JPH0352441Y2

JPH0352441Y2 -

Info

Publication number: JPH0352441Y2
Application number: JP1985173828U
Authority: JP
Priority date: 1985-11-12
Filing date: 1985-11-12
Publication date: 1991-11-13
Also published as: JPS6285150U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕この考案は、楽器演奏室やリスニングルームに
設置するための楽譜やレコード等の収納ユニツト
に関する。

〔従来の技術〕

従来の楽譜やレコード等の収納ケースは、木製
またはガラス製の扉が付いているために音響的に
は反射性となり、吸音力の必要な楽器演奏室やリ
スニングルーム等に設置すると、室内吸音力の不
足あるいは壁の吸音面配置の崩れ等音響特性上不
都合が生じる欠点があつた。そこで、リスニング
ルームの壁面に沿つて配置される収納家具に吸音
特性を持たせるために、収納家具の扉に吸音パネ
ルを使用することが提案されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

収納家具の扉を吸音パネルで構成する場合、低
音から高音まで吸音するには吸音パネルが厚くな
りすぎ、扉として適さなくなる。一方、比較的薄
い吸音パネルは中高音に対しては吸音効果を有す
るが、低音吸収性が劣り、これを扉に使用する
と、吸音パネルを透過した低音は背面板を通して
後に漏れてしまう。

この考案は、上述の点に鑑みてなされたもの
で、扉に中高音を吸音する吸音板を使用した場合
の後方への低音の漏れを防止した収納ユニツトを
提供しようとするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案は、室内の壁面に沿つて配置され、扉
が中高音を吸収する吸音板で作られ、内部に収納
用の空間が形成された収納ユニツトにおいて、背
面板が遮音体としての遮音作用を有するように構
成された遮音板で作られていることを特徴とする
ものである。

〔作用〕

この考案によれば、扉と収納用空間と背面板と
の組合せが、リスニングルームの壁面構造として
必要な吸音体＋空気層＋遮音体の組合せ構造を実
現する。したがつて、扉（吸音体）で中高音の吸
音、収納用空間（空気層）で低音吸収性能の向
上、遮音板（遮音体）で後方への低音の漏れ防止
が実現され、特に低音の吸音力が不足する小さな
部屋に設置したときに効果的である。

〔実施例〕

この考案の一実施例を第１図に示す。また、そ
の平面図を第２図に示す。

第１図において、サウンドルーム１０は、床部２
０、壁部２２、天井部２４で全体が構成されてい
る。壁部２２、天井部２４は遮音構造となつてい
る。

天井部２４の内面には、吸音または反射効果を
有する天井パネル２６が全体に貼り付けられてい
る。天井部２４には、埋込照明２８、吸音マイク
（図示せず）等が設置されている。

壁部２２と天井部２４との間の突合せ部には、
部屋の全周にわたり側天井３２が約45°に傾斜し
て構成されている。側天井３２の内部にはグラス
ウール３８が充填されて、低音吸収部３９を構成
している。すなわち、低音吸収部３９は、２面が
壁部２２と天井部２４にそれぞれ沿い、１面が部
屋内下方に斜めに臨むように断面略３角形状に構
成されている。また、低音吸収部３９の内部に
は、換気扇ユニツト、空調関連機器等（図示せ
ず）が収納されている。また、側天井３２，３
２，３２，３２の各コーナ部には、スピーカ装置
３６，３６，３６，３６がそれぞれ設けられてい
る（手前側については図示せず。）。

壁部２２には、音響パネル４０が、上下部をそ
れぞれ支持されて取り付けられている。この音響
パネル４０は一方の面が吸音面に他方の面が反射
面に構成され、あるものは吸音面を表にして、他
のものは反射面を表にしてそれぞれ着脱自在に取
り付けられている。吸音面側を表にするものと反
射面側を表にするものの組合せにより、所望の音
響特性（特に中高音の）が得られる。

壁部２２には、大型画面スクリーン４８、防音
窓ユニツト５２、ドア５５（第２図）等が配設さ
れている。また、収納ユニツト５２が配設され、
その扉５３は音響パネルで構成されている。収納
ユニツト５２，５２，…相互の接合部５９には、
その部分からの音漏れを防ぐため、連結手段が介
挿されている（第６図、第７図参照）。

部屋の内部には、大型画面スクリーン４８を挟
んで両側にメインスピーカ装置５１，５１が配置
されている。また、メインスピーカ装置５１，５
１の前方の聴取位置にはいす５０が配置されてい
る。また、床部２０にはカーペツト２１が敷かれ
ている。

次に、音響パネル４０の構造を第３図に分解し
て示す。

この音響パネル４０は、グラスウール７０の一
方の面に合板７２を貼り付け、これを枠体７４に
はめ込み、全体にクロス（ジヤージ）７６を被せ
て構成されている。枠体７０の上部、下部には、
この音響パネル４０を部屋の壁部２２に着脱可能
に取り付けるための固定金具４１，４３が装着さ
れる。グラスウール７０側が吸音面を構成し、合
板７２側が反射面を構成して、使用する目的に応
じていずれか一方の面を表にして用いる。

次に収納ユニツト５２について説明する。

第４図は、収納ユニツト５２を２個組合わせた
状態で示したものである。この収納ユニツト５２
は、前面の扉５３が吸音板で構成され、背面板が
遮音板６０で構成され、内部に楽譜やレコード等
の収納空間６２が形成されている。

吸音板としての扉５３は、前記第３図に示した
音響パネル４０または第５図に示す構成のもの等
を用いることができる。音響パネル４０を用いる
場合は吸音面側を表にして用いると吸音性にな
る。第５図の扉５３は、グラスウール、木粉など
の多孔質吸音材６４を挟んで、表側に木のスリツ
トまたは極薄木皮など木質系の通気性表面材６６
を貼り付け、裏側にネツトなどの通気性背面保護
材６８を貼り付けたものである。

収納ユニツト５２，５２間の接合部５９には、
第６図に示すように、音漏れを防いで遮音性能を
保持するために、発泡ウレタンまたはモヘヤなど
の連結手段８６が介挿されている。また、第７図
に示すように接合部５９をクランク状にすれば、
より遮音性能を向上させることができる。

以上の構成の収納ユニツト５２によれば、前面
扉５３が吸音板として作用し、特に中高音の吸音
を行なう。また、前面扉５３の背後の収納空間６
２が空気層として作用して、低音域まで吸音力が
有効に作用する。さらに、この収納ユニツト５２
は、背面の遮音板６０（背面板）が遮音壁、遮音
間仕切として作用し、後方への低音の漏れを防止
することができる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、この考案によれば、扉と
収納用空間と背面板との組合せが、リスニングル
ームの壁面構造として必要な吸音体＋空気層＋遮
音体の組合せ構造を実現するので、扉（吸音体）
で中高音の吸音、収納用空間（空気層）で低音吸
収性能の向上、遮音板（遮音体）で後方への低音
の漏れ防止が実現され、特に低音の吸音力が不足
する小さな部屋に設置したときに効果的である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の一実施例を示す透視図で
ある。第２図は、第１図の部屋の平面図である。
第３図は第１図における音響パネル４０の分解斜
視図である。第４図は、収音ユニツト５２の斜視
図である。第５図は、扉５３の一実施例を示す平
面図である。第６図、第７図は、接合部５９の構
成を示す平面図である。５２…収納ユニツト、５３…扉（吸音板）、５
９…接合部、６０…背面板（遮音板）、６２…収
納空間、８２…連結部材。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】室内の壁面に沿つて配置され、扉が中高音を吸
収する吸音板で作られ、内部に収納用の空間が形
成された収納ユニツトにおいて、背面板が遮音体としての遮音作用を有するよう
に構成された遮音板で作られていることを特徴と
する収納ユニツト。