JPH06179315A - 自動車の後輪懸架装置 - Google Patents

自動車の後輪懸架装置

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JPH06179315A
JPH06179315A JP35415092A JP35415092A JPH06179315A JP H06179315 A JPH06179315 A JP H06179315A JP 35415092 A JP35415092 A JP 35415092A JP 35415092 A JP35415092 A JP 35415092A JP H06179315 A JPH06179315 A JP H06179315A
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JP
Japan
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axial
rubber
trailing arm
elastic body
cylinder
Prior art date
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Pending
Application number
JP35415092A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuya Aoki
哲哉 青木
Masaharu Oba
正晴 大庭
Fukuyoshi Kawakatsu
副喜 川勝
Yukio Hayashi
幸男 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Riko Co Ltd
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Riko Co Ltd, Toyota Motor Corp filed Critical Sumitomo Riko Co Ltd
Priority to JP35415092A priority Critical patent/JPH06179315A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構造をもって、車両乗り心地と操縦安
定性を、高度に両立せしめ得る自動車の後輪懸架装置を
提供すること。 【構成】 それぞれ筒状部36,44と環状板部38,
46を備えた内側筒金具40および外側筒金具42を、
それぞれの筒状部および環状板部の軸直角方向および軸
方向の対向面間に介装されたゴム弾性体48にて連結せ
しめてなるゴムブッシュ34の一対を、トレーリングア
ームの車体に対する枢着部において、それらの一方に設
けられた取付軸30と他方に設けられた取付筒32との
間に、両ゴムブッシュ34,34における内外筒金具4
0,42の環状板部38,46が設けられていない軸方
向端面が互いに対向する状態で介装せしめると共に、か
かる一対のゴムブッシュ34,34におけるゴム弾性体
48,48の軸方向対向面間の少なくとも車両前後方向
に位置する部分に、空隙部56を形成したことを特徴と
する自動車の後輪懸架装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は自動車の後輪懸架装置に係り、特
に、車体の枢着部に対して車体の横方向に伸びる揺動軸
回りに揺動可能に取り付けられたトレーリングアームを
備えてなる自動車の後輪懸架装置に関するものである。
【0002】
【背景技術】自動車の後輪懸架装置の一種として、揺動
軸が車輪の前方に配置されるトレーリングアーム式のも
のが知られている。具体的には、フルトレーリング式や
セミトレーリング式、トーションビーム式の懸架装置
が、それである。
【0003】ところで、このようなトレーリングアーム
式の懸架装置では、一般に、トレーリングアームの車体
への枢着部にブッシュ組立体が介装されている。かかる
ブッシュ組立体は、車輪側から車体への振動伝達の低減
等を目的とするものであり、車両の乗り心地を良くする
ためには、柔らかいばね特性のブッシュ組立体を用い、
トレーリングアームの車体への枢着部における剛性を小
さくすることが望ましい。
【0004】ところが、柔らかいブッシュ組立体を用い
てトレーリングアームの車体への枢着部における剛性を
小さくすると、自動車の旋回時に、タイヤの接地点に及
ぼされる外力にてブッシュ組立体が変形して車輪のアラ
イメントが変わるために、トレーリングアームが車体に
対して車両横方向に変位したり、横力コンプライアンス
ステアが発生してオーバーステア傾向となり、操縦安定
性が悪化するという問題がある。
【0005】それ故、懸架装置の設計上、従来構造のブ
ッシュ組立体では、車両の乗り心地と操縦安定性に関し
て、互いに相反するチューニングが要求されることとな
り、それらを高度に両立させることは、極めて困難であ
ったのである。
【0006】なお、このような問題に対処する一つの手
法として、独国特許第2838291号明細書や英国特
許公開第2008714号明細書等には、特別構造のブ
ッシュ組立体を用い、自動車の旋回時に及ぼされる外力
によってトレーリングアームが車体に対して車両横方向
に変位した際に、ブッシュ組立体の内筒金具と外筒金具
を偏心させることによりオーバーステア傾向を低減する
ようにした構造の懸架装置が、提案されている。
【0007】しかしながら、かかる構造の懸架装置は、
自動車の旋回時におけるトレーリングアームの車体に対
する車両横方向の変位を許容し、それを利用するもので
あるために、車体に対してトレーリングアームが車両横
方向に変位することは避けられず、かかるトレーリング
アームの横変位に起因して、自動車の走行安定性が悪化
してしまうという問題があった。
【0008】また一方、前述の如き問題に対処する別の
方法として、図8に示されているように、トレーリング
側および車体側の何れか一方に設けられた取付軸(図示
せず)が挿通固定される内筒金具10と、トレーリング
側および車体側の何れか他方に設けられた取付筒12に
圧入固定される外筒金具13とを、それらの間に介装さ
れた厚肉円筒状のゴム弾性体14にて連結せしめてなる
ブッシュ組立体16において、かかるゴム弾性体14の
車両前後方向(図中、上下方向)に対向位置する部分に
それぞれ軸方向に貫通する肉抜部18を形成することに
より、車両前後方向におけるばね特性を柔らかくして乗
り心地を向上せしめる一方、取付筒12の少なくとも軸
方向一端側に円環板状のストッパプレート20を外嵌固
定し、該ストッパプレート20の外周縁部に固着された
ストッパゴム22を取付筒12の軸方向端面に当接させ
ることにより、外力作用時におけるトレーリングアーム
の車体に対する車両横方向変位を抑えることも、考えら
れる。
【0009】しかしながら、かかる構造のブッシュ組立
体16では、車両前後方向のばね特性が柔らかいため
に、車両旋回時にトレーリングアームに及ぼされる外力
によるコンプライアンスステアを充分に抑えることが難
しく、オーバーステア傾向を充分に軽減することが困難
である。
【0010】しかも、かかる構造のブッシュ組立体16
では、軸直角方向の荷重入力により内外筒金具10,1
3が径方向に変位せしめられた際、ストッパゴム22と
取付筒12との当接面間に滑りが生ずるために、磨耗や
異音が発生し易いといった問題もある。
【0011】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、車両の乗り心地を充分に確保しつつ、車両
旋回時に入力される外力によるトレーリングアームの横
変位やコンプライアンスステアを、共に有利に抑えるこ
とができ、優れた車両操縦安定性を得ることのできる自
動車の後輪懸架装置を提供することにある。
【0012】
【解決手段】そして、かかる課題を解決するために、本
発明の特徴とするところは、車体の枢着部に対して車体
の横方向に伸びる揺動軸回りに揺動可能に取り付けられ
たトレーリングアームを備えてなる自動車の後輪懸架装
置において、それぞれ所定長さの筒状部と該筒状部の軸
方向一端側に一体的に形成された軸直角方向外方に広が
る環状板部とを備えた内側筒金具および外側筒金具を、
それぞれの筒状部および環状板部が軸直角方向および軸
方向に所定距離を隔てて対向位置するように配すると共
に、それら軸直角方向および軸方向の対向面間に跨がっ
てゴム弾性体を連続的に介装して弾性的に連結せしめて
なるゴムブッシュを用い、かかるゴムブッシュの一対
を、前記枢着部における前記トレーリングアーム側およ
び車体側の何れか一方に設けられた取付軸と何れか他方
に設けられた取付筒との間に、各ゴムブッシュにおける
内側筒金具および外側筒金具の環状板部が軸方向外側に
位置するように、それら内側筒金具および外側筒金具の
軸方向端部を対向させて配置せしめると共に、かかる一
対のゴムブッシュにおける前記ゴム弾性体の軸方向対向
面間の少なくとも車両前後方向に位置する部分に、空隙
部を形成したことにある。
【0013】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に明らかにするた
めに、本発明の実施例について、図面を参照しつつ、詳
細に説明することとする。
【0014】先ず、図1には、本発明に係る自動車の後
輪懸架装置に好適に用いられるブッシュ組立体の一具体
例が示されている。かかる図において、30は、厚肉円
筒形状の内側取付金具であり、トレーリングアーム側お
よび車体側の何れか一方に設けられた図示しない取付軸
が挿通固定されるようになっている。また、図中、32
は、取付筒としての外側取付金具であり、内側取付金具
30よりも軸方向長さが短い厚肉円筒形状を呈してお
り、トレーリングアーム側および車体側の何れか他方に
固定されるようになっている。そして、これら内側取付
金具30と外側取付金具32との間に一対のゴムブッシ
ュ34,34が、互いに軸方向に直列的に位置する状態
で、介装されている。
【0015】かかるゴムブッシュ34は、図2及び図3
に示されているように、円筒形状を呈する筒状部36
と、該筒状部36の軸方向一端側において屈曲形成され
た、軸直角方向外方に広がる環状板部38とからなる内
側筒金具40を備えている。また、この内側筒金具40
の外方には、外側筒金具42が、配設されている。かか
る外側筒金具42は、内側筒金具40の筒状部36より
も所定寸法大径で、且つ軸方向長さの短い筒状部44
と、該筒状部44の軸方向一端側において屈曲形成され
た、軸直角方向外方に広がる環状板部46とから構成さ
れている。
【0016】そして、これら内側筒金具40および外側
筒金具42は、それぞれの筒状部36と44が軸直角方
向に所定距離を隔てて対向位置し、またそれぞれの環状
板部38と46が軸方向に所定距離を隔てて対向位置す
る状態で、略同一軸心上に配設されている。
【0017】なお、本実施例では、外側筒金具42の筒
状部44が、環状板部46の形成された軸方向端部から
他方の軸方向端部側に行くに従って漸次小径化するテー
パ筒形状をもって形成されている。
【0018】さらに、これら内側筒金具40と外側筒金
具42の間には、円筒状乃至は円環状のゴム弾性体48
が介装されており、かかるゴム弾性体48により、それ
ら内側筒金具40と外側筒金具42が弾性的に連結され
ている。このゴム弾性体48は、内側筒金具40および
外側筒金具42における筒状部36,44の対向面間か
ら環状板部38,46の対向面間にまで跨がって、連続
的に介装されており、それら内側筒金具40および外側
筒金具42に対して加硫接着されている。
【0019】また、かかるゴム弾性体48には、内側筒
金具40と外側筒金具42の各筒状部36,44間を連
結する部分において、軸方向端面に開口する肉抜部50
が、周方向全周に亘って連続して形成されている。な
お、この肉抜部50は、内側筒金具40と外側筒金具4
2の各筒状部36,44の対向面間の全長にまでは至ら
ない深さで形成されている。換言すれば、それら各筒状
部36,44の対向面間は、かかる肉抜部50の底部側
において、ゴム弾性体48にて互いに連結されているの
である。
【0020】そうして、このような構造とされたゴムブ
ッシュ34は、図1に示されているように、その一対が
用いられて、前記内側取付金具30と外側取付金具32
との間に、軸方向両側から挿入されて配設されることに
より一体的に組み立てられており、以て、前述の如く、
図示しないトレーリングアームの車体に対する枢着部に
介装される、目的とするブッシュ組立体52が構成され
ている。
【0021】すなわち、上記一対のゴムブッシュ34,
34は、それぞれ、内側筒金具40の筒状部36が内側
取付金具30の外周面に圧入固定される一方、外側筒金
具42の筒状部44が外側取付金具32に嵌め込まれて
おり、それによって、内側筒金具40および外側筒金具
42の環状板部38,46が軸方向外側に位置する状態
で、互いに軸方向に所定距離を隔てて対向して組み付け
られているのである。
【0022】また、各ゴムブッシュ34における内側筒
金具40の環状板部38は、内側取付金具30の軸方向
端部に圧入固定された止めリング54に当接されて位置
決めされている一方、外側筒金具42の環状板部46
は、外側取付金具32の軸方向端面に当接せしめられて
いる。それによって、かかる一対のゴムブッシュ34,
34の組付状態下、それぞれのゴム弾性体48に対し
て、軸方向および軸直角方向の予荷重が及ぼされ、所定
量だけ圧縮されている。
【0023】さらに、かくの如くして構成されたブッシ
ュ組立体52には、それを構成する上記一対のゴムブッ
シュ34,34の対向面間において、周方向に連続して
延びる環状の空隙部56が、ゴム弾性体48,48に形
成された肉抜部50,50を含んで、形成されている。
【0024】すなわち、上述の如き構造とされたブッシ
ュ組立体52においては、各ゴムブッシュ34における
内外筒金具40,42の環状板部38,46間に介装さ
れたゴム弾性体48により、大きな軸方向ばね定数を得
ることができる一方、両ゴムブッシュ34,34の軸方
向対向面間に形成された空隙部56により、小さな軸直
角方向ばね定数を得ることができるのである。
【0025】しかも、かかるブッシュ組立体52にあっ
ては、各ゴムブッシュ34のゴム弾性体48が、内外筒
金具40,42における筒状部36,44の軸直角方向
対向面間から環状板部38,46の軸方向対向面間にま
で連続して介装されており、内外取付金具30,32間
への軸方向荷重または軸直角方向荷重の入力時には、か
かる荷重による圧縮がゴム弾性体48の全体におよぶこ
とから、ブッシュ組立体52における軸直角方向および
軸方向のばね定数が高くなるのである。
【0026】また、特に、本実施例では、各ゴムブッシ
ュ34における外側筒金具42の筒状部44が、軸方向
内方に向って小径化するテーパ筒形状とされていること
から、内外取付金具30,32間への軸方向荷重または
軸直角方向荷重の入力状態下におけるブッシュ組立体5
2のばね定数の上昇効果が、より一層効果的に発現され
得ることとなる。
【0027】従って、このような構造のブッシュ組立体
52を、トレーリングアームの車体側への枢着部におい
て、ブッシュ軸心が車体の横方向に伸びる状態で介装せ
しめてなる自動車の懸架装置においては、通常走行時に
は、かかるブッシュ組立体52における軸直角方向の入
力荷重に対する柔らかいばね特性により、優れた乗り心
地が発揮され得る一方、車両旋回時には、タイヤの接地
点から入力される横力が軸方向荷重として入力されるこ
とにより、ブッシュ組立体52のばね定数が高められ
て、トレーリングアームの横変位やコンプライアンスス
テア等が有効に軽減乃至は防止され、優れた操縦安定性
が発揮され得るのである。
【0028】以下、図4及び図5に示されたモデル図を
参照しつつ、上述の如き構造のブッシュ組立体52(図
1参照)を、トレーリングアーム60の車体に対する枢
着部62,62にそれぞれ介装せしめてなるトーション
ビーム式の後輪懸架装置について、具体的な説明を加え
る。なお、これら図4及び図5中に明示はされていない
が、何れの枢着部62においても、ブッシュ組立体52
は、内外取付金具30,32が略車体横方向に延びる状
態で、装着されることとなる。
【0029】先ず、図4に示されているように、通常走
行時では、段差乗り越えや加減速等により、タイヤ6
4,64の接地点に車体前後方向の外力:Fが入力され
ると、枢着部62,62に介装されたブッシュ組立体5
2,52に対しては、軸直角方向の荷重:fが及ぼされ
ることとなる。
【0030】それ故、このような通常走行時では、ブッ
シュ組立体52における軸直角方向の柔らかいばね特性
(低ばね定数)が、有利に発揮され得るのであり、それ
によって、トレーリングアーム60に対して、車体前後
方向に充分な変位:Xが許容されて、衝撃吸収が図られ
得、以て、優れた乗り心地が発揮され得るのである。
【0031】一方、図5に示されているように、車両旋
回時では、外側に位置するタイヤ64の接地点に対して
遠心力による外力:Fが車体横方向に入力されると、枢
着部62,62に介装されたブッシュ組立体52,52
に対しては、軸方向荷重:f1 と軸直角方向荷重:f2
が及ぼされることとなる。
【0032】その際、かかるブッシュ組立体52単体で
の軸直角方向のばね定数をk1 ,軸方向のばね定数をk
2 とし、軸方向荷重:f1 の入力状態下での軸直角方向
のばね定数をk1 ′,軸直角方向荷重:f2 の入力状態
下での軸方向のばね定数をk2 ′とすると、前述の如
く、入力荷重によるコンプレッションがブッシュ組立体
52を構成する各ゴムブッシュ34のゴム弾性体48の
全体に及ぼされるところから、k1 とk1 ′,k2 とk
2 ′の関係は、以下の如く表される。
【0033】 k1 ′= α・k1 (但し、α>1) k2 ′= β・k2 (但し、β>1)
【0034】それ故、先ず、旋回時に入力される外力:
Fによって生ぜしめられるトレーリングアーム60の横
変位量:Yを考えると、かかる横変位量:Yは、下記
(1式)の如く、推定される。 YA =f1 /k2 ′=F/2k2 ′=F/(2β・k2 ) ・・・(1式)
【0035】ところで、軸直角方向荷重の入力によって
も軸方向のばね定数:k2 が変化しない従来構造のブッ
シュ組立体を用いた場合には、かかるトレーリングアー
ム60の横変位量:Yは、下記(2式)の如く、推定さ
れる。 YB =f1 /k2 =F/2k2 ・・・(2式)
【0036】従って、上記、(1式)および(2式)よ
り、 YA −YB =F(1−β)/(2β・k2 )<0
【0037】このことから、前述の如き構造のブッシュ
組立体52を枢着部に介装せしめてなる本実施例構造の
トレーリングアーム60にあっては、車両旋回時に外
力:Fが作用した時の横変位量:Yが、有効に抑えら
れ、優れた操縦安定性が発揮され得ることが、明らかで
ある。
【0038】因みに、上述の如き本実施例構造の懸架装
置と、従来構造のブッシュ組立体を用いた懸架装置とに
ついて、外力:Fよるトレーリングアーム60の横変位
量:Yをそれぞれ算出した比較結果を、図6に示すこと
とする。
【0039】次に、旋回時に入力される外力:Fによっ
て生ぜしめられるトレーリングアーム60のステア角
(コンプライアンスステア角):θを考えると、かかる
ステア角:θは、下記(3式)の如く、推定される。 θA = sin-1{(XR −XL )/W} ・・・(3式) 但し、XR は右輪前後方向の変位量,XL は左輪前後方
向の変位量とする。
【0040】また、XR =−XL =f2 /k1 ′=(L
F)/(k1 ′W)だから、上記(3式)は、下記(4
式)の如く、表すことができる。 θA = sin-1(2LF/k1 ′W2) ・・・(4式)
【0041】ところで、軸方向荷重の入力によっても軸
直角方向のばね定数:k1 が変化しない従来構造のブッ
シュ組立体を用いた場合には、かかるトレーリングアー
ム60のステア角:θは、下記(5式)の如く、推定さ
れる。 θB = sin-1(2LF/k1 2) ・・・(5式)
【0042】従って、上記、(4式)および(5式)よ
り、下記の式が成立する。 θA −θB <0
【0043】このことから、前述の如き構造のブッシュ
組立体52を枢着部に介装せしめてなる本実施例構造の
トレーリングアーム60にあっては、車両旋回時に横
力:Fが作用した時のステア角:θが、有効に抑えら
れ、優れた操縦安定性が発揮され得ることが、明らかで
ある。
【0044】因みに、上述の如き本実施例構造の懸架装
置と、従来構造のブッシュ組立体を用いた懸架装置とに
ついて、外力:Fよるトレーリングアーム60のステア
角:θをそれぞれ算出した比較結果を、図7に示すこと
とする。
【0045】以上、本発明の具体的な実施例について詳
述してきたが、これは文字通りの例示であって、本発明
は、かかる具体例にのみ限定して解釈されるものではな
い。
【0046】例えば、前記実施例におけるブッシュ組立
体52では、各ゴムブッシュ34を構成する外側筒金具
42の筒状部44が、テーパ筒形状をもって形成されて
いたが、かかる筒状部を軸方向に一定の径を有する筒形
状をもって形成しても良い。なお、そのような外側筒金
具を用いた場合でも、ゴムブッシュ34を構成するゴム
弾性体48は、内外筒金具40,42の軸方向対向面間
と軸直角方向対向面間で連続せしめられていることか
ら、そのばね特性は、入力荷重によって有効に変化せし
められることとなる。
【0047】また、前記実施例では、ブッシュ組立体5
2における空隙部56が、周方向の全周に亘って連続し
て形成されていたが、かかる空隙部を、車両前後方向に
対向位置する部分だけに、形成するようにしても良い。
【0048】更にまた、ブッシュ組立体52にあって
は、それを構成するゴムブッシュ34,34を軸方向に
所定距離を隔てて対向配置せしめること等により、ゴム
弾性体48,48の軸方向対向面間において、実質的に
空隙部が形成されれば良く、内外筒金具40,42間を
軸方向に延びる肉抜部50は、必ずしも必要ではない。
【0049】さらに、前記実施例では、トーションビー
ム式の後輪懸架装置に本発明を適用したものの一具体例
を示したが、本発明は、その他、フルトレーリング式や
セミトレーリング式の後輪懸架装置に対しても、同様に
適用され得ることは、勿論である。
【0050】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等
を加えた態様において実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限
り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであること
は、言うまでもないところである。
【0051】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従う構造とされた自動車の後輪懸架装置においては、
通常走行時における乗り心地を充分に確保しつつ、車両
旋回時におけるトレーリングアームの横変位およびコン
プライアンスステアを有利に抑えることができるのであ
り、それによって、車両乗り心地と操縦安定性とが、高
度に両立され得るのである。
【0052】しかも、本発明に係る自動車の後輪懸架装
置にあっては、簡単な構造のゴムブッシュを用いること
によって、複雑な油圧機構等を必要とすることなく、乗
り心地と操縦安定性との両立が高度に達成され得るので
あり、実施が容易で、コスト的にも極めて優れているの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動車の後輪懸架装置において好
適に採用されるブッシュ組立体の一具体例を示す縦断面
図である。
【図2】図1に示されたブッシュ組立体を構成するゴム
ブッシュを示す縦断面図である。
【図3】図2に示されたゴムブッシュの右側面図であ
る。
【図4】本発明をトーションビーム式の後輪懸架装置に
対して適用したものの一具体例において、通常走行時に
車両前後方向の外力が作用した際の作用を説明するため
のモデル図である。
【図5】本発明をトーションビーム式の後輪懸架装置に
対して適用したものの一具体例において、車両旋回時に
車体横方向の外力が作用した際の作用を説明するための
モデル図である。
【図6】図5に示された構造の後輪懸架装置において、
作用する外力と、それによって発生する横変位量との関
係を算出した結果を、比較例と共に示すグラフである。
【図7】図5に示された構造の後輪懸架装置において、
作用する外力と、それによって発生するステア角との関
係を算出した結果を、比較例と共に示すグラフである。
【図8】車両乗り心地と操縦安定性とを両立するために
効果があると考えられるブッシュ組立体の一参考例を示
す縦断面図である。
【符号の説明】
30 内側取付金具 32 外側取付金具 34 ゴムブッシュ 36 筒状部 38 環状板部 40 内側筒金具 42 外側筒金具 44 筒状部 46 環状板部 48 ゴム弾性体 52 ブッシュ組立体 56 空隙部 60 トレーリングアーム 62 枢着部 64 タイヤ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川勝 副喜 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600番地 東海ゴム工業株式会社内 (72)発明者 林 幸男 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600番地 東海ゴム工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体の枢着部に対して車体の横方向に伸
    びる揺動軸回りに揺動可能に取り付けられたトレーリン
    グアームを備えてなる自動車の後輪懸架装置において、 それぞれ所定長さの筒状部と該筒状部の軸方向一端側に
    一体的に形成された軸直角方向外方に広がる環状板部と
    を備えた内側筒金具および外側筒金具を、それぞれの筒
    状部および環状板部が軸直角方向および軸方向に所定距
    離を隔てて対向位置するように配すると共に、それら軸
    直角方向および軸方向の対向面間に跨がってゴム弾性体
    を連続的に介装して弾性的に連結せしめてなるゴムブッ
    シュを用い、かかるゴムブッシュの一対を、前記枢着部
    における前記トレーリングアーム側および車体側の何れ
    か一方に設けられた取付軸と何れか他方に設けられた取
    付筒との間に、各ゴムブッシュにおける内側筒金具およ
    び外側筒金具の環状板部が軸方向外側に位置するよう
    に、それら内側筒金具および外側筒金具の軸方向端部を
    対向させて配置せしめると共に、かかる一対のゴムブッ
    シュにおける前記ゴム弾性体の軸方向対向面間の少なく
    とも車両前後方向に位置する部分に、空隙部を形成した
    ことを特徴とする自動車の後輪懸架装置。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005257071A (ja) * 2004-02-12 2005-09-22 Tokai Rubber Ind Ltd 防振装置
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