JPS6329768Y2

JPS6329768Y2 -

Info

Publication number: JPS6329768Y2
Application number: JP16818083U
Authority: JP
Priority date: 1983-10-29
Filing date: 1983-10-29
Publication date: 1988-08-10
Also published as: JPS6075510U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、オーデイオルーム，ピアノ室，スタ
ジオ，ホール等の壁面等に取付けられて優れた吸
音効果を発揮する化粧吸音体に関する。

（従来技術）従来、この種の化粧吸音体の吸音材料として、
オーデイオルーム，ピアノ室，スタジオ，ホー
ル，音楽教室等においては、各目的に応じた音響
効果を得るために、室の形状および内装仕上材等
に配慮がなされて、特に残響時間の調整の目的
で、有孔合板やロツクウール吸音材、ガラス繊維
板等の各種吸音材料が用いられている。しかし、
室内における反響音の拡散状態は、音源の位置や
家具等のインテリアの配置等によつて変化するた
め、配置変え等で吸音性のバランスがくずれて、
必ずしも一定した音響効果が得られないという問
題があつた。

また、一般住宅のピアノ室やオーデイオルーム
においては、充分な広さを確保することが困難で
あるため、家具等による反響の影響が大きく、残
響時間が長くなる傾向があり、内装材のみの吸音
性能だけでは充分な音響効果を得難いという問題
があつた。

一方、音響調整のために、室内の各所にグラス
ウール成形体等の吸音性に優れた繊維質吸音材を
設けることが考えられる。しかし、このような吸
音材は脆弱で取扱い難く、室内で取付け取外し等
の位置変えを行うと破損したり、繊維くずが飛散
する等の問題があり、また、化粧性も劣るという
問題もある。

また、ロツクウールやグラスウールマツト等の
吸音材表面に多数の通気孔を設けた有孔板を貼着
したものが表面物性の優れた吸音材として知られ
ている。しかし、上記構成のものは、吸音材と同
程度の吸音率を得るには有孔板の開口率を0.2〜
0.3以上の大きな開口率にする必要があり、吸音
材に吸音率の高いかさ密度10〜150Kg／m³のグラ
スウールマツト等を使用する場合には、吸音材が
圧縮変形し易いために開口率を大きくすると衝撃
等で変形し易いという問題があつた。従つて、特
に表面強度が要求される部位には開口率の小さい
ものを使用せざるを得ないため、吸音性並びに化
粧性が悪いという問題があつた。

（考案の目的）本考案の目的は、かかる点に鑑み、オーデイオ
ルーム，ピアノ室等の壁面に取付けて室の音響調
整ができるようにし、かつ上記吸音材の吸音性能
が低下しないように化粧パネルの開口率を大きく
とつても、圧縮変形することがなく、強度的にも
優れた化粧吸音体を提供することにある。

（考案の構成）上記目的を達成するため、本考案の解決手段
は、多数の通気孔が開口率0.3以上に設けられた
硬質板よりなる化粧パネルの裏面に、該通気孔よ
りも径の大きな貫通孔が複数設けられた比重0.2
〜0.6の繊維板よりなる吸音板を配設すると共に、
該吸音板裏面にかさ密度が10〜150Kg／m³のグラ
スウール又はロツクウール等の綿状体よりなる吸
音マツトを配設した積層体よりなるものである。

このことにより、化粧パネルの開口率を0.3以
上の大きな開口率にして形成しても、表面からの
衝撃力が弾力性および緩衝性に優れた繊維板（吸
音板）によつて緩和されるとともに、化粧パネル
により入つた音が吸音板表面並びに貫通孔壁面と
貫通孔底部の吸音マツトで効率良く吸音されるよ
うにしたものである。

（考案の効果）したがつて、本考案の化粧吸音体によれば、表
面の化粧パネルにより優れた化粧性を有するのは
勿論のこと、該化粧パネルの開口率を0.3以上の
大きな開口率にしても、表面からの衝撃力が弾力
性および緩衝性に優れた繊維板によつて緩和され
るので、吸音マツトが圧縮変形等を生じることが
なく強度的に優れ、表面化粧パネルが破損せずに
腰壁等の衝撃を受け易い部分に使用することがで
きる。しかも、化粧パネルの開口率を0.3以上に
したことにより、表面に化粧パネルを設けていて
も吸音性能が低下せず、吸音材と同程度の吸音率
が得られることから、化粧パネルより入つた音
を、吸音板表面並びに貫通孔壁面と貫通孔底部の
吸音マツトで効率良く吸音することができ、さら
に、吸音板と化粧パネルの下面にかさ密度の低い
吸音マツトが配されていることにより、吸音板の
板振動による吸音効果が得られるので、50〜4000
Hzにおいてきわめて高い吸音性を発揮できる。よ
つて、オーデイオルーム，ピアノ室などの壁面に
取付けて室の音響調整を行うことができる、吸音
性，化粧性および強度性に優れた化粧吸音体を提
供することができる。

（実施例）以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。

第１図は本考案の実施例に係る化粧吸音体Ａを
示し、１は、硬質板よりなる矩形板状の化粧パネ
ルであり、化粧パネル１には多数の径の小さい通
気孔１ａが設けられ、該通気孔１ａの開口率は
0.3以上に設定されている。尚、上記化粧パネル
１の厚さは0.3〜2.0mmに、好ましくは0.3〜0.6mm
が最適であり、また、その材料は金属板，プラス
チツク板、木質板等、特に限定されない。

上記化粧パネル１の裏面には、比重0.2〜0.6，
厚さ７〜30mmのロツクウール又は木質繊維，合成
繊維等の繊維材料を主成分とした繊維板よりなる
吸音板２が配設されている。該吸音板２には、上
記化粧パネル１の通気孔１ａより径の大きな、即
ち10〜100mmぐらいの径の貫通孔２ａが開口率0.1
〜0.3の範囲で多数縦横に設けられている。さら
に、上記吸音板２の裏面には、かさ密度が10〜
150Kg／m³のグラスウール又はロツクウール等の
綿状体よりなる板状の吸音マツト３が配設されて
いて、これら化粧パネル１、吸音板２および吸音
マツト３の３者による積層体６によつて本考案に
係る化粧吸音体Ａが構成されている。また、上記
積層体６の周辺部には断面略コ字状の枠体４が装
着され、該枠体４の四隅裏面には弾性脚体５が設
けられており、また積層体６（吸音マツト３）に
は、ネツト状の布状物７が配設されている。尚、
２ｂは吸音板２の表面に設けられた格子状の凹条
溝である。

上記積層体Ａは、接着により一体化してもよ
く、単に積層して枠体４内に装着して構成しても
よく、また、第３図および第４図に示すように、
化粧パネル１の側端部を延長して該延長部分１ｂ
を裏面周辺まで折曲して巻き込んで形成してもよ
い。尚、接着によつて、積層体６を製造する場
合、化粧パネル１裏面および吸音板２裏面に接着
剤を塗布して、吸音板２や吸音マツト３表面の空
隙をつぶさないようにし、かつ、露出部分には接
着剤が付着しないようにすることが、これら吸音
材の吸音性能を損わない点で好ましい。

したがつて、上記の如き構成からなる化粧吸音
体Ａは、化粧パネル１の通気孔１ａより侵入した
音が、吸音板２の貫通孔２ａの周壁面および吸音
板２裏面の吸音マツト３によつて効果的に吸収さ
れる。即ち、単に、化粧パネル１を吸音マツト３
に貼着したものでは化粧パネル１の開口部に現出
させた吸音マツト３表面でのみ吸音されるが、本
考案の場合、通気孔１ａと貫通孔２ａの重合部分
において、吸音する表面積が貫通孔２ａ周壁面並
びに表面の凹条溝２ｂで著しく増大されており、
高い吸音性を発揮することができる。

また、吸音板２の下面にポーラスな吸音マツト
３が配されるので、化粧パネル１および吸音板２
に板振動が生じるようになり、吸音マツト３で吸
収しきれない音を吸音板２や化粧パネル１の板振
動によつて吸収し、50〜4000Hzの中高域において
も高い吸音性を発揮することができる。

また、化粧パネル１は、吸音板２の表面を保護
すると共に、開口率が大きいので、貫通孔２ａが
透視でき、下面の貫通孔２ａと相俟つて変化に富
んだ陰影模様を現出し、化粧性の優れたものとな
る。

さらに、吸音板２は、吸音性と共に緩衝性に富
み、化粧パネル１を下面より支持して衝撃による
吸音マツト３および化粧パネル１の変形を防止す
ることができるので化粧パネル１の開口率を0.3
以上の大きな開口率に形成しても、圧縮変形する
ことがなく、強度的にも優れたものとなる。

よつて、上記化粧吸音体Ａを腰壁等の衝撃を受
け易い部位に使用して室の音響調整を容易に行う
ことができ、しかも、室内で取付け取外し等の位
置変えを行つても容易に破損することがなく、繊
維くずが飛散することもない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を例示し、第１図は一実
施例の化粧吸音体の断面図、第２図は同斜視図、
第３図および第４図はそれぞれ他の実施例の断面
図および斜視図である。１……化粧パネル、１ａ……通気孔、２……吸
音板、２ａ……貫通孔、３……吸音マツト、４…
…枠体、６……積層体。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】 (1) 多数の通気孔が開口率0.3以上に設けられた
硬質板よりなる化粧パネルの裏面に、該通気孔
よりも径の大きな貫通孔が複数設けられた比重
0.2〜0.6の繊維板よりなる吸音板が配設されて
いると共に、該吸音板裏面にかさ密度が10〜
150Kg／m³のグラスウール又はロツクウール等
の綿状体よりなる吸音マツトが配設された積層
体よりなる化粧吸音体。 (2) 積層体は、その周辺部に枠体が装着されてい
る実用新案登録請求の範囲第(1)項記載の化粧吸
音体。 (3) 化粧パネルは、その側端部が、吸音板および
吸音マツトの側面に沿つて屈曲されている実用
新案登録請求の範囲第(1)項記載の化粧吸音体。