JPH06172741A - 粘土有機複合体組成物およびその用途 - Google Patents

粘土有機複合体組成物およびその用途

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JPH06172741A
JPH06172741A JP32920092A JP32920092A JPH06172741A JP H06172741 A JPH06172741 A JP H06172741A JP 32920092 A JP32920092 A JP 32920092A JP 32920092 A JP32920092 A JP 32920092A JP H06172741 A JPH06172741 A JP H06172741A
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clay
solvent
water
organic composite
gel
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JP32920092A
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English (en)
Inventor
Seinosuke Ando
誠之助 安藤
Takahiro Sekimoto
貴裕 関本
Toshio Kondo
寿夫 近藤
Toshikazu Fujisaki
敏和 藤崎
Ko Honma
興 本間
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KOOPU CHEM KK
Co Op Chemical Co Ltd
Original Assignee
KOOPU CHEM KK
Co Op Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 膨潤性層状ケイ酸塩の層間に、一般式 【化6】 上記式中、R1 は水素原子又は炭素数1〜30のアルキ
ル基を表し、R2 およびR3 はそれぞれ−(CH2 CH
2 O)nH基又は炭素数1〜30のアルキル基を表し、R
4 は−(CH2 CH2 O)nH基を表し、nは2以上の整
数である第四級アンモニウムイオン;あるいは上記式中
5 は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R6 、R7
よびR8 は炭素数6〜14のアルキル基を表す第四級ア
ンモニウムイオンを導入した粘土有機複合体を、高極性
有機溶媒および水の混合溶媒に添加し、分散させたゾル
又はゲル状の粘土有機複合体組成物。 【効果】 本発明の粘土有機複合体組成物は、チキソト
ロピー性をもった高い粘性を有するゾル又はゲルを形成
するものであり、広い範囲の含水率の溶媒中でも分散性
と粘性が向上し、安定性、使用性がすぐれ、親水性高極
性有機溶媒の種類および水の量を変えて得られるゲルは
多方面に利用でき、化粧料、メークアップ化粧料除去
剤、塗料剥離剤、接着剤等に有効に利用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定の粘土有機複合体
を、高極性有機溶媒と水の混合溶媒に添加し、分散させ
た、チキソトロピー性を持ったゾル又はゲル状の粘土有
機複合体組成物、該組成物からなるゲル化剤、これを含
む化粧料、メークアップ化粧料除去剤、塗料剥離剤及び
接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】層状ケイ酸塩鉱物は、粘土を構成する代
表的な鉱物であって、2:1型層状ケイ酸塩鉱物にあっ
ては、2層のシリカ四面体層がマグネシウム八面体層又
はアルミニウム八面体層を間に挟んだサンドイッチ型の
3層構造を有するケイ酸塩層が、数〜数10層積層した
構造をしている。
【0003】膨潤性層状ケイ酸塩のケイ酸層は、負の層
電荷を有しているが、その電荷は層間に置換されたアル
カリ金属カチオンおよびアルカリ土類金属カチオンによ
って中和されているため、全体として電荷がバランスし
ている。これらの膨潤性層状ケイ酸塩であるスメクタイ
トや膨潤性雲母は、陽イオン交換能を有し、径が0.1
μm 以下の円盤状の微粒子で、層間が広がり易く、水中
で分散してチキソトロピー性を有するゾルを形成し、濃
度を高くするとゲルを形成する性質を有している。
【0004】このような膨潤性粘土鉱物に親油性を付与
するため、陽イオン交換により層間に特定の第四級アン
モニウムイオンを導入することにより、有機溶剤にも分
散させる試みは数多く行われている。例えば特開昭63
−294936号公報にはスメクタイトとある種の第四
級アンモニウム塩との複合体は、トルエン等の芳香族系
有機溶剤と少量のメタノールとの混合溶媒に分散するこ
とが開示されている。しかし、芳香族有機溶媒の使用
は、作業環境、使用環境などの問題がある。アルコール
類、ケトン類の高極性有機溶媒に分散する粘土複合体と
して、特開昭54−14381号、特公昭57−357
31号、特開昭62−46917号、特公平3−579
48号公報には、アルコール、ケトン中で分散し、ゲル
を形成するものが開示されている。しかしながら、これ
らの粘土複合体は、高粘度のゲルを得るには10%以上
の粘土複合体を使用する必要があり、また少量の水を添
加することしかできなかったため、チキソトロピー性が
不十分であった。また、特開昭61−268350号、
特開昭62−30547号および特公平3−80531
号公報には、水、アセトン、低級アルコール等の低沸点
溶剤中で、膨潤性粘土鉱物をある種の第四級アンモニウ
ム塩型カチオン界面活性剤で処理することにより得たW
/O型乳化剤が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、低級アルコー
ル類、ケトン類およびアミド類の高極性有機溶媒を含む
高含水率の混合溶媒中で、良好な分散性と高い粘性を有
し、チキソトロピー性を持ったゾル又はゲルを形成する
粘土有機複合体組成物の開発が求められている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、膨潤性層
状ケイ酸塩の層間に、下記特定の第四級アンモニウムイ
オンを導入した粘土有機複合体は、有機高極性溶媒のみ
又は水のみの溶媒中よりも高極性有機溶媒と水との混合
溶媒中で、粘性が大幅に増加して、チキソトロピー性を
有するゾルやゲルが得られるという特異な変化をするこ
とを見い出した。これにより、少量の粘土有機複合体を
用い、水の添加量を調節することにより、各種粘度のゾ
ル又はゲルとして各種用途への応用が可能となった。
【0007】本発明は、膨潤性層状ケイ酸塩の層間に、
一般式(I)
【0008】
【化3】
【0009】(式中、R1 は水素原子又は炭素数1〜3
0のアルキル基を表し、R2 およびR3 はそれぞれ−
(CH2 CH2 O)nH基又は炭素数1〜30のアルキル
基を表し、R4 は−(CH2 CH2 O)n H基を表し、
nは2以上の整数である)で示される第四級アンモニウ
ムイオンを導入した粘土有機複合体(以下、粘土有機複
合体Iという)、あるいは、一般式(II)
【0010】
【化4】
【0011】(式中、R5 は炭素数1〜4のアルキル基
を表し、R6 、R7 およびR8 は炭素数6〜14のアル
キル基を表す)で示される第四級アンモニウムイオンを
導入した粘土有機複合体(以下、粘土有機複合体IIとい
う)を、高極性有機溶媒と水の混合溶媒に添加し、分散
させたゾル又はゲル状の粘土有機複合体組成物に関す
る。
【0012】また、本発明は、上記の粘土有機複合体組
成物からなるゾル又はゲル化剤、又はこれを含む化粧
料、メークアップ化粧料除去剤、塗料剥離剤及び接着剤
の用途に関する。
【0013】本発明に用いる膨潤性層状ケイ酸塩は、陽
イオン交換能を有し、さらに層間に水を取り込んで膨潤
する特異な性質を示す層状ケイ酸塩で、スメクタイト型
粘土や膨潤雲母等を挙げることができる。例えば、スメ
クタイト型粘土としては、ヘクトライト、サポナイト、
スチブンサイト、バイデライト、モンモリロナイト、ノ
ントロナイト又はベントナイト等の天然または化学的に
合成したもの、又はこれらの置換体、誘導体、あるいは
混合物を挙げることができる。また膨潤性雲母として
は、化学的に合成した膨潤性雲母で、層間にLiイオン
やNaイオンを持った合成膨潤性雲母、又はこれらの置
換体、誘導体あるいは混合物を挙げることができる。
【0014】一般式(I)の第四級アンモニウム塩の具
体例としては、 ヒドロキシポリオキシエチレン・トリアルキルアンモニ
ウムクロライド ヒドロキシポリオキシエチレン・トリアルキルアンモニ
ウムブロマイド ヒドロキシポリオキシエチレン・ジアルキルアンモニウ
ムクロライド ヒドロキシポリオキシエチレン・ジアルキルアンモニウ
ムアセテート ジ(ヒドロキシポリオキシエチレン)・ジアルキルアン
モニウムクロライド ジ(ヒドロキシポリオキシエチレン)・ジアルキルアン
モニウムブロマイド ジ(ヒドロキシポリオキシエチレン)・アルキルアンモ
ニウムクロライド ジ(ヒドロキシポリオキシエチレン)・アルキルアンモ
ニウムアセテート トリ(ヒドロキシポリオキシエチレン)・アルキルアン
モニウムクロライド トリ(ヒドロキシポリオキシエチレン)・アルキルアン
モニウムブロマイド トリ(ヒドロキシポリオキシエチレン)・アルキルアン
モニウムアセテート トリ(ヒドロキシポリオキシエチレン)・アンモニウム
クロライド トリ(ヒドロキシポリオキシエチレン)・アンモニウム
アセテート が挙げられる。
【0015】一般式(II)の第四級アンモニウム塩の具
体例としては、 トリオクチル・メチル・アンモニウムクロライド トリオクチル・メチル・アンモニウムブロマイド 等が挙げられる。本発明の実施にあたっては、式(I)
又は式(II)の第四級アンモニウム塩の一種または二種
以上が任意に選択される。
【0016】本発明に使用される高極性有機溶媒として
は、例えばメタノール、エタノール、プロパノールのよ
うな低級アルコール類;アセトン、エチルメチルケト
ン、プロピルメチルケトンのようなケトン類;およびジ
メチルホルムアミド(DMF)のようなアミド類等の溶
剤が挙げられる。
【0017】本発明で使用する粘土有機複合体は、膨潤
性層状ケイ酸塩を水に分散させ、撹拌下にこれに一般式
(I)又は(II)の第四級アンモニウム塩を反応させ、
生成物を固液分離、洗浄して副生塩類を除去したのち、
乾燥することにより得られる。具体的には、特願平3−
349837号および特願平4−180230号に記載
された方法で製造することができ、これらの明細書に記
載された方法は本明細書に引用される。本発明の粘土有
機複合体組成物は、該粘土有機複合体を高極性有機溶媒
と水の混合溶媒に分散させることにより得られる。
【0018】本発明において、高極性有機溶媒と水の混
合溶媒に対する粘土有機複合体の添加量は、添加量が多
いと粘性も高くなるが、粘土有機複合体Iにあっては、
一般に0.5〜15重量%、好ましくは1〜8重量%で
あり、粘土有機複合体IIにあっては、一般に1〜20重
量%、好ましくは2〜15重量%である。これより高濃
度に添加する場合は、粘性が高すぎてゲル中に分散しな
い粘土有機複合体が残るため好ましくない。
【0019】高極性有機溶媒と水の混合溶媒の含水率
は、粘土有機複合体の種類及び高極性有機溶媒の種類に
より異なる。粘土有機複合体を高極性有機溶媒と水の混
合溶媒に添加分散させた場合の分散性、ゾル・ゲル性お
よび透明性を次の試験法で調査した結果は、以下のとお
りである。
【0020】分散性試験 50mlのスクリュー管ビンに分散液30g を添加し、2
5℃で一晩放置して、分散性を肉眼で観察した。 ・粘土有機複合体が膨潤せず、ビンの下に沈んでいる状
態−−沈殿している。 ・粘土有機複合体が膨潤しているものの、膨潤している
層と透明な層に分かれている状態−−−−−−−−−−
−−−−−−−−−−−2層に分かれている。 ・粘土有機複合体がビン全体に膨潤しているもの−−−
−−−分散している。ゾル・ゲル試験 分散性試験で、分散しているものについては、さらにゾ
ル・ゲル性を調べた。分散液の入っているビンをゆっく
り180°回転させてさかさまにし、分散液の状態を調
べた。 ・ビンをさかさまにすると、分散液が垂れ下がるもの−
−−−−−−−−ゾル ・ビンをさかさまにしても、分散液が垂れ下がらないも
の−−−−−−−ゲル透明性試験 25℃で一晩放置した分散液の透過率を日立製分光光度
計を用いて500nmの吸光度を純水を対照として測定
し、透過率70%以上のものを透明とした。
【0021】(I)粘土有機複合体Iを含水率を変えた
高極性有機溶媒と水の混合溶媒に分散させた場合は、図
1に示すとおりである。
【0022】(1)メタノール又はエタノールのような
低級アルコール類の含水溶媒に粘土有機複合体Iを分散
させる場合には、図1(A)に示すように、含水率が1
〜90%、好ましくは5〜80%においてゾル又はゲル
となり、約20〜60%において透明なゲルとなり、こ
の範囲の含水率において著しい増粘効果が得られる。1
%以下の含水率の溶媒中では、粘土有機複合体Iの添加
量が少ない場合十分な粘性が得られず、分散しないで2
層に分離してしまう。また90%以上の含水率の溶媒中
では、粘土有機複合体は分散せず2層に分かれるか沈殿
してしまう。すなわち、本発明において、アルコール系
溶媒のみ又は水のみでは十分なチキソトロピー性を有す
るゾル又はゲルが得られないのに対し、適当な含水率の
混合溶媒中において、粘度が著しく上昇することの発見
は全く予期しがたいことであった。
【0023】(2)アセトンのようなケトン類の含水溶
媒に粘土有機複合体Iを分散させる場合には、図1
(B)に示すように、含水率5〜90%、好ましくは1
0〜80%においてゲルとなり、約10〜60%におい
て透明なゲルとなり、この範囲の含水率において著しい
増粘効果が得られる。
【0024】(3)DMFのようなアミド類の含水溶媒
に粘土有機複合体Iを分散させる場合には、図1(C)
に示すように、含水率0.5〜90%、好ましくは0.
5〜80%においてゲルとなり、約0.5〜60%にお
いて透明なゲルとなり、この範囲の含水率において著し
く増粘効果が得られる。
【0025】II 粘土有機複合体IIを含水率を変えた高
極性溶媒と水の混合溶媒に分散させた場合は、図2に示
すとおりである。
【0026】(1)アセトンのようなケトン類の含水溶
媒に、粘土有機複合体IIを分散させる場合には、図2
(A)に示すように、含水率が0.5〜20%、好まし
くは0.5〜10%であり、20%以上の含水率の溶媒
中では2層に分離してしまうか、沈殿してしまう。
【0027】DMFのようなアミド類の含水溶媒に粘土
有機複合体IIを分散させる場合には、図2(B)に示す
ように、含水率が0.5〜30%、好ましくは0.5〜
20%であり、この範囲の含水率において透明なゲルと
なり著しく増粘効果が得られる。
【0028】III 粘土有機複合体IとIIとを1:1の
割合で含水率を変えた高極性溶媒と水の混合溶媒に分散
させた場合は、図3に示すとおりである。
【0029】(1)アセトンのようなケトン類の含水溶
媒に粘土有機複合体の混合物を分散させる場合には、図
3(A)に示すように、含水率が0.5〜20%、好ま
しくは0.5〜10%である。
【0030】(2)DMFのようなアミド類の含水溶媒
に粘土有機複合体の混合物を分散させた場合には、図3
(B)に示すように、含水率が0.5〜30%、好まし
くは0.5〜20%であり、この範囲の含水率において
透明なゲルとなり、著しい増粘効果が得られる。
【0031】このようにして得られた本発明の粘土有機
複合体組成物は、そのまま使用しても、他の物質と混合
して使用しても、あるいは粘土有機複合体組成物の製造
時に、同時に他の物質を混合して使用してもかまわな
い。該組成物あるいは該組成物を添加したものは、多方
面の用途に使用することができる。
【0032】高極性有機溶媒としてエタノール等の低級
アルコール類を添加した粘土有機複合体組成物は、すっ
きり感、さわやか感、速乾性を肌や頭皮に付与するとと
もに、耐寒剤および抗菌剤としても有用であるため、化
粧料として、原料にエタノール等の低級アルコールを使
用するクリーム、乳液等の基礎化粧品、エナメル等の美
爪料、頭髪化粧料、ファンデーション等のメーキャップ
化粧料、日焼け止め化粧料に配合することができる。さ
らに、頭皮にスッキリ感を与えるトニックシャンプー等
のシャンプー類や、リンス、そして液状石鹸等の化粧料
にも有用である。さらに、口紅、ほほ紅、アイシャド
ウ、ファンデーション等のメークアップ化粧料を極めて
容易にかつ安全に除去することができるのでメークアッ
プ化粧料除去剤としても有用である。
【0033】高極性有機溶媒としてアセトン等のケトン
類を添加した粘土有機複合体組成物は、美爪料のエナメ
ル除去、構造物の塗料や金属家具、自動車、その他の塗
装品の塗料を剥離するための塗料剥離剤として有用であ
る。
【0034】さらに、高極性有機溶媒として、メタノー
ル、エタノール等の低級アルコール類、アセトン、メチ
ルエチルケトン等のケトン類、あるいはDMF等のアミ
ド類の溶剤の1種または2種以上を添加した粘土有機複
合体組成物は、そのコロイド的特性を利用して、薄膜形
成能、親水性有機物との結合性、無機質顔料との吸着能
などの諸特質が付与された塗料、初期接着力および平衡
接着力の優れた接着剤としても有用である。
【0035】
【作用】本発明の粘土有機複合体組成物は、低級アルコ
ール類、ケトン類、アミド類の高極性有機溶媒と水との
特定の含水率の混合溶媒中において、高極性有機溶媒の
み又は水のみを溶媒とした場合に比べて、極めて高い粘
度を有するゾル又はゲルを形成する。かつ高濃度の水を
含有しても高粘度のゲルの性状を維持していることは全
く驚くべきことである。さらに高極性有機溶媒を含有し
ていることにより親油性、親水性を兼ね備えているの
で、ゲル化剤として各種用途に利用可能である。
【0036】
【実施例】
製造例1 合成スメクタイト(コープケミカル(株)製、商品名ル
ーセンタイト:SWN)20g を水1,000mlに分散
させて懸濁液とし、次式で示される第四級アンモニウム
塩の95%含有品21.4g を溶解した溶液300ml
を、前記合成スメクタイト懸濁液に撹拌しながら添加
し、さらに室温で2時間撹拌した。生成物を固液分離、
洗浄して副生塩類を除去した後、乾燥、粉砕して粘土有
機複合体Iを得た。
【0037】
【化5】
【0038】製造例2 製造例1で用いた第四級アンモニウム塩の代りに、トリ
オクチル・メチル・アンモニウム・クロライドの80%
含有品11.1g を用いた以外は、実施例1と同様にし
て粘土有機複合体IIを製造した。
【0039】実施例1 エタノール38.8g と純水58.2g の混合溶液(含
水率60%)に粘土有機複合体I3.0g を混合し、2
5℃で振盪機で2時間振盪して、無色透明で、チキソト
ロピー性を有するゲル状の粘土有機複合体組成物Aを得
た。この粘土有機複合体組成物Aの見掛け粘土は東京計
器(株)製B型粘度計で、25℃で測定した結果は、1
840cP(6rpm )および388cP(60rpm )であっ
た。また、粘土有機複合体Iを3重量%の添加量で、含
水率を変えたエタノール水溶液に分離させ、上記と同様
の方法で見掛け粘度を測定した結果は図4のとおりであ
った。なお、100%エタノール溶液中で行った同様の
実験での粘度は、27.5cP(6rpm )および5cP(6
0rpm )であった。
【0040】比較例1 第四級アンモニウムイオンを導入していない合成スメク
タイト(コープケミカル(株)製、商品名ルーセンタイ
トSWN)を、含水率を変えたエタノール水溶液に3重
量%を添加し、実施例1と同様の方法で粘度を測定した
結果は図5のとおりであった。含水率が高いほど粘度が
上昇しゾル又はゲルを形成するが、含水率の低いエタノ
ール溶液では2層に分離又は沈殿してゾル又はゲルが得
られなかった。
【0041】実施例2 含水率40%のエタノール水溶液に粘土有機複合体Iを
種々の添加量で添加、分散させ、実施例1と同様の方法
で見掛け粘度を測定した結果は図6のとおりであった。
【0042】実施例3 アセトン77.6g と純水19.4g の混合溶液(含水
率20%)に粘土有機複合体I3.0g を混合し、25
℃で振盪機で2時間振盪して、無色透明でチキソトロピ
ー性を有するゲル状の粘土有機複合体組成物Bを得た。
この粘土有機複合体組成物Bの粘度を実施例1と同様の
方法で測定した結果は、8930cP(6rpm )及び96
5cP(60rpm )であった。また、粘土有機複合体Iを
3重量%の添加量で、含水率を変えたアセトン水溶液に
分散させ、見掛け粘度を測定した結果は図7のとおりで
あった。なお、100%アセトン溶液中で行った同様の
実験での粘度は、9.7cP(6rpm )および3.0cP
(60rpm )であった。
【0043】実施例4 アセトン85.5g と純水9.5g の混合溶液(含水率
10.56%)に粘度有機複合体II5.0g を混合し2
5℃で振盪機で2時間振盪して、均一に分散し、チキソ
トロピー性を有するゲル状の粘土有機複合体組成物Cを
得た。この粘土有機複合体組成物Cの見掛け粘度は、実
施例1と同様の方法で測定した結果は2140cP(6rp
m )および336cP(60rpm )であった。また、粘土
有機複合体IIを5重量%の添加量で、含水率を変えたD
MF水溶液に分散させ、見掛け粘度を測定した結果は図
8のとおりであった。なお、100%DMF溶液中で行
った同様の実験での粘度は、35cP(6rpm )および
5.1cP(60rpm )であった。
【0044】実施例5 アセトン89.0g と純水1.0g の混合溶液に粘土有
機複合体II10.0gを混合し、振盪機で2時間振盪し
て、均一に分散し、チクソトロピー性を有するゲル状の
粘土有機複合体組成物Dを得た。
【0045】実施例6〈クリーム状ヘアトニック〉 下記の原料を混合、分散させ、一晩放置してゲル化さ
せ、クリーム状ヘアトニックを調製した。 ジメチルラウリルアミンオキシド 0.5 % ラウリン酸ナトリウム 0.1 プロピレングリコール 5.0 ヒアルロン酸ナトリウム 0.01 エタノール 75.0 粘土有機複合体I(製造例1) 3.0 純水 残余
【0046】このヘアトニックを男性20名のパネラー
に毎日約5g ずつを頭皮に塗布してもらい、フケ、発
毛、脱毛等の症状に対する効果を調べた。判定は表−1
に示す3段階で行い、満点を40点として、合計点が3
0点以上をA、20点以上をB、10点以上をC、10
点未満をDとして評価した。その結果を表−2に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】実施例7〈クリーム状ヘアーリキッド〉 下記の原料を混合、分散させ、一晩放置してゲル化さ
せ、クリーム状ヘアーリキッドを調製した。 ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・モノブチルエーテル 20% エタノール 35 粘土有機複合体I(製造例1) 3 着色料 0.2 香料 0.6 純水 残余
【0050】実施例8〈クリーム状ヘアーコンディショ
ナー〉 下記の原料を混合、分散させ、一晩放置してゲル化さ
せ、クリーム状ヘアーコンディショナーを調製した。 グリセリン 10% エタノール 50 ポリペプチド 0.1 粘土有機複合体I(製造例1) 3.0 着色料 0.2 香料 0.6 純水 残余
【0051】実施例9〈安定性試験〉 実施例6、7および8で調製したクリーム状ヘアーリキ
ッド、クリーム状ヘアーリキッド及びクリーム状ヘアコ
ンディショナーを常温で3ケ月間放置して、分散してい
るゲルが変化するかどうかを観察した。いずれも変化は
なく、固化したり、ゲルが分離しなかった。
【0052】実施例10〈ファンデーション除去剤〉 下記粘土有機複合体I、プロピルアルコール及び純水の
所定量を混合、分散させ、一晩放置して得たゲル状物
に、残りの原料の所定量を混合してファンデーション除
去剤を調製した。 粘土有機複合体I(製造例1) 5% プロピルアルコール 14 純水 5.2 ジベラゴン酸プロピレングリコール 65 ワセリン 10 着色料 0.2 香料 0.6
【0053】この化粧料除去剤を女性20名のパネラー
にファンデーションの除去に実際に使用してもらい、除
去性、使用感、使用後の皮膚の状態について調査した。
判定は表−3に示す3段階で行い、満点を40点とし
て、合計点が30点以上をA、20点以上をB、10点
以上をC、10点未満をDとして評価した。その結果を
表−4に示す。
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】実施例11〈美爪料除去剤〉 下記の原料を混合、分散させ、一晩放置してゲル化さ
せ、ゲル状溶液の美爪料除去剤AおよびBを調製した。 〈実施例10−1〉 〈実施例10−2〉 美爪料除去剤A 美爪料除去剤B アセトン 63% 72% ステアリン酸ブチル 3 3 酢酸ブチル 8 8 粘土有機複合体I(製造例1) 5 − 粘土有機複合体II(製造例2) − 15 着色料 0.2 0.2 香料 0.6 0.6 純水 残余 残余
【0057】この美爪料除去剤を女性20名のパネラー
に実際に使用してもらい、除去性、使用感および使用後
の皮膚の状態について調査した。判定は表−5に示す3
段階で行い、満点を40点として、合計点が30点以上
をA、20点以上をB、10点以上をC、10点未満を
Dとして評価した。その結果を表−6に示す。
【0058】
【表5】
【0059】
【表6】
【0060】実施例12〈安全性試験〉 実施例10、実施例11で製造したファンデーション除
去剤および美爪除去剤A、Bを常温で3ケ月間放置し
て、ゲル状溶液が変化するかどうかを観察した。いずれ
も変化はなく、分離しなかった。
【0061】実施例13〈塗料剥離剤〉 実施例3および5で製造した粘土有機複合体組成物Bお
よびDを、セルロース変性アクリルラッカーで焼付塗装
を施した金属板上に油性エナメルで描いた文字看板に塗
布し、30分経過後、水で洗い流して看板文字の消え具
合および焼付塗装面の変化を調べた。
【0062】なお、比較品としてアセトン89.0g と
純水1.0g の混合溶液(含水率1.11%)に、平均
粒径2μm のゼオライト10.0g を混合して振盪機で
2時間振盪したものを用いた。判定は表−7に示す3段
階で行った。試験結果を表−8に示す。
【0063】
【表7】
【0064】
【表8】
【0065】実施例14〈接着剤〉 メチルエチルケトン56.0g 、メタノール24.0g
および純水2.0g の混合溶液(含水率2.44%)
に、製造例2で得た粘土有機複合体II10.0gを添加
し、25℃で振盪機で2時間振盪して得たゾル状の粘土
有機複合体組成物70重量%と、PVA(重合度1,7
20、ケン化度99.3モル%)30重量%を混合し、
これを固形分が25重量%の含有量になるように水中に
分散させ、加熱しながら溶解し、接着剤を得た。この接
着剤は白色のチキソトロピー性を持ったゾルであり、貯
蔵安定性にすぐれており、1週間以上ゲル化しなかっ
た。
【0066】本発明の接着剤および比較の接着剤を容積
50mlのスクリュービンに入れて、製造直後および常温
に30日間放置後の、貯蔵安定性、初期接着力および平
衡接着力を測定した。
【0067】比較の接着剤 上記粘土有機複合体組成物Fの変わりに、メチルエチル
ケトン56.0g 、メタノール24.0g および純水
2.0g と、平均粒径2μm のゼオライト18.0g を
混合した溶液を用いた以外は、同様にして比較の接着剤
を得た。
【0068】貯蔵安定性 30日間放置して、変化しないものを○、粘性はあるが
2層に分離したものを△、沈殿して底部が固化したもの
を×として評価した。
【0069】初期接着力の測定 接着剤をチップボール(サイズ度7分23秒)に45g/
m2塗布したものを、東洋精機製、回転式初期接着力測定
機にて測定した。回転数の少ないものほど初期接着力の
高いことを意味する。
【0070】平衡接着力の測定 初期接着力の測定に用いたものを、島津オートグラフに
て剥離力を測定した。結果を表−9に示す。
【0071】
【表9】
【0072】
【発明の効果】本発明の粘土有機複合体組成物は、チキ
ソトロピー性をもった高い粘性を有するゾル又はゲルを
形成するものであり、広い範囲の含水率の溶媒中でも分
散性と粘性が大幅に向上し、安定性、使用性がすぐれ、
親水性高極性有機溶媒の種類および水の量を変えて得ら
れるゲルは多方面に利用でき、化粧料、メークアップ化
粧料除去剤、塗料剥離剤、接着剤等に有効に利用でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】粘土有機複合体Iを分散させた高極性有機溶媒
の含水率と、分散性、ゾル・ゲル性および透明性の関係
を示す図である。(A)はエタノール水溶液、(B)は
アセトン水溶液、(C)はDMF水溶液。
【図2】粘土有機複合体IIを分散させた高極性有機溶媒
の含水率と、分散性、ゾル・ゲル性および透明性の関係
を示す図である。(A)はアセトン水溶液、(B)はD
MF水溶液。
【図3】粘土有機複合体IおよびIIの1:1混合物を分
散させた高極性有機溶媒の含水率と、分散性、ゾル・ゲ
ル性および透明性の関係を示す図である。(A)アセト
ン水溶液(B)DMF水溶液。
【図4】実施例1の粘土有機複合体Iを分散させたエタ
ノール水溶液の含水率と粘度の関係を示すグラフであ
る。
【図5】比較例1のスメクタイトを分散させたエタノー
ル水溶液の含水率と粘度の関係を示すグラフである。
【図6】実施例2の粘土有機複合体Iを含水率40%の
エタノール水溶液に分散させた場合の添加量と粘度の関
係を示すグラフである。
【図7】実施例3の粘土有機複合体Iを分散させたアセ
トン水溶液の含水率と粘度の関係を示すグラフである。
【図8】実施例4の粘土有機複合体IIを分散させたアセ
トン水溶液の含水率と粘度の関係を示すグラフである。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 膨潤性層状ケイ酸塩の層間に、一般式
    (I) 【化1】 (式中、R1 は水素原子又は炭素数1〜30のアルキル
    基を表し、R2 およびR3 はそれぞれ−(CH2 CH2
    O)nH基又は炭素数1〜30のアルキル基を表し、R4
    は−(CH2 CH2 O)n H基を表し、nは2以上の整
    数である)で示される第四級アンモニウムイオンを導入
    した粘土有機複合体を、高極性有機溶媒と水の混合溶媒
    に添加し、分散させたゾル又はゲル状の粘土有機複合体
    組成物。
  2. 【請求項2】 高極性有機溶媒と水の混合溶媒が、含水
    率1〜90%の低級アルコール類、含水率5〜90%の
    ケトン類、含水率0.5〜90%のアミド類、又はこれ
    らの混合溶媒である請求項1の粘土有機複合体組成物。
  3. 【請求項3】 膨潤性層状ケイ酸塩の層間に、一般式
    (II) 【化2】 (式中、R5 は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R
    6 、R7 及びR8 は炭素数6〜14のアルキル基を表
    す)で示される第四級アンモニウムイオンを導入した粘
    土有機複合体を、高極性有機溶媒と水の混合溶媒に添加
    し、分散させたゾル又はゲル状の粘土有機複合体組成
    物。
  4. 【請求項4】 高極性有機溶媒と水の混合溶媒が、含水
    率0.5〜20%のケトン類、含水率0.5〜30%の
    アミド類、又はこれらの混合溶媒である請求項3の粘土
    有機複合体組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1又は3記載の粘土有機複合体組
    成物からなるゾル又はゲル化剤。
  6. 【請求項6】 請求項1又は3記載の粘土有機複合体組
    成物を含む化粧料。
  7. 【請求項7】 請求項1又は3記載の粘土有機複合体組
    成物を含むメークアップ化粧料除去剤。
  8. 【請求項8】 請求項1又は3記載の粘土有機複合体組
    成物を含む塗料剥離剤。
  9. 【請求項9】 請求項1又は3記載の粘土有機複合体組
    成物を含む接着剤。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002294209A (ja) * 2001-03-30 2002-10-09 Sekisui Chem Co Ltd 粘着剤組成物及びその製造方法、並びに粘着テープ
WO2013133091A1 (ja) * 2012-03-07 2013-09-12 株式会社ヤマグチマイカ 揺変剤およびその製造方法
JP2020125402A (ja) * 2019-02-05 2020-08-20 株式会社Design京都 揺変剤

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