JPH06184750A - 複合体およびその製法 - Google Patents
複合体およびその製法Info
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- JPH06184750A JPH06184750A JP4342987A JP34298792A JPH06184750A JP H06184750 A JPH06184750 A JP H06184750A JP 4342987 A JP4342987 A JP 4342987A JP 34298792 A JP34298792 A JP 34298792A JP H06184750 A JPH06184750 A JP H06184750A
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- Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)
- Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
- Chemical Vapour Deposition (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】反応炉内に基体を設置するとともに、金属又は
セラミックス生成用反応ガスを導入し、基体1の表面に
金属又はセラミックスからなるマトリックス2を析出さ
せると同時に基体1表面にダイヤモンド粒子あるいは立
方晶窒化ホウ素粒子の硬質粒子3を堆積させて、基体1
表面にマトリックス2中にダイヤモンド粒子あるいは立
方晶窒化ホウ素粒子の硬質粒子3を分散含有する複合膜
を被覆した複合体を得る。 【効果】基体表面にダイヤモンドや立方晶窒化ホウ素特
性を有した複合体を安価に製造することができ、切削工
具や各種の耐摩耗部品として好適に利用することができ
る。
セラミックス生成用反応ガスを導入し、基体1の表面に
金属又はセラミックスからなるマトリックス2を析出さ
せると同時に基体1表面にダイヤモンド粒子あるいは立
方晶窒化ホウ素粒子の硬質粒子3を堆積させて、基体1
表面にマトリックス2中にダイヤモンド粒子あるいは立
方晶窒化ホウ素粒子の硬質粒子3を分散含有する複合膜
を被覆した複合体を得る。 【効果】基体表面にダイヤモンドや立方晶窒化ホウ素特
性を有した複合体を安価に製造することができ、切削工
具や各種の耐摩耗部品として好適に利用することができ
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ダイヤモンド粒子や立
方晶窒化ホウ素粒子などの硬質粒子を含有する複合膜を
形成した複合体およびその製法に関し、特に切削工具や
耐摩耗材料に適した複合体に関する。
方晶窒化ホウ素粒子などの硬質粒子を含有する複合膜を
形成した複合体およびその製法に関し、特に切削工具や
耐摩耗材料に適した複合体に関する。
【0002】
【従来技術】従来より、セラミックスは、所定のセラミ
ック原料粉末を成形し焼成することによって製造され、
そのモノリシック材料の優れた特性を広い分野に適用し
てきたが、さらなる特性の向上を図るために、近年、特
性の異なる物質同士の複合材料が開発されている。
ック原料粉末を成形し焼成することによって製造され、
そのモノリシック材料の優れた特性を広い分野に適用し
てきたが、さらなる特性の向上を図るために、近年、特
性の異なる物質同士の複合材料が開発されている。
【0003】代表的な複合材料としては、ウイスカーな
どの繊維体や特殊な粒子(超微粒子を含む)などを所定
の材料中に分散させて機械的特性を高めたものが知られ
ている。また、所定の基板表面に特定のセラミックスか
らなる膜を形成することにより基板材料の表面特性を改
善するなどの試みが行われている。
どの繊維体や特殊な粒子(超微粒子を含む)などを所定
の材料中に分散させて機械的特性を高めたものが知られ
ている。また、所定の基板表面に特定のセラミックスか
らなる膜を形成することにより基板材料の表面特性を改
善するなどの試みが行われている。
【0004】一方、セラミックからなる膜を形成する代
表的な方法として、気相成長法(CVD法)が知られて
いる。この気相合成法は、例えば、セラミックを生成可
能な複数種の反応ガスを、内部に基体が設置された所定
の反応炉内に導入し、気相中において反応ガス同士を反
応させて基体表面にセラミック膜をさせるものである。
このような成膜方法によれば、焼結法によるセラミック
スに比較して焼結助剤等を含まないために高純度であ
り、そのセラミックスの本来の特性を引き出すことがで
きることから、その応用研究が進められている。
表的な方法として、気相成長法(CVD法)が知られて
いる。この気相合成法は、例えば、セラミックを生成可
能な複数種の反応ガスを、内部に基体が設置された所定
の反応炉内に導入し、気相中において反応ガス同士を反
応させて基体表面にセラミック膜をさせるものである。
このような成膜方法によれば、焼結法によるセラミック
スに比較して焼結助剤等を含まないために高純度であ
り、そのセラミックスの本来の特性を引き出すことがで
きることから、その応用研究が進められている。
【0005】その具体的な例としては、超硬合金やセラ
ミックなどの基体表面に高硬度の材料として知られるダ
イヤモンドを気相成長法により析出させることにより耐
摩耗性を向上させ、切削工具やその他の耐摩耗部品に適
用することが検討されている。その他、立方晶窒化ホウ
素もダイヤモンドと並び高硬度の材料として各種の応用
が進められている。
ミックなどの基体表面に高硬度の材料として知られるダ
イヤモンドを気相成長法により析出させることにより耐
摩耗性を向上させ、切削工具やその他の耐摩耗部品に適
用することが検討されている。その他、立方晶窒化ホウ
素もダイヤモンドと並び高硬度の材料として各種の応用
が進められている。
【0006】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、従来
のダイヤモンドや立方晶窒化ホウ素などの硬質膜を被覆
した複合体によれば、硬質膜と基体との密着性が小さい
ために膜剥離が生じやすく、その利用分野が限られるな
どの制約があり、しかも例えば従来の気相成長法によれ
ば、ダイヤモンド膜の成長速度が非常に遅いために量産
性に欠け、コストが高くなるという問題がある。
のダイヤモンドや立方晶窒化ホウ素などの硬質膜を被覆
した複合体によれば、硬質膜と基体との密着性が小さい
ために膜剥離が生じやすく、その利用分野が限られるな
どの制約があり、しかも例えば従来の気相成長法によれ
ば、ダイヤモンド膜の成長速度が非常に遅いために量産
性に欠け、コストが高くなるという問題がある。
【0007】また、ダイヤモンドや立方晶窒化ホウ素な
どの膜以外のセラミック膜を形成する場合においても、
高速で成長させることが必要であるが、その場合、膜中
に積層欠陥が大量に形成されるために内部応力が大きく
なり、合成した膜に亀裂が生じるという問題があった。
しかも、気相成長法の特有の性質として、膜生成時の結
晶の配向により結晶が柱状に大きくなり、この結晶の異
常成長粒子により膜自体の強度が低下し、膜中の応力に
より膜が破損する等の問題があった。
どの膜以外のセラミック膜を形成する場合においても、
高速で成長させることが必要であるが、その場合、膜中
に積層欠陥が大量に形成されるために内部応力が大きく
なり、合成した膜に亀裂が生じるという問題があった。
しかも、気相成長法の特有の性質として、膜生成時の結
晶の配向により結晶が柱状に大きくなり、この結晶の異
常成長粒子により膜自体の強度が低下し、膜中の応力に
より膜が破損する等の問題があった。
【0008】
【問題を解決するための手段】本発明者は、上記の問題
点に対して検討を重ねた結果、所定の基体表面にセラミ
ックスを従来法の気相成長法により生成させると同時
に、ダイヤモンド粒子あるいは立方晶窒化ホウ素粒子を
基板に堆積させることにより、セラミック膜中にダイヤ
モンド粒子あるいは立方晶窒化ホウ素粒子からなる硬質
粒子を分散させることができ、それによりマトリックス
を構成する金属又はセラミックスの特性を高めることが
できることを見出した。
点に対して検討を重ねた結果、所定の基体表面にセラミ
ックスを従来法の気相成長法により生成させると同時
に、ダイヤモンド粒子あるいは立方晶窒化ホウ素粒子を
基板に堆積させることにより、セラミック膜中にダイヤ
モンド粒子あるいは立方晶窒化ホウ素粒子からなる硬質
粒子を分散させることができ、それによりマトリックス
を構成する金属又はセラミックスの特性を高めることが
できることを見出した。
【0009】即ち、本発明は、所定の基体表面に、金属
又はセラミックスまたはそれらの混合体からなり、且つ
気相法により生成されたマトリックス中にダイヤモンド
粒子あるいは立方晶窒化ホウ素粒子を分散含有する膜を
被覆したことを特徴とする複合体に関するもので、かか
る複合体の製法として、反応炉内に基体を設置するとと
もに、金属又はセラミックス生成用反応ガスを導入し、
前記基体の表面に金属又はセラミックスを析出させると
同時に前記基板表面にダイヤモンド粒子或いは立方晶窒
化ホウ素粒子を堆積させることを特徴とするものであ
る。
又はセラミックスまたはそれらの混合体からなり、且つ
気相法により生成されたマトリックス中にダイヤモンド
粒子あるいは立方晶窒化ホウ素粒子を分散含有する膜を
被覆したことを特徴とする複合体に関するもので、かか
る複合体の製法として、反応炉内に基体を設置するとと
もに、金属又はセラミックス生成用反応ガスを導入し、
前記基体の表面に金属又はセラミックスを析出させると
同時に前記基板表面にダイヤモンド粒子或いは立方晶窒
化ホウ素粒子を堆積させることを特徴とするものであ
る。
【0010】
【作用】本発明によれば、反応ガスによりマトリックス
成分を析出させると同時に、基体表面にダイヤモンド粒
子や立方晶窒化ホウ素粒子などの硬質粒子を堆積させる
ことにより、図1に示すように、基体1の表面に、マト
リックス2中にダイヤモンド粒子あるいは立方晶窒化ホ
ウ素粒子の硬質粒子3を分散含有する複合膜を被覆した
複合体を得ることができる。このように膜中に硬質粒子
を含有させることにより、膜自体の特性を向上させると
ともに、その表面にダイヤモンドや立方晶窒化ホウ素の
特性を有した複合体を安価に製造することができる。
成分を析出させると同時に、基体表面にダイヤモンド粒
子や立方晶窒化ホウ素粒子などの硬質粒子を堆積させる
ことにより、図1に示すように、基体1の表面に、マト
リックス2中にダイヤモンド粒子あるいは立方晶窒化ホ
ウ素粒子の硬質粒子3を分散含有する複合膜を被覆した
複合体を得ることができる。このように膜中に硬質粒子
を含有させることにより、膜自体の特性を向上させると
ともに、その表面にダイヤモンドや立方晶窒化ホウ素の
特性を有した複合体を安価に製造することができる。
【0011】硬質粒子と基体とはその熱膨張係数差が大
きいために密着性が低いが、本発明によれば、膜中の硬
質粒子の含有量を内部から表面にかけて多く存在させる
と、基体の熱膨張係数に近似したマトリックスを選択す
ることにより、膜の基体との密着性を向上することがで
きる。
きいために密着性が低いが、本発明によれば、膜中の硬
質粒子の含有量を内部から表面にかけて多く存在させる
と、基体の熱膨張係数に近似したマトリックスを選択す
ることにより、膜の基体との密着性を向上することがで
きる。
【0012】また、ダイヤモンド粒子の分散により膜の
マトリックス成分の結晶成長が抑制され、巨大な柱状結
晶粒の生成を防止し、比較的微細な結晶粒からなるマト
リックスを得ることができる。これにより、巨大な柱状
結晶粒による膜の破壊が防止される。
マトリックス成分の結晶成長が抑制され、巨大な柱状結
晶粒の生成を防止し、比較的微細な結晶粒からなるマト
リックスを得ることができる。これにより、巨大な柱状
結晶粒による膜の破壊が防止される。
【0013】さらに、本発明の方法によれば、マトリッ
クス成分のみの気相成長法による成膜に比較して硬質粒
子が堆積することから膜全体の形成速度を高めることが
できる。
クス成分のみの気相成長法による成膜に比較して硬質粒
子が堆積することから膜全体の形成速度を高めることが
できる。
【0014】
【実施例】以下、本発明を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の複合体を製造するための膜形成装置の
概略配置図である。図中、4は反応炉、5は基体、6は
膜生成用反応ガス導入管、7は硬質粒子導入管、8は基
体を加熱するためのヒータ、9は硬質粒子の保持容器で
ある。基体5は炉壁よりも70℃低くなるようにガス冷
却をほどこしており、熱泳動によって硬質粒子が効率良
く膜中に取り込まれるようにしている。
図1は、本発明の複合体を製造するための膜形成装置の
概略配置図である。図中、4は反応炉、5は基体、6は
膜生成用反応ガス導入管、7は硬質粒子導入管、8は基
体を加熱するためのヒータ、9は硬質粒子の保持容器で
ある。基体5は炉壁よりも70℃低くなるようにガス冷
却をほどこしており、熱泳動によって硬質粒子が効率良
く膜中に取り込まれるようにしている。
【0015】本発明によれば、反応炉4内に所定の基体
5を設置し、その反応炉4にマトリックス生成用の反応
ガスをガス導入管6から反応炉4内に導入する。一方、
容器9には粒径が0.01乃至0.1μm程度の超微粒
ダイヤモンド粒子や立方晶窒化ホウ素などの硬質粒子が
設置されており、容器内に間歇的に水素ガスなどのガス
を流すことにより、硬質粒子が導入管7を通って反応炉
4に輸送される。硬質粒子を輸送するためのキャリアガ
スとしては、窒素やAr等の不活性ガスの他に、水素や
マトリックス生成用反応ガスを用いることもできる。
5を設置し、その反応炉4にマトリックス生成用の反応
ガスをガス導入管6から反応炉4内に導入する。一方、
容器9には粒径が0.01乃至0.1μm程度の超微粒
ダイヤモンド粒子や立方晶窒化ホウ素などの硬質粒子が
設置されており、容器内に間歇的に水素ガスなどのガス
を流すことにより、硬質粒子が導入管7を通って反応炉
4に輸送される。硬質粒子を輸送するためのキャリアガ
スとしては、窒素やAr等の不活性ガスの他に、水素や
マトリックス生成用反応ガスを用いることもできる。
【0016】そして、基体5をヒータ8と冷却用のガス
により所定の温度に設定することにより、基体5表面近
傍にて反応ガスの分解および反応により基体表面にマト
リックスが析出する。一方、反応炉内に輸送された硬質
粒子はマトリックス膜の形成と同時に基体表面に堆積
し、これにより硬質粒子は膜中に取り込まれる。膜中の
硬質粒子量を変えるにはキャリアガスの間欠的導入回数
を増やしたり、流量を変えることで任意に制御すること
ができる。
により所定の温度に設定することにより、基体5表面近
傍にて反応ガスの分解および反応により基体表面にマト
リックスが析出する。一方、反応炉内に輸送された硬質
粒子はマトリックス膜の形成と同時に基体表面に堆積
し、これにより硬質粒子は膜中に取り込まれる。膜中の
硬質粒子量を変えるにはキャリアガスの間欠的導入回数
を増やしたり、流量を変えることで任意に制御すること
ができる。
【0017】例えば、膜の生成初期には硬質粒子を導入
せずに、徐々にキャリアガスの間歇的導入回数を増やす
ことにより、図3の他の実施例を示す断面図に示すよう
に、基体1上にその表面ほどマトリックス2中の硬質粒
子3の含有量の多い複合膜が形成される。
せずに、徐々にキャリアガスの間歇的導入回数を増やす
ことにより、図3の他の実施例を示す断面図に示すよう
に、基体1上にその表面ほどマトリックス2中の硬質粒
子3の含有量の多い複合膜が形成される。
【0018】得られる複合膜は、基体1の表面に形成し
たままの状態で使用してもよいし、膜厚の大きい複合膜
を形成した後に基体1を除去して複合膜単体として用い
ることも可能である。
たままの状態で使用してもよいし、膜厚の大きい複合膜
を形成した後に基体1を除去して複合膜単体として用い
ることも可能である。
【0019】本発明において、硬質粒子を分散含有する
金属やセラミックスなどのマトリックス成分としては、
窒化珪素、炭化珪素およびアルミナなどのセラミックス
や、タングステンやモリブデンなどの高融点金属、ある
いはその他の金属の酸化物、炭化物、窒化物、炭窒化
物、ホウ化物、ケイ化物等が挙げられ、これらも適宜組
み合わせて用いることもできる。
金属やセラミックスなどのマトリックス成分としては、
窒化珪素、炭化珪素およびアルミナなどのセラミックス
や、タングステンやモリブデンなどの高融点金属、ある
いはその他の金属の酸化物、炭化物、窒化物、炭窒化
物、ホウ化物、ケイ化物等が挙げられ、これらも適宜組
み合わせて用いることもできる。
【0020】本発明における複合膜中の硬質粒子は、複
合膜中に10〜80体積%、好ましくは30〜65体積
%の割合で分散含有されることが望ましく、10体積%
以下では複合体の特性はマトリックス単体膜に比べて大
きな向上はなく、80体積%以上になると硬質粒子が密
集するためにその間隙にボイドが形成されて密着力が低
下する。
合膜中に10〜80体積%、好ましくは30〜65体積
%の割合で分散含有されることが望ましく、10体積%
以下では複合体の特性はマトリックス単体膜に比べて大
きな向上はなく、80体積%以上になると硬質粒子が密
集するためにその間隙にボイドが形成されて密着力が低
下する。
【0021】以下、本発明を具体的な例で説明する。 実施例1 図2において、ダイヤモンド粒子(粒径0. 05〜0.
1μm)を入れた容器9にArガスを通過させ、ダイヤ
モンド粒子を不活性ガス中に浮遊させて反応炉4に導入
した。一方、水素ガスをキャリアガスとしてメチルトリ
クロロシランガスを15%の濃度で混合した反応ガスを
反応炉4内に5リットル/minの流量で導入した。そ
して、炭化珪素質焼結体からなる基板5を1500℃に
ヒータ8により加熱し、炭化珪素を15分間析出させる
と同時にダイヤモンドを堆積させ、膜厚36μmの複合
膜を作製した。
1μm)を入れた容器9にArガスを通過させ、ダイヤ
モンド粒子を不活性ガス中に浮遊させて反応炉4に導入
した。一方、水素ガスをキャリアガスとしてメチルトリ
クロロシランガスを15%の濃度で混合した反応ガスを
反応炉4内に5リットル/minの流量で導入した。そ
して、炭化珪素質焼結体からなる基板5を1500℃に
ヒータ8により加熱し、炭化珪素を15分間析出させる
と同時にダイヤモンドを堆積させ、膜厚36μmの複合
膜を作製した。
【0022】得られたられた複合膜は、ダイヤモンド粒
子を16体積%の割合で含有していた(試料1)。ま
た、容器9に流すArガスの量を1/2として同様の条
件で膜を堆積させた。その結果、膜中にダイヤモンドが
7体積%含まれていた(試料2)。さらに、比較のため
にダイヤモンドを堆積させることなく、成膜を行い、3
5μmの炭化珪素膜を形成した(試料3)。上記のよう
にして得られた複合材に対してピンオンディスク法を用
いて摩耗テストを測定したところ、試料1の複合体は、
炭化珪素膜を形成した試料3に比べて摩耗量が30%減
少した。また、試料2の複合体では試料3に比較して6
%の摩耗量の減少が見られた。
子を16体積%の割合で含有していた(試料1)。ま
た、容器9に流すArガスの量を1/2として同様の条
件で膜を堆積させた。その結果、膜中にダイヤモンドが
7体積%含まれていた(試料2)。さらに、比較のため
にダイヤモンドを堆積させることなく、成膜を行い、3
5μmの炭化珪素膜を形成した(試料3)。上記のよう
にして得られた複合材に対してピンオンディスク法を用
いて摩耗テストを測定したところ、試料1の複合体は、
炭化珪素膜を形成した試料3に比べて摩耗量が30%減
少した。また、試料2の複合体では試料3に比較して6
%の摩耗量の減少が見られた。
【0023】実施例2 実施例1と同様に、ダイヤモンド粒子(50体積%)と
立方晶窒化ホウ素粒子(50体積%)の硬質粒子を入れ
た容器9に水素ガスを通過させ、硬質粒子を反応炉4内
に導入した。一方、水素ガスをキャリアガスとしてジク
ロロシランとアンモニアガスをそれぞれキャリアガスに
対して8%の濃度で混合した反応ガスを反応炉4内に3
リットル/minの流量で導入した。そして、窒化珪素
質焼結体からなる基板5を1300℃にヒータ8により
加熱し、窒化珪素を析出させると同時に硬質粒子を堆積
させ、膜厚10μmの窒化珪素をマトリックスとしてダ
イヤモンドおよび立方晶窒化ホウ素の硬質粒子を含む複
合膜を形成した。得られた膜は、硬質粒子を41体積%
の割合で含有していた(試料4)。
立方晶窒化ホウ素粒子(50体積%)の硬質粒子を入れ
た容器9に水素ガスを通過させ、硬質粒子を反応炉4内
に導入した。一方、水素ガスをキャリアガスとしてジク
ロロシランとアンモニアガスをそれぞれキャリアガスに
対して8%の濃度で混合した反応ガスを反応炉4内に3
リットル/minの流量で導入した。そして、窒化珪素
質焼結体からなる基板5を1300℃にヒータ8により
加熱し、窒化珪素を析出させると同時に硬質粒子を堆積
させ、膜厚10μmの窒化珪素をマトリックスとしてダ
イヤモンドおよび立方晶窒化ホウ素の硬質粒子を含む複
合膜を形成した。得られた膜は、硬質粒子を41体積%
の割合で含有していた(試料4)。
【0024】また、Arガスの導入回数を2倍にして上
記と同様の条件で合成したところ64体積%の硬質粒子
を含有する複合膜が形成された(試料5)。
記と同様の条件で合成したところ64体積%の硬質粒子
を含有する複合膜が形成された(試料5)。
【0025】さらに容器9に流すArガスの量を3倍と
したところ75体積%の硬質粒子を含有する複合膜が形
成された(試料6)。
したところ75体積%の硬質粒子を含有する複合膜が形
成された(試料6)。
【0026】また、比較例として硬質粒子を体積せずに
10μmの厚みの窒化珪素単体膜を形成した(試料
7)。
10μmの厚みの窒化珪素単体膜を形成した(試料
7)。
【0027】上記のようにして得られた複合材に対して
実施例1と同様にして摩耗テストを実施したところ、試
料4および試料5の複合体では、窒化珪素単体膜の試料
7に比較して摩耗量が52%および67%それぞれ減少
した。また、試料6は、試料7に比較して摩耗量が67
%減少した。
実施例1と同様にして摩耗テストを実施したところ、試
料4および試料5の複合体では、窒化珪素単体膜の試料
7に比較して摩耗量が52%および67%それぞれ減少
した。また、試料6は、試料7に比較して摩耗量が67
%減少した。
【0028】実施例3 実施例1において、容器9に導入するArガスの導入量
を成膜過程で変化させてダイヤモンドのみを5体積%含
有する膜を2μmの厚みで形成した後、その上のダイヤ
モンドのみを20体積%含有する膜を4μmの厚みで形
成し、さらにその上にダイヤモンドのみを60体積%含
有する膜を4μmの厚みで形成した(試料8)。得られ
た複合材に対して実施例1と同様にして摩耗テストを実
施したところ、実施例2における窒化珪素単体膜からな
る試料6に比較して、試料8は、摩耗量が75%減少し
た。
を成膜過程で変化させてダイヤモンドのみを5体積%含
有する膜を2μmの厚みで形成した後、その上のダイヤ
モンドのみを20体積%含有する膜を4μmの厚みで形
成し、さらにその上にダイヤモンドのみを60体積%含
有する膜を4μmの厚みで形成した(試料8)。得られ
た複合材に対して実施例1と同様にして摩耗テストを実
施したところ、実施例2における窒化珪素単体膜からな
る試料6に比較して、試料8は、摩耗量が75%減少し
た。
【0029】
【発明の効果】以上、詳述した通り、本発明によれば、
マトリックス中に熱伝導性、電気絶縁性、硬度等に優れ
るダイヤモンド粒子を分散含有する複合膜を形成するこ
とにより、例えば耐摩耗性などの膜自体の特性を向上さ
せるとともに、その表面にダイヤモンドや立方晶窒化ホ
ウ素特性を有した複合体を安価に製造することができ
る。これにより、かかる複合体を切削工具や各種の耐摩
耗部品に応用することにより摩耗性を向上させることが
できる。しかも、ダイヤモンドの特性を各種の部品に生
かすことができる。
マトリックス中に熱伝導性、電気絶縁性、硬度等に優れ
るダイヤモンド粒子を分散含有する複合膜を形成するこ
とにより、例えば耐摩耗性などの膜自体の特性を向上さ
せるとともに、その表面にダイヤモンドや立方晶窒化ホ
ウ素特性を有した複合体を安価に製造することができ
る。これにより、かかる複合体を切削工具や各種の耐摩
耗部品に応用することにより摩耗性を向上させることが
できる。しかも、ダイヤモンドの特性を各種の部品に生
かすことができる。
【図1】本発明の複合体の一実施例を示すための断面図
を示す。
を示す。
【図2】本発明の複合体を製造するための膜形成装置の
概略配置図である。
概略配置図である。
【図3】本発明の複合体の他の実施例を示すための断面
図を示す。
図を示す。
1 基体 2 マトリックス 3 硬質粒子 4 反応炉 5 基体 6 反応ガス導入管 7 硬質粒子導入管 8 ヒータ 9 硬質粒子容器
Claims (2)
- 【請求項1】基体表面に、気相法により生成された金属
又はセラミックスまたはそれらの混合体からなるマトリ
ックス中にダイヤモンド粒子あるいは立方晶窒化ホウ素
粒子を分散含有する複合膜を被覆したことを特徴とする
複合体。 - 【請求項2】反応炉内に基体を設置するとともに、金属
又はセラミックス生成用反応ガスを導入し、前記基体の
表面に金属又はセラミックスを析出させると同時に前記
基板表面にダイヤモンド粒子あるいは立方晶窒化ホウ素
粒子を堆積させることを特徴とする複合体の製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4342987A JP2801485B2 (ja) | 1992-12-24 | 1992-12-24 | 複合体およびその製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4342987A JP2801485B2 (ja) | 1992-12-24 | 1992-12-24 | 複合体およびその製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06184750A true JPH06184750A (ja) | 1994-07-05 |
JP2801485B2 JP2801485B2 (ja) | 1998-09-21 |
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