JPH0755218B2 - 脈波変動検出装置 - Google Patents

脈波変動検出装置

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JPH0755218B2
JPH0755218B2 JP1185619A JP18561989A JPH0755218B2 JP H0755218 B2 JPH0755218 B2 JP H0755218B2 JP 1185619 A JP1185619 A JP 1185619A JP 18561989 A JP18561989 A JP 18561989A JP H0755218 B2 JPH0755218 B2 JP H0755218B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は脈波変動検出装置、特に心臓近傍の大動脈波の
経時的な変動を容易に把握できる状態で呈示することの
できる脈波変動検出装置に関する。
〔従来の技術〕
循環器疾患の診断には、血圧測定とともに脈波の解析が
必要である。特に、心臓疾患の診断には、心臓近傍の大
動脈波の解析が極めて有効である。この大動脈波を測定
する方法は、観血的方法と非観血的方法とに分けられ
る。観血的方法としては、従来から血管カテーテル測定
法が行われている。この方法は、動脈にカテーテルを入
れ、カテーテルを被測定部位まで挿入することによっ
て、その場所における脈波を直接測定する方法である。
一方、非観血的方法としては、超音波や核磁気共鳴法を
用いた方法が開発され、実用化に至っている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上述した従来の脈波検出装置では、単一
の脈波がそれぞれ別個に呈示されるだけである。心臓疾
患の診断には、脈波の経時的な変動を把握することも重
大な要素のひとつになってくるが、従来の装置ではこの
ような脈波の経時的な変動を解析することが困難であ
る。
また、脈波を血圧値とともに測定するには、従来は観血
的方法を行う必要があった。これは、動作にカテーテル
を挿入するという大掛かりな方法であり、患者の肉体
的、精神的負担も大きなものになり、好ましくない。
本発明は、非観血的な方法により、心臓近傍の大動脈波
の経時的な変動を容易に把握できる状態で呈示すること
のできる脈波変動検出装置を提供することを目的とす
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、脈波変動検出装置において、 上腕部を阻血するために必要な大きさをもった阻血嚢
と、この阻血嚢を通過した脈波を、この脈波の衝突によ
って発生する圧力変動として検出するのに適した大きさ
をもった検出嚢と、を有する縛帯と、 この縛帯の着用によって生じるコロトコフ音を検出する
音波センサと、 検出嚢に生じる圧力変動を検出する圧力センサと、 阻血嚢および検出嚢の基準内圧を、十分に高い値から徐
々に減少させてゆき、音波センサが検出したコロトコフ
音の音量が心拡張期圧を示す値に達したら、基準内圧を
一定値に維持させる機能を有する圧力制御手段と、 基準内圧が一定値に維持されている間に、圧力センサか
ら連続的に得られる圧力変動の波形を、所定数記憶する
メモリと、 このメモリに記憶されている複数の波形を、各波形の立
ち上がり時点を一致させて重畳する波形重畳手段と、 この波形重畳手段によって重畳された波形を心臓近傍の
大動脈波の変動を示す波形として出力する出力装置と、 を設けたものである。
〔作 用〕
本発明によれば、圧力センサによって検出された脈波波
形が、複数だけ記憶される。この複数の脈波波形は1枚
のチャートに重畳して表示されるが、このとき各波形の
立ち上がり時点が一致するように重畳される。こうして
脈波の経時的な変動は、この重畳して表示された脈波の
幅として視覚的に容易に認識することができる。脈波の
どの部分の幅が広いか、あるいは狭いか、という情報を
一目して把握することができるため、より適確な診断を
行うことができるようになる。
本発明によれば、更に、脈波の検出を非観血的に行うこ
とができる。これは、上腕部に縛帯を巻き、この縛帯に
所定の条件下で圧力をかけると、上腕部において大動脈
波と等価な脈波が得られるという基本原理を発見したこ
とに基づく。縛帯に十分な圧力をかけると、上腕部を阻
血することができる。ここで縛帯の圧力を徐々に減少さ
せてゆくと、縛帯を通過する脈波が検出される。この脈
波は初めは小さな波であるが、縛帯の圧力を減少させて
ゆくに従って、だんだんと大きくなる。本願発明者は、
縛帯の圧力が心拡張期圧DPに一致したときに、縛帯を通
過して検出される脈波が、心臓近傍における大動脈波と
等価になるという事実を見出だしたのである。本発明に
係る脈波検出装置では、コロトコフ音をモニターしてお
り、コロトコフ音が所定の設定値に達したときに、縛帯
の圧力が心拡張期圧DPに達したと判断している。この装
置の圧力制御手段は、コロトコフ音が設定値に達した
ら、縛帯の基準内圧を一定値に維持する機能を有する。
したがって、この間に脈波出力手段が出力する脈波は、
心臓近傍における大動脈波と等価なものになる。こうし
て、心臓近傍の脈波を直接測定することなしに、これと
等価な脈波と上腕部で測定することができるのである。
〔実施例〕
以下、本発明を図示する実施例に基づいて説明する。第
1図は、本発明の一実施例に係る脈波検出装置の基本構
成を示すブロック図である。この装置は、大きく分け
て、装置本体100(一点鎖線で囲んで示す)と縛帯200と
2つの構成部分よりなる。縛帯200は、上腕部を阻血す
るために阻血嚢210と、この阻血嚢を通過した脈波を検
出するための阻血嚢220とを有する。阻血嚢210は阻血に
必要なだけの十分な大きさをもち、本実施例の場合、図
の長さll=12cm程度である。また、検出嚢220は阻血嚢2
10に比べて十分小さくし、本実施例の場合、図の長さl2
=2cm程度である。検出嚢220が大きすぎると、空気容量
が大きくなるため、これに衝突した脈波を十分に検出す
ることができなくなる。阻血嚢210と検出嚢220とは、途
中の接続路230において互いに接続されており、阻血嚢2
10から外部には空気を通すための導管240が伸びてお
り、検出嚢220から外部には同様に導管250が伸びてい
る。この縛帯200は、第2図に示すような向きに、上腕
部に着用して用いることになる。
一方、装置本体100は次のような構成になっている。ま
ず、導管250が接続されている管路101には、音波センサ
110と圧力センサ120とが設けられている。ここで、いず
れのセンサも原理的には、導管250を介して導かれる検
出嚢220内の圧力を測定するセンサであるが、圧力セン
サ120が脈波の周波数帯域の圧力変動を検出するのに対
し、音波センサ110は音波の周波数帯域、特にコロトコ
フ音の周波数帯域(30〜80Hz)を検出するように設計さ
れている。音波センサ110が検出したアナログ信号は、
増幅器111で増幅され、A/D変換器112によってデジタル
信号に変換され、CPU130に与えられる。同様に、圧力セ
ンサ120が検出したアナログ信号は、増幅器121で増幅さ
れ、A/D変換器122によってデジタル信号に変換され、CP
U130に与えられる。導管240が接続されている管路102に
は、エアポンプ140およびリークバルブ150が接続されて
いる。このエアポンプ140およびリークバルブ150は、CP
U130によって制御される。管路101と管路102とは連結さ
れており、また、阻血嚢210と検出嚢220とは接続路230
で連結されている。したがって、阻血嚢210と検出嚢220
とは、本来、同じ圧力に保たれることになる。ただし、
阻血嚢210は容量が大きいため、周波数の高い圧力変動
は検出嚢220においてのみ現れる。このため、音波セン
サ110および圧力センサ120は、導管250の近傍に接続す
るのが好ましい。なお、CPU130には、データを記憶する
ためのメモリ160、データを表示するための表示装置17
0、およびデータを出力するためのプリンタ180が接続さ
れている。
さて、ここでこの装置の測定対象となる大動脈波がどの
ようなものかを簡単に説明しておく。第3図にこの大動
脈波の基本的な波形を示す。この図のように、脈波はい
ずれも横軸を時間軸、縦軸を圧力軸にとって示される。
この大動脈波は、心臓近傍における血圧変動を示す波形
であり、心臓の左心室筋の動きをそのままま表現してい
る。第3図において、時刻t1までは心臓は拡張期であ
り、圧力は心拡張期圧DPとなる。時刻t1〜t2にかけて心
臓が収縮運動を行い、心収縮期圧SPまで圧力は上昇す
る。続いて、心臓は拡張運動に転じるが、時刻t3におい
て大動脈弁が閉じるため、時刻t4に小さな峰が現れる。
時刻t3における切痕は大動脈弁閉鎖痕と呼ばれる。その
後、時刻t4〜t5にかけて圧力は徐々に減少し、再び心拡
張期圧DPに戻る。このような圧力変動が、心臓の1鼓動
ごとに現れ、それが心臓から動脈を伝わって脈波として
全身へと伝播されてゆく。しかしながら、このようにし
て心臓で発生した脈波は、末梢への伝播にともなって波
形を変えてゆく。第4図にこの様子を示す。波形WA〜WF
は、心臓の大動脈弁の直上位置から末梢へそれぞれ0cm
〜50cm離れた部位における脈波を、血管カテーテル測定
法で測定した結果である。ここで、波形WAが第3図に示
す心臓近傍の大動脈波に相当する。このように末梢にゆ
くにしたがって、高周波成分が伸びてきており、最大血
圧値TOPが増大してくることがわかる。これは末梢にゆ
くまで血管が細くなり抵抗が増すためと考えられる。な
お、ここでPNDは大動脈弁閉鎖痕圧である。このよう
に、脈波は末梢にゆくにしたがって波形を変えてしまう
ため、上腕部において普通に測定した脈波(たとえば脈
波WF)は、心臓近傍の大動脈波とはかなり異なるものと
なる。本装置によれば、上腕部において大動脈波を等価
な脈波を得ることができる。
第5図(a)は、この装置による測定動作を説明するグ
ラフであり、同図(b)はその部分拡大図である。前述
のように、この装はエアポンプ140とリークバルブ150と
を有し、阻血嚢210および検出嚢220の圧力を制御するこ
とができる。すなわち、圧力を増加させせる場合には、
エアポンプ140を動作させて嚢内に空気を送りこみ、圧
力を減少させる場合には、リークバルブ150を開けて嚢
内の空気をリークさせることができる。
測定にあたっては、被測定者の上腕部に第2図に示すよ
うに縛帯200を着用させ、測定開始スイッチ(図示せ
ず)を押す。第5図(a)のグラフは、測定開始後の嚢
内圧力の変化を示すものである。すなわち、測定開始
後、CPU130がエアポンプ140を起動し、嚢内に空気を送
り込んで圧力を徐々に増加させる(グラフの点A〜)。
阻血嚢210は次第に動脈を圧迫し、やがて完全に阻血す
る圧力にまで達する(点B)。このときの縛帯200(阻
血嚢210と検出嚢220)と動脈300との関係を現す断面図
を第6図(a)に示す。図の左側が心臓、右側が末梢で
あり、脈波は左から右に伝わるはずであるが、阻血嚢21
0の圧力が高いため、脈波は阻血嚢210を通過することは
できない。続いてCPU130は、リークバルブ150を少しず
つ開けて圧力をゆっくりと減少させてゆく(点C〜)。
すると、点Dにおいてコロトコフ音が発生する。グラフ
内の波形Kは、点Dから徐々に圧力を減少させていった
とき、各圧力値に対応して得られるコロトコフ音の振幅
を示すものである。このように点Dを過ぎるとコロトコ
フ音が発生するのは、第6図(b)に示すように、脈波
の一部が阻血嚢210の圧力に抗して阻血嚢210を通過し始
めるためである。この点Dに対応する圧力が心収縮局期
SPに相当することが知られている。点Dから更に圧力を
減少させてゆくと、第6図(c)に示すように脈波は更
に通過しやすくなり、点Eにおいてコロトコフ音が最大
になる。以後、コロトコフ音は次第にに減少し、点Fに
達すると音は非常に小小さくなり、ほぼ一定の振幅が続
く。この点Fに対応する圧力が心拡張期圧DPに相当する
ことが知られており、第6図(d)の状態に対応する。
本装置の特徴は、圧力を点Fまで減少させたら、この圧
力DPをしばら維持させ(点F〜点G)、この間に脈波の
検出を行う点にある。脈波の検出が完了すると、更に圧
力を減少させる(点G〜点H)。縛帯200は、第6図
(e)に示すように、動脈300からは浮いた状態にな
る。なお、再度の測定を続けて行う場合には、点Hから
点Iまで圧力を上昇させた後、点Iから点J(心拡張期
圧DP)まで圧力を減少させ、そのまま圧力を一定に維持
して、再度の脈波検出を行えばよい。点Fに到達したと
きに、心拡張期圧DPを記憶しておけば、点Bまで圧力を
上昇させなくても、点I(心拡張期圧DPよりやや高い圧
力)まで圧力を上昇させた後、心拡張期圧DPまで圧力を
減少させれば再測定が可能なのである。
さて、ここで脈波の検出方法について説明しよう。脈波
は動脈300内の圧力変動であるから、圧力の値として測
定される。第6図に示すように、阻血嚢210を通過した
脈波310は、検出嚢220に衝突する。この検出嚢220は阻
血嚢210に比べて容量が小さいため、このような周波数
の高い、振幅の小さな波でも微妙に検出することができ
る。この微妙な圧力変動は、圧力センサ120によって検
出される。阻血嚢210は容量が大きいため、脈波による
圧力変動はあまり受けない。ここで、圧力センサ120の
検出する圧力値もそのものに着目すると、2つの要素が
重畳されていることがわかるであろう。すなわち、1つ
は阻血嚢210の圧力であり、もう1つは検出嚢220の脈波
による圧力変動である。ここでは、前者を基準内圧、後
者を脈波圧と呼ぶことにする。検出嚢220は、接続路230
を介して阻血嚢210に連結されているので、脈波が衝突
しない場合は、検出嚢220の圧力も基準内圧になってい
る。第5図(a)に示したグラフは、この基準内圧を示
したものであり、圧力センサ120によって検出される圧
力は、実際にはこの基準内圧に脈波圧を重畳したものに
なる。第5図(a)の部分Lを拡大した図を第5図
(b)に示す。この拡大図では、基準内圧(図の破線で
示す)に脈波を重畳した圧力値のグラフを実線で示して
いる。図の点F〜点Gの区間は、前述のように基準内圧
が心拡張期圧DPに維持されており、この心拡張期圧DPの
上に脈波がのっている状態になる。
第4図に示したように、上腕部における脈波(たとえば
脈波WF)は大動脈波(脈波WA)とは異なった脈波であ
る。ところが、阻血嚢210を心拡張期圧DPに維持したと
きに、検出嚢220が検出する脈波は、上腕部で検出して
いるにもかかわらず大動脈波と等価であることを、本願
発明者は見出だしたのである。この理由についての厳密
な理論解析を行うことは困難であるが、阻血嚢210がロ
ーパスフィルタの機能を果たすために、脈波の高周波成
分がカットされたためと本願発明者は考えている。第4
図に示すように、脈波は末梢にいくほど血管抵抗の増加
により高周波成分が伸びてくる。ところが、上腕部の脈
波(脈波WF)が阻血嚢210を通過すると、この高周波成
分がカットされ、もとの大動脈波(脈波WA)と等価な波
が濾波されて出てくると考えることができる。したがっ
て、阻血嚢210の幅(第1図のl1)は、このローパスフ
ィルタの機能を果たすだけの十分な幅が必要であるが、
一般に9cm以上あればこの機能を果たせることが実験的
に確認できた。阻血嚢210の圧力が心拡張期圧DPに等し
いとき大動脈波と等価な波が得られるのであるから、第
5図(a)に示すように、基準内圧が心拡張期圧DPに達
した点Fで圧力を一定に維持し、点F〜点Gの区間で脈
波を検出すれば、その脈波大動脈波と同等に扱うことが
できるのである。再度の測定では、点J以後の脈波も同
じく大動脈波として扱うことができる。
ここで、阻血嚢210が心拡張期圧DPでないときに(すな
わち、点F〜点G以外の区間)、どのような脈波が得ら
れるかを参考のために述べておく。第7図は、第5図
(a)の点D〜点Hの区間において検出される脈波を示
す図である。図の実線で示す波形が本装置の圧力センサ
120で検出される脈波を示し、破線で示す波形が上腕部
における脈波(第4図の脈波WF)を示す。また、各脈波
の上の符号は、各脈波が第5図のグラフの各点において
検出された脈波であることを示す。符号のついていない
脈波は、これらの中間点において検出された脈波であ
る。このように、点Dから徐々に圧力を減少させてゆく
と、検出される脈波の振幅は次第に大きくなってくる。
そして、点F(〜点G)に到達したときに脈波の振幅は
最大となり、以下脈波の振幅は減少してゆく。点Fにお
ける実線の脈波を破線の脈波と比べてみると、ちようど
高周波成分がカットされていることがわかる。なお、こ
の検出される脈波の振幅と、コロトコフ音の振幅とは必
ずしも比例しないことに注意すべきである。第5図
(a)に示すように、コロトコフ音は点Eにおいてピー
クになるが、第7図に示すように、脈波の方は点Eでは
ピークにはならない。点F〜点Gにおいては、縛帯200
と動脈300との関係が第6図(d)のような状態になっ
ていると考えられる。すなわち、縛帯200の基準内圧と
動脈の心拡張期圧DPとが拮抗しており、脈波が阻血嚢21
0を十分に通過することができ、検出嚢220にも十分な衝
撃を与えることができるのである。縛帯200の圧力がこ
れより高いと、同図(a)〜(c)のように、脈波が阻
血嚢210を十分に通過することができず。検出嚢220には
十分な衝撃が加わらないのである。また、縛帯200の圧
力がこれより低いと、同図(e)のように、検出嚢220
が動脈300から離れてしまうため、脈波が阻血嚢210を十
分に通過したとしても、検出嚢220に十分な衝撃が加わ
らないのである。
以上のようにして、点F〜点Gの間に、圧力センサ120
が検出した脈波がデジタル信号としてCPU130に取り込ま
れる。この装置では、取り込んだ脈波データは、ひとま
ずメモリ160に記憶される。
ところで、CPU130は、点Fに到達したら圧力を一定値に
維持するよう制御するが、実際には点Fに到達したとい
う判断を正確に行うことは困難である。前述のように、
点Fへ到達したという判断は、コロトコフ音が小さくな
り、振幅の変化がなくなったことを検出して行うが、圧
力は一定の速度で減少させているため、CPU130が点Fへ
の到達を認識したときには、実際の圧力はすでに点Fを
通過して更に低くなってしまっているという事態が起き
やすい。そこで本装置では、第5図(a)のグラフのよ
うな圧力制御によって脈波検出を行うという原理には相
違ないものの、実際には第8図(a)のような圧力制御
を行って脈波検出を行っている。すなわち、点Dから点
Fに至るまでは上述の原理どおりに減圧を行ってゆく。
そして、点Fを通過しても更に減圧を続ける。ここで、
コロトコフ音の振幅を絶えずモニターしておき、所定時
間減圧を続けてもコロトコフ音の振幅が変化しなくなっ
たら、そこで減圧をやめ、逆に圧力を増加させてゆく
(点F1)。そして、この点F1におけるコロトコフ音の振
幅Wを記憶しておき、コロトコフ音の振幅がkW(kは所
定の係数、たとえばk=1.5)にまで増加したら、そこ
で(点F2)、圧力を一定に維持するようにする。第8図
(b)は同図(a)の部分Mの拡大図であり、この様子
をより詳しく示している。この拡大図から明らかなよう
に、厳密に言えば、心拡張期圧DPを与える点Fは、コロ
トコフ音の振幅が一定値Wとなるはじめての点F0ではな
く、それより1鼓動分前の点である。この点Fにおける
コロトコフ音の振幅をkWとすれば、k=1.5程度になる
ことが確認できた。したがって、上述のように点F1まで
減圧させたら、逆に圧力を増加させてゆき、コロトコフ
音の振幅が1.5倍になったところ、すなわち点F2を心拡
張期圧DPに等しい点として扱うことができる。もっとも
この係数kの値は患者によってばらつきがあるが、大動
脈波の検出精度としては問題は生じない。
さて、結局上述の測定によって、複数の大動脈波の波形
が測定され、メモリ160に記憶されたことになる。本装
置の特徴は、この複数の大動脈波をプリンタ180に出力
する方法にある。この大動脈波を単独で出力したチャー
トを第9図に示す。このようなチャートからは、その波
形は十分に解析することはできるが、その経時的な変動
は解析することができない。そこで、本装置ではメモリ
160内のデータに基づいて、第10図(a)および(b)
に示すようなチャートをプリンタ180に出力させてい
る。同図(a)は、第9図のチャートの時間軸を圧縮
し、連続して得られた10回分の脈波を並べて表示したも
のである。時間軸が圧縮されているため、個々の脈波の
形状についての解析は困難であるが、経時的な変動につ
いての情報を得ることができる。同図(b)は、本願の
ポイントとなるべき脈波表示である。これは、時間軸を
圧縮せずに、連続して得られた10回分の脈波を重畳して
表示したチャートになっている。10回分の脈波はいずれ
もその立ち上がり時を時間軸0の位置に揃えるようにし
て重畳されている。このように脈波を重畳して表示する
と、脈波の変動を複数のグラフの線の分布幅として視覚
的に認識することができる。本装置では、CPU130、メモ
リ160内に記憶されている10回分の脈波データを読出
し、第10図(a)に示すチャートと同図(b)に示すチ
ャートとを作成し、この双方をプリンタ180に出力させ
ている。
第10図に示すチャートは正常者の大動脈波の波形である
が、疾患者の波形を第11図および第12図に示す。第11図
のチャートは起立性血行障害をもつ若干患者の脈波であ
り、第12図のチャートは循環器系疾患をもつ老齢患者の
脈波である。第11図(b)を見ると、時間軸で0.1秒ほ
どの位置にみられるピーク(心収縮期のピーク)に経時
的な変動がかなりみられる。一方、第12図(b)をみる
と、時間軸で0.5秒ほどの位置にみられる大動脈弁鎖痕
の位置が時間軸に関して変動していることがわかる。こ
のように、本装置による検出結果によれば、脈波の形状
だけでなく、経時的な変動を容易に把握することができ
る。すなわち、本装置は適確な診断のための付加的な情
報を提供することができるのである。なお、第10図〜第
12図に示すチャートでは、脈波をグラフでのみ示してい
るが、各部の圧力値を数値で併記させるようにしてもよ
い。たとえば、10回分の脈波について、心収縮期のピー
ク値の最大値、最小値、平均値などを数値で併記するよ
ようにし、これらが正常な範囲から外れていた場合に
は、何らかの警告マークを付記するようにしてもよい。
〔発明の効果〕
以上のとおり本発明によれば、複数の脈波を重畳して表
示させるようにしたため、脈波の経時的な変動を視覚的
に容易に認識することができるようになる。
また、本発明によれば、上腕部に縛帯を装着することに
より大動脈波を検出できるようにしたため、非観血的に
大動脈波の波形および血圧値の測定、ならびにその変動
を検出することが容易にできるようになる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係る脈波変動検出装置の構
成を示すブロック図、第2図は第1図の装置における縛
帯を上腕部に装着した状態を示す図、第3図は一般的な
大動脈波の波形図、第4図は心臓から末消へ至るまでの
脈波の変形を示す図、第5図は第1図に示す装置による
測定原理を説明するグラフ、第6図は縛帯圧と脈波の通
過状態との関係を示す断面図、第7図は縛帯圧と検出さ
れる脈波との関係を示す波形図、第8図は第1図に示す
装置による実際の測定動作を説明するグラフ、第9図は
第1図に示す装置によって検出した大動脈波を示す波形
図、第10図〜第12図は第1図に示す装置によって出力さ
れる大動脈波のチャートを示す図である。 100……装置本体、101,102……管路、200……縛帯、210
……阻血嚢、220……検出嚢、230……接続路、240,250
……導管、300……動脈、310……脈波、SP……心収縮期
圧、DP……心拡張期圧、K……コロトコフ音波形。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上腕部を阻血するために必要な大きさをも
    った阻血嚢と、この阻血嚢を通過した脈波を、この脈波
    の衝突によって発生する圧力変動として検出するのに適
    した大きさをもった検出嚢と、を有する縛帯と、 前記縛帯の着用によって生じるコロトコフ音を検出する
    音波センサと、 前記検出嚢に生じる圧力変動を検出する圧力センサと、 前記阻血嚢および前記検出嚢の基準内圧を、十分に高い
    値から徐々に減少させてゆき、前記音波センサが検出し
    たコロトコフ音の音量が心拡張期圧を示す値に達した
    ら、前記基準内圧を一定値に維持させる機能を有する圧
    力制御手段と、 前記基準内圧が一定値に維持されている間に、前記圧力
    センサから連続的に得られる圧力変動の波形を、所定数
    記憶するるメモリと、 前記メモリに記憶されている複数の波形を、各波形の立
    ち上がり時点を一致させて重畳する波形重畳手段と、 前記波形重畳手段によって重畳された波形を心臓近傍の
    大動脈波の変動を示す波形として出力する出力装置と、 を備えることを特徴とする脈波変動検出装置。
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