JP4623879B2 - ビームの評価方法および装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビームの評価方法および装置に関する。さらに詳しくは、本発明は、ビームに含まれる電子や陽電子のエネルギスペクトルやビーム形状を測定するビームの評価方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図12に示すように高強度レーザ100をターゲット101に照射して電子を発生させる場合、ターゲット101を通過する際に電子ビーム102の発生だけでなく制動放射の形でX線103を発生する。この電子ビーム102を蛍光スクリーンなどの電子検出手段にそのまま照射して検出しようとするとX線103の影響を受けて正確な測定ができないので、発生したビーム102,103を磁場105を通過させて電子ビーム102の軌道を曲げてX線103と分離して検出することが一般に行われている。ここで、電子が磁場105から受ける外力は電子エネルギの大きさによって異なるので、電子エネルギの大きさに応じて電子軌道の曲率半径が異なる。これにより、電子が電子エネルギの大きさによって弁別されて検出されるので、これに基づき電子エネルギのスペクトルを求めることができる。
【0003】
磁場105で曲げた電子を捉える方法としては、磁場105を通過した電子を蛍光スクリーン104あるいはシンチレーションファイバに照射して、発生した蛍光をCCD106により検出する方法が実施されている。そして、電子が発生してから検出されるまでの経路を形成する各部材、即ちターゲット101→磁石105→蛍光スクリーン104あるいはシンチレーションファイバ→結像系109→CCD106は全て真空チャンバ107の中に設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したCCD106を使用する検出方法では、エネルギ分解能がCCD画素数あるいはシンチレーションファイバを使用する方法であればその本数にも依存するので、エネルギ分解能を十分に高くすることができない。例えば、CCD画素数は500画素/10cm程度しかなく、またシンチレーションファイバの本数は30本/10cm程度でしかない。このため、より高いエネルギ分解能を得られる検出方法が望まれている。
【0005】
また、蛍光スクリーン104あるいはシンチレーションファイバで電子を検出すると同時に検出結果である蛍光をCCD106により受光しなければならないので、検出の精度や効率を考慮してCCD106およびその結像系109を真空チャンバ107の中に設けるようにしている。このため、測定装置110が大型化してしまう。
【0006】
さらに、2次元に配列したCCD106を用いて電子エネルギのスペクトルおよびビーム形状を同時に計測する場合は、CCD106の1画素あたりの感度を高める必要があるので、CCD106を冷却する冷却装置108を設ける必要があり、測定装置110が大型化してしまう。
【0007】
そこで、本発明は高いエネルギ分解能を得られると共に装置を小型化できるビームの評価方法および装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、請求項1記載の発明は、電子ビームを含むビームを磁場中に通過させることにより電子ビームの各電子の軌道を曲げて電子検出手段に照射して、検出された電子の磁場に垂直な方向の分布から電子エネルギスペクトルを求めるか、あるいは磁場に平行な方向の分布から電子ビーム形状を求めるかの少なくとも一方を行うビームの評価方法において、電子検出手段はイメージングプレートであるようにしている。また、請求項記載の発明は、磁場を形成する磁石と、電子ビームを含むビームを磁場中に通過させたときに軌道が曲げられた電子ビームの電子を検出する電子検出手段とを備えたビームの評価装置において、電子検出手段はイメージングプレートであるようにしている。ここで、本明細書中で、イメージングプレートとは輝尽蛍光性の粉末(例えばBaFBr:Eu2+)を塗布した放射線画像検出シートを意味する。これは、照射された電子や陽電子により感光され、赤色レーザによって現像することにより電子や陽電子の数量に応じた画像を表すものである。
【0009】
したがって、イメージングプレートにより電子が検出されるので、従来のように電子検出手段として蛍光スクリーンあるいはシンチレーションファイバを使用する場合に比べて高い解像度を得ることができる。また、イメージングプレートを使用しているので、一旦照射だけしておいてイメージングプレートを取り出してから現像するようにできる。このため、従来の電子検出手段である蛍光スクリーンあるいはシンチレーションファイバのように電子が照射されることにより発せられる蛍光を受光するためのCCDを設ける必要が無いので、装置の小型化および扱いの容易化を図ることができる。
【0010】
求項記載の発明は、さらに、磁場に入る直前のビームの光路を中心に磁場を回転させて、回転させた各位置で電子エネルギスペクトルまたは電子ビーム形状の少なくとも一方を求めるようにしている。そして、請求項記載の発明は、さらに、磁場に入る直前のビームの光路を中心に磁石を回転させることにより磁場を回転させる磁場回転機構を備えるようにしている。
【0011】
したがって、磁場に入る直前のビームの光路を中心に磁場を回転させているので、ビームの光路を中心とする径方向の各方向の電子エネルギスペクトルまたは電子ビーム形状を測定することができる。よって、電子ビームを2次元的に測定することができる。
【0012】
さらに、請求項記載の発明は、請求項記載のビームの評価方法において、ビームは陽電子ビームを含むと共に、ビームを磁場中に通過させることにより陽電子ビームの各陽電子の軌道を曲げてイメージングプレートから成る陽電子検出手段に照射して、検出された陽電子の磁場に垂直な方向の分布から陽電子エネルギスペクトルを求めるか、あるいは磁場に平行な方向の分布から陽電子ビーム形状を求めるかの少なくとも一方を行うようにしている。また、請求項記載の発明は、請求項記載のビームの評価装置において、ビームには陽電子ビームを含むと共に、ビームを磁場中に通過させたときに軌道が曲げられた陽電子ビームの陽電子を検出する陽電子検出手段を備えるようにしている。したがって、電子ビームの測定と同時に陽電子ビームも測定することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成を図面に示す一実施の形態に基づいて詳細に説明する。図1〜図3に本発明のビームの評価装置1の実施形態の一例を示す。この評価装置1は、磁場2を形成する磁石3と、電子ビーム4を含むビーム5を磁場2中に通過させたときに軌道が曲げられた電子ビーム4の電子を検出する電子検出手段6とを備えたものである。そして、電子検出手段6はイメージングプレート(例えば、商品名FDL−UR−V、富士フイルム社製)であるようにしている。イメージングプレートは通常は電子顕微鏡の像を観察するために使用されるものであり、空間分解能が例えば25μmと高く、ダイナミックレンジは冷却無しでも18ビット階調に対応できる。このため、イメージングプレートにより電子が検出されるので、従来のように電子検出手段として蛍光スクリーン等を使用する場合に比べて高い解像度を得ることができる。また、イメージングプレートを使用しているので、検出と同時に発せられる蛍光を受光する必要が無く、一旦照射だけしておいてイメージングプレートを取り出して現像するようにできる。よって、従来の電子検出手段である蛍光スクリーン等のように電子が照射されることにより発せられる蛍光を受光するためのCCDを設ける必要が無いので、評価装置1の小型化および扱いの容易化を図ることができる。
【0014】
磁石3は、図3に示すように互いに平行に向い合わせた2枚の平板状のフェライト磁石から成る。各磁石3,3同士の間に磁場2が形成されている。また、各磁石3,3は、各磁石3の外側面に設けられた鉄板から成るヨーク7と、ヨーク7同士を連結する連結部材8とにより、平行な状態で保持されている。
【0015】
この評価装置1は、電子ビーム4を含むビーム5をレーザ光9から発生させるために、レーザ光9を受光して電子ビーム4を含むビーム5を発生するターゲット10と、ターゲット10にレーザ光9を集光するための放物面ミラー11とを備えている。レーザ光9としてはチタンサファイアレーザを使用している。ターゲット10としては銅のテープを使用している。
【0016】
さらに、ターゲット10と磁石3との間には、スリット12を有する鉄製のコリメータ13が配置されている。これにより、ターゲット10から発せられたビーム5の形状がスリット12によって調整される。ここでのスリット12は、図2に示すように磁場2に平行に長い矩形状としている。
【0017】
そして、コリメータ13と電子検出手段6とは、磁石3の同じ端面に向けて配置されている。このため、コリメータ13のスリット12を通過したビーム5の電子は、磁場2で軌道を180度曲げられて電子検出手段6に照射される。
【0018】
また、電子検出手段6の磁場2との反対側には鉛ブロック14が配置されている。これにより、電子検出手段6の裏側から電子検出手段6に不要な電子等が入射して検出精度を悪くすることを防止できる。
【0019】
さらに、レーザ光9やビーム5の光路となる放物面ミラー11、ターゲット10、コリメータ13、磁石3、電子検出手段6と、鉛ブロック14とは、全て真空チャンバ15に収容されている。このため、従来の電子検出手段6である蛍光スクリーンあるいはシンチレーションファイバのように近傍に蛍光受光用のCCDを設ける必要が無いので、真空チャンバ15の小型化を図ることができる。
【0020】
上述した評価装置1を使用してレーザ光9から発生する電子ビーム4の評価を行う手順を以下に説明する。ここでの評価としては、電子エネルギスペクトルと電子ビーム4の形状とを求めるものとする。
【0021】
レーザ光9を真空チャンバ15の外から放物面ミラー11に向けて照射する。
これにより、レーザ光9がターゲット10に集光されて、ターゲット10から電子ビーム4を含むビーム5が発生される。ターゲット10を通過する際には、電子ビーム4の発生だけでなく制動放射の形でX線16も発生される。
【0022】
磁場2では、図2に示すように電子エネルギの大きさに応じた曲率半径で電子ビーム4の軌道が曲げられる。これにより、電子ビーム4がX線16から分離される。そして、電子エネルギが大きいほど電子ビーム4の軌道の曲率半径は大きく、また電子エネルギが小さいほど曲率半径は小さくなる。軌道が180度曲げられたときに、ビーム5が入射された磁石3の端面と同じ端面から電子ビーム4が射出されて電子検出手段6に照射される。
【0023】
電子検出手段6での検出が終わると、真空チャンバ15から電子検出手段6を取り出して現像する。これにより、図2および図4に示すような模様を得ることができる。各図において、黒化度は入射した電子数に比例する。そして、図4(a)に示す場合の電子検出手段6でのX軸方向の位置と黒化度との関係を求める(図5)。
【0024】
ここで、磁場2の磁力線に対して垂直な電子軌道は電子エネルギの大きさに依存する。このため、電子検出手段6のX軸方向の反応分布(黒化度分布)は電子エネルギ分布に関係している。そこで、本装置1での電子ビーム4の軌道計算を行って、電子検出手段6でのX軸方向の位置と各位置での電子エネルギとの関係を算出する(図6)。
【0025】
さらに、図5および図6における電子検出手段6でのX軸方向の位置を消去して、電子エネルギと電子数との関係を求める(図7)。これにより、電子エネルギスペクトルを求めることができる。
【0026】
一方、磁場2の磁力線に対して平行な方向には電子は力を受けない。このため、電子検出手段6のY軸方向の分布は電子ビーム一次元形状、即ちY軸方向への一次元形状を示している。これにより、電子ビーム4の形状を求めることができる。
【0027】
上述したように、電子エネルギスペクトルと電子ビーム4の形状とを求めることにより、電子ビーム4を評価することができる。しかも、磁場2の強度を変更することにより、広範囲のエネルギ分布を測定できるようになる。
【0028】
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、本実施形態ではターゲット10で発生されたビーム5のうちで電子ビーム4のみを検出しているが、これには限られず陽電子ビームを検出するようにしても良い。この場合、図8に示すようにビーム5を磁場2中に通過させたときに軌道が曲げられた陽電子ビームの陽電子を検出する陽電子検出手段17を備えるようにする。ここでは、陽電子検出手段17と電子検出手段6とスリット12とは、いずれも磁石3の同じ端面に向き合って配置されている。このため、スリット12を通過したビーム5の電子が磁場2で軌道を180度曲げられて電子検出手段6に照射されるのと同時に、ビーム5の陽電子が磁場2で軌道を電子とは反対側に180度曲げられて陽電子検出手段17に照射される。よって、電子ビーム4の測定と同時に陽電子ビームも測定することができるようになる。
【0029】
ここで、本実施形態では電子ビーム4の評価として電子エネルギスペクトルと電子ビーム4の形状とを求めているが、これには限られずいずれか一方であっても良い。
【0030】
また、上述した実施形態では、電子ビーム4を一方向のみに曲げて評価しているが、これには限られず磁場2に入る直前のビーム5の光路を中心に磁場2を回転させて、回転させた各位置で電子エネルギスペクトルまたは電子ビーム形状の少なくとも一方、あるいは陽電子エネルギスペクトルや陽電子ビーム形状を求めるようにしても良い。これにより、電子ビーム4あるいは陽電子ビームを2次元的に測定することができる。
【0031】
この場合、図8〜図11に示すように、磁場2に入る直前のビーム5の光路を中心に磁石3,3を回転させる磁場回転機構18を備えるようにする。磁場回転機構18は、磁石3,3を支持する回転ステージ20と、回転ステージ20の周囲のギア部21に噛み合って回転により回転ステージ20を回転させるウォーム24を有する回転モータ22と、磁石3,3に固定された並進モータ19とを備えている。並進モータ19は、ピニオンギア25を介して電子検出手段6および陽電子検出手段17の縁のギア部26に噛み合っている。そして、並進モータ19の駆動により、電子検出手段6および陽電子検出手段17は磁石3に対して磁場2に平行な方向に摺動される。各モータ19,22はステッピングモータから成り、コンピュータ等の制御装置に接続されて制御される。
【0032】
また、回転ステージ20の回転中心にはビーム5が入射できる開口23が設けてある。そして、磁場2がビーム5と直交するように、磁石3,3が配置されている。なお、図8〜図11中では、コリメータ13や鉛ブロック14の図示を省略している。
【0033】
この評価装置1では、図8に示すように回転ステージ20を位置決めして、当該位置でビーム5を照射して電子ビーム4を電子検出手段6に照射すると共に陽電子ビームを陽電子検出手段17に照射する。そして、図9に示すように、回転モータ22を駆動して回転ステージ20を回転させて、次の位置で位置決めする。これと同期させて並進モータ19を駆動させ、電子検出手段6および陽電子検出手段17を磁場2に対してずらして位置決めする。この状態でビーム5を照射して、電子ビーム4を電子検出手段6に照射すると共に陽電子ビームを陽電子検出手段17に照射する。
【0034】
具体的には、電子検出手段6および陽電子検出手段17として摺動方向の長さが18cmのものを用意する。磁石3,3の間隔は1cmとする。回転ステージ20の各位置での測定が終了してから、回転ステージ20を10度回転させると共に電子検出手段6および陽電子検出手段17を1cmずらす。この動作を10度ごとに180度に達するまで繰り返すことにより、電子ビーム4および陽電子ビームの2次元形状を10度の分解能で求めることができる。ここで、10度以下の分解能で測定する場合は、電子検出手段6および陽電子検出手段17として本実施形態のようなシート状のものを使用せずに、テープ状のものを使用して巻き取りながら磁場2に対してずらしていくことが望ましい。
【0035】
これにより、電子検出手段6では順次異なる位置に電子が照射されて検出される。同様に、陽電子検出手段17では順次異なる位置に陽電子が照射されて検出される。よって、電子ビーム4および陽電子ビームを2次元的に評価することができる。
【0036】
また、上述した各実施形態では電子ビーム4および陽電子ビームのいずれも軌道を180度曲げているが、これには限られず90度等の他の角度であっても良い。
【0037】
そして、上述した各実施形態ではレーザ光9としてチタンサファイアレーザを使用しているが、これには限られずガラスレーザ等の他のレーザを使用しても良い。さらに、上述した各実施形態ではターゲット10として銅を使用しているが、これには限られず他の金属や水素、プラスチック等の原子番号の小さい材料を使用することができる。そして、上述した各実施形態ではターゲット10としてテープ状のものを使用しているが、これには限られずディスク状やガス状など、他の形状・形態であっても良い。
【0038】
【実施例】
図1〜図3に示す評価装置1を用いて電子ビーム4の評価を行った。電子検出手段6としては、FDL−UR−V(富士フイルム社製)を使用した。この電子検出手段6は、空間分解能が25μmであると共にダイナミックレンジは冷却無しで18ビット階調に対応可能である。
【0039】
磁石3の寸法は図3に示したものとした。磁場は約1.5kGとした。スリット12の寸法は、5mm×15mmとした。レーザ光は、パルス幅43fs、出力100mJ、集光強度2.7×1018W/cmとした。ターゲット10の寸法は5μm×20μm、厚さ30μmとした。
【0040】
この評価装置1により電子ビーム4を検出した。そのときの電子検出手段6の現像した状態を図4(a)に示す。また、この電子検出手段6から電子検出手段6でのX軸方向の位置と黒化度との関係を求めた。その結果を図5に示す。そして、この評価装置1での電子ビーム4の軌道計算を行って、電子検出手段6でのX軸方向の位置と各位置での電子エネルギとの関係を算出した。その結果を図6に示す。同図に示すように、本評価装置1によれば最大で2MeVのエネルギの電子を計測可能であることが判明した。
【0041】
さらに、図5および図6における電子検出手段6でのX軸方向の位置を消去して、電子エネルギと電子数との関係を求めた。その結果を図7に示す。同図に示すように、このレーザ光9から発生した電子エネルギスペクトルを求めることができた。
【0042】
また、アパーチャを用いて電子ビーム径および形状を変更した場合も、上述と同様に評価を行った。このときの電子検出手段6の現像した状態を図4(b)に示す。
【0043】
図4(a)に示すものでは電子ビーム4のY軸方向形状が一様になり、図4(b)に示すものでは電子ビーム4のY軸方向形状が中央が密になったものとなった。したがって、この評価装置1の利用によりビーム形状を評価できることが明らかになった。
【0044】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、請求項1記載のビームの評価方法および請求項記載のビームの評価装置によれば、イメージングプレートにより電子が検出されるので、従来のように電子検出手段として蛍光スクリーンあるいはシンチレーションファイバを使用する場合に比べて高い解像度を得ることができる。よって、ビームの評価を高精度に行うことができるようになる。
【0045】
また、イメージングプレートを使用しているので、一旦照射だけしておいてイメージングプレートを取り出してから現像するようにできる。このため、従来の電子検出手段である蛍光スクリーンあるいはシンチレーションファイバのように電子が照射されることにより発せられる蛍光を受光するためのCCDを設ける必要が無いので、装置の小型化および扱いの容易化を図ることができる。
【0046】
求項記載のビームの評価方法および請求項記載のビームの評価装置によれば、さらに、磁場に入る直前のビームの光路を中心に磁場を回転させているので、ビームの光路を中心とする径方向の各方向の電子エネルギスペクトルまたは電子ビーム形状を測定することができる。よって、電子ビームを2次元的に測定することができる。
【0047】
さらに、請求項記載のビームの評価方法および請求項記載のビームの評価装置によれば、電子ビームの測定と同時に陽電子ビームも測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るビームの評価装置を示す概略図である。
【図2】磁場と電子ビームの軌道との関係を示すグラフである。
【図3】磁石の配置を示す平面図である。
【図4】電子検出手段により検出された電子を示す図であり、(a)はY軸方向形状が一様である場合、(b)はY軸方向形状が中央に収束している場合である。
【図5】電子検出手段でのX軸方向の位置と黒化度との関係を示す図である。
【図6】電子検出手段でのX軸方向の位置と各位置での電子エネルギの理論値との関係を示す図である。
【図7】電子エネルギと電子数との関係を示す図である。
【図8】ビームの評価装置の他の実施形態を示す回転ステージを回転させる前の平面図である。
【図9】ビームの評価装置の他の実施形態を示す回転ステージを45度回転させた後の平面図である。
【図10】ビームの評価装置の他の実施形態を示す回転ステージを回転させる前の側面図である。
【図11】ビームの評価装置の他の実施形態を示す回転ステージを90度回転させた後の側面図である。
【図12】従来のビームの評価装置を示す概略図である。
【符号の説明】
1 評価装置
2 磁場
3 磁石
4 電子ビーム
5 ビーム
6 電子検出手段
17 陽電子検出手段
18 磁場回転機構

Claims (4)

  1. 電子ビームを含むビームを磁場中に通過させることにより前記電子ビームの各電子の軌道を曲げて電子検出手段に照射して、検出された前記電子の前記磁場に垂直な方向の分布から電子エネルギスペクトルを求めるか、あるいは前記磁場に平行な方向の分布から電子ビーム形状を求めるかの少なくとも一方を行うビームの評価方法において、前記電子検出手段はイメージングプレートであると共に前記磁場に入る直前の前記ビームの光路を中心に前記磁場を回転させて、回転させた各位置で前記電子エネルギスペクトルまたは前記電子ビーム形状の少なくとも一方を求めることを特徴とするビームの評価方法。
  2. 前記ビームは陽電子ビームを含むと共に、前記ビームを前記磁場中に通過させることにより前記陽電子ビームの各陽電子の軌道を曲げてイメージングプレートから成る陽電子検出手段に照射して、検出された前記陽電子の前記磁場に垂直な方向の分布から陽電子エネルギスペクトルを求めるか、あるいは前記磁場に平行な方向の分布から陽電子ビーム形状を求めるかの少なくとも一方を行うことを特徴とする請求項記載のビームの評価方法。
  3. 磁場を形成する磁石と、電子ビームを含むビームを前記磁場中に通過させたときに軌道が曲げられた前記電子ビームの電子を検出する電子検出手段とを備えたビームの評価装置において、前記電子検出手段はイメージングプレートであると共に前記磁場に入る直前の前記ビームの光路を中心に前記磁石を回転させることにより前記磁場を回転させる磁場回転機構を備えることを特徴とするビームの評価装置。
  4. 前記ビームには陽電子ビームを含むと共に、前記ビームを前記磁場中に通過させたときに軌道が曲げられた前記陽電子ビームの陽電子を検出する陽電子検出手段を備えることを特徴とする請求項記載のビームの評価装置。
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