JPH0617364A - 拭き布の製造方法 - Google Patents

拭き布の製造方法

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JPH0617364A
JPH0617364A JP4194760A JP19476092A JPH0617364A JP H0617364 A JPH0617364 A JP H0617364A JP 4194760 A JP4194760 A JP 4194760A JP 19476092 A JP19476092 A JP 19476092A JP H0617364 A JPH0617364 A JP H0617364A
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JP
Japan
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paper sheet
fibers
long
wiping cloth
column flow
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JP4194760A
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English (en)
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Hideo Ikezawa
秀男 池沢
Shinobu Watanabe
忍 渡辺
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New Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 吸水性や拭き取り性に優れた拭き布を合理的
に製造する方法を提供する。 【構成】 多数の長繊維が集積されてなる長繊維ウェブ
を準備する。長繊維の繊度は1〜4デニールで、長繊維ウ
ェブの坪量は、5〜30g/m2が好ましい。長繊維ウェブ
は、点融着区域を多数持つ長繊維不織布であるのが好ま
しい。この長繊維ウェブの表面に、湿潤引張強さが0.6k
gfを超えて1.5kgf以下の範囲である紙シートを積層す
る。ここで言う湿潤引張強さは、JIS P 8135に示された
方法で25mm巾の試験片について測定したものである。紙
シートの坪量は、10〜100g/m2が好ましい。長繊維ウ
ェブの坪量と紙シートの坪量の比は、長繊維ウェブ/紙
シート=1/1〜19が好ましい。長繊維ウェブと紙シート
の積層物に、紙シートの表面から長繊維ウェブ側に向け
て、高圧水柱流を施す。この結果、長繊維と紙シートを
構成しているパルプ繊維とが均一に絡合した拭き布を得
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、使い捨て手拭き,ウェ
ットティシュー,ワイパー,使い捨て雑巾等の拭き布の
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、使い捨て手拭き等の拭き布と
して、パルプ繊維を嵩高に集積してなる乾式パルプシー
トに、水や薬剤等をしみこませたものが使用されてい
る。しかし、乾式パルプシートは、水や薬剤等をしみこ
ませた後の濡れ強度が低く、使用中に破れやすいという
欠点があった。
【0003】一方、親水性繊維であるレーヨン繊維を集
積した後、レーヨン繊維相互間をゴム系結合剤で結合し
た不織布に、水等をしみこませたものも使用されてい
る。この拭き布は、レーヨン繊維相互間が結合されてい
るので、高い濡れ強度を示すものである。しかし、拭き
布にゴム系結合剤が含有されているため、異臭がすると
いう欠点があった。また、ゴム系結合剤のざらざらとし
た手触りのため、拭き布の使用感が悪いという欠点もあ
った。このため、ゴム系結合剤を使用せずに、レーヨン
繊維相互間を絡合させた不織布を使用するという試みも
行なわれている。レーヨン繊維相互間の絡合には、レー
ヨン繊維が集積されたウェブに水柱流を施すことが考え
られる。しかしながら、水柱流による絡合を十分に付与
するためには、レーヨン繊維の集積量が多くなければな
らないということがあった。即ち、レーヨン繊維の集積
量の少ないウェブは、レーヨン繊維相互間に比較的大き
な間隙が形成されており、水柱流を施しても、その水柱
流はレーヨン繊維に衝突せずに、その間隙を通して容易
にウェブをすりぬけるのである。即ち、レーヨン繊維に
運動エネルギーを十分に与えないため、レーヨン繊維が
十分に運動せず、その結果レーヨン繊維相互間が絡合し
ないのである。従って、レーヨン繊維相互間を十分に絡
合させようとすると、レーヨン繊維の集積量を多くし
て、レーヨン繊維相互間に形成される繊維間隙を小さく
する必要があるのである。しかし、レーヨン繊維の集積
量を多くすると、得られる拭き布の厚みが厚くなり、使
い捨て手拭き等として使用するには、過剰品質になると
いう欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このため、本件出願人
はレーヨン繊維等の集積量が少なくとも、水柱流による
絡合が可能となる技術を検討した。その結果、レーヨン
繊維等が集積されてなるウェブにおいて、レーヨン繊維
相互間の比較的大きな間隙を塞いでおくことが有効であ
ることに想い到り、特願平3-204875号に係る発明を提案
した。この発明は、レーヨン長繊維等の長繊維が集積さ
れてなるウェブの表面に薄葉紙を積層して、高圧水柱流
を施すことを特徴とする拭き布の製造方法に関するもの
である。この方法によって、薄葉紙を構成するパルプ繊
維と長繊維とが良く絡合し、更にパルプ繊維を介して長
繊維相互間も良く絡合し、吸水性が良好で、且つ湿潤強
度の高い拭き布が得られるのである。
【0005】しかしながら、この方法によって、拭き布
を製造した場合、製造中に各種のトラブルが発生した。
例えば、薄葉紙に高圧水柱流を施したときに、薄葉紙が
著しく破壊され、パルプ繊維が空中に飛散するというこ
とがあった。このトラブルにより、薄葉紙を構成するパ
ルプ繊維が、長繊維と均一に絡合せず、パルプ繊維が存
在しない箇所を持つ、不均一な拭き布しか得られないと
いう欠点が発生した。また、空中にパルプ繊維が飛散す
るため、得られる拭き布中における、パルプ繊維の量が
少なくなり、吸水性が低下するということもあった。更
に、使用後の高圧水柱流は回収されて、フィルター材で
瀘過され、その水を高圧水柱流として再使用するわけで
あるが、薄葉紙が著しく破壊されたり或いは空中にパル
プ繊維が飛散すると、高圧水柱流を回収する際に、その
中にパルプ繊維が混入し、フィルター材の目詰まりが激
しく、長期間に亙る連続操業が行なえなくなるという欠
点があった。また、高圧水柱流を回収しないで、そのま
ま廃液として排出する場合にも、パルプ繊維が混入して
いると、廃液による環境破壊を惹起するという恐れもあ
る。なお、このような欠点は、レーヨン等のステープル
繊維にパルプを配合した後、カード法によってステープ
ル繊維を開繊すると共にその内部にパルプを含有した繊
維ウェブを形成し、その後高圧水柱流を施して、ステー
プル繊維相互間の絡合をパルプ繊維の作用によって緊密
にする方法によっても生じるものである。何故なら、パ
ルプ繊維はその繊維長が短いために、カード法によって
開繊する際に、パルプ繊維が飛散することがあり、ま
た、繊維ウェブ内部に大量の自由に運動しやすいパルプ
繊維を含有させると、高圧水柱流で処理する際に、パル
プ繊維が繊維ウェブ中から流失するからである。
【0006】本発明者等は、上記の欠点を解決しようと
して種々研究を行なった。その結果、使用する薄葉紙と
して、湿潤引張強さが0.04〜0.6kgfである紙シートを採
用すれば、上記の欠点を解決しうることを見出し、特願
平4-89650号に係る発明を提案した。この発明によれ
ば、紙シートと長繊維ウェブとを積層して高圧水柱流を
施しても、紙シートが著しく破壊されたり、或いは紙シ
ートを構成するパルプ繊維が飛散したりすることを抑制
し、もってパルプ繊維と長繊維とが比較的均一に絡合さ
れると共に、使用した紙シート中のパルプ繊維が有効に
長繊維と絡合された拭き布を得ることができるのであ
る。更に、拭き布の製造工程において用いる高圧水柱流
を回収する際に、その中にパルプ繊維が混入する割合を
減少させることによって、拭き布の製造を長期間に亙っ
て連続操業しうるのである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等が、その後更
に研究を進めた結果、湿潤引張強さが0.6kgfを超える紙
シートを採用した場合にも、特願平4-89650号に係る発
明と同様に、紙シートが著しく破壊されたり、或いは紙
シートを構成するパルプ繊維が飛散したりすることを抑
制できることを見出し、本発明に到達したのである。即
ち、本発明は、多数の長繊維が集積されてなる長繊維ウ
ェブの表面に、JIS P 8135に示された方法で25mm巾の試
験片について測定した湿潤引張強さが、0.6kgfを超えて
1.5kgf以下の範囲である紙シートを積層した後、該紙シ
ートの表面から長繊維ウェブ側に向けて高圧水柱流を施
すことにより、該紙シートを構成するパルプ繊維と該長
繊維とを絡合させることを特徴とする拭き布の製造方法
に関するものである。
【0008】まず、本発明においては、多数の長繊維が
集積されてなる長繊維ウェブを準備する。ここで、長繊
維としては、従来公知の長繊維を使用することができ、
例えばレーヨン長繊維,ポリオレフィン系長繊維,ポリ
エステル系長繊維、ポリアミド系長繊維,ポリアクリル
酸エステル系長繊維等を使用することができる。本発明
において、長繊維を使用する理由は、長繊維よりなる長
繊維ウェブは、短繊維よりなる短繊維ウェブよりも、繊
維間が絡合している場合、引張強度や形態安定性に優れ
ているからである。また、長繊維の繊度は、1〜4デニー
ルであるのが好ましい。長繊維の繊度が4デニールを超
えると、長繊維ウェブの柔軟性が低下し、拭き布として
使用した場合の使用感が低下する傾向が生じる。逆に、
長繊維の繊度が1デニール未満になると、長繊維の製造
条件等が厳密になって、長繊維、ひいては長繊維ウェブ
を高速度で製造しにくくなる傾向が生じる。また、長繊
維ウェブの坪量は、5〜30g/m2であるのが好ましい。
長繊維ウェブの坪量が30g/m2を超えると、紙シート
と長繊維ウェブとの積層物に、紙シートから長繊維ウェ
ブ側に向けて高圧水柱流を施しても、紙シートを構成す
るパルプ繊維が、長繊維ウェブの裏面(紙シートと当接
していない面)に移動しにくくなり、得られる拭き布の
片面にのみパルプ繊維が偏在した状態となって、パルプ
繊維の少ない面における吸水性が低下する傾向が生じ
る。逆に、長繊維ウェブの坪量が5g/m2未満になる
と、長繊維ウェブの形態安定性が低下し、得られる拭き
布の湿潤強度が低下する傾向が生じる。更に、長繊維相
互間の間隙が大きくなって、高圧水柱流を施したとき
に、その間隙からパルプ繊維が流出してしまい、使用後
の高圧水柱流を回収した場合、その中にパルプ繊維が大
量に混入する恐れが生じる。なお、本発明において使用
する長繊維ウェブは、長繊維相互間が自己融着した、い
わゆる長繊維不織布であってもよいし、また長繊維相互
間が結合していないフリース状の長繊維フリースであっ
てもよい。特に、前者の長繊維不織布のうちでも、長繊
維相互間が自己融着した点融着区域が、散点状に多数配
置されたものを使用するのが好ましい。この理由は、長
繊維相互間が自己融着している点融着区域を持つため、
形態安定性に優れると共に、点融着区域以外の区域にお
いては長繊維相互間が自己融着されておらず、自由な状
態で集積されているため、柔軟性に優れ、且つパルプ繊
維と良好に絡合しやすいからである。
【0009】以上のようにして準備した長繊維ウェブの
表面に、紙シートを積層する。本発明で重要なことは、
この紙シートとして、ある特定の湿潤引張強さを持つも
のを使用する点にある。即ち、紙シートとして、JIS P
8135に示された方法で25mm巾の試験片について測定した
湿潤引張強さが、0.6kgfを超えて1.5kgf以下の範囲であ
る紙シートを使用する必要がある。特に、好ましくは、
湿潤引張強さが0.6kgfを超えて1.2kgf以下の範囲である
紙シートを使用するのがよい。この紙シートは、湿潤引
張強さが0.6kgf以下である紙シートに比べて、高圧水柱
流によるパルプ繊維の単離及び運動が抑制される傾向に
あるため、以下に示すように、高圧水柱流の処理条件を
厳しくすることが好ましい。即ち、高圧水柱流を噴出す
るノズルの本数を増加させたり、高圧水柱流の噴出圧力
を増加させたり、或いは移動する紙シートに高圧水柱流
を噴出させる際、その紙シートの移動速度を低下させ
て、高圧水柱流による処理時間を長くすることが好まし
い。紙シートの湿潤引張強さが1.5kgfを超えると、高圧
水柱流を施しても、それによって紙シートを構成するパ
ルプ繊維が運動しにくく、パルプ繊維と長繊維とが絡合
しにくくなるばかりでなく、高圧水柱流によるパルプ繊
維の単離が不十分となって、得られる拭き布の柔軟性が
大幅に低下するため、好ましくない。また、高圧水柱流
によって紙シートを構成するパルプ繊維の単離が不十分
になると、高圧水柱流が紙シートを貫通しにくくなり、
紙シート上に水がプール状となって滞留し、紙シートと
長繊維ウェブとの積層物に付与される高圧水柱流のエネ
ルギー低下をもたらす。更に、紙シート上に水がプール
状となって滞留していると、高圧水柱流によって、その
滞留している水が周囲に飛び散り、高圧水柱流を付与す
る前又は付与した後の工程でパルプを含んだ水が付着す
るため、得られる拭き布の地合いが低下するので、好ま
しくない。紙シートの湿潤引張強さを特定の範囲にする
方法は、特に限定するものではないが、例えばポリアミ
ド・エピクロルヒドリン樹脂やその変性物、ポリアミン
・エピクロルヒドリン樹脂、メラミン樹脂或いは尿素樹
脂等の一般的な湿潤紙力増強剤を配合しても良い。
【0010】使用する紙シートの坪量は、任意に決定し
うる事項であるが、特にJIS P 8124に示された方法で測
定した坪量が10〜100g/m2である紙シートを使用する
のが好ましい。紙シートの坪量が10g/m2未満である
と、パルプ繊維の絶対量が少なく、得られる拭き布に十
分な吸水性や保水性を与えにくくなるという傾向が生じ
る。逆に、紙シートの坪量が100g/m2を超えると、パ
ルプ繊維の絶対量が多すぎて、紙シートに高圧水柱流を
施しても、一本一本のパルプ繊維に長繊維と絡合しうる
程度の運動量を与えにくくなる傾向が生じる。更に、パ
ルプ繊維の絶対量が多すぎて、得られる拭き布の柔軟性
が低下する傾向が生じる。
【0011】紙シートを構成するパルプ繊維としては、
針葉樹及び広葉樹木材をクラフト法,サルファイト法,
ソーダ法,ポリサルファイド法等で蒸解した化学パルプ
繊維、又はグランドパルプ繊維,サーモメカニカルパル
プ繊維等の機械パルプ繊維を、晒若しくは未晒の状態
で、単独で又は混合して使用することができる。針葉樹
パルプ繊維と広葉樹パルプ繊維の重量配合比は、好まし
くは、針葉樹パルプ繊維/広葉樹パルプ繊維=100〜20
/0〜80、最も好ましくは100〜40/0〜60の範囲であ
る。広葉樹パルプ繊維が80重量%を超えると、高圧水柱
流によるパルプの消失量が増加するばかりでなく、絡合
後のシートの柔軟性が低下する傾向となる。また、本発
明に使用される紙シートの密度(JIS P 8118に示された
方法で測定)は、0.6g/cm3以下であるのが好ましい。
紙シートの密度が0.6g/cm3を超えると、紙シートの上
から高圧水柱流を施した場合に、パルプ繊維の運動が抑
制され、長繊維とパルプ繊維との絡合が十分でなくなる
ばかりでなく、得られる拭き布の柔軟性が低下する傾向
が生じる。
【0012】この紙シートは、予め準備した長繊維ウェ
ブ表面に積層される。この際、長繊維ウェブの坪量と紙
シートの坪量の比は、以下のようにするのが好ましい。
即ち、長繊維ウェブの坪量と、JIS P 8124に示された方
法で測定した紙シートの坪量の比が、長繊維ウェブ/紙
シート=1/1〜19となるようにするのが、好ましい。長
繊維ウェブ/紙シート=1/1未満となると、長繊維の量
に対して、相対的にパルプ繊維の量が少なくなり、得ら
れる拭き布の吸水性や保水性が低下する傾向が生じる。
また、長繊維に対して、廉価なパルプ繊維の量が少なく
なることによって、得られる拭き布自体が高価になると
いう傾向が生じる。逆に、長繊維ウェブ/紙シート=1
/19を超えて、紙シートの坪量が重くなると、紙シート
を構成するパルプ繊維の全てが強固に長繊維と絡合しに
くくなり、得られる拭き布を湿潤させて使用した場合
に、パルプ繊維が脱落しやすくなる傾向が生じる。
【0013】長繊維ウェブの表面に紙シートを積層した
後、紙シートの表面から長繊維ウェブ側に向けて高圧水
柱流を施す。即ち、積層物の紙シート側から長繊維ウェ
ブ側へ高圧水柱流が貫通するようにして、高圧水柱流を
施すのである。この高圧水柱流は、微細な直径のノズル
孔を通して、高圧で水を噴出させて得られるものであ
る。例えば、孔径0.01〜3mm程度のノズル孔を通して、2
0〜150kg/cm2程度の圧力で水を噴出させて得られるも
のである。この水柱流を積層物に施すと、高圧水柱流は
紙シートに衝突する。そして、紙シートはまず長繊維ウ
ェブ上に密着し、次いでこの密着した状態で、紙シート
の破壊が生じ、紙シートを構成するパルプ繊維を単離さ
せ、パルプ繊維に曲げや捩れ等の変形を起こさせると共
に、パルプ繊維に運動エネルギーを十分に与え、このパ
ルプ繊維にランダムな運動を生じさせる。その結果、こ
れらの複合作用によって、パルプ繊維と長繊維ウェブ中
の長繊維とが絡み合い、更に、このパルプ繊維によって
長繊維同士も絡合することになるのである。
【0014】以上のようにして得られた拭き布は、パル
プ繊維と長繊維が絡合されて一体化したものである。そ
して、この拭き布には、所望に応じて、水やプロピレン
グリコール等の湿潤剤,アルコール類やパラ安息香酸エ
ステル等の抗菌剤,防黴剤,香料等の薬剤等が付与され
て、使い捨て手拭き,ウェットティシュー,ワイパー,
使い捨て雑巾等として使用されるのである。
【0015】
【実施例】
実施例1 ポリプロピレン長繊維が集積されてなり、且つこのポリ
プロピレン長繊維相互間が自己融着された点融着区域を
多数持つ長繊維不織布を準備した。この長繊維不織布を
構成する長繊維の繊度は、2.5デニールであり、長繊維
不織布の坪量は、20g/m2であった。この長繊維不織
布の表面に、針葉樹晒クラフトパルプ繊維で構成された
紙シートを積層した。この紙シートは、乾燥させた針葉
樹晒クラフトパルプ100重量部に対して、ポリアミド・
エピクロルヒドリン樹脂を固形分で0.3重量部配合した
製紙原料を用い、湿式抄紙して得られたものである。こ
の紙シートは、JIS P 8135に示された方法で25mm巾の試
験片について測定した湿潤引張強さが1.1kgfであり、JI
S P 8124に示された方法で測定した坪量が60g/m2
あった。そして、紙シートが上に位置し、長繊維不織布
が下に位置するようにして、金網で形成された移送コン
ベア上に載置した。次いで、この積層物を20m/分の速
度で移送させながら、孔径0.12mmのノズル孔が0.64mmの
間隔で千鳥状に並んでいる高圧水柱流噴出装置を用い
て、70kg/cm2の水圧で高圧水柱流を噴出させ、紙シー
トの表面に高圧水柱流を施した。以上のようにして、紙
シートを構成しているパルプ繊維と、長繊維不織布を構
成している長繊維とが絡合して、一体化された拭き布を
得た。
【0016】実施例2 ポリエチレンテレフタレート長繊維が集積されてなり、
且つこのポリエチレンテレフタレート長繊維相互間が自
己融着された点融着区域を多数持つ長繊維不織布を準備
した。この長繊維不織布を構成する長繊維の繊度は、2.
3デニールであり、長繊維不織布の坪量は、15g/m2
あった。この長繊維不織布の表面に、針葉樹晒クラフト
パルプ繊維80重量%と広葉樹晒クラフトパルプ繊維20重
量%の混合物で構成された紙シートを積層した。この紙
シートは、乾燥させた針葉樹晒クラフトパルプ及び広葉
樹晒クラフトパルプの混合物100重量部に対して、ポリ
アミド・エピクロルヒドリン樹脂を固形分で0.5重量部
配合した製紙原料を用い、湿式抄紙して得られたもので
ある。この紙シートは、JIS P 8135に示された方法で25
mm巾の試験片について測定した湿潤引張強さが0.70kgf
であり、JIS P 8124に示された方法で測定した坪量が35
g/m2であった。そして、紙シートが上に位置し、長
繊維不織布が下に位置するようにして、金網で形成され
た移送コンベア上に載置した。次いで、この積層物を20
m/分の速度で移送させながら、孔径0.12mmのノズル孔
が0.64mmの間隔で千鳥状に並んでいる高圧水柱流噴出装
置を用いて、50kg/cm2の水圧で高圧水柱流を噴出さ
せ、紙シートの表面に高圧水柱流を施した。以上のよう
にして、紙シートを構成しているパルプ繊維と、長繊維
不織布を構成している長繊維とが絡合して、一体化され
た拭き布を得た。
【0017】実施例3 ポリプロピレン長繊維が集積されてなり、且つこのポリ
プロピレン長繊維相互間が自己融着された点融着区域を
多数持つ長繊維不織布を準備した。この長繊維不織布を
構成する長繊維の繊度は、2.5デニールであり、長繊維
不織布の坪量は、10g/m2であった。この長繊維不織
布の表面に、針葉樹晒クラフトパルプ繊維で構成された
紙シートを積層した。この紙シートは、乾燥させた針葉
樹晒クラフトパルプ100重量部に対して、ポリアミド・
エピクロルヒドリン樹脂を固形分で0.3重量部配合した
製紙原料を用い、湿式抄紙して得られたものである。こ
の紙シートは、JIS P 8135に示された方法で25mm巾の試
験片について測定した湿潤引張強さが0.8kgfであり、JI
S P 8124に示された方法で測定した坪量が35g/m2
あった。そして、紙シートが上に位置し、長繊維不織布
が下に位置するようにして、金網で形成された移送コン
ベア上に載置した。次いで、この積層物を20m/分の速
度で移送させながら、孔径0.12mmのノズル孔が1mm間隔
で並んでいる高圧水柱流噴出装置を用いて、60kg/cm2
の水圧で高圧水柱流を噴出させ、紙シートの表面に高圧
水柱流を施した。以上のようにして、紙シートを構成し
ているパルプ繊維と、長繊維不織布を構成している長繊
維とが絡合して、一体化された拭き布を得た。
【0018】比較例1 JIS P 8135に示された方法で25mm巾の試験片について測
定した湿潤引張強さが0.03kgfであり、JIS P 8124に示
された方法で測定した坪量が40g/m2である紙シート
を用いる以外は、実施例1と同様の方法で拭き布を得
た。この拭き布の製造中において、紙シートは著しく破
壊され、パルプ繊維が飛散した。また、紙シートの切断
により、連続操業が不可能となった。
【0019】比較例2 JIS P 8135に示された方法で25mm巾の試験片について測
定した湿潤引張強さが1.8kgfであり、JIS P 8124に示さ
れた方法で測定した坪量が80g/m2である紙シートを
用いる以外は、実施例1と同様の方法で拭き布を得た。
この拭き布の製造中において、紙シート上に高圧水柱流
によって水がプール状に滞留し、この滞留した箇所に高
圧水柱流が衝突すると、滞留した水が周囲に飛び散り、
高圧水柱流処理後の拭き布は、その地合いが悪化すると
共に、手触り感も悪く、柔軟性にも劣っていた。
【0020】比較例3 実施例1で使用した長繊維不織布をそのまま拭き布とし
た。
【0021】比較例4 実施例1で使用した紙シートをそのまま拭き布とした。
【0022】実施例1〜3及び比較例1〜4で得られた
拭き布を下記のテストに供し、その品質を評価した。こ
の結果を表1に示した。
【表1】 記 1)吸水性:拭き布の吸水性を目視による官能評価によっ
て判定した。官能評価は、次の5段階で行なった。5…
極めて速やかに水を吸水した。4…速やかに水を吸水し
た。3…吸水性は普通であった。2…ややゆっくりと水
を吸水した。1…ゆっくりと水を吸水した。 2)拭き取り性:拭き布を水に浸漬した後、軽く絞った状
態で机を擦り、拭き取り性を目視による官能で評価し
た。官能評価は、次の5段階で行なった。5…拭き取り
性が極めて優れている。4…拭き取り性が優れている。
3…拭き取り性が普通である。2…拭き取り性がやや不
良である。1…拭き取り性が不良である。 3)柔軟性:拭き布の柔軟性を手指による官能で評価し
た。官能評価は次の5段階で行なった。5…極めて柔軟
である。4…柔軟である。3…柔軟性は普通である。2
…柔軟性がやや劣っている。1…柔軟性が劣っている。 4)繰り返し使用性:拭き布を水に浸漬した後、軽く絞
り、次いで手で揉むという操作を繰り返して、手指によ
る官能で評価した。官能評価は、次の5段階で行なっ
た。5…拭き布の強度は殆ど低下せず、十分に繰り返し
使用可能であった。4…拭き布の強度は若干低下したも
のの、繰り返し使用可能であった。3…拭き布の強度が
低下したが、数回程度の繰り返し使用には耐えられた。
2…拭き布の強度が低下し、繰り返し使用可能とは言え
なかった。1…拭き布の強度低下が激しく、繰り返し使
用は不可能であった。 5)地合い(均一性):拭き布の地合いを目視による官能
で評価した。官能評価は、次の5段階で行なった。5…
極めて均一である。4…良好である。3…普通である。
2…やや不均一で地合いが劣っている。1…極めて不均
一で地合いが劣っている。
【0023】実施例1〜3で得られた拭き布と、比較例
1〜4で得られた拭き布とを比較すれば、明かなよう
に、比較例1に係る方法においては、紙シートとして湿
潤引張強さの低い紙シートを用いたので、拭き布の製造
中に紙シートが著しく破壊され、或いはパルプ繊維が飛
散したために、十分な量のパルプ繊維が長繊維と絡合し
ておらず、実施例1〜3で得られた拭き布と比較して、
吸水性や拭き取り性に劣るものであった。また、パルプ
繊維が均一に長繊維と絡合されていないため、この拭き
布は地合いが不均一となり、手触り感も悪かった。比較
例2に係る方法においては、湿潤引張強さの高い紙シー
トを用いたので、拭き布の製造中に紙シート上にプール
状の水溜りができ、高圧水柱流がこの水溜りに衝突し
て、水が周囲に飛び散って、高圧水柱流処理後の拭き布
に高濃度のパルプを含む水が付着するため、実施例1〜
3に係る方法で得られた拭き布と比較して、地合いの劣
るものであった。更に、高圧水柱流が水溜りに作用する
ため、エネルギーロスが生じ、パルプ繊維が十分に単離
して長繊維と絡合しないため、柔軟性に劣る拭き布しか
得られなかった。比較例3及び4で得られた拭き布は、
長繊維とパルプ繊維とが絡合したものでないため、長繊
維不織布よりなる比較例3に係る拭き布においては、吸
水性や拭き取り性に劣るものであり、紙シートよりなる
比較例4に係る拭き布においては、引張強度が極めて低
く、繰り返し使用性に劣り、また柔軟性にも劣るもので
あった。
【0024】
【作用及び発明の効果】以上説明したように、本発明に
係る拭き布の製造方法は、長繊維ウェブの表面に、ある
特定範囲の湿潤引張強さを持つ紙シートを積層して、高
圧水柱流を施すものであるため、紙シートが高圧水柱流
の圧力によって著しく破壊されるのを防止し、且つ紙シ
ートを構成するパルプ繊維が空中に飛散するのを防止す
ることができる。また、紙シートの湿潤引張強さの上限
を一定値に定めたので、紙シートが破壊されにくくて、
紙シート上に高圧水柱流によるプール状の水が滞留する
のを防止でき、このため高圧水柱流がプール状に滞留し
た水を周囲に飛び散らせて、得られる拭き布の地合いを
低下させることを防止しうるという効果を奏する。更
に、高圧水柱流がプール状に滞留した水に作用すること
を防止でき、高圧水柱流のエネルギーロスを少なくする
ことができるため、紙シートを構成するパルプ繊維が十
分に単離して、長繊維と均一に絡合し、柔軟性に優れた
拭き布を得ることができるという効果を奏する。また、
紙シートを構成するパルプ繊維が空中に飛散するのを防
止しうるので、長繊維と絡合するパルプ繊維の量が減少
しにくく、大量のパルプ繊維を長繊維と絡合することが
できる。従って、得られる拭き布に、大量のパルプ繊維
を含有させることができ、吸水性や保水性、更には拭き
取り性に優れた拭き布を得ることができるという効果を
奏する。
【0025】また、ある特定範囲の湿潤引張強さを持つ
紙シートを用いたので、拭き布の製造中に、紙シートが
切断しにくく、紙シートを連続して供給することができ
る。従って、拭き布の製造を連続して合理的に行なえる
という効果を奏すると共に、高圧水柱流による水やパル
プ繊維の飛散を防止しうるため、作業環境を常に清潔に
保つことができるという効果も奏する。更に、使用した
高圧水柱流を回収して再使用する場合には、本発明によ
ればパルプ繊維が流出及び飛散しにくいので、回収した
水中にパルプ繊維が混入しにくい。従って、再使用する
前にフィルター材で瀘過しても、フィルター材で捕捉さ
れるパルプ繊維の量が少なく、フィルター材の目詰まり
を防止しうるという効果を奏する。依って、本発明に係
る拭き布の製造方法を採用すれば、フィルター材の交換
回数を減少させることができるので、長期間に亙る連続
操業が可能となるという効果を奏するのである。一方、
使用した高圧水柱流を回収しないで、そのまま廃棄する
場合であっても、その廃液中におけるパルプ繊維の混入
量が少ないので、環境破壊を起こしにくいという効果も
奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D21H 27/30

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の長繊維が集積されてなる長繊維ウ
    ェブの表面に、JIS P8135に示された方法で25mm巾の試
    験片について測定した湿潤引張強さが、0.6kgfを超えて
    1.5kgf以下の範囲である紙シートを積層した後、該紙シ
    ートの表面から長繊維ウェブ側に向けて高圧水柱流を施
    すことにより、該紙シートを構成するパルプ繊維と該長
    繊維とを絡合させることを特徴とする拭き布の製造方
    法。
JP4194760A 1992-03-12 1992-06-29 拭き布の製造方法 Pending JPH0617364A (ja)

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DE69314202T DE69314202T2 (de) 1992-03-12 1993-03-08 Verfahren zur Herstellung eines Wischvliesstoffs
EP93301738A EP0560556B1 (en) 1992-03-12 1993-03-08 Process for producing wiping nonwoven fabric
CA 2093985 CA2093985A1 (en) 1992-04-15 1993-04-14 Process for producing wiping nonwoven fabric

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Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05179545A (ja) * 1990-12-21 1993-07-20 Kimberly Clark Corp パルプ含有率の高い不織複合布

Patent Citations (1)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05179545A (ja) * 1990-12-21 1993-07-20 Kimberly Clark Corp パルプ含有率の高い不織複合布

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