JPH0617531Y2 - 防音パネル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、防音パネルに係り、中間に金属発泡体からな
る中桟及び吸音材を介在させたものである。

〔従来技術とその問題点〕

従来の防音パネルは、縦框，上框，下框からなる框組み
の裏表に表面材を貼合し、その表面材と表面材との間の
中間部にグラスウールやロツクウールなどの繊維質吸音
材を設置したものが多く用いられている。

これらは、框組みと中框とから組み立てられる枠体の、
内部空間に繊維質吸音材を挿入することにより構成さ
れ、中桟の本数を増すことにより、パネルの強度を上げ
ることはできるが、それに伴ない、パネル全体の重量が
増加してしまい、さらに、これら中桟は、一般的に吸音
能力のない木質材料であるため、框組み内における中桟
の割合が増えることにより、パネルの有する吸音能力を
主体とする防音効果は低下してしまうという欠点を有し
ていた。

また、グラスウールやロツクウール等の繊維質吸音材
は、吸湿し易く、吸湿した水分の放出が遅い性質を有す
るため、特にパネル中心部に位置する中桟が、この水分
により反りを発生したり、腐朽菌によりくさりを発生し
てしまうなどの諸問題を有していた。

このように、軽量で強度が高く、しかも防音性能にも優
れた防音パネルを得るのは困難であつた。

〔問題点を解決するための手段とその作用〕

本考案の防音パネルはこの種の防音パネルの問題点を解
決するため、次のような構成をとつたものである。

すなわち本考案は、縦框１ａ，上框２ｂ，下框２ｃから
なる框組みの表裏に表面材５を貼合してなる防音パネル
において、框組みの内部に金属発泡体からなる中桟３を
組み込み枠体Ｘを形成し、その内部空間に吸音材４を挿
入したものである。

本考案は上記構成をとることにより、軽量でかつ強度が
大きく、さらに吸音材９を枠組みＸの内部空間に組込む
ことにより、コストの低く、吸音効果の大きい防音パネ
ルを得ることを企図したものである。

〔実施例の説明〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図は、縦框１ａ，上框２ｂ，下框２ｃからなる框組
みと、その框組み内部に金属発泡体からなる中桟３を組
み込んだ枠体Ｘを示したものである。

第２図は、第１図で示される枠体Ｘの内部空間に吸音材
４を挿入した場合を示している。

ここで用いる金属発泡体からなる中桟３としては、例え
ばアルミニウムを主成分とし、これにマグネシウム，シ
リコン，チタン等の適量を混入加熱し、自然冷却し鋳造
することにより得られるアルミニウム発泡体を適当な大
きさにスライスしたものを用いる。

このアルミニウム発泡体は、独立気泡の集合体よりなセ
ル構造からなり、内部の無数独立気泡は２〜７mmであ
り、気泡率約７５〜９０％、見掛比重0.１５〜0.３５の
ものが用いられ、木材に比べ非常に軽量であるととも
に、強度もきわめて大きい。

また金属であるため後述する吸音材４と異なり、吸湿は
なく、カビの発生、くさりの発生、反りの発生が防止さ
れる。

また優れた衝撃吸収性を有し、広範囲な周波数域にわた
り高い吸音効果を有する。

気泡率は、使用目的に応じ約７５〜９０％の中で調整す
ることによつて吸音効果を一番期待する金属発泡体の選
択も容易にできる。

吸音材４としては、例えばグラスウール、ロツクウール
等の無機質繊維板、発泡ウレタン、発泡スチレン等の合
成樹脂発泡体が挙げられる。

第３図は、本考案の防音パネルを示す。

本考案の防音パネルの製造例としては、例えば、まず框
組みされた縦框１ａ，上框２ｂ下框２ｃ，及び金属発泡
体からなる中桟３から構成された枠体Ｘの片面に、合
板，繊維板およびパーテイクルボードの表面に、必要に
応じ任意下地処理を施した後、着色塗装あるいは、任意
柄模様を印刷形成されたもの、または任意柄模様が印刷
形成された紙、布、合成樹脂シートのシート状物など
の、表面材５を接着剤又はホツチキス等により貼り合せ
る。

次に枠体Ｘの内部空間に、吸音剤４を挿入し、その厚さ
を框組みの厚さと同一か、あるいは若干薄く構成する。

次に、他面に表面材５を接着剤又はホツチキス等により
貼り合わせ構成する。

第４図は、第３図のＡ−Ａ部断面図である。

第５図は、表面材５の裏面に遮音シート６を貼合したも
のを用いた態様である。ここで用いる遮音シート６とし
ては、材料として比重の大きいもの、例えば鉛、鋼板等
の金属類、ポリ塩化ビニル樹脂に金属粉、金属酸化物、
無機質粉を混合した混合物などの他、一般に遮音材質と
して公知のものをシート状に成形したものを用いる。

この様に表面材裏面に遮音性シート材６を貼合したもの
を用いることにより、防音効果は、さらに優れたものと
なる。

本考案の防音パネルは、壁板、天井板などの建築用材と
して、また把手を組み込むことによりドアとしても適用
することができる。

〔作用・効果〕

(a)本考案の防音パネルは、框組みと金属発泡体からな
る中桟３とから構成される枠体Ｘの内部空間に吸音材４
を挿入してなり、中桟３として用いる金属発泡体が軽量
で強固なため、防音パネルの強度を向上するため、その
中桟３の本数を増しても、従来のものより軽量なパネル
を得ることができる。

また、中桟３自体が広範囲な周波数域にわたり、高い吸
音効果を有するため、防音パネル中における中桟３の割
合が増えても吸音効果が低下することもない。

また、金属であるため水分により反りを発生したり、腐
朽菌によりくさりを発生することもない。

また、たとえ、吸音材４が水分により反りを発生した
り、くさりを発生したとしても、それにより強度の低
下、および吸音効果の著るしい低下を生ずることもな
い。

【図面の簡単な説明】

第１図：本考案パネルに用いる枠体Ｘの斜視図、 第２図：枠体Ｘに吸音材を挿入したときの斜視図、 第３図：本考案パネルの斜視図、 第４図：第３図Ａ−Ａ断面図の第１実施例、 第５図：同じく第２実施例、 １ａ：縦框 ２ａ：上框 ２ｃ：下框 ３：中桟 ４：吸音材 ５：表面板 ６：遮音シート Ｘ：枠体

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】縦框１ａ、上框２ｂ、下框２ｃからなる框
   組みの表裏に表面材５を貼合してなるパネルにおいて、 框組み内部に、金属発泡体からなる中棧３を組み込み枠
   体Ｘを形成し、その内部空間に吸音材４を挿入してなる
   防音パネル。
2. 【請求項２】各々の表面材５の裏面に遮音性シート６を
   貼合したものを用いる請求項１記載の防音パネル。