JPH0455185Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、天井収納形シヤツターのロープ弛み
止め装置に関するものである。

［従来の技術］ 従来、複数のシヤツターパネルを上下に連結し
てなるシヤツターカーテンを開口部両側に立設さ
れたガイドレールに沿つて天井部に水平状あるい
は並列状に収納し、または降下させて建物開口部
を開閉する天井収納形シヤツターでは、シヤツタ
ーカーテン最下部に位置するシヤツターパネルの
下端両側に巻上げロープの先端を止着し、開口部
上部に設置した巻取ドラムにより巻上げロープを
巻取り、巻戻ししてシヤツターカーテンを昇降す
るように構成されている。

ところが、巻取ドラムを電動機により回転駆動
する電動開閉式の天井収納形シヤツターで、電動
機の駆動、停止を制御するリミツトスイツチの設
定が狂つた場合、また、手動開閉式の天井収納形
シヤツターで、勢いよくシヤツターカーテンを降
下させた場合等において、シヤツターカーテン最
下部のシヤツターパネルが着床したにも関わら
ず、電動機による回転駆動あるいは慣性で巻取ド
ラムの回転が停止されず、巻上げロープが弛んで
巻取ドラムから外れてしまい、その後の開閉操作
に支障を来す、という欠点を有するものであつ
た。

そこで、本願出願人は、上記欠点を改善すべ
く、実公昭59−36622号においてロープ弛み止め
装置を提案した。

上記提案のものでは、巻取ドラムに巻回した巻
上げロープの弛みを、該巻上げロープの吊持下端
部に並設したスプリングにより吸収することがで
き、巻上げロープは巻取ドラムから外れる不具合
は解消されるものの、弛みを吸収するスプリング
の収縮で、該スプリングの並設位置にある巻上げ
ロープ部分が弛み、この並設位置での繰返しの緊
張、弛緩で、巻上げロープの耐力が低下し、ロー
プ切断に伴うシヤツターパネルの脱落を誘発して
しまう、という問題を未だ内包するものであつ
た。

［考案が解決しようとする課題］ 本考案は、上記の如き実状に鑑み従来の欠点を
解消すべく創案されたものであつて、その目的と
するところは、巻取ドラムの巻出しにおける巻上
げロープの弛みを確実に吸収して、巻回される巻
上げロープの外れを未然に防止することができる
と共に、吊持下端部での巻上げロープ自体の緊
張、弛緩を伴うことなく、シヤツターカーテンを
吊持することができ、もつて巻上げロープの耐久
性を向上させて、円滑なシヤツターカーテンの巻
上げ、巻下げ作動を長期間維持することができる
天井収納形シヤツターのロープ弛み止め装置を提
供しようとするものである。

［課題を解決するための手段］ 課題を解決するため、本考案が採用した技術的
手段は、シヤツターカーテンの最下部両側端を吊
持する巻上げロープを開口部上部に軸着した巻取
ドラムで巻上げ巻下げし、前記シヤツターカーテ
ンを天井部へ送込み、あるいは天井部から降下し
て開口部を開閉する天井収納形シヤツターにおい
て、前記シヤツターカーテンの最下部両側端に吊
金具の下端を軸着し、かつ該吊金具の上側に穿設
した長孔に遊動ピンを上下方向摺動自在に遊嵌す
ると共に、一端を吊金具の下端に止着したスプリ
ングの他端を、遊動ピンを介して巻上げロープの
吊持下端部に直列に連結し、上記巻上げロープを
常時緊張方向に付勢せしめたことを特徴とするも
のである。

［考案の作用］ したがつて、本考案によれば、巻取ドラムに巻
回した巻上げロープの弛みによる外れを未然に防
止しつつ、シヤツターパネル吊持域での巻上げロ
ープの弛みを一掃することができ、巻上げロープ
の耐久性を向上させて、長期に渡つて円滑かつ確
実なシヤツターカーテンの開閉を行うことができ
る。

［実施例］ 本考案の構成を、図面に示した一実施例につい
て詳細に説明する。

第１図ないし第４図において、１は横長に形成
したシヤツターパネル１ａ，１ａ…を上下に連結
してなるシヤツターカーテンであり、該シヤツタ
ーカーテン１は、各パネル１ａ，１ａ…の両端部
に軸着したローラー２，２を、開口部両側に立設
したガイドレール３，３に案内させて昇降するよ
うに構成されている。

上記ガイドレール３，３間の上部には、開口方
向に長尺状の巻取軸４が架設されており、該巻取
軸４の両端部には、巻取ドラム５，５が軸着され
ていると共に、上記巻取軸４をシヤツターカーテ
ン１の巻上げ方向に回転付勢すべく、巻取スプリ
ング６が巻取軸４に同軸状に装着されている。

なお、７は巻取軸４の連結用カツプリングであ
る。また、巻取ドラム５，５には、それぞれ巻上
げロープ８，８が巻装されており、その各吊持下
端部は、後述するロープ弛み止め装置１０を介し
て最下部のシヤツターパネル１a′の両側端に連結
されている。

前記ロープ弛み止め装置１０は、２枚の金属板
を折曲し、その下部を音叉状に接合してなる吊金
具１１を、最下部のシヤツターパネル１a′の両側
端にロープ吊りピン１２を介して軸着し、かつ該
吊金具１１の上側に穿設した長孔１３，１３に遊
動ピン１４を上下方向摺動自在に遊嵌すると共
に、上記遊動ピン１４にスプリング掛止金具１５
を装着し、該スプリング掛止金具１５と、吊金具
１１の下部に貫挿したスプリング掛止ピン１６と
の間にスプリング１７を掛着してロープ弛み止め
装置１０が構成されている。

また、上記スプリング１７には、遊動ピン１４
を介して巻上げロープ８，８の吊持下端部が直列
に連結されており、前記ロープ弛み止め装置１０
のスプリング１７により巻上げロープ８，８を常
時緊張方向に付勢するようになつている。

叙上の如き構成において、シヤツターカーテン
１を降下させて開口部を閉鎖する場合に、巻取ド
ラム５，５を軸着した巻取軸４が巻下げ方向に回
転駆動され、巻取スプリング６の付勢力に抗して
最下部のシヤツターパネル１a′から順次下降す
る。この時、上記シヤツターパネル１a′をロープ
弛み止め装置１０を介して吊持する、巻上げロー
プ８，８には、シヤツターカーテン１の重量によ
る緊張力が常時作用するため、吊金具１１内に掛
着されたスプリング１７が伸長し、遊動ピン１６
は長孔１３，１３の上限位置に係止された状態で
巻上げロープ８，８の吊持下端部を支持すること
になり、巻取ドラム５，５での巻上げロープ８，
８の弛みは発生せず、したがつて巻上げロープ
８，８が巻取ドラム５，５から外れることもな
い。

ここで、巻取軸４を駆動する電動機のリミツト
スイツチの設定が狂つた場合、あるいは手動開閉
式の天井収納形シヤツターで、勢いよくシヤツタ
ーカーテンを降下させた場合等において、シヤツ
ターカーテン１最下部のシヤツターパネル１a′が
着床したにも関わらず、巻取ドラム５，５の繰出
し回転が停止されないと、巻上げロープ８，８に
弛みが生ずるが、この時、長孔１３，１３の上限
位置に係止されていた遊動ピン１６が、スプリン
グ１７の収縮に伴う付勢力で下方に引張され、巻
上げロープ８，８の引張状態が保持されることと
なる。

したがつて、巻取ドラム５，５に巻回されてい
る巻上げロープ８，８の弛みが防止されるばかり
でなく、シヤツターカーテン１の吊持域での巻上
げロープ８，８の弛みを一掃することができる。

［考案の効果］ これを要するに、本考案は、シヤツターカーテ
ンの最下部両側端を吊持する巻上げロープを開口
部上部に軸着した巻取ドラムで巻上げ巻下げし、
前記シヤツターカーテンを天井部へ送込み、ある
いは天井部から降下して開口部を開閉する天井収
納形シヤツターにおいて、前記シヤツターカーテ
ンの最下部両側端に吊金具の下端を軸着し、かつ
該吊金具の上側に穿設した長孔に遊動ピンを上下
方向摺動自在に遊嵌すると共に、一端を吊金具の
下端に止着したスプリングの他端を、遊動ピンを
介して巻上げロープの吊持下端部に直列に連結
し、上記巻上げロープを常時緊張方向に付勢せし
めたから、巻取ドラムの巻出しにおける巻上げロ
ープの弛みを確実に吸収して、巻回される巻上げ
ロープの外れを未然に防止することができると共
に、シヤツターパネル吊持域での巻上げロープの
弛みをも一掃することができ、吊持下端部での巻
上げロープ自体の緊張、弛緩を伴うことなく、シ
ヤツターカーテンを吊持することができ、もつて
巻上げロープの耐久性を向上させて、長期に渡つ
て円滑かつ確実なシヤツターカーテンの巻上げ、
巻下げ作動を行うことができる、という極めて有
用な実用的効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案に係る天井収納形シヤツターの
ロープ弛み止め装置の一実施例を示すものであつ
て、第１図は正面図、第２図は同上斜視図、第３
図は同上平面図、第４図は天井収納形シヤツター
の半部内観図である。 図中、１……シヤツターカーテン、５……巻取
ドラム、６……スプリング、８……巻上げロー
プ、１１……吊金具、１３……長孔、１４……遊
動ピン、１０……ロープ弛み止め装置、である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シヤツターカーテンの最下部両側端を吊持する
   巻上げロープを開口部上部に軸着した巻取ドラム
   で巻上げ巻下げし、前記シヤツターカーテンを天
   井部へ送込み、あるいは天井部から降下して開口
   部を開閉する天井収納形シヤツターにおいて、前
   記シヤツターカーテンの最下部両側端に吊金具の
   下端を軸着し、かつ該吊金具の上側に穿設した長
   孔に遊動ピンを上下方向摺動自在に遊嵌すると共
   に、一端を吊金具の下端に止着したスプリングの
   他端を、遊動ピンを介して巻上げロープの吊持下
   端部に直列に連結し、上記巻上げロープを常時緊
   張方向に付勢せしめたことを特徴とする天井収納
   形シヤツターのロープ弛み止め装置。