JP3765530B2 - X線測定方法及びx線装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、試料にX線を照射して該試料から発生するX線を測定するX線測定方法及びX線装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
X線回折装置、蛍光X線装置等といったX線装置では、試料の希望測定点にX線を照射してその試料から発生する回折X線、散乱X線、蛍光X線等を測定する。このX線装置において、CCD(Charge Coupled Device)カメラ等といった撮影装置を用いて試料を観察しながら、希望測定点を選定する方法が知られている。
【0003】
この方法では、撮影装置による撮影画面の基準位置、例えば画面の中心位置、すなわち座標画面の原点位置にX線が照射されるようにX線光学系を予め設定し、試料をXYステージによって支持し、撮影画面によって試料表面を観察しながらその試料の希望測定点をXYステージの平行移動によって撮影画面の基準位置まで移動させてX線光学系に対する試料の位置を決め、この状態で試料にX線を照射する。
【0004】
また、従来、試料をXYステージによって支持する構造のX線装置において、XYステージの平行移動により試料の複数点に関してX線測定を行うようにしたX線測定方法が知られている。この方法では、試料の第1測定点をXYステージの操作によって撮影画面の基準位置に移動させた上で、その位置をコンピュータ等といった演算装置のメモリに例えば座標データとして記憶し、さらに第2測定点以降の測定点を同様にして順次に記憶し、複数の測定点についての位置データの記憶が終了した後に、各測定点を順次にX線照射位置に移動させて個々の測定点に対してX線測定を行う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
撮影装置及びXYステージを備えたX線装置によって行われる従来のX線測定方法は上記の通りであり、ここで問題となるのは、試料の希望測定点を特定するためには、その希望測定点を、いちいち、撮影装置の画面を見ながらXYステージの操作によってその撮影画面の基準位置へ移動させなければならないということであり、換言すれば、撮影装置の画面上の任意の点を、例えばマウスクリック等といった位置指定操作によって指示した上で、撮影画面を見ることなくXYステージの自動動作によって希望測定点をX線照射位置に移動させることができないということである。
【0006】
このように従来の装置において、試料の希望測定点を撮影画面の基準位置へ、いちいち、撮影画面を観察しながら移動させなければならないというのは、X線光学系の構造上、試料を撮影する撮影装置の画面のXY座標と試料を支持するXYステージのXY座標とが、互いに角度的にずれて組み付けられることに起因するものと考えられる。すなわち、一般のX線装置では撮影側のXY座標とXYステージ側のXY座標とが互いに一致又は平行になっていないので、希望測定点の位置が単に撮影画面上での座標位置として特定されただけでは、観察画面を見ることなくXYステージだけで希望測定点をX線照射位置すなわち撮影画面の基準位置に移動させることができないということである。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑みて成されたものであって、試料の希望測定点をCCDカメラ等といった撮影装置の画面上で任意に指定、例えばマウスクリック等によって指定するだけで、その位置を測定点と決定できるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1)上記の目的を達成するため、本発明に係るX線測定方法は、試料撮影手段によって試料を撮影する試料撮影工程と、前記試料撮影手段による撮影画面上の座標軸と試料平行移動手段による平行移動面の座標軸との角度差を求める座標角度差検出工程と、X線照射点を通るφ軸線を中心として前記試料平行移動手段を前記角度差分だけ面内回転させる工程と、前記平行移動面上における座標値に従って前記試料平行移動手段によって前記試料の測定点を前記撮影画面上におけるX線照射点に対応する位置へ移動させる試料平行移動工程と、前記X線照射点に在る試料の部分にX線を照射して該試料から発生するX線を検出するX線測定工程とを有することを特徴とする。
【0009】
このX線測定方法によれば、撮影画面上の座標と試料平行移動面上の座標との間の相関が自動的にとられるので、試料の希望測定点をCCDカメラ等といった撮影装置の画面上で任意に指定、例えばマウスクリック等によって指定するだけで、その位置を測定点として決定できるようになった。従来のように、試料の希望測定点を、いちいち、撮影画面上の基準点、例えば座標上の原点を示すクロスカーソルの交点へ移動させて位置認識する必要がなくなった。
【0010】
上記構成のX線測定方法においては、X線照射点を通るφ軸線を中心として前記試料平行移動手段を前記角度差分だけ面内回転させることができる。つまり、撮影画面の座標軸と試料平行移動面の座標軸とを互いに一致する又は平行となる位置関係に補償することにより、撮影画面上の座標と試料平行移動面上の座標との間の相関をとることができる。
【0012】
(2)次に、本発明に係るX線装置は、試料を撮影する試料撮影手段と、試料を平行移動面内で平行移動させる試料平行移動手段と、前記試料撮影手段による撮影画面上の座標軸と前記試料平行移動手段による平行移動面の座標軸との角度差を求める座標角度差検出手段と、X線照射点を通るφ軸線を中心として前記試料平行移動手段を前記角度差分だけ面内回転させる手段と、前記平行移動面上における座標値に従って前記試料の測定点を前記試料平行移動手段によって前記撮影画面上におけるX線照射点に対応する位置へ移動させる試料平行移動制御手段と、前記X線照射点に在る試料の部分にX線を照射して該試料から発生するX線を検出するX線測定制御手段とを有することを特徴とする。
【0013】
上記構成において、試料撮影手段は、例えば、CCDカメラによって構成できる。また、試料平行移動手段は、例えば、直交2軸線方向へ平行移動するXYステージによって構成できる。座標角度差検出手段、試料平行移動制御手段及びX線測定制御手段は、例えば、CPU(Central Processing Unit)及びメモリを含んで構成されるコンピュータによって構成できる。
【0014】
上記構成のX線装置によれば、撮影画面上の座標と試料平行移動面上の座標との間の相関が自動的にとられるので、試料の希望測定点をCCDカメラ等といった撮影装置の画面上で任意に指定、例えばマウスクリック等によって指定するだけで、その位置を測定点として決定できるようになった。従来のように、試料の希望測定点を、いちいち、撮影画面上の基準点、例えば座標上の原点を示すクロスカーソルの交点へ移動させて位置認識する必要がなくなった。
【0015】
上記構成のX線装置においては、X線照射点を通るφ軸線を中心として前記試料平行移動手段を前記角度差分だけ面内回転させることにより、試料平行移動面上の座標軸を撮影画面上の座標軸に一致又は平行に設定することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1は、本発明に係るX線測定方法を用いたX線装置を構成する機器の1つであるX線測定装置の一実施形態を示している。このX線測定装置1は、内蔵するX線焦点FからX線を放射するX線発生装置5と、そのX線焦点Fから放射されるX線から断面径の小さい平行X線ビームを取り出すX線照射野調整手段としてのコリメータ2と、測定対象である試料SをX線焦点F及びコリメータ2の中心を通るX線光軸X0上に支持する試料支持装置3とを有する。
【0017】
試料Sの周囲には、X線検出手段としての具体的には2次元X線検出手段としての円筒状の輝尽性蛍光体4が配設される。この輝尽性蛍光体4は試料Sの表面に水平な方向から垂直な方向までを広く覆うように配置されている。この場合、垂直方向の範囲は輝尽性蛍光体4の軸線方向(図1の上下方向)の長さを長くすればする程広くなる。また、試料Sの表面を観察できる位置に試料撮影手段としてのCCD(Charge Coupled Device)カメラ10が設けられる。
【0018】
なお、図1では、上記の各X線光学要素を模式的に示しており、それらの相対的な大きさは実際のものとは異なっていることもある。また、実際のX線光学系においては、上記の各X線光学要素以外にスリット、モノクロメータ等といったその他のX線光学要素が必要に応じて用いられることがあるが、本実施形態ではそれらの付帯的な要素の図示は省略してある。
【0019】
X線焦点Fは、周知のように、発熱して熱電子を放出するフィラメント(図示せず)とそれに対向して配置されるターゲット(図示せず)とを含んだX線発生構造において、ターゲットにおける電子照射面として形成される。そして、そのX線焦点Fから、例えばポイント状のX線が取り出される。フィラメントやターゲットを有するX線発生装置5の動作は、図3において、例えばCPU(Central Processing Unit)を含んで構成される制御装置12によって制御される。
【0020】
図1において、コリメータ2は、X線焦点Fから放射されたX線が所定範囲のX線照射野で試料Sを照射するようにそのX線を調整するX線照射野調整手段として作用する。本実施形態のコリメータ2は、X線取込み側に径の大きなピンホールを有し、X線取出し側に径の小さいピンホールを有するダブルピンホールコリメータによって構成されており、それら一対のピンホールによって試料SにおけるX線照射野を規定する。コリメータ2の試料S側のピンホールは、例えば直径1mm以下に形成され、試料SにおけるX線照射野はそのピンホールとほぼ同じ大きさの面積に形成される。
【0021】
試料支持装置3は、試料Sを支持する試料台6と、その試料台6を支持する試料平行移動手段としてのXYステージ7と、X線光軸X0上に載っているX線照射点を通るφ軸線を中心としてXYステージ7を回転させるφ回転駆動装置8と、φ回転駆動装置8を支持するω回転台9と、X線照射点を通るω軸線を中心としてω回転台9を回転させるω回転駆動装置11とを有する。試料Sの試料台6への取り付け方法としては、接着その他の任意の方法を採用できる。
【0022】
XYステージ7にはX駆動装置14及びY駆動装置16が付設され、それらの駆動装置14,16を個々に作動することによりXYステージ7がφ軸線に直交する面内で平行移動できるようになっている。X駆動装置14及びY駆動装置16は、例えば、パルスモータ、サーボモータ等といった回転角度すなわち動作量を細かく制御可能な動力機器を含んで構成される。
【0023】
ω軸線は、例えば垂直軸線として設定され、このω軸線とφ軸線とはX線照射点において互いに交差し、ω軸線とφ軸線との交差角度γは、例えばγ=45°に設定する。軸交差角度をγ=45°に設定すれば、ω軸線を中心とする円筒状に配置された輝尽性蛍光体4の広い範囲に向かって、試料Sからの回折X線等を照射することが可能となる。つまり、測定可能な回折角度範囲を広く設定できる。
【0024】
φ回転駆動装置8及びω回転駆動装置11の動作は、図3において、制御装置12によって制御される。この制御装置12の入力端子にはキーボード、マウス型入力器、その他の操作入力装置13が接続され、この操作入力装置13を操作することにより、ω回転駆動装置11及びφ回転駆動装置8の動作を制御できる。
【0025】
φ回転駆動装置8は、例えば、回転角度が制御可能なモータを用いて構成でき、その場合にはモータの出力軸にXYステージ7が直接に又はギヤその他の伝達機構を介して連結される。ω回転駆動装置11は、例えば、モータを動力源としてウオームとウオームホイールから成る伝達機構を介してω回転台9へ動力を伝達する構造によって構成できる。
【0026】
ω回転駆動装置11によってω回転台9を適宜の角度回転させると、試料Sがω軸線を中心として回転するので、試料Sへ入射するX線の入射角度を調節することができる。また、φ回転駆動装置8によってXYステージ7及び試料台6を回転させると、試料Sがφ軸線を中心として回転、すなわち面内回転させることができる。例えば、試料SのX線照射野の中に含まれる結晶数が少なくて回折X線を発生させる確率が低い場合には、この面内回転によって確実に回折X線を発生させることができる。
【0027】
次に、図1の輝尽性蛍光体4は、X線を平面領域内で、すなわち2次元的に受光してその平面領域内の各点においてX線を検出できる構造のX線検出手段であり、より具体的には、エネルギ蓄積型の放射線検出器であって、輝尽性蛍光物質、例えばBaFBr:Er2+の微結晶を可撓性フィルム、平板状フィルム、その他の部材の表面に塗布等によって成膜したものである。この輝尽性蛍光体4は、X線等をエネルギの形で蓄積することができ、さらにレーザ光等といった輝尽励起光の照射によりそのエネルギを外部へ光として放出できる性質を有する物質である。
【0028】
つまり、輝尽性蛍光体にX線等を照射すると、その照射された部分に対応する輝尽性蛍光体4の内部にエネルギが潜像として蓄積され、さらにその輝尽性蛍光体にレーザ光等といった輝尽励起光を照射すると、上記潜像エネルギが光となって外部へ放射される。この放出された光を光電管等によって検出することにより、潜像の形成に寄与したX線の回折角度及び強度を測定できる。この輝尽性蛍光体は従来のX線フィルムに対して10〜60倍の感度を有し、さらに10〜10に及ぶ広いダイナミックレンジを有する。
【0029】
なお、図1において輝尽性蛍光体4によって検出された測定データは、例えば図2に示すような読取り装置17によって読み取ることができる。ここに示す読取り装置17は、輝尽性蛍光体4を平面状に支持する支持台18と、輝尽励起光としてのレーザ光を放出するレーザ光源19と、レーザ光源19から放出されるレーザ光を反射する光反射部材21aと、支持台18に対向して配設されていて光反射部材21aからの光を受け取る走査光学系22と、そして光反射部材21bからの光を受け取るレーザ光検出器23とを有する。レーザ光検出器23は、例えば光電変換器を含んで構成される。
【0030】
走査光学系22は走査駆動装置24によって駆動されて輝尽性蛍光体4の表面をX−Yの直交2方向すなわち平面方向へ走査する。走査駆動装置24は任意の平行移動機構を用いて構成できる。レーザ光検出器23は、光を受け取ってその光強度に対応した信号を出力する。そして、レーザ光検出器23の出力端子にはX線強度演算回路26が接続される。
【0031】
図1において測定を終了した輝尽性蛍光体4を図2の支持台18に装着し、走査光学系22をX−Y平面内で走査移動させながらレーザ光を照射して読み取りを行えば、輝尽性蛍光体4に蓄積されたX線潜像に関する輝尽性蛍光体4の平面内での座標位置及びその潜像形成に寄与したX線の強度を測定することができる。なお、輝尽性蛍光体4は平面状に限られず円筒状に支持することもでき、その場合には走査光学系22をその円筒状の中心軸線を中心として主走査回転させ且つ軸方向に副走査直線移動させることにより輝尽性蛍光体4の表面の全面を走査できる。
【0032】
図3は、図1に示すX線測定装置1及び図2に示す読取り装置17から成るX線装置に用いられる電気制御系の一実施形態を機能ブロック図として示している。ここに示す制御系は、CCDカメラ10から出力されるビデオ信号を受け取ってそのビデオ信号に対応した映像をディスプレイ31の画面31aに表示する映像制御部32と、カメラ10及び入力装置13からの出力信号に基づいて、XYステージ7、X線発生装置5及び読取り装置17等の動作を制御する制御装置12とを有する。
【0033】
制御装置12は、例えば、CPUを含むプロセッサによって構成され、この制御装置12には情報記憶媒体33が接続される。この情報記憶媒体33は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等といった半導体メモリや、ハードディスク、CD−ROM等といった外部記憶機器等によって構成される。
【0034】
この制御装置12は次の機能実現手段、すなわち、ポインタ座標演算部34、座標角度差δ演算部36、座標変換演算部37、試料平行移動演算部38、画素ピクセル−XY移動相関演算部39及びX線測定演算部41を有する。
【0035】
ポインタ座標演算部34は、試料Sに関する希望測定点が入力装置13、例えばマウス型入力器を通して指示されたとき、その指示データを座標データとして映像制御部32へ伝送し、これにより、ディスプレイ31の画面31aに希望測定点Pをポインタによって指示できる。なお、撮影画面31aには観察の目安と成る直交カーソルが表示され、これらのカーソルの交差点Oが基準位置となる。ポインタ座標演算部34は、また、読み取った測定点座標(Xn,Yn)を記憶媒体33の所定記憶場所に記憶する。
【0036】
座標角度差δ演算部36は、後述する演算手法により、撮影画面31a上の座標軸とXYステージ7上の座標軸との間の角度差δを求める。XYステージ7は一般に試料支持装置3に対して着脱可能になっているのが普通であるので、撮影画面31a上の座標軸とXYステージ7上の座標軸との間には角度差δが生じるのが一般的であると考えられる。なお、撮影画面31aの基準原点(X0,Y0)は、予め、図1においてコリメータ2から出たX線が試料Sを照射する点、すなわちX線照射点と一致するように設定されている。
【0037】
座標変換演算部37は、撮影画面31aの座標上における座標値をXYステージ7の座標上における座標値に変換する。このための具体的な手法としては種々考えられるが、本実施形態では、撮影画面31a上の座標軸とXYステージ7上の座標との間の座標軸の角度差δ分だけ、図1においてXYステージ7をφ軸線まわりに回転させることにより、図3において撮影画面31aの座標軸線とXYステージ7の座標軸線とを互いに一致又は平行になるように設定する。このように両座標軸線を一致又は平行にすれば、撮影画面31a上の測定点Pの座標値はXYステージ7上の座標値と同等に扱うことができる。
【0038】
試料平行移動演算部38は、座標値として(Xi,Yi)の入力があったときにXYステージ7をX方向へX=−Xi だけ平行移動させ、Y方向へY=−Yi だけ平行移動させるための演算を行う。また、画素ピクセル−XY移動相関演算部39は、撮影画面31aにおける単位当たりの座標寸法とXYステージ7の単位当たりの移動量とを同じにする演算を行う。これにより、撮影画面31aにおける単位寸法とXYステージ7における単位移動量とを同じにすることができる。
【0039】
X線測定演算部41は、情報記憶媒体33に記憶されたプログラムに従って、図1に示すX線測定装置1及び図2に示す読取り装置17を動作させるための演算を行う。これにより、試料Sに対してX線測定、本実施形態の場合はX線回折測定が行われる。
【0040】
以下、図4に示すフローチャートに基づいて図3に示す制御系によって実行される制御の流れを説明する。本実施形態のX線装置では、XYステージ7を用いた自動予約測定と、XYステージ7を用いないで行われる通常測定の2通りの測定を行うことができる。
【0041】
まず、通常測定では、図1において、XYステージ7を試料支持装置3から取り外し、φ回転駆動装置8につながる試料台6に試料Sを取り付ける。そして、ステップS6においてX線測定を行う。具体的には、図1において、X線焦点FからX線を発生してコリメータ2によって試料Sの希望測定点へX線を照射し、そのときに試料Sから発生する回折X線等によって輝尽性蛍光体4の感光面を露光する。
【0042】
このとき、試料Sに対するX線の入射角度は、ω回転駆動装置11によって試料Sを適宜の角度だけ回転させることにより希望の入射角度に設定される。また、試料SにX線が照射されている間、必要に応じて、φ回転駆動装置8によって試料Sをφ軸線を中心として面内回転させて、X線照射野内に存在する結晶粒の入射X線に対する配向状態を平均化する。
【0043】
次に、自動予約測定では、図1のCCDカメラ10によって試料Sを撮影し、その撮影像を図3の撮影画面31aに映し出す(ステップS1)。オペレータは、その画面を見ながら、希望する複数の測定点(X1,Y1),(X2,Y2),……,(Xn,Yn)を撮影画面31a上で入力装置13、例えばマウス型入力器を使って画面上のポインタによって指示する。このとき、図3のポインタ座標演算部34は入力装置13の出力信号から各測定点の座標(X1,Y1),(X2,Y2),… …,(Xn,Yn)を演算してそれらを記憶媒体33の所定記憶場所に記憶する(ステップS2)。
【0044】
次に、座標角度差δ演算部36が作動して撮影画面31aの座標軸とXYステージ7の座標軸との角度差δを演算によって求める(ステップS3)。具体的には、例えば、図5に示すように、撮影画面31a上の基準点、例えば原点O(X0,Y0)を特定し(ステップS21)、試料平行移動演算部38に適当な量X=Xr を送ってXYステージ7をXYステージ7の座標上においてX方向へXr だけ、ためしの平行移動を行わせる(ステップS22)。
【0045】
このとき、撮影画面31aの座標軸とXYステージ7の座標軸とが一致していれば、撮影画面31a上における測定点の座標値は(X0+Xr,Y0)になるはずであるが、実際には撮影画面31aの座標軸とXYステージ7の座標軸との間に角度差δが存在するので、撮影画面31a上の座標値はY方向にも移動が生じて(X1,Y1)となり、これを記憶媒体33に記憶する(ステップS23)。
【0046】
次に、XYステージ7をY方向へY=Yr だけ、ためしの平行移動を行わせ(ステップS24)、その平行移動後の基準点の撮影画面31a上での座標値(X2,Y2)を読み取って記憶する(ステップS25)。以上により、撮影画面31a上における基準点O(X0,Y0)、XYステージ7のX方向への平行移動量Xr、Y方向への平行移動量Yr、それらの平行移動直後の基準点の位置O1(X1,Y1)及びO2(X2,Y2)がデータとして蓄積される。座標角度差δ演算部36は上記の蓄積されたデータに基づいて両座標軸の角度差δを演算によって求める(ステップS26)。
【0047】
その後、図4のメインルーチンへ戻って、求められた、撮影画面31aの座標軸とXYステージ7の座標軸との間の角度差δを補償するための演算を座標変換演算部37によって実行する(ステップS4)。本実施形態では、例えば図8(a)に示すように、XYステージ7を撮影画面31aの座標軸Xg−Ygへ向かう方向(図8(a)の正時計方向)へ矢印Aのように角度差δだけφ回転駆動装置8を用いて回転させる。これにより、撮影画面31aの座標軸Xg−YgとXYステージ7の座標軸Xs−Ysとは互いに一致又は互いに平行の位置関係になる。
【0048】
その後、撮影画面31a上で指定された測定点の座標(Xn,Yn)に鑑み、XYステージ7を図8(a)に示すようにX方向へ距離−Xn,Y方向へ距離−Ynだけ平行移動させる(ステップS5)。このとき、撮影画面31aの座標軸とXYステージ7の座標軸はステップS4において既に一致又は平行に補償されているので、XYステージ7における上記のX=−Xn,Y=−Ynの平行移動により、測定点Pは撮影画面31a上での基準点O、すなわちX線照射点へ移動されることになる。
【0049】
この後、ステップS6において測定点P(Xn,Yn)、第1回目の測定では第1測定点P1(X1,Y1)、に対してX線測定が行われて該第1測定点における結晶構造等が解析される。
【0050】
ステップS2において指定された測定点が複数在る場合には、それら全点に関する測定が終了するまでステップS7で“NO”と判定され、ステップS5へ戻って第2測定点P2(X2,Y2)以降に関してX線測定が行われる。他方、指定された複数の測定点に関して全てのX線測定が終了すると(ステップS7でYES)、測定を終了する。
【0051】
以上のように、本実施形態によれば、図3の撮影画面31a上の座標とXYステージ7上の座標との間の相関が自動的にとられるので、試料Sの希望測定点(X1,Y1),… …,(Xn,Yn)をCCDカメラ10の画面上で入力装置13によって指定するだけで、その位置を測定点として決定できるようになった。従来のように、試料Sの希望測定点を、いちいち、撮影画面31a上の基準点、例えば座標上の原点を示すクロスカーソルの交点へ移動させて位置認識する必要がなくなったので、測定を非常に迅速に行うことができるようになった。
【0052】
(比較例)
図6は、本発明に係るX線測定方法を用いたX線装置の比較例を示している。なお、この比較例のX線装置で用いられるX線測定装置は図1に符号1で示した装置とすることができ、読み取り装置は図2に符号17で示した装置とすることができる。また、図6において、図3に示した構成要素と同じ符号を用いて示した要素は同じ構成要素であり、それらについての説明は省略する。
【0053】
図6に示す比較例が図3に示した実施形態を異なる点は、座標変換演算部47に改変を加えたことである。図3に示した実施形態では、撮影画像31aにおける座標値をXYステージ7における座標値に変換するために、XYステージ7を角度差分δだけφ回転させることにした。これに対し図6に示す比較例では、座標変換演算部47において、XYステージ7をφ回転させることなく座標軸の角度差δを考慮して、撮影画面31a上における座標値(Xn,Yn)をXYステージ7における座標値(Xn’,Yn’)に演算によって換算している(図7のステップS4参照)。
【0054】
そして、この換算した座標値(Xn’,Yn’)を図6において試料平行移動演算部38へ送ることにより、図8(b)に示すように、XYステージ7上の座標軸Xs−Ysに関してXYステージ7をX方向へ距離−Xn’,Y方向へ距離−Yn’だけ平行移動させることにより、測定点Pを撮影画面31aの基準点O、すなわちX線照射点へ移動させる(図7のステップS5参照)。
【0056】
(その他の実施形態)
以上、好ましい実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はその実施形態に限定されるものでなく、請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々に改変できる。
【0057】
例えば、上記の実施形態では本発明を図1及び図2に示したようにX線検出器として輝尽性蛍光体4を用いる構造のX線装置に適用したが、輝尽性蛍光体4以外の2次元X線検出器、例えばX線フィルムを用いる構造のX線装置や、PSPC(Position Sensitive Proportional Counter:位置敏感型比例計数管)等といった1次元X線検出器を用いる構造のX線装置や、PC(Proportional Counter:比例計数管)、SC(Scintillation Counter:シンチレーションカウンタ)等といった0次元X線検出器を用いる構造のX線装置等に対しても本発明を適用できることはもちろんである。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るX線測定方法及びX線装置によれば、撮影画面上の座標と試料平行移動面上の座標との間の相関が自動的にとられるので、試料の希望測定点をCCDカメラ等といった撮影装置の画面上で任意に指定、例えばマウスクリック等によって指定するだけで、その位置を測定点として決定でき、これにより、試料の希望測定点を、いちいち、撮影画面上の基準点、例えば座標上の原点へ移動させて位置認識するという煩雑な操作が不要となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るX線測定方法を用いるX線装置の構成要素の1つであるX線測定装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】本発明に係るX線測定方法を用いるX線装置の構成要素の他の1つである読取り装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図3】本発明に係るX線測定方法を実施できる電気制御系の一例を示す機能ブロック図である。
【図4】図3に示す電気制御系によって実行される制御の流れを示すフローチャートである。
【図5】図4のフローチャートの要部を構成するサブルーチンのフローチャートである。
【図6】 本発明に係るX線測定方法及びX線装置の比較例を示す機能ブロック図である。
【図7】図6に示す電気制御系によって実行される制御の流れを示すフローチャートである。
【図8】座標変換の仕方を模式的に示す図であって、(a)は図3に示す実施形態によって実行される方法を示し、(b)は図6に示す実施形態によって実行される方法を示している。
【符号の説明】
1 X線測定装置(X線装置)
2 コリメータ
3 試料支持装置
4 輝尽性蛍光体
5 X線発生装置
6 試料台
7 XYステージ(試料平行移動手段)
8 φ回転駆動装置
9 ω回転台
10 CCDカメラ(試料撮影手段)
11 ω回転駆動装置
14 X駆動装置
16 Y駆動装置
17 読取り装置(X線装置)
31 ディスプレイ
31a 撮影画面
F X線焦点
P 希望測定点
S 試料
X0 X線光軸
γ 軸交差角度

Claims (2)

  1. 試料撮影手段によって試料を撮影する試料撮影工程と、
    前記試料撮影手段による撮影画面上の座標軸と試料平行移動手段による平行移動面の座標軸との角度差を求める座標角度差検出工程と、
    X線照射点を通るφ軸線を中心として前記試料平行移動手段を前記角度差分だけ面内回転させる工程と、
    前記平行移動面上における座標値に従って前記試料平行移動手段によって前記試料の測定点を前記撮影画面上におけるX線照射点に対応する位置へ移動させる試料平行移動工程と、
    前記X線照射点に在る試料の部分にX線を照射して該試料から発生するX線を検出するX線測定工程と
    を有することを特徴とするX線測定方法。
  2. 試料を撮影する試料撮影手段と、
    試料を平行移動面内で平行移動させる試料平行移動手段と、
    前記試料撮影手段による撮影画面上の座標軸と前記試料平行移動手段による平行移動面の座標軸との角度差を求める座標角度差検出手段と、
    X線照射点を通るφ軸線を中心として前記試料平行移動手段を前記角度差分だけ面内回転させる手段と、
    前記平行移動面上における座標値に従って前記試料の測定点を前記試料平行移動手段によって前記撮影画面上におけるX線照射点に対応する位置へ移動させる試料平行移動制御手段と、
    前記X線照射点に在る試料の部分にX線を照射して該試料から発生するX線を検出するX線測定制御手段と
    を有することを特徴とするX線装置。
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