JPH06130879A - ホロク゛ラム記録材料及びそれを用いた体積位相型ホログラムの製造方法 - Google Patents

ホロク゛ラム記録材料及びそれを用いた体積位相型ホログラムの製造方法

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JPH06130879A
JPH06130879A JP30467392A JP30467392A JPH06130879A JP H06130879 A JPH06130879 A JP H06130879A JP 30467392 A JP30467392 A JP 30467392A JP 30467392 A JP30467392 A JP 30467392A JP H06130879 A JPH06130879 A JP H06130879A
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meth
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JP30467392A
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Yasumasa Toba
泰正 鳥羽
Takeo Yamaguchi
岳男 山口
Madoka Yasuike
円 安池
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】優れた感度を示すホログラム記録材料およびそ
れを用いた体積位相型ホログラムの製造方法を提供する
こと。 【構成】ビニルモノマーの単一重合体または2成分以上
のビニルモノマーの共重合体である高分子化合物
(A)、重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも
1個以上有する化合物(B)、メロシアニン誘導体
(C)とスルホニウム有機ホウ素錯体(D)との組合せ
によりなるホログラム材料と、該ホログラム記録材料を
ホログラム露光の後、光および(または)熱を加える体
積位相型ホログラムの製造方法。 【効果】本発明により、広い波長領域に渡って高感度
で、化学的に安定であり、かつ高解像度、高回折効率、
高透明性を有する体積位相型ホログラムを簡単に製造す
ることが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化学的安定性や耐環境
特性に優れ、広い感光波長領域特性と高い感度特性を合
わせ持ち、かつ解像度、回折効率及び透明性に優れたホ
ログラム記録材料及びそれを用いた体積位相型ホログラ
ムの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ホログラム記録用材料として、漂
白処理銀塩および重クロム酸ゼラチン系の感光材料が一
般に使用されてきた。しかし、これを用いたホログラム
材料は、ともに煩雑な湿式現像処理を必要とし、さらに
解像度または耐環境特性、例えば耐湿性、耐候性に劣る
という問題点を有していた。
【0003】この様な問題点を解決すべく、フォトポリ
マーを用いたホログラム記録材料が提案されている。例
えば特公昭62−22152号公報においては、2個以
上のエチレン性不飽和結合を有する多官能単量体、非架
橋性の重合体および開始剤との組み合わせを特徴とする
ホログラム記録材料が開示されている。当該公知技術に
従えば、回折効率、解像度及び耐環境特性などの点にお
いて優れたホログラムを製造することができるが、感度
特性および感光波長領域特性に劣る、あるいはホログラ
ムの製造において湿式処理工程を採用しているなどの製
造上の煩雑性、また、溶媒浸漬操作時に生じる空隙やひ
び割れに起因する現像むらや、白化による透明性の低下
などの問題が生じるなどの欠点を有していた。また、使
用される重合体が非架橋性であるために、硬化膜の強度
に劣るという欠点があった。
【0004】一方、ホログラムの製造工程において複雑
なあるいは煩雑な湿式処理工程を必要としない、唯一の
処理工程として干渉露光のみでホログラムを製造するこ
とが可能なフォトポリマーを使ったホログラム記録材料
(および)あるいはその製造法が開示されている。例え
ば、特開平2−3081号公報あるいは特開平2−30
82号公報においては、ポリマーあるいはモノマーのど
ちらか一方が芳香環あるいはハロゲン原子を含む置換基
を有することを特徴とする熱可塑性ポリマーと液体エチ
レン性モノマー、及び光開始剤から構成されるホログラ
ム記録用光重合性組成物及び屈折率画像用エレメントが
開示されている。この公知技術に従えば、高回折効率、
高解像度、耐環境特性及び透明性に優れたホログラムが
製造されることが、SPIE「Practical H
olography IV」,第1212巻,30頁
(1990年)及び「Journal of Imag
ing Science」,第35巻,19頁及び25
頁(1991年)にて実証されている。しかしながら、
該ホログラム記録材料をフルカラーに適用する場合にお
いて、特に600nm以上の波長光の露光においては露
光エネルギーを数100mJ/cm2 も要し、感度特性
に劣るという欠点を有していた。この様な欠点は、ホロ
グラムの複製において、露光時間の短縮ができないなど
生産工程上問題となった。
【0005】また、特開平2−51188号公報におい
ては、屈折率に差がある分子内に1個以上の重合性炭素
−炭素二重結合を有する化合物の複数からなるホログラ
ム用組成物が開示されてる。この公知技術に従えば、煩
雑な処理工程を必要としない高解像度及び高回折効率の
ホログラムが製造されるが、分子内に1個以上の重合性
炭素−炭素二重結合を有する化合物の一つとして、ガラ
ス転移温度の低いウレタンアクリレートを使用している
ため、ホログラムの耐熱特性において劣るという欠点を
有していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐環境特性
に優れ、また広い感光波長領域において高感度で、かつ
解像度、回折効率及び透明性において優れた特性を持つ
ホログラム記録材料及びそれを用いた体積位相型ホログ
ラムの簡便な製造方法を提供するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐環境特性
に優れ、解像度、回折効率、透明性及び感度特性に優れ
たホログラム記録材料及びそれを用いた体積位相型ホロ
グラムの簡便な製造方法を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、以上の諸
点を考慮し、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、
本発明に至ったものである。
【0009】すなわち、第一の発明は、ビニルモノマー
の単一重合体または2成分以上のビニルモノマーの共重
合体である高分子化合物(A)、重合可能なエチレン性
不飽和結合を少なくとも1個以上有する化合物(B)、
メロシアニン誘導体(C)及びスルホニウム有機ホウ素
錯体(D)の組み合わせを含むことを特徴とするホログ
ラム記録材料であり、第二の発明は、ビニルモノマーの
単一重合体または2成分以上のビニルモノマーの共重合
体である高分子化合物(A)が、架橋可能な(メタ)ア
クリロイル基を有することを特徴とするホログラム記録
材料であり、第三の発明は、ビニルモノマーの単一重合
体または2成分以上のビニルモノマーの共重合体である
高分子化合物(A)の屈折率と、重合可能なエチレン性
不飽和結合を少なくとも1個以上有する化合物(B)の
屈折率との屈折率差が0.005以上であることを特徴
とする第一の発明のホログラム記録材料であり、第四の
発明は、ビニルモノマーの単一重合体または2成分以上
のビニルモノマーの共重合体である高分子化合物
(A)、重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも
1個以上有する化合物(B)、メロシアニン誘導体
(C)およびスルホニウム有機ホウ素錯体(D)の組合
せを含むことを特徴とするホログラム記録材料を用いて
ホログラムを作成するに当たって、該ホログラム記録材
料をホログラム露光したのち、光および(または)熱を
加えることを特徴とする体積位相型ホログラムの製造方
法である。
【0010】以下、詳細にわたって本発明を説明する。
【0011】先ず、本発明で使用されるビニルモノマー
の単一重合体または2成分以上のビニルモノマーの共重
合体である高分子化合物(A)を例示する。この様なビ
ニルモノマーの重合体としては、メチル、エチル、プロ
ピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t
ert−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、
ヘプチル、オクチル、ノニル、ドデシル、2−メチルブ
チル、3−メチルブチル、2−エチルブチル、1,3−
ジメチルブチル、2−エチルヘキシル、2−メチルペン
チル、シクロヘキシル、アダマンチル、イソボルニル、
ジシクロペンタニル、テトラヒドロフルフリールなどの
鎖状、分枝状及び環状アルキルの(メタ)アクリル酸エ
ステルモノマーの重合体、2−ヒドロキシエチル、2−
ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、グリセロ
ール、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル、2−
(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−ヒドロキシ
プロピルフタレートなどの水酸基を有する(メタ)アク
リル酸エステルモノマーの重合体、フェニル、4−メト
キシカルボニルフェニル、4−エトキシカルボニルフェ
ニル、4−ブトキシカルボニルフェニル、4−tert
−ブチルフェニル、ベンジル、4−フェニルエチル、4
−フェノキシジエチレングルコール、4−フェノキシテ
トラエチレングリコール、4−フェノキシヘキサエチレ
ングリコール、4−ビフェニリルなどの芳香環を含有す
る(メタ)アクリル酸エステルモノマーの重合体、グリ
シジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基を含有す
る(メタ)アクリル酸エステルモノマーの重合体、フェ
ロセニルメチル、フェロセニルエチルなどの鉄原子を含
有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーの重合体、
トリフルオロエチル、テトラフルオロプロピル、ヘプタ
デカフルオロデシル、オクタフルオロペンチル、2,3
−ジブロモプロピルなどのハロゲン原子を含有する(メ
タ)アクリル酸エステルの重合体、トリメトキシシリル
プロピルなどのアルコキシシラン基を含有する(メタ)
アクリル酸エステルの重合体、N,N−ジメチルアミノ
エチル、N,N−ジエチルアミノエチル、t−ブチルア
ミノエチルなどのアミノ基を含有する(メタ)アクリル
酸エステルモノマーの重合体、(メタ)アクリル酸、イ
タコン酸、マレイン酸、p−ビニル安息香酸、2−(メ
タ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)
アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アク
リロイルオキシプロピルフタル酸、2−(メタ)アクリ
ロイルオキシプロピルテトラヒドロフタル酸、2−(メ
タ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロフタル酸
などのカルボキシル基を含有するビニルモノマーの重合
体、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレー
トなどのリン酸基含有(メタ)アクリル酸エステルモノ
マーの重合体、アクリルアミド、N−ブチルアクリルア
ミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロニト
リル、スチレン、4−ヒドロキシスチレン、4−ヒドロ
キシメチルスチレン、4−ブロモスチレン、クロロメチ
ルスチレン、パーフルオロスチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビ
ニリデン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾ
ール、ビニルピリジン、ビニルピロリジン、ビニルブチ
ラール、ビニルアセタールなどのビニルモノマーの重合
体が挙げられ、またこれらの2成分以上の共重合体が挙
げられる。
【0012】次に、本発明において使用されるビニルモ
ノマーの単一重合体または2成分以上のビニルモノマー
の共重合体で架橋可能な(メタ)アクリロイル基を有す
る高分子化合物としては、前記ビニルモノマーの重合体
の内、水酸基、カルボキシル基、リン酸基、クロロメチ
ル基あるいはエポキシ基などの官能基を有するビニルモ
ノマーを単位として含む高分子化合物に、(メタ)アク
リロイル基を導入することによって得られる。この様な
反応性高分子は、例えば、機能性高分子シリーズ「反応
性高分子」,岩倉義男,栗田恵輔著,講談社サイエンテ
ィフィク(1977年)、あるいは機能性シリーズ「感
光性高分子」,永末元太郎,乾英夫著,講談社サイエン
ティフィク(1977年)に記載されている方法にて合
成することができる。
【0013】本発明で使用の重合性エチレン性不飽和結
合を少なくとも1個以上有する化合物(B)としては、
単官能または多官能ビニルモノマーの他にオリゴマーを
含むものであり、さらに高分子量化合物であってもよ
い。次にこれらの化合物を例示する。
【0014】(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイ
ン酸などの不飽和酸化合物、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メ
タ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート
などの(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物、テ
トラヒドロフリル(メタ)アクリレート、グリシジル
(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モルホリ
ノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミ
ド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、N−ビニルカルバゾー
ル等のビニルモノマー、さらには、脂肪族ポリヒドロキ
シ化合物、例えば、エチレングリコール、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール、テトラエチレング
リコール、ネオペンチルグリコール、1,3−プロパン
ジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカ
ンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリ
トール、ジペンタエリスリトール、ネオペンチルグリコ
ール、ソルビトール、マンニトールなどのジあるいはポ
リ(メタ)アクリルエステル類、トリフルオロエチル
(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メ
タ)アクリレート、ヘキサフルオロプロピル(メタ)ア
クリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレ
ート、ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート
などのフッ素原子含有(メタ)アクリレート化合物、
2,3−ジブロモプロピル(メタ)アクリレート、トリ
ブロモフェノールトリエチレンオキシド(メタ)アクリ
レート、p−ブロモフェノキシエチル(メタ)アクレー
ト、テトラブロモビスフェノールAエチ(プロピ)レン
オキシド変性ジ(メタ)アクリレートなどの臭素原子含
有(メタ)アクリレート化合物、フェニル(メタ)アク
リレート、4−メトキシカルボニルフェニル(メタ)ア
クリレート、4−エトキシカルボニルフェニル(メタ)
アクリレート、4−ブトキシカルボニルフェニル(メ
タ)アクリレート、4−tert−ブチルフェニル(メ
タ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、4
−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、4−フェニ
ルエチル(メタ)アクリレート、4−フェノキシジエチ
レングルコール(メタ)アクリレート、4−フェノキシ
テトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、4−
フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレ
ート、4−ビフェニリル(メタ)アクリレート、フタル
酸エピクロルヒドリン変性ジ(メタ)アクリレートなど
の芳香環を含有する(メタ)アクリレート化合物、芳香
族ポリヒドロキシ化合物、例えば、ヒドロキノン、レゾ
ルシン、カテコール、ピロガロール等のジあるいはポリ
(メタ)アクリレート化合物、イソシアヌル酸のエチ
(プロピ)レンオキシド変性(メタ)アクリレート、ビ
スフェノールAエチ(プロピ)レンオキシド変性ジ(メ
タ)アクリレート、(メタ)アクリル化エポシキ樹脂、
フェロセニルメチル(メタ)アクリレート、フェロセニ
ルエチル(メタ)アクリレート、亜鉛ジ(メタ)アクリ
レートなどの重金属原子含有(メタ)アクリレート化合
物などが挙げられる。
【0015】本発明で使用のメロシアニン誘導体(C)
としては、一般式(1)ないし一般式(12)
【0016】一般式(1)
【化1】
【0017】一般式(2)
【化2】
【0018】一般式(3)
【化3】
【0019】一般式(4)
【化4】
【0020】一般式(5)
【化5】
【0021】一般式(6)
【化6】
【0022】一般式(7)
【化7】
【0023】一般式(8)
【化8】
【0024】一般式(9)
【化9】
【0025】一般式(10)
【化10】
【0026】一般式(11)
【化11】
【0027】一般式(12)
【化12】 (一般式(1)ないし一般式(12)において、nは1
または2を表す。一般式(3)ないし一般式(12)に
おいて、Xは水素原子、アルキル基、置換アルキル基、
アルコキシ基、アリール基、置換アリール基、アリール
オキシ基、アラルキル基またはハロゲン原子を表し、一
般式(2)においてPhはフェニル基を表す。一般式
(1)ないし一般式(12)において、R1 ,R2 及び
3 はそれぞれアルキル基、置換アルキル基、アルケニ
ル基、アリール基、置換アリール基またはアラルキル基
を示し、互いに同じでも異なっても良い。)で表される
メロシアニン誘導体(C)が挙げられる。
【0028】置換アルキル基の置換基としてはフッ素、
塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子、ヒドロキシル
基、カルボキシル基、シアノ基、アルコキシ基、アルコ
キシカルボニル基、ジアルキルアミノ基、テトラヒドロ
フリル基、オキサニル基(またはテトラヒドロピラニル
基)、またはジオキサニル基を表し、これらの置換基が
1個のみまたは2個がアルキル基に結合した置換アルキ
ル基を表す。置換アルキル基の具体例としては、前述の
置換基Xが置換アルキル基を現す場合の具体例の他に、
カルボキシメチル基、2−カルボキシエチル基、3−カ
ルボキシプロピル基、シアノメチル基、2−シアノメチ
ル基、3−シアノプロピル基、メトキシエチル基、2−
メトキシエチル基、3−メトキシプロピル基、エトキシ
メチル基、ジメトキシメチル基、2,2−ジメトキシエ
チル基、2,2−ジエトキシメチル基、メトキシカルボ
ニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、プロポキ
シカルボニルメチル基、2−(メトキシカルボニル)エ
チル基、2−(エトキシカルボニル)エチル基、ジメチ
ルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、
メチルエチルアミノ基、2−テトラヒドロフリル基、2
−オキサニル基、4−オキサニル基、ジオキサニル基を
挙げることができる。
【0029】アルケニル基としては炭素原子数2から4
までの直線状または分枝状のアルケニル基を表し、その
具体例としてはビニル基、アリル基、1−プロペニル
基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、イソプロペニル
基を挙げることができる。一般式(1)ないし一般式
(12)で表されるメロシアニン誘導体は「Journ
al of American Chemical S
ociety」誌の第73巻,第5326〜5332頁
(1951年)及びL.G.S.Brookerらの
「Studiesin the Cyanine Dy
e Series XI,The Merocyani
nes」に記載の方法に従い合成することができるし、
または(株)日本感光色素研究所から入手することがで
きる。
【0030】この様なメロシアニン誘導体の具体例とし
ては、次に示される化合物が挙げられる。即ち、5−
〔(1’−エチル−2’−ピリジリデン)エチリデン〕
−3−エチルローダニン、5−〔(3’−エチル−
4’,5’−ジフェニル−2’−チアゾリリデン)エチ
リデン〕−3−エチルローダニン、5−〔(3’−エチ
ル−2’−ベンゾチアゾリリデン)エチリデン〕−3−
エチル−4−オキソ−2−チオキソサゾリジン、5−
〔(3’−エチル−2’−ベンゾチアゾリリデン)エチ
リデン〕−2−フェニル−5(4)オキサゾロン、5−
〔(3’−エチル−2’−ベンゾチアゾリリデン)エチ
リデン〕−1−フェニル−3−メチル−ピラゾロン、5
−〔(3’−エチル−2’−ベンゾオキサゾリデン)エ
チリデン〕−3−エチル−4−オキソ−2−チオキソオ
キサゾリジン、5−〔(3’−エチル−2’−ベンゾオ
キサゾリリデン)エチリデン〕−3−エチルローダニ
ン、5−〔(3’,3’−ジメチル−2’−インドリニ
リデン)エチリデン〕−3−エチル−4−オキソ−2−
チオキソオキササゾリジン、5−〔(1’−エチル−
2’−キノリリデン)エチリデン〕−3−エチルローダ
ニン、5−〔(1’−エチル−2’−キノリリデン)エ
チリデン〕−3−エチルローダニン、5−〔(3’−エ
チル−2’−ベンゾチアゾリリデン)エチリデン〕−3
−エチルローダニン、5−〔(3’−エチル−2’−ベ
ンゾチアゾリリデン)ブテニリデン〕−3−エチルロー
ダニンなどを挙げることができる。具体的な化合物
(a)ないし化合物(l)を次に示す。
【0031】化合物(a)
【化13】 (式中、Etはエチル基を表す。)
【0032】化合物(b)
【化14】 (式中、Etはエチル基、Phはフェニルを表す。)
【0033】化合物(c)
【化15】 (式中、Etはエチル基を表す。)
【0034】化合物(d)
【化16】 (式中、Etはエチル基、Phはフェニルを表す。)
【0035】化合物(e)
【化17】 (式中、Meはエチル基、Etはエチル基、Phはフェ
ニルを表す。)
【0036】化合物(f)
【化18】 (式中、Etはエチル基を表す。)
【0037】化合物(g)
【化19】 (式中、Etはエチル基を表す。)
【0038】化合物(h)
【化20】 (式中、Etはエチル基を表す。)
【0039】化合物(i)
【化21】 (式中、Etはエチル基を表す。)
【0040】化合物(j)
【化22】 (式中、Etはエチル基を表す。)
【0041】化合物(k)
【化23】 (式中、Etはエチル基を表す。)
【0042】化合物(l)
【化24】 (式中、Etはエチル基を表す。)
【0043】次に、本発明で使用のスルホニウム有機ホ
ウ素錯体(D)は、一般式(13)
【0044】一般式(13)
【化25】 (式中R4 、R5 およびR6 はそれぞれ独立に、置換基
を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリ
ール基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を
有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよい脂環
基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有し
てもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアル
キルチオ基、置換基を有してもよいアリールチオ基、置
換基を有してもよいアミノ基より選ばれる基を、R7
酸素原子もしくは孤立電子対を、R8 、R9 、R10およ
びR11はそれぞれ独立に、置換基を有してもよいアルキ
ル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有し
てもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニ
ル基より選ばれる基を示し、R4 、R5 およびR6 はそ
の2個以上の基が結合している環状構造であってもよ
く、R4 、R5 およびR6 の二つ以上が同時に置換基を
有してもよいアリール基となることはなく、R8
9 、R10およびR11全てが同時に置換基を有してもよ
いアリール基となることはない。)で表されるスルホニ
ウム有機ホウ素錯体またはオキソスルホニウム有機ホウ
素錯体から選ばれるスルホニウム有機ホウ素錯体を示
す。一般式(13)で表されるスルホニウム有機ホウ素
錯体は、特願平4−56831号にて記載の方法に従い
合成することができる。
【0045】一般式(13)におけるスルホニウムまた
はオキソスルホニウムカチオン上の置換基R4 、R5
よびR6 において、置換基を有してもよいアルキル基と
しては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピ
ル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t
ert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル
基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、アリル
基、ベンジル基、アセトニル基、フェナシル基、サリチ
ル基、アニシル基、シアノメチル基、クロロメチル基、
ブロモメチル基、メトキシカルボニルメチル基、エトキ
シカルボニルメチル基、メンチル基、ピナニル基等が、
置換基を有してもよいアリール基としては、フェニル
基、p−トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル
基、p−メトキシフェニル基、ビフェニリル基、ナフチ
ル基、アンスリル基、フェナントリル基、p−シアノフ
ェニル基、2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニ
ル基、p−フルオロフェニル基、p−クロロフェニル
基、p−ジメチルアミノフェニル基、p−フェニルチオ
フェニル基等が、置換基を有してもよいアルケニル基と
しては、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル
基、3,3−ジシアノ−1−プロペニル基等が、置換基
を有してもよい脂環基としては、シクロペンチル基、シ
クロヘキシル基、ノルボルニル基、ボルニル基、1−シ
クロヘキセニル基等が、置換基を有してもよいアルコキ
シル基としてはメトキシ基、tert−ブトキシ基、ベ
ンジルオキシ基等が、置換基を有してもよいアリールオ
キシ基としては、フェノキシ基、p−トリルオキシ基、
p−フルオロフェノキシ基、p−ニトロフェノキシ基等
が、置換基を有してもよいアルキルチオ基としては、メ
チルチオ基、エチルチオ基、ブチルチオ基等が、置換基
を有してもよいアリールチオ基としては、フェニルチオ
基、p−トリルチオ基、p−シアノフェニルチオ基等
が、置換基を有してもよいアミノ基としては、アミノ
基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、シクロヘキシ
ルアミノ基、アニリノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基
等が挙げられ、さらにR4 、R5 およびR6 はその2個
以上の基が結合している環状構造であってもよく、例え
ば、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、1,4−ジ
クロロテトラメチレン基等の置換基を有してもよいアル
キレン基、エチレンジオキシ基、ジエチレンジオキシ
基、アジポイル基、エチレンジチオ基等が挙げられるが
本発明はこれらに限定されるものではない。
【0046】また、一般式(13)における有機ホウ素
アニオン上の置換基R8 、R9 、R10およびR11におい
て、置換基を有してもよいアルキル基としては、メチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチ
ル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル
基、ドデシル基、オクタデシル基、アリル基、ベンジル
基等が、置換基を有してもよいアリール基としては、フ
ェニル基、p−トリル基、キシリル基、メシチル基、ク
メニル基、p−メトキシフェニル基、ナフチル基、2,
4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、p−フル
オロフェニル基、p−クロロフェニル基、p−ブロモフ
ェニル基等が、置換基を有してもよいアルケニル基とし
ては、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基等
が、置換基を有してもよいアルキニル基としては、エテ
ニル基、2−tert−ブチルエテニル基、2−フェニ
ルエテニル基等が挙げられるが本発明はこれらに限定さ
れるものではない。
【0047】一般式(13)において特に好ましい構造
としては、R4 、R5 およびR6 のうち少なくとも1つ
が、置換基を有してもよいアリル基、置換基を有しても
よいベンジル基、置換基を有しても良いビニル基、もし
くは置換基を有してもよいフェナシル基のいずれかであ
り、R8 が置換基を有してもよいアルキル基であり、R
9 、R10およびR11が置換基を有してもよいアリール基
である構造である。
【0048】この理由として、一般式(13)で示され
る重合開始剤が、メロシアニン誘導体(C)によって効
果的に光増感分解されることが要求されるが、R4 、R
5 およびR6 の内、少なくとも一つに、置換基を有して
もよいアリル基、置換基を有してもよいベンジル基、置
換基を有してもよいビニル基、もしくは置換基を有して
もよいフェナシル基を導入することによって、一般式
(13)で示される重合開始剤の電子受容性が高まり、
且つ、これらの基が優先的且つ効率的にスルホニウムま
たはオキソスルホニウムカチオンから分解する性質を帯
びることによって、フリーラジカルの発生効率が高まる
と考えられ、その結果感度の向上を図ることが可能とな
るからである。
【0049】具体的な化合物(m)ないし(s)を次に
示す。
【0050】化合物(m)
【化26】
【0051】化合物(n)
【化27】
【0052】化合物(o)
【化28】
【0053】化合物(p)
【化29】
【0054】化合物(q)
【化30】
【0055】化合物(r)
【化31】
【0056】化合物(s)
【化32】
【0057】本発明で使用のホログラム記録用感光材料
は、ビニルモノマーの単一重合体または2成分以上のビ
ニルモノマーの共重合体である高分子化合物(A)、重
合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1個以上有
する化合物(B)、およびメロシアニン誘導体(C)と
スルホニウム有機ホウ素錯体(D)からなる光重合開始
剤を、任意の濃度で適当な溶媒中に溶解させ、得られた
溶液をガラス板等の基板上に皮膜状に塗布して得ること
ができるが、ビニルモノマーの単一重合体または2成分
以上のビニルモノマーの共重合体である高分子化合物
(A)の屈折率と、重合可能なエチレン性不飽和結合を
少なくとも1個以上有する化合物(B)の屈折率との屈
折率差が0.005以上であることが好ましく、さらに
屈折率差が0.02以上であることがより好ましい。上
記各成分の配合比に特定の制限はないが、照射用レーザ
ー光の透過率が1%以上となるようにメロシアニン誘導
体(C)の濃度を調製することが好ましい。さらに必要
に応じて、各種添加剤、例えば可塑剤、連鎖移動剤、酸
化防止剤、熱重合禁止剤、レベリング剤等を添加しても
よい。
【0058】ビニルモノマーの単一重合体または2成分
以上のビニルモノマーの共重合体である高分子化合物
(A)の全感光材料中に占める量は、高回折効率を有す
るホログラム記録を行なうためには、10〜90重量
%、好ましくは、30〜70重量%である。重合可能な
エチレン性不飽和結合を少なくとも1個以上有する化合
物(B)の使用量は、支持体であるビニルモノマーの単
一重合体または2成分以上のビニルモノマーの共重合体
である高分子化合物(A)100重量部に対し10〜2
00重量部、好ましくは40〜150重量部である。上
記範囲を逸脱すると高い回折効率の維持および感度特性
の向上が困難となるので好ましくない。
【0059】本発明で使用の光重合開始剤のうち、一般
式(1)ないし一般式(12)のメロシアニン誘導体
(C)は、ビニルモノマーの単一重合体または2成分以
上のビニルモノマーの共重合体である高分子化合物
(A)100重量部に対し、0.1〜30重量部、好ま
しくは、0.5〜15重量部の範囲で使用される。使用
量は感光層膜厚と該膜厚の光学密度によって制限を受け
る。即ち、光学密度が2を越さない範囲で使用すること
が好ましい。またスルホニウム有機ホウ素錯体(D)
は、ビニルモノマーの単一重合体または2成分以上のビ
ニルモノマーの共重合体である高分子化合物(A)10
0重量部に対し、0.1〜20重量部、好ましくは1〜
15重量部の範囲で使用される。
【0060】上記のような組成比のホログラム記録感光
材料を適当な溶媒に溶解させた感光液をスピンコータ
ー、ロールコーター、ナイフコーターまたはバーコータ
ーなどを用いることによって、直接ガラス板、プラスチ
ックフィルムなどの基材上に感光膜を形成する。さら
に、その上に、酸素遮断のための保護層を形成してもよ
い。保護層は、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン、ポリビニルアルコールまたはポリエチ
レンテレフタレートなどのプラスチック製のフィルムま
たは板を貼合わせるか、前記ポリマーの溶液を塗工して
もよい。また、ガラス板を貼合わせてもよい。また、保
護層と感光膜の間(および)または、基材と感光膜の間
に、気密性を高めるために粘着剤または液状物質を存在
させてもよい。
【0061】以上にようにして得られたホログラム記録
感光材料によって形成された感光板またはフィルムは、
振動の影響を受けないようホルダーに固定したのち、H
e−Cdレーザー、Arイオンレーザー、He−Neレ
ーザー、Krイオンレーザーあるいはルビーレーザーな
どの可視光レーザーを照射し体積位相型ホログラム記録
を行なう。図1に光学系の一例を示す。
【0062】ホログラム記録された感光板またはフィル
ムは、未露光部分または露光量の少ない部分の定着のた
め、光および(または)熱を加えることを必要とする。
光は、可視光レーザーの他、カーボンアーク、高圧水銀
灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、蛍光ラン
プ、タングステンランプなどの可視光および(または)
紫外光を用いる。熱は、40℃から160℃の間で加熱
するのが好ましい。ホログラム記録された感光板または
フィルムに、光と熱を同時に加えても、光と熱を別々に
加えてもよい。また、光および(または)熱を加える前
後に、保護膜を剥離する操作をおこなってもよい。
【作用】本発明で使用のホログラム記録材料は、ビニル
モノマーの単一重合体または2成分以上のビニルモノマ
ーの共重合体である高分子化合物(A)、重合可能なエ
チレン性不飽和結合を少なくとも1個有する化合物
(B)、メロシアニン誘導体(C)とスルホニウム有機
ホウ素錯体(D)との組合せを含むことを特徴とする。
【0063】ホログラム記録において、該光重合性のホ
ログラム記録材料にレーザー光を照射すると、該レーザ
ー照射部位中干渉作用の強い部位においては、重合可能
なエチレン性不飽和結合を少なくとも1個以上有する化
合物(B)の重合反応が生じ、その際に、干渉作用の弱
い部位にある重合可能なエチレン性不飽和結合を少なく
とも1個以上有する化合物(B)は、該レーザー光の干
渉作用の強い部位へ拡散し重合する。従って、該レーザ
ー光の干渉作用の強い部位では、干渉作用の弱い部位に
比べ密度が向上し、その結果両部位間に屈折率差が生じ
ホログラムが記録される。この時、ビニルモノマーの単
一重合体または2成分以上のビニルモノマーの共重合体
である高分子化合物(A)の屈折率と、重合可能なエチ
レン性不飽和結合を少なくとも1個以上有する化合物
(B)の屈折率との屈折率差が0.005以上である場
合、該レーザー光の干渉作用の強い部位と弱い部位の屈
折率差が大きくなり、回折効率の高い体積位相型ホログ
ラムが製造されたものと推量される。さらにホログラム
記録後、光および(または)熱による後処理工程を加え
ることにより未反応であった重合可能なエチレン性不飽
和結合を少なくとも1個以上有する化合物(B)の重合
が促進され、化学的に安定な且つ経時変化のないホログ
ラムが製造される。この時、ビニルモノマーの単一重合
体または2成分以上のビニルモノマーの共重合体である
高分子化合物(A)が、架橋可能な(メタ)アクリロイ
ル基を有する場合においては、(A)と(B)との間で
架橋反応が生じ、さらに化学的に安定な且つ経時変化の
ないホログラムが製造される。また、この後処理工程に
よって、着色成分として残存していたメロシアニン誘導
体(C)が効果的に消色され、ホログラムの透明性を向
上させることになる。
【0064】
【実施例】以下実施例に基づき、本発明をより詳細に説
明する。以下の各例において、部は特に断わりのない限
り重量部を表わす。 実施例1 ポリメタクリル酸メチル 100部 フェノキシエチルアクリレート 90部 メロシアニン誘導体(化合物a) 2部 スルホニウム有機ホウ素錯体(化合物m) 5部 ジオキサン 900部 上記からなる感光液を100×125×3mmのガラス
板上に、感光液乾燥後の膜厚が7μmとなるように3ミ
ルアプリケーターを用いて塗布し、ホログラム記録用感
光板を作成した。さらに、3ミルアプリケーターでポリ
ビニルアルコールの5重量%水溶液を塗布した。この感
光板に、図1に示すホログラム作成用光学系でArイオ
ンレーザーの488nmの光を用いてホログラム露光を
実施した後、更に二光束の一方を遮断してホログラム露
光と同じ露光時間に晒し、その後120℃オーブンに1
時間おいた。回折効率は、日本分光工業(株)製ART
25C型分光光度計で測定した。該装置は、幅3mmの
スリットを有したフォトマルチメータを、試料を中心に
した半径20cmの円周上に設置できる。幅0.3mm
の単色光を試料に45度の角度で入射し、試料からの回
折光を検出した。正反射光以外で最も大きな値と、試料
を置かず直接入射光を受光したときの値との比を回折効
率とした。露光量5mJ/cm2 で、プレイバック波長
が500nm、回折効率が70%のホログラムが作製さ
れた。このホログラムを25℃、60%RHの環境下に
180日間、あるいは90℃の環境下に7日間放置して
も回折効率の低下は認められなかった。
【0065】実施例2〜12 実施例1におけるメロシアニン誘導体(a)を、メロシ
アニン誘導体(b)ないしメロシアニン誘導体(l)に
替えて、実施例1と同様の操作を行なった時の、感度特
性、回折効率、プレイバック波長及び保存安定性試験結
果を第1表にまとめて示した。尚、実施例5ないし8で
はArイオンレーザーの514nm光を、実施例9およ
び10ではHe−Neレーザーの633nm光を、実施
例12ではKrイオンレーザーの647nm光を用い
た。
【0066】実施例13〜18 実施例12におけるスルホニウム有機ホウ素錯体(m)
を、スルホニウム有機ホウ素錯体(n)ないしスルホニ
ウム有機ホウ素錯体(s)に替えた他は、実施例12と
同様の方法で操作した時の、感度特性、回折効率、プレ
イバック波長及び保存安定性試験結果を表2にまとめて
示した。
【0067】実施例19 実施例10における重合可能なモノマーを、テトラブロ
モビスフェノールAエチレンオキシド変性ジメタクリレ
ートに替えた他は、実施例10と同様の方法で操作した
時の、感度特性、回折効率、プレイバック波長及び保存
安定性試験結果を表3にまとめて示した。
【0068】実施例20 実施例10における重合可能なモノマーを、N−ビニル
カルバゾールに替えた他は、実施例10と同様の方法で
操作した時の、感度特性、回折効率、プレイバック波長
及び保存安定性試験結果を表3にまとめて示した。
【0069】実施例21 実施例10における重合可能なモノマーを、トリブロモ
フェノールトリエチレンオキシド変性アクリレートに替
えた他は、実施例10と同様の方法で操作した時の、感
度特性、回折効率、プレイバック波長及び保存安定性試
験結果を表3にまとめて示した。
【0070】実施例22 実施例10における重合可能なモノマーを、フェロセニ
ルエチルメタクリレートに替えた他は、実施例10と同
様の方法で操作した時の、感度特性、回折効率、プレイ
バック波長及び保存安定性試験結果を表3にまとめて示
した。
【0071】実施例23 実施例21におけるPMMAを、ポリ(イソボルニルメ
タクリレート)に替えた他は、実施例21と同様の方法
で操作した時の、感度特性、回折効率、プレイバック波
長及び保存安定性試験結果を表3にまとめて示した。
【0072】実施例24 実施例21におけるPMMAを、ポリ(ビニルブチラー
ル)に替えた他は、実施例21と同様の方法で操作した
時の、感度特性、回折効率、プレイバック波長及び保存
安定性試験結果を表3にまとめて示した。
【0073】実施例25 実施例21におけるPMMAを、ポリ(ビニルアセテー
ト)に替えた他は、実施例21と同様の方法で操作した
時の、感度特性、回折効率、プレイバック波長及び保存
安定性試験結果を表3にまとめて示した。
【0074】実施例26 実施例21におけるPMMAを、メチルメタクリレート
とクロロメチルスチレンとのモル比で8対2の共重合体
にアクリル酸カリウムをジメチルホルムアミド中、酸素
存在化、60℃で反応させアクリロリル基を導入した高
分子化合物(化合物t)に替えた他は、実施例21と同
様の方法で操作した時の、感度特性、回折効率、プレイ
バック波長及び保存安定性試験結果を表3にまとめて示
した。
【0075】化合物(t)
【化33】
【0076】実施例27 実施例21におけるPMMAを、メチルメタクリレート
とグリシジルメタクリレートとのモル比で8対2の共重
合体に、ジメチルアニリンを触媒としてアクリル酸をト
ルエン中、酸素存在化、60℃で反応させ、アクリロリ
ル基を導入した高分子化合物(化合物u)に替えた他
は、実施例21と同様の方法で操作した時の、感度特
性、回折効率、プレイバック波長及び保存安定性試験結
果を表3にまとめて示した。
【0077】化合物(u)
【化34】
【0078】実施例28 実施例21におけるPMMAを、メチルメタクリレート
と2−ヒドロキシエチルメタクリレートとのモル比で8
対2の共重合体に、アクリル酸クロライドをジメチルホ
ルムアミド中、酸素存在化、室温で反応させ、アクリロ
リル基を導入した高分子化合物(化合物v)に替えた他
は、実施例21と同様の方法で操作した時の、感度特
性、回折効率、プレイバック波長及び保存安定性試験結
果を表3にまとめて示した。
【0079】化合物(v)
【化35】
【0080】実施例29 実施例21におけるPMMAをポリ(p−ブロモフェニ
ルメタクリレートに、トリブロモフェノールトリエチレ
ンオキサイド変性ジアクリレートをトリフルオロエチル
アクリレートに替えた他は、実施例21と同様の方法で
操作した時の、感度特性、回折効率、プレイバック波長
及び保存安定性試験結果を表3にまとめて示した。
【0081】実施例30 実施例29におけるポリ(p−ブロモフェニル)メタク
リレートをポリ(スチレン)に替えた他は、実施例29
と同様の方法で操作した時の、感度特性、回折効率、プ
レイバック波長及び保存安定性試験結果を表3にまとめ
て示した。
【0082】実施例31 実施例21におけるPMMAをポリ(α−ナフチルスチ
レン)に、トリブロモフェノールトリエチレンオキサイ
ド変性ジアクリレートをペンタエリスリトールトリアク
リレート替えた他は、実施例21と同様の方法で操作し
た時の、感度特性、回折効率、プレイバック波長及び保
存安定性試験結果を表3にまとめて示した。
【0083】実施例32 実施例21におけるPMMAを、スチレンと無水マレイ
ン酸とのモル比で9対1の共重合体に、2−ヒドロキシ
エチルアクリレートをトルエン中、ジメチルアニリンを
触媒に用い、酸素存在化、60℃で反応させ、アクリロ
リル基を導入した高分子化合物(化合物w)に、トリブ
ロモフェノールトリエチレンオキサイド変性ジアクリレ
ートをトリフルオロエチルアクリレート替えた他は、実
施例21と同様の方法で操作した時の、感度特性、回折
効率、プレイバック波長及び保存安定性試験結果を表3
にまとめて示した。
【0084】化合物(w)
【化36】
【0085】表1
【0086】
【表1】
【0087】* 25℃、60%RH保存下における耐
久性 **90℃保存下における耐久性
【0088】表2
【0089】
【表2】
【0090】* 25℃、60%RH保存下における耐
久性 **90℃保存下における耐久性
【0091】表3
【0092】
【表3】
【0093】* 25℃、60%RH保存下における耐
久性 **90℃保存下における耐久性
【0094】
【発明の効果】本発明に依り、広い波長領域に渡って高
感度で、化学的に安定であり、かつ高解像度、高回折効
率、高透明性を有する体積位相型ホログラムを簡便に製
造することが可能となる。
【0095】
【図面の簡単な説明】
【0096】図1は、ホログラム作成用二光束露光装置
のブロック図を示す。
【0097】
【符号の説明】 1:レーザー発振装置 2:ミラー 3:レンズ 4:スペイシャルフィルター 5:ガラス板 6:感光膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03F 7/028 7/033

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニルモノマーの単一重合体または2成
    分以上のビニルモノマーの共重合体である高分子化合物
    (A)、重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも
    1個以上有する化合物(B)、メロシアニン誘導体
    (C)及びスルホニウム有機ホウ素錯体(D)の組み合
    わせを含むことを特徴とするホログラム記録材料。
  2. 【請求項2】 ビニルモノマーの単一重合体または2成
    分以上のビニルモノマーの共重合体である高分子化合物
    (A)が、架橋可能な(メタ)アクリロイル基を有する
    ことを特徴とする請求項1記載のホログラム記録材料。
  3. 【請求項3】 ビニルモノマーの単一重合体または2成
    分以上のビニルモノマーの共重合体である高分子化合物
    (A)の屈折率と、重合可能なエチレン性不飽和結合を
    少なくとも1個以上有する化合物(B)の屈折率との屈
    折率差が0.005以上であることを特徴とする請求項
    1記載のホログラム記録材料。
  4. 【請求項4】 ビニルモノマーの単一重合体または2成
    分以上のビニルモノマーの共重合体である高分子化合物
    (A)、重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも
    1個以上有する化合物(B)、メロシアニン誘導体
    (C)及びスルホニウム有機ホウ素錯体(D)の組み合
    わせを含むことを特徴とする請求項1記載のホログラム
    記録材料を用いてホログラムを製造するにあたって、該
    記録材料をホログラム露光したのち、光および(また
    は)熱を加えることを特徴とする体積位相型ホログラム
    の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7824822B2 (en) * 2002-07-12 2010-11-02 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Photosensitive compositions for volume hologram recording, photosensitive medium for volume hologram recording and volume hologram
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