JPH0617968Y2

JPH0617968Y2 - 天井収納扉の案内装置

Info

Publication number: JPH0617968Y2
Application number: JP7004087U
Authority: JP
Inventors: 義彦槻
Original assignee: 三和シヤッタ−工業株式会社
Priority date: 1987-05-11
Filing date: 1987-05-11
Publication date: 1994-05-11
Anticipated expiration: 2002-05-11
Also published as: JPS63177579U

Description

【考案の詳細な説明】［産業上の利用分野］本考案は天井収納扉の下端パネルの側縁に設けられるガ
イドローラを含む案内装置に係り、とくに、ガイドレー
ルとの関連において、天井収納扉を全開したときの有効
開口高さの確保に関するものである。

［従来の技術］建築物の開口部に天井収納扉を設置することは一般に行
われている。標準的な天井収納扉を第３図によって説明
すると、図は建築物１の開口部２の上部の断面図であっ
て、３はガイドレール、４はその上部の曲線部である。
５は扉体であって、通常、数個のパネルに水平に分割さ
れて連結されており、図においては最下部の下端パネル
のみを示している。扉体５は各パネルごとにガイドロー
ラ６を有し、上方のワイヤドラム７から扉体の下端パネ
ルの側縁下部に連結した巻上げ索８によって、開口部の
両側に設けたガイドレール３に沿って上昇する。その
後、扉体５は上部の曲線部４に従って上端のパネルから
順次にほぼ水平移動に転じ、開口部より上方のヘッドル
ームに保持される。Ｈは開口部２の内法高さであり、ｈ
は扉体５の全開時の有効高さである。

一方、下端パネル５の下框には、パネル５の水平方向の
補強のために、通常、フランジ状の突出部９が設けら
れ、建築物の内部側に向かって「つば」状に水平に突出
していることが多い。

［考案が解決しようとする問題点］一般に、建築物の開口部に建具類を建てこむときには、
開口部の幅、高さに関して、建具の開放時に出来るだけ
内法を確保することが肝要であるが、天井収納扉にあっ
ては、扉体が開放されたときの下端パネルの下端縁は、
開口部の高さに対して余裕を持つような設計にはなりに
くい。その理由としては、昇降のための時間の短縮、ガ
イドレールの垂直部、水平部の短縮とその設置位置の制
限、昇降の円滑化のための曲線部の曲率の制限、閉鎖時
の上端部の内法との納まりの関係などが挙げられる。ま
た、ヘッドルームの高さ寸法が小さいときには、曲線部
の下端が下がり、収納したシャッターカーテンの円滑な
下降始動のために、下端部がこの部分に保持されること
になるから、パネルの下端縁も曲線部に留められる。こ
とに、パネルの下端内側にフランジ状の水平突出部があ
るときに、その突出幅は、開放時にはそのまま垂下状態
になって、扉体５の下端の有効高さｈをより低く決定す
ることになる。従来の天井収納扉では、この問題は見逃
されており、また、課題とされたとしても、その解決は
与えられてはいなかった。

［問題点を解決するための手段］本考案は上記のような問題点に鑑み、その解決を目的と
して開発されたものであり、天井収納扉の下端パネルの
上昇の態様に着目し、その下縁の動線を改善し、ガイド
レールの上部の曲線部において、ガイドレールの外上方
を通過するようにして有効高さを拡大することを要旨と
している。そのために、本考案は、下端パネルに案内装
置を設け、この案内装置では、ガイドレールに沿って案
内するガイドローラが、下端パネルの下端縁に軸着した
ブラケットの下端に軸支されていて、ブラケットの上端
に連結された巻上げ索で吊り上げられるときに、曲線部
の外上方の動線に従い、ガイドレールの曲線から上方に
離れて移動することを特徴としている。

［実施例］本考案の構成を実施例を示す図面に基づいて詳細に説明
する。第１図は前記した第３図と同様の部分を含む建築
物の開口部の断面図である。図において、第３図の参照
番号は該当部分について共通にしてある。この図面では
開口部２の下部が床面Ｆまで示されており、扉体５の閉
鎖時の状態をも併せて示している。第３図と違って、下
端パネル５の下方のガイドローラ６は本考案の案内装置
１０に置き換えられている。第２図は斜視図で示す案内
装置１０の詳細図である。本考案の案内装置１０は、ブ
ラケット１１と固定座１２とを支軸１３によって軸着し
てある。ブラケット１１の２つのフランジ１４、１５の
下端には直角方向にガイドローラ１６が軸支されてい
る。一方のフランジ１５はやや幅広く形成し、少し傾斜
させて上方に延長部１７を有し、その上端に巻上げ索８
の連結部１８を設けて扉体５の側端面に臨ませてある。

次に、固定座１２は下端パネル５の下方部分の側縁寄り
に取付けられるが、ブラケット状に形成した支軸１３の
支持部１９は扉体５の内面から所定寸法だけ支軸１３を
持ち出している。

［作用］本考案の案内装置１０の作用を天井収納扉の開閉作動に
基づいて説明する。第１図の下部において、扉体５が閉
鎖している図示の状態では、ガイドローラ１６がガイド
レール３の下端近くにあり、ブラケット１１と固定座１
２とはガイドレール３に沿ってほぼ垂直であり、扉体５
には両側端面で巻上げ索８が連結されている。この状態
から、巻上げ索８による巻き上げが開始されると、開口
部２の上部までは同じ状態が維持されるが、下端パネル
５の上部のガイドローラ６がガイドレール３の曲線部４
にさしかかる頃までに、巻上げ索８の張力の方向が徐々
に傾斜し始めており、扉体５の吊り上げによる連結部１
８は扉体５の側端面から離れ始め、ガイドローラ１６と
ブラケット１５の方向に変わる。従って、ブラケット１
５と、下端パネル５の傾斜との間に次第に角度差を生
じ、案内装置１０においては、ブラケット１１と固定座
１２とが支軸１３を軸として開角する。この開角は下端
パネル５の内面からブラケット１１の持出しになるが、
ガイドローラ１６からいえば、下端パネル５の下端がガ
イドレール３、ついで、その曲線部４から次第に持ち出
されて、外側上方に離れていくことになる。つまり、第
１図の上部に示す開放の終了時には、下端パネル５の下
端部はブラケット１１の長さに対応する分だけ曲線部３
の外回りの軌跡をえがいており、その下限部分の高さｈ
は十分に建築物１の開口部２の内法高さＨをクリアす
る。従って、下端パネル５が水平の突出部９を垂下させ
ている状態であっても、開口部高さＨが確保されるので
ある。

［考案の効果］本考案の天井収納扉の案内装置は、上記のように、天井
収納扉の下端部をガイドレールの外上方の動線に沿って
上昇させるように構成され、そのブラケットと固定座と
の構成がガイドローラと巻上げ索と共同して作用するも
のであるから、従来の問題点をすべて解消し、扉体の下
端部で決定される有効開口高さが建築物の開口部の高さ
以下に限定されることを回避することに成功したもので
ある。従って、天井収納扉の上部に必要なヘッドルーム
が小さい場合でも、扉体の下端の有効高さが開口部の高
さより小さくなる不具合を解消でき、十分な開口部を確
保することができる。しかも、案内装置を構成する各部
は製作にも格別の材料、技術を要することがなく、その
組立や取付も簡便であり、天井収納扉の形式に制限され
る要件もないから、極めて有用な実用的効果を奏するも
のというべきである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の天井収納扉の案内装置を装備した建築
物の開口部を示す概略の断面図、第２図は案内装置の斜
視詳細図、第３図は従来の技術を説明する開口部上部の
概略断面図である。１…建築物、２…開口部、３…ガイドレール、４…曲線
部、５…扉体、下端パネル、６…ガイドローラ、７…ワ
イヤドラム、８…巻上げ索、９…水平突出部、１０…案
内装置、１１…ブラケット、１２…固定座、１３支軸、
１４、１５…フランジ、１６ガイドローラ、１７…延長
部、１８…連結部、１９…支持部、Ｈ…開口部高さ、ｈ
…有効高さ。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】天井収納扉の下端パネルをガイドレールに
沿って案内するガイドローラが、下端パネルの下方部分
に軸着したブラケットの下端に軸支されているととも
に、ブラケットの上端には、天井収納扉の巻上げ索の下
端が連結されていて、ガイドレールの曲線部において、
下端パネルの下端部分をガイドレールの外上方の動線に
沿って上昇させる構成としてなることを特徴とする天井
収納扉の案内装置。