JPH06180899A - 磁気記録再生装置のクラッチ構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は磁気記録再生装置のクラッチ構造に
関し、リミッタ部の構成部材を削減することにより、生
産性を向上させ、かつコストを低減することを目的とす
る。 【構成】 リミッタ部が、支軸１の下端部に回転自在に
取り付けられた支持板２と、支持板との間に摩擦部材４
を介して支軸に回転自在に取り付けられ、モータと連動
連結される爪付きプーリ５と、支軸の上端部に回転自在
にかつ軸方向へ摺動自在に取り付けられたクラッチギヤ
７と、プーリに載置された摺動ワッシャ８とクラッチギ
ヤとの間に弾装された第１コイルばね９と、クラッチギ
ヤに取り付けられ、プーリの爪と噛合可能な爪１０を有
する爪支持部材１１と、爪支持部材とプーリとの間に弾
装した第２コイルばね１２とを備えるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録再生装置のク
ラッチ構造に関し、例えば、ビデオテープレコーダ、ビ
デオカセットレコーダ等の磁気記録再生装置のクラッチ
構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、磁気記録再生装置、例えばビデ
オテープレコーダのカセットデッキ２１は、図３に示す
ように、デッキシャーシ２２上に記録再生ヘッドを有す
る回転自在なヘッドシリンダ２３、カセット２４のテー
プリールが係合される供給リール軸２５及び巻取りリー
ル軸２６、テープリールから供給されたテープをヘッド
シリンダ２３に巻装させるためにレール２７，２８を介
して摺動案内されるスライド体２９，３０に立設された
テープローディングピン３１，３２を有している。３３
は消去ヘッド、３４はオーディオ信号等を入力させる音
声ヘッド、３５はキャプスタン、３６はピンチローラで
ある。３７はモードレバーで、円盤状のカム体３８の回
転により連係レバー３９を介して往復摺動させられ、記
録再生を行うテープ定速モード、テープ早送りモード、
テープ逆戻しモード等の切り換えを行う。４０はモード
レバー３７に係合するクラッチレバーである。４１はク
ラッチであり、クラッチ４１は供給リール軸２５と巻取
りリール軸２６との間に設けられ、キャプスタン３５に
連設してデッキシャーシ２２の裏側に設けられたフライ
ホイール（図示せず）によりベルト４２（図５参照）を
介して駆動され、巻取りリール（図示せず）に巻き取ら
れるテープが一定のトルクで巻き取られるように構成さ
れている。

【０００３】従来、クラッチ４１は、図４，図５に示す
ように、キャプスタンモータ（図示せず）とベルト４２
を介して連動連結されて一定の速度及びトルクで回転を
伝達するリミッタ部４３と、該リミッタ部４３の回転を
巻取りリール又は供給リールに選択的に伝達するアーム
部４４とから構成されている。リミッタ部４３は、デッ
キシャーシ２２に取り付けたブラケット４５にボス４６
を介して垂直に挿着した支軸４７と、支軸４７の下端に
回転自在に取り付けられた支持板４８と、支持板４８と
の間にフェルト等の摩擦部材４９を介在して支軸４７に
回転自在に取り付けられ、前記ベルト４２が掛け回され
た爪付きプーリ５０と、爪付きプーリ５０の上面との間
にフェルト等の摩擦部材５１を介在して支軸４７に回転
自在にかつ軸方向へ摺動自在に取り付けられたクラッチ
板５２と、支軸４７の上端部に回転自在にかつ軸方向へ
摺動自在に取り付けられたクラッチギヤ５３と、クラッ
チギヤ５３と上記クラッチ板５２との間に弾装された第
１コイルばね５４と、上記クラッチギヤ５３に取り付け
られ、前記爪付きプーリ５０の爪と噛合可能な爪５５を
有し、かつ前記クラッチレバー４０が係合された爪支持
部材５６と、爪支持部材５６と前記爪付きプーリ５０と
の間に弾装された第２コイルばね５７とからなってい
る。

【０００４】一方、アーム部４４は、ボス４６とクラッ
チギヤ５３との間において支軸４７に基端部を回動自在
に取り付けた揺動アーム５８と、揺動アーム５８の先端
部の下側に軸５９を介し取り付けられ、上記クラッチギ
ヤ５３と噛合したアイドルギヤ６０とからなっている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
磁気記録再生装置のクラッチにあっては、リミッタ部を
構成する部材が、支持板、２個の摩擦部材及びクラッチ
板等の多数であるため、組立作業工数が増大し、コスト
が増大するという問題点があった。

【０００６】本発明は、このような従来の課題に鑑みな
されたものであり、リミッタ部の構成部材を削減するこ
とにより、生産性を向上させ、かつコストを低減し得る
磁気記録再生装置のクラッチ構造を提供することを目的
とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の磁気記録再生装
置のクラッチ構造は、モータと連動連結されて一定の速
度及びトルクで回転を伝達するリミッタ部と、該リミッ
タ部の回転を巻取りリール又は供給リールに選択的に伝
達するアーム部とからなる磁気記録再生装置のクラッチ
構造において、前記リミッタ部が、支軸の下端部に回転
自在に取り付けられた支持板と、支持板との間に摩擦部
材を介在して支軸に回転自在に取り付けられ前記モータ
と連動連結される爪付きプーリと、前記支軸の上端部に
回転自在にかつ軸方向へ摺動自在に取り付けられたクラ
ッチギヤと、上記爪付きプーリに載置された摺動ワッシ
ャとクラッチギヤとの間に弾装された第１コイルばね
と、上記クラッチギヤに取り付けられ前記爪付きプーリ
の爪と噛合可能な爪を有する爪支持部材と、爪支持部材
と前記爪付きプーリとの間に弾装した第２コイルばねと
を備えることを特徴とするものである。

【０００８】

【作用】本発明の磁気記録再生装置のクラッチにおいて
は、伝達トルクが、第１コイルばねの付勢及び／又は摩
擦部材と爪付きプーリとの接触面積の変更に伴って摩擦
部材と爪付きプーリの摩擦トルクが変わることにより、
変更可能となる。このため、摩擦トルクは一つの摩擦部
材と支持板とにより伝達され、部品数が減少する。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図１，図２は本発明の磁気記録再生装置の
クラッチ構造の一実施例を示す要部の縦断面図、側面図
である。まず、構成について説明する。図１において、
１００は本発明に係るクラッチ構造であり、該クラッチ
構造１００はリミッタ部１０１と図示していないアーム
部とから構成されており、リミッタ部１０１はモータに
連動連結されて一定の速度及びトルクで回転を伝達し、
アーム部はリミッタ部１０１の上側でリミッタ部１０１
の回転を巻取りリール又は供給リールに選択的に伝達す
る。

【００１０】図中１は支軸であり、支軸１はデッキシャ
ーシに取り付けたブラケットにボス（いずれも図示せ
ず）を介して垂直に挿着されている。支軸１の下端部に
は、支持板２がボス部３を介して回転自在に取り付けら
れていると共に、この支持板２との間にフェルト等の摩
擦部材４を介在して爪付きプーリ５が回転自在に取り付
けられている。爪付きプーリ５は、キャプスタンモータ
とベルト（共に図示せず）を介して連動連結されるもの
で、その周辺上部には、後述する爪支持部材の爪と噛合
可能な複数の爪６が設けられている。

【００１１】一方、支軸１の上端部には、図示しないア
ーム部のアイドルギヤと噛合するクラッチギヤ７が、回
転自在にかつ軸方向（図１においては上下方向）へ摺動
自在に取付けられると共に支持板２のボス部３に係合し
ている。また、このクラッチギヤ７と前記爪付きプーリ
５に載置された摺動ワッシャ８との間には、適宜の付勢
力を有する第１コイルばね９が弾装されている。クラッ
チギヤ７には、爪付きプーリ５の爪６と噛合可能な爪１
０を周辺部に有した爪支持部材１１が取り付けられてお
り、この爪支持部材１１と爪付きプーリ５との間には、
適宜の付勢力を有する第２コイルばね１２が弾装されて
いる。

【００１２】次に、作用に付き説明する。上記構成のク
ラッチにおいては、キャプスタンモータの駆動に伴って
爪付きプーリ５が回転し、この爪付きプーリ５の回転は
第１，第２コイルばね９，１２の付勢力により摩擦部材
４及び支持板２を介してクラッチギヤ７に伝達される。
クラッチギヤ７の回転はクラッチギヤ７に噛合したアイ
ドルギヤを介して巻取りリールギヤ又は供給リールギヤ
を有する巻取りリール又は供給リールが回転されてテー
プが巻取り又は供給されるものである。この際、第１コ
イルばね９で設定された付勢力及び／又は摩擦部材４と
爪付きプーリ５の接触面積に比例した摩擦トルクによ
り、テープを一定の伝達トルクで巻取り又は供給するこ
とができる。このため、摩擦トルクは摩擦部材４、爪付
きプーリ５及び支持板２のみで伝達され、従来に比較
し、部品点数が少なくなる。従って、組立工数も低減し
組立の生産性も向上でき、コストを低減できる。

【００１３】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の磁気記録
再生装置のクラッチ構造によれば、伝達トルクが第１コ
イルばねの付勢力及び／又は摩擦部材と爪付きプーリの
接触面積の変更に伴って摩擦部材と爪付きプーリの摩擦
トルクが変わることにより、変更可能となるので、従来
のように伝達トルクをクラッチ板と摩擦部材及び摩擦部
材と爪付きプーリの摩擦トルクにより決める必要がなく
なり、部品点数を削減することができ、ひいては生産性
を向上させ、かつコストを低減することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の磁気記録再生装置のクラッチ構造の一
実施例を示す要部の縦断面図である。

【図２】図１の側面図である。

【図３】従来の磁気記録再生装置のカセットデッキの平
面図である。

【図４】図３に示すカセットデッキのクラッチの平面図
である。

【図５】図４に示すカセットデッキのクラッチの縦断面
図である。

【符号の説明】

１ 支軸 ２ 支持板 ４ 摩擦部材 ５ 爪付きプーリ ６ 爪 ７ クラッチギヤ ８ 摺動ワッシャ ９ 第１コイルばね １０ 爪 １１ 爪支持部材 １２ 第２コイルばね １００ クラッチ構造

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 モータと連動連結されて一定の速度及び
   トルクで回転を伝達するリミッタ部と、該リミッタ部の
   回転を巻取りリール又は供給リールに選択的に伝達する
   アーム部とからなる磁気記録再生装置のクラッチ構造に
   おいて、前記リミッタ部が、支軸の下端部に回転自在に
   取り付けられた支持板と、支持板との間に摩擦部材を介
   在して支軸に回転自在に取り付けられ前記モータと連動
   連結される爪付きプーリと、前記支軸の上端部に回転自
   在にかつ軸方向へ摺動自在に取り付けられたクラッチギ
   ヤと、上記爪付きプーリに載置された摺動ワッシャとク
   ラッチギヤとの間に弾装された第１コイルばねと、上記
   クラッチギヤに取り付けられ前記爪付きプーリの爪と噛
   合可能な爪を有する爪支持部材と、爪支持部材と前記爪
   付きプーリとの間に弾装した第２コイルばねとを備える
   ことを特徴とする磁気記録再生装置のクラッチ構造。