JP5844566B2 - クレーン用フック装置 - Google Patents
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Description
本発明に係るクレーン用フック装置によれば、シーブ軸に着脱可能であり二つのシーブ同士の対向距離を規制するカラー部材を備えており、このカラー部材を二つのシーブ同士の間の位置に装着したときには、二つのシーブ同士の対向距離を4本掛け仕様での釣り合いを保つ位置に規制するので、一般的な4本掛け仕様として使用することができる。
そして、このクレーン用フック装置によれば、4本掛け仕様および5本掛け仕様の変更に際し、上記着脱可能なカラー部材の装着位置を替えることによって仕様の変更が可能なので、フック装置全体の交換が不要であり、また、5本掛け専用仕様のフック装置も不要である。
図1に示すように、このクレーン用フック装置10は、吊り荷等を吊下するためのフック1と、このフック1を、フック支持軸2を介して取り付ける二枚の側板3,4とを有する。二枚の側板3,4は、互いに離間して並設されており、一方の側板4(同図では右側の側板)の外側面には、ワイヤロープ30の先端端末30s(図3参照)を取り付けるための枢着部8を有するサイドプレート9が付設されている。さらに、上記二枚の側板3,4間には、上記フック支持軸2よりも上方となる位置に、側板3,4の対向方向に沿ってシーブ軸5が橋架されており、このシーブ軸5に、ころがり軸受を介して二つのシーブ6,7が回転自在に外側から嵌めこまれている。なお、枢着部8側のシーブ7は、シーブ軸5に沿ってスライド移動可能に設けられている。
詳しくは、カラー部材20は、図2に示すように、シーブ軸5の径方向に分離するように分割された二つの分割カラー21、22から構成されている。各分割カラー21、22は、側面視が略Ω字状をなすように曲げ加工された板材から形成されている。そして、略Ω字状の端部の一端には、固定ナット23(植え込みナット等であって、例えばカレイナット、インサートナット、鬼目ナット)のナット首下部が母材に圧入またはカシメによって固定されている。一方、この固定ナット23に対向する各分割カラー21、22の略Ω字状の端部の他端には、固定ナット23に螺合する固定ねじ24を挿通可能な長孔または貫通孔(不図示)が形成されている。そして、二つの分割カラー21、22の略Ω字状の凹部を対向させた状態の凹部内径寸法は、シーブ軸5の外径寸法よりも僅かに小さくなっている。このような構成により、カラー部材20は、シーブ軸5に着脱可能であり、また、図2(b)に示すように、分割した状態の二つの分割カラー21、22を対向させた状態としてシーブ軸5の両側から組み付けて、両端の固定ねじ24を対向位置にある固定ナット23に螺合することにより、カラー部材20をシーブ軸5上に抱き締めによって固定可能になっている。
上記「背景技術」においても説明をしたように、4本掛け時と5本掛け時とでは、図3に示すように、ワイヤロープ30の先端端末30sを付け替える必要がある。つまり、4本掛け時には、同図(a)に符号Bで示すように、ワイヤロープ30の先端端末30sは、ブームトップ36のブラケット38に設けられた枢着部32に装着される。一方、5本掛け時には、同図(b)に符号Cで示すように、ワイヤロープ30の先端端末30sは、フック装置10のサイドプレート9に設けられた枢着部8に装着される。
いま、4本掛けを単に5本掛けとした場合(図6参照)、図4(a)に示すように、吊り荷の荷重Wは二つのシーブ6,7同士の中央に作用する。しかし、これに釣り合う上向きの力は、各ワイヤロープ30に掛かる力が全て一定値(1/5W)であり、ワイヤロープ30が5本掛けとされるため、ワイヤロープ30の先端端末30sが枢着部8に装着されたサイドプレート9の離間位置Dには1/5Wの力が上向きに作用することになる。
D・(1/5)W=(4/5)W・X/2 (式1)
上記(式1)より、X=D/2 (式2)
このフック装置10によれば、シーブ軸5に着脱可能であり、二つのシーブ6、7同士の対向距離を規制するカラー部材20を備えており、図1に示すように、このカラー部材20を二つのシーブ6、7同士の間の位置に装着したときには、二つのシーブ6、7同士の対向距離を4本掛け仕様での釣り合いを保つ位置に規制するので、一般的な4本掛け仕様に使用することができる。
なお、本発明に係るクレーン用フック装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能であることは勿論である。
2 フック支持軸
3、4 側板
5 シーブ軸
6、7 シーブ
8 (5本掛け用ワイヤロープの先端端末の)枢着部
9 サイドプレート
10 フック装置
20 カラー部材
21、22 分割カラー
23 固定ナット
24 固定ねじ
26 スペーサカラー
30 ワイヤロープ
32 (4本掛け用ワイヤロープの先端端末の)枢着部
34 (クレーンの)ブーム
36 ブームトップ
38 ブラケット
40 ウインチ
Claims (1)
- フックと、該フックが取り付けられて互いに離間して並設されるとともに一方の外側面にワイヤロープの先端端末の枢着部を有する二枚の側板と、該二枚の側板間に側板の対向方向に沿って橋架されたシーブ軸と、該シーブ軸に回転自在に外側から嵌めこまれた二つのシーブとを備え、前記ワイヤロープの4本掛け仕様と5本掛け仕様とに限って用いられるクレーン用フック装置であって、
前記シーブ軸上に設けられて前記二つのシーブ同士の対向距離を規制する二つのカラー部材を備え、
前記二枚の側板のうち、前記枢着部を有する側板側のシーブは、前記シーブ軸に沿ってスライド移動可能であり、
前記二つのカラー部材のうち、第一のカラー部材は、前記シーブ軸方向の長さが、前記フックの中心軸から前記枢着部までの水平距離の1/2の長さで形成されるとともに、前記二つのシーブ同士の間の前記シーブ軸上と、前記枢着部側の側板と当該側板側のシーブとの間のシーブ軸上とに着脱可能に構成され、第二のカラー部材は、前記二つのシーブ同士の間に配置されており、
前記二つのカラー部材が共に前記二つのシーブ同士の間の位置に装着されたときには、前記二つのシーブ同士の対向距離を前記4本掛け仕様での釣り合いを保つ位置に規制し、
前記第一のカラー部材が前記枢着部側の側板と当該側板側のシーブとの間の位置に装着されるとともに前記第二のシーブ部材が前記二つのシーブ同士の間に装着されたときには、前記二つのシーブ同士の対向距離を前記5本掛け仕様での釣り合いを保つ位置に規制することを特徴とするクレーン用フック装置。
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