JPH0634991Y2 - 防音パネル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は金属発泡体を両面の表面材の間に介在させた建
築物の天井材、床材、壁材用の防音パネルに関する。

〔従来技術とその問題点〕

従来の防音パネルは、縦框、上框、下框からなる框組み
の表裏に表面材を接合し、その表面材と表面材との間の
中間部に、グラスウールやロックウールなどの繊維質吸
音材を設置したものが多く用いられている。

しかしながら、表面材は合板、中質繊維板などを基材に
その表面に化粧塗装、化粧シート状物を貼着したものが
用いられるため透湿され、内部繊維質吸音材に吸湿され
る。繊維質吸音材は吸湿水分の放出が遅く、そのために
パネル内部にカビが発生し、（カビはひどくなると框、
表面材にも現れる。）框材自体が腐朽菌によるくさりの
発生、または反りの発生（パネル自体が歪み、枠材との
間に隙間ができたりする）パネル自体の吸音性能が低下
するなどの諸問題を有していた。

さらに、これら繊維質吸音材を介在させた防音パネルの
機械的強度は表面材および芯材が有する強度のみであ
り、強度面においても十分なものではなかった。

また、このような強度問題を解決するものとして、芯材
にハニカムコアを用い、このハニカムコア内部空所にパ
ーライト、ロックウールのような充填材を充填し、充填
材の表面を接着固定したものなどが知られているが、充
填材を充填する工程が非常に煩雑であり、得られるパネ
ルの防音効果および強度も依然満足できるものではなか
った。

〔問題点を解決するための手段とその作用〕

本考案は上記のような従来の防音パネルの問題点を解決
するため縦框、上框、下框からなる框組みの表裏に表面
材を接合してなるパネルにおいて、表面材と表面材との
間の中空部に金属発泡体を配置してなる防音パネルを考
案したものである。

本考案は上記構成を採用することにより、構造が簡単で
しかもカビなどの発生もなく、防音効果の大きい防音パ
ネルを提供し得たものである。

〔実施例の説明〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。

第１図は、縦框2a、上框2b、下框2cからなる框組みと、
その表裏に接合する表面材１と、この表面材を接合した
際、表面材と表面材との中空部に、框組みの内寸法と同
一の金属発泡体３を配置する組立前の図である。

第２図は、本考案の防音パネルの斜視図であり、第３図
は、第２図のＡ−Ａ部断面図である。

ここで用いる金属発泡体としては、例えばアルミニウム
を主成分とし、これにマグネシウム、シリコン、チタン
等の適量を混入加熱し、自然冷却し鋳造することによ
り、得られるアルミニウム発泡体を適当な大きさにスラ
イスしたものを用いる。

このアルミニウム発泡体は、組立気泡ｍの集合体よりな
るセル構造からなり、内部の無数独立気泡は２〜7mmで
あり、気泡率約75〜90％見掛比重0.15〜0.35のものが用
いられ、木材に比べ非常に軽量であるとともに、極めて
強固である。

金属であるため吸湿はなく、カビの発生、くさりの発
生、反りの発生が防止される。また優れた衝撃、吸収性
を有し、広範囲な周波数域にわたり高い吸音効果を有す
る。

気泡率約75〜90％の中で使用目的に応じ吸音効果を一番
期待する金属発泡体の選択も容易にできる。

したがって、得られる防音パネルは強度および吸音効果
共に優れた性能を有する。

第４図は、金属発泡体の表面に数本の溝加工４を施した
ものの斜視図で、このような形状の金属発泡体を用いる
ことにより、さらに優れた吸音効果を得ることができ
る。また、第５図は前記溝加工４を金属発泡体の両面で
互い違いに加工したものの正面図であり、さらに、第６
図は金属発泡体内に円柱状の中空部５を設けたものの正
面図である。これらは、第４図の金属発泡体と同様、吸
音効果向上のための好ましい態様の一例である。

また、第７図のように金属発泡体の表面に圧縮加工を施
すことにより、無数の独立気泡ｍからなるセル構造に、
微細なわれ６を生じさせ、気泡同志をつなぐことにより
通気性多孔体として高い吸音効果を得ることもできる。

本考案の防音パネルの製造方法としては、例えば一方の
表面材の裏面一面に接着材を塗布し、框組みと圧着接合
する。次いで、框組みの内寸法と同一の金属発泡体をは
め込み、さらに裏面一面に接着剤を塗布したもう一方の
表面材を圧着接合する。

また、これらの接合は、接着剤に加え、ホッチキスもし
くは釘により固定するのが好ましい。

本考案の防音パネルは、壁板、天井板などの建築用材と
してまた把手を組み込むことにより、ドアとして適用で
きる。

〔考案の効果〕

本考案の防音扉は、框組みと両面の表面材と表面材との
間の中空部に金属発泡体を配置することによって、框お
よび表面材の強度に金属発泡体の強度が加わることによ
り、軽量であるが、高い強度を有し、さらに広範囲の周
波数域にわたる高い防音効果を有し、その防音効果も湿
気等に影響されることもない優れた防音パネルである。

【図面の簡単な説明】

第１図：本考案防音パネルの分解斜視図、 第２図：同じく斜視図、 第３図：第２図III−III矢視図、 第４図：溝加工を施した場合の斜視図、 第５図：金属発泡体に溝加工を両面で摺らせた場合の断
面図、 第６図：同じく中空部を設けた場合の断面図、 第７図：金属発泡体の表面を圧縮加工したときの断面
図、 1:表面材、 2a:縦框、 2b:上框、 2c:下框、 3:金属発泡体、 4:溝加工、 5:円柱状の中空部、 6:われ、 m:独立気泡。

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】縦框、上框、下框からなる框組みの両面に
   表面材を接合してなるパネルにおいて、両面の表面材と
   表面材との間の中空部に金属発泡体を配置してなる防音
   パネル。
2. 【請求項２】金属発泡体の表面に数本の溝加工を程こし
   たものを用いる請求項１記載の防音パネル。
3. 【請求項３】内部に円柱状の中空部を設けた金属発泡体
   を用いる請求項１記載の防音パネル。
4. 【請求項４】表面に圧縮加工を施した金属発泡体を用い
   る請求項１記載の防音パネル。
5. 【請求項５】アルミニウムを主成分とする金属発泡体を
   用いる請求項１記載の防音パネル。