JPH06175562A - ホログラム記録媒体及びそれを用いた体積位相型ホログラムの製造方法 - Google Patents

ホログラム記録媒体及びそれを用いた体積位相型ホログラムの製造方法

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JPH06175562A
JPH06175562A JP35072792A JP35072792A JPH06175562A JP H06175562 A JPH06175562 A JP H06175562A JP 35072792 A JP35072792 A JP 35072792A JP 35072792 A JP35072792 A JP 35072792A JP H06175562 A JPH06175562 A JP H06175562A
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hologram recording
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JP35072792A
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English (en)
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Yasumasa Toba
泰正 鳥羽
Takeo Yamaguchi
岳男 山口
Madoka Yasuike
円 安池
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】化学的安定性や耐環境特性に優れ、広い波長領
域に渡って高感度、高回折効率、高透明性及び高解像度
な特性を有するホログラム記録媒体およびそれを用いた
体積位相型ホログラムの製造方法を提供する。 【構成】アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステ
ルの単一重合体、またはアクリル酸エステルまたはメタ
クリル酸エステルとビニルモノマーとの2成分以上の共
重合体である高分子化合物(A)、重合可能なエチレン
性不飽和結合を少なくとも1個以上有する化合物
(B)、メロシアニン誘導体(C)およびスルホニウム
有機ホウ素錯体(D)の組合せを含むことを特徴とする
ホログラム記録用感光材料が、光学的に透明な基材と、
光学的に透明な保護膜に挟まれて感光膜を形成している
ことを特徴とするホログラム記録媒体、および該記録媒
体の体積位相型ホログラムの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は、化学的安定性や耐環境
特性に優れ、広い波長領域に渡って高い感度特性を有
し、且つ解像度、回折効率及び透明性などのホログラム
特性に特に優れたホログラム記録媒体及びそれを用いた
体積位相型ホログラムの製造方法に関するものである。
【従来の技術】従来、ホログラム記録媒体として、漂白
処理銀塩および重クロム酸ゼラチン系の感光材料が一般
に使用されてきた。しかし、これらのホログラム記録媒
体によるホログラムの製造は、何れも感光板の作製方
法、ホログラム製造のための処理が煩雑であったり、製
造されたホログラムが耐環境特性、例えば耐湿性、耐候
性に劣る、また解像度に限界があるという問題点を有し
ていた。
【0001】かかる問題を解決するために、耐環境特性
に優れ、且つ高解像度、高回折効率などのホログラムの
有すべき特性を備えた体積位相型ホログラムの製造方法
として、フォトポリマーを利用した例が知られている。
例えば、特公昭62−22152号公報では、担体とな
るべき重合体中に光重合性物質である2個以上のエチレ
ン性不飽和結合を有する多官能単量体を分散せしめた感
材を、輻射線の干渉パターンに露出する第1の工程、該
感材を第1の溶媒で処理し該感材を膨潤せしめる第2の
工程、膨潤作用の乏しい第2の溶媒で処理し該感材を収
縮せしめる第3の工程とを具備してなることを特徴とす
るホログラム製造方法が開示されている。しかしなが
ら、該公知文献における方法において、充分な回折効率
を有するホログラムを製造するためには50mJ/cm
2 以上の露光エネルギーが必要とされ、ホログラムの大
量複製、即ち露光時間の短縮化において重要な特性とな
る感度特性をより一層向上させることが望まれた。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、化学的安定
性や耐環境特性に優れ、広い波長領域に渡って高い感度
特性を有し、且つ解像度、回折効率及び透明性に特に優
れたホログラム記録媒体及びそれを用いた体積位相型ホ
ログラムの製造方法を提供するものである。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、以上の諸
点を考慮し、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、
本発明に至ったものである。すなわち、本発明の第一の
発明は、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステ
ルの単一重合体、またはアクリル酸エステルまたはメタ
クリル酸エステルとビニルモノマーとの2成分以上の共
重合体である高分子化合物(A)、重合可能なエチレン
性不飽和結合を少なくとも1個以上有する化合物
(B)、メロシアニン誘導体(C)およびスルホニウム
有機ホウ素錯体(D)の組合せを含むことを特徴とする
ホログラム記録用感光材料が、光学的に透明な基材と、
光学的に透明な保護膜に挟まれて感光膜を形成している
ことを特徴とするホログラム記録媒体である。第二の発
明は、前記第一の発明のホログラム記録媒体に、輻射線
の干渉パターンに露出する第1の工程、該記録媒体から
未重合の該輻射線重合性物質を除去し且つまた該記録媒
体を膨潤せしめる溶媒にて処理する第2の工程、さらに
該記録媒体に対する溶解性及び膨潤性に乏しい溶媒に、
該記録媒体を接触せしめる第3の工程を具備してなるこ
とを特徴とする体積位相型ホログラムの製造方法であ
り、第三の発明は、前記ホログラム記録媒体を輻射線に
よる干渉パターンに露出する前あるいは後に、紫外線、
可視光線、電子線などの活性線への露出処理、(およ
び)または加熱処理することを特徴とする前記体積位相
型ホログラムの製造方法である。
【0004】以下、詳細にわたって本発明を説明する。
【0005】本発明のホログラム記録媒体において使用
される高分子化合物(A)は、アクリル酸エステルまた
はメタクリル酸エステルの単一重合体、またはアクリル
酸エステルまたはメタクリル酸エステルと、その他のビ
ニルモノマーとの2成分以上の共重合体である。具体的
なアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルの単
一重合体としては、メチル、エチル、プロピル、イソプ
ロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチ
ル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オ
クチル、ノニル、ドデシル、2−メチルブチル、3−メ
チルブチル、2−エチルブチル、1,3−ジメチルブチ
ル、2−エチルヘキシル、2−メチルペンチル、シクロ
ヘキシル、アダマンチル、イソボルニル、ジシクロペン
タニル、テトラヒドロフルフリールなどの鎖状、分枝状
及び環状アルキルのアクリル酸またはメタクリル酸エス
テルモノマーの重合体、フェニル、4−メトキシカルボ
ニルフェニル、4−エトキシカルボニルフェニル、4−
ブトキシカルボニルフェニル、4−tert−ブチルフ
ェニル、ベンジル、4−フェニルエチル、4−フェノキ
シジエチレングルコール、4−フェノキシテトラエチレ
ングリコール、4−フェノキシヘキサエチレングリコー
ル、4−ビフェニリルなどの芳香環を含有するアクリル
酸またはメタクリル酸エステルモノマーの重合体、フェ
ロセニルメチル、フェロセニルエチルなどの鉄原子を含
有するアクリル酸またはメタクリル酸エステルモノマー
の重合体、トリフルオロエチル、テトラフルオロプロピ
ル、ヘプタデカフルオロデシル、オクタフルオロペンチ
ル、2,3−ジブロモプロピルなどのハロゲン原子を含
有するアクリル酸またはメタクリル酸エステルモノマー
の重合体、トリメトキシシリルプロピルなどのケイ素原
子を含有するアクリル酸またはメタクリル酸エステルの
重合体、グリシジルアクリレートやグリシジルメタクリ
レートなどのエポキシ基を含有するアクリル酸またはメ
タクリル酸エステルモノマーの重合体、N,N−ジメチ
ルアミノエチル、N,N−ジエチルアミノエチル、t−
ブチルアミノエチルなどのアミノ基を含有するアクリル
酸またはメタクリル酸エステルモノマーの重合体などが
挙げられる。これらのアクリル酸エステルまたはメタク
リル酸エステルモノマーは、必要に応じて2成分以上の
共重合体として使用することが可能である。
【0006】前記したアクリル酸エステルまたはメタク
リル酸エステルモノマーとの2成分以上の共重合体とし
て使用できるビニルモノマーとしては、ブタジエン、イ
ソプレン、アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロニトリ
ル、スチレン、4−ブロモスチレン、パーフルオロスチ
レン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニ
ル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、N−ビニルピロリド
ン、N−ビニルカルバゾール、ビニルピリジン、ビニル
ピロリジンなどが挙げられる。
【0007】本発明のホログラム記録媒体に供される重
合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1個以上有
する化合物(B)としては、1官能であるビニルモノマ
ーの他にオリゴマーを含むものであり、さらには高分子
量化合物であってもよく、またこれらの混合物であって
もよい。その様な化合物としては、アクリル酸、メタク
リル酸、イタコン酸、マレイン酸、アクリルアミド、メ
タクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、2−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート、N−ビニルカルバ
ゾール等の高沸点ビニルモノマー、さらには、脂肪族ポ
リヒドロキシ化合物、例えば、エチレングリコール、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラ
エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3
−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5
−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,
10−デカンジオール、トリメチロールプロパン、ペン
タエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビト
ール、マンニトールなどのジあるいはポリ(メタ)アク
リルエステル類、芳香族ポリヒドロキシ化合物、例え
ば、ヒドロキノン、レゾルシン、カテコール、ピロガロ
ール等のジあるいはポリ(メタ)アクリルエステル、イ
ソシアヌル酸のエチレンオキシド変性(メタ)アクリレ
ート、さらには、側鎖にヒドロキシ基やハロゲン化メチ
ル基の如き反応活性を有する官能基を持つ重合体とアク
リル酸、メタクリル酸、クロトン酸などの不飽和カルボ
ン酸との高分子反応によって得られるポリマーも好適に
使用しうる。このような高分子化合物としては、ポリビ
ニルアルコール、ビニルアルコールと酢酸ビニルとの共
重合体、ポリエピクロルヒドリン、フェノキシ樹脂、ポ
リクロロメチルスチレン、2−ヒドロキシ(メタ)アク
リレートと種々アクリレートモノマーとの共重合体、フ
ェノール樹脂などが挙げられる。さらには、(メタ)ア
クリル化されたエポキシ樹脂、ポリエステルアクリレー
トオリゴマー、(メタ)アクリル化ウレタンオリゴマ
ー、アクロレイン化ポリビニルアルコール等をあげるこ
とができる。
【0008】本発明で使用のメロシアニン誘導体(C)
としては、一般式(1)ないし一般式(12)
【0009】一般式(1)
【化1】
【0010】一般式(2)
【化2】
【0011】一般式(3)
【化3】
【0012】一般式(4)
【化4】
【0013】一般式(5)
【化5】
【0014】一般式(6)
【化6】
【0015】一般式(7)
【化7】
【0016】一般式(8)
【化8】
【0017】一般式(9)
【化9】
【0018】一般式(10)
【化10】
【0019】一般式(11)
【化11】
【0020】一般式(12)
【化12】
【0021】(一般式(1)ないし一般式(12)にお
いて、nは1または2を表す。一般式(3)ないし一般
式(12)において、Xは水素原子、アルキル基、置換
アルキル基、アルコキシ基、アリール基、置換アリール
基、アリールオキシ基、アラルキル基またはハロゲン原
子を表し、一般式(2)においてPhはフェニル基を表
す。一般式(1)ないし一般式(12)において、
1 ,R2 及びR3 はそれぞれアルキル基、置換アルキ
ル基、アルケニル基、アリール基、置換アリール基また
はアラルキル基を示し、互いに同じでも異なっても良
い。)で表されるメロシアニン誘導体(C)が挙げられ
る。
【0022】置換基を有しても良いアルキル基として
は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、te
rt−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル
基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基などの直鎖
状あるいは分枝状のアルキル基が挙げられ、置換アルキ
ル基の置換基としてはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素など
のハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シ
アノ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、ジア
ルキルアミノ基、テトラヒドロフリル基、オキサニル基
(またはテトラヒドロピラニル基)、またはジオキサニ
ル基を表し、これらの置換基が1個のみまたは2個がア
ルキル基に結合した置換アルキル基を表す。置換アルキ
ル基の具体例としては、前述の置換基Xが置換アルキル
基を現す場合の具体例の他に、カルボキシメチル基、2
−カルボキシエチル基、3−カルボキシプロピル基、シ
アノメチル基、2−シアノメチル基、3−シアノプロピ
ル基、メトキシエチル基、2−メトキシエチル基、3−
メトキシプロピル基、エトキシメチル基、ジメトキシメ
チル基、2,2−ジメトキシエチル基、2,2−ジエト
キシメチル基、メトキシカルボニルメチル基、エトキシ
カルボニルメチル基、プロポキシカルボニルメチル基、
2−(メトキシカルボニル)エチル基、2−(エトキシ
カルボニル)エチル基、ジメチルアミノ基、ジエチルア
ミノ基、ジプロピルアミノ基、メチルエチルアミノ基、
2−テトラヒドロフリル基、2−オキサニル基、4−オ
キサニル基、ジオキサニル基を挙げることができる。
【0023】アルコキシ基としては、メトキシ基、エト
キシ基、プロポキシ基、イソプロポシキ基、ブトキシ
基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ
基、tert−ブトキシ基、ベンジルオキシ基などが、
置換基を有しても良いアリール基としては、フェニル
基、p−トリル基、p−tert−ブチルフェニル基、
p−クロロフェニル基、p−メトキシフェニル基、キシ
リル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェ
ナントリル基などが、アリールオキシ基としては、フェ
ノキシ基、p−トリルオキシ基、p−フルオロフェノキ
シ基、p−シアノフェノキシ基、p−メトキシフェノキ
シ基、p−tert−ブチルフェノキシ基などが、置換
基を有しても良いアラルキル基としては、ベンジル基、
p−クロロベンジル基、p−ブロモベンジル基、p−シ
アノベンジル基、p−ニトロベンジル基、p−メチルベ
ンジル基、p−メトキシベンジル基、p−tert−ブ
チルベンジル基などが、置換基を有しても良いアルケニ
ル基としては、ビニル基、2−プロペニル基、イソプロ
ペニル基、ブテニル基などが、ハロゲン原子としては、
フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子などを挙げることがで
きる。
【0024】一般式(1)ないし一般式(12)で表さ
れるメロシアニン誘導体は「Journal of A
merican Chemical Society」
誌の第73巻,第5326〜5332頁(1951年)
及びL.G.S.Brookerらの「Studies
in the Cyanine Dye Series
XI,The Merocyanines」に記載の
方法に従い合成することができるし、または(株)日本
感光色素研究所から入手することができる。
【0025】この様なメロシアニン誘導体の具体例とし
ては、次に示される化合物が挙げられる。即ち、5−
〔(1’−エチル−2’−ピリジリデン)エチリデン〕
−3−エチルローダニン、5−〔(3’−エチル−
4’,5’−ジフェニル−2’−チアゾリリデン)エチ
リデン〕−3−エチルローダニン、5−〔(3’−エチ
ル−2’−ベンゾチアゾリリデン)エチリデン〕−3−
エチル−4−オキソ−2−チオキソサゾリジン、5−
〔(3’−エチル−2’−ベンゾチアゾリリデン)エチ
リデン〕−2−フェニル−5(4)オキサゾロン、5−
〔(3’−エチル−2’−ベンゾチアゾリリデン)エチ
リデン〕−1−フェニル−3−メチル−ピラゾロン、5
−〔(3’−エチル−2’−ベンゾオキサゾリデン)エ
チリデン〕−3−エチル−4−オキソ−2−チオキソオ
キサゾリジン、5−〔(3’−エチル−2’−ベンゾオ
キサゾリリデン)エチリデン〕−3−エチルローダニ
ン、5−〔(3’,3’−ジメチル−2’−インドリニ
リデン)エチリデン〕−3−エチル−4−オキソ−2−
チオキソオキササゾリジン、5−〔(1’−エチル−
2’−キノリリデン)エチリデン〕−3−エチルローダ
ニン、5−〔(1’−エチル−2’−キノリリデン)エ
チリデン〕−3−エチルローダニン、5−〔(3’−エ
チル−2’−ベンゾチアゾリリデン)エチリデン〕−3
−エチルローダニン、5−〔(3’−エチル−2’−ベ
ンゾチアゾリリデン)ブテニリデン〕−3−エチルロー
ダニンなどを挙げることができる。具体的な化合物
(a)ないし化合物(l)を次に示す。
【0026】化合物(a)
【化13】
【0027】化合物(b)
【化14】
【0028】化合物(c)
【化15】
【0029】化合物(d)
【化16】
【0030】化合物(e)
【化17】
【0031】化合物(f)
【化18】
【0032】化合物(g)
【化19】
【0033】化合物(h)
【化20】
【0034】化合物(i)
【化21】
【0035】化合物(j)
【化22】
【0036】化合物(k)
【化23】
【0037】化合物(l)
【化24】
【0038】次に、本発明で使用のスルホニウム有機ホ
ウ素錯体(D)は、一般式(13)
【0039】一般式(13)
【化25】 (式中R4 、R5 およびR6 はそれぞれ独立に、置換基
を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリ
ール基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を
有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよい脂環
基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有し
てもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアル
キルチオ基、置換基を有してもよいアリールチオ基、置
換基を有してもよいアミノ基より選ばれる基を、R7
酸素原子もしくは孤立電子対を、R8 、R9 、R10およ
びR11はそれぞれ独立に、置換基を有してもよいアルキ
ル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有し
てもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニ
ル基より選ばれる基を示し、R4 、R5 およびR6 はそ
の2個以上の基が結合している環状構造であってもよ
く、R4 、R5 およびR6 の二つ以上が同時に置換基を
有してもよいアリール基となることはなく、R8
9 、R10およびR11全てが同時に置換基を有してもよ
いアリール基となることはない。)で表されるスルホニ
ウム有機ホウ素錯体またはオキソスルホニウム有機ホウ
素錯体から選ばれるスルホニウム有機ホウ素錯体を示
す。一般式(13)で表されるスルホニウム有機ホウ素
錯体は、特願平4−56831号にて記載の方法に従い
合成することができる。
【0040】一般式(13)におけるスルホニウムまた
はオキソスルホニウムカチオン上の置換基R4 、R5
よびR6 において、置換基を有してもよいアルキル基と
しては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピ
ル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t
ert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル
基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、アリル
基、ベンジル基、アセトニル基、フェナシル基、サリチ
ル基、アニシル基、シアノメチル基、クロロメチル基、
ブロモメチル基、メトキシカルボニルメチル基、エトキ
シカルボニルメチル基、メンチル基、ピナニル基等が、
置換基を有してもよいアリール基としては、フェニル
基、p−トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル
基、p−メトキシフェニル基、ビフェニリル基、ナフチ
ル基、アンスリル基、フェナントリル基、p−シアノフ
ェニル基、2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニ
ル基、p−フルオロフェニル基、p−クロロフェニル
基、p−ジメチルアミノフェニル基、p−フェニルチオ
フェニル基等が、置換基を有してもよいアルケニル基と
しては、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル
基、3,3−ジシアノ−1−プロペニル基等が、置換基
を有してもよい脂環基としては、シクロペンチル基、シ
クロヘキシル基、ノルボルニル基、ボルニル基、1−シ
クロヘキセニル基等が、置換基を有してもよいアルコキ
シル基としてはメトキシ基、tert−ブトキシ基、ベ
ンジルオキシ基等が、置換基を有してもよいアリールオ
キシ基としては、フェノキシ基、p−トリルオキシ基、
p−フルオロフェノキシ基、p−ニトロフェノキシ基等
が、置換基を有してもよいアルキルチオ基としては、メ
チルチオ基、エチルチオ基、ブチルチオ基等が、置換基
を有してもよいアリールチオ基としては、フェニルチオ
基、p−トリルチオ基、p−シアノフェニルチオ基等
が、置換基を有してもよいアミノ基としては、アミノ
基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、シクロヘキシ
ルアミノ基、アニリノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基
等が挙げられ、さらにR4 、R5 およびR6 はその2個
以上の基が結合している環状構造であってもよく、例え
ば、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、1,4−ジ
クロロテトラメチレン基等の置換基を有してもよいアル
キレン基、エチレンジオキシ基、ジエチレンジオキシ
基、アジポイル基、エチレンジチオ基等が挙げられるが
本発明はこれらに限定されるものではない。
【0041】また、一般式(13)における有機ホウ素
アニオン上の置換基R8 、R9 、R10およびR11におい
て、置換基を有してもよいアルキル基としては、メチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチ
ル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル
基、ドデシル基、オクタデシル基、アリル基、ベンジル
基等が、置換基を有してもよいアリール基としては、フ
ェニル基、p−トリル基、キシリル基、メシチル基、ク
メニル基、p−メトキシフェニル基、ナフチル基、2,
4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、p−フル
オロフェニル基、p−クロロフェニル基、p−ブロモフ
ェニル基等が、置換基を有してもよいアルケニル基とし
ては、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基等
が、置換基を有してもよいアルキニル基としては、エテ
ニル基、2−tert−ブチルエテニル基、2−フェニ
ルエテニル基等が挙げられるが本発明はこれらに限定さ
れるものではない。
【0042】一般式(13)において特に好ましい構造
としては、R4 、R5 およびR6 のうち少なくとも1つ
が、置換基を有してもよいアリル基、置換基を有しても
よいベンジル基、置換基を有しても良いビニル基、もし
くは置換基を有してもよいフェナシル基のいずれかであ
り、R8 が置換基を有してもよいアルキル基であり、R
9 、R10およびR11が置換基を有してもよいアリール基
である構造である。
【0043】この理由として、一般式(13)で示され
る重合開始剤が、メロシアニン誘導体(C)によって効
果的に光増感分解されることが要求されるが、R4 、R
5 およびR6 の内、少なくとも一つに、置換基を有して
もよいアリル基、置換基を有してもよいベンジル基、置
換基を有してもよいビニル基、もしくは置換基を有して
もよいフェナシル基を導入することによって、一般式
(13)で示される重合開始剤の電子受容性が高まり、
且つ、これらの基が優先的且つ効率的にスルホニウムま
たはオキソスルホニウムカチオンから分解する性質を帯
びることによって、フリーラジカルの発生効率が高まる
と考えられ、その結果感度の向上を図ることが可能とな
るからである。
【0044】具体的な化合物(m)ないし(s)を次に
示す。
【0045】化合物(m)
【化26】
【0046】化合物(n)
【化27】
【0047】化合物(o)
【化28】
【0048】化合物(p)
【化29】
【0049】化合物(q)
【化30】
【0050】化合物(r)
【化31】
【0051】化合物(s)
【化32】
【0052】本発明のホログラム記録媒体は、アクリル
酸エステルまたはメタクリル酸エステルの単一重合体、
またはアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル
とビニルモノマーとの2成分以上の共重合体である高分
子化合物(A)、重合可能なエチレン性不飽和結合を少
なくとも1個有する化合物(B)、メロシアニン誘導体
(C)及びスルホニウム有機ホウ素錯体(D)を適当な
溶媒中に溶解させ、得られた溶液を光学的に透明な基材
上、あるいは光学的に透明な保護膜上に皮膜状に塗布し
て形成される。塗布される厚みは、乾燥後の膜厚として
1μmから20μmにすることが好ましく、4μmから
10μmの範囲がより好ましい。上記各成分の配合比に
特定の制限はないが、照射用レーザ光の透過率が1%以
上となるようにメロシアニン誘導体(C)の濃度を調製
することが好ましい。さらに必要に応じて、各種添加
剤、例えば可塑剤、酸化防止剤、熱重合禁止剤等を添加
してもよい。
【0053】アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エ
ステルの単一重合体、またはアクリル酸エステルまたは
メタクリル酸エステルとビニルモノマーとの2成分以上
の共重合体である高分子化合物(A)のホログラム記録
材料に占める量は、高回折効率、高解像度、高透明性を
有する体積位相型ホログラムを製造するためには、10
〜90重量%、好ましくは、30〜70重量%である。
重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1個以上
有する化合物(B)の使用量は、アクリル酸エステルま
たはメタクリル酸エステルの単一重合体、またはアクリ
ル酸エステルまたはメタクリル酸エステルとビニルモノ
マーとの2成分以上の共重合体である高分子化合物
(A)100重量部に対し10〜200重量部、好まし
くは40〜150重量部である。上記範囲を逸脱すると
高い回折効率の維持および感度特性の向上が困難となる
ので好ましくない。
【0054】本発明のホログラム記録媒体で使用される
光重合開始剤のうち、メロシアニン誘導体(C)は、ア
クリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルの単一重
合体、またはアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エ
ステルとビニルモノマーとの2成分以上の共重合体であ
る高分子化合物(A)100重量部に対し、0.1〜3
0重量部、好ましくは、0.5〜15重量部の範囲で使
用される。使用量は、感光層膜厚と、該膜厚の光学密度
によって制限を受ける。即ち、光学密度が2を越さない
範囲で使用することが好ましい。また、光重合開始剤の
もう一方の成分であるスルホニウム有機ホウ素錯体
(D)は、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エス
テルの単一重合体、またはアクリル酸エステルまたはメ
タクリル酸エステルとビニルモノマーとの2成分以上の
共重合体である高分子化合物(A)100重量部に対
し、0.1〜20重量部、好ましくは1〜15重量部の
範囲で使用される。
【0055】本発明におけるホログラム記録用感光材料
は、輻射線の干渉パターンに露出する前に、光学的に透
明な基材と光学的に透明な保護膜に挟まれた記録媒体と
して使用される。光学的に透明な基材としてはガラス
板、ポリカーボネ−ト板、ポリメチルメタクリレート板
またはポリエステルフィルムなどが挙げられる。また、
光学的に透明な保護膜としては、ポリビニルアルコー
ル、ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィン、ポ
リ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンあるいはセロファン
フィルムなどが挙げられる。該ホログラム記録用感光材
料が前記した透明な基材上に形成されている場合は、前
記した光学的に透明な保護膜を、溶液状態での塗布、静
電的な密着、押し出し機を使った積層、あるいは予め粘
着剤を該保護膜に塗布したフィルムを貼り合わせること
によって、該感材上に積層することができる。一方、該
ホログラム記録用感光材料が前記した透明な保護膜上に
形成されている場合は、光学的に透明な基材に該感材面
側を密着せしめる方法にて貼り合わせることができる。
【0056】この様に、本発明におけるホログラム記録
用感光材料を、輻射線の干渉パターンに露出する前に、
光学的に透明な基材と光学的に透明な保護膜に挟まれた
記録媒体の形態にて使用することにより、該ホログラム
記録感材を様々な外的作用から保護すると共に、輻射線
の干渉露光において該記録感材中で生ずるラジカル重合
の酸素による阻害作用を抑制することが可能となる。
【0057】次に、本発明の体積位相型ホログラムの製
造方法について説明する。すなわち、前記したホログラ
ム記録媒体を、輻射線、特にHe−Cdレーザー、Ar
イオンレーザー、He−Neレーザー、Krイオンレー
ザー、あるいはルビーレーザーなどから発振される可視
レーザー光線の干渉パターンに露出する第1の工程に処
する。次いで該記録媒体を被覆している前記保護膜を該
記録媒体から剥離除去せしめた後に、該記録媒体から未
重合の該輻射線重合性物質を除去し、且つまた該記録媒
体におけるアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エス
テルの単一重合体、またはアクリル酸エステルまたはメ
タクリル酸エステルとビニルモノマーとの2成分以上の
共重合体である高分子化合物(A)を膨潤せしめる作用
を有する溶媒に浸漬する第2の工程、いわゆる膨潤工程
に処する。該工程に好適に用いられる溶媒としては、ベ
ンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系有機溶媒、
酢酸エチル、酢酸ブチルなどの酢酸エステル系有機溶
媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン
などのケトン系有機溶媒、メタノール、エタノール、イ
ソプロパノールなどのアルコール系有機溶媒、ジオキサ
ン、テトラヒドロフランなどの環状エーテル系有機溶
媒、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロエタ
ンなどの塩素系有機溶媒など一般的に用いられる有機溶
媒、あるいはこれらの混合溶媒を適用することができ
る。その場合、該ホログラム記録媒体におけるアクリル
酸エステルまたはメタクリル酸エステルの単一重合体、
またはアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル
とビニルモノマーとの2成分以上の共重合体である高分
子化合物(A)を、完全には溶解せず膨潤させる作用を
有することが必要で、使用する該高分子化合物(A)の
種類によって適宜選択する必要がある。該膨潤工程を完
遂するに必要な浸漬時間は、使用する溶媒の膨潤効率及
び浸漬温度によって異なるが、室温の場合、概ね30秒
から5分の間にて完了する。
【0058】前記膨潤処理工程に次いで、さらに、該記
録媒体に対する溶解性及び膨潤性に乏しい溶媒に、該記
録媒体を接触せしめ、前記膨潤処理工程にて膨潤した該
記録媒体を収縮せしめる第3の工程、いわゆる収縮処理
工程に処する。該工程に好適に用いられる溶媒の具体例
としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、石油エーテ
ルなどのn−アルカン系有機溶媒が好適に用いられる
が、該記録媒体を収縮せしめる作用を有する溶媒であれ
ば、前記した溶媒に限定されるものではない。
【0059】さらに、本発明のホログラム用記録媒体を
用いた体積位相型ホログラムの製造において、該記録媒
体を輻射線の干渉パターンに露出する前あるいは後に、
該記録媒体を紫外線、可視光線、または電子線などの活
性線に露出処理する、(および)または加熱処理するこ
とにより、本発明における体積位相型ホログラムの製造
をさらに効果的なものにすることが可能である。
【0060】前記した処理のために用いられる活性線源
に特に限定はないが、紫外線源としては、低圧水銀灯、
中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンラン
プ、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、蛍光
灯、タングステンランプなどが、また可視光線源として
は、前記光線源の他に、He−Cd、Arイオンなどの
可視光レーザー光源、白色灯、蛍光灯などを使用するこ
とが可能である。この場合、使用される活性光源から発
せられる活性線は、本発明のホログラム記録媒体に使用
される、メロシアニン誘導体(C)及び(または)スル
ホニウム有機ホウ素錯体(D)によって効果的に吸収さ
れる必要がある。これら活性線に露出する時間及び露出
量は活性線源によって異なるので、適宜、最適値を決め
る必要がある。
【0061】また加熱処理用の熱源としては、一般的に
は熱循環式オーブンあるいは加熱ロールが好適に用いら
れるが、これに限定されるものではない。加熱処理温度
範囲は50℃から120℃の間が好ましく、より好まし
くは60℃から90℃の間である。
【作用】本発明のホログラム記録媒体は、アクリル酸エ
ステルまたはメタクリル酸エステルの単一重合体、また
はアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルとビ
ニルモノマーとの2成分以上の共重合体である高分子化
合物(A)、重合可能なエチレン性不飽和結合を少なく
とも1個以上有する化合物(B)、メロシアニン誘導体
(C)およびスルホニウム有機ホウ素錯体(D)の組合
せを含むことを特徴とする。本発明において使用される
メロシアニン誘導体(C)は、Arイオンレーザー、H
e−Cdレーザー、He−Neレーザー、あるいはKr
イオンレーザーなどの可視レーザー光源から発振される
可視光を効率良く吸収し、その分光増感作用によってス
ルホニウム有機ホウ素錯体(D)を効率良く分解する。
その結果フリーラジカルが発生し、ラジカル重合が効果
的に誘起されることになる。特に本発明において使用さ
れるスルホニウム有機ホウ素錯体は、その分子内に2つ
のフリーラジカル発生源を有するために、効果的にフリ
ーラジカルを発生し、感度特性の格段の向上を図ること
が可能になったものと推察される。また、アクリル酸エ
ステルまたはメタクリル酸エステルの単一重合体、また
はメタクリル酸エステルとビニルモノマーとの2成分以
上の共重合体である高分子化合物(A)を使用すること
によって、化学的安定性や耐環境特性に優れ、且つ透明
性や感度特性に優れた体積位相型ホログラムを製造する
ことが可能になったと推量される。
【0062】また一方では、該ホログラム記録用媒体を
用いた体積位相型ホログラム記録において、該記録媒体
に輻射線の干渉パターン露出すると、該輻射線露出部位
中、干渉作用の強い部位においては、重合可能なエチレ
ン性不飽和結合を少なくとも1個以上有する化合物
(B)の重合反応が生じ、支持体としてのアクリル酸エ
ステルまたはメタクリル酸エステルの単一重合体、また
はアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルとビ
ニルモノマーとの2成分以上の共重合体である高分子化
合物(A)と共に網目構造を形成し、次の膨潤処理工程
にて使用される溶媒に対し不溶となる。一方、輻射線露
出部位中、干渉作用の弱い部位においては、重合可能な
エチレン性不飽和結合を少なくとも1個以上有する化合
物(B)の重合反応が生じないか、あるいは、重合度が
低いため、該膨潤処理用溶媒によって、該記録媒体は膨
潤する。これにより両部位における密度差が形成され、
その結果屈折率差を生じホログラム記録がおこなわれる
ものと推量される。この作用は、該記録媒体に対する溶
解性及び膨潤性に乏しい第2の溶媒に接触せしめること
によって顕著に増幅され、且つまた、該記録媒体の膜厚
を膨潤処理前の膜厚に戻す作用と相まって、高い回折効
率およびプレイバック波長再現性に優れた体積位相型ホ
ログラムを提供するに至ったものと考えられる。
【0063】
【実施例】以下実施例に基づき、本発明をより詳細に説
明する。以下の各例において、部は特に断わりのない限
り重量部を表わす。
【0064】実施例1 ポリメタクリル酸メチル(アルドリッチ社製、重量平均
分子量71万)を100部、ペンタエリスリトールトリ
アクリレートを70部、メロシアニン誘導体(化合物
(a))を4部、ジメチルフェナシルスルホニウム−n
−ブチルトリフェニルボレート(化合物(l))を5
部、ジオキサンを900部からなる感光液を100×1
25×3mmのガラス板上に、感光液乾燥後の膜厚が7
μmとなるように3ミルアプリケーターを用いて塗布
し、60℃オーブン中にて20分間乾燥させた。さら
に、ポリビニルアルコール(アルドリッチ社製、鹸化度
99%以上)水溶液をホログラム記録用感光膜の上に塗
布し、体積位相型ホログラム記録用媒体を作成した。次
いで、該記録媒体を60W蛍光灯に60秒間暴露し、前
露光処理を行った。
【0065】この媒体に、図1に示す体積位相型ホログ
ラム製造用光学系で、Arイオンレーザーの488nm
光を用いて体積位相型ホログラム記録を施した。次い
で、保護層であるポリビニルアルコール層を剥離除去し
た後、該記録媒体をキシレンに1分間浸漬し、感光層を
現像および膨潤処理し、ヘプタンに30秒間浸漬し収縮
処理させ、体積位相型型ホログラムを製造した。回折効
率は、日本分光工業(株)製ART25C型分光光度計
で測定した。該装置は、幅3mmのスリットを有したフ
ォトマルチメータを、試料を中心にした半径20cmの
円周上に設置できる。幅0.3mmの単色光を試料に4
5度の角度で入射し、試料からの回折光を検出した。正
反射光以外で最も大きな値と、試料を置かず直接入射光
を受光したときの値との比を回折効率とした。4mJ/
cm2 の露光量にて、プレイバック波長が485nm、
回折効率が70%、650nmにおける透過率が92%
の体積位相型ホログラムが製造された。この体積位相型
ホログラムを25℃、60%RHの環境下に180日間
放置しても回折効率の低下は認められなかった。
【0066】実施例2 実施例1において、Arイオンレーザー光による体積位
相型ホログラム記録を施した後に、該記録媒体を60W
蛍光灯に60秒間暴露し、次いで実施例1と同様の方法
で操作した。得られたホログラム特性を表1に示した。
【0067】実施例3 実施例1において、Arイオンレーザー光による体積位
相型ホログラム記録を施す前の処理として、蛍光灯への
暴露に変え、該記録媒体を80℃の熱風乾燥器中にて2
0分間の加熱処理を施した他は実施例1と同様の方法で
操作した。得られたホログラム特性を表1に示した。
【0068】実施例4〜14 実施例1におけるメロシアニン誘導体(化合物(a))
を化合物(b)ないし化合物(l)のメロシアニン誘導
体に変えて、実施例1と同様の操作で体積位相型ホログ
ラムの作製を行なった時の結果を表1に示した。尚、実
施例7ないし10では、Arイオンレーザーの514n
m光を、実施例11および12ではHe−Neレーザー
の633nm光を、実施例14ではKrイオンレーザー
の647nm光をそれぞれ用いた。得られたホログラム
の特性を表1に示した。
【0069】実施例15〜20 実施例14における、ジメチルフェナシルスルホニウム
−n−ブチルトリフェニルボレート(化合物(m))
を、化合物(n)ないし化合物(s)で表されるスルホ
ニウム有機ホウ素錯体に変えた他は実施例14と同様の
方法で操作し、体積位相型ホログラムを作製した。得ら
れたホログラム特性を表2に示した。
【0070】実施例21 実施例14におけるポリメタクリル酸メチルを、ポリメ
タクリル酸イソボルニルに変え、他は実施例14と同様
の方法で操作したときのホログラム特性結果を表3に示
した。
【0071】実施例22 実施例14におけるポリメタクリル酸メチルを、ポリメ
タクリル酸フェロセニルメチルに変え、他は実施例14
と同様の方法で操作したときのホログラム特性結果を表
3に示した。尚、ポリメタクリル酸フェロセニルメチル
は、C.U.Pittmanらの「Macromole
cules」誌の第3巻、第746頁(1970年)に
記載の方法にて得る事ができる。
【0072】実施例23 実施例14におけるポリメタクリル酸メチルを、ポリメ
タクリル酸ベンジルに変え、他は実施例14と同様の方
法で操作したときのホログラム特性結果を表3に示し
た。
【0073】実施例24 実施例14におけるポリメタクリル酸メチルを、ポリア
クリル酸トリメトキシシリルプロピルに変え、他は実施
例14と同様の方法で操作したときのホログラム特性結
果を表3に示した。
【0074】実施例25 実施例14におけるポリメタクリル酸メチルを、ポリメ
タクリル酸メチルとスチレンの共重合体(モル比で7:
3)に変え、他は実施例14と同様の方法で操作したと
きのホログラム特性結果を表3に示した。
【0075】
【表1】
【0076】透過率は、650nmにおける透過率を示
す。保存性は、25℃、60%RH保存下における耐久
性を示す。
【0077】
【表2】
【0078】透過率は、650nmにおける透過率を示
す。保存性は、25℃、60%RH保存下における耐久
性を示す。
【0079】
【表3】
【0080】透過率は、650nmにおける透過率を示
す。保存性は、25℃、60%RH保存下における耐久
性を示す。
【0081】
【発明の効果】本発明におけるホログラム記録媒体の使
用、および該記録媒体を用いた本発明のホログラム製造
方法により、広い波長領域に渡って20mJ/cm2
下と少ない露光エネルギーで、化学的安定性や耐環境特
性に優れ、かつ高解像度、高回折効率、高透明性を有す
る体積位相型ホログラムを製造することが可能となる。
【0082】
【図面の簡単な説明】
【0083】図1は、体積位相型ホログラム製造用の二
光束レーザー露光装置のブロック図を示す。
【0084】
【符号の説明】
1:レーザー光源 2:ミラー 3:レンズ 4:スペーシャルフィルター 5:基材(ガラス板) 6:ホログラム感光膜 7:保護膜(ポリビニルアルコール膜)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル酸エステルまたはメタクリル酸
    エステルの単一重合体、またはアクリル酸エステルまた
    はメタクリル酸エステルとビニルモノマーとの2成分以
    上の共重合体である高分子化合物(A)、重合可能なエ
    チレン性不飽和結合を少なくとも1個以上有する化合物
    (B)、メロシアニン誘導体(C)およびスルホニウム
    有機ホウ素錯体(D)の組合せを含むことを特徴とする
    ホログラム記録用感光材料が、光学的に透明な基材と、
    光学的に透明な保護膜に挟まれて感光膜を形成している
    ことを特徴とするホログラム記録媒体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のホログラム記録媒体に、
    輻射線の干渉パターンに露出する第1の工程、該記録媒
    体を膨潤せしめる溶媒にて処理する第2の工程、さらに
    該記録媒体に対する溶解性及び膨潤性に乏しい溶媒に、
    該記録媒体を接触せしめる第3の工程を具備してなるこ
    とを特徴とする体積位相型ホログラムの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のホログラム記録媒体を輻
    射線による干渉パターンに露出する前あるいは後に、紫
    外線、可視光線、電子線などの活性線への露出処理、
    (および)または加熱処理することを特徴とする請求項
    2記載の体積位相型ホログラムの製造方法。
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