に生じる圧力変動を、前方脈波として検出
する前方センサと、 前方脈波の検出時から所定の遅延時間SPdtだけ遅れ
て、後方検出嚢に生じる圧力変動を、後方脈波として検
出する後方センサと、 前方検出嚢と後方検出嚢との間の距離Lを、遅延時間
SPdtで除して商を求め、この商を大動脈における高圧期
の血流速度VHとして出力する演算手段と、 を設けるようにしたものである。
本願第2の発明は、上述の第1の発明による血流速度
測定装置において、 心収縮期圧SP、心拡張期圧DP、および大動脈弁閉鎖痕
圧DNP、を求める手段を更に設け、式R=(SP−DP)/
(DNP−DP)に基づいて係数Rを求め、高圧期の血流速
度VHを係数Rで除した商を求め、この商を大動脈におけ
る低圧期の血流速度VLとして出力するようにしたもので
ある。
本願第3の発明は、大動脈における血流速度の測定装
置において、 上腕部を阻血するための阻血嚢と、その阻血嚢に向か
う脈波を検出するための前方検出嚢と、この阻血嚢を通
過した脈波を検出するための後方検出嚢と、の3つの嚢
を有する縛帯と、 前方検出嚢に生じる圧力変動を、前方脈波として検出
する前方センサと、 前方脈波の検出時から所定の遅延時間dtだけ遅れて、
後方検出嚢に生じる圧力変動を、後方脈波として検出す
る後方センサと、 阻血嚢および各検出嚢の基準内圧を、阻血するのに十
分に高い血から徐々に減少させてゆき、後方センサが初
めて後方脈波を検出したら、基準内圧をその時点におけ
る所定値SPに維持する圧力制御手段と、 この圧力制御手段が基準内圧を所定値SPに維持してい
る間に、後方脈波の前方脈波に対する遅延時間SPdtを求
め、前方検出嚢と後方検出嚢との間の距離Lを、この遅
延時間SPdtで除して商を求め、この商を大動脈における
高圧期の血流速度VHとして出力する手段と、 を設けるようにしたものである。
本願第4の発明は、大動脈における血流速度の測定装
置において、 上腕部を阻血するための阻血嚢と、その阻血嚢に向か
う脈波を検出するための前方検出嚢と、この阻血嚢を通
過した脈波を検出するための後方検出嚢と、の3つの嚢
を有する縛帯と、 前方検出嚢に生じる圧力変動を、前方脈波として検出
する前方センサと、 前方脈波の検出時から所定の遅延時間dtだけ遅れて、
後方検出嚢に生じる圧力変動を、後方脈波として検出す
る後方センサと、 前方脈波を、遅延時間dtだけ遅らせて後方脈波の上に
重ね、両脈波の下部波形が所定の精度で一致しているか
否かを判定する一致判定手段と、 阻血嚢および各検出嚢の基準内圧を、阻血するのに十
分に高い値から徐々に減少させてゆき、後方センサが初
めて後方脈波を検出したら、基準内圧をその時点での値
SPに第1の期間だけ維持し、この第1の期間終了後に基
準内圧を徐々に減少させてゆき、一致判定手段が一致を
示したら、基準内圧をその時点での値DPに第2の期間だ
け維持する機能を有する圧力制御手段と、 第1の期間において、後方脈波の前方脈波に対する遅
延時間SPdtを求め、前方検出嚢と後方検出嚢との間の距
離Lを、この遅延時間SPdtで除して商を求め、この商を
大動脈における高圧期の血流速度VHとして出力する手段
と、 第2の期間において、後方センサから得られる後方脈
波を心臓近傍の近似大動脈波と認識し、この近似大動脈
波に基づいて、心収縮期圧SP、心拡張期圧DP、および大
動脈弁閉鎖痕圧DNP、を求め、式R=(SP−DP)/(DNP
−DP)に基づいて係数Rを求め、高圧期の血流速度VHを
係数Rで除した商を求め、この商を大動脈における低圧
期の血流速度VLとして出力する手段と、 を設けたものである。
本願第5の発明は、大動脈における血流量の測定装置
において、 上腕部を阻血するための阻血嚢と、その阻血嚢に向か
う脈波を検出するための前方検出嚢と、この阻血嚢を通
過した脈波を検出するための後方検出嚢と、の3つの嚢
を有する縛帯と、 阻血嚢および各検出嚢の基準内圧を、心収縮期圧SPお
よび心拡張期圧DPに維持する機能をもった圧力制御手段
と、 前方検出嚢に生じる圧力変動を、前方脈波として検出
する前方センサと、 前方脈波の検出時から所定の遅延時間dtだけ遅れて、
後方検出嚢に生じる圧力変動を、後方脈波として検出す
る後方センサと、 基準内圧が心収縮期圧SPに維持されたときに、後方脈
波が前方脈波に対して生じる遅延時間SPdtを求め、前方
検出嚢と後方検出嚢との間の距離Lを、遅延時間SPdtで
除し、その商として大動脈における高圧期の血流速度VH
を求める手段と、 基準内圧が心拡張期圧DPに維持されたときに得られる
後方脈波を、近似大動脈波として認識し、この近似大動
脈波の大動脈弁閉鎖痕以前の波形に基づいて、大動脈に
おける高圧期の血流有効断面積SHを求め、高圧期の血流
速度VHと、高圧期の血流有効断面積SHとを乗ずることに
より、高圧期の血流量を求める手段と、 を設けたものである。
本願第6の発明は、上述の第5の発明による装置にお
いて、 認識した近似大動脈波に基づいて、心収縮期圧SP、心
拡張期圧DP、および大動脈弁閉鎖痕圧DNP、を求め、式
R=(SP−DP)/(DNP−DP)に基づいて係数Rを求
め、高圧期の血流速度VHを係数Rで除すことにより、大
動脈における低圧期の血流速度VLを求め、近似大動脈波
の大動脈弁閉鎖痕以後の波形に基づいて、大動脈におけ
る低圧期の血流有効断面積のSLを求め、低圧期の血流速
度VLと、低圧期の血流有効断面積SLとを乗ずることによ
り、低圧期の血流量を求める手段を更に設けたものであ
る。
本願第7の発明は、大動脈における血流量の測定装置
において、 上腕部を阻血するための阻血嚢と、その阻血嚢に向か
う脈波を検出するための前方検出嚢と、この阻血嚢を通
過した脈波を検出するための後方検出嚢と、の3つの嚢
を有する縛帯と、 前方検出嚢に生じる圧力変動を、前方脈波として検出
する前方センサと、 前方脈波の検出時から所定の遅延時間dtだけ遅れて、
後方検出嚢に生じる圧力変動を、後方脈波として検出す
る後方センサと、 前方脈波を、遅延時間dtだけ遅らせて後方脈波の上に
重ね、両脈波の下部波形が所定の精度で一致しているか
否かを判定する一致判定手段と、 阻血嚢および各検出嚢の基準内圧を、阻血するのに十
分に高い値から徐々に減少させてゆき、後方センサが初
めて後方脈波を検出したら、基準内圧をその時点での値
SPに第1の期間だけ維持し、この第1の期間終了後に基
準内圧を徐々に減少させてゆき、一致判定手段が一致を
示したら、基準内圧をその時点での値DPに第2の期間だ
け維持する機能を有する圧力制御手段と、 第1の期間において、後方脈波の前方脈波に対する遅
延時間SPdtを求め、前方検出嚢と後方検出嚢との間の距
離Lを、この求めた遅延時間SPdtで除して商を求め、こ
の商を大動脈における高圧期の血流速度VHとして出力す
る手段と、 第2の期間において、後方センサから得られる後方脈
波を心臓近傍の近似大動脈波と認識し、この近似大動脈
波に基づいて、心収縮期圧SP、心拡張期圧DP、および大
動脈弁閉鎖痕圧DNP、を求め、式R=(SP−DP)/(DNP
−DP)に基づいて係数Rを求め、高圧期の血流速度VHを
係数Rで除した商を求め、この商を大動脈における低圧
期の血流速度VLとして出力する手段と、 近似大動脈波の大動脈弁閉鎖痕以前の波形に基づい
て、大動脈における高圧期の血流有効断面積SHを求め、
高圧期の血流速度VHと、高圧期の血流有効断面積SHとを
乗ずることにより、高圧期の血流量を求める手段と、 近似大動脈波の大動脈弁閉鎖痕以後の波形に基づい
て、大動脈における低圧期の血流有効断面積SLを求め、
低圧期の血流速度VLと、低圧期の血流有効断面積SLとを
乗ずることにより、低圧期の血流量を求める手段と、 を設けたものである。
図面の簡単な説明 第1図は一般的な大動脈波の波形を示すグラフ、第2
図は血液の循環経路とこの経路各部における脈波の波形
を示す図、第3図は本発明に係る血流速度および血流量
の測定装置の構成を示すブロック図、第4図は第3図に
示す装置の縛帯を上腕部に装着した状態を示す図、第5
図は第3図に示す装置の縛帯が動脈を圧迫している状態
を示す図、第6図は第3図に示す装置の基本動作を説明
するグラフ、第7図は第3図に示す装置によるセンサの
検出波形を示す図、第8a図〜第8e図は縛帯圧と脈波の通
過状態との関係を示す断面図、第9図は縛帯圧と検出さ
れる脈波との関係を示す波形図、第10図は後方脈波が前
方脈波に対して生じる遅延時間を示す図、第11図は縛帯
圧が心収縮期圧に等しいときの脈波の通過状態を示す
図、第12図および第13図は血流量の演算に用いる血流有
効断面積を脈波の波形から求める原理を説明する図、第
14図は前方脈波と後方脈波との比較を示す図、第15図は
第14図の部分拡大図、第16図は第3図に示す装置による
実際の測定動作を説明するグラフ、第17図は実際の測定
動作で検出される脈波を示す図、第18a図、第18b図、第
19a図、および第19b図は、第17図の部分拡大図である。
発明を実施するための最良の形態 1 測定対象 本発明の装置は、大動脈における血流速度および血流
量を測定する装置であり、その最大の特徴は、非観血的
な方法で脈波を検出し、この検出情報に基づいて血流速
度および血流量を求める点にある。そこでまず、脈波に
ついて簡単に説明しておく。第1図に、大動脈において
観測される脈波(大動脈波)の一般的な波形を示す。こ
の図のように、脈波はいずれも横軸を時間軸、縦軸を圧
力軸にとって示される。この大動脈波は、心臓近傍にお
ける血圧変動を示す波形であり、心臓の左心室筋の動き
をそのまま表現しており、循環器系疾患を診断するため
の極めて重要な情報となる。すなわち、第1図の時刻t1
からt2にかけて、心臓は収縮運動を行い、大動脈の圧力
は心拡張期圧DPから心収縮期圧SPにまで上昇する。続い
て、時刻t2において心臓は拡張運動に転じる。このた
め、時刻t2からt3にかけて大動脈の圧力は下降するが、
時刻t3において大動脈弁が閉鎖するため、時刻t4におい
てピークとなる峰が現れる。このため、時刻t3において
大動脈弁閉鎖痕と呼ばれる谷が発生し、時刻t3における
圧力は大動脈弁閉鎖痕圧DNPと呼ばれる。時刻t4以後は
圧力はゆっくりと下降し、時刻t5において心拡張期圧DP
に戻る。以上の時刻t1〜t5に至るまでの過程が心臓の1
鼓動ごとに周期的に繰り返される。本明細書では、大動
脈弁が開いている時刻t1〜t3までの期間を高圧期T1、大
動脈弁が閉じている時刻t3〜t5までの期間を低圧期T2と
呼ぶことにする。
第2図に血液の循環経路のモデルを示す。肺10におい
て酸素を取り込んだ血液は、左心房11から左心室12へと
入り、大動脈弁13を経て動脈14へと送り出されてゆく。
この血液は更に抹消血管15を通り、細胞に酸素を供給す
るとともに二酸化炭素を取り込み、静脈16を通り、左心
房17および山尖弁18を経て、右心室19から肺10へと戻
り、二酸化炭素を排出して酸素を取り込む。これが血液
の循環経路である。ここで、動脈14内における圧力変動
が脈波であるが、この脈波は検出位置によって異なった
ものとなる。第2図上方に示す脈波WA〜WFは、それぞれ
心臓から0cm〜50cmの動脈に沿った位置で検出される脈
波である。脈波WAは大動脈14aにおける脈波であり、第
1図に示す大動脈波に相当する。これに対して、動脈の
各部位14b〜14eでは、それぞれ検出される脈波はWB〜WE
のように変化し、抹消に近い部位14fにおいては脈波WF
のように、高周波成分が増加した波形となる。したがっ
て、そのピーク圧力値も、心収縮期圧SPより更に高い抹
消部心収縮期圧PSPとなる。
本発明の装置による測定の対象となる血流速度および
血流量は、大動脈14aにおける血液の流速および流量で
ある。従来の装置では、前述のように、大動脈14aまで
カテーテルを挿入してこれらの測定対象の計測を行って
いた。本発明の装置の特徴は、動脈の抹消に近い部位14
f(たとえば、上腕部)に縛帯を装着し、この縛帯圧を
所定値に維持したときに検出される脈波に関する情報か
ら、大動脈14aにおける血液の流速および流量を求める
ことができる点にある。
2 装置の基本構成 第3図は、本発明の一実施例に係る血流速度および血
流量測定装置の基本構成を示すブロック図である。この
装置は、大きく分けて、装置本体100(一点鎖線で囲ん
で示す)と縛帯200との2つの構成部分よりなる。縛帯2
00は、上腕部を阻血するための阻血嚢220(一点鎖線で
示す)と、この阻血嚢に向かう脈波を検出するための前
方検出嚢210(破線で示す)と、阻血嚢220を通過した脈
波を検出するための後方検出嚢230(二点鎖線で示す)
とを有する。阻血嚢220は阻血に必要なだけの十分な大
きさをもち、本実施例の場合、縛帯の総幅L0=14cmに対
して図の長さL2=10cm程度である。また、前方検出嚢21
0および後方検出嚢230は阻血嚢220に比べて十分小さく
し、本実施例の場合、図の長さL1=1.5cm、L3=2.0cm程
度である。また、前方検出嚢210と後方検出嚢230との中
心間距離L=12cm程度であり、この距離Lは後に血流速
度を求めるために必要な定数となる。各検出嚢210,230
が大きすぎると、空気容量が大きくなるため、これに衝
突した脈波を十分に検出することができなくなる。阻血
嚢220と後方検出嚢230とは、途中の接続路225において
互いに接続されており、前方検出嚢210から外部には空
気を通すための導管240が伸びており、後方検出嚢230か
ら外部には同様に導管250が伸びている。この縛帯200
は、第4図に示すような向きに、上腕部に着用して用い
ることになる。このように着用した状態で、各嚢に空気
を入れて圧力をかけると、第5図に示す断面図のよう
に、動脈300は各嚢によって圧迫される(第5図では説
明の便宜上各嚢の間隔を離して示してあるが、実際の縛
帯ではこの間隔は非常に小さい)。圧力を十分高くして
やると、阻血嚢220によって動脈300は完全に阻血され
る。この場合、図の左方から伝播してくる脈波は、まず
前方検出嚢210に衝突し、その高周波成分はこの前方検
出嚢210を通過して阻血嚢220に衝突する。しかし、阻血
嚢220は容量と抵抗が大きいために、前方脈波の高周波
成分はこの阻血嚢220に阻まれて後方検出嚢230にまでは
伝わらない。圧力を減少させて脈波が阻血嚢220を通過
できるようになると、この通過した脈波は後方検出嚢23
0に衝突する。結局、前方検出嚢210は常に脈波の検出を
行っているが、後方検出嚢230は脈波が阻血嚢220を通過
したときにのみ検出を行うことになる。
一方、第3図に示すように、装置本体100は次のよう
な構成になっている。まず、導管240が接続されている
管路102には前方センサ110が、導管250が接続されてい
る管路101には後方センサ120が設けられている。前方セ
ンサ110は前方検出嚢210の圧力を測定し、後方センサ12
0は後方検出嚢230の圧力を測定する。いずれも脈波の周
波数帯域を十分に検出できるように設計されている。前
方センサ110が検出したアナログ信号は、増幅器111で増
幅され、A/D変換器112によってデジタル信号に変換さ
れ、CPU130に与えられる。同様に、後方センサ120が検
出したアナログ信号は、増幅器121で増幅され、A/D変換
器122によってデジタル信号に変換され、CPU130に与え
られる。管路102には、エアポンプ140およびリークバル
ブ150が接続されている。このエアポンプ140およびリー
クバルブ150は、CPU130によって制御される。管路101と
管路102とは連結されており、また、阻血嚢220と後方検
出嚢230とは接続路225で連結されている。したがって、
阻血嚢220と各検出嚢210,230は、本来、すべて同じ圧力
に保たれることになる。ただし、阻血嚢220は容量と抵
抗が大きいため、周波数の高い圧力変動は前方検出嚢21
0および後方検出嚢230においてのみ現れる。このため、
前方センサ110および後方センサ120は、それぞれ導管24
0および導管250の近傍に接続するのが好ましい。なお、
CPU130には、データを記憶するためのメモリ160、デー
タを表示するための表示装置170、およびデータを出力
するためのプリンタ180が接続されている。
3 装置の基本動作 第6図は、この装置の基本動作を説明するグラフであ
る。前述のように、この装置はエアポンプ140とリーク
バルブ150とを有し、阻血嚢220および各検出嚢210、230
の圧力を制御することができる。すなわち、圧力を増加
させる場合には、エアポンプ140を動作させて嚢内に空
気を送り込み、圧力を減少させる場合には、リークバル
ブ150を開けて嚢内の空気をリークさせることができ
る。
測定に当たっては、被測定者の上腕部に第4図に示す
ように縛帯200を着用させ、測定開始スイッチ(図示せ
ず)を押す。第6図のグラフは、測定開始後の嚢内圧力
の変化を示すものである。すなわち、測定開始後、CPU1
30がエアポンプ140を起動し嚢内に空気を送り込んで圧
力を徐々に増加させる(グラフの点A〜)。阻血嚢220
は次第に動脈を圧迫し、やがて完全に阻血する圧力にま
で達する(点B)。このときの縛帯200(阻血嚢220と両
検出嚢210,230)と動脈300との関係を表す断面図を第8a
図に示す。図の左側が心臓、右側が末梢であり、脈波は
左から右に伝わるはずである。前述のように、この脈波
の高周波成分は前方検出嚢210を通過することができる
が、阻血嚢220の圧力が高いため、この脈波のいずれの
周波数成分も阻血嚢220を通過することはできない。し
たがって、この時点では、前方センサ110は阻血嚢220に
向かう脈波を検出するが、後方センサ120は何の脈波も
検出できない。この圧力値をしばらく維持して(点B〜
C)、嚢内の空気のもれの有無を確認する。続いて、CP
U130は、リークバルブ150を少しずつ開けて圧力をゆっ
くりと減少させてゆく(点C〜)。すると、点Dにおい
てコロトコフ音が発生する。グラフ内の波形Kは、点D
から徐々に圧力を減少させていったとき、各圧力値に対
応して得られる1心拍ごとのコロトコフ音の振幅を示す
ものである(この実施例の装置には、コロトコフ音を検
出するための音波センサは設けられていない)。このよ
うに点Dを過ぎるとコロトコフ音が発生するのは、第8b
図に示すように、脈波の一部が阻血嚢220の圧力に抗し
て阻血嚢220を通過し始めるためである。この点Dに対
応する圧力が心収縮期圧SPに相当することが知られてい
る。点Dから更に圧力を減少させてゆくと、第8c図に示
すように脈波は更に通過しやすくなり、点Eにおいてコ
ロトコフ音が最大になる。以後、コロトコフ音は次第に
減少し、点Fに達すると音は非常に小さくなり、ほぼ一
定の振幅が続く。この点Fに対応する圧力が心拡張期圧
DPに相当することが知られており、第8d図の状態に対応
する。更に圧力を減少させてゆくと、点Gにおいてコロ
トコフ音は消失し、最後に点Hに到達する。このとき、
縛帯200は、第8e図に示すように動脈300からは浮いた状
態になる。
4 脈波の検出 さて、ここで脈波の検出方法について説明しよう。脈
波は動脈300内の圧力変動であるから、圧力の値として
測定される。第8a〜8e図に示すように、心臓から伝播し
てきた脈波は、まず前方検出嚢210に衝突する。したが
って、前方センサ110には、この脈波衝突による圧力変
動が検出される。更に、後方センサ230には、阻血嚢220
を通過した脈波が後方検出嚢230に衝突することによる
圧力変動が検出される。通過する脈波の大きさは、阻血
嚢220の圧力に依存する。
ここで、前方センサ110または後方センサ120の検出す
る圧力値そのものに着目すると、2つの要素が重畳され
ていることがわかるであろう。すなわち、1つは阻血嚢
220の圧力であり、もう1つは前方検出嚢210または後方
検出嚢230に生じる脈波による圧力変動である(阻血嚢2
20自身は容量を大きくし、脈波の衝突による圧力変動を
無視しうるように構成しておく)。ここでは、前者を基
準内圧、後者を脈波圧と呼ぶことにする。第3図に示す
ように、すべての嚢は管路を介して互いに連結されてい
るので、脈波が衝突しない場合は、すべての嚢内圧力は
基準内圧となっている。第6図に示したグラフは、この
基準内圧を示したものであり、センサによって検出され
る圧力は、実際にはこの基準内圧に脈波圧を重畳したも
のになる。たとえば、この装置を第6図に示すグラフに
従って動作させた場合、グラフの点C〜点Dに至る区間
において、基準内圧は時間とともに減少してゆくが、前
方センサ110が検出する圧力値は第7図のグラフに示す
ように、基準内圧(一点鎖線で示す)に脈波圧(破線で
示す)を重畳したものになる。したがって、脈波の波形
は、センサの検出値から基準内圧値を差し引くことによ
って得られる。
第9図は、第6図に示すグラフの点D〜点Hの区間に
おいて検出される種々の脈波の波形を示す図である。図
の破線で示す波形が前方センサ110で検出される脈波
(以後、前方脈波と呼ぶ)を示し、実線で示す波形が後
方センサ120で検出される脈波(以後、後方脈波と呼
ぶ)を示す。また、各脈波の上の符号は、各脈波が第6
図のグラフの各点において検出された脈波であることを
示す。符号のついていない脈波は、これらの中間点にお
いて検出された脈波である。実線で示す後方脈波に着目
すると、点Dから徐々に圧力を減少させてゆくと、検出
される後方脈波の振幅は補助線S1に沿って次第に大きく
なってくる。そして、点Fに到達したときに脈波の振幅
は最大となり、以下脈波の振幅は減少してゆく。一方、
破線で示す前方脈波に着目すると、点Dから徐々に圧力
を減少させてゆくと、検出される前方脈波の振幅は補助
線S2に沿って次第に減少してゆく。これは阻血嚢220の
阻血が解除され(第8b図)、末梢へ通過する脈波310が
次第に増加してくるからである。そして、点Fを過ぎる
と脈波の振幅は更に減少してゆく。これは前方検出嚢21
0が第8e図に示すように動脈300から浮いた状態になって
ゆくからである。
5 血流速度の測定原理I 次に、本発明の装置による血流速度の測定原理を説明
する。この測定原理は、本願発明者によってなされた新
たな発見に基づくものである。すなわち、本願発明者
は、上腕部に装着した縛帯の圧力(各嚢の基準内圧)を
心収縮期圧SPに維持したときに、縛帯の圧迫下を通過す
る脈波の速度が、大動脈における高圧期T1(第1図参
照)の血流速度VHに近似するという事実を発見したので
ある。すなわち、第2図に示す循環経路図において、動
脈の抹消部位14fに縛帯を装着し、この縛帯を心収縮期
圧SPに維持して動脈を阻血したとき、縛帯の圧迫下を通
過する脈波の速度が、大動脈14aにおける高圧期の血流
速度VHに近似するのである。この理由についての解析は
現在のところなされていないが、大動脈14aにカテーテ
ルを挿入して高圧期の血流速度を実測した結果と、上述
の測定原理に基づいて本発明によって測定した結果と
は、実験的にかなりの精度で一致する。
この新規な測定原理に基づいて、大動脈における高圧
期の血流速度の測定を行うためには、この実施例の装置
に次のような動作を行わせればよい。すなわち、装置の
縛帯200を被測定者の上腕部に装着させ、各嚢の基準内
圧を第6図のグラフに沿って点A,B,C,Dと変化させる。
そして点Dに到達したら、このときの圧力(心収縮期圧
SP)をしばらく維持させる。点Dに到達したことは、後
方センサ120が初めて後方脈波を検出することによって
認識できる。この点Dに到達したときに、前方センサ11
0の検出する前方脈波と、後方センサ120の検出する後方
脈波と、の検出時間差を求める。基準内圧が心収縮期圧
SPのとき(第6図のグラフの点Dに相当)、検出される
前方脈波および後方脈波は、前述のように、それぞれ第
9図の記号Dの位置に示した破線の脈波および実線の脈
波となる。第10図にこの両脈波の拡大図を示す。実線で
示す後方脈波Wbの立ち上がり位置は、破線で示す前方脈
波Wfの立ち上がり位置に対して、遅延時間SPdtだけ遅れ
を生じている。この遅延時間SPdtが生じる理由は、第11
図に明瞭に説明されている。第11図の図下方には、動脈
300を、基準内圧が心収縮期圧SPに維持された各嚢210,2
20,230によって阻血した状態の断面図が示されている。
ここで、図の左方から右方へと脈波が伝播してくると、
この脈波はまず前方検出嚢210に衝突する。そして、そ
の一部が阻血嚢220の圧迫下を通過して後方検出嚢230に
衝突する。図上方には、このとき検出される脈波を示し
てある。破線で示す各嚢の位置は、基準内圧(心収縮期
圧SP)に維持されたときの嚢の位置を示し、一点鎖線で
示す各嚢の位置は、通過する脈波によって押し上げられ
たとき(検出される圧力はSP′となる)の嚢の位置を示
す。このようにして、前方脈波Wfは前方検出嚢210で検
出され、後方脈波Wbは後方検出嚢230で検出される。な
お、第11図は、脈波が図の左方から右方へと伝播しつつ
ある状態を示しているため、脈波の形状は第10図に示し
たものと左右が逆になっている(第10図の横軸は時間を
示しているのに対し、第11図の横軸は空間的隔りを示し
ている)。この図からも明らかなように、後方脈波Wb
は、距離Lを通過したのち、後方検出嚢230によって検
出される。したがって、通過に必要な遅延時間SPdtだ
け、前方脈波Wfより遅れて検出されるのである。ここで
距離Lは、前方検出嚢210と後方検出嚢230との中心間距
離として与えられる定数であるから、このときの後方脈
波Wbの伝播速度Vspは、 Vsp=L/SPdt (1) として求めることができる。本願発明者は、前述のよう
に、この伝播速度Vspが、大動脈における高圧期の血流
速度VHに近似することを発見したのである。こうして、
本装置により、大動脈における高圧期の血流速度の近似
値を求めることができる。
なお、本願発明者は、縛帯の圧力(各嚢の基準内圧)
を心拡張期圧DPに維持した場合、縛帯の圧迫下を通過す
る脈波の伝播速度Vdpは、縛帯装着部における脈波伝播
速度に等しくなるという事実も確認している。したがっ
て、基準内圧を心拡張期圧DPに維持して前述と同様の測
定を行えば、脈波伝播速度の測定を行うこともできる。
6 血流速度の測定原理II 大動脈における高圧期T1の血流速度VHを測定する原理
は前述のとおりである。ここでは、低圧期T2の血流速度
VLを測定する原理を説明する。本願発明者は、高圧期の
血流速度VHに基づいて、低圧期の血流速度VLを簡単に求
める方法を発見した。この簡単な方法によれば、換算係
数Rを用いて次のような演算を行うことにより血流速度
VLが求まる。
VL=VH/R (2) ただし、 R=(SP−DP)/(DNP−DP) (3) である。ここで、SP,DP,DNPは、それぞれ心収縮期圧,
心拡張期圧,大動脈弁閉鎖痕圧である。このような簡単
な方法が適用できる理由についての詳しい解析はなされ
ていないが、本願発明者は次のように考えている。第1
図に示す大動脈波の波形を考慮すると、高圧期T1には心
臓の収縮運動によって生じる圧力差(SP−DP)に起因し
て心臓から血液が送り出される。一方、低圧期T2には、
大動脈弁が閉じてしまっているため、大動脈腔内のウイ
ンドケッセル(Windkessel)作用によって血液の流れが
生じ、これは圧力差(DNP−DP)に起因するものと考え
られる。したがって、式(3)のように換算係数Rを定
義すると、高圧期T1は低圧期T2に比べてR倍の圧力によ
って血液が送り出されることになる。血流速度は血液を
押し出す圧力に比例して速くなると考えられるので、高
圧期T1における血流速度VHは、低圧期T2における血流速
度VLのR倍になると考えるのが自然である。かくして、
式(2)のようにして低圧期の血流速度VLを求めること
ができ、このような換算によって求めた血流速度VLは、
大動脈にカテーテルを挿入して実測した結果と、実験的
にかなりの精度で一致する。
ところで、上述の方法によって低圧期T2の血流速度VL
を求めるには、圧力値DP,SP,DNPを知る必要がある。本
装置は、第1図に示すような大動脈波を近似的に検出す
る機能を有しており、これらの各圧力値は、この近似大
動脈波から得ることができる。なお、近似大動脈波を検
出する機能については、後に詳述することにする。
7 血流量の測定原理 続いて、本発明の装置による血流量の測定原理を説明
する。この測定原理も、また本願発明者によってなされ
た新たな発見に基づくものである。一般に、管を流れる
流体の流量Qは、この流体の速度Vと管の有効断面積S
との積として、 Q=S・V (4) なる式で得られる。したがって、1鼓動あたりの心拍出
量Qは、次式で与えられる。
Q=SH・VH±SL・VL (5) ここで、SHおよびSLは、それぞれ高圧期T1および低圧期
T2における血流有効断面積であり、VHおよびVLは、それ
ぞれ高圧期T1および低圧期T2における血流速度である。
各血流速度VHおよびVLは前述のようにして求めることが
できるから、各血流有効断面積SHおよびSLを知ることが
できれば心拍出量Qを式(5)によって演算することが
できる。
そこで、大動脈における血流有効断面積について考え
てみる。血液の流れの特徴は、それが周期的な脈波によ
ってもたらされたものである点である。いま、大動脈の
断面が完全な円であると仮定すると、この円の断面積は
大動脈波に基づいて時間とともに変動する。この様子を
第12図を用いて説明する。図の左側には大動脈の血管断
面を示し、右側には大動脈波WAを示してある。時刻t1に
おいては、心臓はまだ拡張した状態であり、大動脈の管
壁の圧力は心拡張期圧DPとなっている。このときの大動
脈の血管断面が、図の左側に示すように、半径rDPの円
であったとする。やがて、心臓は収縮運動を行い、時刻
t2において、大動脈の管壁の圧力は心収縮期圧SPにまで
上昇する。これにより大動脈は膨脹し、血管断面が半径
rSPの円になったものとする。更に時間が経過すると、
圧力の低下とともに大動脈は収縮し、時刻t5では、大動
脈の血管断面は再び半径rDPの円に戻る。すなわち、大
動脈の血管断面は、心臓の1鼓動ごとに、半径rDPの円
から半径rSPの円に膨脹し、再び半径rDPの円に戻るとい
う経過をたどることになる。
第12図の左側に示す大動脈の血管断面図において、斜
線によるハッチングを施した部分が脈波によって膨脹し
た領域である。そして、この領域のみが血液の流れに寄
与する血流有効断面となっていると考えることができ
る。なぜなら、血液の流れは脈波にのみ起因して生じる
からである。脈波が存在しなければ、大動脈の断面は図
のドットによるハッチングを施した部分(半径rDPの円
内)となり、血液はこの部分に停滞したままとなる。し
たがって、血流有効断面積は、図の斜線によるハッチン
グを施した部分の面積であり、これは大動脈波WAに対応
して時間的に変化することになる。そこで、高圧期T1お
よび低圧期T2における血流有効断面積SHおよびSLを、次
のようにして求めることにする。まず、第13図に示すよ
うに、大動脈波WAを高圧期T1と低圧期T2とに分割して2
つの部分を考え、各部分における積分値S1およびS2(斜
線のハッチングを施した部分の面積に相当する)を求め
る。そして、 rT1=S1/T1 (6) rT2=S2/T2 (7) なる演算によって有効半径rT1およびrT2を求める。する
と、高圧期T1の血流有効断面は、半径をrT1とする円C1
であり、低圧期T2の血流有効断面は、半径をrT2とする
円C2であると考えることができる。すなわち、実際には
血流有効断面積は時間とともに絶えず変動するものであ
るが、高圧期T1における平均的な血流有効断面積SH、低
圧期T2における平均的な血流有効断面積SLを次のように
定義することができる。
SH=π・rT12 (8) SL=π・rT22 (9) こうして、血流有効断面積SH,SLを求めることができ
れば、式(5)により1鼓動当たりの心拍出量Qを求め
ることができる。また、このQに1分あたりの心拍数を
乗じれば、1分あたりの心拍出量Qmを得ることができ
る。
なお、第13図における大動脈波WAの縦軸値は、実際に
は圧力の単位(mmHg)で与えられているため、血流有効
断面を定める半径値rT1およびrT2もそのままでは圧力を
単位とするものとなる。したがって、実際の演算では、
圧力の単位(mmHg)をもった値を、長さの単位(mm)を
もった値に換算する必要がある。この換算に用いる係数
は、あらかじめ実験的に求めておけばよい。すなわち、
同一の被測定者について、公知の方法により血流有効断
面積と大動脈波とを測定しておけば、両者の関係から換
算係数を決定することができる。
8 近似大動脈波の検出原理 以上、大動脈における血流速度および血流量を測定す
る新規な方法を述べたが、この新規な方法では、大動脈
波の検出結果を利用する必要がある。従来、大動脈波
は、大動脈にカテーテルを挿入する観血的な方法によっ
て検出されていたが、本発明による装置では、非観血的
に大動脈波に近似した波形を得ることができる。この近
似大動脈波を検出する装置については、別出願(日本国
特許庁を受理官庁として1990年5月17日に、本願出願人
を同一人によってなされた特許協力条約に基づく国際出
願「血液の循環情報を検出しこれを表示する装置」)が
なされており、その内容について該別出願明細書に詳述
されているため、本明細書では基本的な原理を簡単に説
明するだけにする。
第2図に示したように、上腕部における脈波(たとえ
ば脈波WF)は大動脈波WAとは異なった脈波である。とこ
ろが、阻血嚢220を心拡張期圧DPに維持したときに、後
方検出嚢230が検出する脈波は、上腕部で検出している
にもかかわらず大動脈波と近似であることを、本願発明
者は見出だしたのである。この理由についての厳密な理
論解析を行うことは困難であるが、阻血嚢220がローパ
スフィルタの機能を果たすために、脈波の高周波成分が
カットされたためと本願発明者は考えている。第2図に
示すように、脈波は末梢にいくほど血管抵抗の増加によ
り高周波成分が増加してゆく。ところが、上腕部の脈波
(脈波WF)が阻血嚢220を通過すると、この高周波成分
がカットされ、もとの大動脈波WAと近似な波が濾波され
て出てくると考えることができる。したがって、阻血嚢
220の幅(第3図のL2)は、このローパスフィルタの機
能を果たすだけの十分な幅が必要であるが、一般的な標
準体型では、9cm以上あればこの機能を果たせることが
実験的に確認できた。阻血嚢220の圧力が心拡張期圧DP
に等しいときに大動脈波と近似な波が得られるのである
から、第6図のグラフで、基準内圧が心拡張期圧DPに達
した点Fで圧力を一定に維持し、この間に後方脈波を検
出すれば、この後方脈波を大動脈波と同等に扱うことが
できるのである。すなわち、第9図において、符号Fの
位置に実線で示された後方脈波が近似大動脈波になる。
ところで、第6図のグラフに従って本装置を動作させ
た場合、グラフ上の点Fに到達したか否かの判定、すな
わち圧力値が心拡張期圧DPまで減少したか否かの判定
は、一体どのようにして行ったらよいであろうか。本装
置では、非常にユニークな方法によりこの判定を行って
いる。この判定方法を説明するために、再び第9図を参
照する。この第9図は、阻血嚢220の圧力値を変えたと
きに得られる前方脈波(破線)および後方脈波(実線)
を示す図である。この第9図は、縛帯の基準内圧が点F
に到達したか否かの判定、すなわち圧力値が心拡張期圧
DPまで減少したか否かの判定を行うための有効な方法を
示唆している。すなわち、点Fにおいて検出した前方脈
波(破線)と後方脈波(実線)は、下部がぴったりと一
致しているのである。逆に言えば、両脈波の下部が一致
したとすれば、その時点の縛帯の基準内圧は心拡張期圧
DPであるということが言える。
実際には、両脈波を比較するためには、後方脈波の遅
延時間を考慮する必要がある。すなわち、前述したよう
に、前方脈波と後方脈波とは同時には検出されない。し
たがって、第14図に示すように、実際には同一の時間軸
上で前方脈波Wf1〜Wf5と後方脈波Wb1〜Wb5とをそれぞれ
比較すると、両者間に遅延時間だけのずれが生じる。そ
こで、両脈波の立ち上がり部位が一致するように前方脈
波を遅延させて重畳し、両脈波の下部を比較する必要が
ある。第15図は、第14図における前方脈波Wf3と後方脈
波Wb3との比較作業を詳細に説明した図である。後方脈
波Wb3は前方脈波Wf3に対して遅延時間DPdtだけ遅れてい
るが、両脈波の立ち上がり部位を一致させるように前方
脈波Wf3をWf3′にまで移動させ、脈波Wf3′とWb3との下
部を比較している。この実施例では、下部として、大動
脈弁閉鎖痕圧DNPより下の波形のみの比較を行ってい
る。第15図の例では、DNP以下の波形は完全に一致して
いるが、現実にはこのような完全一致は期待できないた
め、所定誤差(たとえば±3%)以下の精度で一致した
場合に「一致」と判定するようにするのが好ましい。こ
うして一致と判定された時点の後方脈波(この例では脈
波Wb3)が求める近似大動脈波である。
9 実際の測定動作 これまでの説明で、本発明に係る装置による血流速度
の測定原理、血流量の測定原理、そして近似大動脈波の
検出原理、について個々に述べた。ここでは、第3図に
示す装置の実際の測定動作を説明する。まず、第6図の
グラフを参照しながら、この装置の基本動作の手順をも
う一度簡単に述べておく。まず、被測定者の上腕部に縛
帯200を装着し、リークバルブ150を閉じ、エアポンプ14
0を作動させ、第6図のグラフの点Aから点Bに至るま
で縛帯の基準内圧を増加させてゆく。そして、エアポン
プ140を停止させて、点Bから点Cまで所定時間をお
き、空気漏れのないことを確認する。続いて、点Cにお
いてリークバルブを開き、点Cから点Hに至るまで一定
の速度(たとえば、2mmHg/sec)で基準内圧を減少させ
てゆく。この途中、点Dに到達した時点(基準内圧が心
収縮期圧SPに到達した時点)、および点Fに到達した時
点(基準内圧が心拡張期圧DPに到達した時点)で、次の
処理を行う。
まず、点Dに到達した時点で、縛帯下を通過する脈波
の伝播速度を求める。これは、前方検出嚢210と後方検
出嚢230との間の距離Lを、後方脈波の前方脈波に対す
る遅延時間SPdtで割った商として求めることができ、こ
の速度が大動脈における高圧期血流速度VHとなる。点D
への到達は、後方検出嚢230が初めて脈波を検出した時
点として認識できる。
また、点Fに到達した時点での後方脈波の波形をその
まま近似大動脈波の波形として記録する。点Fへの到達
は、前方脈波の下部と後方脈波の下部とが所定の精度で
一致したことにより認識できる。
このあとは、単なる演算処理を行うことにより、必要
なすべての値が求まる。すなわち、心拡張期圧DPおよび
心収縮期圧SPが既に求められており、大動脈波の近似波
形が記録されるので、第1図に示すような、大動脈弁閉
鎖痕圧DNP、高圧期T1、低圧期T2、のそれぞれも決定す
ることができる。また、低圧期血流速度VLは、式(2)
により求まり、心拍出量Qは、式(5)により求まる。
これらの演算はCPU130によって行われ、その結果は表示
装置170に表示される。また、必要に応じてプリンタ180
に出力することもできる。
以上のように、基本的には第6図に示すグラフに沿っ
た測定動作をさせれば、目的の測定値が得られる。しか
しながら、実際には、この第6図に示す測定動作では、
精度の良い測定値は期待できない。精度の良い測定値を
得るためには、グラフ上の点Dにおけるデータおよび点
Fにおけるデータを、より多く取り込む必要がある。し
たがって、実際の測定動作は、第16図に示すグラフに沿
って行うようにするのが好ましい。第16図に示すグラフ
に基づく測定動作は、第6図に示すグラフに基づく測定
動作と、基本的には同じである。ただ、第6図のグラフ
の点Dおよび点Fにおいて行われる測定が、より詳細に
行われることになる。まず、被測定者の上腕部に縛帯20
0を装着し、リークバルブ150を閉じ、エアポンプ140を
作動させ、第16図のグラフの点Aから点Bに至るまで縛
帯の圧力を増加させてゆく。そして、エアポンプ140を
停止させて、点Bから点Cまで所定時間をおき、空気漏
れのないことを確認する。ここまでは、第6図のグラフ
に基づく測定動作と全く同じである。続いて、点Cにお
いてリークバルブを開き、一定の速度(たとえば、2mmH
g/sec)で圧力を減少させてゆく。
点Cにおいては、前方センサ110は前方脈波を検出す
るが、後方センサ120はまだ後方脈波を検出しない。と
ころが、圧力を減少させてゆくと、やがて後方センサ12
0ガ初めて後方脈波を検出することになる。グラフの点D
1がこの時点を示す。後方脈波が初めて検出されたら、C
PU130はリークバルブ150を閉じ、このときの圧力SP1を
所定の測定期間(グラフの点D1〜点D2)維持するように
する。測定期間が経過したら、リークバルフ150を一瞬
だけ開いて圧力を微小量だけ(たとば、3mmHg)低下さ
せ、再び、このときの圧力SP2を所定の測定期間(グラ
フの点D3〜点D4)維持するようにする。このような動作
を心収縮期圧SPを決定するための条件(後述)が満足さ
れるまで繰り返す(第16図のグラフでは2回だけ繰り返
している)。こうして、心収縮期圧SPを決定するための
条件が満足されたら、再び、リークバルブ150を開い
て、圧力を減少させてゆく(グラフの点D4〜)。この実
施例では、測定動作の全行程に要する時間を短縮する目
的で、点D4〜点Iまで急速に圧力を減少させ(たとえ
ば、20mmHg/sec)、点Iを経過した後は通常の速度(た
とえば、2mmHg/sec)で圧力を減少させている。点Iの
圧力値PIは、 PI=SP2−dP (10) として設定する。ここで圧力値dPは、あらかじめ定めた
定数(たとえば、30mmHg)である。CPU130の次の仕事
は、心拡張期圧DPを認識することであるため、点D4〜点
Iの区間を急速に圧力低下させ、次の目的となる心拡張
期圧DPに速く到達するようにしている。点Iにおいて
は、前方脈波と後方脈波との間に波形下部における一致
はまだ見られない。ところが、圧力を減少させてゆく
と、やがて両脈波間に所定の誤差範囲での一致が検出さ
れることになる。グラフの点F1がこの時点を示す。所定
の誤差範囲での一致が初めて検出されたら、CPU130はリ
ークバルブ150を閉じ、このときの圧力DP1を所定の測定
期間(グラフの点F1〜点F2)維持するようにする。測定
期間が経過したら、リークバルブ150を一瞬だけ開いて
圧力を微小量だけ(たとえば、3mmHg)低下させ、再
び、このときの圧力DP2を所定の測定期間(グラフの点F
3〜点F4)維持するようにする。このような動作を心拡
張期圧DPを決定するための条件(後述)が満足されるま
で繰り返す(第16図のグラフでは2回だけ繰り返してい
る)。こうして、心拡張期圧DPを決定するための条件が
満足されたら、リークバルブ150を開いて、圧力を急速
に減少させる(グラフの点F4〜点H)。以上が、この装
置の実際の測定動作の全行程である。
続いて、上述の測定動作による各センサの検出結果を
検討する。第17図は、第16図の測定動作に対応して各セ
ンサが検出する圧力値を示すグラフである。第17図にお
いて、グラフ上の各点C,D1〜D4,I,F1〜F4は、第16図の
グラフ上の各点に対応しており、破線は前方センサ110
が検出する前方脈波、実線は後方センサ120が検出する
後方脈波を示している。第17図の例では、圧力を一定に
維持する所定の測定期間として、いずれも3心拍に相当
する期間を設定しているが、実際には、10心拍以上の期
間を設定するのが好ましい。測定期間として12心拍の期
間を設定した検出結果を第18a図〜第19b図に示す。第18
a図は区間D1〜D2、第18b図は区間D3〜D4、第19a図は区
間F1〜F2、第19b図は区間F3〜F4、について検出された
脈波を示すグラフである。いずれのグラフも、前方脈波
を破線で、後方脈波を実線で示してある。このように、
12心拍分の期間を連続して測定すると、縛帯の圧力は一
定値に維持されているにもかかわらず、検出される脈波
にはゆらぎが生じる。図では、前方脈波のピーク位置を
結ぶ一点鎖線によって、このゆらぎが明瞭に示されてい
る。このゆらぎは、主として被測定者の呼吸運動に起因
するものである。したがって、精度の良い測定結果を得
るためには、少なくとも1呼吸周期分の測定期間を設定
するのが好ましい。
さて、このようなゆらぎが存在するため、心収縮期圧
SPの決定は、次のような方法で行うとよい。まず、第16
図のグラフの点Cから圧力を徐々に減少してゆき、後方
脈波が初めて検出される時点D1を認識する。なおここ
で、「後方脈波が検出されたか否か」という判断は、実
際には、後方センサ120から出力される脈波のピーク値
が所定の「検出のためのしきい値」を越えたか否かとい
う判断を行うことになる。時点D1が認識されたら、その
時点の圧力SP1を維持し、そのまま12心拍分の測定期間
をおく(点D1〜D2)。この測定期間の経過は、前方脈波
を12個分カウントすることによって容易に認識すること
ができる。この測定期間において検出される脈波は、た
とえば第18a図のようになる。前方脈波(破線)は明瞭
に検出されているが、後方脈波(実線)は非常に小さい
ため、この12個の後方脈波のうち、すべてが「検出のた
めのしきい値」を越えているとは限らない。いま、たと
えば、第18a図において、12個の後方脈波a〜1のう
ち、a,b,c,k,lの5つだけが「検出のためのしきい値」
を越えていたものとする。すると、検出確率は5/12とな
る。あらかじめ、この検出確率の許容値を定めておき、
検出確率がこの許容値を上回った場合に、心収縮期圧SP
を決定するための条件が満足されたと判断するようにす
る。たとえば、検出確率の許容値を8/12と定めておく
と、上述の圧力SP1における測定では、まだ心収縮期圧S
Pを決定するための条件は満足されていない。そこで、
圧力値をわずかだけ下げ、圧力SP2における測定を繰り
返して行う。その結果の一例を、第18b図に示す。縛帯
の圧力がやや低下したため、脈波は縛帯の圧迫下をより
通過しやすくなり、全体的にやや大きな後方脈波が検出
されるようになる。このとき、12個の後方脈波a〜1の
うち、eを除く11個が「検出のためのしきい値」を越え
ていたとすれば、検出確率は11/12となり、許容値8/12
を上回る。したがって、心収縮期圧SPを決定するための
条件が満足されたことになる。したがって次は心拡張期
圧DPを決定するための測定動作に移ることができる。な
お、最終的な心収縮期圧SPの値としては、圧力値SP1とS
P2との平均値をとるようにすればよい。また、大動脈に
おける高圧期血流速度VHを求めるために用いる後方脈波
の遅延時間SPdtは、圧力SP1における測定で得られた遅
延時間と圧力SP2における測定で得られた遅延時間との
平均値をとるようにすればよい。
全く同様に、心拡張期圧DPの決定は、次のような方法
で行うとよい。第16図のグラフの点Iから圧力を徐々に
減少してゆき、両脈波の下部波形が所定の誤差範囲で一
致を示した時点F1を認識する。そして、その時点の圧力
DP1を維持し、そのまま12心拍分の測定期間をおく(点F
1〜F2)。この測定期間の経過は、前方脈波を12個分カ
ウントすることによって容易に認識することができる。
この測定期間において検出される脈波は、たとえば第19
a図のようになる。この12対の前方および後方脈波のう
ち、すべてが所定の誤差範囲での一致を示すとは限らな
い。いま、たとえば、第19a図に示すように、12対の脈
波a〜1のうち、a,b,c,k,lの5つだけが一致を示した
ものとする。すると、一致確率は5/12となる。あらかじ
め、この一致確率の許容値を定めておき、一致確率がこ
の許容値を上回った場合に、心拡張期圧DPを決定するた
めの条件が満足されたと判断するようにする。たとえ
ば、一致確率の許容値を8/12と定めておくと、上述の圧
力DP1における測定では、まだ心拡張期圧DPを決定する
ための条件は満足されていない。そこで、圧力値をわず
かだけ下げ、圧力DP2における測定を繰り返して行う。
その結果の一例を、第19b図に示す。ここで、12対の脈
波a〜1のうち、d,f,g,h,i,jの6つが一致を示したも
のとする。すると、この測定期間の一致確率は6/12とな
り、依然として許容値8/12を下回る。しかしながら、第
19a図と第19b図とを比較するとわかるように、圧力DP1
のときに一致を示していたa,b,c,k,lが、圧力DP2のとき
には一致を示していない。別言すれば、圧力DP2におけ
る測定では、脈波a,b,c,k,lは一致を示していないが、
これらの脈波は既に圧力DP1における測定で一致を示し
ているのである。この理由は第9図を参照すると理解で
きよう。第9図において符号Fの位置における一対の脈
波は一致を示しているが、その右隣の一対の脈波も、左
隣の一対の脈波も、一致を示していない。すなわち、一
致を示す圧力を通り過ぎてしまうと、二度と一致を示す
ことはない。したがって、一致確率は累積的に取り扱う
必要がある。すなわち、圧力DP1における測定での一致
確率は5/12であり、圧力DP2における測定での一致確率
は6/12であるが、両測定の累積的一致確率は11/12とな
り、許容値8/12を上回る。したがって、心拡張期圧DPを
決定するための条件が満足されたと判断でき、この装置
による測定動作の全行程を終了できる。なお、最終的な
心拡張期圧DPの値としては、圧力値DP1とDP2との平均値
をとるようにすればよい。また、近似大動脈波の波形と
しては、一致を示した複数の後方波形の平均を用いれば
よい。
10 測定結果の出力 上述のような測定動作を行うことによって、種々のデ
ータを得ることができるが、これらの諸データをメモリ
160に記憶させるようにしておけば、診断のために有効
な数々の情報を表示装置170に表示したり、プリンタ180
に出力させたりすることができる。この実施例の装置で
は、次のような情報を測定結果として出力させている。
(1)大動脈における高圧期血流速度VHおよび低圧期血
流速度VL (2)心収縮期圧SP、心拡張期圧DP、大動脈弁閉鎖痕圧
DNP (3)大動脈における高圧期血流有効断面積SHおよび低
圧期血流有効断面積SL (4)1鼓動あたりの心拍出量Q (5)1分間の脈拍数n(前方脈波をカウントすること
により求まる) (6)1分間あたりの心拍出量Qm(Qm=Q×n) (7)被測定者の体表面積BSA(被測定者に身長Hおよ
び体重Wを入力させ、BSA=W0.45・H0.75なる式から求
める) (8)心係数CI(CI=Qm/BSAなる式から求める) 11 他の実施例 以上、本発明を図示する一実施例に基づいて説明した
が、本発明はこの他にも種々の態様で実施することが可
能である。たとえば、上述の装置では、心収縮期圧SPお
よび心拡張期圧DPの認識を、圧力センサが検出する脈波
によって行っているが、音波センサを用いてコロトコフ
音による認識を行うことも可能である。すなわち、第6
図に波形Kで示したように、縛帯圧を減少させてゆく
と、心収縮期圧SPにおいてコロトコフ音が発生し、心拡
張期圧DPを越えるとコロトコフ音の振幅は一定値とな
る。したがって、音波センサによりコロトコフ音をモニ
タしていれば、心収縮期圧SPおよび心拡張期圧DPに到達
したことを認識することができる。
産業上の利用可能性 本願で開示した血流速度および血流量の測定装置は、
循環器系疾患の診断に利用することができる。特に、こ
の装置は上腕部に縛帯を装着するだけで測定結果が得ら
れるので、従来の観血的な測定手法に比べて大きな利用
価値をもつものである。本発明は、現代の医学的な診断
技術に大きく貢献するであろう。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上腕部を阻血するための阻血嚢(220)
    と、その阻血嚢に向かう脈波を検出するための前方検出
    嚢(210)と、この阻血嚢を通過した脈波を検出するた
    めの後方検出嚢(230)と、の3つの嚢を有する縛帯(2
    00)と、 前記阻血嚢および前記各検出嚢の基準内圧を、心収縮期
    圧SPに維持する圧力制御手段(130,140,150)と、 前記前方検出嚢に生じる圧力変動を、前方脈波(Wf)と
    して検出する前方センサ(110)と、 前記前方脈波の検出時から所定の遅延時間SPdtだけ遅れ
    て、前記後方検出嚢に生じる圧力変動を、後方脈波(W
    b)として検出する後方センサ(120)と、 前記前方検出嚢と前記後方検出嚢との間の距離Lを、前
    記遅延時間SPdtで除して商を求め、この商を大動脈にお
    ける高圧期の血流速度VHとして出力する演算手段(13
    0)と、 を備えることを特徴とする大動脈における血流速度の測
    定装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の装置において、 心収縮期圧SP、心拡張期圧DP、および大動脈弁閉鎖痕圧
    DNP、を求める手段を更に設け、式R=(SP−DP)/(D
    NP−DP)に基づいて係数Rを求め、高圧期の血流速度VH
    を前記係数Rで除した商を求め、この商を大動脈におけ
    る低圧期の血流速度VLとして出力するようにしたことを
    特徴とする大動脈における血流速度の測定装置。
  3. 【請求項3】上腕部を阻血するための阻血嚢(220)
    と、その阻血嚢に向かう脈波を検出するための前方検出
    嚢(210)と、この阻血嚢を通過した脈波を検出するた
    めの後方検出嚢(230)と、の3つの嚢を有する縛帯(2
    00)と、 前記前方検出嚢に生じる圧力変動を、前方脈波(Wf)と
    して検出する前方センサ(110)と、 前記前方脈波の検出時から所定の遅延時間dtだけ遅れ
    て、前記後方検出嚢に生じる圧力変動を、後方脈波(W
    b)として検出する後方センサ(120)と、 前記阻血嚢および前記各検出嚢の基準内圧を、阻血する
    のに十分に高い値から徐々に減少させてゆき、前記後方
    センサが初めて後方脈波を検出したら、前記基準内圧を
    その時点における所定値SPに維持する圧力制御手段(13
    0,140,150)と、 前記圧力制御手段が基準内圧を前記所定値SPに維持して
    いる間に、後方脈波の前方脈波に対する遅延時間SPdtを
    求め、前記前方検出嚢と前記後方検出嚢との間の距離L
    を、この遅延時間SPdtで除して商を求め、この商を大動
    脈における高圧期の血流速度VHとして出力する手段(13
    0)と、 を備えることを特徴とする大動脈における血流速度の測
    定装置。
  4. 【請求項4】上腕部を阻血するための阻血嚢(220)
    と、その阻血嚢に向かう脈波を検出するための前方検出
    嚢(210)と、この阻血嚢を通過した脈波を検出するた
    めの後方検出嚢(230)と、の3つの嚢を有する縛帯(2
    00)と、 前記前方検出嚢に生じる圧力変動を、前方脈波(Wf)と
    して検出する前方センサ(110)と、 前記前方脈波の検出時から所定の遅延時間dtだけ遅れ
    て、前記後方検出嚢に生じる圧力変動を、後方脈波(W
    b)として検出する後方センサ(120)と、 前記前方脈波を、前記遅延時間dtだけ遅らせて前記後方
    脈波の上に重ね、両脈波の下部波形が所定の精度で一致
    しているか否かを判定する一致判定手段(130)と、 前記阻血嚢および前記各検出嚢の基準内圧を、阻血する
    のに十分に高い値から徐々に減少させてゆき、前記後方
    センサが初めて後方脈波を検出したら、前記基準内圧を
    その時点での値SPに第1の期間だけ維持し、この第1の
    期間終了後に前記基準内圧を徐々に減少させてゆき、前
    記一致判定手段が一致を示したら、前記基準内圧をその
    時点での値DPに第2の期間だけ維持する機能を有する圧
    力制御手段(130,140,150)と、 前記第1の期間において、後方脈波の前方脈波に対する
    遅延時間SPdtを求め、前記前方検出嚢と前記後方検出嚢
    との間の距離Lを、この遅延時間SPdtで除して商を求
    め、この商を大動脈における高圧期の血流速度VHとして
    出力する手段(130)と、 前記第2の期間において、前記後方センサから得られる
    後方脈波を心臓近傍の近似大動脈波と認識し、この近似
    大動脈波に基づいて、心収縮期圧SP、心拡張期圧DP、お
    よび大動脈弁閉鎖痕圧DNP、を求め、式R=(SP−DP)
    /(DNP−DP)に基づいて係数Rを求め、前記高圧期の
    血流速度VHを前記係数Rで除した商を求め、この商を大
    動脈における低圧期の血流速度VLとして出力する手段
    (130)と、 を備えることを特徴とする大動脈における血流速度の測
    定装置。
  5. 【請求項5】上腕部を阻血するための阻血嚢(220)
    と、その阻血嚢に向かう脈波を検出するための前方検出
    嚢(210)と、この阻血嚢を通過した脈波を検出するた
    めの後方検出嚢(230)と、の3つの嚢を有する縛帯(2
    00)と、 前記阻血嚢および前記各検出嚢の基準内圧を、心収縮期
    圧SPおよび心拡張期圧DPに維持する機能をもった圧力制
    御手段(130,140,150)と、 前記前方検出嚢に生じる圧力変動を、前方脈波(Wf)と
    して検出する前方センサ(110)と、 前記前方脈波の検出時から所定の遅延時間dtだけ遅れ
    て、前記後方検出嚢に生じる圧力変動を、後方脈波(W
    b)として検出する後方センサ(120)と、 前記基準内圧が前記心収縮期圧SPに維持されたときに、
    後方脈波が前方脈波に対して生じる遅延時間SPdtを求
    め、前記前方検出嚢と前記後方検出嚢との間の距離L
    を、遅延時間SPdtで除し、その商として大動脈における
    高圧期の血流速度VHを求める手段(130)と、 前記基準内圧が前記心拡張期圧DPに維持されたときに得
    られる後方脈波を、近似大動脈として認識し、この近似
    大動脈波の大動脈弁閉鎖痕以前の波形に基づいて、大動
    脈における高圧期の血流有効断面積SHを求め、前記高圧
    期の血流速度VHと、前記高圧期の血流有効断面積SHとを
    乗ずることにより、高圧期の血流量を求める手段(13
    0)と、 を備えることを特徴とする大動脈における血流量の測定
    装置。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の装置において、 認識した近似大動脈波に基づいて、心収縮期圧SP、心拡
    張期圧DP、および大動脈弁閉鎖痕圧DNP、を求め、式R
    =(SP−DP)/(DNP−DP)に基づいて係数Rを求め、
    高圧期の血流速度VHを前記係数Rで除すことにより、大
    動脈における低圧期の血流速度VLを求め、前記近似大動
    脈波の大動脈閉鎖痕以後の波形に基づいて、大動脈にお
    ける低圧期の血流有効断面積のSLを求め、前記低圧期の
    血流速度VLと、前記低圧期の血流有効断面積SLとを乗ず
    ることにより、低圧期の血流量を求める手段(130)を
    更に設けたことを特徴とする大動脈における血流量の測
    定装置。
  7. 【請求項7】上腕部を阻血するための阻血嚢(220)
    と、その阻血嚢に向かう脈波を検出するための前方検出
    嚢(210)と、この阻血嚢を通過した脈波を検出するた
    めの後方検出嚢(230)と、の3つの嚢を有する縛帯(2
    00)と、 前記前方検出嚢に生じる圧力変動を、前方脈波(Wf)と
    して検出する前方センサ(110)と、 前記前方脈波の検出時から所定の遅延時間dtだけ遅れ
    て、前記後方検出嚢に生じる圧力変動を、後方脈波(W
    b)として検出する後方センサ(120)と、 前記前方脈波を、前記遅延時間dtだけ遅らせて前記後方
    脈波の上に重ね、両脈波の下部波形が所定の精度で一致
    しているか否かを判定する一致判定手段(130)と、 前記阻血嚢および前記各検出嚢の基準内圧を、阻血する
    のに十分に高い値から徐々に減少させてゆき、前記後方
    センサが初めて後方脈波を検出したら、前記基準内圧を
    その時点での値SPに第1の期間だけ維持し、この第1の
    期間終了後に前記基準内圧を徐々に減少させてゆき、前
    記一致判定手段が一致を示したら、前記基準内圧をその
    時点での値DPに第2の期間だけ維持する機能を有する圧
    力制御手段(130,140,150)と、 前記第1の期間において、後方脈波の前方脈波に対する
    遅延時間SPdtを求め、前記前方検出嚢と前記後方検出嚢
    との間の距離Lを、この求めた遅延時間SPdtで除した商
    を求め、この商を大動脈における高圧期の血流速度VHと
    して出力する手段(130)と、 前記第2の期間において、前記後方センサから得られる
    後方脈波を心臓近傍の近似大動脈波と認識し、この近似
    大動脈波に基づいて、心収縮期圧SP、心拡張期圧DP、お
    よび大動脈弁閉鎖痕圧DNP、を求め、式R=(SP−DP)
    /(DNP−DP)に基づいて係数Rを求め、前記高圧期の
    血流速度VHを前記係数Rで除した商を求め、この商を大
    動脈における低圧期の血流速度VLとして出力する手段
    (130)と、 前記近似大動脈波の大動脈弁閉鎖痕以前の波形に基づい
    て、大動脈における高圧期の血流有効断面積SHを求め、
    前記高圧期の血流速度VHと、前記高圧期の血流有効断面
    積SHとを乗ずることにより、高圧期の血流量を求める手
    段(130)と、 前記近似大動脈波の大動脈弁閉鎖痕以後の波形に基づい
    て、大動脈における低圧期の血流有効断面積SLを求め、
    前記低圧期の血流速度VLと、前記低圧期の血流有効断面
    積SLとを乗ずることにより、低圧期の血流量を求める手
    段(130)と、 を備えることを特徴とする大動脈における血流量の測定
    装置。
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