JP3160399B2 - ダイヤモンド膜の製造方法 - Google Patents

ダイヤモンド膜の製造方法

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辛 喬
脩 福長
知顕 篠田
広一 油井
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Description

【発明の詳細な説明】
【001】
【産業上の利用分野】本発明はダイヤモンドの気相合成
に関するものである。さらに詳しく言えば、マイクロ波
あるいは高周波等によるプラズマCVD法におけるダイ
ヤモンド膜の合成に関するものである。
【002】
【従来の技術】ダイヤモンドは高硬度、耐摩耗性、高熱
伝導性、耐腐食性などの優れた特性を持っているために
いろいろな工業的な用途において広く利用されている。
例えば研削ホイールの砥粒、切削工具、耐摩工具、伸線
ダイス、半導体用ヒートシンク、測定用端子などに用い
られている。はじめの頃はもちろん天然のダイヤモンド
が使われていたが、その有用性から合成法が研究され
た。ダイヤモンドの合成法にはいろいろあるが現在最も
工業的に普遍的なのは高圧プレス装置を用いた超高圧、
高温での高圧高温法である。他方、近年になって新た
に、1気圧以下の低圧力雰囲気下でダイヤモンドを合成
する気相合成法が盛んに研究されるようになった。この
気相合成法は、炭化水素、水素、酸素、不活性ガスなど
の混合ガスを反応容器内に導入し、熱フィラメントによ
る電子線照射、高周波またはマイクロ波などにより炭化
水素を分解、プラズマ化し金属、セラミックスなどから
なる基板表面にダイヤモンドを析出合成する方法であ
る。
【003】
【発明が解決しようとする問題点】ところが気相合成法
はどんな物質上にも同じようにダイヤモンドが均一に合
成できるわけではなく、基板の材質よっては合成できな
かったり、できてもダイヤモンドの粒子密度が高かった
り低かったりする。結晶の格子常数がダイヤモンドの格
子常数に近い物質を基板にすると下地の影響を受けてダ
イヤモンドが合成し易く、炭素の拡散速度の大きい物質
を基板にすると表面に結晶の核となるべきものが出来に
くいのでダイヤモンドが合成しにくいと考えられてい
る。現在もっともダイヤモンドを合成し易い基板として
よく知られている物質にSiがある。しかし、Siを基
板に用いてもその表面状態によりダイヤモンドが合成さ
れる状態は種々に変化する。表面がミラーポリッシュさ
れた状態ではほとんどダイヤモンドは合成されない。気
相合成ダイヤモンドは核発生密度の高い緻密なものほど
基板との密着力が高く、また基板から剥して自立膜とし
て用いるときも強度が高いと考えられている。
【004】そこでこれらの問題の解決法が数多く考えら
れた。前処理として基板表面をダイヤモンド粉末で傷つ
け処理や、エッチング処理をすることにより表面性状を
変化させ核発生密度を高くしダイヤモンドが緻密に合成
できるようになることはよく知られていることである。
あるいは、基板表面にダイヤモンドや炭化物などの微細
粉末を直接分散塗布して核発生を促進する方法もある。
あるいは、ダイヤモンドが合成しにくい基板の表面にダ
イヤモンドが合成し易い物質の薄膜をPVD法やCVD
法で中間層として形成する方法もある。しかし、これら
の方法は基板材質に応じて条件を設定しなくてはならな
い上に、処理をすることそれ自体が手間と時間が掛か
る。基板の材質や表面性状がどのようなものであっても
前処理無しでダイヤモンドが合成できることが望まし
い。
【005】
【問題点を解決するための手段】マイクロ波プラズマC
VD法あるいは高周波プラズマCVD法において、少な
くとも合成初期に基板の近傍でかつプラズマの中にダイ
ヤモンドを配置することにより前記基板表面へダイヤモ
ンド合成の初期核となる核を輸送せしめてから、前記基
板表面上へダイヤモンドを合成する。配置するダイヤモ
ンドはダイヤモンドでありさえすればよく高圧合成ある
いは気相合成などの合成でも天然でもかまわない。ま
た、性状も粉末、単結晶、多結晶、焼結体あるいは薄膜
でもよい。粉末についてはミクロンサイズといわれる微
粒のものから、メッシュサイズといわれる粗粒のものま
で全てが適用できる。また、プラズマの発生手段はマイ
クロ波あるいは高周波に限らず、他の方法でもよい。
イヤモンドを配置する位置は合成中に基板を包含するプ
ラズマ中か、あるいは配置するダイヤモンドを包含する
目的で別に発生させたプラズマ中であり、しかも基板に
核の発生源となる活性種を輸送できる距離内にあればよ
い。従って前記条件を満たせばダイヤモンドを基板の上
下左右どこの位置に配置してもよい。
【006】
【作用】基板近傍のプラズマ中にダイヤモンドを配置す
るとプラズマのエネルギーによりプラズマ中に配置した
ダイヤモンドから核の発生源となるべき活性種がプラズ
マ中に拡散していく。この活性種は基板の表面に輸送さ
れ合成初期における核の発生源となる。この活性種はダ
イヤモンド結晶構造の非常に微細な粒子と考えられ、い
わゆる核ほどには大きくないが原料ガスから発生する種
々のラジカルよりは大きい塊と考えられる。この活性種
はNi、Feなどの炭素の拡散速度の大きい物質の基板
表面に輸送されても内部に拡散してしまう前にダイヤモ
ンドの核を発生させる。また鏡面研磨されて核が発生し
にくい基板表面でも容易に核を発生する。このようにし
て前処理無しで高密度の核を発生させることが出来る。
基板近傍に配置したダイヤモンドはあくまで核の元とな
る活性種を合成初期に供給するものであって、核が十分
に発生した後ダイヤモンドが成長していくための炭素源
は従来法と同様に炭化水素などの原料ガスによる。
【007】
【実施例】 第1図はマイクロ波プラズマCVD法で本発
明を実施した場合の実施例である。初期核となる核を供
給するダイヤモンド粉末を基板ホルダー上の基板を取り
囲むように基板ホルダー上に配置し、下記の合成条件で
ダイヤモンドの合成を行った。
【008】 ダイヤモンド 0−1μmの高圧合成ダイヤモンド粉
基板 粉末焼結Ni 基板前処理 焼結のまま 原料ガス メタン/水素=1/100 圧力 40torr 合成温度 900℃ 合成時間 2時間 その結果、第2図および第3図のSEM写真に示すよう
に核発生密度の高いダイヤモンドが合成できた。比較例
としてダイヤモンド粉末を基板周囲に配置しないで、他
の条件は同一にしてダイヤモンドの合成を試みたものが
第4図であるが、少量のダイヤモンドが点在するように
合成できただけである。
【009】
【発明の効果】本発明によればダイヤモンドの合成初期
に基板の近傍でかつプラズマの中にダイヤモンドを配置
することにより前記基板表面へダイヤモンド合成の初期
核となる核を輸送せしめてから、前記基板表面上へダイ
ヤモンドを合成すれば、基板の材質や表面性状がどのよ
うなものであっても前処理無しでダイヤモンドが合成で
きる。いままでダイヤモンドを気相合成しにくかった、
NiやFeなどの炭素の拡散速度の大きい物質の基板上
にも、表面が鏡面研磨された状態の基板にも核発生密度
の高い緻密なダイヤモンドを合成することが可能になっ
た。このため気相合成ダイヤモンドの応用範囲が飛躍的
に拡大することが考えられる。配置したダイヤモンドは
核の元となる活性種を供給するためだけに配置したの
で、合成初期に核が発生してしまった後は必要ないの
で、覆ってしまうかあるいは基板から離してしまえば消
費量は僅かな量でしかなく、コストは非常に低くて済
む。
【010】
【図面の簡単な説明】
【第1図】 第1図は本発明の説明図。
【第2図】 第2図は実施例により実際に合成し
たダイヤモンドの結晶構造を示す電子顕微鏡写真。
【第3図】 第3図はその高倍率のダイヤモンド
の結晶構造を示す電子顕微鏡写真。
【第4図】 第4図は従来法により合成したダイ
ヤモンドの結晶構造を示す電子顕微鏡写真。
【符号の説明】
1……マイクロ波発生装置 2……真空ポンプによる排気口 3……プランジャー 4……ダイヤモンド粉末 5……基板 6……原料ガス導入口 7……プラズマ 8……導波管 9……石英管 10……基板ホルダー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 油井 広一 東京都大田区大森北5丁目7番12号 オ グラ宝石精機工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭64−51396(JP,A) 特開 昭60−131896(JP,A) 特開 平5−132395(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C30B 29/04 C23C 14/00 - 14/58 C23C 16/00 - 16/56

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ダイヤモンドを気相で合成するマイクロ波
    プラズマCVD法あるいは高周波プラズマCVD法にお
    いて、 少なくとも合成初期にプラズマのエネルギーによりプラ
    ズマ中に配置したダイヤモンドから核の発生源となるべ
    き活性種をプラズマ中に拡散させて前記基板表面へダイ
    ヤモンド合成の初期核となる核を輸送せしめてから、前
    記基板表面上へダイヤモンドを合成することを特徴とす
    ダイヤモンド膜の製造方法。
  2. 【請求項2】プラズマCVD法により基板上にダイヤモ
    ンドを合成するダイヤモンド膜の製造方法であって、 真空管内に発生させたプラズマによりダイヤモンドを活
    性させて該活性種を前記基板上に輸送せしめてダイヤモ
    ンド合成の初期核を発生させ、 この後、炭化水素などの原料ガスを供給して初期核上に
    ダイヤモンドを成長させるダイヤモンド膜の製造方法。
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