JPH0617831Y2 - フック装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、クレーン等に吊荷を吊持する時に用いられる
フック装置に関するものである。

（従来の技術） 従来この種のフック装置は、第３図に図示する如く構成
されている。すなわち互に対峙する側板１，２間に架設
した軸３にシーブ４を配置している。また前記軸３の下
方位置に位置し、前記両側板１，２間に架設され、その
中央部にフック５を吊持せしめたトラニオン６を設けて
いる。前記トラニオン６は、両側板１，２に軸をもって
枢支されており、水平軸まわりにフック５を回動自在と
している。フック５は、トラニオン６にベアリング７を
介してナット８により締着され吊持されている。よって
フック５は鉛直軸まわりに回動自在としている。次に前
記軸３の上方位置には両側板１，２に架設された軸８の
中央部に配置したロープ端止め９を設けている。ロープ
端止め９には、ロープを係止するための穴を突設してあ
る。この様に構成されたフック装置は、第３図に図示す
る如くクレーン10にロープ11で吊持せしめた時に、傾斜
せずに鉛直姿勢を維持するよう上記の様に構成されてい
るものである。すなわちフック装置に係合するロープ11
は３本であるため、第３図および第４図に図示する如く
フック装置の側面視において、フック５とシーブ４およ
びロープ端止め９を鉛直な一直線上に位置するよう構成
されている。

（本考案が解決しようとする問題点） ところがこの様に構成されたフック装置にあっては、上
述したようにロープ11により吊持せしめた時に傾斜しな
いようにするため、側面視においてフック５とシーブ４
およびロープ端止め９が鉛直な一直線上に位置するよう
構成されていることから、フック装置全体の高さが高く
なるなり、実際にクレーン作業時などの場合において、
吊荷を持ち上げる時にフック装置で占める高さがあるた
め地上揚程高さのロスが生じるという問題点を有してい
る。

本考案は、フック装置の占める高さを可及的に少なくす
ると共に、ロープにより吊持せしめられた時にもフック
装置が傾斜しないようにしたフック装置を提供すること
を目的とするものである。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するために本考案のフック装置は、 互いに対峙する側板間に架設した軸にシーブを一方の側
板寄り位置に配置し、前記軸の下方位置に位置する前記
側板間に架設され側面視における前記シーブと他方の側
板間の位置にフックを配置せしめるトラニオンを配置
し、前記他方の側板上または前記軸上の位置であって、
側面視における前記フックより他方の側板方向に当該フ
ックと前記シーブ間の水平距離の略２倍の距離だけ離間
した位置にロープ端止めを係止して配置したことを特徴
とするものである。

（作用） 上記の如き構成をもつ本考案のフック装置は、側面視に
おいてシーブとフックおよびロープ端止めの取付け位置
を互いに軸方向にずらせて配置したものであるから、そ
の全体高さを低く構成することができる他、側面視にお
けるフックより他方の側板方向にフックとシーブ間の水
平距離の略２倍の距離だけ離間した位置にロープ端止め
を係止させたものであるから、フック装置は傾斜せずに
鉛直姿勢で吊持されるのである。

（実施例） 以下本考案のフック装置について第１図に基いて説明す
る。20,21は、側板であって互に対峙して配置されてい
る。22は、前記両側板20,21に架設した軸である。23
は、前記軸22上に一方の側板20寄り位置に配置されたシ
ーブであって、シーブ23と軸22間にはベアリング24を配
置し、シーブ23は軸22を中心に回転自在となっている。
25,26は円筒形状のカラーであって、前記軸22に外嵌
し、シーブ23を軸22上において一方の側板20寄り位置に
規制させている。27は、前記軸22の下方位置に位置する
両側板20,21間に架設されたトラニオンである。このト
ラニオンの両端部には、軸を有しており、この軸は両側
板20,21に前記軸に対応して設けた穿設穴に回動自在に
枢支されている。28は、フックであって、その基端部を
他方の側板21と前記シーブ23間に位置して前記トラニオ
ン27に配置されている。すなわちトラニアン27には、他
方の側板21とシーブ23間に位置する位置に、フック28の
基端部を嵌挿する穿設穴と、ベアリング24′を前記穴と
同芯とするように配置している。そしてフック28の基端
部を前記穴とベアリング24′のインナーに嵌挿された
後、フック28の基端に設けたネジ部にナット29を締着さ
れている。よってフック28は、トラニオン27にベアリン
グ24′を介して鉛直軸方向に回動自在に支持されるとと
もに、両側板20,21に対してトラニオン27を介して水平
軸まわりに回動自在としている。なお、トラニオン27に
フック28を配置するにあたって、上述したように他方の
側板21とシーブ23間にフック28を配置し、フック28を締
着させるナット29を上記両者間で占める空間に位置せし
めたものであるからナット29とシーブ23が干渉しない。
よってシーブ23をその軸上に配置する軸22とトラニオン
27の上下方向の離間距離を小さくするように構成しフッ
ク装置全体の高さを低くしている。30は、ロープ端止め
であって、平面視においてコの字状に形成され、他方の
側板21に前記軸22の他端を架設した近傍であって他方の
側板21の外側面に係止させている。このロープ端止め30
は、他方の側板21の外側面より突出してこの突出面にロ
ープを係止させる穿設穴を設けている。このロープ端止
め30が側板21より突出する量は次の様に決定される。す
なわち、側面視における前記フック28と前記シーブ23間
の水平距離Ｌに対して略２倍の距離2Lフック28より他方
の側板21方向に離間した位置となるように構成してい
る。よってこの場合フック28より他方の側板21までの距
離によりロープ端止め30の突出量は決まってくる。いず
れにしても側面視における前記フック28と前記シーブ23
間の水平距離Ｌに対してロープ端止め30に設けた穿設穴
までの水平距離は2Lとなるようにしてある。

なお、前記ロープ端止め30は、他方の側板21に前記軸22
の他端を架設した近傍であって、他方の側板21の外側面
に突出させて係止させて、第２図に図示する如くロープ
31の一端に前記ロープ端止め30とピン34にて連結するロ
ープ端連結具32およびクリップ33が、他方の側板21上端
より突出しないようにしている。よってクレーン等にこ
のフック装置を用いればクレーン等の先端部に前記ロー
プ端連結具32およびクリップ33が当接するといった事を
なくし、フック装置による地上揚程高さを高く取ること
を可及的に可能としたり、格納時にはクレーン等の先端
部とフック装置を近接させてコンパクトに格納すること
を可能とする。

この様に構成された本考案のフック装置は、次の様に作
用する。側面視においてシーブ23とフック28のおよびロ
ープ端止め30の取付け位置を互いに軸方向にずらせて配
置したものであるからその全体の高さを低くすることが
できる。またフック28に対するシーブ23とロープ端止め
30までの水平距離の関係を上述の如く構成しているもの
であるから、フック装置は傾斜せずに鉛直姿勢で吊持さ
れる。また従来技術で説明したフック装置に比べて吊持
するロープ間距離を持たせてあるのでフック装置全体が
回転してロープが絡み付くという問題も生じにくくな
る。

なお上記実施例では他方の側板21の外側面にロープ端止
め30を係止させたが、前記軸22を他方の側板21に貫通さ
せて他方の側板21の外側面より突出させ、この突出した
軸22に上記ロープ端連結具32を係止させるようにしても
よい。

（考案の効果） 本考案は以上の如く構成し作用するものであるから、フ
ック装置の全体高さを低くし地上揚程高さを可及的に大
ならしめることを可能とする。またフック装置の鉛直姿
勢（非傾斜状態）を、フックに荷物を吊らない状態およ
び荷物を吊った状態の如何に係わらず維持できるという
効果を有し、更に吊持させるロープ間距離を離間させて
ロープの絡み付きを可及的に阻止できるという効果を奏
する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案に係るフック装置の説明図、第２図
は、第１図の要部拡大説明図、第３図は、従来のフック
装置の説明図、第４図は、従来のフック装置の使用状態
を示す説明図である。 20,21：側板、22：軸、23：シーブ、28：フック、27：
トラニオン、30：ロープ端止め

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】互いに対峙する側板間に架設した軸にシー
   ブを一方の側板寄り位置に配置し、前記軸の下方位置に
   位置する前記側板間に架設され側面視における前記シー
   ブと他方の側板間の位置にフックを配置せしめるトラニ
   オンを配置し、前記他方の側板上または前記軸上の位置
   であって、側面視における前記フックより他方の側板方
   向に当該フックと前記シーブ間の水平距離の略２倍の距
   離だけ離間した位置にロープ端止めを係止して配置した
   ことを特徴とするフック装置。