JPH06174158A

JPH06174158A - 気体流路の結合部構造

Info

Publication number: JPH06174158A
Application number: JP4333017A
Authority: JP
Inventors: Nobuo Takei; 宣夫竹井
Original assignee: Mitsubishi Motors Corp
Current assignee: Mitsubishi Motors Corp
Priority date: 1992-12-14
Filing date: 1992-12-14
Publication date: 1994-06-24

Abstract

(57)【要約】【目的】本発明は、樹脂製のインテークマニホールド
等の気体流路の結合部に用いて好適の、気体流路の結合
部構造に関し、気体流路を形成する管状部材間の結合部
の気密性を確保しながら両部材間を弾性的に結合して相
互の振動伝達を防止できるようにすることを目的とす
る。【構成】気体流路１０を形成すべく結合された２つの
管状部材１，４と、管状部材１，４間に介設されたゴム
ガスケット３とをそなえ、環状部材１，４のゴムガスケ
ット３との密着面に環状溝６を形成し、ゴムガスケット
３に環状溝６内へ嵌入する環状リップ８を形成し、環状
リップ８の先端部８Ｃを、気体流路１０内の内圧変動に
応じて、周内方向又は周外方向へ撓みながら、環状溝６
の内周側壁面６Ａ又は外周側壁面６Ｂへ密着しうる柔軟
構造に形成するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、樹脂製のインテークマ
ニホールド等の、気体流路の結合部に用いて好適の、気
体流路の結合部構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、エンジンのインテークマニホール
ドは、鋳鉄や鋼、あるいはアルミニウム合金等の材料を
用いて形成されている場合が多いが、エンジンの軽量化
等の要件から、上述のような材料よりもさらに軽量な樹
脂により形成された、樹脂製インテークマニホールドが
開発されている。

【０００３】このような樹脂製インテークマニホールド
は、下流側でガスケットを介してアルミニウム製のロア
インテークマニホールドの一端に接続されており、ロア
インテークマニホールドの他端が図示しないシリンダヘ
ッドに接続されている。そして、通常は樹脂製インテー
クマニホールドとアルミニウム製ロアインテークマニホ
ールドとは、各マニホールド端部のフランジ部におい
て、上述のガスケットを挟んでボルトにより締結されて
いる。

【０００４】ところで、このような樹脂製インテークマ
ニホールドは、一般に、従来の金属製インテークマニホ
ールドよりも材質的に強度が劣るため、例えば、耐久性
において不利になることが考えられる。つまり、従来の
インテークマニホールドの結合部の構造では、エンジン
の振動が直接インテークマニホールドに伝達されてし
い、樹脂製インテークマニホールドが疲労してしまうの
である。

【０００５】特に、樹脂製インテークマニホールドで
は、例えば、管の曲げ部に大きな負担が加えられる傾向
にある。そこで、エンジンの振動等による入力に対して
防振対策が必要となるが、これには、以下のようにすれ
ばよい。すなわち、インテークマニホールドの結合部
に、従来のガスケットに替えて弾性部材により形成され
たゴムガスケットを設け、このゴムガスケットにより、
インテークマニホールドに伝達される振動を吸収し、防
振するのである。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなゴムガスケットは、材質的に樹脂や金属よりも熱等
に対する経時劣化が顕著であるため、インテークマニホ
ールド等の気体流路の結合部の気密性を長期間確保する
のが困難であるという課題がある。本発明は、このよう
な課題に鑑み創案されたもので、インテークマニホール
ド等の気体流路を形成する管状部材間の結合部を、その
気密性を確保しながら、相互間の振動伝達を防止すべく
弾性的に結合できるようにした、気体流路の結合部構造
を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】このため、本発明の気体
流路の結合部構造は、気体流路を形成すべく結合された
２つの管状部材と、該管状部材間の継ぎ目に介設された
ゴムガスケットとをそなえ、該環状部材の該ゴムガスケ
ットとの密着面に環状溝が形成されるとともに、該ゴム
ガスケットに該環状溝内へ嵌入する環状リップが形成さ
れ、該環状リップの先端部が、該気体流路内の内圧変動
に応じて、周内方向又は周外方向へ撓みながら、該環状
溝の内周側壁面又は外周側壁面へ密着しうる柔軟構造に
形成されていることを特徴としている。

【０００８】

【作用】上述の本発明の気体流路の結合部構造では、２
つの管状部材が気体流路を形成すべくゴムガスケットを
介して結合されている。この時、環状部材のゴムガスケ
ットとの密着面に環状溝が設けられており、この環状溝
にゴムガスケットに設けられた環状リップが嵌入する。

【０００９】そして、この環状リップの先端部が、気体
流路内の内圧変動に応じて環状溝の壁面に密着して気密
性が確保される。つまり、気体流路内の内圧が正圧の時
は、環状リップの先端部が周外方向へ撓みながら、環状
溝の外周側壁面に密着し、負圧の時は、環状リップの先
端部が周内方向へ撓みながら、環状溝の内周側壁面に密
着する。

【００１０】

【実施例】以下、図面により、本発明の一実施例として
の気体流路の結合部構造について説明すると、図１はそ
の要部構成を示す模式的な断面図であって図２における
Ａ−Ａ断面図，図２はその全体構成を示す模式図，図３
及び図４はいずれもその作用を説明するための模式的な
断面図であって図１におけるＢ部拡大図である。

【００１１】エンジンには、吸気流が流通する管状部材
としてのインテークマニホールドが設けられている。本
インテークマニホールド１は、図２に示すように、樹脂
材により形成された樹脂製インテークマニホールドであ
り、樹脂製インテークマニホールド１の下流部では、弾
性部材により形成されたゴムガスケット３を介して、や
はり管状部材としてのアルミニウム製のロアインテーク
マニホールド４に結合されている。

【００１２】このロアインテークマニホールド４は、さ
らに下流側で各気筒数に応じて分岐して形成され、図示
しないシリンダヘッドに各気筒毎に接続されている。そ
して、このインテークマニホールド１とロアインテーク
マニホールド４とにより気体流路１０が構成されてい
る。そして、インテークマニホールド１とロアインテー
クマニホールド４とは、上述のゴムガスケット３を介し
て、インテークマニホールド１のフランジ部１１におい
てボルト５により締結されており、このゴムガスケット
３の弾性により、エンジンからの振動が防振されるよう
になっている。

【００１３】なお、ゴムガスケット３は、例えばアクリ
ルゴムやフッ素ゴムやＮＢＲ（ニトリルブタジエンゴ
ム）等の材料により形成されている。また、図２中、符
号２は吸気脈動を打ち消すために設けられたサージタン
クである。また、図１に示すように、インテークマニホ
ールド１及びロアインテークマニホールド４のゴムガス
ケット３が密着する面１Ａ，４Ａには、それぞれ２つの
環状溝６，７が設けられている。

【００１４】また、ゴムガスケット３の環状溝６，７に
対する部位には、環状リップ８，９が設けられており、
これらの環状リップ８，９は、ゴムガスケット３の本体
と一体に形成されている。そして、これらの環状リップ
（以下、単にリップという）８，９は、上述の２つの環
状溝６，７に嵌入するようになっており、これにより気
体流路１０内の気密性を保持できるようになっている。

【００１５】また、これらリップ８，９のうちのリップ
９は、Ｏリング状のリップであり、このリップ９が環状
溝７に嵌入することにより、インテークマニホールド１
とロアインテークマニホールド４とがシールされる。ま
た、リップ８は、リップ９よりも内周側に設けられた比
較的薄いバリ状のリップであり、気体流路１０内の吸気
圧の変動に応じて、リップ８の先端部８Ｃが気体流路１
０の周内方向又は周外方向へ撓むような柔軟構造になっ
ている。

【００１６】そして、このようにリップ先端部８Ｃが撓
むことにより、リップ８の内周面８Ａ又は外周面８Ｂが
環状溝６の内周側壁面６Ａ又は外周側壁面６Ｂに容易に
密着しうるようになっている。そして、これにより、イ
ンテークマニホールド１とロアインテークマニホールド
４との気密性がさらに確実に確保されるようになってい
る。

【００１７】なお、図１中符号Ｆは、吸気流の流れを示
している。本発明の一実施例としての気体流路の結合部
構造は上述のように構成されているので、以下のように
作用する。まず、気体流路１０の内圧が正圧の時は、図
３に示すように、気体流路１０内からの吸気圧により、
リップ先端部８Ｃが周外方向（図中左側）へ押圧されて
撓み、リップ８の外周面８Ｂが環状溝６の外周側壁面６
Ｂに密着する。

【００１８】これにより、気体流路１０の気密性が確保
される。また、気体流路１０の内圧が高くなるほど、リ
ップ８を押圧する力が大きくなるので、さらに確実にシ
ールされる。また、図４に示すように、気体流路１０の
内圧が負圧の時は、リップ先端部８Ｃが周内方向（図中
右側）へ吸引されて撓み、リップ８の内周面８Ａが環状
溝６の内周側壁面６Ａに密着する。

【００１９】これにより、正圧の時と同様に気体流路１
０の気密性が確保される。また、気体流路１０の負圧が
大きくなるほど、リップ８を内周側壁面６Ｂに密着させ
る力が大きくなるので、やはり、確実にシールされる。
このように、気体流路１０の周内方向又は周外方向へ撓
むことができるようなリップ８が設けられるので、ゴム
ガスケットの経時劣化により、リップ８，９にへたりが
生じたとしても、リップ８の先端部８Ｃと内周側壁面６
Ａ又は外周側壁面６Ｂとの間の密着性は十分に確保さ
れ、気密性の低下を防止することができる。

【００２０】つまり、リップ８，９の材料的な劣化が生
じて、Ｏリングタイプのリップ９のシール性が劣化して
も、リップ８の先端部８Ｃは、たとえへたっても、気体
流路１０の内圧変動によって力を受けて撓み、環状溝６
の壁面６Ａ又は６Ｂと密着すことになるので、気体流路
１０の気密性を確実に保つことができるのである。ま
た、エンジンの振動は、ゴムガスケット３の弾性により
減衰されるので、樹脂性インテークマニホールド１へ伝
達される振動が防振される。これにより、樹脂性のイン
テークマニホールド１の振動による疲労を低減すること
ができ、十分な耐久性を得ることができる。

【００２１】なお、本発明は、インテークマニホールド
１の結合部の構造のみに限られるものではなく、弾性的
な支持と確実な気密性を要求される気体流路の結合部に
広く適用することができる。また、ゴムガスケット３の
材料は上述のものに限られるものではなく、もちろん、
気体流路を形成する管状部材の材料についても、樹脂材
やアルミニウム系材料に限られるものではなく、種々の
材料に適用できる。

【００２２】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明の気体流路
の結合部構造によれば、気体流路を形成すべく結合され
た２つの管状部材と、該管状部材間の継ぎ目に介設され
たゴムガスケットとをそなえ、該環状部材の該ゴムガス
ケットとの密着面に環状溝が形成されるとともに、該ゴ
ムガスケットに該環状溝内へ嵌入する環状リップが形成
され、該環状リップの先端部が、該気体流路内の内圧変
動に応じて、周内方向又は周外方向へ撓みながら、該環
状溝の内周側壁面又は外周側壁面へ密着しうる柔軟構造
に形成されるという構成により、ゴムガスケットの経時
劣化による気密性の低下を防止することができる。

【００２３】また、エンジンの振動は、ゴムガスケット
により減衰されるので、管状部材へ伝達される振動が防
振される。これにより、管状部材の振動による疲労を低
減することができ、この管状部材の耐久性を得ることが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例としての気体流路の結合部構
造における要部構成を示す模式的な断面図であって図２
におけるＡ−Ａ断面図である。

【図２】本発明の一実施例としての気体流路の結合部構
造における全体構成を示す模式図である。

【図３】本発明の一実施例としての気体流路の結合部構
造における作用を説明するための模式的な断面図であっ
て図１におけるＢ部拡大図である。

【図４】本発明の一実施例としての気体流路の結合部構
造における作用を説明するための模式的な断面図であっ
て図１におけるＢ部拡大図である。

【符号の説明】

１管状部材としてのインテークマニホールド１Ａ，４Ａゴムガスケット密着面２サージタンク３ゴムガスケット４管状部材としてのロアインテークマニホールド５ボルト６，７環状溝６Ａ環状溝内周側壁面６Ｂ環状溝外周側壁面８，９環状リップ８Ａリップ内周面８Ｂリップ外周面８Ｃリップ先端部１０気体流路１１フランジＦ吸気流

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】気体流路を形成すべく結合された２つの
管状部材と、該管状部材間の継ぎ目に介設されたゴムガ
スケットとをそなえ、該環状部材の該ゴムガスケットとの密着面に環状溝が形
成されるとともに、該ゴムガスケットに該環状溝内へ嵌
入する環状リップが形成され、該環状リップの先端部が、該気体流路内の内圧変動に応
じて、周内方向又は周外方向へ撓みながら、該環状溝の
内周側壁面又は外周側壁面へ密着しうる柔軟構造に形成
されていることを特徴とする、気体流路の結合部構造。