JPH06180297A - X線回折測定方法及びその装置 - Google Patents

X線回折測定方法及びその装置

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JPH06180297A
JPH06180297A JP4334128A JP33412892A JPH06180297A JP H06180297 A JPH06180297 A JP H06180297A JP 4334128 A JP4334128 A JP 4334128A JP 33412892 A JP33412892 A JP 33412892A JP H06180297 A JPH06180297 A JP H06180297A
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ray
vibration
intensity
diffraction
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Chuji Katayama
忠二 片山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 写真フィルムあるいは放射線画像蓄積板等の
積分型2次元記録体によって正確な結晶の方位情報を得
ること。 【構成】 試料1に照射するX線強度を一定に保持して
積分型2次元記録体3上に振動写真撮影を行う一定強度
撮影処理と、振動写真撮影時の振動角度に応じて試料1
に照射するX線強度を変化させながら前記積分型2次元
記録体3上に振動写真撮影を行う可変強度撮影処理とを
実行する。そして、一定強度撮影処理および可変強度撮
影処理で撮影された回折斑点を比較して振動写真撮影時
の振動角が共通する回折斑点同士を対応させることによ
って、一定強度撮影処理によって撮影した各回折斑点の
振動角度を特定し、この振動角度を補正値として活用し
て、撮影した回折斑点から求める結晶の方位情報を補正
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、写真フィルムあるいは
放射線画像蓄積板等の積分型2次元記録体に撮影したX
線回折パターンから試料の結晶情報をより正確に得るX
線回折測定方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば、振動カメラのよう
に、単結晶試料に所定の方向からX線を照射したときに
該試料によって所定の方向に回折された回折X線を、所
定の位置に配置された写真フィルムや放射線画像蓄積板
等の積分型2次元記録体に回折パターンとして記録し、
この回折パターンを解析して単結晶試料の結晶構造情報
を得るX線回折測定方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
方法による結晶構造解析の精度は、記録された回折パタ
ーンを構成する各回折斑点が、正確に所定の結晶格子面
の回折角度情報を表しているか否かによる。
【0004】しかしながら、例えば、特定の静止画像を
考えた場合、記録された回折斑点の全部が必ずしも結晶
格子面の回折角度情報を正確に表しているということは
できない。
【0005】これは、現実には、回折に寄与する逆格子
点にある程度の広がりがあるためである。つまり、この
逆格子点の広がりの範囲内にある回折条件を満たしてい
れば回折斑点は記録されるが、記録された回折斑点は、
必ずしも逆格子点の中心位置による回折斑点ではない場
合があるからである。
【0006】逆格子点の広がりは、通常、回折角度にし
て、0.3〜0.5゜程度あるので、記録された回折斑
点の位置情報(座標値)には、この程度のあいまい性が
あることになる。それゆえ、実際には、多数の回折斑点
の濃度(回折線の強度)情報を利用して最小二乗法によ
る統計処理を用いてランダム誤差として扱っているが、
結晶方位決定等の精度に一定の限界が生じていた。
【0007】本発明は、前述の背景のものでなされたも
のであり、比較的に簡単な構成により、写真フィルムあ
るいは放射線画像蓄積板等の積分型2次元記録体によっ
て正確な結晶の方位情報を得ることを可能にしたX線回
折測定方法および装置を提供うすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のX線回
折測定方法は、単結晶試料に所定の方向からX線を照射
したときに該試料によって所定の方向に回折された回折
X線を所定の位置に配置された積分型2次元記録体で受
けて回折パターンとして記録し、この回折パターンを解
析して前記単結晶試料の結晶構造情報を得るものであ
る。
【0009】ただし、課題を解決するために、一定強度
撮影処理と、可変強度撮影処理とを実行する。
【0010】ここに、一定強度撮影処理は、試料に照射
するX線強度を一定に保持して前記積分型2次元記録体
上に前記試料の振動写真撮影を行うものである。また、
可変強度撮影処理は、前記積分型2次元記録体の設置位
置を前記一定強度撮影処理の場合とは所定距離だけ移動
させた状態で、試料に照射するX線強度を振動写真撮影
時の振動角度に応じて変化させながら、前記積分型2次
元記録体上に前記試料の振動写真撮影を行うものであ
る。
【0011】そして、前記一定強度撮影処理で撮影され
た回折斑点と可変強度撮影処理で撮影された回折斑点と
を比較して振動写真撮影時の振動角が共通する回折斑点
同士を対応させることによって、一定強度撮影処理によ
って撮影した各回折斑点の振動角度を特定し、この振動
角度を補正値として活用して、撮影した回折斑点から求
める結晶の方位情報を補正することを特徴としている。
【0012】請求項2に記載の装置は、請求項1に記載
のX線回折測定方法を実施するX線回折測定装置であっ
て、X線源と、試料を保持するとともに前記X線源から
試料に向けて射出される照射X線の入射角を変化させる
試料回転機構を具備した試料保持装置と、前記試料に所
定の方向からX線を照射したときに該試料によって所定
の方向に回折された回折X線を受けて回折パターンとし
て記録する積分型2次元記録体と、前記一定強度撮影処
理の場合と可変強度撮影処理の場合とで前記積分型2次
元記録体上への撮影位置が変わるように前記積分型2次
元記録体を移動操作する記録体移動機構と、前記試料保
持装置の試料回転機構による試料の回転動作と前記記録
体移動機構の動作とを制御して所定の振動角度範囲にお
ける振動写真撮影を可能ならしめる制御装置と、振動写
真撮影時における前記試料の振動角度に応じて前記X線
源の射出するX線強度を変化させるX線源制御部とを備
えた構成とされる。
【0013】
【作用】請求項1に記載のX線回折測定方法は、試料に
照射するX線強度を一定に保持して積分型2次元記録体
上に前記試料の振動写真撮影を行う一定強度撮影処理
と、試料に照射するX線強度を振動写真撮影時の振動角
度に応じて変化させながら積分型2次元記録体上に前記
試料の振動写真撮影を行う可変強度撮影処理とを実行
し、前記一定強度撮影処理で撮影された回折斑点と可変
強度撮影処理で撮影された回折斑点とを比較して振動写
真撮影時の振動角が共通する回折斑点同士を対応させる
ことによって、一定強度撮影処理によって撮影した各回
折斑点の振動角度を特定し、この振動角度を補正値とし
て活用して、撮影した回折斑点から求める結晶の方位情
報を補正するもので、逆格子点の広がりの影響で一定強
度撮影処理で得た回折斑点の中心位置が正確に逆格子点
の方位情報を正確に表していない場合でも、その方位情
報を補正して、より正確な方位情報を得ることができ
る。
【0014】また、請求項2に記載のX線回折測定装置
は、振動写真撮影に必要な一般的な機器構成にさらに、
振動写真撮影時における前記試料の振動角度に応じて前
記X線源の射出するX線強度を変化させるX線源制御部
を付加したもので、比較的に簡単な構成により、請求項
1に記載のX線回折測定方法を実現できる。
【0015】
【実施例】図1は、本発明に係るX線回折測定方法の一
実施例によって回折測定処理を行うX線回折測定装置の
構成を示したもので、図2は本発明に係るX線回折測定
方法の一実施例の説明図である。以下、これらの図を参
照しながら、まず本発明に係るX線回折測定装置を説明
し、次に、本発明に係るX線回折測定方法を説明する。
【0016】図1において、符号1は単結晶試料、符号
2は試料保持装置、符号3は積分型2次元記録体である
円筒IP板、符号4は前記円筒IP板3に回折パターン
を撮影する際に必要に応じて円筒IP板3をその中心軸
線方向に移動操作する記録体移動機構、符号5は前記試
料1に照射するX線6を射出するX線源、符号7は前記
X線源の射出するX線6の強度を変化させるためのX線
源制御部、符号8は各部の動作を制御するための制御装
置である。
【0017】この図1に示したX線回折測定装置は、試
料1に照射するX線強度を一定に保持して前記円筒IP
板3上に前記試料1の振動写真撮影を行う一定強度撮影
処理機能と、前記円筒IP板3の設置位置を前記一定強
度撮影処理の場合とは所定距離だけ移動させた状態で、
試料1に照射するX線強度を振動写真撮影時の振動角度
に応じて変化させながら、前記円筒IP板3上に前記試
料1の振動写真撮影を行う可変強度撮影処理機能とを備
えたものである。以下、詳細に述べる。
【0018】前記単結晶試料1は試料保持装置2におけ
る棒状の試料保持部21の先端に保持されるようになっ
ている。この試料保持部21は、ウォームホィール22
の回転中心軸にその軸が一致するように前記ウォームホ
ィール22に固定されている。そして、このウォームホ
ィール22は、当該ウォームホィール22に噛合してい
るウォーム23をモータ24によって回転駆動すること
によって回転される。即ち、試料保持装置2では、ウォ
ームホィール22,ウォーム23,モータ24によっ
て、前記X線源5から試料1に向けて射出される照射X
線6の入射角を変化させる試料回転機構を構成してい
る。なお、前記モータ24の回転動作は、前記制御装置
8によって制御される。
【0019】前記円筒IP板3は、いわゆる放射線画像
蓄積板をX線入射窓31を有する円筒体形状にしたもの
で、円筒の中心軸(以下、円筒軸と呼ぶ)が前述の試料
保持部21の中心軸に一致させて、記録体保持台41に
着脱自在に保持されている。ここに、放射線画像蓄積板
とは、X線等の放射線が照射されると、その照射したX
線の強度に応じて照射部分に潜像が形成され、この潜像
に所定の光(励起光)を照射すると、潜像が形成された
部分が照射X線量に比例した強度で発光(輝尽発光)す
る性質を有するものある。
【0020】従って、単結晶試料1からの回折X線を照
射し、その後、回折X線の照射面に励起光を照射して、
蓄積されている潜像を輝尽発光させることにより、潜像
として記録されている回折パターンを顕在化することが
できる。そして、前記輝尽発光の発光量を測定すること
により、照射された回折X線の強度を知ることができ
る。
【0021】なお、前記円筒IP板3の代りに、X線カ
メラに通常使用されているX線写真フィルムを用いても
よいことは、勿論である。
【0022】前記記録体移動機構4は、前述の記録体保
持台41と、この記録体保持台41の下部に固定された
支柱41aと、この支柱41aに螺合した送りねじ棒4
2と、この送りねじ棒42を回転駆動するためのモータ
43と、前記記録体保持台41を円筒IP板3の円筒軸
方向にのみ移動自在に支持する図示略のガイド部材とを
具備した構成であり、モータ43によって送りねじ棒4
2を回転駆動することによって円筒IP板3をその円筒
軸方向(図の矢印(イ)方向)に移動させる。
【0023】この記録体移動機構4による円筒IP板3
の円筒軸方向への移動によって、前述の一定強度撮影処
理の場合と可変強度撮影処理の場合とで前記円筒IP板
3上への撮影位置を変える。なお、前記モータ43の動
作は、制御装置8によって制御される。
【0024】なお、この記録体移動機構4は、必ずしも
設ける必要はなく、IP板3を固定しておいて、一定強
度撮影処理した後に、別のIP板に変換して可変強度撮
影処理を行うようにしてもよい。
【0025】前記X線源5は、X線管の射出するX線を
コリメートして単結晶試料1に照射するX線6とするも
のである。
【0026】前記X線源制御部7は、前記制御装置8か
らの指示に基づいて前記X線源5のX線管に印加する電
力を制御することによって、X線源5から出射される照
射X線6の強度を調整するものである。
【0027】具体的に説明すると、前述の一定強度撮影
処理の時には、例えば、電圧値を50KV,電流値を2
00mAに保って印加を行う。そして、可変強度撮影処
理の時には、制御装置8からの指示に基づいて、例え
ば、振動写真撮影時の試料1の振動角が10゜のときに
は印加する電流値を150mA,振動角が20゜のとき
には80mAというように、振動角度に同期させて、印
加する電流値を変化させることによって(電圧値は、一
定強度撮影処理の場合と同じに保つ)、X線源5から出
射される照射X線6の強度を変える。
【0028】前記制御装置8は、前記モータ24,モー
タ43,X線源制御部7の動作を制御する。換言すれ
ば、制御装置8は、前記試料保持装置2の試料回転機構
による試料1の回転動作と、前記記録体移動機構4によ
る円筒IP板3の移動動作と、前記X線源制御部7によ
る照射X線6の強度調整動作とを制御して、所定の振動
角度範囲における振動写真撮影を可能ならしめる。
【0029】具体的に説明すると、制御装置8は、試料
1が10゜〜20゜の角度範囲で振動するように、モー
タ24の動作を制御する。また、制御装置8は、一定強
度撮影処理を済ませて可変強度撮影処理に移る際、円筒
IP板3を10mm程度移動させて、一定強度撮影処理
の場合と可変強度撮影処理の場合とでは円筒IP板3上
の撮影位置をずらす。また、制御装置8は、一定強度撮
影処理の場合には、X線源5のX線管に印加する電圧値
が50KV,電流値が200mAに保たれるようにX線
源制御部7を制御する。そして、可変強度撮影処理の場
合には、前記モータ24による試料1の振動角の制御に
同期させて、試料1の振動角が10゜のときには印加す
る電流値を150mA,振動角が20゜のときには80
mAというように、振動角度に同期させて、印加する電
流値を変化させることによって(電圧値は、一定強度撮
影処理の場合と同じに保つ)、X線源5から出射される
照射X線6の強度を変える。
【0030】さて、次に、前述の一実施例の装置が実行
する本発明の一実施例であるX線回折測定方法の手順を
説明する。
【0031】まず、試料1に照射するX線6の強度を一
定に保持して前記円筒IP板3上に前記試料1の振動写
真撮影を行う一定強度撮影処理を実行する。この場合、
X線源5のX線管に印加する電圧値は50KV,電流値
は200mAに保たれるように制御装置8はX線源制御
部7を制御する。また、試料保持装置2の試料回転機構
による試料1の振動角度範囲は10゜〜20゜の範囲と
して、4往復程度振動させるものとする。
【0032】そして、前記一定強度撮影処理が終了した
ら、一旦、X線の照射を停止し、モータ43を駆動して
円筒IP板3を円筒軸方向に10mm程度移動させる。
【0033】そして、次には、試料1に照射するX線6
の強度を振動写真撮影時の振動角度に応じて変化させな
がら、前記円筒IP板3上に前記試料1の振動写真撮影
を行う可変強度撮影処理を実行する。この場合、試料1
の振動角度の範囲は10゜〜20゜で、X線源5のX線
管に印加する電圧値は50KVであり、これらの条件は
一定強度撮影処理の場合と同様にする。しかし、可変強
度撮影処理の場合では、X線源5のX線管に印加する電
流値は振動角の変化に同期させて変化させる。
【0034】そして、前記可変強度撮影処理が終了した
ら、円筒IP板3を記録体保持台41から取り外し、円
筒IP板3上の放射線画像蓄積面に予定の励起光を照射
して、前述の一定強度撮影処理および可変強度撮影処理
によって円筒IP板3上に記録された回折斑点を顕在化
させて、画像情報として読み取る。
【0035】円筒IP板3に記録された回折斑点を読み
取る処理は、コンピュータによって画像情報を処理する
画像読取装置によって行う。この種の画像読取装置は、
前記円筒IP板3の放射線画像蓄積面を励起光によって
読取走査し、読取走査時に、励起光の照射によって生じ
る輝尽発光の発光強度および発光位置を画像情報として
検出して、取り込む。
【0036】図2は、前記一定強度撮影処理および可変
強度撮影処理によって円筒IP板3に記録された回折斑
点を、前記画像読取装置による読取処理で顕在化した例
を示したものである。
【0037】この図2において、符号H1 ,H2 ,H3
はいずれも一定強度撮影処理によって記録された回折斑
点であり、符号J1 ,J2 ,J3 はいずれも可変強度撮
影処理によって記録された回折斑点である。また、図中
に示したXY座標軸は、円筒IP板3上におけるXY座
標に対応し、X軸は円筒軸と並行な方向、即ち円筒IP
板3の移動方向とされている。
【0038】そして、前記一定強度撮影処理で撮影され
た回折斑点H1 ,H2 ,H3 と、可変強度撮影処理で撮
影された回折斑点J1 ,J2 ,J3 とを比較して、振動
写真撮影時の振動角が共通する回折斑点同士を対応させ
る。図2において回折斑点相互を結ぶ破線の矢印は、対
応する回折斑点同士であることを示している。
【0039】回折斑点の濃度は回折X線の強度に比例
し、回折X線の強度は試料1に照射されるX線強度に比
例する。可変強度撮影処理の際には、試料1に照射され
るX線強度を振動角に応じて変えているため、可変強度
撮影処理で記録された回折斑点は、斑点の濃度差によっ
ていずれの振動角の時のものであるかを特定することが
でき、各振動角ごとに、一定強度撮影処理によって得た
回折斑点と可変強度撮影処理によって得た回折斑点とを
対応付けることができる。
【0040】前記一定強度撮影処理によって得たそれぞ
れの回折斑点H1 ,H2 ,H3 の位置は、試料1の結晶
情報を表している。即ち、一定強度撮影処理で得たそれ
ぞれの回折斑点H1 ,H2 ,H3 は試料1の逆格子点に
対応する。しかしながら、逆格子点には一定の広がりが
あるので、記録された各回折斑点の中心位置が必ずしも
対応する逆格子点の中心位置に対応するとはいえない。
これは、記録された回折斑点が、逆格子点の広がりの端
の部分で回折条件を満たすことによって形成されたもの
である場合も少なくないからである。
【0041】換言すれば、一定強度撮影処理で得た回折
斑点の位置は、必ずしもその回折斑点に対応する逆格子
点の位置情報(方位情報)を正確に表していない場合が
ある。
【0042】そこで、一定強度撮影処理で得た回折斑点
と可変強度撮影処理で得た回折斑点との対応付けによっ
て一定強度撮影処理によって撮影した各回折斑点の振動
角度を特定し、この振動角度を補正値として活用して、
撮影した回折斑点から求める結晶の方位情報を補正すれ
ば、試料1の方位情報をより正確に求めることが可能に
なる。
【0043】なお、前述の一実施例では、補正用の回折
斑点を得る可変強度撮影処理は、一定強度撮影処理の後
に実行したが、先に可変強度撮影処理を実行して、その
後に一定強度撮影処理を実行するようにしてもよい。
【0044】また、前述の一実施例では、可変強度撮影
処理と一定強度撮影処理とを同じ円筒IP板3に対して
行ったが、それぞれの処理毎に円筒IP板3を交換する
ようにしてもよい。ただし、円筒IP板3を処理毎に交
換する場合には、それぞれの処理に使った円筒IP板3
同士で、記録体保持台41上での設置位置等の関係を対
応付けておく必要がある。
【0045】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1に記載のX線回折測定方法は、試料に照射するX線強
度を一定に保持して積分型2次元記録体上に前記試料の
振動写真撮影を行う一定強度撮影処理と、試料に照射す
るX線強度を振動写真撮影時の振動角度に応じて変化さ
せながら積分型2次元記録体上に前記試料の振動写真撮
影を行う可変強度撮影処理とを実行し、前記一定強度撮
影処理で撮影された回折斑点と可変強度撮影処理で撮影
された回折斑点とを比較して振動写真撮影時の振動角が
共通する回折斑点同士を対応させることによって、一定
強度撮影処理によって撮影した各回折斑点の振動角度を
特定し、この振動角度を補正値として活用して、撮影し
た回折斑点から求める結晶の方位情報を補正するもの
で、逆格子点の広がりの影響で一定強度撮影処理で得た
回折斑点の中心位置が正確に逆格子点の方位情報を正確
に表していない場合でも、その方位情報を補正して、よ
り正確な方位情報を得ることができる。
【0046】また、請求項2に記載の装置は、振動写真
撮影に必要な一般的な機器構成にさらに、振動写真撮影
時における前記試料の振動角度に応じて前記X線源の射
出するX線強度を変化させるX線源制御部を付加した構
成で、比較的に簡単な構成でありながら、請求項1に記
載のX線回折測定方法を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のX線回折測定装置の概略構
成図である。
【図2】本発明の一実施例のX線回折測定方法によって
記録された回折斑点の説明図である。
【符号の説明】
1 試料 2 試料保持装置 3 円筒IP板 4 記録体移動機構 5 X線源 6 照射X線 7 X線源制御部 8 制御装置 21 試料保持部 22 ウォームホィール 23 ウォーム 24 モータ 41 記録体保持台 41a 支柱 42 送りねじ棒 43 モータ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単結晶試料に所定の方向からX線を照射
    したときに該試料によって所定の方向に回折された回折
    X線を所定の位置に配置された積分型2次元記録体で受
    けて回折パターンとして記録し、この回折パターンを解
    析して前記単結晶試料の結晶構造情報を得るX線回折測
    定方法であって、 試料に照射するX線強度を一定に保持して前記積分型2
    次元記録体上に前記試料の振動写真撮影を行う一定強度
    撮影処理と、 前記積分型2次元記録体の設置位置を前記一定強度撮影
    処理の場合とは所定距離だけ移動させた状態で、試料に
    照射するX線強度を振動写真撮影時の振動角度に応じて
    変化させながら、前記積分型2次元記録体上に前記試料
    の振動写真撮影を行う可変強度撮影処理とを実行し、 前記一定強度撮影処理で撮影された回折斑点と可変強度
    撮影処理で撮影された回折斑点とを比較して振動写真撮
    影時の振動角が共通する回折斑点同士を対応させること
    によって、一定強度撮影処理によって撮影した各回折斑
    点の振動角度を特定し、この振動角度を補正値として活
    用して、撮影した回折斑点から求める結晶の方位情報を
    補正することを特徴とするX線回折測定方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のX線回折測定方法を実
    施するX線回折測定装置であって、 X線源と、 試料を保持するとともに、前記X線源から試料に向けて
    射出される照射X線の入射角を変化させる試料回転機構
    を具備した試料保持装置と、 前記試料に所定の方向からX線を照射したときに該試料
    によって所定の方向に回折された回折X線を受けて回折
    パターンとして記録する積分型2次元記録体と、 前記一定強度撮影処理の場合と可変強度撮影処理の場合
    とで前記積分型2次元記録体上への撮影位置が変わるよ
    うに、前記積分型2次元記録体を移動操作する記録体移
    動機構と、 前記試料保持装置の試料回転機構による試料の回転動作
    と前記記録体移動機構の動作とを制御して所定の振動角
    度範囲における振動写真撮影を可能ならしめる制御装置
    と、 振動写真撮影時における前記試料の振動角度に応じて前
    記X線源の射出するX線強度を変化させるX線源制御部
    とを備えたことを特徴とするX線回折測定装置。
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