JP3171356B2 - 床構造 - Google Patents

床構造

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、床構造、特に壁際の
構造に工夫を施した床構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の床構造としては、図18に示すよ
うに、床材1の壁際の端部を際根太2上に載置し、際根
太2及び床材1の端部は壁10に密接させていた。ま
た、床材1の端部側上面には巾木100を設けていた。
際根太2はコンクリートスラブ等の床基盤11上に設
け、床材1の下方には床下空間12が形成されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の際根太2は壁1
0と床基盤11に固着され、巾木100もムクのものが
使用されていたので、床上の空気と床下空間12の空気
との流通が図られていなかった。そのため、床下空気の
圧縮膨張により振動が増幅されてしまっていた。また、
際根太2の個所に床衝撃音が加えられると、壁10や床
基盤11に振動が伝達し、階下へ振動音が伝わるという
不都合もあった。
【0004】そこで、この発明は、床下空気の圧縮膨張
や際根太を介した音の伝播を防止し、防振及び防音を図
った床構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、この発明は、床材と壁から離間された際根太との間
又は/及び壁面と際根太との間に防振材を介在させ、巾
木に壁面と床材との間に形成された空隙と床上空間とを
連通させる第1空気連通路を設け、上記空隙と床下空間
との間にも第2空気連通路を設けたものである。
【0006】
【作用】床下空間の空気は床上の空気と流通が図られる
ことにより、床下空気の圧縮膨張は発生せず、振動の増
幅は生じない。また、際根太に加えられた床衝撃音は防
振材により緩衝され、壁に伝達することもなく、防音,
防振効果が図れる。
【0007】
【実施例】以下に、この発明の好適な実施例を図面を参
照にして説明する。
【0008】図1に示す実施例では、コンクリートスラ
ブ等の床基盤11上から所定の間隔を設けて床材1を施
工することにより、床下空間12が形成され、壁10の
個所で床材1の端部は際根太2で支持されている。壁際
の床材1の上には巾木3が設けてある。床材1と壁10
との間には空隙4が形成されている。また、壁10と際
根太2との間も離間されている。際根太2と床材1との
間には防振材5を設けてある。また、壁10と際根太2
との間にも防振材6を設けてある。この防振材6には所
定間隔をおいて床下空間12と空隙4との間を連通させ
る第2空気連通路7となる貫通孔を設けてある。前記巾
木3にも空隙4と床上空間とを連通させる第1空気連通
路8を設けてある。際根太2は、長尺の角材21を支持
脚22で支持したものを用い、この支持脚22の下端に
はゴム23を取付けてあり、このゴム23が床基盤11
に接地している。この支持脚22は両端に互いに反対方
向に刻設されたねじが形成してあり、角材21の高さを
調節できるようになっている。
【0009】図2に示す第2実施例では、第1空気連通
路8をルーバー状に形成した例を示し、第2空気連通路
7は角材21上の防振材5を途中で所定の間隔を開けて
複数設け、防振材5の間隔を開けた個所に形成したもの
である(図6参照)。
【0010】図3に示す第3実施例では、巾木3に形成
される第1空気連通路8を櫛形に形成した例を示すもの
であり、第2空気連通路7は、図2に示すものと同様に
形成してある。
【0011】図4に示す第4実施例では、巾木3に形成
される第1空気連通路8の形状を変えた例を示すもので
ある。また、図5に示す第5実施例も巾木3に形成され
る第1空気連通路8の形状を変えた例を示すものであ
る。
【0012】図6は、第2乃至第5実施例に示す実施例
における第2空気連通路7を示す。角材21の長手方向
に防振材5を複数設け、これら防振材5の間隔を開け、
これらの開けられた間隔に第2空気連通路7を形成した
ものである。
【0013】図7は、第1実施例で示す防振材6に第2
空気連通路7を形成した例を示すものであり、図8はこ
の第2空気連通路7を形成する貫通孔の形状が四角形の
ものを示す。
【0014】図9に示す防振材6は、第2空気連通路7
を防振材5の個所に形成した場合の防振材6を示すもの
である。
【0015】また、防振材5の床材1と接触する部分に
は、図10乃至図12に示すように断面半円形状や角形
あるいは三角形状の突起51を形成しておき、床材1を
柔らかく支持するようにした例を示す。防振材5,6
は、ゴム又は発泡プラスチック等の材料から成り、ある
いは通気性発泡体やグラスウール等の無機繊維や不織布
等から形成される。また、防振材6の壁10と接触する
面に粘着加工等を施しておくことにより、壁10への仮
固定ができ、施工が容易となる。また防振材5は厚さ1
〜10mm程度で望ましくは2mm程度のものが使用でき
る。また、防振材5,6は夫々材料を異にしてもよい。
【0016】図13乃至図15に示す防振材5は、図6
に示すように角材21上に複数使用されるものであり、
それぞれ平面図を示し、中心部に丸孔や角孔あるいは左
右一対の長孔を形成した例を示すものである。このよう
な孔を形成することにより防振材5の弾性を変化させる
ことができる。
【0017】図16に示す第6実施例では、際根太2を
角材21のみで構成した例を示す。この実施例では、防
振材5,6を両方使用する。
【0018】図17に示すグラフは、符号Iで示すもの
がコンクリートスラブの床基盤11上に直接床材1を施
工したものを示し、符号IIは図18に示す従来の床構造
であり、符号III は図1に示すこの発明の第1実施例の
ものである。このグラフは、JIS A 1418に基
づいて重量衝撃源を用いて実施したものであり、コンク
リートスラブの厚みは150mmとした。このグラフから
も明らかなようにこの発明の床構造では、床衝撃音に対
する防振性能が高い。
【0019】床材1は図示した支持脚22と同様の高さ
調整可能な支持脚で支持され、所定の大きさの床下地用
パネルにこの支持脚が設けられ、これらパネルを敷き並
べ、その上に捨張材を施工し、捨張材上に仕上材を貼付
したものが好適に使用できる。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、床材と壁から離間された際根太との間又は/及び壁
面と際根太との間に防振材を介在させ、巾木に壁面と床
材との間に形成された空隙と床上空間とを連通させる第
1空気連通路を設け、上記空隙と床下空間との間にも第
2空気連通路を設けたので、床下空間の空気が圧縮膨張
されることはなくなり、振動の増幅も抑制される。ま
た、壁際において、際根太が壁に密接して設けられず、
防振材を用いていることにより、床衝撃音特に重量床衝
撃音に対して効果的に防音,防振効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例を示す斜視図。
【図2】第2実施例を示す斜視図。
【図3】第3実施例を示す斜視図。
【図4】第4実施例を示す斜視図。
【図5】第5実施例を示す斜視図。
【図6】際根太上に第2空気連通路を形成した例を示す
斜視図。
【図7】第1空気連通路を形成した防振材の斜視図。
【図8】第2空気連通路を形成した防振材の他の例を示
す斜視図。
【図9】貫通孔を形成していない防振材を示す斜視図。
【図10】際根太上に設けられる突起付きの防振材の正
面図。
【図11】図10と同様の防振材であり突起の形状を変
更した例を示す正面図。
【図12】図10と同様の防振材であり突起の形状をさ
らに変更した例を示す正面図。
【図13】防振材の平面図。
【図14】防振材の他の例を示す平面図。
【図15】防振材の別の例を示す平面図。
【図16】第6実施例を示す断面図。
【図17】床衝撃音の比較グラフ。
【図18】従来例を示す斜視図。
【符号の説明】
1 床材 2 際根太 3 巾木 4 空隙 5,6 防振材 7 第2空気連通路 8 第1空気連通路 10 壁 11 床基盤 12 床下空間

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリートスラブ等の床基盤上から所
    定の間隔を設けて床材を施工することにより床下空間が
    形成され、壁際で床材の端部は際根太で支持され、壁際
    の床上に巾木が設けられた床構造において、 床材と壁から離間された際根太との間又は/及び壁面と
    際根太との間に防振材を介在させ、 巾木に壁面と床材との間に形成された空隙と床上空間と
    を連通させる第1空気連通路を設け、 上記空隙と床下空間との間にも第2空気連通路を設けた
    ことを特徴とする床構造。
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