JPH06173142A - 高吸水性布帛 - Google Patents
高吸水性布帛Info
- Publication number
- JPH06173142A JPH06173142A JP4324204A JP32420492A JPH06173142A JP H06173142 A JPH06173142 A JP H06173142A JP 4324204 A JP4324204 A JP 4324204A JP 32420492 A JP32420492 A JP 32420492A JP H06173142 A JPH06173142 A JP H06173142A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- water
- layer
- yarn
- denier
- fiber
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
- 239000004744 fabric Substances 0.000 title claims abstract description 47
- 239000000835 fiber Substances 0.000 claims abstract description 36
- 239000011148 porous material Substances 0.000 claims abstract description 8
- 229920001410 Microfiber Polymers 0.000 claims abstract description 7
- 239000010410 layer Substances 0.000 claims description 58
- 239000002250 absorbent Substances 0.000 claims description 20
- 239000002344 surface layer Substances 0.000 claims description 20
- XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N water Substances O XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N 0.000 abstract description 65
- 238000010521 absorption reaction Methods 0.000 abstract description 14
- 230000002209 hydrophobic effect Effects 0.000 abstract description 5
- 230000014759 maintenance of location Effects 0.000 abstract 1
- 238000000034 method Methods 0.000 description 14
- 229920000728 polyester Polymers 0.000 description 12
- 206010016807 Fluid retention Diseases 0.000 description 8
- 230000006870 function Effects 0.000 description 8
- 239000004677 Nylon Substances 0.000 description 7
- 229920001778 nylon Polymers 0.000 description 7
- 230000002745 absorbent Effects 0.000 description 6
- HEMHJVSKTPXQMS-UHFFFAOYSA-M Sodium hydroxide Chemical compound [OH-].[Na+] HEMHJVSKTPXQMS-UHFFFAOYSA-M 0.000 description 3
- 206010046543 Urinary incontinence Diseases 0.000 description 3
- 230000000903 blocking effect Effects 0.000 description 3
- 239000002184 metal Substances 0.000 description 3
- 238000000926 separation method Methods 0.000 description 3
- 229920000742 Cotton Polymers 0.000 description 2
- 239000003795 chemical substances by application Substances 0.000 description 2
- 230000018044 dehydration Effects 0.000 description 2
- 238000006297 dehydration reaction Methods 0.000 description 2
- 238000011156 evaluation Methods 0.000 description 2
- 239000012510 hollow fiber Substances 0.000 description 2
- 238000009940 knitting Methods 0.000 description 2
- 230000008520 organization Effects 0.000 description 2
- 229920000642 polymer Polymers 0.000 description 2
- 230000035807 sensation Effects 0.000 description 2
- 229920002379 silicone rubber Polymers 0.000 description 2
- 210000004243 sweat Anatomy 0.000 description 2
- 230000008961 swelling Effects 0.000 description 2
- 240000008574 Capsicum frutescens Species 0.000 description 1
- 239000004952 Polyamide Substances 0.000 description 1
- 239000000654 additive Substances 0.000 description 1
- 230000000996 additive effect Effects 0.000 description 1
- 238000005452 bending Methods 0.000 description 1
- 230000008901 benefit Effects 0.000 description 1
- 230000015572 biosynthetic process Effects 0.000 description 1
- 238000009835 boiling Methods 0.000 description 1
- 239000002131 composite material Substances 0.000 description 1
- 239000000470 constituent Substances 0.000 description 1
- 230000035597 cooling sensation Effects 0.000 description 1
- 229920001577 copolymer Polymers 0.000 description 1
- 238000002788 crimping Methods 0.000 description 1
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 1
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 1
- 230000007062 hydrolysis Effects 0.000 description 1
- 238000006460 hydrolysis reaction Methods 0.000 description 1
- 230000006872 improvement Effects 0.000 description 1
- 230000001788 irregular Effects 0.000 description 1
- 238000009981 jet dyeing Methods 0.000 description 1
- 239000007788 liquid Substances 0.000 description 1
- 238000005259 measurement Methods 0.000 description 1
- 239000003658 microfiber Substances 0.000 description 1
- 239000000203 mixture Substances 0.000 description 1
- 239000003607 modifier Substances 0.000 description 1
- 210000000056 organ Anatomy 0.000 description 1
- 229920002647 polyamide Polymers 0.000 description 1
- 229920000098 polyolefin Polymers 0.000 description 1
- 239000002994 raw material Substances 0.000 description 1
- 239000004945 silicone rubber Substances 0.000 description 1
- 238000009987 spinning Methods 0.000 description 1
- 229920002994 synthetic fiber Polymers 0.000 description 1
- 239000012209 synthetic fiber Substances 0.000 description 1
- 230000007704 transition Effects 0.000 description 1
- 238000005406 washing Methods 0.000 description 1
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
- Knitting Of Fabric (AREA)
- Woven Fabrics (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 人肌からの迅速な水分の吸水と中間部への水
分移行と保水を行いつつ、表面へ水分の滲み出しを防止
し得、しかも肌触りの改善された高吸水性布帛を提供す
ること。 【構成】 吸水層10には、表面および内部に微細孔を
有する短繊維を含む紡績糸11を用い、保水層20に
は、単糸繊度が0.3デニール以下の極細繊維を仮撚加
工糸21にして用い、吸水層10の糸と遮(疎)水層3
0の糸とを結接させ、遮(疎)水層30には、単糸繊度
が1デニール以上の非親水性の仮撚加工糸31を用いて
3層構造の編地に構成した吸水性布帛。
分移行と保水を行いつつ、表面へ水分の滲み出しを防止
し得、しかも肌触りの改善された高吸水性布帛を提供す
ること。 【構成】 吸水層10には、表面および内部に微細孔を
有する短繊維を含む紡績糸11を用い、保水層20に
は、単糸繊度が0.3デニール以下の極細繊維を仮撚加
工糸21にして用い、吸水層10の糸と遮(疎)水層3
0の糸とを結接させ、遮(疎)水層30には、単糸繊度
が1デニール以上の非親水性の仮撚加工糸31を用いて
3層構造の編地に構成した吸水性布帛。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吸水能、保水能、並び
に遮(疎)水能を兼備する高吸水性編地布帛、さらに詳
しくは内部に水分を可及的に保留し得る高吸水性布帛に
関する。
に遮(疎)水能を兼備する高吸水性編地布帛、さらに詳
しくは内部に水分を可及的に保留し得る高吸水性布帛に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来の吸水性布帛は3層構造の編地で構
成されているが、これらは人肌に接する裏面層に吸水さ
れた水分を中間層に移行し、さらに表面層へ進めて外気
中に発散させる機能を有するものである。また、中間層
に保水機能を持たせたものとしては特開昭52−251
68号公報による吸水性布帛が提案されている。
成されているが、これらは人肌に接する裏面層に吸水さ
れた水分を中間層に移行し、さらに表面層へ進めて外気
中に発散させる機能を有するものである。また、中間層
に保水機能を持たせたものとしては特開昭52−251
68号公報による吸水性布帛が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記特開昭
で提案された吸水性布帛では、中間層の極細糸がフィラ
メント(フラットヤーン)使いであるため、保水能が未
だ十分ではない。この理由は極細のフィラメントであっ
ても、それがフラットヤーンであるため、保水能を向上
させるのに有用なフィラメント間の微細空隙に乏しいも
のと推察される。
で提案された吸水性布帛では、中間層の極細糸がフィラ
メント(フラットヤーン)使いであるため、保水能が未
だ十分ではない。この理由は極細のフィラメントであっ
ても、それがフラットヤーンであるため、保水能を向上
させるのに有用なフィラメント間の微細空隙に乏しいも
のと推察される。
【0004】また、中間層を挟む表面層と裏面層とには
単糸繊度1デニール以上の太繊度繊維で、繊維表面が親
水化された同一のものを使用しているため、裏面層では
吸水性が良くても表面層では遮(疎)水性が弱いので中
間層(保水層)にせっかく貯留した水分が表面に濡出し
てくるばかりでなく、裏面層と人肌との間にも常に水分
が介在し裏面層の肌ざわりも良くない。
単糸繊度1デニール以上の太繊度繊維で、繊維表面が親
水化された同一のものを使用しているため、裏面層では
吸水性が良くても表面層では遮(疎)水性が弱いので中
間層(保水層)にせっかく貯留した水分が表面に濡出し
てくるばかりでなく、裏面層と人肌との間にも常に水分
が介在し裏面層の肌ざわりも良くない。
【0005】本発明は、裏面部における人肌からの吸水
と中間部への水分移行とがすばやく行われ、しかも中間
部での保水能力に優れるだけでなく、表面部での遮水
(疎水)が形成されて表面に濡れを生じない、肌触りに
優れた高吸水性布帛を提供することを目的とする。
と中間部への水分移行とがすばやく行われ、しかも中間
部での保水能力に優れるだけでなく、表面部での遮水
(疎水)が形成されて表面に濡れを生じない、肌触りに
優れた高吸水性布帛を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、3層構
造の編地において、裏面層、中間層および表面層を、そ
れぞれ以下のとおりに構成したことを特徴とする高吸水
性布帛が提供される。 (a)裏面層:表面層を構成する繊維の少なくとも一部
に、繊維の表面および内部に微細孔を有する繊維を含む
紡績糸を配して構成する。 (b)中間層:単繊維繊度が0.3デニール以下の極細
繊維からなる仮撚加工糸を配して構成する。 (c)表面層:単繊維繊度が1デニール以上の非親水性
の仮撚加工糸を配して構成する。
造の編地において、裏面層、中間層および表面層を、そ
れぞれ以下のとおりに構成したことを特徴とする高吸水
性布帛が提供される。 (a)裏面層:表面層を構成する繊維の少なくとも一部
に、繊維の表面および内部に微細孔を有する繊維を含む
紡績糸を配して構成する。 (b)中間層:単繊維繊度が0.3デニール以下の極細
繊維からなる仮撚加工糸を配して構成する。 (c)表面層:単繊維繊度が1デニール以上の非親水性
の仮撚加工糸を配して構成する。
【0007】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説
明する。
明する。
【0008】本実施例の高吸水性布帛1は、図1〜2に
示すように、人体からの不感蒸泄や汗などを吸水する裏
面層(吸水層)10と、該吸水層10から移行した水分
を保持する中間層(保水層)20と、保水層20の水分
を布帛表面に出さないように阻止する表面層(遮(疎)
水層)30からなる3層構造の編地である。
示すように、人体からの不感蒸泄や汗などを吸水する裏
面層(吸水層)10と、該吸水層10から移行した水分
を保持する中間層(保水層)20と、保水層20の水分
を布帛表面に出さないように阻止する表面層(遮(疎)
水層)30からなる3層構造の編地である。
【0009】吸水層10用の糸としては、通常繊維の表
面並びに内部に微細孔を有する吸水性を、好ましくは5
0重量%以上含む短繊維紡績糸11を用いる。この吸水
能を有する短繊維の好ましい例としては、ポリエステル
中空繊維が挙げられる。この中空繊維は、その横断面全
体に散在し、かつ繊維軸方向に配列した微細孔を有する
と共に、その微細孔は直径が0.001〜5μmで、長
さが直径の50倍以下であり、少くともその一部が中空
部分まで連通しているものである(特開昭56−206
12号公報参照)。このような中空短繊維を含む紡績糸
11は、風合面では着用感(ドライ感)に優れ、機能面
では吸水性に富んでいる。
面並びに内部に微細孔を有する吸水性を、好ましくは5
0重量%以上含む短繊維紡績糸11を用いる。この吸水
能を有する短繊維の好ましい例としては、ポリエステル
中空繊維が挙げられる。この中空繊維は、その横断面全
体に散在し、かつ繊維軸方向に配列した微細孔を有する
と共に、その微細孔は直径が0.001〜5μmで、長
さが直径の50倍以下であり、少くともその一部が中空
部分まで連通しているものである(特開昭56−206
12号公報参照)。このような中空短繊維を含む紡績糸
11は、風合面では着用感(ドライ感)に優れ、機能面
では吸水性に富んでいる。
【0010】保水層20用の糸としては、単糸繊度が
0.3デニール以下の極細繊維の仮撚加工糸21を用
い、吸水層10の糸と疎水層30の糸とを結接させる。
0.3デニール以下の極細繊維の仮撚加工糸21を用
い、吸水層10の糸と疎水層30の糸とを結接させる。
【0011】このような極細繊維の仮撚加工糸は、例え
ばポリエステル(PET)/ナイロン(NY)からなる
中空多層貼り合わせ型コンジュゲート長繊維の仮撚加工
糸を、布帛にしてからポリエステルとナイロン間の膨潤
能差により剥離分割を促進させる膨潤剤の併用、あるい
はポリエステル、ナイロンの加水分解差を利用して剥離
分割を促進させるアルカリ剤を併用した処理浴中で分割
処理することによって各成分に分割することにより得ら
れる。この場合の利点として、沸水収縮率(BWS)
が、PETが一般に7%、NYが一般に12%と差があ
るのでより一層嵩高な構造となる。
ばポリエステル(PET)/ナイロン(NY)からなる
中空多層貼り合わせ型コンジュゲート長繊維の仮撚加工
糸を、布帛にしてからポリエステルとナイロン間の膨潤
能差により剥離分割を促進させる膨潤剤の併用、あるい
はポリエステル、ナイロンの加水分解差を利用して剥離
分割を促進させるアルカリ剤を併用した処理浴中で分割
処理することによって各成分に分割することにより得ら
れる。この場合の利点として、沸水収縮率(BWS)
が、PETが一般に7%、NYが一般に12%と差があ
るのでより一層嵩高な構造となる。
【0012】なお、本発明に使用する極細長繊維は、前
記中空多層貼り合わせ型に代表されるコンジュゲート繊
維による方法(海成分を溶解除去しいわゆる島成分とし
ての極細繊維を得る方法)、直接紡糸方法と称し、ダイ
レクトに極細な長繊維を得る方法によるものが挙げられ
る。また繊維の断面形状としても、通常の丸断面のほ
か、楕円、偏平、三角その他の異形形状であっても構わ
ないし、中空部分を有するものであっても構わない。
記中空多層貼り合わせ型に代表されるコンジュゲート繊
維による方法(海成分を溶解除去しいわゆる島成分とし
ての極細繊維を得る方法)、直接紡糸方法と称し、ダイ
レクトに極細な長繊維を得る方法によるものが挙げられ
る。また繊維の断面形状としても、通常の丸断面のほ
か、楕円、偏平、三角その他の異形形状であっても構わ
ないし、中空部分を有するものであっても構わない。
【0013】また、極細長繊維を構成するポリマーとし
ては、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンなど
あるいは、これらのポリマーの共重合体、ブレンド体あ
るいは種々の目的の改質剤を含むものであってもよい。
ては、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンなど
あるいは、これらのポリマーの共重合体、ブレンド体あ
るいは種々の目的の改質剤を含むものであってもよい。
【0014】一方、表面層に用いる糸としては、その遮
(疎)水機能を要求されることから、短繊維デニールが
1デニール以上、好ましくは2デニール以上4デニール
以下のポリエステル、ナイロン等の非親水性合成繊維の
仮撚加工糸が用いられる。
(疎)水機能を要求されることから、短繊維デニールが
1デニール以上、好ましくは2デニール以上4デニール
以下のポリエステル、ナイロン等の非親水性合成繊維の
仮撚加工糸が用いられる。
【0015】編地構造自体は、本発明の趣旨にしたがっ
て、3層構造が形成される限り、横編、経編を問わな
い。そして、このような高吸水性布帛は、尿失禁用バッ
ドないしショーツ、病人用のシーツ、スポーツ用アンダ
ーウエア等に供することができる。
て、3層構造が形成される限り、横編、経編を問わな
い。そして、このような高吸水性布帛は、尿失禁用バッ
ドないしショーツ、病人用のシーツ、スポーツ用アンダ
ーウエア等に供することができる。
【0016】
【作用】本発明の高吸水性布帛の特徴的機能は、人肌と
接する吸水層(裏面層)から速かに水分を吸い上げ、こ
れを保水層(中間層)に移行させ、ここで保留すること
にある。つまり、表面層(遮(疎)水層)には水分が極
力濡出しないようにしたものである。各層の機能につい
て述べる。
接する吸水層(裏面層)から速かに水分を吸い上げ、こ
れを保水層(中間層)に移行させ、ここで保留すること
にある。つまり、表面層(遮(疎)水層)には水分が極
力濡出しないようにしたものである。各層の機能につい
て述べる。
【0017】(吸水層)この層は、微細孔を有する短繊
維を含む紡績糸で構成されているので、水分は速かに繊
維内に吸収され、紡績糸表面と人肌との間に水分が介在
する懸念がない。したがって、着用社にとってドライ感
に因る快適感を与え、紡績糸の風合と相俟って快適な着
用感を与える。
維を含む紡績糸で構成されているので、水分は速かに繊
維内に吸収され、紡績糸表面と人肌との間に水分が介在
する懸念がない。したがって、着用社にとってドライ感
に因る快適感を与え、紡績糸の風合と相俟って快適な着
用感を与える。
【0018】(保水層)この層は、極細長繊維の仮撚加
工糸で構成されているので、極細デニールによる層構成
繊維本数の増大およびそれに伴なう糸表面積の飛躍的増
大により、また捲縮による長繊維の屈曲とが加成的に組
合されることにより、微細な繊維間空隙がより多く形成
されたものとなる。従って、水分の毛細管現象による移
動に寄与する繊維表面積および移動した水分の貯留に寄
与する繊維間微細空隙が大巾に向上した層となり、その
結果吸水層中に水分を迅速に吸い上げ、貯水の機能をは
たすので着用感の向上に大きく寄与する。
工糸で構成されているので、極細デニールによる層構成
繊維本数の増大およびそれに伴なう糸表面積の飛躍的増
大により、また捲縮による長繊維の屈曲とが加成的に組
合されることにより、微細な繊維間空隙がより多く形成
されたものとなる。従って、水分の毛細管現象による移
動に寄与する繊維表面積および移動した水分の貯留に寄
与する繊維間微細空隙が大巾に向上した層となり、その
結果吸水層中に水分を迅速に吸い上げ、貯水の機能をは
たすので着用感の向上に大きく寄与する。
【0019】(遮(疎)水層)この層は、短繊維デニー
ルが1デニール以上と、保水層を構成する仮撚加工糸の
単繊維デニール(0.3デニール以下)に比べて相当に
大きい単繊維(1デニール以上)からなる仮撚加工糸で
構成される。ここで仮撚加工糸自体捲縮による屈曲はあ
るものの、単繊維デニールが大きいため、繊維表面積・
繊維間微細空隙とも毛細管現象による速かな吸水能力お
よび保水能力を発揮する程に形成されない。したがっ
て、保水層に在る水分は表面に濡出移行してくることも
ない。この意味で、該加工糸は親水処理を施されていな
い必要がある。また、単繊維デニールが1デニール以上
と太いため(保水層の構成糸のそれに比べて)、風合的
な粗硬感を解消するために仮撚加工糸の形で用いる。
ルが1デニール以上と、保水層を構成する仮撚加工糸の
単繊維デニール(0.3デニール以下)に比べて相当に
大きい単繊維(1デニール以上)からなる仮撚加工糸で
構成される。ここで仮撚加工糸自体捲縮による屈曲はあ
るものの、単繊維デニールが大きいため、繊維表面積・
繊維間微細空隙とも毛細管現象による速かな吸水能力お
よび保水能力を発揮する程に形成されない。したがっ
て、保水層に在る水分は表面に濡出移行してくることも
ない。この意味で、該加工糸は親水処理を施されていな
い必要がある。また、単繊維デニールが1デニール以上
と太いため(保水層の構成糸のそれに比べて)、風合的
な粗硬感を解消するために仮撚加工糸の形で用いる。
【0020】
【実施例】本発明に基づき作成した尿失禁ショーツ用高
吸水性布帛1と市販品の綿布帛(木綿100%天竺)と
を比較して評価した状況について述べる。
吸水性布帛1と市販品の綿布帛(木綿100%天竺)と
を比較して評価した状況について述べる。
【0021】この尿失禁ショーツ用高吸水性布帛は、次
の条件下で作成した。 編機;28G両面丸編機 組織;両側結接、組織図は、図3に示すとおりであ
る。 糸使い;裏面(吸水)層:特開昭56−20612号
公報、実施例に記載された方法により得た、中空かつ表
面に微細孔を有するポリエステル短繊維を含む40番手
紡績糸。 中間(保水)層:16分割中空多層貼り合わせ型複合繊
維(ポリエステル、ナイロン交互配列)の仮撚加工糸。 表面(遮(疎)水)層:ポリエステル30de/12f
ilの仮撚加工糸。 上記で得られた生機を通常の条件にて精練し分割処理
(NaOH5g/l併用、液流染色機処理ボイル×60
分)−高圧染色−仕上げセットを行なった。 評価した結果をまとめて表1〜3に示す。本発明の布
帛については次のように評価できる。 a.初期(L0 )、洗濯5回後(L5 )ともウイッキン
グ法、バイレック法による吸水性は良好である(表1参
照)。 b.含水量;十分に含水させた布帛の同時間脱水後比較
で見た保水性はやや良好である(表2参照)。 c.布帛表面に水滴を落下させ、裏から滴り落ちるまで
の抱水量で見た保水性は極めて良好である(表2参
照)。 d.着用ドライ感に相関するべとつき力も低く着用感が
良好である(表2参照)。 e.接触温冷感値も低く、同量の水を含んでも肌にふれ
“ひんやり”とする感じが少なく濡れた感じが少なく着
用感は良好である(表3参照)。
の条件下で作成した。 編機;28G両面丸編機 組織;両側結接、組織図は、図3に示すとおりであ
る。 糸使い;裏面(吸水)層:特開昭56−20612号
公報、実施例に記載された方法により得た、中空かつ表
面に微細孔を有するポリエステル短繊維を含む40番手
紡績糸。 中間(保水)層:16分割中空多層貼り合わせ型複合繊
維(ポリエステル、ナイロン交互配列)の仮撚加工糸。 表面(遮(疎)水)層:ポリエステル30de/12f
ilの仮撚加工糸。 上記で得られた生機を通常の条件にて精練し分割処理
(NaOH5g/l併用、液流染色機処理ボイル×60
分)−高圧染色−仕上げセットを行なった。 評価した結果をまとめて表1〜3に示す。本発明の布
帛については次のように評価できる。 a.初期(L0 )、洗濯5回後(L5 )ともウイッキン
グ法、バイレック法による吸水性は良好である(表1参
照)。 b.含水量;十分に含水させた布帛の同時間脱水後比較
で見た保水性はやや良好である(表2参照)。 c.布帛表面に水滴を落下させ、裏から滴り落ちるまで
の抱水量で見た保水性は極めて良好である(表2参
照)。 d.着用ドライ感に相関するべとつき力も低く着用感が
良好である(表2参照)。 e.接触温冷感値も低く、同量の水を含んでも肌にふれ
“ひんやり”とする感じが少なく濡れた感じが少なく着
用感は良好である(表3参照)。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】なお、各性能の評価方法は以下のとおりで
ある。 目付:JIS L−1018′90 6.3に準じて測
定した標準状態の質量。 (厚さ)JIS L1018′90 6.5に準じて測
定した厚さ。 (嵩高性)JIS L−1018′90 6.20に準
じて測定した嵩高度。 (吸水性) ・ウイッキング法:JIS L−1018′90 6.
37.1A法に準じて測定した吸水速度。 ・バイレック法:JIS L−1018′90 6.3
7.1B法に準じて測定した吸水速度。 (保水性) ・含水量:一定サイズの試料を水につけ、十分に水を含
浸させた状態での含水量を測定。以後遠心脱水機にかけ
規定時間脱水した状態での含水量を測定。 ・水滴滴下までの抱水量:それぞれの水滴滴下速度で布
帛表面に水滴を滴下させ、布帛の裏面より水滴がしたた
り落ちる状態になるまでの抱水量を測定。
ある。 目付:JIS L−1018′90 6.3に準じて測
定した標準状態の質量。 (厚さ)JIS L1018′90 6.5に準じて測
定した厚さ。 (嵩高性)JIS L−1018′90 6.20に準
じて測定した嵩高度。 (吸水性) ・ウイッキング法:JIS L−1018′90 6.
37.1A法に準じて測定した吸水速度。 ・バイレック法:JIS L−1018′90 6.3
7.1B法に準じて測定した吸水速度。 (保水性) ・含水量:一定サイズの試料を水につけ、十分に水を含
浸させた状態での含水量を測定。以後遠心脱水機にかけ
規定時間脱水した状態での含水量を測定。 ・水滴滴下までの抱水量:それぞれの水滴滴下速度で布
帛表面に水滴を滴下させ、布帛の裏面より水滴がしたた
り落ちる状態になるまでの抱水量を測定。
【0026】ビューレット法:2.7cc/min ウイッキング法:2.4cc/min (着用感(着用時のドライ感))衣服の着用時における
べとつき感を布帛の湿潤時の動摩擦抵抗力によって評価
する。数値が小さい程布帛の肌表面でのべとつき感が少
なく、着用感(ドライ感)は良好といえる。 ・平板法べとつき力 21滴の水滴を滴下させたシリコンラバーの上に試料サ
イズ15cm×6cmにカットした布帛を置く。荷重(20
g)を布帛の上に置き、Uゲージによりシリコンラバー
上を平行移動させ、その時の平均抵抗値をべとつき力と
して読み取る。 ・ローラ法べとつき力 金属ローラーの上に試料サイズ15cm×6cmにカットし
た布帛を置く。布帛の一端をUゲージに接続し、ローラ
ー表面にたらした他端に荷重(20g)を吊す。布帛の
上部より水滴1ccを滴下する。金属ローラーをモーター
にて回転させ、金属ローラーでの摩擦抵抗力をべとつき
力として読み取る。 ・接触温冷感 20℃×40%RH雰囲気での測定。定温熱源温度30
℃、試料サイズ10cm×10cm。温冷感測定装置(サー
モラボ)により測定した値より計算。各抱水量の試料に
ついて測定。
べとつき感を布帛の湿潤時の動摩擦抵抗力によって評価
する。数値が小さい程布帛の肌表面でのべとつき感が少
なく、着用感(ドライ感)は良好といえる。 ・平板法べとつき力 21滴の水滴を滴下させたシリコンラバーの上に試料サ
イズ15cm×6cmにカットした布帛を置く。荷重(20
g)を布帛の上に置き、Uゲージによりシリコンラバー
上を平行移動させ、その時の平均抵抗値をべとつき力と
して読み取る。 ・ローラ法べとつき力 金属ローラーの上に試料サイズ15cm×6cmにカットし
た布帛を置く。布帛の一端をUゲージに接続し、ローラ
ー表面にたらした他端に荷重(20g)を吊す。布帛の
上部より水滴1ccを滴下する。金属ローラーをモーター
にて回転させ、金属ローラーでの摩擦抵抗力をべとつき
力として読み取る。 ・接触温冷感 20℃×40%RH雰囲気での測定。定温熱源温度30
℃、試料サイズ10cm×10cm。温冷感測定装置(サー
モラボ)により測定した値より計算。各抱水量の試料に
ついて測定。
【0027】
【発明の効果】本発明の高吸水性布帛は、吸水層、保水
層、遮(疎)水層それぞれに適切な機能を有する糸を選
定して3層構造の編地に構成したため、吸水層では、人
肌ないし人体器官からの汗ないし不感蒸泄液体がすみや
かに吸水され、すぐさま保水層に移行しここに貯留さ
れ、表面層に出てくる懸念がない。したがって、人肌側
では、ドライ感等の着用特性に優れた感触が得られ、同
時に編地表面の濡れが防止されるので、重ね着としての
ズボン、スカート・パジャマなどの外着を濡らすことの
ない高吸水性布帛製品が得られる。
層、遮(疎)水層それぞれに適切な機能を有する糸を選
定して3層構造の編地に構成したため、吸水層では、人
肌ないし人体器官からの汗ないし不感蒸泄液体がすみや
かに吸水され、すぐさま保水層に移行しここに貯留さ
れ、表面層に出てくる懸念がない。したがって、人肌側
では、ドライ感等の着用特性に優れた感触が得られ、同
時に編地表面の濡れが防止されるので、重ね着としての
ズボン、スカート・パジャマなどの外着を濡らすことの
ない高吸水性布帛製品が得られる。
【図1】本発明に係る実施例の高吸水性布帛の要部断面
図である。
図である。
【図2】本発明に係る実施例の高吸水性布帛の要部概略
斜視図である。
斜視図である。
【図3】本発明に基づき作成した高吸水性布帛の組織図
である。
である。
1 高吸水性布帛 10 吸水層 11 吸水能を有する短繊維を含む紡績糸 20 保水層 21 仮撚加工糸 30 遮(疎)水層 31 ポリエステル仮撚加工糸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 蛇石 秀洋 大阪府大阪市中央区南本町1丁目6番7号 帝人株式会社内
Claims (1)
- 【請求項1】 3層構造の編地において、裏面層、中間
層および表面層を、それぞれ以下のとおりに構成したこ
とを特徴とする高吸水性布帛。 (a)裏面層:表面層を構成する繊維の少なくとも一部
に、繊維の表面および内部に微細孔を有する繊維を含む
紡績糸を配して構成する。 (b)中間層:単繊維繊度が0.3デニール以下の極細
繊維からなる仮撚加工糸を配して構成する。 (c)表面層:単繊維繊度が1デニール以上の非親水性
の仮撚加工糸を配して構成する。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04324204A JP3086091B2 (ja) | 1992-12-03 | 1992-12-03 | 高吸水性布帛 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04324204A JP3086091B2 (ja) | 1992-12-03 | 1992-12-03 | 高吸水性布帛 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06173142A true JPH06173142A (ja) | 1994-06-21 |
JP3086091B2 JP3086091B2 (ja) | 2000-09-11 |
Family
ID=18163222
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04324204A Expired - Fee Related JP3086091B2 (ja) | 1992-12-03 | 1992-12-03 | 高吸水性布帛 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3086091B2 (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000055408A1 (fr) * | 1999-03-17 | 2000-09-21 | Sumitomo Corporation | Tricotage a fonction de regulation a absorption d'eau |
KR20040051447A (ko) * | 2002-12-12 | 2004-06-18 | 벤텍스 주식회사 | 수분 전이층을 갖는 내구성 초발수 흡수속건성 원단 |
KR100518747B1 (ko) * | 2003-08-27 | 2005-10-05 | 벤텍스 주식회사 | 3층 구조를 갖는 흡수속건 섬유 시이트 |
CN103726202A (zh) * | 2013-12-09 | 2014-04-16 | 恩平锦兴纺织印染企业有限公司 | 一种保温吸湿排汗面料及其生产方法 |
JP2015532368A (ja) * | 2012-10-16 | 2015-11-09 | テンプノロジー・エルエルシーTempnology, Llc | 織物、およびその製造方法 |
CN109056170A (zh) * | 2018-10-31 | 2018-12-21 | 马鞍山市永运家纺有限公司 | 一种复合型超细纤维面料及其制备工艺 |
CN113151971A (zh) * | 2021-03-31 | 2021-07-23 | 海安启弘纺织科技有限公司 | 一种采用放射型超细纤维制备经编超柔绒类面料的方法及其产品 |
-
1992
- 1992-12-03 JP JP04324204A patent/JP3086091B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000055408A1 (fr) * | 1999-03-17 | 2000-09-21 | Sumitomo Corporation | Tricotage a fonction de regulation a absorption d'eau |
KR20040051447A (ko) * | 2002-12-12 | 2004-06-18 | 벤텍스 주식회사 | 수분 전이층을 갖는 내구성 초발수 흡수속건성 원단 |
KR100518747B1 (ko) * | 2003-08-27 | 2005-10-05 | 벤텍스 주식회사 | 3층 구조를 갖는 흡수속건 섬유 시이트 |
JP2015532368A (ja) * | 2012-10-16 | 2015-11-09 | テンプノロジー・エルエルシーTempnology, Llc | 織物、およびその製造方法 |
CN103726202A (zh) * | 2013-12-09 | 2014-04-16 | 恩平锦兴纺织印染企业有限公司 | 一种保温吸湿排汗面料及其生产方法 |
CN109056170A (zh) * | 2018-10-31 | 2018-12-21 | 马鞍山市永运家纺有限公司 | 一种复合型超细纤维面料及其制备工艺 |
CN113151971A (zh) * | 2021-03-31 | 2021-07-23 | 海安启弘纺织科技有限公司 | 一种采用放射型超细纤维制备经编超柔绒类面料的方法及其产品 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3086091B2 (ja) | 2000-09-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6432504B1 (en) | Composite textile fabric having moisture management | |
JPS5951609B2 (ja) | 吸水性布帛 | |
JP2011132643A (ja) | 織編物及びそれを用いた衣類 | |
JP3724190B2 (ja) | 合成繊維編織物 | |
JPH06173142A (ja) | 高吸水性布帛 | |
JPH0333251A (ja) | 涼感にすぐれたスポーツ衣料用編地 | |
JPH1025642A (ja) | 多層構造布帛 | |
JP2004270047A (ja) | 編地 | |
GB2085304A (en) | Tampon | |
JP2001020159A (ja) | 清涼編み地 | |
JPH1025643A (ja) | 多層構造布帛 | |
CN112513355B (zh) | 二层结构编织物和服装 | |
JPH0441750A (ja) | 濡れ感の少ない多層構造編地 | |
JP2006057200A (ja) | 吸収性物品 | |
JPS60126357A (ja) | 偏在吸水性編地 | |
JP3859269B2 (ja) | 多層構造糸条 | |
JPS6346179B2 (ja) | ||
JP3159410B2 (ja) | 編 地 | |
JPS6254899B2 (ja) | ||
JPH11172539A (ja) | 吸汗性と速乾性を有する複合糸 | |
JPH0533234A (ja) | ぬれ感の少ない紡績糸 | |
JPH0985872A (ja) | 二層構造布帛 | |
JPS60215830A (ja) | 多層構造紡績糸 | |
JPS59199845A (ja) | 保温性偏在吸水性編物 | |
JP3599139B2 (ja) | ぬれ感の少ない布帛及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090707 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100707 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110707 Year of fee payment: 11 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |