JP2002228605A - X線装置 - Google Patents

X線装置

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JP2002228605A
JP2002228605A JP2001023054A JP2001023054A JP2002228605A JP 2002228605 A JP2002228605 A JP 2002228605A JP 2001023054 A JP2001023054 A JP 2001023054A JP 2001023054 A JP2001023054 A JP 2001023054A JP 2002228605 A JP2002228605 A JP 2002228605A
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JP
Japan
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ray
sample
dimensional
detecting means
stimulable phosphor
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JP2001023054A
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Akihide Doshiyou
明秀 土性
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Rigaku Denki Co Ltd
Rigaku Corp
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Rigaku Denki Co Ltd
Rigaku Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 試料の状態を変化させながら測定を行う方式
のX線装置において、極めて迅速な測定を行うことがで
きるようにする。 【解決手段】 試料Sに照射されるX線R0を発生する
X線源Fと、試料Sから放出されたX線R1を平面的に
受光する輝尽性蛍光体12と、試料Sと輝尽性蛍光体1
2との間に配置されデバイ環の接線方向Eに長い開口1
5を備えたマスク16と、輝尽性蛍光体12の異なる検
出面をマスク16の開口15に対応する位置へ運ぶよう
に輝尽性蛍光体12を移動させる検出器移動装置14と
を有するX線装置である。試料Sの状態変化に対応させ
て輝尽性蛍光体12を矢印Cのように間欠的に平行移動
させることにより、1つの輝尽性蛍光体12の異なる個
所に複数組のデバイ環D を記録できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料にX線を照射
して該試料により回折したX線の1個又は隣接する複数
のデバイ環を2次元X線検出手段によって検出するX線
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、輝尽性蛍光体、X線フィルム等と
いった2次元X線検出器を用いてX線を検出する構造の
X線装置は広く知られている。このX線装置では、例え
ば図7に示すように、X線源であるX線焦点Fから放射
されて発散するX線R0が発散規制スリット101によ
って試料Sへ向けられる。試料Sの結晶格子面と入射X
線R0との間でブラッグの回折条件が満足されると、試
料Sから2次X線、例えば回折X線R1が発生し、この
X線R1によって2次元X線検出器102が露光され
る。
【0003】一般に、回折X線は中心角が異なる多数の
円錐を形成しながら進行する。この円錐を2次元X線検
出器で受けると、X線光軸X1を中心とする同心円状の
回折線模様D が得られる。この回折線模様D がい
わゆるデバイ環であり、これを観察することにより試料
Sの結晶状態、例えば配向、結晶粒の大きさ等を判定で
きる。例えば、結晶粒の粒径が細かいとデバイ環は連続
した円となり、粒径が粗いとX線照射野中の結晶粒の数
が減ってデバイ環が1個1個の斑点に別れる。この従来
のX線装置では、2次元X線検出器102に1回の測定
データが得られると、別途に用意した読取り装置によっ
てその測定データを読み取る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、X線装置を
用いた測定では、1つの試料Sに関してその試料Sの状
態を種々に変化させながら測定を行う場合がある。例え
ば、極図形測定を行う場合には、図7において、試料面
内を通る軸線Aを中心とする試料傾斜角度α及び試料面
法線Bを中心とする試料面内回転角度βを所定角度ごと
にステップ送りで変化させながら、傾斜角度α及び面内
角度βの組ごとに測定データD を測定する。
【0005】このような場合、従来のX線装置では、1
回の測定が行われるたびに2次元X線検出器102に蓄
積されたデータを読み取り、さらに読み取り後のデータ
を消去した後、2次元X線検出器102を再び図7に示
す測定位置にセットして、2回目及びそれ以降のα及び
βの組に関して測定を繰り返す。しかしながら、このよ
うに1回の測定のたびに2次元X線検出器102の読み
取り及びデータ消去を繰り返して行うというのは、極め
て長い測定時間を必要としていた。
【0006】本発明は、上記の問題点に鑑みて成された
ものであって、試料の状態を変化させながら測定を行う
方式のX線装置において、極めて迅速な測定を行うこと
ができるようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明に係るX線装置は、試料に照射されるX線を
発生するX線源と、試料から発生するX線を平面的に受
光する2次元X線検出手段と、前記試料と前記2次元X
線検出手段との間に配置されデバイ環の接線方向に長い
開口を備えたマスクと、前記2次元X線検出手段の異な
る検出面を前記マスクの開口に対応する位置へ運ぶよう
に該2次元X線検出手段を移動させる検出手段移動手段
とを有することを特徴とする。
【0008】上記構成において、「2次元X線検出手
段」は、例えば、輝尽性蛍光体、X線フィルム等によっ
て構成できる。ここで、輝尽性蛍光体は、エネルギ蓄積
型の放射線検出器であり、輝尽性蛍光物質、例えばBa
FBr:Er2+の微結晶を可撓性フィルム、平板状フ
ィルム、その他の部材の表面に塗布等によって成膜した
ものである。この輝尽性蛍光体は、X線等をエネルギの
形で蓄積することができ、さらにレーザ光等といった輝
尽励起光の照射によりそのエネルギを外部へ光として放
出できる性質を有する物体である。
【0009】つまり、この輝尽性蛍光体にX線等を照射
すると、その照射された部分に対応する輝尽性蛍光体の
内部にエネルギが潜像として蓄積され、さらにその輝尽
性蛍光体にレーザ光等といった輝尽励起光を照射すると
上記潜像エネルギが光となって外部へ放出される。この
放出された光を光電管等によって検出することにより、
潜像の形成に寄与したX線の回折角度及び強度を測定で
きる。この輝尽性蛍光体は従来のX線フィルムに対して
10〜60倍の感度を有し、さらに10〜10に及
ぶ広いダイナミックレンジを有する。
【0010】また、X線フィルムは、プラスチックフィ
ルム、例えば、厚さの薄い可撓性を有するプラスチック
フィルムの片側又は両側の表面にハロゲン化銀を主成分
とする乳剤を膜状に設けて成る平面状のX線検出要素で
ある。このX線フィルムでは、X線は可視光線と同様に
写真乳剤を感光させる。X線が乳剤中に入射すると、ハ
ロゲン化銀をイオン化し、現像核を形成する。現像によ
り銀粒子が遊離し、黒化する。
【0011】上記構成のX線装置によれば、試料から発
生するX線、例えば回折X線のうち上記マスクの開口を
通過したX線によって2次元X線検出器を露光して該部
に測定データとしてのX線像、すなわちデバイ環を記録
できる。また、検出手段移動手段によって2次元X線検
出手段を移動させることにより、2次元X線検出手段の
他の部分をマスクの開口に対応する位置に持ち運ぶこと
ができ、これにより、他の測定データを先の測定データ
と別の位置に記録することができる。つまり、1つの2
次元X線検出手段の異なる複数の位置に複数種類の測定
データを連続的に記録することができる。
【0012】以上のように複数種類の測定データを1つ
の2次元X線検出手段の異なる個所に記録した後に、1
回の読み取り処理によりそれら複数種類の測定データを
一挙に読み取ることができる。これにより、例えば、試
料の状態を変化させながら個々の試料状態において測定
データを求める測定を、極めて迅速に行うことができ
る。
【0013】上記構成のX線装置に関しては、図1に示
すように、前記2次元X線検出手段は平坦なX線受光面
を有するように配置でき、この場合、前記検出手段移動
手段は前記2次元X線検出手段をX線光軸とほぼ直交す
る方向へ平行移動させることができる。ここで、「ほぼ
直交」とは、厳密に直交する場合はもとより、測定精度
が許す範囲内で直交からずれる場合も含む意味である。
【0014】次に、上記構成のX線装置に関しては、図
3に示すように、前記2次元X線検出手段は前記試料の
試料軸線ωを中心とする円筒状のX線受光面を有するよ
うに配置でき、この場合、前記検出手段移動手段は前記
2次元X線検出手段を前記試料軸線を中心として回転移
動させることができる。
【0015】次に、上記構成のX線装置において、前記
マスクの開口は、図1や図3に示すように、デバイ環の
接線方向(図1及び図3の矢印E−E方向)を長軸とす
る長方形状に形成することができる。また、前記マスク
の開口は、図4に示すように、デバイ環の曲率に合わせ
た湾曲形状に形成することができる。
【0016】次に、上記構成のX線装置においては次の
構成要素、すなわち、試料面法線を中心として前記試料
を面内回転させるβ回転手段と、試料面を通る軸線を中
心として前記試料を回転させるα回転手段とをさらに有
することが望ましい。こうすれば、試料の傾斜角度と試
料の面内回転角度を所定間隔ごとに変化させて試料から
の回折X線情報を求める測定、いわゆる極図形測定を迅
速に行うことが可能となる。
【0017】次に、上記構成のX線装置においては、前
記試料を平面内で平行移動させる試料平行移動手段をさ
らに有することが望ましい。こうすれば、試料平行移動
手段によって試料を平行移動させることにより、試料の
異なる部分に関する回折X線情報を1つの2次元X線検
出手段の異なる個所に連続的に記録することができる。
【0018】次に、上記構成のX線装置においては、前
記試料の温度を変化させる試料温度調節手段をさらに有
することが望ましい。こうすれば、試料温度調節手段に
よって試料の温度を所定幅で変化させながら測定を行う
ことにより、1つの試料に関して異なる温度状態におけ
る回折X線情報を1つの2次元X線検出手段の異なる個
所に連続的に記録することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)図1は、本発明
に係るX線装置を構成する1つの構成要素であるX線測
定装置1を示している。このX線測定装置1は、X線を
発生するX線発生装置2と、試料Sを支持する試料支持
装置3と、試料Sからの回折X線を検出するX線検出装
置4とを有する。
【0020】X線発生装置2は、X線源であるX線焦点
Fと、そのX線焦点Fを取り囲むケーシング6とを有す
る。X線焦点Fは、例えば、通電によって発熱して熱電
子を放出するフィラメント(図示せず)と、そのフィラ
メントに対向して配置されるターゲット(図示せず)と
によって構成される。X線焦点Fは、ターゲットの表面
上において熱電子が衝突する領域として規定される。
【0021】X線焦点Fから放射されて発散するX線R
0は発散規制スリット11によってその一部分が取り出
され、その取り出された部分が入射X線R0として試料
Sの所定領域へ照射される。この入射X線R0はある程
度の幅を持って進行するものであるが、図1ではその幅
の中心となるX線光軸X0を図示してある。
【0022】試料支持装置3は、例えば、試料面法線B
を中心として試料Sを回転、いわゆる面内回転させるβ
回転装置7と、試料面内を通る横軸線である軸線Aを中
心として試料S及びβ回転装置7を回転、いわゆるα回
転させるα回転装置8と、試料面内を通る縦軸線である
ω軸線を中心として試料S、α回転装置8及びβ回転装
置7を回転させるω回転装置9とを有する。
【0023】ω回転装置9を作動して試料S、α回転装
置8及びβ回転装置7をω軸線を中心として適宜の角度
だけ回転させれば、試料Sに対する入射X線R0の入射
角度を希望の値に調節できる。また、α回転装置8を作
動して試料S及びβ回転装置7を軸線Aを中心として適
宜の角度だけ回転させ、さらに、β回転装置7を作動し
て試料Sを軸線Bを中心として適宜の角度だけ回転させ
れば、入射X線R0に対する試料Sの方向を角度α及び
角度βの組み合わせで種々に変化させることができる。
【0024】試料Sに入射X線R0が入射した時、その
入射X線R0と結晶格子面との間でブラッグの回折条件
が満足されると、試料Sの特性に従った所定の回折角度
で回折X線R1が発生する。この回折X線R1は、通
常、円錐状に発散しながら進行するものであり、その円
錐の底面に相当する円形の外縁線が、いわゆるデバイ環
である。
【0025】また、円錐状に発散する回折X線R1の円
錐の頂角部分の開き角度が回折X線の回折角度に相当す
る。また、円錐状の回折X線R1の中心軸線X1が回折
X線R1のX線光軸に相当する。一般に、入射X線R0
のX線光軸X0と回折X線R1のX線光軸X1の両方を
含む面は、赤道面と呼ばれている。
【0026】X線検出装置4は、2次元X線検出手段と
しての輝尽性蛍光体12と、その輝尽性蛍光体12を支
持する支持体13と、その支持体13を平行移動させる
検出器移動装置14と、輝尽性蛍光体12と試料Sとの
間に配置されたマスク16とを有する。
【0027】輝尽性蛍光体12は、エネルギ蓄積型の放
射線検出器であり、輝尽性蛍光物質、例えばBaFB
r:Er2+の微結晶を可撓性フィルム、平板状フィル
ム、その他の部材の表面に塗布等によって成膜したもの
である。この輝尽性蛍光体は、X線等をエネルギの形で
蓄積することができ、さらにレーザ光等といった輝尽励
起光の照射によりそのエネルギを外部へ光として放出で
きる性質を有する物体である。
【0028】つまり、この輝尽性蛍光体にX線等を照射
すると、その照射された部分に対応する輝尽性蛍光体の
内部にエネルギが潜像として蓄積され、さらにその輝尽
性蛍光体にレーザ光等といった輝尽励起光を照射すると
上記潜像エネルギが光となって外部へ放出される。この
放出された光を光電管等によって検出することにより、
潜像の形成に寄与したX線の回折角度及び強度を測定で
きる。
【0029】支持体13は、輝尽性蛍光体12のX線受
光面が平坦面になるように、且つそのX線受光面がX線
光軸X1に対して所定の角度で交差、本実施形態の場合
は直角に交差するように、その輝尽性蛍光体12を支持
する。また、検出器移動装置14は、矢印Cで示すよう
に、X線光軸X1に対して直角の方向に、従って入射X
線R0のX線光軸X0と回折X線R1のX線光軸X1と
を含む面である赤道面と平行の方向に、支持体13を平
行移動させる。
【0030】検出器移動装置14の構造は特定の構造に
限定されるものではなく、上記の作用が達成される限り
において任意に構成できる。例えば、回転角度を高精細
に制御可能なモータ、例えばパルスモータ、サーボモー
タ等によって回転駆動されるネジ軸を設け、このネジ軸
に嵌合するネジを支持体13に固着するという構造を採
用できる。また、一対のプーリに掛け渡されたワイヤを
支持体13に接続し、上記一対のプーリのうちの一方を
パルスモータ等によって駆動するという構造を採用する
こともできる。また、リニアモータを用いて支持体13
を直接に直線駆動することもできる。
【0031】マスク16は、基本的には、X線を通過さ
せない材料、例えば鉛、鉄板によって形成され、その一
部にX線を通過させるための開口15が形成されてい
る。このマスク16は、試料Sからの回折X線によって
形成されるデバイ環の一部又は全部、本実施形態の場合
はデバイ環の一部、が開口15を通過して輝尽性蛍光体
12に到達するように、輝尽性蛍光体12の前方位置に
固定状態で配設される。
【0032】図2は、本発明に係るX線装置を構成する
他の1つの構成要素である読取り装置を示している。こ
こに示す読取り装置17は、輝尽性蛍光体12を平面状
に支持する支持台18と、輝尽励起光としてのレーザ光
を放出するレーザ光源19と、レーザ光源19から放出
されるレーザ光を反射する光反射部材21aと、支持台
18に対向して配設されていて光反射部材21aからの
光を受け取る走査光学系22と、そして光反射部材21
bからの光を受け取るレーザ光検出器23とを有する。
このレーザ光検出器23は、例えば、光電変換器を含ん
で構成される。
【0033】走査光学系22は走査駆動装置24によっ
て駆動されて輝尽性蛍光体12の表面をX−Yの直交2
方向すなわち平面内で走査する。走査駆動装置24は任
意の平行移動機構を用いて構成できる。レーザ光検出器
23は、光を受け取ってその光強度に対応した信号を出
力する。そして、レーザ光検出器23の出力端子にはX
線強度演算回路26が接続される。
【0034】図1において測定を終了した輝尽性蛍光体
12を図2の支持台18に装着し、走査光学系22をX
−Y平面内で走査移動させながらレーザ光を照射して読
み取りを行えば、輝尽性蛍光体12に蓄積されたX線潜
像に関する輝尽性蛍光体12の平面内での座標位置及び
その潜像形成に寄与したX線の強度を測定することがで
きる。なお、輝尽性蛍光体12は平面状に限られず円筒
状に支持することもでき、その場合には走査光学系22
をその円筒状の中心軸線を中心として主走査回転させ且
つ軸方向に副走査直線移動させることにより輝尽性蛍光
体12の表面の全面を走査できる。
【0035】図1において、β回転装置7、α回転装置
8、ω回転装置9、X線発生装置2、そして検出器移動
装置14の各要素はX線測定回路25に電気的に接続さ
れる。X線測定回路25は、例えば、CPU(Central
Processing Unit)、メモリ、その他の付属回路を含ん
で構成されるコンピュータシステムによって構成でき
る。このX線測定回路25は、β回転装置7等といった
上記の各要素が互いに関連して動作して所期のX線測定
が達成されるように一連の制御を演算する。
【0036】また、図2において、走査駆動装置24及
びX線強度演算回路26はX線読取回路27に電気的に
接続される。X線読取回路27は、例えば、図1に示し
たX線測定回路25を構成するコンピュータシステムと
同じコンピュータシステムによって実行される他の演算
処理として構成される。このX線読取回路27は、走査
駆動装置24及びX線強度演算回路26が互いに関連し
て動作して所期のX線読取処理が達成されるように一連
の制御を演算する。また、X線読取回路27は読み取っ
た結果を、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ等
といった映像表示装置28に映像として表示したり、プ
リンタ29を用いて紙等といった印材上にプリントす
る。
【0037】以下、上記構成のX線測定装置1及び読取
り装置17の組み合わせから成るX線装置の動作につい
て説明する。なお、以下の説明は、極図形測定における
反射法測定として好適に適用できる測定手法である。
【0038】図1において、まず、X線焦点Fから輝尽
性蛍光体12の装着位置に至るX線光軸X0及びX1と
各X線光学要素との位置関係を調節する。次に、検出器
支持体13を初期位置にセットし、その支持体13の前
面に輝尽性蛍光体12を装着する。また、試料支持装置
3の所定位置に試料Sをセットする。また、ω回転装置
9を作動して試料Sをω軸線を中心として適宜の角度だ
け回転させて、試料Sに対するX線入射角度を試料Sに
対応した適切な角度に設定する。
【0039】その後、α回転装置8を作動して試料Sの
傾斜角度αを所定の角度に設定し、β回転装置7を作動
して試料Sの面内回転角度βを所定の角度に設定する。
この状態でX線焦点FからX線を発生して試料SにX線
R0を入射させる。このとき、試料Sから回折X線R1
が発生すれば、その回折X線R1はマスク16の開口1
5を通して輝尽性蛍光体14に到達し、その部分にデバ
イ環D に相当するエネルギ潜像を記録する。輝尽性
蛍光体12のうち開口15に対応しない部分はマスク1
6によってX線に晒されることから回避される。
【0040】その後、傾斜角度α及び面内回転角度βの
組み合わせによって規定される試料Sの姿勢が、α回転
装置8及びβ回転装置7の作用によって、所定のステッ
プ角度で徐々に変化する。そして試料Sの姿勢が所定の
ステップ角度ごとに変化するのと連動して、検出器移動
装置14の作用により支持体13従って輝尽性蛍光体1
2が矢印C方向へステップ的すなわち間欠的に平行移動
し、これにより、輝尽性蛍光体12の異なる部分が試料
Sの姿勢ごとにマスク16の開口15に対応する位置に
持ち運ばれる。
【0041】そして、試料Sの各姿勢ごとに、その試料
SにX線焦点FからX線R0が照射され、そのときに試
料Sから発生する回折X線R1が輝尽性蛍光体12のそ
れぞれの個所にエネルギ潜像として記録される。この結
果、試料Sの異なる姿勢に対応した複数の回折X線情報
が1つの輝尽性蛍光体12のうちの異なる複数の個所に
連続的に記録される。
【0042】希望する複数の試料姿勢に対応する回折X
線情報が輝尽性蛍光体12に記録された場合には、その
輝尽性蛍光体12を支持体13から取り外し、その輝尽
性蛍光体12を図2の読取り装置17の支持台18に装
着する。次に、X線読取り回路27からの指令に基づい
て走査光学系22が主走査方向X及び副走査方向Yへ走
査移動して輝尽性蛍光体4の全面を走査し、その走査中
にレーザ光源19から発生される輝尽励起光としてのレ
ーザ光によって輝尽性蛍光体4の中の潜像が光として取
り出され、さらにその光を光検出器23によって読み取
る。
【0043】X線読取り回路27は、以上の読取り結果
に基づいて試料Sからの回折X線の回折角度及びX線強
度を演算し、さらにその演算結果をいわゆるポーラーネ
ット上にプロットすることにより極図形を演算する。X
線読取り回路27は、そのようにして演算した極図形を
映像表示装置28によって映像として表示し、さらに、
それと同時に又はそれに代えて、プリンタ29によって
印材上にプリントする。観察者は表示された極図形を確
認することにより、試料Sに関する格子面の極の分布を
観察できる。
【0044】以上の説明から明らかなように、本実施形
態のX線装置によれば、図1において、試料Sから発生
する回折X線R1のうちマスク16の開口15を通過し
たX線によって輝尽性蛍光体12を露光して該部に測定
データとしてのX線像、すなわちデバイ環D を記録
できる。また、検出器移動装置14によって輝尽性蛍光
体12を平行移動させることにより、輝尽性蛍光体12
の他の部分をマスク16の開口15に対応する位置に持
ち運ぶことができる。以上により、他の測定データを先
の測定データと別の位置に記録することができる。つま
り、本実施形態のX線装置では、1つの輝尽性蛍光体1
2の異なる複数の個所に複数種類の測定データ、すなわ
ち複数組のデバイ環D を連続的に記録することがで
きる。
【0045】このように複数組のデバイ環D を1つ
の輝尽性蛍光体12の異なる個所に記録した後に、1回
の読み取り処理によりそれら複数組のデバイ環D
一挙に読み取ることができる。これにより、試料Sの姿
勢を変化させながら個々の姿勢において回折X線情報を
求める測定、すなわち極図形測定を極めて迅速に行うこ
とができる。
【0046】(第2実施形態)図3は、本発明に係るX
線装置を構成するX線測定装置の他の実施形態を示して
いる。この実施形態において用いられる読取り装置は、
図2に示した装置と同じものが使用できるのでその説明
は省略する。本実施形態に係るX線測定装置31が図1
に示したX線測定装置1と異なる点は、マスク16に形
成する開口15をデバイ環D の曲率に合わせた湾曲
形状に形成したことである。なお、図3の実施形態にお
いて図1の実施形態で示した要素と同じ要素は同じ符号
を用いて示すことにして、それらの要素の説明は省略す
る。
【0047】(第3実施形態)図4は、本発明に係るX
線装置を構成するX線測定装置のさらに他の実施形態を
示している。この実施形態において用いられる読取り装
置は、図2に示した装置と同じものが使用できるのでそ
の説明は省略する。本実施形態に係るX線測定装置41
が図1に示したX線測定装置1と異なる点は、支持体1
3によって輝尽性蛍光体12をω軸線を中心とする円筒
形状に支持したことである。
【0048】また、それに対応して、輝尽性蛍光体12
の前面に配置されるマスク16もω軸線を中心とする円
筒形状に配置されている。また、検出器移動装置14は
支持体13を矢印Dに示すようにω軸線を中心とする円
軌跡を描くようにステップ移動させる。なお、図4の実
施形態において図1の実施形態で示した要素と同じ要素
は同じ符号を用いて示すことにして、それらの要素の説
明は省略する。
【0049】(第4実施形態)図5は、本発明に係るX
線装置を構成するX線測定装置のさらに他の実施形態を
示している。この実施形態において用いられる読取り装
置は、図2に示した装置と同じものが使用できるのでそ
の説明は省略する。本実施形態に係るX線測定装置51
が図1に示したX線測定装置1と異なる点は、試料支持
装置3において試料Sを試料平行移動手段としてのXY
ステージ52によって支持したことである。なお、図5
の実施形態において図1の実施形態で示した要素と同じ
要素は同じ符号を用いて示すことにして、それらの要素
の説明は省略する。
【0050】図1に示したX線測定装置1では、試料傾
斜角度α及び面内回転角度βで規定される試料Sの姿勢
を変化させるごとに、各試料姿勢に対応した回折X線情
報を1つの輝尽性蛍光体12の異なる個所に記録した。
これに対し、図5に示す本実施形のX線測定装置51で
は、XYステージ52をXY平面内で平行移動させるこ
とにより試料Sの異なる部分をX線焦点FからのX線照
射位置へ持ち運び、それらの各部分に対応した回折X線
情報を1つの輝尽性蛍光体12の異なる個所に連続的に
記録するように構成してある。これにより、試料Sに関
して、いわゆるマッピング測定を極めて迅速に行うこと
ができる。
【0051】なお、平行移動機構であるXYステージ5
2の構造及びその駆動方法は特定の構造や方法に限られ
ず、必要に応じて任意に構成できるが、例えば、パルス
モータ、サーボモータ等といった回転角度が高精細に調
節可能な回転機を動力源として、この動力をネジ軸等を
介してXステージ及びYステージに個別に伝達するとい
う構造を採用できる。
【0052】(第5実施形態)図6は、本発明に係るX
線装置を構成するX線測定装置のさらに他の実施形態を
示している。この実施形態において用いられる読取り装
置は、図2に示した装置と同じものが使用できるのでそ
の説明は省略する。本実施形態に係るX線測定装置61
が図1に示したX線測定装置1と異なる点は、試料支持
装置3において試料Sを試料温度調節装置62によって
取り囲んだことである。なお、図6の実施形態において
図1の実施形態で示した要素と同じ要素は同じ符号を用
いて示すことにして、それらの要素の説明は省略する。
【0053】図1に示したX線測定装置1では、試料傾
斜角度α及び面内回転角度βで規定される試料Sの姿勢
を変化させるごとに、各試料姿勢に対応した回折X線情
報を1つの輝尽性蛍光体12の異なる個所に記録した。
これに対し、図6に示す本実施形態のX線測定装置61
では、試料温度調節装置62によって試料Sの温度を変
化させながら、各試料温度に対応する回折X線情報を1
つの輝尽性蛍光体12の異なる個所に連続的に記録する
ように構成してある。これにより、試料Sの温度変化に
対応した結晶構造等の変化を極めて迅速に測定すること
ができる。
【0054】なお、試料温度調節装置62は任意に構成
できるが、例えば、試料Sのまわりにヒータ線を配設し
てそのヒータ線からの発熱によって試料Sを加熱した
り、試料Sのまわりに冷却液を流してその試料Sを冷却
したりする構成を採用できる。
【0055】(その他の実施形態)以上、好ましい実施
形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はその実施形
態に限定されるものでなく、請求の範囲に記載した発明
の範囲内で種々に改変できる。
【0056】例えば、以上に説明した実施形態では極図
形測定、マッピング測定、温度変化測定等を実行する際
に本発明に係るX線装置を用いたが、本発明に係るX線
装置はその他任意の測定方法に対して適用可能である。
【0057】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係るX線装置によれば、試料から発生するX線、例え
ば回折X線のうちマスクの開口を通過したX線によって
2次元X線検出器を露光して該部に測定データとしての
X線像、すなわちデバイ環を記録できる。また、検出手
段移動手段によって2次元X線検出手段を移動させるこ
とにより、2次元X線検出手段の他の部分をマスクの開
口に対応する位置に持ち運ぶことができ、これにより、
他の測定データを先の測定データと別の位置に記録する
ことができる。つまり、1つの2次元X線検出手段の異
なる複数の位置に複数種類の測定データを連続的に記録
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るX線装置を構成する要素の1つで
あるX線測定装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】本発明に係るX線装置を構成する要素の他の1
つである読取り装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図3】本発明に係るX線装置を構成する要素の1つで
あるX線測定装置の他の実施形態を示す斜視図である。
【図4】本発明に係るX線装置を構成する要素の1つで
あるX線測定装置のさらに他の実施形態を示す斜視図で
ある。
【図5】本発明に係るX線装置を構成する要素の1つで
あるX線測定装置のさらに他の実施形態を示す斜視図で
ある。
【図6】本発明に係るX線装置を構成する要素の1つで
あるX線測定装置のさらに他の実施形態を示す斜視図で
ある。
【図7】従来のX線測定装置の一例を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 X線測定装置(X線装置) 2 X線発生装置 3 試料支持装置 4 X線検出装置 7 β回転装置 8 α回転装置 9 ω回転装置 12 輝尽性蛍光体(2次元X線検出手段) 15 開口 16 マスク 17 読取り装置(X線装置) 31,41,51,61 X線測定装置(X線装置) 51 XYステージ(試料平行移動手段) 62 試料温度調節装置 D デバイ環 F X線焦点(X線源) R0 入射X線 R1 回折X線 S 試料 X0,X1 X線光軸

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料に照射されるX線を発生するX線源
    と、 試料から発生したX線を平面的に受光する2次元X線検
    出手段と、 前記試料と前記2次元X線検出手段との間に配置されデ
    バイ環接線方向に長い開口を備えたマスクと、 前記2次元X線検出手段の異なる検出面を前記マスクの
    開口に対応する位置へ運ぶように該2次元X線検出手段
    を移動させる検出手段移動手段と、を有することを特徴
    とするX線装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記2次元X線検出
    手段は平坦なX線受光面を有し、前記検出手段移動手段
    は前記2次元X線検出手段をデバイ環とほぼ直交する方
    向へ平行移動させることを特徴とするX線装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記2次元X線検出
    手段は前記試料の試料軸線を中心とする円筒状のX線受
    光面を有し、前記検出手段移動手段は前記2次元X線検
    出手段を前記試料軸線を中心として回転移動させること
    を特徴とするX線装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3の少なくともいず
    れか1つにおいて、前記マスクの開口はデバイ環接線方
    向を長軸とする長方形状に形成されることを特徴とする
    X線装置。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項3の少なくともいず
    れか1つにおいて、前記マスクの開口はデバイ環の曲率
    に合わせた湾曲形状に形成されることを特徴とするX線
    装置。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5の少なくともいず
    れか1つにおいて、 試料面法線を中心として前記試料を面内回転させるβ回
    転手段と、 試料面を通る軸線を中心として前記試料を回転させるα
    回転手段とをさらに有することを特徴とするX線装置。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項6の少なくともいず
    れか1つにおいて、 前記試料を平面内で平行移動させる試料平行移動手段を
    さらに有することを特徴とするX線装置。
  8. 【請求項8】 請求項1から請求項7の少なくともいず
    れか1つにおいて、 前記試料の温度を変化させる試料温度調節手段をさらに
    有することを特徴とするX線装置。
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