JPH06184152A - 新規な化合物、その製法及び該化合物を主成分とする脳機能改善剤 - Google Patents

新規な化合物、その製法及び該化合物を主成分とする脳機能改善剤

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JPH06184152A
JPH06184152A JP25354692A JP25354692A JPH06184152A JP H06184152 A JPH06184152 A JP H06184152A JP 25354692 A JP25354692 A JP 25354692A JP 25354692 A JP25354692 A JP 25354692A JP H06184152 A JPH06184152 A JP H06184152A
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Japan
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azabicyclo
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octane
lower alkyl
amino
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JP25354692A
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Masatsune Kurono
野 昌 庸 黒
Yutaka Baba
場 豊 馬
Tomoo Suzuki
木 智 雄 鈴
Tsunemasa Suzuki
木 常 正 鈴
Kiyotaka Hirooka
岡 清 隆 広
Kiichi Sawai
井 喜 一 澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanwa Kagaku Kenkyusho Co Ltd
Original Assignee
Sanwa Kagaku Kenkyusho Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 脳機能改善作用を有する新規な芳香族アミノ
置換化合物の提供。 【構成】 一般式 【化1】 [式中、A は CH、N 又は N→O を意味し、R1 はニトロ
基又はアミノ基を意味し、R2 は水素原子、低級アルキ
ル基又はアシル基を意味し、R3 は基 【化2】 (式中、m は 0 又は 1 を意味し、n は 0 - 3 の整数を
意味し、R4 及び R5 は水素原子又は低級アルキル基を
意味し、R6 及び R7 は水素原子、或は直鎖状又は分枝
状の低級アルキル基を意味し、R4 と R6、及び R5 と R
7 とがアルキレン鎖で連結した複素環となることがあ
り、R6 と R7 とがアルキレン鎖で連結した複素環とな
ることもある) を意味し、点線は場合により存在する環
を意味する]にて示される化合物及びその塩。 【効果】 本発明による化合物は記憶障害の改善作用に
おいて優れており、毒性が低いので、長期にわたる連投
を必要とする痴呆症、殊にアルツハイマー型痴呆症の予
防及び治療に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は脳機能改善剤、殊に脳機
能障害の予防・治療剤として有効な新規化合物及びその
塩並びにこれらの製法に関するものであり、本発明によ
る化合物及びその塩は老人性痴呆症及びアルツハイマー
型痴呆症の治療用薬物として殊に有用である。
【0002】
【従来の技術】近年、社会環境の変化等に伴うストレス
を要因とするものと推定される記憶障害、失語、失行等
の精神障害乃至痴呆、老人性痴呆、アルツハイマー型痴
呆症の増加が社会問題とまでなっている。これらの内で
「アルツハイマー型痴呆症」と称されている疾患は脳神
経細胞の萎縮により発症するものとされており、年齢の
上昇と共に発生率が著しく増加する傾向があり、従って
高齢化社会へ移行に伴い憂慮すべき疾患であるが、脳神
経細胞の萎縮が如何にして生じるのかが不明であるため
に予防及び治療法に関する研究は現在模索段階にあるの
が実情である。
【0003】近年、アルツハイマー型痴呆症の治療剤と
して THA (1,2,3,4-tetrahydro-9-aminoacridine) が米
国において開発され話題を呼んだ。しかしながら当該薬
物は、現在迄の処 FDA に製造申請はされているものの
許可されるには至っておらず、その原因は有効性と副作
用に関する問題のためであると伝えられている。従っ
て、薬理作用が確実に発現し且つ毒性の低い痴呆症の予
防乃至治療用薬物を開発することが急務となっている。
尚、THA の開発が端緒となって、世界の各国で抗痴呆症
薬の開発が進められているが、臨床治療において安全性
と有効性とが認められた薬物は現在迄の処存在しない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明が解決
しようとする課題は、組織機能改善効果、殊に脳機能改
善効果を有し、毒性が低く、従って安全性に優れ、長期
投与が可能であり、しかも薬理作用が強力な薬物を提供
し、これによって痴呆症等の予防や治療を可能にするこ
とにある。
【0005】
【課題を解決する手段】本発明者等は前記のような好ま
しい性質を有する薬物を開発すべく、THA が有している
化学構造を参考にして鋭意研究を重ね、種々の化合物を
試作し、薬理作用を調べた結果、脳機能の改善に関して
強力な薬理作用を有する物質を見い出して本発明を完成
するに至った。
【0006】本発明によれば、基本的には、既述の課題
は一般式 (I)
【化13】 [式中、A は CH、N 又は N→O を意味し、R1 はニトロ
基又はアミノ基を意味し、R2 は水素原子、低級アルキ
ル基又はアシル基を意味し、R3 は基
【化14】 (式中、m は 0 又は 1 を意味し、n は 0 - 3 の整数を
意味し、R4 及び R5 は水素原子又は低級アルキル基を
意味し、R6 及び R7 は水素原子、或は直鎖状又は分岐
状の低級アルキル基を意味し、R4 と R6 及び R5 と R7
とがアルキレン鎖で連結した複素環となることがあ
り、R6 と R7 とがアルキレン鎖で連結した複素環とな
ることもある) を意味し、点線は場合により存在する環
を意味する]にて示される化合物及びその塩により解決
される。
【0007】一般式 (I) にて示される化合物におい
て、母骨格となる芳香族環としてはベンゼン、ピリジ
ン、ナフタレン、キノリン及びアントラセン環を例示す
ることができ、低級アルキル基としてはメチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基及びペンチル基を例示する
ことができ、分岐状の低級アルキル基としてはイソプロ
ピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル
基、イソペンチル基及びネオペンチル基を例示すること
ができ、アシル基としてはホルミル基、アセチル基、プ
ロピオニル基及びブチリル基を例示することができ、R4
と R6、及び R5 とR7 とがアルキレン鎖で連結した複
素環としては 1-アザビシクロ[3.3.0]オクタン環、及び
メチル基、エチル基等にて置換された 1-アザビシクロ
[3.3.0]オクタン環を例示することができ、又 R6 と R7
とがアルキレン鎖で連結した複素環としてはピロリジ
ン及びピペリジンを例示することができる。尚、上記化
合物の塩は当然のことながら非毒性塩であり、当該塩を
形成するための酸としては燐酸、塩酸、硫酸、臭化水素
酸、沃化水素酸等の無機酸; 酢酸、琥珀酸、フマール
酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸等の有
機酸;アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン等のアミ
ノ酸を例示することができる。
【0008】本発明方法によれば、上記の一般式 (I)
にて示される化合物及びその塩は、下記の諸ルートによ
り合成することができる。ルート 1 一般式 (II)
【化15】 (式中、A は CH、N 又は N→O を意味し、R1 はニトロ
基またはアミノ基を意味し、X はハロゲン原子又はアル
コキシ基を意味し、点線は場合により存在する環を意味
する)にて示される化合物と、一般式 (III)
【化16】 (式中、n は 0 - 3 の整数を意味し、R2 は水素原子、
低級アルキル基又はアシル基を意味し、R4 及び R5
水素原子又は低級アルキル基を意味し、R6 及びR7 は水
素原子、又は直鎖状又は分岐状の低級アルキル基を意味
し、R4 と R6 及び R5と R7 とがアルキレン鎖で連結し
た複素環となることがあり、R6 と R7 とがアルキレン
鎖で連結した複素環となることもある)にて示される化
合物とを反応させ、次いで必要に応じて塩に変ずる方
法。
【0009】この方法の場合に、原料化合物 (II) と
(III) の配合モル比は 1 : 0.8 乃至1 : 5.0 程度が適
当である。反応は溶媒の存在下または不在下に 0 - 180
℃ 程度の温度で実施することができ、溶媒としてはメ
タノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコー
ル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ニトロベンゼ
ン、クロルベンゼン、ジクロルベンゼン等の芳香族炭化
水素類、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセ
トアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性
溶媒、塩化メチレン、クロロホルム等の塩素系溶媒、ピ
リジン、トリエチルアミン等の塩基性溶媒、ジエチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類を用いるこ
とができ、必要に応じて NaI、NaBr 等を触媒として添
加することもできる。反応混合物からの目的物質の分離
及び精製は濾過、濃縮、抽出、カラムクロマトグラフィ
ー、蒸留、再結晶等の自体周知の操作により行うことが
できる。
【0010】ルート 2 一般式 (IV)
【化17】 (式中、A' は CH、N、N→O を意味し、R1' はニトロ基
又はアミノ基を意味し、但し A' が CH 又は N を意味
する場合に R1' がアミノ基を意味することはなく、R2
は水素原子、低級アルキル基又はアシル基を意味し、n
は 0 - 3 の整数を意味し、R4 及び R5 は 水素原子又
は低級アルキル基を意味し、R6 及び R7は水素原子、或
は直鎖状又は分岐状の低級アルキル基を意味し、R4
R6 及びR5 と R7 とがアルキレン鎖で連結した複素環と
なることがあり、R6 と R7 とがアルキレン鎖で連結し
た複素環となるともあり、点線は場合により存在する環
を意味する)にて示される化合物を還元性試薬によりニ
トロ還元或はオキシド還元し、得られた生成物を必要に
応じて塩に変ずる方法。
【0011】この方法において、ニトロ基の還元は、例
えば白金、パラジウム又はその酸化物或はこれらと活性
炭、硫酸バリウム等の担体との混合物、若しくはラネー
ニッケル等を触媒として、1 - 5 気圧の水素雰囲気下に
て溶媒としてメタノール、エタノール、水等を用い、反
応温度 0 - 100℃ の条件にて実施することができる。
【0012】一方、N→O 基の還元は、例えば 3 塩化
燐、トリフェニルホスフィン等を還元試薬とし、溶媒と
して例えば酢酸、酢酸エチル、ジエチルエーテル、ベン
ゼン、クロロホルム等を用い又は溶媒を使用することな
しに、反応温度 -20 - +180℃の条件にて実施すること
ができる。尚、何れの還元方法を実施した場合にも、反
応混合物からの目的物質の分離精製処理操作はルート 1
の場合と同様である。
【0013】ルート 3 一般式 (V)
【化18】 (式中、A は CH、N 又は N→O を意味し、R1 はニトロ
基又はアミノ基を意味し、R2 は水素原子、低級アルキ
ル基又はアシル基を意味する)にて示され化合物と、一
般式 (VI)
【化19】 (式中、X はハロゲン原子、水酸基又はアルコキシ基を
意味し、m は 0 又は 1の整数を意味し、n は 0 - 3 の
整数を意味し、R4 及び R5 は 水素原子又は低級アルキ
ル基を意味し、R6 及び R7 は水素原子、或は直鎖状又
は分岐状の低級アルキル基を意味し、R4 と R6 及び R5
と R7 とがアルキレン鎖で連結した複素環となること
があり、R6 と R7 とがアルキレン鎖で連結した複素環
となることもある)にて示される化合物とを反応させ、
得られた生成物を必要に応じて塩に変ずる方法。
【0014】この方法を実施する場合に、原料化合物
(V) と (VI) の配合モル比は 1 :0.8 乃至 1 : 3.0 程
度が適当である。反応は溶媒の存在下または不在下で -
60- +180℃ 程度の温度で実施することができ、溶媒と
してはベンゼン、トルエン、キシレン、ニトロベンゼ
ン、クロルベンゼン、ジクロルベンゼン等の芳香族炭化
水素類、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセ
トアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性
溶媒、塩化メチレン、クロロホルム等の塩素系溶媒、ピ
リジン、トリエチルアミン等の塩基性溶媒、ジエチルエ
ーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類を用いる
ことができる。尚、必要に応じてNaOH、Na2CO3、K2CO3
等の無機塩基類、DBU (1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]-7-
ウンデセン等の有機塩基類を使用することもできる。反
応混合物の処理操作はルート 1 におけると同様であ
る。
【0015】
【薬剤となす場合の剤形及び投与量】本発明による化合
物及びその塩は、その少なくとも 1 種類の物質を有効
成分として製剤化することができる。製剤化に際して剤
型に関する制限はなく、常法により錠剤、丸剤、硬カプ
セル剤、軟カプセル剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、坐剤の
ような固形製剤になすことも、或いは溶液、懸濁剤、乳
濁剤のような液状製剤になすこともできる。
【0016】本発明による化合物及びその塩は種類や剤
型、疾患の種類や程度、患者の年齢や状態等のファクタ
に依存するが、成人を対象とする場合に通常 0.001 - 1
000mg/日、好ましくは 0.01 - 100mg/日 程度投与する
のが適当である。
【0017】
【製造例等】次に製造例、薬効薬理試験例及び製剤例に
関連して本発明を更に詳細に且つ具体的に説明する。製造例 1 4-(1-アザビシクロ[3.3.0]オクタン-5-イル)メチルアミ
ノ-3-ニトロキノリン 4-クロロ-3-ニトロキノリン 7.90g (36.8mmol) を DMF
60.0ml に溶解させ、氷冷しながら (1-アザビシクロ[3.
3.0]オクタン-5-イル)メチルアミン 5.66g(40.5mmol)
を添加した。その後、15 - 20℃ で 20 時間撹拌し、氷
水 400ml に注ぎ、続いて炭酸ナトリウムで塩基性とな
し、析出物を濾取し、水洗した。減圧下にデシケータ中
で乾燥させ、所望化合物を黄色粉末として 10.6g (収率
92.2%) 得た。
【0018】融点 : 155 - 158℃. MS スペクトル [CI/DI (i-Bu)] m/z :313 (M + 1)+.1 H-NMR スペクトル (DMSO-d6) δppm : 1.5 - 1.9 (8H, m), 2.6 - 2.7 (2H, m), 3.0 - 3.1 (2H, m), 3.81 (2H, s), 7.55 (1H, t, J = 7Hz), 7.8 - 8.0 (2H, m), 8.47 (1H, d, J = 7Hz), 9.15 (1H, brs).
【0019】製造例 2 3-アミノ-4-(1-アザビシクロ[3.3.0]オクタン-5-イル)
メチルアミノキノリン 塩酸塩 エタノール 1200ml に 4-(1-アザビシクロ[3.3.0]オク
タン-5-イル)メチルアミノ-3-ニトロキノリン 6.00g (1
9.2mmol) と 10% パラジウム-炭素 2.00g とを添加し、
水素気流下において 15 - 20℃ で 2 時間撹拌した。反
応混合物を濾過し、減圧濃縮し、所望化合物を赤色オイ
ルとして 5.40g (定量的) 得た。得られたオイルをエタ
ノール 200ml に溶解させ、塩化水素ガスを導入し、濃
縮後、ジエチルエーテルを添加して放置することにより
所望化合物の 2 塩酸塩を微赤色粉末状結晶として 4.80
g 得た。
【0020】融点 : 231 - 235℃. MS スペクトル (EI/DI) m/z :282 (M+), 110 (M - 172)
+.1 H-NMR スペクトル (DMSO-d6) δppm : 1.7 - 2.2 (8H, m), 3.1 - 3.3 (2H, m), 3.4 - 3.6 (2H, m), 4.47 (2H, s), 7.75 (1H, t, J = 7Hz), 7.88 (1H, t, J = 7Hz), 8.10 (1H, d, J = 7Hz), 8.50 (1H, brs), 8.57 (1H, s), 8.86 (1H, d, J = 8Hz), 11.90 (1H, brs).
【0021】製造例 3 4-アミノ-3-(1-アザビシクロ[3.3.0]オクタン-5-イル)
カルボニルアミノキノ リン ピリジン 330ml に 3,4-ジアミノキノリン 5.52g (34.7
mmol) を溶解させ、-15 - +20℃ にて撹拌しながら 5-
クロロカルボニル-1-アザビシクロ[3.3.0]オクタン塩酸
塩 7.70g (36.5mmol) を徐々に添加した。その後 15 -
20℃ にて 16時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、
残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を100ml 添加し、
クロロホルム 800ml にて抽出し,食塩水 40.0ml にて
洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。アル
ミナカラムクロマトグラフィーで精製することによりオ
イルとして所望化合物 4.30g (収率 41.8%) を得た。こ
のオイルをエタノール-ジエチルエーテルで結晶化させ
ることにより淡黄色プリズ ム晶として 3.05g 得た。
【0022】融点 : 182 - 184℃. MS スペクトル (EI/DI) m/z :296 (M+), 110 (M - 186)
+.1 H-NMR スペクトル (DMSO-d6) δppm : 1.7 - 2.3 (8H, m), 2.6 - 2.8 (2H, m), 3.2 - 3.4 (2H, m), 6.26 (2H, s), 7.52 (1H, t, J = 7Hz), 7.68 (1H, t, J = 7Hz), 7.88 (1H, d, J = 7Hz), 8.32 (1H, d, J = 7Hz), 8.40 (1H, s), 9.83 (1H, s).
【0023】製造例 4 4-アミノ-3-(1-アザビシクロ[3.3.0]オクタン-5-イル)
メチルカルボニルアミ ノキノリン 3,4-ジアミノキノリンと 5-クロロカルボニルメチル-1-
アザビシクロ[3.3.0]オクタン塩酸塩とを用いる以外は
製造例 3 と同様に反応させることにより所望化合物を
収率 53.0% で得た。
【0024】融点 : 205 - 209℃. MS スペクトル (EI/DI) m/z :310 (M+), 110 (M - 200)
+.1 H-NMR スペクトル (DMSO-d6) δppm : 1.6 - 2.1 (8H, m), 2.41 (2H, s), 2.5 - 2.7 (2H, m), 2.9 - 3.1 (2H, m), 6.78 (2H, s), 7.42 (1H, t, J = 8Hz), 7.59 (1H, t, J = 8Hz), 7.77 (1H, d, J = 8Hz), 8.18 (1H, d, J = 8Hz), 8.24 (1H, s), 9.35 (1H, s).
【0025】製造例 5 3-(1-アザビシクロ[3.3.0]オクタン-5-イル)メチルアミ
ノ-4-ニトロキノリン-1-オキシド 3-ブロモ-4-ニトロキノリン N-オキシドと (1-アザビシ
クロ[3.3.0]オクタン-5-イル)メチルアミンとを用いる
以外は製造例 1 と同様に反応させることにより所望化
合物を収率 88.4% で得た。
【0026】融点 : 90 - 92℃. MS スペクトル [CI/DI (i-Bu)] m/z :346 (M + 18)+, 2
66 (M - 62)+.1 H-NMR スペクトル (CDCl3) δppm : 1.6 - 2.0 (8H, m), 2.6 - 2.8 (2H, m), 3.1 - 3.3 (2H, m), 3.48 (2H, d, J = 4Hz), 5.91 (1H, brs), 7.57 (1H, t, J = 8Hz), 7.75 (1H, t, J = 8Hz), 8.12 (1H, d, J = 8Hz), 8.56 (1H, s), 8.73 (1H, d, J = 8Hz).
【0027】製造例 6 3-(1-アザビシクロ[3.3.0]オクタン-5-イル)メチルアミ
ノ-4-ニトロキノリン クロロホルム 60.0ml に 3-(1-アザビシクロ[3.3.0]オ
クタン-5-イル)メチルアミノ-4-ニトロキノリン-1-オキ
シド 900mg (2.74mmol) を溶解させ、-10℃ に冷却しな
がら、三塩化燐 4.76ml (47.4mmol) を滴下し,滴下後
16 時間 0℃ において撹拌した。反応混合物を氷水 500
ml に注ぎ、炭酸水素ナトリウムで塩基性となし、クロ
ロホルムで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮
し、アルミナカラムクロマトグラフィーで精製し、クロ
ロホルム-ヘキサンで結晶化させることにより所望化合
物を淡黄色粉末結晶として 560mg (収率 65.4%) 得た。
【0028】融点 : 95 - 99℃. MS スペクトル [CI/DI (i-Bu)] m/z :348 (M + 36)+, 2
66 (M - 46)+.1 H-NMR スペクトル (CDCl3) δppm : 1.6 - 2.0 (8H, m), 2.6 - 2.8 (2H, m), 3.1 - 3.3 (2H, m), 3.60 (2H, d, J = 4Hz), 6.01 (1H, brs), 7.40 (1H, t, J = 8Hz), 7.61 (1H, t, J = 8Hz), 7.95 (1H, d, J = 8Hz), 8.09 (1H, d, J = 8Hz), 8.63 (1H, s).
【0029】製造例 7 3-[2-(1-アザビシクロ[3.3.0]オクタン-5-イル)エチル]
アミノ-4-ニトロキノ リン 1-オキシド 3-ブロモ-4-ニトロキノリン 1-オキシドと 2-(1-アザビ
シクロ[3.3.0]オクタン-5-イル)エチルアミンとを用い
る以外は製造例 1 と同様に反応させることにより所望
化合物を収率 87.4% で得た。
【0030】融点 : 103 - 106℃. MS スペクトル [CI/DI (i-Bu)] m/z :360 (M + 20)+, 2
80 (M - 62)+.1 H-NMR スペクトル (CDCl3) δppm : 1.6 - 1.9 (10H, m), 2.6 - 2.8 (2H, m), 3.0 - 3.2 (2H, m), 3.90 (2H, dd, J = 11.7Hz), 7.53 (1H, t, J = 8Hz), 7.72 (1H, t, J = 8Hz), 8.10 (1H, d, J = 8Hz), 8.50 (1H, brs), 8.53 (1H, s), 8.73 (1H, d, J = 8Hz).
【0031】製造例 8 3-[2-(1-アザビシクロ[3.3.0]オクタン-5-イル)エチル]
アミノ-4-ニトロキノ リン 3-[2-(1-アザビシクロ[3.3.0]オクタン-5-イル)エチル]
アミノ-4-ニトロキノリン 1-オキシドと 3 塩化燐とを
用いる以外は製造例 6 と同様に反応させることにより
所望化合物を収率 66.3% で得た。
【0032】融点 : 106 - 108℃. MS スペクトル [CI/DI (i-Bu)] m/z :362 (M + 36)+, 2
80 (M - 46)+.1 H-NMR スペクトル (CDCl3) δppm : 1.5 - 2.0 (10H, m), 2.6 - 2.8 (2H, m), 3.0 - 3.2 (2H, m), 3.96 (2H, dd, J = 10.6Hz), 7.38 (1H, t, J = 8Hz), 7.59 (1H, t, J = 8Hz), 7.92 (1H, d, J = 8Hz), 8.07 (1H, d, J = 8Hz), 8.17 (1H, brs), 8.58 (1H, s).
【0033】製造例 9 1-(1-アザビシクロ[3.3.0]オクタン-5-イル)メチルアミ
ノ-2-ニトロベンゼン o-クロロニトロベンゼンと 1-アザビシクロ[3.3.0]オク
タン-5-イル)メチルアミンとを用いる以外は製造例 1
と同様に反応させることにより所望化合物 (オイル) を
収率80.9% で得た。
【0034】MS スペクトル (EI/DI) m/z :261 (M+), 1
10 (M - 151)+.1 H-NMR スペクトル (CDCl3) δppm : 1.6 - 1.9 (8H, m), 2.6 - 2.7 (2H, m), 3.1 - 3.2 (2H, m), 3.16 (2H, d, J = 5Hz), 6.60 (1H, t, J = 9Hz), 6.83 (1H, d, J = 9Hz), 7.40 (1H, t, J = 9Hz), 8.16 (1H, d, J = 9Hz), 8.36 (1H, brs).
【0035】製造例 10 1-(1-アザビシクロ[3.3.0]オクタン-5-イル)メチルアミ
ノ-4-ニトロベンゼン p-クロロニトロベンゼンと (1-アザビシクロ[3.3.0]オ
クタン-5-イル)メチルアミンとを用いる以外は製造例 1
と同様に反応させることにより所望化合物(オイル) を
収率 74.4% で得た。
【0036】MS スペクトル (EI/DI) m/z :261 (M+), 1
10 (M - 151)+.1 H-NMR スペクトル (CDCl3) δppm : 1.6 - 1.9 (8H, m), 2.6 - 2.7 (2H, m), 2.9 - 3.1 (2H, m), 3.04 (2H, d, J = 5Hz), 5.27 (1H, brs), 6.53 (2H, d, J = 9Hz), 8.06 (2H, d, J = 9Hz).
【0037】製造例 11 1-(1-アザビシクロ[3.3.0]オクタン-5-イル)メチルアミ
ノ-4-ニトロナフタレ 1-クロロ-4-ニトロナフタレンと (1-アザビシクロ[3.3.
0]オクタン-5-イル)メチルアミンとを用いる以外は製造
例 1 と同様に反応させることにより所望化合物を収率
50.9% で得た。
【0038】融点 : 143 - 144℃. MS スペクトル (EI/DI) m/z :311 (M+), 110 (M - 201)
+. MS スペクトル [(CI/DI (i-Bu)] m/z :312 (M + 1)+, 1
10 (M - 201)+.1 H-NMR スペクトル (CDCl3) δppm : 1.7 - 2.0 (8H, m), 2.7 - 2.8 (2H, m), 3.1 - 3.2 (2H, m), 3.19 (2H, d, J = 4Hz), 6.45 (1H, d, J = 9Hz), 6.50 (1H, brs), 7.53 (1H, t, J = 8Hz), 7.70 (1H, t, J = 8Hz), 7.88 (1H, d, J = 8Hz), 8.49 (1H, d, J = 9Hz), 9.07 (1H, d, J = 8Hz).
【0039】製造例 12 2-(1-アザビシクロ[3.3.0]オクタン-5-イル)メチルアミ
ノ-1-ニトロナフタレ 2-エトキシ-1-ニトロナフタレンと (1-アザビシクロ[3.
3.0]オクタン-5-イル)メチルアミンとを用いる以外は製
造例 1 と同様に反応させることにより所望化合物を収
率 39.1% で得た。
【0040】融点 : 86 - 87℃. MS スペクトル (EI/DI) m/z :311 (M+), 110 (M - 201)
+. MS スペクトル [(CI/DI (i-Bu)] m/z :312 (M + 1)+, 1
10 (M - 210)+.1 H-NMR スペクトル (CDCl3) δppm : 1.6 - 1.9 (8H, m), 2.6 - 2.7 (2H, m), 3.1 - 3.2 (2H, m), 3.30 (2H, d, J = 5Hz), 7.06 (1H, d, J = 9Hz), 7.31 (1H, t, J = 8Hz), 7.58 (1H, t, J = 8Hz), 7.65 (1H, d, J = 8Hz), 7.76 (1H, d, J = 9Hz), 8.77 (1H, d, J = 8Hz), 9.18 (1H, brs).
【0041】製造例 13 1-(1-アザビシクロ[3.3.0]オクタン-5-イル)メチルアミ
ノ-2-ニトロナフタレ 1-クロロ-2-ニトロナフタレンと (1-アザビシクロ[3.3.
0]オクタン-5-イル)メチルアミンとを用いる以外は製造
例 1 と同様に反応させることにより所望化合物を収率
84.1% で得た。
【0042】融点 : 88 - 89℃. MS スペクトル (EI/DI) m/z :311 (M+), 110 (M - 201)
+.1 H-NMR スペクトル (CDCl3) δppm : 1.6 - 1.9 (8H, m), 2.6 - 2.7 (2H, m), 3.1 - 3.2 (2H, m), 3.69 (2H, d, J = 5Hz), 7.05 (1H, d, J = 9Hz), 7.43 (1H, t, J = 8Hz), 7.59 (1H, t, J = 8Hz), 7.73 (1H, d, J = 8Hz), 8.08 (1H, d, J = 9Hz), 8.31 (1H, d, J = 8Hz), 9.49 (1H, brs).
【0043】製造例 14 1-(2-ジイソプロピルアミノエチル)アミノ-4-ニトロナ
フタレン 1-クロロ-4-ニトロナフタレンと N,N-ジイソプロピルエ
チレンジアミンとを用る以外は製造例 1 と同様に反応
させることにより所望化合物を収率 75.7% で得た。
【0044】融点 : 63 - 64℃. MS スペクトル (EI/DI) m/z :315 (M+), 114 (M - 201)
+.1 H-NMR スペクトル (CDCl3) δppm : 1.10 (12H, d, J = 7Hz), 2.93 (2H, t, J = 6Hz), 3.13 (2H, 7tet, J = 7Hz), 3.28 (2H, q, J = 6Hz), 6.43 (1H, d, J = 9Hz), 6.60 (1H, brs), 7.51 (1H, t, J = 8Hz), 7.70 (1H, t, J = 8Hz), 7.81 (1H, d, J = 8Hz), 8.50 (1H, d, J = 9Hz), 9.07 (1H, d, J = 8Hz).
【0045】製造例 15 1-[N-(1-アザビシクロ[3.3.0]オクタン-5-イル)メチル-
N-メチルアミノ]-4-ニ トロナフタレン 1-クロロ-4-ニトロナフタレンと 5-(メチルアミノ)メチ
ル-1-アザビシクロ[3.3.0]オクタンとを用いる以外は製
造例 1 と同様に反応させることにより所望化合物 (オ
イル) を収率 78.2% で得た。
【0046】MS スペクトル [(CI/DI (i-Bu)] m/z :326
(M + 1)+, 110 (M - 216)+.1 H-NMR スペクトル (CDCl3) δppm : 1.5 - 2.0 (8H, m), 2.5 - 2.6 (2H, m), 2.9 - 3.0 (2H, m), 3.12 (3H, s), 3.37 (2H, s), 7.11 (1H, d, J = 8Hz), 7.55 (1H, t, J = 8Hz), 7.68 (1H, t, J = 8Hz), 8.26 (1H, d, J = 8Hz), 8.31 (1H, d, J = 8Hz), 8.78 (1H, d, J = 8Hz).
【0047】製造例 16 1-[2-(1-アザビシクロ[3.3.0]オクタン-5-イル)エチル
アミノ]-4-ニトロナフ タレン 1-クロロ-4-ニトロナフタレンと 2-(1-アザビシクロ[3.
3.0]オクタン-5-イル)エチルアミンとを用いる以外は製
造例 1 と同様に反応させることにより所望化合物を収
率 65.6% で得た。
【0048】融点 : 90 - 91℃. MS スペクトル (EI/DI) m/z :325 (M+), 110 (M - 215)
+.1 H-NMR スペクトル (CDCl3) δppm : 1.6 - 1.9 (8H, m), 1.94 (2H, t, J = 6Hz), 2.7 - 2.8 (2H, m), 3.1 - 3.2 (2H, m), 3.48 (2H, t, J = 6Hz), 6.34 (1H, d, J = 9Hz), 7.49 (1H, t, J =8Hz), 7.68 (1H, t, J = 8Hz), 7.84 (1H, d, J = 8Hz), 8.54 (1H, d, J = 9Hz), 9.11 (1H, d, J = 9Hz), 9.80 (1H, brs).
【0049】製造例 17 1-(1-アザビシクロ[3.3.0]オクタン-5-イル)メチルアミ
ノ-5-ニトロナフタレ 1-アミノ-5-ニトロナフタレンと 5-クロロメチル-1-ア
ザビシクロ[3.3.0]オクタンとを用いる以外には製造例
3 と同様に反応させることにより所望化合物を収率 45.
3% で得た。
【0050】融点 : 95 - 97℃. MS スペクトル [(CI/DI (i-Bu)] m/z :312 (M + 1)+, 1
10 (M - 201)+.1 H-NMR スペクトル (CDCl3) δppm : 1.7 - 2.0 (8H, m), 2.7 - 2.8 (2H, m), 3.06 (2H, d, J = 5Hz), 3.1 - 3.2 (2H, m), 5.39 (1H, brs, g), 6.67 (1H, d, J = 8Hz), 7.45 (1H, t, J = 8Hz), 7.52 (1H, t, J = 8Hz), 7.76 (1H, d, J = 8Hz), 8.11 (1H, d, J = 8Hz), 8.16 (1H, d, J = 8Hz).
【0051】製造例 18 1-[N-(1-アザビシクロ[3.3.0]オクタン-5-イル)メチル-
N-メチルアミノ]-2-ニ トロナフタレン 1-クロロ-2-ニトロナフタレンと 5-(メチルアミノ)メチ
ル-1-アザビシクロ[3.3.0]オクタンとを用いる以外は製
造例 1 と同様に反応させることにより所望化合物 (オ
イル) を収率 85.9% で得た。
【0052】MS スペクトル [(CI/DI (i-Bu)] m/z : 326 (M + 1)+, 110 (M - 215)+.1H-NMR スペクトル (CD
Cl3) δppm : 1.4 - 1.8 (8H, m), 2.5 - 2.6 (2H, m), 2.9 - 3.0 (2H, m), 2.97 (2H, s), 3.23 (2H, s), 7.6 - 7.7 (2H, m), 7.62 (1H, d, J = 9Hz), 7.69 (1H, d, J = 9Hz), 7.8 - 7.9 (1H, m), 8.3 - 8.4 (1H, m).
【0053】製造例 19 9-(1-アザビシクロ[3.3.0]オクタン-5-イル)メチルアミ
ノ-10-ニトロアントラ セン 9-ブロモ-10-ニトロアントラセンと (1-アザビシクロ
[3.3.0]オクタン-5-イル)メチルアミンとを用いる以外
は製造例 1 と同様に反応させることにより所望化合物
を収率 51.5% で得た。
【0054】融点 : 114 - 116℃. MS スペクトル (EI/DI) m/z :361 (M+), 110 (M - 251)
+.1 H-NMR スペクトル (CDCl3) δppm : 1.6 - 1.9 (8H, m), 2.7 - 2.8 (2H, m), 3.2 - 3.3 (2H, m), 3.43 (2H, s), 7.45 (2H, t, J = 9Hz), 7.70 (2H, t, J = 9Hz), 8.07 (2H, d, J = 9Hz), 8.54 (2H, d, J = 9Hz),
【0055】薬効薬理試験例 1 (記憶障害改善作用) a) 目的 マウスを実験動物とし、スコポラミンの投与により惹起
された記憶の抑制が被検薬物により改善されるか否か
を、明暗箱を用いる受動的回避学習試験を通じて検討す
る。
【0056】b) 実験設備 同様の構成を有する明室と暗室とからなる訓練箱を用い
る。暗室は床のグリッドを介して電気的にフットショッ
クを与え得るようになされており、両室の境界には実験
動物が自由に移動できる出入口が設けられている。
【0057】c) 記銘獲得試験 実験動物を明室に入れ、暗室に移動した直後に明室に戻
る迄フットショックを与え続ける。
【0058】d) 再生試験 記銘獲得試験の 24 時間後に実験動物を再び明室に入
れ、その後暗室に移動する迄の時間を最高 300 秒迄測
定する。
【0059】e) 被検薬物の投与 記銘獲得試験開始の 15 分前に腹腔内投与する。
【0060】f) 記憶障害モデルの作成 スコポラミン臭化水素酸塩を生理食塩水に溶解し、記銘
獲得試験開始の 20 分前に 0.25mg/kg を腹腔内に投与
する。
【0061】g) データの処理及び結果 被検薬物を投与した各試験群及び投与しなかった対照群
に関して、再生試験の結果を基に対照群に対する被検薬
物投与群の記憶保持時間の延長率を算出する。結果は下
記の表1に示されている。
【0062】
【表1】
【0063】薬効薬理試験例 2 (ラット脳ホモジネートへの 3H-ピレンゼピンの結合に
対する阻害作用)
【0064】a) ラット脳ホモジネートの調製 Yamamura 及び Synder の方法 ["Proc. Natr. Acad. Sc
i. USA.", Vol. 71,pages 1725 - 1729 (1974)] に従っ
て調製する。即ち、SD 系雄性ラットを断頭により屠殺
し、脳を摘出する。その脳から小脳を除去後、氷冷下に
10 倍量の0.32M スクロースを添加し、Potter-Elevehj
em ガラスホモジナイザーにてホモジナイズする。得ら
れたホモジネートを 1000 x g で 10 分間遠心し、沈澱
を除去後、上清を更に Polytron にてホモジナイズす
る。この画分をラット脳ホモジネートとして後記の試験
に使用する。
【0065】b) 3H-ピレンゼピン結合阻害試験及び結果 Flynn 及び Mash の方法 ["J. Pharm. Exp. Ther.", Vo
l. 250, pages 573 -581 (1989)] に準じて行う。即
ち、上記の方法で調製したラット脳ホモジネート0.035m
l (蛋白量 : 0.6mg) 及び 2.0nM 3H-ピレンゼピンを含
有する 50mM 燐酸緩衝液 (pH 7.4) 1ml に上記の緩衝液
に溶解した被検薬物 1ml を添加し、室温で 60分間反応
させる。次いで氷冷した上記緩衝液 3.0ml を添加し、
予め 0.1%ポリ エチレンイミン溶液に 60 分間浸漬した
Whatman GF/B 濾紙を用いて濾過を行う。更に、上記緩
衝液 3.0ml を添加して 2 回洗浄した後、濾紙を取り出
し、エマルジョンシンチレーターを添加し、液体シンチ
レーションカウンターで測定する。これにより、ラット
脳ホモジネ−トへの 3H-ピレンゼピンの結合に対する本
発明化合物の 50% 阻害濃度 (IC50 値) を求める。結果
は下記の表2に示されている。
【0066】
【表2】
【0067】急性毒性試験例 5 週令の ddY 系雄性マウスを実験動物とし、製造例 11
による化合物を 5%アラビアゴムに懸濁させ、腹腔内投
与した。以後 60 分間の一般症状を観察し、又 24 時間
後迄の死亡の有無を調べた。100mg/kg の投与量におい
て、挙動を含む一般症状に格別の変化は認められず、死
亡例もなかった。
【0068】
【発明の効果】本発明による化合物は新規であり且つ合
成が容易であって、脳機能改善作用において優れており
且つ毒性が低い。従って、各種の脳機能障害、殊に長期
にわたる連投が必要とされる痴呆症、例えばアルツハイ
マー型痴呆及び老人性痴呆症の予防及び治療に有用であ
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/645 9360−4C C07C 211/53 9280−4H 211/57 9280−4H 211/59 9280−4H 211/61 9280−4H 237/06 7106−4H 237/10 7106−4H C07D 215/38 // C07D 219/12 (72)発明者 鈴 木 常 正 名古屋市東区東外堀町35番地 株式会社三 和化学研究所内 (72)発明者 広 岡 清 隆 名古屋市東区東外堀町35番地 株式会社三 和化学研究所内 (72)発明者 澤 井 喜 一 名古屋市東区東外堀町35番地 株式会社三 和化学研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 (I) 【化1】 [式中、A は CH、N 又は N→O を意味し、R1 はニトロ
    基又はアミノ基を意味し、R2 は水素原子、低級アルキ
    ル基又はアシル基を意味し、R3 は基 【化2】 (式中、m は 0 又は 1 を意味し、n は 0 - 3 の整数を
    意味し、R4 及び R5 は水素原子又は低級アルキル基を
    意味し、R6 及び R7 は水素原子、或は直鎖状又は分岐
    状の低級アルキル基を意味し、R4 と R6、及び R5 と R
    7 とがアルキレン鎖で連結した複素環となることがあ
    り、R6 と R7 とがアルキレン鎖で連結した複素環とな
    ることもある) を意味し、点線は場合により存在する環
    を意味する]にて示される化合物及びその塩。
  2. 【請求項2】 化合物が、 (1) 4-(1-アザビシクロ[3.3.0]オクタン-5-イル)メチル
    アミノ-3-ニトロキノリン、 (2) 3-アミノ-4-(1-アザビシクロ[3.3.0]オクタン-5-イ
    ル)メチルアミノキノリン、 (3) 4-アミノ-3-(1-アザビシクロ[3.3.0]オクタン-5-イ
    ル)カルボニルアミノキノリン、 (4) 4-アミノ-3-(1-アザビシクロ[3.3.0]オクタン-5-イ
    ル)メチルカルボニルアミノキノリン、 (5) 3-(1-アザビシクロ[3.3.0]オクタン-5-イル)メチル
    アミノ-4-ニトロキノリン 1-オキシド、 (6) 3-(1-アザビシクロ[3.3.0]オクタン-5-イル)メチル
    アミノ-4-ニトロキノリン、 (7) 3-[2-(1-アザビシクロ[3.3.0]オクタン-5-イル)エ
    チル]アミノ-4-ニトロキノリン 1-オキシド、 (8) 3-[2-(1-アザビシクロ[3.3.0]オクタン-5-イル)エ
    チル]アミノ-4-ニトロキノリン、 (9) 1-(1-アザビシクロ[3.3.0]オクタン-5-イル)メチル
    アミノ-2-ニトロベンゼン、 (10) 1-(1-アザビシクロ[3.3.0]オクタン-5-イル)メチ
    ルアミノ-4-ニトロベンゼン、 (11) 1-(1-アザビシクロ[3.3.0]オクタン-5-イル)メチ
    ルアミノ-4-ニトロナフタレン、 (12) 2-(1-アザビシクロ[3.3.0]オクタン-5-イル)メチ
    ルアミノ-1-ニトロナフタレン、 (13) 1-(1-アザビシクロ[3.3.0]オクタン-5-イル)メチ
    ルアミノ-2-ニトロナフタレン、 (14) 1-(2-ジイソプロピルアミノエチル)アミノ-4-ニト
    ロナフタレン、 (15) 1-[N-(1-アザビシクロ[3.3.0]オクタン-5-イル)メ
    チル-N-メチルアミノ]-4-ニトロナフタレン、 (16) 1-[2-(1-アザビシクロ[3.3.0]オクタン-5-イル)エ
    チルアミノ]-4-ニトロナフタレン、 (17) 1-(1-アザビシクロ[3.3.0]オクタン-5-イル)メチ
    ルアミノ-5-ニトロナフタレン、 (18) 1-[N-(1-アザビシクロ[3.3.0]オクタン-5-イル)メ
    チル-N-メチルアミノ]-2-ニトロナフタレン及び (19) 9-(1-アザビシクロ[3.3.0]オクタン-5-イル)メチ
    ルアミノ-10-ニトロアントラセン から選択されたものであり、塩がこれら化合物の非毒性
    無機酸塩、有機酸塩及びアミノ酸塩から選択されたもの
    であることを特徴とする、請求項1に記載の化合物及び
    その塩。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の化合物及びその非毒性
    塩塩から選択された少なくとも 1 種類の物質を有効成
    分として含有している脳機能改善剤。
  4. 【請求項4】 アルツハイマー型痴呆、老人性痴呆、記
    憶障害、失語症、失行症、精神疾患並びに脳梗塞、脳動
    脈硬化症に伴う脳障害の予防、改善剤として使用するこ
    とを特徴とする、請求項3に脳機能改善剤。
  5. 【請求項5】 一般式 (II) 【化3】 (式中、A は CH、N 又は N→O を意味し、R1 はニトロ
    基またはアミノ基を意味し、X はハロゲン原子又はアル
    コキシ基を意味し、点線は場合により存在する環を意味
    する)にて示される化合物と、一般式 (III) 【化4】 (式中、n は 0 - 3 の整数を意味し、R2 は水素原子、
    低級アルキル基又はアシル基を意味し、R4 及び R5
    水素原子又は低級アルキル基を意味し、R6 及びR7 は水
    素原子、又は直鎖状又は分岐状の低級アルキル基を意味
    し、R4 と R6 及び R5と R7 とがアルキレン鎖で連結し
    た複素環となることがあり、R6 と R7 とがアルキレン
    鎖で連結した複素環となることもある)にて示される化
    合物とを反応させ、次いで必要に応じて塩に変ずること
    を特徴とする、一般式 (I) 【化5】 [式中、A、R1、R2 及び点線は上記の意味を有し、R3
    基 【化6】 (n、R4、R5、R6 及び R7 は上記の意味を有し、m は 0
    を意味する)]にて示される化合物及びその塩の製法。
  6. 【請求項6】 一般式 (IV) 【化7】 (式中、A' は CH、N 又は N→O を意味し、R1' はニト
    ロ基又はアミノ基を意味し、但し A' が CH 又は N を
    意味する場合に R1' がアミノ基を意味することはな
    く、R2 は水素原子、低級アルキル基又はアシル基を意
    味し、n は 0 - 3 の整数を意味し、R4 及び R5 は 水
    素原子又は低級アルキル基を意味し、R6 及び R7は水素
    原子、或は直鎖状又は分岐状の低級アルキル基を意味
    し、R4 と R6 及びR5 と R7 とがアルキレン鎖で連結し
    た複素環となることがあり、R6 と R7 とがアルキレン
    鎖で連結した 複素環となるともあり、点線は場合によ
    り存在する環を意味する)にて示される化合物を還元性
    試薬によりニトロ還元或はオキシド還元し、得られた生
    成物を必要に応じて塩に変ずることを特徴とする、一般
    式 (I') 【化8】 (式中、R2 及び R3 は上記の意味を有し、A" が CH 又
    は N→O を意味する場合に R1" はニトロ基を意味し、R
    1" がアミノ基を意味する場合に A" は N を意味する)
    にて示される化合物及びその塩の製法。
  7. 【請求項7】 一般式 (V) 【化9】 (式中、A は CH、N 又は N→O を意味し、R1 はニトロ
    基又はアミノ基を意味し、R2 は水素原子、低級アルキ
    ル基又はアシル基を意味する)にて示される化合物と、
    一般式 (VI) 【化10】 (式中、X はハロゲン原子、水酸基又はアルコキシ基を
    意味し、m は 0 又は 1を意味し、n は 0 - 3 の整数を
    意味し、R4 及び R5 は 水素原子又は低 級アルキル基
    を意味し、R6 及び R7 は水素原子、或は直鎖状又は分
    岐状の低級アルキル基を意味し、R4 と R6 及び R5
    R7 とがアルキレン鎖で連結した複素環となることがあ
    り、R6 と R7 とがアルキレン鎖で連結した複素環とな
    ることもある)にて示される化合物とを反応させ、得ら
    れた生成物を必要に応じて塩に変ずることを特徴とす
    る、一般式 (I) 【化11】 [式中、A、R1 及び R2 は上記の意味を有し、R3 は基 【化12】 (m、n、R4、R5、R6 及び R7 は上記の意味を有する)]に
    て示される化合物及びその塩の製法。
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