JP5600022B2 - 電子血圧計 - Google Patents

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本発明は、電子血圧計に関し、特に血圧計本体から腕帯部を分離でき、血圧計本体の設置場所が測定者から離れていても、測定者は座位にて背を伸ばして腹圧の掛からない状態で測定が可能なタイプの電子血圧計に関するものである。
近年、医療機関で行われている高血圧治療向けの血圧測定において、白衣性高血圧症による擬似高血圧が問題にされている。この擬似高血圧症の原因としては、病院内での医師の前での緊張、不安等の精神面での不安定が考えられている。これに対して、精神的に安定している家庭にて一人で測定した血圧値に注目が集まっている。このため、この家庭血圧測定に用いる一人で測定するタイプの電子血圧計が注目されている。
このタイプの血圧計で測定上問題となるのが、腕帯部の腕への装着の仕方である。腕帯部内の阻血用空気袋の位置が上腕に対して適当でない場合や、上腕に対して巻き付け強さが適当でない場合に、腕帯部の阻血用空気袋の圧迫が上腕に正しく行われず、血圧が高く測定される場合がある。近年、これを解決するために、筒状の腕帯部に腕を挿入するだけで、自動的に腕帯部の阻血用空気袋を腕の正しい位置に配置し、正しい巻き付け強さにて血圧測定を行うことができるようにした血圧計本体と腕帯部を一体とした電子血圧計が開発されている(特許文献1を参照)。
しかし、使用者が上記血圧計を使用すると、腕を挿入する腕帯部が血圧計本体と一体となっているので、血圧計本体の位置が測定者から離れていた場合には、測定者は前かがみ状態での測定となり易い。このため、測定者の腹部が圧迫されて腹圧が上昇し、その結果、血圧が上昇する現象が見られる場合がある。この血圧上昇を、新たな擬似高血圧症の発生として、指摘されている。
そこで、このような擬似高血圧症の発生という不都合に対応するために、血圧計本体から腕帯部が分離できて、血圧計本体の設置場所が測定者から離れていても、測定者が座位にて背を伸ばした状態で腹圧の掛からない測定をすることが可能なタイプの電子血圧計が開発されている。
腕帯部は内蔵の阻血用空気袋の内圧に相当する応力で腕を圧迫する必要がある。そのためには、阻血用空気袋が膨らみきらない状態にて、腕のラジアル方向の腕周囲の80%以上、スラスト方向は腕周囲長の40%以上の面積に接する必要がある。
腕に腕帯部を装着するだけで、測定前に腕帯部の長さを操作して、腕の太さにあわせて密着させることをせずに測定可能な血圧計の場合、腕サイズ(20〜33cm)のばらつきへの自動的な対応が必要となる。
現在、これらに対応するために、阻血用空気袋の外側に巻きつけたワイヤ−を締めることにより腕に対して自動的に阻血用空気袋を密着させる方法、または、阻血用空気袋の外側に密着用の空気袋を設置し、密着用空気袋を膨らませ阻血用空気袋を腕に密着させる方法、または、大き目の空気袋を大きく膨らませにて空気袋の密着と阻血を1つの空気袋で実現する方法がある。
上記の方法の内、1つの空気袋を大きく膨らませる方法は、構造が簡単である利点を有しているが、反面、空気袋の空気量が他の方法に較べて大きいという問題点を有している。
この問題点により、阻血用空気袋の検出する脈波が小さく、この脈波の変化を利用するオシロメトリック法が採用できず、K音信号を腕帯の下流側で検出するリバロッチ・コロトコフ法、または、血管容積変化を赤外光の吸収減衰で検出する光電容積脈波法、または、血流による血管壁の変化を超音波で検出する超音波法を採用する必要がある。
特開2005―237427号公報
上述した電子血圧計では、血圧測定方式の一例としてリバロッチ・コロトコフ法が用いられ、コロトコフ音(K音)を検出して血圧測定を行う。電子血圧計の腕帯部は、阻血用空気袋を有しており、血圧計本体のポンプからエアーがこの阻血用空気袋内に供給されることで阻血用空気袋が膨張して上腕Tを圧迫する。そして、阻血用空気袋の内圧を一定速度で減圧しながら阻血用空気袋内からエアーを徐々に外へ排気できるようになっている。
阻血用空気袋の一端部には、計測用のマイクロフォンが設けられており、このマイクロフォンが、直接K音信号を検出するようになっている。このK音信号は、阻血用空気袋により血管が圧閉された後に阻血用空気袋内を減圧することで、血管内の最高血圧より阻血用空気袋の内圧が小さくなると血管が開放されて発生し、音色を変化させながら、血管の圧閉がなくなるまで、すなわち、最高血圧時から最低血圧時まで血管に血液が流れる際に生じる音信号である。
ここで、上述したように、阻血用空気袋の一端部にK音センサが設けられている構造を採用しているので、測定者が上腕を腕帯部に対して正常な方向に挿入し、K音センサが阻血用空気袋の一端部(手指側の端部)に配置できれば、減圧中においては最高血圧でK音が聞こえ始め、最低血圧においてK音が消失するといった聴診により聞こえる音(血管音)をK音信号として捉えることが可能となり、正常な血圧測定が行える。
ところが、測定者が上腕を腕帯部に対して正常な方向とは逆方向に誤って挿入し、K音センサが阻血用空気袋の一端部(肩側の端部)に配置されると、K音信号を正確に捉えることが不可能となり、正しく血圧測定を行うことができない。
そこで、上記課題を解消するために、本発明は、測定者が腕帯部を上腕に対して逆方向に誤って通していることを判定でき、正しく血圧測定を行うことができるとともに、製造コストも抑制できる電子血圧計を提供することを目的とする。
本発明の電子血圧計は、上腕に通して加圧可能な筒状の腕帯部と、該腕帯部と別体に形成された血圧計本体とを有し、前記腕帯部は、空気を供給することで前記上腕を加圧可能な阻血用空気袋と、前記阻血用空気袋の内側であって前記阻血用空気袋の一端部側に配置され、前記阻血用空気袋の空気容量よりも小さい空気容量を有する複数のK音検出用空気袋とを有し、前記阻血用空気袋内に空気を供給して昇圧する際に前記阻血用空気袋内の空気の圧力変動を検知する圧力センサと、前記阻血用空気袋が前記上腕を加圧して動脈の血管内の血流を止めた後に減圧し、再び血流が流れる時に生じる前記K音検出用空気袋内のK音信号を検知するK音センサと、前記圧力センサと前記K音センサから得られる信号の相関が低い場合には、前記上腕が前記腕帯部に対して逆挿入されたと判定する制御部と、を有することを特徴とする。
上記構成によれば、測定者が腕帯部を上腕に対して逆方向に誤って通していることを判定でき、正しく血圧測定を行うことができるとともに、製造コストも抑制できる。すなわち、血圧測定に利用される圧力センサとK音センサから前記上腕の挿入方向が判定可能となり、逆挿入されていることを判定するために新たにセンサを設ける必要がないためコストダウンが図れる。
好ましくは、前記K音センサは、前記K音検出用空気袋に対して、チューブにより前記血圧計本体にあるコンデンサマイクロフォンに接続されていることを特徴とする。
好ましくは、前記阻血用空気袋と前記K音検出用空気袋の間にはバッキングが付けられていることを特徴とする。
上記構成によれば、人体からの振動をK音検出用空気袋がK音センサに効率よく伝えるための工夫であり、これによりK音検出をより正確に行うことができる。
また、本発明の電子血圧計は、上腕に通して加圧可能な筒状の腕帯部と、該腕帯部と別体に形成された血圧計本体とを有し、前記腕帯部は、空気を供給することで前記上腕を加圧可能な阻血用空気袋と、前記阻血用空気袋の内側であって前記阻血用空気袋の一端部側に配置され、前記阻血用空気袋の空気容量よりも小さい空気容量を有する複数のK音検出用空気袋とを有し、前記阻血用空気袋が前記上腕を加圧して動脈の血管内の血流を止めた後に減圧し、再び血流が流れる時に生じる前記K音検出用空気袋内の空気の変動を検知するK音センサと、前記阻血用空気袋内の空気を抜いて減圧を開始して、前記K音センサから得られる前記K音検出用空気袋内の空気の圧力変動の信号から高周波成分信号を抽出し、減圧開始直後に前記K音センサから得られるK音信号が予め設定した閾値を越える場合に前記上腕が前記腕帯部に対して逆挿入されたと判定する制御部とを有することを特徴とする。
上記構成によれば、測定者が腕帯部を上腕に対して逆方向に誤って通していることを判定でき、正しく血圧測定を行うことができるとともに、K音計測用のK音検出用空気袋の信号から挿入方向を判定可能であることから、挿入方向を判定するための専用の計測環境を必要としないため、コスト抑制できる
さらに、加圧中において、前記圧力センサにより得られる圧力信号の最大振幅後における前記K音センサで検知されたK音信号の有無から、前記上腕の前記腕帯部に対する挿入方向を判定する制御部を有することを特徴とする。
本発明によれば、腕に通すだけで測定可能な空気容量の大きな阻血用空気袋をもちいた血圧計であって、測定者が腕帯部を上腕に対して逆方向に誤って通していることを判定でき、正しく血圧測定を行うことができるとともに、K音計測用のK音検出用空気袋の信号から前記上腕の挿入方向を判定可能であることから、挿入方向を判定するための新たにセンサを設ける必要がないために、コスト抑制できる電子血圧計を提供することができる。
本発明の電子血圧計の好ましい実施形態1を前側から示す斜視図である。 電子血圧計の腕帯部の分解斜視図である。 電子血圧計の腕帯部の内部構造を示す断面図である。 外布の内側に配置された骨部材の形状例を示す図である。 骨部材を有する腕帯部を示す側面図である。 図6(A)は、外布と阻血用空気袋のユニットUTを示す斜視図であり、図6(B)は、このユニットUTを別の方向から見た斜視図であり、図6(C)は、ユニットUTを折りたたんだ状態を示す斜視図である。 図7(A)は、阻血用空気袋と2つのK音検出用空気袋を示す斜視図であり、図7(B)は、阻血用空気袋と外布と内布カバーと、2つのK音検出用空気袋を示す図である。 阻血用空気袋を形成するシート例を示す図である。 K音検出用空気袋を示す図である。 阻血用空気袋とK音検出用空気袋と、ポンプと、K音センサ等の接続関係を示すブロック図である。 電子血圧計のブロック構成図である。 本発明の別の実施形態を示す図である。 図13(A)は、正常な挿入の場合における阻血用空気袋からの低周波成分信号ZSと、K音検出用空気袋から得られる低周波成分信号ZTの例を示し、図13(B)は、逆挿入の場合における阻血用空気袋からの低周波成分信号ZS1と、K音検出用空気袋から得られる低周波成分信号ZT1の例を示している。 阻血用空気袋とK音検出用空気袋に空気を供給して昇圧してから正常な挿入であるか逆挿入であるかを判定する処理を示すフロー図である。 本発明の実施形態2における阻血用空気袋とK音検出用空気袋と、ポンプと、K音センサ等の接続関係を示すブロック図である。 図16(A)は、上腕Tが腕帯部に正常に挿入されている場合の減圧中のK音検出用空気袋からの低周波成分信号ZGを示し、図16(B)は、上腕Tが腕帯部に逆に挿入されている場合の減圧中のK音検出用空気袋からの低周波成分信号ZHを示している。 本発明の実施形態2における減圧開始から上腕Tが腕帯部に正常に挿入されているか逆に挿入されているかを判定する処理を示すフロー図である。 本発明の実施形態3を示す図である。 本発明の実施形態3を示すフロー図である。 本発明の実施形態4を示す図である。
以下に、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して詳しく説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の電子血圧計の好ましい実施形態を前側から示す斜視図であり、図2は、この電子血圧計の腕帯部の分解斜視図である。図3は、電子血圧計の腕帯部の内部構造を示す断面図である。
図1に示す電子血圧計1は、自動電子血圧計ともいい、血圧計本体10から腕帯部2を分離でき、血圧計本体10の設置場所が測定者から離れていても、測定者は座位にて背を伸ばして腹圧の掛からない状態で測定が可能なタイプの電子血圧計である。この電子血圧計1は、血圧測定方式の一例としてリバロッチ・コロトコフ法が用いられ、コロトコフ音(K音)を検出して血圧測定を行う装置である。図1に示すように、電子血圧計1は、変形可能で柔らかな材質で作られソフトな筒体の腕帯部2と、血圧計本体10を備える。腕帯部2と血圧計本体10は別体である。
図3に示すように、この電子血圧計1は、測定者の上腕Tを腕帯部2の挿入開口11Rから挿入開口11Pにかけて、D1方向に沿って挿入して血圧を測定する血圧計である。図1に示すように、腕帯部2の阻血用空気袋14への給排気用のエアー導管としてのチューブ4と、K音信号を検出する2つのK音検出用空気袋500に接続した用のエアー導管としてのチューブ4Pとを併設した複胴管(複導管ともいう)のエラストマーチューブにより、血圧計本体10と脱着可能なエアーコネクタ4Qを介して血圧計本体10と腕帯部2が接続されている。腕帯部2の阻血用空気袋14は、チューブ4を通じて、血圧計本体10のポンプ44,45側に接続されている。腕帯部2の2つのK音検出用空気袋500は、別のチューブ4Pを通じて、血圧計本体10のポンプ44,45側に接続されている。
まず、図1を参照して、血圧計本体10の構造について説明する。
図1に示すように、血圧計本体10は、ケーシング30と表示部31を有している。ケーシング30は、例えばプラスチック製の薄型の内部空間を有する部材であり、傾斜した上面部32と、前端面部33と後端面部34と、側面部35,36と、底面部42を有している。
図1に示すように、ケーシング30の上面部32には、傾斜した表示部31が配置されており、測定者が表示部31の表示内容を容易に確認できるようになっている。ケーシング30には、測定開始操作部の一例としての開始/停止ボタン37と、メモリ呼び出し・時刻・アラーム設定ボタン38と、記憶しないボタン39が設けられている。測定者が開始/停止ボタン37を押すことで、血圧測定操作の開始あるいは停止をするためのボタンである。
図1において、時刻を設定する場合には、例えば、メモリ呼び出し・時刻・アラーム設定ボタン38と記憶しないボタン39を同時に長押しすることで、操作・設定・入力機能として作用させることにより、表示部31には時刻設定画面が表示され、時刻設定画面に表示されている時刻は、メモリ呼び出し・時刻・アラーム設定ボタン38で選択しながら設定することができる。
また、図1において、例えばメモリ呼び出し・時刻・アラーム設定ボタン38を押すことにより、過去の例えば100件の血圧測定記録を表示部31に表示できる。表示部31に表示される各件の最高血圧値、最低血圧値、脈拍数、日時が、メモリ呼び出し・時刻・アラーム設定ボタン38を押す毎に順番に表示できる。記憶しないボタン39は、例えば測定者が、最高血圧値と最低血圧値と脈拍値および脈圧をメモリ部69に記憶しない場合だけ押すためのボタンである。
表示部31がX方向に沿って配置されている。この表示部31は、例えば液晶表示装置を用いることができ、一例として図1に示すように、表示部31は、最高血圧値、最低血圧値、脈拍数、脈圧、測定動作中の表示マーク、電池交換の表示マーク等の各種の測定値等を表示することができる。
図1に示すように、測定者が血圧計本体10を持ち易いようにするために、側面部35,36は曲面状に形成されている。メモリ呼び出し・時刻・アラーム設定ボタン38と記憶しないボタン39は、上面部32の表示部31の付近に配置されている。図1に示すように、ケーシング30の内部には、K音センサ600と、スピーカ43と、2つのポンプ44,45と、排気バルブ46と、制御バルブ47と、制御システムを含む回路基板48と、メモリ部69が配置されている。スピーカ43は、音声によるガイドや音楽によるガイドを出力するために設けられている。図面では、K音センサ600の一例としてコンデンサマイクロフォンを示している。
次に、図1〜図3を参照して、腕帯部2の構造について説明する。
図1に示すように、腕帯部2は、血圧測定時に測定者の上腕Tを開口部11RからD1方向に挿入して開口部11Pから出した状態で圧迫するために、上腕Tを差し込むことが可能な両端部が切れた略円筒状構造(筒体)を有している。これにより、この腕帯部2は、通常の腕帯部と異なり測定者の上腕Tに対して巻き付ける必要が無く、左右のいずれの上腕Tへの挿入が可能で、測定者は容易に血圧測定ができる。
図2と図3に示すように、腕帯部2は、変形可能でソフトな筒体であり、軽量に作られている。この腕帯部2は、阻血用空気袋(大カフあるいは大バッグともいう)14と、外布16と、内布17を有している。外布16は外布カバーともいい、内布17は内布カバーともいう。外布16と外布17は、共に好ましくは筒状の部材(筒体)である。
外布16の内側面は、阻血用空気袋14の外側面を覆うことができ、内布17は、阻血用空気袋14の内側面を覆っている。
ここで、内布17としては伸縮性に富んだ物を使用し、外布16は変形するが、内布17よりの伸縮性が低く、好ましくは殆ど伸縮しない物を用いることが好ましい。外布16と内布17は、共に筒状の部材(筒体)である。これにより、腕帯部2は軽量で折り畳み可能である。つまり、人体の測定部位に当接する当接布部である内布17が伸縮性を備えているために、上腕の測定部位を挿入しやすい。外布16は、内布17よりも伸縮性は低いが、変形は許容する構成である。このため、折り畳むこともできることで、使いやすくコンパクトな腕帯部2を有する電子血圧計1を提供できる。
外布16、阻血用空気袋14を収容するように当接布部である内布17の外側に接合され、外布16は、変形可能であるが伸縮性が非常に低いかほとんど無い布部材である例えば伸びにくい生地(201BE)を採用でき、引張強度は、JIS L1096−A法で測定した値として、タテが1445N/inで、ヨコが827N/inである。外布16としては、例えば、ポリエステル100%の生地を用いることができる。
内布17は、阻血用空気袋14の内面を覆う筒体でなり変形可能で伸縮性を有し、上腕Tの被測定面に当接する当接布部である。内布17は、弾性を備えていてしかも伸縮性を有する布部材である例えば伸びやすい生地を採用でき、引張強度は、JIS L1096−A法で測定した値として、タテが94.9N/inで、ヨコが150.7N/inである。引張伸度は、JIS L1096−A法で測定した値として、タテが517%で、ヨコが400%である。内布としては、例えば、ナイロン80%、ポリウレタン20%の生地である。
図1に示す外布16は、阻血用空気袋14の外側に配置され、内布17は、阻血用空気袋14の内側に配置されている。外布16と内布17は、両側の接合部分77により接合され、外布16と内布17で形成された空間内には阻血用空気袋14が収容されている。両側の接合部分77は、糸を用いた縫い合わせや、高周波融着、接着剤を用いた接着などにより形成されている。
また、図3に示すように、外側部材である外布16の上腕を通す方向D1に沿った幅Sから、阻血用空気袋14の上腕を通す方向D1に沿った幅Wを引いた値は、好ましくは4cm以下である。このように、(幅S−幅W)の値を4cm以下に設定するのは、阻血用空気袋14は、外布16に対して止めておらず、外布16の寸法に余裕を持たせて、阻血用空気袋14の膨張と収縮に対応できるようにするためである。もしも、(幅S−幅W)の値が4cmを超えると、阻血用空気袋の外側への膨らみが規制されず、細い腕の場合に十分な阻血が行えず好ましくはない。
例えば、図1に示すように左腕の上腕TにD1方向より挿入し、あるいは逆方向に腕帯部2を外す動作は、右手で腕帯部2を持って行うことができる。また、右腕の上腕Tを腕帯部2のD1方向から挿入し、あるいは逆方向に腕帯部2を外す動作は、左手でこの腕帯部2を持って行うことができる。これにより、測定者は左右いずれの上腕Tに対しても、腕帯部2の装着動作あるいは取り外し動作を容易に行うことができる。
図1に示す阻血用空気袋14は、血圧計本体10のポンプ44,45からチューブ4を通じて供給されるエアーにより膨張することで上腕Tを圧迫して、阻血用空気袋14は、例えば、塩化ビニル,ポリウレタン、合成ゴム,天然ゴム等の材質で形成されている。阻血用空気袋14内へは、図1に示す血圧計本体10内の破線で示すポンプ44,45の作動により、チューブ4を通じてエアーを供給されることにより膨張することで上腕Tを圧迫する。阻血用空気袋14の内圧を一定速度で減圧するため、制御バルブ47により阻血用空気袋14内からエアーを徐々に外へ排気でき、測定を終了したときに、排気バルブ46により阻血用空気袋14内からエアーを外へ急排気できる。この阻血用空気袋14の詳しい構造については、後で説明する。
次に、図4と図5を参照して、外布16の内側に配置された骨部材150について説明する。
図4は、外布16の内側に配置された骨部材150の形状例を示し、図5は、骨部材150を有する腕帯部2を示す側面図である。
図4に示すように外布16の内面16Nには、骨部材150が例えば接着剤により固定されている。この骨部材150は、金属製品あるいはプラスチック成型品であり、外布16の長手方向16Sに沿って配置されており、骨部材150は、複数本の骨150Hを有している。各骨150Hは、外布16の短手方向16Tに平行になるように同じ間隔をおいて配列されている。各骨150Hは、断面円形状あるいは断面矩形形状であるが、断面形状や本数は特に限定されない。
このように、外布16の内面16Nに骨部材150が配置されていることにより、ソフトな腕帯部2であっても、阻血用空気袋14内に空気が充填された時に、阻血用空気袋14と外布16が長手方向16Sに沿って膨らんでしまうことがない。このため、阻血用空気袋が硬質の筒体内に配置されている腕帯部と同様にして、測定者は上腕による血圧測定を安定して確実に行うことができる。図6と図7には、阻血用空気袋14とK音検出用空気袋500の形状例を示している。
ここで、阻血用空気袋14とK音検出用空気袋500の構造例を説明する。
図8は、阻血用空気袋14を形成するためのシート例を示している。
まず、阻血用空気袋14の構造を説明すると、図8に示すシートSWは、ほぼ長方形状の例えば透明のプラスチックシートであり、一例としてポリウレタンシートにより形成されている。このシートSWは、フィルタ付き接続管220、コードフック221、4つの折れ線部分(折り曲げ部分の一例)222、接合部分223,224を有している。
図8に示すように、シートSWの内部、すなわち阻血用空気袋14の内部には、阻血用空気袋14を構成するシートSW内の空気容量をできるだけ少なくしてポンプ44,45から供給するべきエアーの量を減らすために、シートSWの内部には、伸縮可能なクッション材240が配置されている。
図2に示すように、阻血用空気袋14は空気をいれて膨張させたときに均等に4つの部分に分かれて膨らむように、折れ線部分222(阻血用空気袋を高周波融着電極で挟んで肉厚の薄い部分を作る)を有し、クッション材240とK音検出用空気袋500は、複数の折れ線部分222の間に配置されている。
図9は、このK音検出用空気袋500の構造例を拡大して示しており、複数のK音検出用空気袋500が、阻血用空気袋14の内面部分14F、14Gに配置され、しかもK音検出用空気袋500が上腕Tの動脈の下流側(すなわち、肩寄りの側ではなく手指寄りの側)に配置されている。K音検出用空気袋500は、測定者の上腕Tの被測定面HMに密着して上腕Tの動脈に対応させるようになっている。
図9に示すように、K音検出用空気袋500の材質は、例えば阻血用空気袋14と同じ材質のものを使用でき、K音検出用空気袋500は長方形状を有している。K音検出用空気袋500の4つの辺部分501,502,503,504は、例えば融着により密閉されており、空気収容部509を有する。辺部分501には、チューブ4Pの一端部506が挿入して固定されている。チューブ4Pの他端部507は、K音センサ600に接続されている。チューブ4Pは、チューブ4Rとメカニカルフィルタ700と配管路63を介して、ポンプ44,45に接続されている。
ポンプ44,45からK音検出用空気袋500に対して空気を供給すると、K音検出用空気袋500内の空気が動脈の動きを空気振動に変えてチューブ4Pを通じて、K音センサ600に伝えることができる。K音センサ600はこの空気振動を電気信号に変換してK音信号を得ることができる。K音センサ600とポンプ44,45は、血圧計本体10側に配置されており、チューブ4Pは、図1に示すように、有線3とチューブ4とともに、腕帯部2側から血圧計本体10側に接続されている。
このように、阻血用空気袋14とポンプ44,45は、チューブ4により接続されているが、2つのK音検出用空気袋500とK音センサ600とポンプ44,45は、チューブ4とは別のチューブ4Pにより接続されている。また、阻血用空気袋14とK音検出用空気袋500の間にはバッキングが付けられている。これは、人体からの振動をK音検出用空気袋500がK音センサ600に効率よく伝えるための工夫であり、これによりK音検出をより正確に行うことができる。
次に、図10を参照して、上述した阻血用空気袋14とK音検出用空気袋500と、ポンプ44,45と、K音センサ600等の接続関係を説明する。
図10に示すように、コロトコフ音(K音)検出システム50は、腕帯部2の2つのK音検出用空気袋500と、1つのK音センサ600と、メカニカルフィルタ700を有している。2つのK音検出用空気袋500は、チューブ4Pを介して1つのK音センサ600に接続されており、K音検出用空気袋500内の空気の圧力変動は、K音検出用空気袋500からチューブ4Pを通じてK音センサ600に伝わるようになっている。K音センサ600は、チューブ4Rを介してメカニカルフィルタ700に接続されている。このメカニカルフィルタ700は、圧力センサ64と、ポンプ44,45と、排気バルブ46、制御バルブ47に対して、配管部63を介して接続されている。
図10のメカニカルフィルタ700は、排気バルブ46の制御音と制御バルブ47の制御音と、ポンプ44,45の3気筒のポンプ室により生じる脈動を排除して、コンデンサマイクロフォン600の検出信号に影響を与えないようにするためと、加圧時に測定に必要なわずかな空気を挿入するために配置されている。2つのK音検出用空気袋500は、上腕Tの動脈に近い位置と遠い位置に配置することができる。
次に、図11は、図1の電子血圧計1のブロック構成図である。
図11に示す電子血圧計1の回路ブロックを説明する。電子血圧計1の回路ブロックを示している。電子血圧計1の回路ブロックの破線で示すように、血圧計本体10は、図10に示すコロトコフ音(K音)検出システム50と、加圧システム51と、排気システム52と、圧力検出システム53と、電源システム54と、音声システム55と、制御システム56を有する。
制御システム56は、表示部31の駆動部58と、タイマ59と、メモリ部69等を有する。表示部31の駆動部58は、表示部31を駆動制御して表示すべき項目を表示させる。メモリ部69は、制御システム56のCPU(中央処理部)により処理すべきプログラムが記憶されているROM(読み出し専用メモリ)である。タイマ59は、各種の動作の時間のカウントを行う。操作部57は、制御システム56に電気的に接続されており、すでに説明した開始/停止ボタン37と、音量ボタン38と、モード選択ボタン39を有している。
図11のコロトコフ音(K音)検出システム50は、すでに図10を参照して説明しているが、腕帯部2の2つのK音検出用空気袋500と、K音センサ600と、メカニカルフィルタ700を有している。2つのK音検出用空気袋500は、チューブ4Pを介してK音センサ600に接続されており、K音検出用空気袋500内の空気の圧力変動は、K音検出用空気袋500からチューブ4Pを通じてK音センサ600に伝わる。K音センサ600は、チューブ4Rを介してメカニカルフィルタ700に接続されている。メカニカルフィルタ700は、圧力センサ64と、ポンプ44,45と、排気バルブ46、制御バルブ47に配管部63を介して接続されている。
K音センサ600は、制御システム56に電気的に接続されており、K音センサ600は、K音検出用空気袋500内の空気の圧力変動を電気信号に変えて、制御システム56に対して空気圧力変動信号を供給するようになっている。
図11に示す圧力検出システム53は、配管部63と、圧力センサ64と、チューブ4により構成されている。圧力センサ64は、アンプ、フィルタ、積分A/D部65を介して制御システム56に電気的に接続されている。
図11の制御システム56は、K音センサ600から入力された空気圧力変動信号から、K音信号と、このK音信号の発生ポイントと、消滅ポイントを検出する。このように、電子血圧計1では、腕帯部2内をポンプ44,45で加圧した後、微速度で排気して減圧しつつ圧力センサ64を用いて腕帯部2の阻血用空気袋14内の圧力を検出すると同時に、K音センサ600を用いてK音信号を検出して、このK音信号の発生ポイントと消滅ポイントを検出することで、最高血圧値と最低血圧値を算出して、算出した最高血圧値と最低血圧値を表示部31に表示できる。制御部としての制御システム56は、加圧して血管内の血流を止めた後に減圧し、再び血流が流れる時の最初のK音信号が検出された時点の圧力を最高血圧値に設定し、更に減圧を続けて血管の管路断面積が十分に拡がり、さらに、阻血用空気袋の圧力が最低血圧以下になると血管の圧閉が消失するとK音信号が検出されなくなったら、最後のK音信号が検出された時点の圧力を最低血圧値に設定する。また、制御システム56は、最高血圧値と最低血圧値から得られる血管脈動またはK音信号の出現間隔から脈拍数を演算する。
加圧システム51は、ポンプ44,45と、ポンプの駆動部62を有する。制御システム56の指令により、駆動部62は、ポンプ44,45を駆動制御する。ポンプ44,45は、圧力検出システム53の配管部63を通じて腕帯部2の阻血用空気袋内に接続されている。
次に、排気システム52について説明する。排気システム52は、2つの駆動部66,67と、排気バルブ(強制排気部)46と、制御バルブ(減圧制御部)47を有する。排気バルブ46と制御バルブ47は配管部63の途中に配置されている。制御システム56が駆動部66に指令をすることで、排気バルブ46の開閉を行い、制御システム56が駆動部67に指令をすることで、制御バルブ47の開閉を行う。
電源システム54は、電池68と、電源コントロール部69Cと、電源監視部70を有する。電池68は、繰り返して充電可能な例えばリチウムイオン電池であるが、特に種類は限定されず、乾電池等でも良い。電池68の電圧は、電源コントロール部69Cにより制御されて制御システム56に供給されるとともに、ポンプ44,45の駆動電源、音声制御部71へ供給する電源でもある。電源監視部70は、電池68の残量等の監視を行う。また、ACアダプタを用いることで100Vの商用電源を用いることができる。
音声システム55は、音声制御部71と、増幅部72を有している。音声制御部71と増幅部72は、制御システム56からの指令により制御される。音声制御部71は、制御システム56の指令により、音声によるガイダンスデータもしくは音楽データを増幅部72に送って増幅することで、スピーカ43は音声によるガイド用のアナウンスと音楽によるガイド用のアナウンスを発生することができる。
次に、図13と図14を参照して、測定者が上腕Tを腕帯部2に正常な方向に沿ってD1方向に挿入した場合(正常な挿入)と、測定者が上腕Tを腕帯部2に正常な方向とは逆の方向に沿ってD2方向に挿入した場合(逆挿入)の判定処理について説明する。
図13(A)は、正常な挿入の場合における阻血用空気袋14からの低周波成分信号(0.5〜3Hz)ZSと、K音検出用空気袋500から得られる低周波成分信号(0.5〜3Hz)ZTの例を示す。図13(B)は、逆挿入の場合における阻血用空気袋14からの低周波成分信号(0.5〜3Hz)ZS1と、K音検出用空気袋500から得られる低周波成分信号(0.5〜3Hz)ZT1の例を示す。
図14は、阻血用空気袋14とK音検出用空気袋500に空気を供給して昇圧してから正常な挿入であるか逆挿入であるかを判定する処理を示すフロー図である。
図13(A)に示す正常な挿入の場合には、阻血用空気袋14昇圧中における阻血用空気袋14からの低周波成分信号ZSは、閾値Aを超える時点から閾値Aを下回る時点までに複数点ピークが計測され、各ピーク点を結んだ線は最高値V1を有する波形となる。このため、低周波成分信号ZSの形成の傾向としては、上昇線RX1と下降線RX2を描くことができ、上昇線RX1と下降線RX2は山形を形成している。また、図13(A)に示すように、K音検出用空気袋500から得られる低周波成分信号ZTは、閾値Bを超える時点から閾値Bを下回る時点までに複数点ピークが計測され、各ピーク点を結んだ線は最高値V2を有する波形となる。このため、低周波成分信号ZTの形成の傾向としては、上昇線RY1と下降線RY2を描くことができ、上昇線RY1と下降線RY2は山形を形成している。
これに対して、図13(B)に示す逆挿入の場合には、阻血用空気袋14からの低周波成分信号ZS1は、阻血用空気袋14内を昇圧中に、閾値Aを超える時点から閾値Aを下回る時点までに複数点ピークが計測され、各ピーク点を結んだ線は最高値V3を有する波形となる。このため、低周波成分信号ZS1の形成の傾向としては、上昇線RX3と下降線RX4を描くことができ、上昇線RX1と下降線RX2は山形を形成している。また、図13(B)に示すように、K音検出用空気袋500から得られる低周波成分信号ZT1は、昇圧中に閾値Bを超える時点から閾値Bを下回る時点までに複数点ピークが計測され、各ピーク点を結んだ線は最高値を有しない右上がりの波形となる。このため、K音検出用空気袋500からの低周波成分信号ZT1の形成の傾向としては、右上がりの上昇線RY3だけを描くことができる。
そこで、図14を参照して、阻血用空気袋14とK音検出用空気袋500に空気を供給して昇圧してから、正常な挿入であるか逆挿入であるかを判定する処理を説明する。
図14のステップS0において、図10に示すように、ポンプ44,45が阻血用空気袋14内とK音検出用空気袋500内に対して空気を供給して阻血用空気袋14内とK音検出用空気袋500内の昇圧を開始する。
ステップS1では、制御システム56は、阻血用空気袋14による信号の計測を開始して、ステップS2では、図10に示す阻血用空気袋14内の空気の圧力変動は、圧力センサ64により計測される。この圧力変動信号に対してデジタルフィルタ処理を施し、図13(A)に示す阻血用空気袋14からの低周波成分信号ZSあるいは図13(B)に示す阻血用空気袋14からの低周波成分信号ZS1を抽出する。
ステップS3では、図13(A)に示す阻血用空気袋14からの低周波成分信号ZSでは、閾値Aを超える時点から閾値Aを下回る時点までに複数点ピークが計測され、各ピーク点を結んだ線は最高値V1を有する波形(RX1とRX2)となる。同様にして、図13(B)に示す阻血用空気袋14からの低周波成分信号ZS1では、閾値Aを超える時点から閾値Aを下回る時点までに複数点ピークが計測され、各ピーク点を結んだ線は最高値V3を有する波形(RX3とRX4)となる。
一方、ステップS1〜ステップS3の処理と同時に、ステップS4〜ステップS6を行い、ステップS4では、図10の制御システム56は、K音検出用空気袋500による信号の計測を開始して、ステップS5では、K音検出用空気袋500内の空気の圧力変動は、K音検出用空気袋500からチューブ4Pを通じて、K音センサ600に伝わる。K音センサ600は、制御システム56に対して空気変動信号を供給し、この空気変動信号からは、デジタルフィルタにより、図13(A)に示すK音検出用空気袋500からの低周波成分信号ZTあるいは図13(B)に示すK音検出用空気袋500からの低周波成分信号ZT1を抽出する。
ステップS6では、図13(A)に示すK音検出用空気袋500からの低周波成分信号ZTでは、閾値Bを超える時点から閾値Bを下回る時点までに複数点ピークが計測され、各ピーク点を結んだ線は最高値V2を有する波形(RY1とRY2)となる。しかし、図13(B)に示すK音検出用空気袋500からの低周波成分信号ZT1では、閾値Bを超える時点から閾値Bを下回る時点までに複数点ピークが計測され、各ピーク点を結んだ線は最高値を有しない右上がりの波形(RY3)となる。
次に、ステップS7では、阻血用空気袋14とK音検出用空気袋500において計測される信号の相関を計算する。すなわち、図13(A)に示すように上腕Tが腕帯部2に正常に挿入されている場合には、阻血用空気袋14からの低周波成分信号ZSとK音検出用空気袋500からの低周波成分信号ZTの間の関係は、相関が高いと言える(RX1とRX2、RY1とRY2は共に山型に変化)。しかし、図13(B)に示すように上腕Tが腕帯部2に逆挿入されている場合には、阻血用空気袋14からの低周波成分信号ZS1とK音検出用空気袋500からの低周波成分信号ZT1の間の関係は、相関が低いと言える(RY1とRY2が山型の変化であるのに対し、RY3は右肩上がり)。
そこで、ステップS8において、図10の制御システム56が、図13(B)に示すように阻血用空気袋14からの低周波成分信号ZS1とK音検出用空気袋500からの低周波成分信号ZT1の間の相関が低いと判断すると、ステップS9において、上腕Tが腕帯部2に逆挿入されている判定して、図10に示す制御システム56は、ポンプ44,45の動作を緊急停止して、表示部31において「腕帯部が逆挿入されています」といったエラー表示するとともに、音声システム55を介してスピーカ43から音声で「腕帯部が逆挿入されています」とガイダンスするとともに緊急排気が行われる。
また、ステップS10において、図10の制御システム56が、阻血用空気袋14からの低周波成分信号ZS1とK音検出用空気袋500からの低周波成分信号ZT1の間の相関が高いと判断すると、ステップS11において、上腕Tが腕帯部2に正常に挿入されているとして、図10に示す制御システム56は、例えば好ましくは表示部31において「腕帯部が正常に挿入されています」といった表示するとともに、音声システム55を介してスピーカ43から音声で「腕帯部が正常に挿入されています」とガイダンスすることができる。そして、制御システム56は、図11に示すポンプ44,45と排気バルブ46と制御バルブ47を制御して、減圧過程に移る。
このように、電子血圧計1は、阻血用空気袋内に空気を供給して昇圧する際に阻血用空気袋内の空気の圧力変動を検知する圧力センサと、阻血用空気袋が上腕を加圧して動脈の血管内の血流を止めた後に減圧し、再び血流が流れる時に生じるK音検出用空気袋内の空気の変動を検知するK音センサとを備えている。そして、制御システム56は、阻血用空気袋内を昇圧する際に圧力センサから得られる空気の圧力変動から低周波成分信号を抽出し、阻血用空気袋内に空気を供給して昇圧をする際にK音センサから得られるK音検出用空気袋内の空気の圧力変動の低周波成分信号を抽出し、圧力センサの低周波成分信号の変動(第一変動値)とK音センサの低周波成分信号の変動(第二変動値)を得て、第一変動値と第二変動値の相関が低い場合には腕帯部が上腕に対して逆挿入されたと判定することができる。すなわち、図13に示すように昇圧中の阻血用空気袋14からの低周波成分信号とK音検出用空気袋500からの低周波成分信号の変動の相関から、上腕Tが腕帯部2に正常に挿入されているか上腕Tが腕帯部2に逆に挿入されているかを確実に判定することができる。
(実施形態2)
次に、図15と図16を参照して、本発明の実施形態2を説明する。
図10と図13と図14に示す本発明の実施形態1では、昇圧中の阻血用空気袋14からの低周波成分信号とK音検出用空気袋500からの低周波成分信号の変動の相関から、図10の制御システム56は上腕Tが腕帯部2に正常に挿入されているか上腕Tが腕帯部2に逆に挿入されているかを確実に判定することができる。
これに対して、図15〜図17に示す本発明の実施形態2では、図15の制御システム56は、昇圧が終了して減圧中のK音検出用空気袋500からの高周波成分信号ZG、ZHから、上腕Tが腕帯部2に正常に挿入されているか上腕Tが腕帯部2に逆に挿入されているかを確実に判定することができる。
図15は、本発明の実施形態2における阻血用空気袋とK音検出用空気袋と、ポンプと、K音センサ等の接続関係を示すブロック図である。
図16(A)は、上腕Tが腕帯部2に正常に挿入されている場合に、減圧中のK音検出用空気袋500から得られる高周波成分信号ZGを示し、図16(B)は、上腕Tが腕帯部2に逆に挿入されている場合に、減圧中のK音検出用空気袋500から得られる高周波成分信号ZHを示している。図17は、図15の制御システム56が、減圧開始から上腕Tが腕帯部2に正常に挿入されているか逆に挿入されているかを判定する処理を示すフロー図である。
図17のステップS20において、K音検出用空気袋500内の減圧を開始して、ステップS21では、図15の制御システム56は、K音検出用空気袋500からの信号計測を開始する。ステップS22では、K音検出用空気袋500内の空気の圧力変動は、K音検出用空気袋500からチューブ4Pを通じて、K音センサ600に伝わる。K音センサ600は、制御システム56に対して空気変動信号を供給し、この空気変動信号からは、デジタルフィルタにより、図16(A)に示すK音検出用空気袋500からの高周波成分信号ZG(40〜80Hz)あるいは図16(B)に示すK音検出用空気袋500からの高周波成分信号ZH(40〜80Hz)を抽出する。
ステップS23では、図16(A)に示すK音検出用空気袋500からの高周波成分信号ZGあるいは図16(B)に示すK音検出用空気袋500からの高周波成分信号ZHにおいて、閾値Cを越える信号KKの観測を行う。ステップS24では、図15の制御システム56は、ステップS20において減圧を開始した直後(例えば数秒以内の期間TL)に、図16(B)に示すような閾値Cを越える信号KKが有るか、図16(A)に示すように閾値Cを越える信号KKが無いかを検証する。
図16のステップS25では、図15の制御システム56は、図16(B)に示すような閾値Cを越える信号KKが有ると判断すると、ステップS26では、上腕Tが腕帯部2に逆に挿入されていると判定する。また、ステップS27では、図15の制御システム56は、図16(A)に示すような閾値Cを越える信号KKが無いと判断すると、ステップS28では、上腕Tが腕帯部2に正常に挿入されていると判定し、制御システム56は、K音検出用空気袋500とK音センサ600とを用いてK音信号の検出を行う過程に進む。
このように、図15〜図17に示す本発明の別の実施形態では、制御システム56は、阻血用空気袋内の空気を抜いて減圧を開始して、K音センサから得られるK音検出用空気袋内の空気の圧力変動の信号から高周波成分信号を抽出し、減圧開始直後に高周波成分信号が予め定めた閾値を越える場合に腕帯部が上腕に対して逆挿入されたと判定することができる。すなわち、減圧中のK音検出用空気袋500からの高周波成分信号ZG、ZHから、制御システム56は、上腕Tが腕帯部2に正常に挿入されているか上腕Tが腕帯部2に逆に挿入されているかを確実に判定することができる。
(実施形態3)
次に、図18と図19を参照して、本発明の実施形態3を説明する。
図10と図13と図14に示す本発明の実施形態1では、昇圧中の阻血用空気袋14からの低周波成分信号とK音検出用空気袋500からの低周波成分信号の変動の相関から、図10の制御システム56は上腕Tが腕帯部2に正常に挿入されているか上腕Tが腕帯部2に逆に挿入されているかを確実に判定することができる。
これに対して、図18と図19に示す本発明の実施形態3では、昇圧中の阻血用空気袋14からの低周波成分信号と、K音検出用空気袋500からの高周波成分信号の変動の相関から、図10の制御システム56は、図18(A)に示すように上腕Tが腕帯部2に正常に挿入されているか、図18(B)に示すように、上腕Tが腕帯部2に逆に挿入されているかを確実に判定することができる。すなわち、実施形態3では、実施形態1のK音検出用空気袋500からの低周波成分信号の代わりにK音検出用空気袋500からの高周波成分信号を用いることで実現可能であり、基本的な処理の流れは図14と同様であり、図19に示している。また、最高血圧以上に加圧が行われた状態において、K音検出用空気袋500からの低周波成分信号(小カフ低周波成分信号)の閾値Dを越える信号が現れる場合は、逆挿入であるなど、簡易的に判断することも可能である。
図19のステップS100において、図10に示すように、ポンプ44,45が阻血用空気袋14内とK音検出用空気袋500内に対して空気を供給して阻血用空気袋14内とK音検出用空気袋500内の昇圧を開始する。
ステップS101では、制御システム56は、阻血用空気袋14による信号の計測を開始して、ステップS102では、図10に示す阻血用空気袋14内の空気の圧力変動は、圧力センサ64により計測される。この圧力変動信号に対してデジタルフィルタ処理を施し、図18(A)に示す阻血用空気袋14からの低周波成分信号ZSあるいは図18(B)に示す阻血用空気袋14からの低周波成分信号ZS1を抽出する。
ステップS103では、図18(A)に示す阻血用空気袋14からの低周波成分信号ZSでは、閾値Aを超える時点から閾値Aを下回る時点までに複数点ピークが計測され、各ピーク点を結んだ線は最高値V1を有する波形(RX1とRX2)となる。同様にして、図18(B)に示す阻血用空気袋14からの低周波成分信号ZS1では、閾値Aを超える時点から閾値Aを下回る時点までに複数点ピークが計測され、各ピーク点を結んだ線は最高値V3を有する波形(RX3とRX4)となる。
一方、ステップS101〜ステップS103の処理と同時に、ステップS104〜ステップS106を行い、ステップS104では、図10の制御システム56は、K音検出用空気袋500による信号の計測を開始して、ステップS105では、K音検出用空気袋500内の空気の圧力変動は、K音検出用空気袋500からチューブ4Pを通じて、K音センサ600に伝わる。K音センサ600は、制御システム56に対して空気変動信号を供給し、この空気変動信号からは、デジタルフィルタにより、図18(A)に示すK音検出用空気袋500からの高周波成分信号ZQあるいは図18(B)に示すK音検出用空気袋500からの高周波成分信号ZQ1を抽出する。
ステップS106では、図18(A)に示すK音検出用空気袋500からの高周波成分信号ZQでは、閾値Bを超える時点から閾値Dを下回る時点までに複数点ピークが計測され、各ピーク点を結んだ線は最高値V2を有する波形(RQ1とRQ2)となる。しかし、図18(B)に示すK音検出用空気袋500からの高周波成分信号ZQ1では、閾値Dを超える時点から閾値Dを下回る時点までに複数点ピークが計測され、各ピーク点を結んだ線は最高値を有しない右上がりの波形(RQ3)となる。
次に、ステップS107では、阻血用空気袋14とK音検出用空気袋500において計測される信号の相関を計算する。すなわち、図18(A)に示すように上腕Tが腕帯部2に正常に挿入されている場合には、阻血用空気袋14からの低周波成分信号ZSとK音検出用空気袋500からの低周波成分信号ZQの間の関係は、相関が高いと言える(RX1とRX2、RQ1とRQ2は共に山型に変化)。しかし、図18(B)に示すように上腕Tが腕帯部2に逆挿入されている場合には、阻血用空気袋14からの低周波成分信号ZS1とK音検出用空気袋500からの高周波成分信号ZQ1の間の関係は、相関が低いと言える(RQ1とRQ2が山型の変化であるのに対し、RQ3は右肩上がり)。
そこで、ステップS108において、図10の制御システム56が、図18(B)に示すように阻血用空気袋14からの低周波成分信号ZS1とK音検出用空気袋500からの高周波成分信号ZQ1の間の相関が低いと判断すると、ステップS9において、上腕Tが腕帯部2に逆挿入されている判定して、図10に示す制御システム56は、ポンプ44,45の動作を緊急停止して、表示部31において「腕帯部が逆挿入されています」といったエラー表示するとともに、音声システム55を介してスピーカ43から音声で「腕帯部が逆挿入されています」とガイダンスするとともに緊急排気が行われる。
また、ステップS110において、図10の制御システム56が、阻血用空気袋14からの低周波成分信号ZS1とK音検出用空気袋500からの高周波成分信号ZQ1の間の相関が高いと判断すると、ステップS111において、上腕Tが腕帯部2に正常に挿入されているとして、図10に示す制御システム56は、例えば好ましくは表示部31において「腕帯部が正常に挿入されています」といった表示するとともに、音声システム55を介してスピーカ43から音声で「腕帯部が正常に挿入されています」とガイダンスすることができる。そして、制御システム56は、図11に示すポンプ44,45と排気バルブ46と制御バルブ47を制御して、減圧過程に移る。
(実施形態4)
次に、図20を参照して、本発明の実施形態4を説明する。
図20(A)は、上流側での昇圧中におけるK音検出用空気袋500からの高周波成分信号ZQ1を示し、図20(B)は、下流側での昇圧中におけるK音検出用空気袋500からの高周波成分信号ZQを示している。
図20(C)に示すように、ステップS200で昇圧を開始して、ステップS201でK音検出用空気袋500による信号計測を開始する。ステップS202では、フィルタによる高周波成分信号の抽出をして、図10の制御システム56が、閾値Dを越える高周波成分信号の変動を計算する。
計算の結果、ステップS204において、図20(A)に示す高周波成分信号ZQ1のように変動が上昇のみであると、ステップS205では阻血用空気袋14が上流側に配置されていると、つまり逆挿入であると判断できる。ステップS206において、図20(B)に示すように高周波成分信号ZQのように山形の変動であると、ステップS205では阻血用空気袋14が下流側に配置されていると、つまり正常な挿入であると判断できる。
次に、本発明の別の実施形態を、図12を参照して説明する。
図12(A)に示すように、阻血用空気袋14の内面部分の下流側には、3つのK音検出用空気袋500を配置でき、図12(B)に示すように、阻血用空気袋14の内面部分の下流側には、4つのK音検出用空気袋500を配置することもできる。
上述した本発明の実施形態の電子血圧計1では、複数のK音検出用空気袋500が、阻血用空気袋14の内側面に配置され、K音検出用空気袋500が上腕Tの動脈の下流側(すなわち、肩寄りの側ではなく手指寄りの側)に配置されている。従って、測定者が上腕Tを腕帯部2内に挿入した際に、腕帯部2が上腕Tに対して正しい位置から上腕Tの周囲方向に回転した状態で上腕が挿入されても、あるいは右腕、左腕のいずれの上腕Tが腕帯部2に挿入されても、いずれかのK音検出用空気袋500は、上腕Tの動脈の位置に当てて配置させることができるので、正確にK音信号を得ることができる。しかもK音検出用空気袋500内の空気振動は、K音センサ600により検出して、K音信号を得ることができる。
ポンプ44,45が阻血用空気袋14を昇圧して阻血用空気袋14とK音検出用空気袋500を昇圧する。制御システム56が脈の消失を判断したら腕帯部2内の昇圧を停止する。そして、腕帯部2内を少しずつ減圧していく際に、動脈における最高血圧に対応する振動をK音検出用空気袋500内の空気の振動として検出して、この空気の振動をK音センサ600により電気的に検知する。これにより、K音センサ600を用いており、K音信号が確実に検出でき、電子血圧計1は、K音信号と、このK音信号の発生ポイントと消滅ポイントを検出することで、最高血圧値と最低血圧値を算出して、算出した最高血圧値と最低血圧値を表示部31に表示できる。
本発明の電子血圧計では、阻血用空気袋内に空気を供給して昇圧する際に阻血用空気袋内の空気の圧力変動を検知する圧力センサと、阻血用空気袋が上腕を加圧して動脈の血管内の血流を止めた後に減圧し、再び血流が流れる時に生じるK音検出用空気袋内のK音信号を検知するK音センサと、圧力センサとK音センサから得られる信号の相関が低い場合には、腕帯部が上腕に対して逆挿入されたと判定する制御部と、を有する。これにより、血圧測定に利用される圧力センサとK音センサから挿入方向が判定可能となり、逆挿入されていることを判定するために新たにセンサを設ける必要がないためコストダウンが図れる。
本発明の実施形態の電子血圧計1では、腕帯部2は、従来必要であった上腕に対して巻き付け調整が不要であり、腕を通すだけで済み、しかも簡単に折り畳むことができる。測定者が腕帯部2内に上腕を通した時に、阻血用空気袋14の内側のK音検出用空気袋500は、上腕の動脈付近の適切な位置に配置することができる。
本発明の電子血圧計の実施形態では、阻血用空気袋の内面を覆う筒体であることで阻血用空気袋の内面を覆う筒体でなり、上腕の被測定面に当接する当接布部と、阻血用空気袋を収容するように当接布部の外側に接合される外側部材と、を有し、当接布部は、変形可能で伸縮性を有し、外側部材は、変形可能であるが当接布部よりも伸縮性の低い布部材で形成されている。これにより、腕帯部全体の型保持性を担うとともに、折り畳むこともできることで、使いやすくコンパクトな腕帯部を有する電子血圧計を提供できる。
K音センサは、K音検出用空気袋に対して、チューブにより血圧計本体にあるコンデンサマイクロフォンに接続されていることを特徴とする。これにより、K音センサとコンデンサマイクロフォンはチューブを用いて確実に接続できる。
また、阻血用空気袋とK音検出用空気袋の間にはバッキングが付けられている。これは、人体からの振動をK音検出用空気袋がK音センサに効率よく伝えるための工夫であり、これによりK音検出をより正確に行うことができる。
阻血用空気袋は、膨張時に均等に4分割して膨らませるために、袋の膨張時のシワを発生させるために阻血用空気袋につけた肉を薄くする部分を複数設けてあり、この部分は折り畳むために複数の折り曲げ部分としても作用し、阻血用空気袋は、折り畳むために複数の折り曲げ部分を有し、K音検出用空気袋は、複数の折り曲げ部分の間に配置されているので、阻血用空気袋を含む腕帯部は、K音検出用空気袋の配置に影響を受けずに折り曲げ部分において確実に折り畳むことができ、コンパクトに収納できる。
外側部材の内側には、骨部材が設けられているので、阻血用空気袋に空気が供給された時に、腕帯部の外側部材が外側に膨れる現象を防止することができ、正確な血圧測定が行える。
なお、上述した本発明の実施形態では、図13と図18において成分信号のポークポイントで腕帯部が上腕に対して挿入される挿入方向を、正常な挿入であるか逆挿入であるかを判定しているが、成分信号のピークポイントに代えて成分信号の振幅情報も使用することができる。
ところで、本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変形例を採用することができる。
表示部31は、例えば液晶表示装置の他に、有機EL装置、蛍光表示装置等、特に種類は限定されない。
図示した電子血圧計の例では、腕帯部は、変形可能で血圧測定をしない時には折り畳むことができる構造であるが、本発明の電子血圧計としては、折り畳むことができる外布に代えて、例えばプラスチック製のハードな筐体を用いて、この筐体内に阻血用空気袋を配置した構造を採用することもできる。
上述した本発明の実施形態では、測定しない時には、折り畳まれた腕帯部2は、測定をしない時には、血圧計本体10の上面に対して、固定手段を用いて着脱可能に固定するようにしても良い。腕帯部2の固定方式としては、例えば、腕帯部と血圧計本体とは、マグネットと金属板とを用いて磁気的な吸引力で着脱可能に固定したり、オス型部材を有するテープ部材と、このオス型部材に対して着脱可能に機械的に取り付けることができるメス型部材を有するテープ部材を貼り付けることで、着脱可能に固定することもできる。
さらに、低周波成分信号として0.5〜3Hzの信号を抽出しているが、0.1〜10Hzの信号で挿入方向を判断するのに有効な信号を得ることが可能であることを確認している。周波数成分として低い値を用いることによりSNが良くなるため、0.5〜3Hzの信号を用いるのが望ましい。高周波成分としては40〜80Hzを利用しているが、K音計測に適した周波数帯域であればこちらに限定されない。
また、K音センサの一例としてコンデンサマイクロフォンを挙げているが、K音が計測可能なセンサとして圧電マイクロフォン、ダイナミックマイクロフォン、バウンダリーマイクロフォンなどが利用できる。また、挿入方向を報知するのみであれば、K音が測定できるセンサに限定されず、ストレインゲージ、光センサなどが挙げられる。
さらに、加圧中において、前記圧力センサにより得られる圧力信号の最大振幅後における前記K音センサで検知されたK音信号の有無から、前記腕帯部の前記上腕に対する挿入方向を判定する制御部を有するようにしても良い。
1・・・電子血圧計、2・・・腕帯部、4・・・チューブ、4P・・・チューブ、10・・・血圧計本体、14・・・阻血用空気袋、16・・・外布(外側部材の一例)、17・・・内布(当接布部の一例)、56・・・制御システム(制御部)、500・・・K音検出用空気袋、64・・・圧力センサ、600・・・K音センサ

Claims (4)

  1. 上腕に通して加圧可能な筒状の腕帯部と、該腕帯部と別体に形成された血圧計本体とを有し、
    前記腕帯部は、
    空気を供給することで前記上腕を加圧可能な阻血用空気袋と、前記阻血用空気袋の内側であって前記阻血用空気袋の一端部側に配置され、前記阻血用空気袋の空気容量よりも小さい空気容量を有する複数のK音検出用空気袋とを有し、前記阻血用空気袋内に空気を加圧した後、微速度で排気して減圧する際に前記阻血用空気袋内の空気の圧力変動を検知する圧力センサと、
    前記阻血用空気袋が前記上腕を加圧して動脈の血管内の血流を止めた後に減圧し、再び血流が流れる時に生じる前記K音検出用空気袋内のK音信号を検知するK音センサと、
    前記圧力センサから得られる低周波成分信号と前記K音センサから得られる低周波成分信号の相関が低い場合には、前記上腕が前記腕帯部に対して逆挿入されたと判定する制御部と
    を有することを特徴とする電子血圧計。
  2. 前記K音センサは、前記K音検出用空気袋に対して、チューブにより前記血圧計本体にあるコンデンサマイクロフォンに接続されていることを特徴とする請求項1に記載の電子血圧計。
  3. 前記阻血用空気袋と前記K音検出用空気袋の間にはバッキングが付けられていることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の電子血圧計。
  4. 上腕に通して加圧可能な筒状の腕帯部と、該腕帯部と別体に形成された血圧計本体とを有し、前記腕帯部は、空気を供給することで前記上腕を加圧可能な阻血用空気袋と、前記阻血用空気袋の内側であって前記阻血用空気袋の一端部側に配置され、前記阻血用空気袋の空気容量よりも小さい空気容量を有する複数のK音検出用空気袋とを有し、
    前記阻血用空気袋が前記上腕を加圧して動脈の血管内の血流を止めた後に減圧し、再び血流が流れる時に生じる前記K音検出用空気袋内の空気の変動を検知するK音センサと、
    前記阻血用空気袋内の空気を抜いて減圧を開始して、前記K音センサから得られる前記K音検出用空気袋内の空気の圧力変動の信号から高周波成分信号を抽出し、減圧開始直後に前記K音センサから得られるK音信号が予め設定した閾値を越える場合に前記上腕が前記腕帯部に対して逆挿入されたと判定する制御部とを有し、
    前記阻血用空気袋は、腕を挿入しやすい形状となるように折り畳むための複数の折り線部分を有し、前記K音検出用空気袋は、前記複数の折り線部分の間に配置され、前記K音センサは、前記K音検出用空気袋に対して、チューブにより前記血圧計本体にあるコンデンサマイクロフォンに接続されていることを特徴とする電子血圧計。
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